8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 18:45:08.62 ID:FAEEZjkF0
アパート『メゾン・ソアラ』の扉を叩いたのは18時5分前の事である
インターホンを押すとドアが物々しく開いた
今日は我が大学KO大学の新入生説明会であった
新入生説明会を経て学生証等の配布を受け
晴れて私もKO大学生の仲間入りである
さてさて我がばら色の大学生活では何をなすべきであろうか
学友とともに学問に精進するもよし
異性との健全な青春に心ときめかせるもよし
撥弦楽器の道を究めんとするもよし
求めよ、さすれば与えられん
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 18:51:04.12 ID:FAEEZjkF0
私がへとへとになって愛しの六畳一間に帰ってきたのは
15時過ぎのことである
と言うのもこの時期は学生の交友の場である
サークルの新入生勧誘の時期でもあるからだ
サークルとは
伴に学問に精進する者
大学生活の苦楽を分かちあう者
将来の伴侶として伴に人生を歩んでいく可能性がある者
不純性行為に思いを馳せる者
研究レポートの参考文献になるレポートを持つ者
麻雀という闇遊戯にふける者
免罪符である『出席カード』の密売人
等がなす集団活動である
今から『新入生募集』と書かれた大量にうけとったビラを選別作業に入る
梓「これとこれはこっち」
選別の基準は
一見の価値がありそうなもの
貴重な火力発電の燃料になってもらうもの
の二つである
束になったリサイクル燃料を可燃ごみに投入したところで
せっせと今日ポストに入っていた物の選別に入る
新設の美容院の紹介葉書
ピザ屋の広告
すし屋の広告
キャバクラの勧誘葉書
ん、これは何の紙であろうか
私が手にした一枚紙にはこう書かれていた
新入募集中
興味があるなら来たれし
……これも可燃ごみか
四畳半くせえ
すまん四畳半最近読んだから
することもないのでギターの練習をしていた17時40分頃のことである
突然携帯電話が鳴り出した
着信は唯先輩からだった
Pi
梓「もしもし」
唯「あ、あのさ、あずにゃん」
梓「何ですか?」
唯「み、みたかな?」
梓「見たって何をですか?」
唯「今日ポストに…」
梓「ああ、キャバクラの勧誘が入ってましたね」
唯「……」
梓「え、どうしたんですか、唯先輩?」
唯「新入募集中!興味があるなら来たれし!」
Pi ぷーぷー
梓「(ああ、あのくだらんビラ、唯先輩が入れたのか)」
「(くだらない広告だとおもって捨てちゃったよ)」
火力発電の燃料入れから
先ほどの紙を取り出す
裏面にはこう書かれていた
場所『メゾン・ソアラ』
時間18時丁度
(連絡先○○○-○○○○)
この連絡先はまさしく先ほどの着信と同じ番号であった
梓「はあ、じゃ、行こうかな」
私は自転車に乗って走りだした
唯先輩のアパートは神社を越えたすぐ先にある
唯「あ、あずにゃん!来たんだ!」ダキ
梓「唯先輩が呼んだんじゃないですか」
「てか、玄関先で抱きつくのは止めてください」グイ
紬「あずさちゃん、久しぶりー」
梓「お久しぶりです、ムギ先輩」ペコ
私のアパートからKO大学まで東に3駅
西あるにN女子まで2駅
両大学の距離は実質5駅で40分弱もない
この街は両大学の学生にはうって付けの場所にある
そのため結構両大学の学生がこの界隈に住み着いている
私と唯先輩もその内の一人である
そのため私と唯先輩のアパートは距離にして1キロ弱でしかない
勘違いしてもらっては困るのだが
決して唯先輩の近くに住みたいがために
他の好条件の物件をけったりなんかしてないんだからね
こんな偶然が起こるものであろうか
そうこれは運命である
神様が決めたのだからしかたがない
なかなかいいね
四畳半って面白いの?
>>17
明石さん「森見先生の作品特に原作は無類です」
―
そんなこともあってこちらへ越してきてからは唯先輩とはよく会う
というかすごく会う
というか昨日も私の部屋に来てたし
おとといも唯先輩の家に行ったし
だから玄関先で抱きつくのだけは止めてほしい
近くの人の視線が気になる
紬「あらあら」
この今お茶の準備をしている人は紬先輩、愛称ムギ先輩である
高校のときは同じバンドでキーボードをしていた
有名企業の社長さんの娘であり
幻想通りの典型的なお金持ちである
ぽわぽわしていて
外見は美人の憂もはっきりと認める美人
性格もしっかり者で
勉学も優秀
演奏技術も幼いころにコンクールで入賞したことがあるというだけあって一級品であり
その上作曲までこなす秀才っぷり
まさに皆があこがれるような非の付け所のないような人物である
紬「梓ちゃん、嬉しいんだけど、いったい誰に話してるの?」
「うふふ」
本質はただの妄想ガチレズ野郎である
そんなこんなで3人でお茶をしている18時20分ごろ
玄関のインターホンがなった
これまでの唯先輩とムギ先輩との会話は
実に他愛のないものなので割愛させていただく
本当に内容のない話であったため
記録を取るのも取るに足りなく、そもそも取る準備さえもなかった
唯「りっちゃんと澪ちゃんかな?あずにゃん、ちょっと出てきて」
唯先輩とムギ先輩が何やらもそもそとやっているため
私が玄関を開けることとなった
梓「(家主が開けなくていいのか?)」
ガチャ
律「おお!唯!いつの間にか小さくな」
バタン
ガチャ
玄関先にいたのは一見高校のときの先輩の姿である
しかしその先輩が私と唯先輩を見間違えるだろうか
私は腕時計を見た
今は逢魔が時
玄関のドアの先にいるものは化け物か狢の類である可能性が高い
そんなものを唯先輩のアパートに入れる訳にはいかない
律「っておい!聞こえてるぞ!誰がたぬきだ!」ドンドン!
まさにこれはポルターガイスト現象である
律「梓、悪かったよ、てか開けてくれよ!」
澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイ…」
律「おい」
ガチャ
律「ったくもー、お前ってやつは…」
この人は律先輩である
担当はドラム
元気いっぱいの人だ
一言で言えば性格はガサツで大雑把
でもみんなに対する思いやりも欠かさないし
芯がしっかりしていてまとめ役でもある
まさリーダーにふさわしいく
律「って、梓誰に話してるんだよ!」
「ってゆーか、私、別にしっかりしてねえし、思いやりもねえし!」///
こう照れ屋さんで可愛いところも魅力的な人である
律「お、おい!止めろよ」///
このように実にいじりがいのある人物だ、ぷぷ
実際この集団での一番の苦労人はこの人であろう
で、隣にいるこの黒髪美人の人は
澪「ミエナイキコエナイミエナイ…」
めんどくさいからいっか
律「おい…」
律「おい、唯、言われた通り酒買って来たぞー!」
梓「って、何でお酒…」
唯「今日はあずにゃんの再加入歓迎パーティだよ!」
梓「は?」
全く脈絡のない話である
人違いであろうか
今までの文脈に再加入パーティなんて文字があったであろうか
私自身これまでの記憶を文字に記して読み返してみて全く記憶にない
唯先輩の部屋に来るまでの間に
平行世界へさまよったであろうか
さらば今までの私がいた世界
アディオス
そんなこんなで考えているうちに再加入パーティと称する飲み会が始まった
しかしこのムギ先輩が別に持ってきたという焼酎『爆弾ハナタレ』
一体いくらする代物であろうか?
