4: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:07:32.13 ID:73VxrEbo.net

※アニメ時空です



●「お洒落な変装」


かすみ、しずくと買い物デートの日


かすみ「……」ジー(ショーウィンドウに映る自分を見る)


かすみ「……」スッ(帽子の位置を修正する)


かすみ「……」スチャ(眼鏡を上げる)



かすみ「……♪」ニヤニヤ

かすみ「(あまりにも可愛すぎない?)」ウットリ



6: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:10:36.80 ID:73VxrEbo.net

かすみ「(かすみんもスクールアイドルとして有名になってきたから、変装のために色々買ってはみたけど……)」

かすみ「(かすみんに眼鏡って……アリよりのアリだよね!)」ウンウン


かすみ「(まっ!前にせつ菜先輩から借りた時からわかってはいたんだけどっ♪)」

かすみ「(しかも!今回はかすみんセレクト眼鏡だから、も~っと可愛くなったって感じ!)」ウンウン

かすみ「(帽子も似合ってるし、かすみんってばセンスも天才的だよね~♪)」


かすみ「(ふっふ~ん♪しず子が来たらなんて言うかな~♪)」ワクワク



タッタッタッ


しずく「かすみさん、お待たせ」

かすみ「あっ、しず子~♪」



7: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:13:43.65 ID:73VxrEbo.net

しずく「私の方が早く着くと思っていたんだけど、ごめんね」

かすみ「別にいいよ~♪かすみんも今来たとこだから♪」



かすみ「(さぁ!存分に褒めてよねっ!)」ドヤッ(ふんぞり返る)



しずく「…………」


しずく「それじゃあ、先にお昼食べよっか」

かすみ「えっ」

しずく「?……どうかしたの?」

かすみ「えっ!……な、なんでもないけど」

しずく「お店混むと悪いから、早く行かないとね」

かすみ「……うん」



8: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:16:40.58 ID:73VxrEbo.net

――――
――


かすみ・しずく「……」スタスタ


かすみ「…………」

かすみ「(何も言ってこないじゃん……)」

しずく「~~♪」(上機嫌)

かすみ「(具合が悪いとか、不機嫌ってわけじゃなさそうだし……)」

かすみ「(っていうかむしろ、ウッキウキって感じだし……)」


かすみ「(あっ、もしかして気付いてないとか?)」

かすみ「(……そうだよね!可愛いかすみんとデートできるなんて、普通ならテンション爆上がりだもん!)」

かすみ「(そりゃ服とか小物とか見る余裕なんてないよね~)」ウンウン



9: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:19:54.27 ID:73VxrEbo.net

かすみ「(仕方ないから、それとな~く教えてあげよっと♪)」

かすみ「(もお~、しず子ってば世話が焼けるんだから♪)」


かすみ「……」スタスタ


かすみ「……あっ、あの店じゃない?」スッ(遠くを指差す)

しずく「えっ、どこ?」

かすみ「ほらあそこ!行列になってるとこ!」


しずく「……」ウーン


しずく「……あ、看板ある」

かすみ「でっしょ~?」フフン

しずく「あの距離でよくわかったね」



10: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:22:50.71 ID:73VxrEbo.net

かすみ「かすみんは『目』がいいから、わかっちゃうんだよね~♪」スチャ(※かけているのは伊達眼鏡です)

しずく「へぇ~、そうなんだ」

しずく「それなら、今度探し物をする時はかすみさんにお願いしようかな」


かすみ「…………」シーン


しずく「…………」シーン


かすみ「(……えっ!それだけ!?)」


しずく「あっ!」

かすみ「(!……やっと気づいた)」ホッ


しずく「あのプラカード持ってる人のところが最後尾みたいだから、早く並ばないと」スタスタ

かすみ「……」ガクッ



11: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:25:35.64 ID:73VxrEbo.net

――――
――


かすみ・しずく「…………」(列に並んでいる)


しずく「思った以上に人が多いね」

かすみ「リニューアルオープンしたからって、ここまで混むなんて……」ムムム

しずく「今日は天気もいいから、日焼けしちゃうかも」

かすみ「……!」ハッ

かすみ「そ、そういえば!髪の毛ってすっごく日焼けしやすいんだよ!」

しずく「そうなの?」

かすみ「うん!だから長い時間外にいる時は、『頭』を守って髪に日光が当たらないようにした方がいいんだって!」

しずく「へぇ~、そうなんだ」

しずく「私達も外で練習することが多いから、気を付けないとね」



12: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:28:25.81 ID:73VxrEbo.net

かすみ「…………」シーン


しずく「…………」シーン


かすみ「(……終わった)」


かすみ「(ええ~……いつものしず子ならさすがに気付くはずなんだけど……)」

かすみ「(あれかな……気付いてはいるけど、かすみんがいつも可愛いからあえて言う必要も無いって思ってるとか?)」

かすみ「(……ふーん、そうなんだ)」

かすみ「(まぁ、それくらいかすみんが可愛いってことだから……別にいいけど……)」ムゥ

かすみ「…………」

かすみ「(でも、ちょっとくらい褒めてくれたって……)」シュン(俯く)


しずく「あっ見てかすみさん、可愛い人がいるよ」

かすみ「……っ!」カチン



13: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:31:21.14 ID:73VxrEbo.net

かすみ「あのさ!それは無いんじゃないの!?」バッ(顔を上げる)

しずく「……」スッ(かすみを指差す)


かすみ「……えっ」


しずく「ほら、ここに♪」


しずく「帽子と眼鏡、新しいのでしょ?」

しずく「すごく似合ってて可愛いね♪」ニコニコ

かすみ「……」ポカン



かすみ「……!」ハッ


かすみ「……言うの、遅いんだけど///」グィ(帽子を深くかぶる)

しずく「ふふ、ごめんごめん」



14: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:35:02.31 ID:73VxrEbo.net