律「それにしても梓も大学生か」←カルーアミルク
紬「一年って早いわね」←焼酎
澪「そうだな」←麦酒
唯「そうだねえ」←カシスオレンジ
梓「何か会話の内容が親父くさくないですか?」←焼酎
律「カルーアミルクおかわり!」
唯紬澪梓(か、かわいい!)
そんなこんなで日常会話が続き
本題に入ったのはなんと2時間後のことである
澪「梓が再加入で放課後ティータイムもやっと本来の力が出せるな」←麦酒、酒豪
紬「そうねえ」←麦酒、酒豪だが種類関係なし
唯「そうだねえ」←カルーアミルク、人並みに飲めるが甘い酒専門
梓「え」←焼酎、実は酒豪、焼酎派
唯澪紬「え?」
梓「私、まだ加入するなんて一言もいってないですが」
唯澪紬「え?」
律「うー、澪!気持ちわりぃ!」←下戸
梓「今日だってこの紙一枚で来たようなものですし」パシ
紬「新入募集中…」
澪「興味があるなら来たれし…」
澪「ゆ~い~、何が私にまかせておいてだよ!」
唯「えへへー」
律「澪ー、きもち悪い!」
澪「律、ちょっとお前は黙っててくれ!」
梓「私だってギターをまじめに練習てうまくなりたいですし」
唯「う」
梓「メンバー集めておいて毎回お茶会って言うのも」
澪「う」
梓「やっぱりバンドって言うのは音楽活動してなんぼなんじゃ?」
紬「う」
梓「違う大学に通ってますし」
唯澪紬「う」
梓「そもそもですね・・・」クドクド
唯「(あずにゃんってお酒はいると説教口調になるよね)」
澪「わ、私達だってちゃんと活動してるよな!」
紬「え、ええ。そうね、最近は新曲も作ったし、ね、唯ちゃん」
「(お茶会が7割だけど)」
唯「うん、ムギちゃんのお菓子も相変わらず美味しいし!」
澪「唯、お前もちょっと黙っててくれ」
澪「そ、そうだ梓、明日練習見に来ないか?」
梓「練習、ですか?」
紬「そ、そう、駅前のスタジオでやるの!」
梓「スタジオでですか」
唯「駅前に美味しいお店が、ムグ!…」
紬「ほら唯ちゃんこのケーキおいしいわよ」
澪「(ナイス、ムギ!)」
ムギ先輩に強引にケーキ口につめこまれてるよ
うわあ
唯「あずにゃん!明日来てくれるよね」ダキ
梓「ぐ」
澪「梓!頼む」ダキ
梓「(澪先輩…大きい///)」
紬「梓ちゃん、お願い!」
梓「(自分から胸押し付けるなこのガチレズ野郎!)」
梓「わ、わかりました、行きますよ」
「ですから、離れてください」グイ
唯「あ、あずにゃーんありがとう」ダキ
ヒョイ
ズテーン!
唯「……澪ちゃーん、あずにゃんが避けたー!!」
澪「駅前のスタジオに15時な」
唯「し、しかと!?」
梓「15時ですね、分かりました」
紬「じゃあまた乾杯ね!」
澪「そうだな!」
律「か、かんぱー……」
澪「お前はおとなしく寝てなさい」
それからさらに2時間後くらい
紬「じゃあ、私はそろそろ帰るね」
「今日は楽しかったー、じゃあまた明日ね」
梓「私も楽しかったです」ペコリ
澪「ん、こんな時間か、私達も帰るか、律」
律「うー頭いたい」
澪「お前は自分の飲める量考えずに飲みすぎなんだよ」
「じゃあ私達もここで、また明日な!」
梓「はい」ペコリ
バタン
さてそろそろいい時間ですし
私も帰るとしましょうか
唯「zzz」
梓「おい」
梓「唯先輩私も帰りますね」
唯「zzz」
て寝てるし
梓「おきてください、私、そろそろ帰らないと」ゆさゆさ
唯「zzz」
起きない……だと
ゴクリ
家主が飲み会で寝たままの状態で帰るわけにはいかない
このまま最後の門番である私が帰れば鍵を開けっ放しということとなってしまうのである
女子大生の一人暮らしの家を
朝まで鍵を開けたままにしておくのはまさに鬼畜の所業である
それにこの部屋は唯先輩の部屋である
ますます無用心にしていいものか、いや、よいわかがない!
おてんとう様が許しても
私中野梓は決して許せぬ
それに先ほど揺らしたおかげで、衣類が少々乱れてしまっている
ゴクリ
梓「唯先輩いい加減」
唯「ううーん」グイ
梓「キャ」
ドン
梓「いった、頭打った」
仰向けで寝ている唯先輩上に転ばされてしまった
まさにベタな状況である!
しかしベタな状況ほど王道ではないか!!
神様のお導きではないか!!!
まさか起きている?
梓「起きてるんですか?」
唯「zzzz」
状況を整理する
今まさに仰向けで寝ている唯先輩の上に覆いかぶさっている状況である
寝たふりであろうか?
ここでふと冷静になって考える
このあからさまにドをつけたくなるような、ど・あからさまな状況
ここで私が変な気を起こした瞬間
急にドアが開いて
律「どっきり、大せいこ~う」
などといわれたら
中野梓一生の不覚である
入った穴に一生閉じこもって日々泣きながら暮らす私の後世が見て取れる
そう考えると
疑心暗鬼に陥るではないか
そもそも律先輩は本当に下戸であろうか
そんなこと初めて聞いたし
よし、こうすることにしよう
私が考えた手順はこうだ
①唯先輩に変な気を起こす(振りをする)
②玄関のインターホンがなる(鳴らなかったら、ゴクリ)
③律先輩が入ってくるより先に玄関に行き
④「やっぱり律先輩の仕込みですか」→ネタバレで寒い空気にする
我ながら完璧な構図である
私は早速実行に移した
こう見えても行動力のある女であるのだ
梓「唯先輩、おきてくれないとこのまま食べちゃいますよ?」
ピンポーン!