しずく「かすみさんがわかりやすく褒めてほしそうだったから、ちょっと意地悪しちゃった」

かすみ「そ、そんなこと無いもん!///」

かすみ「かすみんってことが周りにバレないように、変装してきただけだからっ!!」

しずく「…………」

しずく「そっか……私、勘違いしてたんだ」

かすみ「?」

しずく「二人きりのデートで、かすみさんがこんなに可愛い恰好で来てくれたから」

しずく「私のために、頑張ってくれたのかなって思ったのに……」

かすみ「っ!///」

しずく「私、今日が本当に楽しみで、かすみさんもそうなのかなって喜んでたんだけど……舞い上がっていたのは私だけだったんだね」

かすみ「えっ」

しずく「かすみさんは優しいから買い物に付き合ってくれただけなのに、うぬぼれちゃって…………自分が恥ずかしい」シュン

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬ///」



15: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:37:54.88 ID:73VxrEbo.net

かすみ「そ、そういう気持ちが無かったわけじゃないけど……///」

しずく「……本当?」

かすみ「ホント!!///」(やけくそ)

かすみ「かすみんはいつも可愛いし!何着ても可愛いけど!」

かすみ「しず子にもっともっと可愛いって思われたいから頑張ったの!」

かすみ「デートするって決まった時から、毎日寝る前に何着ようか考えて…………!」ハッ


しずく「♪」ニコニコ


しずく「それなら良かった♪」

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬぬぬ///」


かすみ「ふんっ、だ///」ムッスー

しずく「ふふ♪」



16: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:40:44.60 ID:73VxrEbo.net

並んでいる人達「……」ゾロゾロ



しずく「あ、ほら進んだよ」

かすみ「……うん」



かすみ「…………」



かすみ「……しず子も」ボソッ

しずく「えっ?」

かすみ「ワンピース、見たことないの着てる」

しずく「……!」

かすみ「……しず子っぽくて、可愛いじゃん///」グィ(帽子を深くかぶる)

しずく「っ!///」ドキッ



17: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:43:08.14 ID:73VxrEbo.net

しずく「……うん///」


かすみ・しずく「……///」モジモジ





並んでいる人達「(い、いづらい~~!!///)」



――――
――


かすみ「っていうか、しず子もちょっとは変装した方がいいんじゃない?」モグモグ

しずく「そう?」

しずく「じゃあ、次からは演劇部の衣装やメイク道具を使って……」ムムム

かすみ「……あ、やっぱしず子ってわかんなくなりそうだからダメ」



18: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:46:48.96 ID:73VxrEbo.net

●「半分くらい無意識」


スクールアイドル同好会、昼休憩中


しずく「……」パラッ(台本黙読中)


しずく「……」ウーン



かすみ「しず子ってば、ま~た台本とにらめっこしてるし……」

エマ「最近、空き時間中はずっと読んでるよね」

璃奈「……演劇部の公演が近づいてきたから、追い込みをかけているのかも」

エマ「あ、そっかぁ……ちゃんと休めてるか心配だね」


かすみ「もお~、世話が焼けるんだから」スタスタ(しずくに近づく)



19: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:49:03.55 ID:73VxrEbo.net

かすみ「しず子、そろそろ読むのやめたら」

しずく「……うん」

かすみ「お昼ごはんまだ食べてないでしょ」

しずく「うん」

かすみ「っていうか、持ってきてるの?」

しずく「うん…………ううん」(←言い直し)

かすみ「どっかで買うつもりだったの?」

しずく「うん」パラッ

かすみ「可愛いかすみんが特別に買ってきてあげようか?」

しずく「ううん」



璃奈「(しずくちゃん……話を聞いていないようで、一応聞いてはいるんだね)」



20: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:52:16.75 ID:73VxrEbo.net

かすみ「はぁ…………こうなったら」ストン(しずくの隣に座る)


かすみ「……」ゴソゴソ(コッペパンを取り出す)


かすみ「ん」スッ(しずくの口元に持っていく)

しずく「……うん?」

かすみ「読みながらでいいから口開けて」

しずく「うん」


かすみ「はい、あーん」スッ

しずく「……」ハムッ

しずく「……」モグモグ



エマ「わぁ~!かすみちゃん、食べさせてあげてる~♡」キューン



21: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:55:08.78 ID:73VxrEbo.net

璃奈「いつものしずくちゃんなら、断りそうなのに……」

璃奈「かすみちゃんもだけど……二人とも真剣になりすぎて、恥ずかしいことしてるって気が付いてないのかな」

エマ「え~、恥ずかしいかな~?とっても可愛いと思うよ~♪」



しずく「……」モグモグ(台本を読みながら食べ進める)

かすみ「……あっ」ベチャ

かすみ「ごめん、しず子の口にクリーム付いちゃったから取るね」

しずく「うん」


かすみ「……」スッ(指で取る)

かすみ「…………」

かすみ「……!」ハッ

かすみ「(どうしよう……取ってからのこと考えてなかった……)」



22: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:57:30.32 ID:73VxrEbo.net

かすみ「(……舐めちゃう?……私が?…………えっ!?///これを!?!?///)」ドキドキ



しずく「……」ハムッ(かすみの指を咥える)


かすみ「……ふぇ?」


しずく「……」ペロ

しずく「……」…チュ(指を離す)



かすみ「…………」





かすみ「~~~~っ!?!?!?//////」ボッ



23: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 20:59:42.61 ID:73VxrEbo.net

エマ「きゃ~!♪しずくちゃん大胆!!」


しずく「……えっ?」ハッ



かすみ「//////」(硬直)




しずく「…………」




しずく「……//////」カァァァァァァ



しずく「わっ、私……何やって……///」



24: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:03:57.53 ID:73VxrEbo.net

しずく「ご、ごめん!拭くもの持ってくるから!///」スッ(立ち上がる)

しずく「あっ!それよりまずは洗いに…………って、あれ?」


かすみ「//////」プシュー(気絶)


しずく「か、かすみさん!しっかりして~!」ブンブン(かすみの両肩を掴んで揺らす)



璃奈「……二人とも、世話が焼けるんだから」ヤレヤレ

エマ「あ、あははは……」



――――
――


しずく「これからは食事の時間をきっちり取って、台本を読まずに食べることに集中するようにします……///」

エマ「(でも、これはこれで結果オーライ……かな?)」フフッ



25: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:07:50.57 ID:73VxrEbo.net

●「仲良し()」


かすみ「……っていうことがあって、しず子ってああ見えて世話が焼けるんですよね~」

果林「へぇ、そんなことがあったの」


彼方「(エマちゃんからは、あーんしてたとか、かすみちゃんが指を舐められて気絶したって聞いてたけど……)」

彼方「(かすみちゃんめ~……さり気なく、話をちょっと変えたな~?)」ニヤニヤ


果林「しっかり者のしずくちゃんにもそういう一面があるなんて、意外だわ」クスクス

かすみ「一面どころか、二面も三面もありますよ~!」

かすみ「かすみんのことす~ぐからかってくるし!面倒くさいこと言ってきますし!」

彼方「う~ん……」

彼方「どちらかと言うと……かすみちゃんの方が世話が焼けて、面倒くさいような……」

かすみ「はいぃ~~!?どこがですか!?」



26: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:10:25.44 ID:73VxrEbo.net

彼方「日頃の行いからして…………ねぇ?」

果林「ええ、私もそう思うわ」

かすみ「それを言うなら、彼方先輩の方がよっぽど世話が焼けるじゃないですか!」

彼方「そんな~……彼方ちゃんは、こ~んなにしっかり者のお姉さんなのに?」

果林「それは無理があるわね」ズバッ

かすみ「そうですよ!いつも他の人に起こしてもらったり、膝枕お願いしてる人が何言ってるんですか!」


かすみ「……あっ!しっかり者のお姉さんなら、たまには可愛いかすみんのこと甘やかしてくださいよ!」

彼方「かすみちゃんはすぐ調子に乗るから、厳しい目で見てあげるのがお姉さんの役割なのだ~」

かすみ「むきーーーーっ!!!」

果林「はいはい、落ち着いて」

果林「世話が焼けたって面倒だって、そこがかすみちゃんの魅力なんだからいいじゃない」

彼方「そうそう、彼方ちゃんもそれが言いたいんだよ~」



27: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:12:36.56 ID:73VxrEbo.net

かすみ「ええ~、全然褒められてる気がしないんですけど……」

果林「だって…………手がかかる子ほど可愛いって言うもの」ニコニコ

かすみ「……って!やっぱりからかってるじゃないですかっ!」

かすみ「もお~!果林先輩までかすみんのことなんだと思ってるんですか!」

果林「だから、可愛いって言ってるでしょ?」ニコニコ

かすみ「悪意を感じるんですっ!」

彼方「果林ちゃんって……皆のことは素直に褒めるのに、私達には当たり強いよね~」

かすみ「そうですよ!特にエマ先輩に対しては激甘じゃないですか!」

かすみ「かすみん達にもあの優しさをわけてくださいよっ!」

果林「……エマはいいのよ」

彼方「どうして~?」

果林「だって…………エマだもの」

かすみ「全然説明になってませんけど!?」



28: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:15:10.67 ID:73VxrEbo.net

かすみ「あれですか!?エマ先輩の魅惑的な体に抱かれたからメロメロになっちゃったんですか!?」

果林「ちょっ……言い方っ!///抱きしめられたって言いなさいよ!///」

果林「っていうかなんで知ってるのよ!?誰に聞いたの!」

かすみ「エマ先輩ですっ☆」

彼方「前に、『果林ちゃんをギュ~ってすると、す~っごく幸せな気持ちになるんだ~♪』って言ってたよ」

果林「…………」

果林「それなら仕方ないわね」スンッ

かすみ「ほらっ!聞きましたか彼方先輩!エマ先輩には怒らないんですよ!甘やかしてますっ!」

彼方「……ちょいと待たれよかすみちゃん」

彼方「今のは、エマちゃんの言葉が嬉しかったから許した可能性も考えられる……」

かすみ「はっ!なるほど……」

かすみ「そうなると、単純に甘やかしたとは言えないかもですね」ムムム

果林「ほんっとうに、うるさいわね……///」イライラ



29: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:17:40.63 ID:73VxrEbo.net

果林「大体!あなた達はそんな態度で『甘やかして~』だなんて厚かましいのよ!」

果林「エマを見習って天使で可愛い性格になってから出直してきたらどうなの!?」

彼方「わぁ~、本音が漏れてきた~」

かすみ「う~ん……かすみんはどちらかと言うと小悪魔系の可愛さですし~」

かすみ「可愛いっていうのは同じなんですから、そこはなんとかしてくださいよぉ~」(煽り口調)

果林「天使と悪魔じゃ真逆の意味になるじゃない!」

彼方「はいはい~、落ち着いて~」

彼方「それではここで、エマちゃんを抱きしめた感想をどうぞ~」スッ(手でマイク)

果林「そんなの気持ち良かったに決まって…………って!///彼方もっ!いい加減にして!」

\\ギャー ギャー//




しずく「……」ジー



30: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:20:14.43 ID:73VxrEbo.net

――――
――


しずく「あのっ、果林さん」

果林「あらしずくちゃん、どうかしたの?」


しずく「……」フゥー(心を落ち着かせる)


しずく「今日の私、可愛いですよね!」

果林「えっ?」

果林「……ふふ、しずくちゃんはいつも可愛いわよ」ニコッ


しずく「……」ガーン


果林「……えっ」



31: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:22:43.69 ID:73VxrEbo.net

彼方「おやおや~……二人とも、何をしてるのかな~?」

しずく「……あっ、彼方さん!」


しずく「私、この前の練習でダンスが上達したと思いませんか!?」

彼方「うん、とっても上手になってたよ~」

彼方「しずくちゃんは一生懸命で、偉い偉い~」ナデナデ

しずく「…………」

彼方「演劇の練習も頑張ってるけど、辛くなった時はいつでも彼方ちゃんに甘えていいんだよ~」


しずく「……」ムゥ~(頬を大きく膨らませる)


彼方「し、しずくちゃん……!?」



32: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:25:23.73 ID:73VxrEbo.net