急に背後でインターホンがなった!
やっぱりな
私を出し抜くにはまだまだである
ふはは、田井中律討ち取ったり!
玄関まで行って鍵を開ける
梓「やっぱり律先輩のしこ」
そこにいたのは
唯先輩の妹の『平沢憂』であった
あれ?
憂「あ、梓ちゃん、来てたんだ」
梓「ゆ、憂どうしたの?」
憂「さっき何か、おねえちゃんの部屋で変な音しなかった?」
「だから、おねえちゃんが心配で様子見に来たんだよ」
この人は平沢憂
私の桜高時代の同級生
今は唯先輩と同じN女子大学に通い
隣のアパートに住んでいる
勉学も運動も優秀で容姿端麗
料理の腕もいちりゅ
憂「梓ちゃん、何を言ってるのかな、かな?」
ひぃぃぃ
梓「あのう、憂さん」
憂「何かな?」
梓「その、何で、ほ、包丁もってるのかな、かな?なんちゃって」
憂「ああ、料理中だったし、急なことだったからあわてて、ね」
ひぃぃぃ
憂「梓ちゃん、さっきお姉ちゃんの部屋で不自然な音がしなかった?」
この部屋に
隠しカメラはないか?
盗聴器はないか?
壁に穴はないか?
憂「そう言えば、さっきテレビで見たんだけど、昔の人って怖いこと言うよね」
「壁に耳あり、障子に目ありだよ?」
梓「」
梓「わ、私、明日学校あるから帰るね!」
「ゆ、ゆ、唯先輩寝ちゃってるから、憂戸締りお願い!」
それだけ言って私は一目散に『メゾン・ソアラ』を後にした
久しぶりに自転車をたちこぎし
帰って家のドアをチェーンロックまでした
窓もカーテンをきっちりしめた
次の日14時30分
懲りずに自転車で『メゾン・ソアラ』の前に到着した
メールで指定された集合場所がここだったのである
唯「あずにゃーん」ダキッ
梓「ゆ、唯先輩、離れてください!」
唯「いやがる姿もかわいいねえ」
ふと隣のアパートを見上げる
カーテンが少しあいている
憂が窓際にいるのがチラッと見える
一瞬目が合った
笑顔で手を振ってる
ひぃぃぃ
律「ん、梓、どうしたんだ?」
澪「行くぞー」
先頭の二人はすたすたと歩き出す
梓「ゆ、唯先輩!離れてくださいよ!」
唯「ええーまだ肌寒いじゃん」
私はさっきから背筋が凍傷を起こしそうなんだが
紬「あらあら」
唯先輩を無理やりに引き剥がして歩いて
スタジオに入った
時間は15時丁度である
澪「じゃあまずはじめに一曲聴いてくれないか」
律「じゃあやるか、ワン・ツー」
珍しくスタジオに着くとさっそく弾きだした
この曲は聞きなれたフレーズである
梓「(それにしても、澪先輩と紬先輩はさらに磨きがかって、まさに無類だなあ)」
「(律先輩は上達したけど相変わらず…らしいなあ)ふふ」
先輩達がうまくなっていて
うれしい気持ちと
その上今までと変わってなかったことに
思わずにやけてしまう
梓「(それにしても、唯先輩は)」
なんというか
私の語彙が少なくて申し訳ないが
演奏技術が上達自体はしているのだが
天真爛漫っぷりが増したとでも表現するのが正しいのだろうか
芸術家だったら
これこそ天才って言う人と
カスって言う人で論争が起きるのであろう
―ジャーン
澪「どうだった?」
梓「うーん」
この演奏を全体で捕らえるのはどう表現したら良いものだろうか
梓「あまり上手じゃないですね!」
全体的にまとめた結果出た結論がこれであった
真にこのバンドの演奏を一言で言い表している
我ながら素晴らしい表現だ
結論
全体的に見ると『あまり上手じゃない』
澪「ガーン!」
律「なにおう!」
唯「じゃあ、次はあずにゃん一緒にも弾こうよー!」
紬「そうね」
梓「え、私もですか?」
「それじゃ、今日来た意味が…」
唯「じゃあ行くよ」
梓「ちょ、ちょっと待ってください、準備を」
律「行くぞ、ワン・ツー!」
澪「」ガーン
律「おい、弾けよ」
TAKE2
♪~♪♪
律「(お、)」
「(やっぱり、梓はうまいなあ)」
澪「(全体が安定するだけじゃなくて、唯のギターが急に生き生きするよ)」
「(安定した実力があっても、これはやっぱり梓だからこそ出来るんだろうな)」
律「(縁の下の力持ちって言うのはまさしくこのことをいうんだろうな、澪)」チラ
澪「(私達もがんばらないとな、律)」チラ
紬「(それでもやっぱり、澪律と唯梓のカップリングこそ無類ね!)」
澪「(わ、私達のシリアスなシーンが!)」ガーン
律「(このこのガチレズ野郎!)」
紬「あー、今日は楽しかったわ」
律澪梓「(お前は個人的な妄想がだろ!)」
唯「楽しかったねー」
律「それにしても、梓が一番はしゃいでたな」
梓「へ」
律「唯にアドバイスまでしてくれてたしな」
梓「え」
律「ここはこうしないと駄目です!」
「何て言ってな」ニヤニヤ
梓「……それ、誰のまねですか?さむいですよ?」
律「しまいにゃ、『先輩、卒業しないでぇ』なんて言ったり」
梓「ぶ」
律「アッハッハ!」
駅にて
澪「じゃあ私達はここで」
紬「私も」
律「じゃあなー」
唯「ばいばーい」
梓「さようなら、澪先輩、紬先輩」ペコリ
「永遠にさようなら、律先輩」なむなむ
律「おい」
駅構内
律「そういえば、何か忘れているような」
澪「ん、どうしたんだ、律?」
律「何か重要なことを忘れているような」
紬「忘れ物は……ないわよね」
律「あ!」
「梓に加入するかの意思確認忘れた」
澪紬「あ」
律「ま、いっか」
澪「そうだな」
紬「そうね」
―駅から唯のアパートまでの帰り道
唯「今日は楽しかったね、あずにゃんー」
梓「そうですね、ただ、くっつくのだけは止めてくれませんか」
唯「なんでー」
梓「ちょっと、こちらの事情で」
「(めちゃくちゃ背筋が寒くなるんで)」
唯「そっかー」
唯「ところであずにゃん、また私達といっしょにバンド組んでくれる?」
梓「そうですね、そういう話があったことは頭の片隅に入れておきます」
唯「ありがとー、あずにゃん!」ダキ
梓「まだ入るとは言ってないですよ、てかくっつかないでって言ってるじゃないですか」
「(まぁ、いっか)」
梓「では、唯先輩、また」
唯「へ、帰っちゃうの?近いんだし、ゆっくりしていけばいいのに」
梓「いえ、明日の準備がありますし、昨日もおじゃましたので」
唯「そっかあ」
梓「今度の練習までに今日言ったところ練習しておいてくださいね」
唯「あ、あずにゃん、それじゃ…」
梓「では」
唯先輩との会話を早々に打ち切って自転車で走り出した
べ、別に照れくさかったわけじゃないもん!
夕暮れの帰り道
なんとなく思い立って私は唯先輩のアパートと私のアパートの間にある神社に立ち寄った
梓「ここ古河原神社っていうんだ」
自転車を止めて古河原神社の境内に入った
梓「(そういえば、あの時も神社におまいりしたなあ)」
「(あれはそう、先輩達の大学入試のとき)」
「(10円×100回分で、1000円お賽銭箱に放り込んだんだっけ)」
「ふふ」
昔のことを思い出して思わず一人で笑ってしまった
梓「(あの時は先輩達の事ばっかり頭にあって、自分のことなんてお願いする気にもならなかったなあ)」
財布から10円玉を取り出しながら思った
梓「(さて、何をお願いしようかな)」
ちょっとばかり考え込んだものの
何をお願いすればいいものか
梓「(改めて考えると、自分のことってお願いすることがあんまり思いつかないなあ)」
求めよ、さすれば与えられん
私の好きな言葉の一つである
高校2年生のとき私が言ったら
唯先輩が歌詞に入れるって言って
結局『欲張れ乙女 与えられん、さらば』
になっちゃったんだっけ、ふふふ
梓「大学生活が高校生活と同じように、いや、高校生活以上に楽しい毎日になりますように!」
そう言ってお賽銭箱に10円玉を投げ入れた
別に神様にお願いしてしてもらわなくても
勝手に自分が楽しくやっていくからそれでいいんだけどね
笑顔で神社を後にした
求めよ、さすれば与えられん
一般参拝客A「あの娘、あんなに若いのに、これから大変ねえ」ヒソヒソ
一般参拝客B「今の娘は早いものよ」ヒソヒソ
一般参拝客A「それにしても、あんなに長い時間一生懸命お願いしていたじゃない」ヒソヒソ
一般参拝客B「一見まじめそうな娘なのにねえ」ヒソヒソ
古河原神社
『安産』の神様
おしまい
スタジオからから帰った後の唯の部屋にて
憂「あ、おねえちゃん、おかえり!」
唯「ただいま、うい来てたんだ!」
憂「うん。そういえば、昨日、あずさちゃんを残して寝ちゃったでしょ」
「梓ちゃん、大変そうだったよ、帰るに帰れなかったみたい」
「私がきたら、とってもあわててかえっていったよ!」
唯「えへへ」
憂「めっだよ」
唯「ごめんねー」
憂「そういえば、おねえちゃんの部屋で昨日大きな音しなかった?」
唯「うーん、寝てたから、覚えてないなあ」
「あずにゃんなら覚えてるかも」
憂「そっかあ、昨日それ聞いて、あわててお姉ちゃんの部屋にいっちゃったよ」
「部屋着でサンダルとお料理道具持ったまま来ちゃった」
唯「ういのあわてんぼさん」
憂「えへへ」
唯「でも心配してくれたんだ」
「ありがとう」
憂「えへへ」
憂「今日も梓ちゃんたち来てたね」
「私の部屋から手を振ったんだけど気づかなかったみたい」
「目があったと思ったんだけどなあ」
唯「そうなんだー」
「あ、そうそうあずにゃんがまた一緒にバンドやってくれるって」
憂「そうなんだ、良かったねおねえちゃん!」
唯「うん」
「私、あずにゃんのギター大好き」
憂「私も梓ちゃんのギター大好き、優しい音がするもん」
唯「そうだよね」
「憂も次のライブは見に来てくれる?次からはまた5人の放課後ティータイムだよ!」
憂「もちろん行くよ!がんばってね、お姉ちゃん!」
唯「もちろんだよ!じゃあ、早速あずにゃんに教えてもらったところ練習するね」フンス!
ジャンジャン♪
憂「(次は5人のライブかあ、おねえちゃんもさっそくギターの練習がんばってるし)」
「(梓ちゃんありがとね、入ってくれて)」
「(やっぱり生き生きしてるおねえちゃんはいいなあ)」
「(がんばってね、おねえちゃん、梓ちゃん!それに皆さん方も)」
「(あ、そうだ、後で梓ちゃんにメールしておこう♪)」
梓「ハックション!」
「あー背筋がゾクゾクすると思ったら風邪かなあ?」
ピピピ、ピピピ
梓「ん、メールだ」
From『平沢憂』
ひぃぃぃぃ
これで本当におしまい
少ないだろうけど、拙く、くだらん文章をわざわざよんでくれた人はありがとう
書いちゃったから押し通したけど
×『求めよ、さすれば与えられん』→○『求めよ、さらば与えられん』
だったのね
orz
おつ
楽しかったよ
元スレ
私がへとへとになって愛しの六畳一間に帰ってきたのは
15時過ぎのことである
と言うのもこの時期は学生の交友の場である
サークルの新入生勧誘の時期でもあるからだ
サークルとは
伴に学問に精進する者
大学生活の苦楽を分かちあう者
将来の伴侶として伴に人生を歩んでいく可能性がある者
不純性行為に思いを馳せる者
研究レポートの参考文献になるレポートを持つ者
麻雀という闇遊戯にふける者
免罪符である『出席カード』の密売人
等がなす集団活動である
今から『新入生募集』と書かれた大量にうけとったビラを選別作業に入る
梓「これとこれはこっち」
選別の基準は
一見の価値がありそうなもの
貴重な火力発電の燃料になってもらうもの
の二つである
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 18:57:26.62 ID:FAEEZjkF0
束になったリサイクル燃料を可燃ごみに投入したところで
せっせと今日ポストに入っていた物の選別に入る
新設の美容院の紹介葉書
ピザ屋の広告
すし屋の広告
キャバクラの勧誘葉書
ん、これは何の紙であろうか
私が手にした一枚紙にはこう書かれていた
新入募集中
興味があるなら来たれし
……これも可燃ごみか
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 18:58:32.02 ID:+NuLJpPW0
四畳半くせえ
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 19:08:43.30 ID:FAEEZjkF0
すまん四畳半最近読んだから
することもないのでギターの練習をしていた17時40分頃のことである
突然携帯電話が鳴り出した
着信は唯先輩からだった
Pi
梓「もしもし」
唯「あ、あのさ、あずにゃん」
梓「何ですか?」
唯「み、みたかな?」
梓「見たって何をですか?」
唯「今日ポストに…」
梓「ああ、キャバクラの勧誘が入ってましたね」
唯「……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 19:22:40.27 ID:FAEEZjkF0
梓「え、どうしたんですか、唯先輩?」
唯「新入募集中!興味があるなら来たれし!」
Pi ぷーぷー
梓「(ああ、あのくだらんビラ、唯先輩が入れたのか)」
「(くだらない広告だとおもって捨てちゃったよ)」
火力発電の燃料入れから
先ほどの紙を取り出す
裏面にはこう書かれていた
場所『メゾン・ソアラ』
時間18時丁度
(連絡先○○○-○○○○)
この連絡先はまさしく先ほどの着信と同じ番号であった
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 19:28:38.07 ID:FAEEZjkF0
梓「はあ、じゃ、行こうかな」
私は自転車に乗って走りだした
唯先輩のアパートは神社を越えたすぐ先にある
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 19:37:28.46 ID:FAEEZjkF0