しずく「…………」

果林「わ、私達……しずくちゃんに何かしちゃったかしら?」アセアセ


しずく「お二人とも、私に優しすぎませんか!」

彼方・果林「……えっ?」

しずく「かすみさんとお話してる時は、もっとこう……辛辣というか、無作法というか……」

しずく「私に対してもそんな感じでいいんですよ!?」

果林「ええ……?」

彼方「いや~、しずくちゃんのお願いでもそれは厳しいよ~」

しずく「どうしてですか?」

彼方「なんというか~……しずくちゃんって、基本的におしとやかだからかな~?」

彼方「言語による殴り合いに混ぜるのは、申し訳ない気持ちになるというか……」



34: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:28:49.95 ID:73VxrEbo.net

果林「そうよね……言葉選びにも品や知性を感じるもの…………『無作法』とか」

しずく「そ、そんなことありませんから!」

彼方「果林ちゃんやかすみちゃんなら、そんな頭良さそうな表現使わないもんね~」

果林「ちょっと……彼方だって人のこと言えないでしょ」

彼方「彼方ちゃんは、相手に合わせて話し方を変えたりしてるから~」

果林「……それ、どういう意味かしら」ゴゴゴゴゴ

しずく「そう!そういうのですよ!」


しずく「私だって皆さんと仲良くからかい合ったり、言語による殴り合いをしてみたいんです!」

彼方「うわ~……しずくちゃんの口から『殴り合い』なんて言葉聞きたくなかったよ~」

しずく「彼方さんが言ったんじゃないですか!」

果林「というか、『仲良く』って……そんな風に見えるかしら?」

しずく「見えます!だから私も混ぜてほしいです!」



35: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:31:58.25 ID:73VxrEbo.net

彼方「……これが、かすみちゃんが言ってた『面倒くさいしずくちゃん』ってことなのかな」コソッ(小声)

果林「きっとそうよね…………でも、なんだか新鮮で面白いわ」コソッ

彼方「ふふ、そうだね~」コソッ


しずく「って!聞いてますか!?」

彼方「もちろん聞いてるよ~」


彼方「……しずくちゃん、誤解してると悪いから一応言っておくけど」

彼方「私達はしずくちゃんと仲良しだと思ってるし、決して距離を置いているわけじゃないんだよ~」

果林「ええ、そうよ」コクリ(大きく頷く)

果林「しずくちゃんがいつもしっかりしてて優しいから、こっちも誠実にならなきゃって思えるの」

彼方「うんうん、しずくちゃんは周りの皆に、いい影響を与えているんだよ~」

しずく「うっ…………そう言われると、何も言えなくなっちゃいます……」



36: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:34:24.33 ID:73VxrEbo.net

彼方「あ~あ~、悲しいなぁ~」

彼方「彼方ちゃんの愛情は、しずくちゃんには届いていなかったんだ~」

しずく「……えっ!?」

果林「逆に、しずくちゃんを辛い目に合わせていたなんてね……」

果林「先輩として情けないわ……」クッ

しずく「つ、辛くなんて無いです!皆さんの愛情や温かい気持ちは十分に伝わってます!」


しずく「私……かすみさんが羨ましくて、ついわがままを言ってしまいました……」

しずく「困らせてしまって……本当にごめんなさい」シュン


彼方「ほら~、こうやってほだされちゃうあたり、殴り合いは向いてないよ~」

果林「かすみちゃんなら、『周りにいい影響を与えるのも、愛されるのもかすみんなら当然ですけど』くらい言うわね」

しずく「…………あっ!」ハッ



37: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:37:40.83 ID:73VxrEbo.net

しずく「い、今のは違いますから!」アセアセ

彼方「もう諦めなよ~」

しずく「いえ!諦めません!」


しずく「……そうですね、態度の大きさではかすみさんに劣るしれませんが」

しずく「たくさん本を読んでいますから、言葉の言い回しには自信がありますよ!」

彼方「なるほど~……」

彼方「確かにしずくちゃんは、色々な言葉を知ってるもんね」

しずく「はい!ですから私でも勝てる見込みはあると思います!」

果林「ふうん、そうなの……」


果林「それじゃあ……」スッ スタスタ



38: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:40:36.84 ID:73VxrEbo.net

果林「……」ピタッ(しずくの前に立ち止まる)

しずく「……?」


果林「……私に、教えてもらえないかしら?」ズイッ(しずくに顔を近づける)


しずく「えっ!?///」ビクッ


果林「かすみちゃんったら、最近口が達者になってきたのよね~」フゥ

果林「しずくちゃんなら、かすみちゃんのことをよ~く知ってると思うから……」スッ(しずくの耳に顔を近づける)

しずく「!?///……か、果林さん?///」ドキドキ


果林「かすみちゃんを骨抜きにする言葉や…………よわ~いと・こ・ろ、教えて頂戴♡」ネットリ

しずく「ひゃあっ!///」ビクッ


しずく「そ、それは!その……///」タジタジ



39: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:43:04.35 ID:73VxrEbo.net

彼方「おやぁ~?……顔を真っ赤にして、何を想像したのかな~?」ニヤニヤ

しずく「……っ!///ず、ずるいです!///」

しずく「果林さんみたいに綺麗な人に接近されたら、誰だって赤くなります!///」

果林「ふふ、嬉しいこと言ってくれるじゃない」

しずく「というか、今のは完全にそういう言葉を連想させるような言い方でしたよね!」

彼方「え~?そういう言葉って~?」ニヤニヤ

果林「はっきり言ってもらわないと、ピンと来ないわ」

しずく「うっ……///」

彼方「まさか……おしとやかなしずくちゃんが、人には言えないようなことを考えていたとか~?」

果林「あら、そうなの?」ニコニコ

しずく「うぅ~……///」



40: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:45:39.82 ID:73VxrEbo.net

しずく「も、もう!私は真剣に考えてるんですよ!」

しずく「それなのに、どうしてさっきから私のことをからかって…………!」ハッ


彼方・果林「……」ニコニコ(優しい笑顔)