唯「あ、あずにゃん!来たんだ!」ダキ
梓「唯先輩が呼んだんじゃないですか」
「てか、玄関先で抱きつくのは止めてください」グイ
紬「あずさちゃん、久しぶりー」
梓「お久しぶりです、ムギ先輩」ペコ
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 19:48:04.93 ID:FAEEZjkF0
私のアパートからKO大学まで東に3駅
西あるにN女子まで2駅
両大学の距離は実質5駅で40分弱もない
この街は両大学の学生にはうって付けの場所にある
そのため結構両大学の学生がこの界隈に住み着いている
私と唯先輩もその内の一人である
そのため私と唯先輩のアパートは距離にして1キロ弱でしかない
勘違いしてもらっては困るのだが
決して唯先輩の近くに住みたいがために
他の好条件の物件をけったりなんかしてないんだからね
こんな偶然が起こるものであろうか
そうこれは運命である
神様が決めたのだからしかたがない
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 19:50:34.91 ID:ekRz2ItJ0
なかなかいいね
四畳半って面白いの?
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 20:04:17.21 ID:FAEEZjkF0
>>17
明石さん「森見先生の作品特に原作は無類です」
―
そんなこともあってこちらへ越してきてからは唯先輩とはよく会う
というかすごく会う
というか昨日も私の部屋に来てたし
おとといも唯先輩の家に行ったし
だから玄関先で抱きつくのだけは止めてほしい
近くの人の視線が気になる
紬「あらあら」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 20:14:17.49 ID:FAEEZjkF0
この今お茶の準備をしている人は紬先輩、愛称ムギ先輩である
高校のときは同じバンドでキーボードをしていた
有名企業の社長さんの娘であり
幻想通りの典型的なお金持ちである
ぽわぽわしていて
外見は美人の憂もはっきりと認める美人
性格もしっかり者で
勉学も優秀
演奏技術も幼いころにコンクールで入賞したことがあるというだけあって一級品であり
その上作曲までこなす秀才っぷり
まさに皆があこがれるような非の付け所のないような人物である
紬「梓ちゃん、嬉しいんだけど、いったい誰に話してるの?」
「うふふ」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 20:20:27.69 ID:FAEEZjkF0
本質はただの妄想ガチレズ野郎である
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 21:05:24.32 ID:FAEEZjkF0
そんなこんなで3人でお茶をしている18時20分ごろ
玄関のインターホンがなった
これまでの唯先輩とムギ先輩との会話は
実に他愛のないものなので割愛させていただく
本当に内容のない話であったため
記録を取るのも取るに足りなく、そもそも取る準備さえもなかった
唯「りっちゃんと澪ちゃんかな?あずにゃん、ちょっと出てきて」
唯先輩とムギ先輩が何やらもそもそとやっているため
私が玄関を開けることとなった
梓「(家主が開けなくていいのか?)」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 21:17:44.73 ID:FAEEZjkF0
ガチャ
律「おお!唯!いつの間にか小さくな」
バタン
ガチャ
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 21:32:46.82 ID:FAEEZjkF0
玄関先にいたのは一見高校のときの先輩の姿である
しかしその先輩が私と唯先輩を見間違えるだろうか
私は腕時計を見た
今は逢魔が時
玄関のドアの先にいるものは化け物か狢の類である可能性が高い
そんなものを唯先輩のアパートに入れる訳にはいかない
律「っておい!聞こえてるぞ!誰がたぬきだ!」ドンドン!
まさにこれはポルターガイスト現象である
律「梓、悪かったよ、てか開けてくれよ!」
澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイ…」
律「おい」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 21:41:13.06 ID:FAEEZjkF0
ガチャ
律「ったくもー、お前ってやつは…」
この人は律先輩である
担当はドラム
元気いっぱいの人だ
一言で言えば性格はガサツで大雑把
でもみんなに対する思いやりも欠かさないし
芯がしっかりしていてまとめ役でもある
まさリーダーにふさわしいく
律「って、梓誰に話してるんだよ!」
「ってゆーか、私、別にしっかりしてねえし、思いやりもねえし!」///
こう照れ屋さんで可愛いところも魅力的な人である
律「お、おい!止めろよ」///
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 21:43:35.92 ID:FAEEZjkF0
このように実にいじりがいのある人物だ、ぷぷ
実際この集団での一番の苦労人はこの人であろう
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 21:45:26.44 ID:FAEEZjkF0
で、隣にいるこの黒髪美人の人は
澪「ミエナイキコエナイミエナイ…」
めんどくさいからいっか
律「おい…」
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 21:56:34.53 ID:FAEEZjkF0
律「おい、唯、言われた通り酒買って来たぞー!」
梓「って、何でお酒…」
唯「今日はあずにゃんの再加入歓迎パーティだよ!」
梓「は?」
全く脈絡のない話である
人違いであろうか
今までの文脈に再加入パーティなんて文字があったであろうか
私自身これまでの記憶を文字に記して読み返してみて全く記憶にない
唯先輩の部屋に来るまでの間に
平行世界へさまよったであろうか
さらば今までの私がいた世界
アディオス
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 21:59:18.50 ID:FAEEZjkF0
そんなこんなで考えているうちに再加入パーティと称する飲み会が始まった
しかしこのムギ先輩が別に持ってきたという焼酎『爆弾ハナタレ』
一体いくらする代物であろうか?
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 22:01:33.66 ID:FAEEZjkF0
律「それにしても梓も大学生か」←カルーアミルク
紬「一年って早いわね」←焼酎
澪「そうだな」←麦酒
唯「そうだねえ」←カシスオレンジ
梓「何か会話の内容が親父くさくないですか?」←焼酎
律「カルーアミルクおかわり!」
唯紬澪梓(か、かわいい!)
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 22:06:45.89 ID:FAEEZjkF0
そんなこんなで日常会話が続き
本題に入ったのはなんと2時間後のことである
澪「梓が再加入で放課後ティータイムもやっと本来の力が出せるな」←麦酒、酒豪
紬「そうねえ」←麦酒、酒豪だが種類関係なし
唯「そうだねえ」←カルーアミルク、人並みに飲めるが甘い酒専門
梓「え」←焼酎、実は酒豪、焼酎派
唯澪紬「え?」
梓「私、まだ加入するなんて一言もいってないですが」
唯澪紬「え?」
律「うー、澪!気持ちわりぃ!」←下戸
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 22:08:36.62 ID:FAEEZjkF0
梓「今日だってこの紙一枚で来たようなものですし」パシ
紬「新入募集中…」
澪「興味があるなら来たれし…」
澪「ゆ~い~、何が私にまかせておいてだよ!」
唯「えへへー」
律「澪ー、きもち悪い!」
澪「律、ちょっとお前は黙っててくれ!」
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 22:18:38.20 ID:FAEEZjkF0
梓「私だってギターをまじめに練習てうまくなりたいですし」
唯「う」
梓「メンバー集めておいて毎回お茶会って言うのも」
澪「う」
梓「やっぱりバンドって言うのは音楽活動してなんぼなんじゃ?」
紬「う」
梓「違う大学に通ってますし」
唯澪紬「う」
梓「そもそもですね・・・」クドクド
唯「(あずにゃんってお酒はいると説教口調になるよね)」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 22:20:30.62 ID:FAEEZjkF0
澪「わ、私達だってちゃんと活動してるよな!」
紬「え、ええ。そうね、最近は新曲も作ったし、ね、唯ちゃん」
「(お茶会が7割だけど)」
唯「うん、ムギちゃんのお菓子も相変わらず美味しいし!」
澪「唯、お前もちょっと黙っててくれ」
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 22:21:40.31 ID:FAEEZjkF0
澪「そ、そうだ梓、明日練習見に来ないか?」
梓「練習、ですか?」
紬「そ、そう、駅前のスタジオでやるの!」
梓「スタジオでですか」
唯「駅前に美味しいお店が、ムグ!…」
紬「ほら唯ちゃんこのケーキおいしいわよ」
澪「(ナイス、ムギ!)」
ムギ先輩に強引にケーキ口につめこまれてるよ
うわあ
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 22:23:39.85 ID:FAEEZjkF0
唯「あずにゃん!明日来てくれるよね」ダキ
梓「ぐ」
澪「梓!頼む」ダキ
梓「(澪先輩…大きい///)」
紬「梓ちゃん、お願い!」
梓「(自分から胸押し付けるなこのガチレズ野郎!)」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:15:33.40 ID:FAEEZjkF0
梓「わ、わかりました、行きますよ」
「ですから、離れてください」グイ
唯「あ、あずにゃーんありがとう」ダキ
ヒョイ
ズテーン!
唯「……澪ちゃーん、あずにゃんが避けたー!!」
澪「駅前のスタジオに15時な」
唯「し、しかと!?」
梓「15時ですね、分かりました」
紬「じゃあまた乾杯ね!」
澪「そうだな!」
律「か、かんぱー……」
澪「お前はおとなしく寝てなさい」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:17:47.19 ID:FAEEZjkF0
それからさらに2時間後くらい
紬「じゃあ、私はそろそろ帰るね」
「今日は楽しかったー、じゃあまた明日ね」
梓「私も楽しかったです」ペコリ
澪「ん、こんな時間か、私達も帰るか、律」
律「うー頭いたい」
澪「お前は自分の飲める量考えずに飲みすぎなんだよ」
「じゃあ私達もここで、また明日な!」
梓「はい」ペコリ
バタン
さてそろそろいい時間ですし
私も帰るとしましょうか
唯「zzz」
梓「おい」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:19:06.91 ID:FAEEZjkF0
梓「唯先輩私も帰りますね」
唯「zzz」
て寝てるし
梓「おきてください、私、そろそろ帰らないと」ゆさゆさ
唯「zzz」
起きない……だと
ゴクリ
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:24:48.74 ID:FAEEZjkF0
家主が飲み会で寝たままの状態で帰るわけにはいかない
このまま最後の門番である私が帰れば鍵を開けっ放しということとなってしまうのである
女子大生の一人暮らしの家を
朝まで鍵を開けたままにしておくのはまさに鬼畜の所業である
それにこの部屋は唯先輩の部屋である
ますます無用心にしていいものか、いや、よいわかがない!
おてんとう様が許しても
私中野梓は決して許せぬ
それに先ほど揺らしたおかげで、衣類が少々乱れてしまっている
ゴクリ
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:29:14.99 ID:FAEEZjkF0
梓「唯先輩いい加減」
唯「ううーん」グイ
梓「キャ」
ドン
梓「いった、頭打った」
仰向けで寝ている唯先輩上に転ばされてしまった
まさにベタな状況である!
しかしベタな状況ほど王道ではないか!!
神様のお導きではないか!!!
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:37:01.95 ID:FAEEZjkF0
まさか起きている?
梓「起きてるんですか?」
唯「zzzz」
状況を整理する
今まさに仰向けで寝ている唯先輩の上に覆いかぶさっている状況である
寝たふりであろうか?
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:44:44.86 ID:FAEEZjkF0
ここでふと冷静になって考える
このあからさまにドをつけたくなるような、ど・あからさまな状況
ここで私が変な気を起こした瞬間
急にドアが開いて
律「どっきり、大せいこ~う」
などといわれたら
中野梓一生の不覚である
入った穴に一生閉じこもって日々泣きながら暮らす私の後世が見て取れる
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:45:55.99 ID:FAEEZjkF0
そう考えると
疑心暗鬼に陥るではないか
そもそも律先輩は本当に下戸であろうか
そんなこと初めて聞いたし
よし、こうすることにしよう
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:50:04.35 ID:FAEEZjkF0
私が考えた手順はこうだ
①唯先輩に変な気を起こす(振りをする)
②玄関のインターホンがなる(鳴らなかったら、ゴクリ)
③律先輩が入ってくるより先に玄関に行き
④「やっぱり律先輩の仕込みですか」→ネタバレで寒い空気にする
我ながら完璧な構図である
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:53:01.71 ID:FAEEZjkF0
私は早速実行に移した
こう見えても行動力のある女であるのだ
梓「唯先輩、おきてくれないとこのまま食べちゃいますよ?」
ピンポーン!
急に背後でインターホンがなった!