しずく「……!」パァァァ



しずく「ありがとうございます!」ニッコニコ


彼方・果林「(可愛い……)」キューン




愛・かすみ「……」ジー



41: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:49:01.42 ID:73VxrEbo.net

かすみ「彼方先輩も果林先輩も、しず子には甘いんですから」ヤレヤレ

愛「そんなこと言って~、しずくが楽しそうにしてて嬉しいくせに~」

かすみ「!///」ギクッ

愛「かすみんだってしずくに対しては優しいし甘いじゃ~ん?」

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬ///」

愛「あはは!かすみんはからかい甲斐があって可愛いな~」ウリウリ

かすみ「だから、かすみんが求めている『可愛い』はそういうのじゃないんですよっ!」プンプン

愛「ごめんごめん~」

愛「愛さんも皆も、かすみんがスクールアイドルとして可愛いってこと、ちゃ~んとわかってるって!」

かすみ「そ、そうですか?」

愛「もっちろんだよ~!」

愛「見た目も仕草も、他にも色々可愛いって思ってるから!」



42: 名無しで叶える物語 2021/09/25(土) 21:52:14.35 ID:73VxrEbo.net

かすみ「それなら……いいですけどっ」フフン

愛「……ちょろいところもね~」ボソッ

かすみ「?……何か言いました?」

愛「なんでもないよ~♪」


かすみ「それにしても、しず子って変なとこありますよね」

かすみ「からかわれるのが羨ましいだなんて、意味不明ですよ」

愛「まぁ、無い物ねだりなんだろうけどね~」

かすみ「それから、頑固で子供っぽいですし……」

かすみ「ホ~ント、しず子って面倒くさいんですから」

愛「……でも、そういうところが?」

かすみ「可愛いんですけどね~…………って!何言わせるんですか!///」



55: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:07:28.52 ID:8d/pc45t.net

●「ジャージ」


スクールアイドル同好会、練習開始直前


かすみ「うぅ~……」ブルブル

璃奈「かすみちゃん、今日半袖は勇気あるね」

しずく「もしかして、上着忘れた?」

かすみ「だ、だってぇ~……こんなに寒くなると思わなかったし……」ブルブル

璃奈「……まぁ、先週はもっと暑かったもんね」

かすみ「そうだよ~……だから悪いのはかすみんじゃなくて、このわけわかんない天気だもん……」ブルブル

しずく「もう、仕方ないんだから……」ゴソゴソ(上ジャージを脱ぐ)


しずく「はい、これ着ていいよ」スッ

かすみ「……えっ?それだとしず子が寒いじゃん」



56: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:11:24.27 ID:8d/pc45t.net

しずく「私は動くと熱くなっちゃうから平気だよ」

しずく「練習始まったら、どうせすぐ脱ぐことになると思うし」

かすみ「ん…………それなら、ありがと」スッ(受け取る)


かすみ「……」ゴソゴソ(しずくのジャージを着る)


かすみ「……っ!」ハッ



かすみ「…………」



かすみ「(どうしよう……)」


かすみ「(……すっごくいい匂いがする///)」カァァァ


しずく「……?」



57: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:15:33.29 ID:8d/pc45t.net

かすみ「(なんか、しず子がずっとくっついてるみたい……///)」モンモン


かすみ「…………」


かすみ「……」スッ(ジャージの襟を掴んで顔に近づける)



かすみ「……///」スゥー



しずく「……かすみさん?」

かすみ「ふぁえぃっ!?///」ビクッ(襟から手を離す)


しずく「顔赤いけど、今度は暑い?」

かすみ「う、ううん!!///」ブンブン



58: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:19:38.79 ID:8d/pc45t.net

かすみ「えっと!!寒い!!今すぐ凍えそう!!だから借りるからっ!!///」(早口)

しずく「そ、そう?……それならいいんだけど」



侑「はーい、皆集合~!!」パンパン


かすみ「あ!練習始まる!」

かすみ「よ~し!!今日も気合入れてやりますよ~!!」ダダダダ




しずく・璃奈「…………」

しずく「……かすみさんったらさっきまで全然元気がなかったのに」

しずく「よっぽど寒かったんだね」クスクス

璃奈「うん……しずくちゃんのおかげで、色んな意味であったまったと思うよ」

しずく「……えっ?」



59: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:23:43.58 ID:8d/pc45t.net

――――
――

練習後 更衣室


しずく「ふぅ、暑い暑い」パタパタ

かすみ「…………」


しずく「……」ゴソゴソ(制服に着替え始める)


かすみ「……」ジッ(動かない)


しずく「…………」

しずく「……着替えないの?」

かすみ「っ!」ギクッ



60: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:28:06.98 ID:8d/pc45t.net

しずく「それ、仕舞いたいから早く脱いでほしいんだけど……」

かすみ「や、やだ!!」

しずく「えっ?……そう言われても」

かすみ「その……え、え~っと……」

かすみ「……あっ!洗濯してから返すっ!」

しずく「別にいいよ?今日みたいに持ってくるの忘れられても困るから」

かすみ「ぐっ……ぐぬぬぬぬぬ」


かすみ「…………」


かすみ「はぁ……」(大きな溜息)

しずく「えっ……そんなにがっかりすること?」


かすみ「……」ゴソゴソ(上ジャージを脱ぐ)



61: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:32:32.40 ID:8d/pc45t.net

かすみ「(ほとんどしず子の匂いしなくなったし……今日はいっか)」


かすみ「……貸してくれてありがと」ムゥ(ジャージを渡す)

しずく「全然納得してないって顔だけど……どういたしまして?」スッ(受け取る)



しずくのスマホ「ピロン♪」(スマホ通知音)


しずく「……ん?」ゴソゴソ(スマホを取り出す)

しずく「……」スッ スッ(トークアプリを開く)


しずく「……」ホッ


かすみ「?……いいことでもあった?」ゴソゴソ(制服に着替えながら喋る)

しずく「あ、うん」



62: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:36:22.36 ID:8d/pc45t.net