やっぱりな
私を出し抜くにはまだまだである
ふはは、田井中律討ち取ったり!
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:56:19.96 ID:FAEEZjkF0
玄関まで行って鍵を開ける
梓「やっぱり律先輩のしこ」
そこにいたのは
唯先輩の妹の『平沢憂』であった
あれ?
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/17(日) 23:59:11.39 ID:FAEEZjkF0
憂「あ、梓ちゃん、来てたんだ」
梓「ゆ、憂どうしたの?」
憂「さっき何か、おねえちゃんの部屋で変な音しなかった?」
「だから、おねえちゃんが心配で様子見に来たんだよ」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:00:52.14 ID:sOTzo1FH0
この人は平沢憂
私の桜高時代の同級生
今は唯先輩と同じN女子大学に通い
隣のアパートに住んでいる
勉学も運動も優秀で容姿端麗
料理の腕もいちりゅ
憂「梓ちゃん、何を言ってるのかな、かな?」
ひぃぃぃ
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:05:32.06 ID:sOTzo1FH0
梓「あのう、憂さん」
憂「何かな?」
梓「その、何で、ほ、包丁もってるのかな、かな?なんちゃって」
憂「ああ、料理中だったし、急なことだったからあわてて、ね」
ひぃぃぃ
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:11:10.15 ID:sOTzo1FH0
憂「梓ちゃん、さっきお姉ちゃんの部屋で不自然な音がしなかった?」
この部屋に
隠しカメラはないか?
盗聴器はないか?
壁に穴はないか?
憂「そう言えば、さっきテレビで見たんだけど、昔の人って怖いこと言うよね」
「壁に耳あり、障子に目ありだよ?」
梓「」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:14:11.30 ID:sOTzo1FH0
梓「わ、私、明日学校あるから帰るね!」
「ゆ、ゆ、唯先輩寝ちゃってるから、憂戸締りお願い!」
それだけ言って私は一目散に『メゾン・ソアラ』を後にした
久しぶりに自転車をたちこぎし
帰って家のドアをチェーンロックまでした
窓もカーテンをきっちりしめた
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:17:36.19 ID:sOTzo1FH0
次の日14時30分
懲りずに自転車で『メゾン・ソアラ』の前に到着した
メールで指定された集合場所がここだったのである
唯「あずにゃーん」ダキッ
梓「ゆ、唯先輩、離れてください!」
唯「いやがる姿もかわいいねえ」
ふと隣のアパートを見上げる
カーテンが少しあいている
憂が窓際にいるのがチラッと見える
一瞬目が合った
笑顔で手を振ってる
ひぃぃぃ
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:23:58.01 ID:sOTzo1FH0
律「ん、梓、どうしたんだ?」
澪「行くぞー」
先頭の二人はすたすたと歩き出す
梓「ゆ、唯先輩!離れてくださいよ!」
唯「ええーまだ肌寒いじゃん」
私はさっきから背筋が凍傷を起こしそうなんだが
紬「あらあら」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:30:23.11 ID:sOTzo1FH0
唯先輩を無理やりに引き剥がして歩いて
スタジオに入った
時間は15時丁度である
澪「じゃあまずはじめに一曲聴いてくれないか」
律「じゃあやるか、ワン・ツー」
珍しくスタジオに着くとさっそく弾きだした
この曲は聞きなれたフレーズである
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:33:00.76 ID:sOTzo1FH0
梓「(それにしても、澪先輩と紬先輩はさらに磨きがかって、まさに無類だなあ)」
「(律先輩は上達したけど相変わらず…らしいなあ)ふふ」
先輩達がうまくなっていて
うれしい気持ちと
その上今までと変わってなかったことに
思わずにやけてしまう
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:36:08.53 ID:sOTzo1FH0
梓「(それにしても、唯先輩は)」
なんというか
私の語彙が少なくて申し訳ないが
演奏技術が上達自体はしているのだが
天真爛漫っぷりが増したとでも表現するのが正しいのだろうか
芸術家だったら
これこそ天才って言う人と
カスって言う人で論争が起きるのであろう
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:40:09.60 ID:sOTzo1FH0
―ジャーン
澪「どうだった?」
梓「うーん」
この演奏を全体で捕らえるのはどう表現したら良いものだろうか
梓「あまり上手じゃないですね!」
全体的にまとめた結果出た結論がこれであった
真にこのバンドの演奏を一言で言い表している
我ながら素晴らしい表現だ
結論
全体的に見ると『あまり上手じゃない』
澪「ガーン!」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:42:58.16 ID:sOTzo1FH0
律「なにおう!」
唯「じゃあ、次はあずにゃん一緒にも弾こうよー!」
紬「そうね」
梓「え、私もですか?」
「それじゃ、今日来た意味が…」
唯「じゃあ行くよ」
梓「ちょ、ちょっと待ってください、準備を」
律「行くぞ、ワン・ツー!」
澪「」ガーン
律「おい、弾けよ」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:51:45.60 ID:sOTzo1FH0
TAKE2
♪~♪♪
律「(お、)」
「(やっぱり、梓はうまいなあ)」
澪「(全体が安定するだけじゃなくて、唯のギターが急に生き生きするよ)」
「(安定した実力があっても、これはやっぱり梓だからこそ出来るんだろうな)」
律「(縁の下の力持ちって言うのはまさしくこのことをいうんだろうな、澪)」チラ
澪「(私達もがんばらないとな、律)」チラ
紬「(それでもやっぱり、澪律と唯梓のカップリングこそ無類ね!)」
澪「(わ、私達のシリアスなシーンが!)」ガーン
律「(このこのガチレズ野郎!)」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:56:05.04 ID:sOTzo1FH0
紬「あー、今日は楽しかったわ」
律澪梓「(お前は個人的な妄想がだろ!)」
唯「楽しかったねー」
律「それにしても、梓が一番はしゃいでたな」
梓「へ」
律「唯にアドバイスまでしてくれてたしな」
梓「え」
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 00:58:49.80 ID:sOTzo1FH0
律「ここはこうしないと駄目です!」
「何て言ってな」ニヤニヤ
梓「……それ、誰のまねですか?さむいですよ?」
律「しまいにゃ、『先輩、卒業しないでぇ』なんて言ったり」
梓「ぶ」
律「アッハッハ!」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:00:31.44 ID:sOTzo1FH0
駅にて
澪「じゃあ私達はここで」
紬「私も」
律「じゃあなー」
唯「ばいばーい」
梓「さようなら、澪先輩、紬先輩」ペコリ
「永遠にさようなら、律先輩」なむなむ
律「おい」
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:04:15.63 ID:sOTzo1FH0
駅構内
律「そういえば、何か忘れているような」
澪「ん、どうしたんだ、律?」
律「何か重要なことを忘れているような」
紬「忘れ物は……ないわよね」
律「あ!」
「梓に加入するかの意思確認忘れた」
澪紬「あ」
律「ま、いっか」
澪「そうだな」
紬「そうね」
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:07:48.75 ID:sOTzo1FH0
―駅から唯のアパートまでの帰り道
唯「今日は楽しかったね、あずにゃんー」
梓「そうですね、ただ、くっつくのだけは止めてくれませんか」
唯「なんでー」
梓「ちょっと、こちらの事情で」
「(めちゃくちゃ背筋が寒くなるんで)」
唯「そっかー」
唯「ところであずにゃん、また私達といっしょにバンド組んでくれる?」
梓「そうですね、そういう話があったことは頭の片隅に入れておきます」
唯「ありがとー、あずにゃん!」ダキ
梓「まだ入るとは言ってないですよ、てかくっつかないでって言ってるじゃないですか」
「(まぁ、いっか)」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:10:44.47 ID:sOTzo1FH0
梓「では、唯先輩、また」
唯「へ、帰っちゃうの?近いんだし、ゆっくりしていけばいいのに」
梓「いえ、明日の準備がありますし、昨日もおじゃましたので」
唯「そっかあ」
梓「今度の練習までに今日言ったところ練習しておいてくださいね」
唯「あ、あずにゃん、それじゃ…」
梓「では」
唯先輩との会話を早々に打ち切って自転車で走り出した
べ、別に照れくさかったわけじゃないもん!