しずく「今度、演劇部の公演があるって前に話したでしょ?」

しずく「それで部長に演技指導のお願いをしていたんだけど、これから見てもらえることになって」

かすみ「えっ?こっちの練習終わったばっかなのに?」

しずく「私が頼んでたことだし、部長もわざわざ時間を作ってくれたんだから行かないとね」

かすみ「でも……」

しずく「それに、『しっかり休憩を取ってから来ること』って言われてるから心配しないで」ニコッ

かすみ「うっ///……ちゃんと休むなら、いいけど///」


しずく「そういうことだから、今日は先に帰ってて」

かすみ「ん……わかった」



かすみ「……」スタスタ ガチャ(ドアを開ける)



63: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:40:17.63 ID:8d/pc45t.net

かすみ「…………」

かすみ「……」クルッ(振り向く)

しずく「?」

かすみ「ホントに、頑張りすぎちゃダメだからっ」

しずく「はいはい」クスクス


かすみ「……また明日ね」

しずく「うん、お疲れ様」




かすみ「……」バタン(更衣室から出てドアを閉める)


璃奈「……あれ、しずくちゃんは?」



64: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:44:59.90 ID:8d/pc45t.net

かすみ「今から演劇部で練習あるから、先帰ってていいってさ~」スタスタ

璃奈「そうなんだ……忙しくて大変そうだね」スタスタ

かすみ「まぁ、無理してでも練習したいって気持ちはわからなくもないし」

かすみ「部長さんもしず子が無理しないように気を遣ってるみたいだから、大丈夫だと思うけど」

璃奈「しずくちゃん、稽古も本番も上手くいくといいね」

かすみ「……そだね」



かすみ「…………」



かすみ「(しず子の舞台は楽しみだけど……)」

かすみ「(演劇部の練習とか準備が優先になって、同好会に来ない日もそのうちあるってことだよね……)」



65: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:50:34.18 ID:8d/pc45t.net

かすみ「(ってことは……また一緒に帰れなくなっちゃうじゃん)」シュン

かすみ「(それに、練習の日に来なかったらジャージも借りられなく……)」


かすみ「…………」


かすみ「(……って!!違う違う違う!!///)」ブンブン

璃奈「!?」ビクッ


かすみ「……」フゥー(心を落ち着かせる)

かすみ「(ほら……今のは、しず子のジャージを着た方が寒くなりにくいっていうあれだから)」

かすみ「(別に、嗅ぎたいとかじゃないから)」ウンウン

璃奈「(かすみちゃん、挙動不審になってるけど……変なこと考えてるのかな)」



かすみ「(次の練習日は週明けだけど、まだしず子来られるかな)」



66: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:54:43.68 ID:8d/pc45t.net

かすみ「(そうだ、来週の気温確認しとこ)」ゴソゴソ(スマホをポケットから取り出そうとする)

かすみ「(いや、『寒かったらまたジャージ借りられるかも』なんて思ってないし)」ゴソゴソ


かすみ「……」ゴソゴソ


かすみ「……ん?」ゴソゴソ(鞄の中身を探る)

璃奈「どうかしたの?」

かすみ「スマホが無い……」

かすみ「……あっ!更衣室に置き忘れたのかも」

璃奈「…………」

璃奈「ジャージを返したこと、そんなにショックだったんだね」

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬ///」


――――
――



67: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 20:58:43.53 ID:8d/pc45t.net

……遡ること数分前 しずく視点……



かすみが更衣室から去る直前


かすみ「……また明日ね」

しずく「うん、お疲れ様」




かすみ「……」バタン(ドアを閉める)


しずく「…………」

しずく「(さてと、またジャージに着替えないと)」(←制服に着替え済み)


しずく「……」ゴソゴソ(着替え始める)



68: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:03:45.17 ID:8d/pc45t.net

しずく「(部長にもかすみさんにも心配かけちゃってるみたいだから、体調には気を付けよう)」

しずく「(今も、そこまで寒くないけど……)」ウーン

しずく「(多分これから気温下がるだろうし、長袖着た方がいいかな)」スッ(鞄から上ジャージを取り出す)


しずく「……」ゴソゴソ(上ジャージを着る)


しずく「……っ!」ハッ



しずく「…………」



しずく「(どうしよう……)」


しずく「(さっき貸したから…………かすみさんの匂いがする……///)」カァァ



69: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:07:51.31 ID:8d/pc45t.net

しずく「(それに、なんだか……かすみさんに抱きしめられてるみたいで……///)」

しずく「……///」ポー



しずく「…………」



しずく「……!」ハッ


しずく「(えっ、これ着て練習するの?)」

しずく「(……無理無理無理!///集中できない!///)」ブンブン


しずく「……///」ゴソゴソ(上ジャージを脱ぐ)


しずく「……」フゥ



70: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:12:39.78 ID:8d/pc45t.net

しずく「…………」


しずく「……えへへ///」ギュー(上ジャージを抱きしめる)

しずく「(また持ってくるの忘れないかな……なんて///)」 

しずく「(というか……私にあれこれ言う前に、かすみさんこそ防寒対策しっかりしてよ)」フフッ


しずく「……んぅ♡」スゥー ハァー


しずく「(でも……そうやって、私の心配してくれて……///)」スリスリ  …ガチャ


しずく「かすみさん…………好き♡」スゥー ハァ ハァ





…ドサッ(荷物が落ちる音)



71: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:16:23.90 ID:8d/pc45t.net

しずく「えっ?」チラッ





かすみ「」ポカーン





しずく「」


 


かすみ「」



かすみ「……!」ハッ



72: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:20:30.14 ID:8d/pc45t.net

かすみ「そ、その……更衣室にスマホ忘れて……///」

かすみ「しず子、着替えてると思ったから……静かに入ろうかなって……///」



しずく「」



しずく「」バタン(床に倒れる)



かすみ「えっ!?///し、しず子!?///」


しずく「……もうやだぁ~!!///」(手で顔を覆う)

かすみ「え、え~っと……///」

しずく「かすみさんに嫌われる~!!///」ジタバタ

かすみ「……えっ!?」



73: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:24:14.92 ID:8d/pc45t.net

かすみ「嫌いになるわけないじゃん!!」

しずく「……///」ピタッ


しずく「……引いたりとか、気持ち悪いとか思わない?」

かすみ「絶対思わないっ!!」

しずく「……」ホッ

かすみ「そ、そりゃ恥ずかしいって思うし、ビックリしたけどさ!」

かすみ「しず子が私の匂い嗅いで興奮してて……嬉しいっていうか///」(←フォローのつもり)

しずく「~~~~っ!!!///」ジタバタジタバタ

かすみ「えっ!?……だ、ダメだった?」



しずく「……///」ピタッ(手で顔を覆ったまま)



74: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:29:21.43 ID:8d/pc45t.net

しずく「……私、一生こうやって過ごしてる」

かすみ「何言ってんの!ダメに決まってるでしょ!」

しずく「もうかすみさんのこと見れない~!!///」

かすみ「だから、気にしてないって言ってるじゃん!」

しずく「私が気にするの~!!///」ジタバタ

かすみ「っていうか今から練習あるんじゃないの!?」

しずく「今からなんて無理~~!!///」ゴロゴロ

かすみ「部長さん待ってるんでしょ!頑張ってよっ!」

しずく「やだ~!!///行かない~!!///」ゴロゴロゴロゴロ


璃奈「しずくちゃんにここまで駄々をこねさせるなんて…………かすみちゃんってすごいね」

かすみ「そんなこと言ってる場合じゃないからっ!!」



76: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:34:34.93 ID:8d/pc45t.net

――――
――

演劇部部室


ガチャ

しずく「……お疲れ様です」

演劇部部長「あ、お疲れ」

演劇部部長「しずくのことだからもっと早く来ると思ってたけど、随分遅かったね」

演劇部部長「それだけゆっくり休んできたってことならいいんだけど」


しずく「……」グッタリ


演劇部部長「……はい、違うね」



77: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:38:40.15 ID:8d/pc45t.net

しずく「遅くなってしまって、本当にすみませんでした……」フカブカ

演劇部部長「気にしなくていいよ、私の方こそ急に決めちゃったから」


しずく「……」フゥ(疲れた顔)


演劇部部長「…………」

演劇部部長「でもその様子だと……今日はやめておいた方がいいかな」

しずく「い、いえっ!やります!」

演劇部部長「多分、明日の放課後も付き合えると思うけど……」

しずく「今からがいいんです!」

しずく「さっきのことを忘れたいのと、(一瞬でもすっぽかそうとした)戒めとして厳しく指導してほしいんです!」

しずく「だからお願いします~!」

演劇部部長「……何の話?」



78: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:42:46.49 ID:8d/pc45t.net

●「しずくクロニクル」


初代同好会結成の頃(侑達が入る前)


エマ「じゃ~ん!クラスの子から差し入れだよ~♪」スッ(ドーナツ入りの箱をテーブルに置く)

せつ菜「本当ですか!嬉しいですね~!」

しずく「……あっ!ここって人気のお店みたいですよ」

しずく「この前演劇部の先輩からももらったんですけど、『混んでて買うのに時間かかった』って話してました」

エマ「そうなんだ~♪」

彼方「まだそこまで大きな活動を始めていないのに、そんないい物をもらえるなんて……」

彼方「さすが、エマちゃんの人望だよ~」ドヤッ

かすみ「なんで彼方先輩が自慢げなんですか……」



79: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:47:01.44 ID:8d/pc45t.net

せつ菜「では!早速いただきましょう!」

エマ「♪」パカッ(箱を開ける)


エマ「わぁ~!美味しそう~♡」

彼方「彼方ちゃんは、これも~らいっ♪」ヒョイッ

エマ「あっ!……じゃあ私はこれにしよ~っと♡」


せつ菜「うーん、どれを選べばいいか迷いますね……」

しずく「せつ菜さん、チョコ味いかがですか?」

しずく「チョコとイチゴが特に人気みたいなんですけど、前にチョコ味を食べて美味しかったので是非♪」

せつ菜「えっ、美味しいならしずくさんが食べていいですよ!」

しずく「いえいえ♪食べたことがない味を試してみたいので、どうぞ食べてください」ニコッ



80: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:51:14.24 ID:8d/pc45t.net

せつ菜「そうですか?……ではお言葉に甘えて、チョコ味いただきますね!」

しずく「はい♪」


しずく「かすみさんはイチゴでいい?」

かすみ「えっ、いいの?」

しずく「私はプレーン食べるから」

しずく「これも美味しいって聞いてたから、食べてみたかったんだよね」

かすみ「ふーん、そうなんだ」

かすみ「じゃあイチゴもらうね」スッ

しずく「うん、食べて食べて♪」


―――――――――
――――
――



81: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:55:24.26 ID:8d/pc45t.net

8話より少し前の頃


侑「皆~!新聞部からお菓子もらったよ~!」パカッ(お菓子入り缶を開ける)

歩夢「えっ、なんで新聞部から?」

侑「今度うちに取材来ることになったでしょ?」

侑「それで『当日はよろしくお願いします』って、さっき持ってきてくれたんだ」

歩夢「へぇ~、しっかりしてるね」

侑「宣伝してくれてこっちがありがとうって感じなのに、律儀だよね~」

歩夢「ふふ、取材の時はしっかりおもてなししないとね」

侑「うん!そうだね」


侑「じゃあ、好きなの取ってっていいよ~!」

\\ワーイ! イタダキマース!//



82: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 21:59:24.46 ID:8d/pc45t.net

璃奈「しずくちゃんはどれがいい?」

しずく「私は余ったのもらうから、後ででいいよ」

璃奈「…………」

璃奈「いつもそう言ってくれるけど、たまにはしずくちゃんから……」

しずく「えっ?…………いいのいいの♪」

しずく「色々あると悩んじゃうから、先に璃奈さんが選んでくれた方が嬉しいな」

璃奈「ん……」ムムム

璃奈「……しずくちゃんが、そう言うなら」


かすみ「…………」


―――――――――
――――
――



83: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 22:03:34.91 ID:8d/pc45t.net