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:16:24.60 ID:sOTzo1FH0
夕暮れの帰り道
なんとなく思い立って私は唯先輩のアパートと私のアパートの間にある神社に立ち寄った
梓「ここ古河原神社っていうんだ」
自転車を止めて古河原神社の境内に入った
梓「(そういえば、あの時も神社におまいりしたなあ)」
「(あれはそう、先輩達の大学入試のとき)」
「(10円×100回分で、1000円お賽銭箱に放り込んだんだっけ)」
「ふふ」
昔のことを思い出して思わず一人で笑ってしまった
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:18:55.20 ID:sOTzo1FH0
梓「(あの時は先輩達の事ばっかり頭にあって、自分のことなんてお願いする気にもならなかったなあ)」
財布から10円玉を取り出しながら思った
梓「(さて、何をお願いしようかな)」
ちょっとばかり考え込んだものの
何をお願いすればいいものか
梓「(改めて考えると、自分のことってお願いすることがあんまり思いつかないなあ)」
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:20:58.70 ID:sOTzo1FH0
求めよ、さすれば与えられん
私の好きな言葉の一つである
高校2年生のとき私が言ったら
唯先輩が歌詞に入れるって言って
結局『欲張れ乙女 与えられん、さらば』
になっちゃったんだっけ、ふふふ
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:23:14.77 ID:sOTzo1FH0
梓「大学生活が高校生活と同じように、いや、高校生活以上に楽しい毎日になりますように!」
そう言ってお賽銭箱に10円玉を投げ入れた
別に神様にお願いしてしてもらわなくても
勝手に自分が楽しくやっていくからそれでいいんだけどね
笑顔で神社を後にした
求めよ、さすれば与えられん
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:25:51.89 ID:sOTzo1FH0
一般参拝客A「あの娘、あんなに若いのに、これから大変ねえ」ヒソヒソ
一般参拝客B「今の娘は早いものよ」ヒソヒソ
一般参拝客A「それにしても、あんなに長い時間一生懸命お願いしていたじゃない」ヒソヒソ
一般参拝客B「一見まじめそうな娘なのにねえ」ヒソヒソ
古河原神社
『安産』の神様
おしまい
106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:30:42.52 ID:sOTzo1FH0
スタジオからから帰った後の唯の部屋にて
憂「あ、おねえちゃん、おかえり!」
唯「ただいま、うい来てたんだ!」
憂「うん。そういえば、昨日、あずさちゃんを残して寝ちゃったでしょ」
「梓ちゃん、大変そうだったよ、帰るに帰れなかったみたい」
「私がきたら、とってもあわててかえっていったよ!」
唯「えへへ」
憂「めっだよ」
唯「ごめんねー」
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:32:18.23 ID:sOTzo1FH0
憂「そういえば、おねえちゃんの部屋で昨日大きな音しなかった?」
唯「うーん、寝てたから、覚えてないなあ」
「あずにゃんなら覚えてるかも」
憂「そっかあ、昨日それ聞いて、あわててお姉ちゃんの部屋にいっちゃったよ」
「部屋着でサンダルとお料理道具持ったまま来ちゃった」
唯「ういのあわてんぼさん」
憂「えへへ」
唯「でも心配してくれたんだ」
「ありがとう」
憂「えへへ」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:34:15.48 ID:sOTzo1FH0
憂「今日も梓ちゃんたち来てたね」
「私の部屋から手を振ったんだけど気づかなかったみたい」
「目があったと思ったんだけどなあ」
唯「そうなんだー」
「あ、そうそうあずにゃんがまた一緒にバンドやってくれるって」
憂「そうなんだ、良かったねおねえちゃん!」
唯「うん」
「私、あずにゃんのギター大好き」
憂「私も梓ちゃんのギター大好き、優しい音がするもん」
唯「そうだよね」
「憂も次のライブは見に来てくれる?次からはまた5人の放課後ティータイムだよ!」
憂「もちろん行くよ!がんばってね、お姉ちゃん!」
唯「もちろんだよ!じゃあ、早速あずにゃんに教えてもらったところ練習するね」フンス!
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:36:59.60 ID:sOTzo1FH0
ジャンジャン♪
憂「(次は5人のライブかあ、おねえちゃんもさっそくギターの練習がんばってるし)」
「(梓ちゃんありがとね、入ってくれて)」
「(やっぱり生き生きしてるおねえちゃんはいいなあ)」
「(がんばってね、おねえちゃん、梓ちゃん!それに皆さん方も)」
「(あ、そうだ、後で梓ちゃんにメールしておこう♪)」
梓「ハックション!」
「あー背筋がゾクゾクすると思ったら風邪かなあ?」
ピピピ、ピピピ
梓「ん、メールだ」
From『平沢憂』
ひぃぃぃぃ
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 01:42:01.62 ID:sOTzo1FH0
これで本当におしまい
少ないだろうけど、拙く、くだらん文章をわざわざよんでくれた人はありがとう
書いちゃったから押し通したけど
×『求めよ、さすれば与えられん』→○『求めよ、さらば与えられん』
だったのね
orz
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/18(月) 02:03:55.13 ID:nqErQNtQ0
おつ
楽しかったよ
梓「求めよ、さすれば与えられん」
我は求め訴えたり!!