8話後


侑「皆~!演劇部からの差し入れでケーキもらったよ~!」パカッ(ケーキ入りの箱を開ける)

\\オオ~! スゴーイ!//

侑「部長さんが、『演劇祭が成功したのは、同好会の皆さんのおかげです』って」

愛「おおっ!部長さんかっこいい~!」

しずく「……」ジーン


侑「というわけだから、先にしずくちゃんから選んで!」

しずく「……えっ!?どうしてですか!?」

侑「どうしてって……しずくちゃんが頑張ったからもらえたわけだし」

しずく「で、でも部長は皆さんへの感謝の気持ちとして……」

かすみ「…………」



84: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 22:07:58.42 ID:8d/pc45t.net

かすみ「あっ、これとかどう見てもしず子が好きそうなやつじゃん」

しずく「……えっ」

かすみ「部長さん、しず子のために選んだんだろうな~」チラッ チラッ

しずく「…………」




しずく「……では、これにします」ニコッ


侑「そうそう、遠慮しないでいいんだから」

かすみ「……」ホッ


侑「じゃあ、残りはじゃんけんで決めよっか」

彼方「ええ~……しずくちゃん以外は年功序列じゃないの~?」



85: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 22:12:11.38 ID:8d/pc45t.net

愛「いやいや~、こんなに立派なケーキなら勝負で決めない方が失礼だって~!」

侑「そうそう!どれも美味しそうだけどね」

かすみ「っていうか~、今回の陰の大根役者はかすみんですし~」(甘えた声)

かすみ「次に選ぶのはかすみんでいいんじゃないですか~?」

侑「えっ何?ひょっとして立役者って言いたいの?」

愛「立役者って……かすみんがしずくのために何かしたってこと?」

かすみ「…………はっ!」ギクッ

かすみ「な、なんでもないですよ~!///」

愛「え~気になるじゃ~ん!教えてよ~♪」

かすみ「だからなんでもないですって!///」

璃奈「……私も、今回だけはかすみちゃんが選んでもいいと思う」

かすみ「えっ!……り、りな子?」



86: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 22:16:40.10 ID:8d/pc45t.net

璃奈「しずくちゃんが舞台を成功させたのは、かすみちゃんがしずくちゃんに」

かすみ「わあああああ!!!///やっぱりいいですっ!!!///」(食い気味)

かすみ「ここは素直にじゃんけんで決めましょう!!!///」

愛「あっ!何か隠したな~」ウリウリ(顔を両手でつねる)

かすみ「じぇ、じぇったいにいいまひぇんから~!」


侑「って二人とも!早く決めたいんだからいつまでも遊んでないのっ!」

愛「はーい♪」

かすみ「なんでかすみんまで~……」



しずく「……ふふっ♪」


―――――――――
――――
――



87: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 22:21:44.25 ID:8d/pc45t.net

現在


侑「皆~!ファンの人達からお菓子もらったよ~♪」パカッ(お菓子入り箱を開ける)

エマ「わーい!食べよう食べよう~!♡」




しずく「……ここのお菓子って、抹茶味が一番美味しいんだよね~」

かすみ「へー、そうなんだ」

かすみ「じゃあかすみんがもら」

しずく「今から演劇部の練習あるし、美味しいの食べたいな~」(食い気味)

かすみ「…………」


かすみ「……」ヒョイッ(抹茶味を取る)

しずく「あっ!ちょ、ちょっと待ってよ!」



88: 名無しで叶える物語 2021/09/26(日) 22:26:13.33 ID:8d/pc45t.net

しずく「今のは私に譲る流れじゃない?」

かすみ「えっ、知らないよ」

かすみ「かすみんだって美味しいの食べたいもん」

しずく「じゃ、じゃあ!じゃんけんで決めようよ!」

かすみ「ふぅ~ん……」ニヤニヤ

かすみ「前に全勝したかすみんに挑むなんていい度胸じゃん」

しずく「うん、それで運が尽きてるから勝てると思って」

かすみ「はあ~~!?絶対かすみんが勝つから!」


かすみ・しずく「いくよ!せ~の、じゃ~んけ~ん……」




彼方「しずくちゃん、遠慮しなくなったなぁ~……」シミジミ

せつ菜「……ええ、良かったですね」ニコニコ



95: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 20:34:22.86 ID:56WH03Mb.net

●「タオル 前編」


スクールアイドル同好会、練習後


かすみ「あ゛ぁ゛~…………もうダメ~……」グデー

しずく「今日は暑かったから、いつもより疲れたね」

かすみ「……とか言ってる割に、涼しい顔してるじゃん」グデー

しずく「まぁ、すぐアイシングしたからね」

しずく「濡らしたタオルを首とか腕に巻くだけでも、結構楽になるんだよ」

かすみ「ふ~ん……」

かすみ「……じゃあ、かすみんもそうしよ~」…スッ(ゆっくり立ち上がる)


かすみ「……」フラフラ(水道へ向かう)



96: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 20:38:47.16 ID:56WH03Mb.net

しずく「……足元がおぼつかないけど、大丈夫?」

かすみ「大丈夫大丈夫~……」フラフラ




かすみ「……」キュ(蛇口をひねる)


かすみ「……」ジャー ジャバジャバ(タオルを濡らす)



かすみ「…………」



かすみ「……」ジャババババ(水道水に自分の頭を突っ込む)



しずく「えっ!?な、何してるの!?!?」タッタッタッ(かすみの元へ向かう)



97: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 20:42:50.08 ID:56WH03Mb.net

かすみ「……」ジャババババ


しずく「っ!」ガバッ(かすみを水道から引き離す)


かすみ「」(放心)

しずく「かすみさん!しっかりして!」ユサユサ


かすみ「」



かすみ「……!」ハッ


かすみ「おぉ…………ビックリしたぁ~……」パチクリ

しずく「それはこっちの台詞!」

かすみ「なんか、水が冷たくて気持ちいいな~って考えてたら…………うっかり?」

しずく「猫じゃないんだからやめてよ!完全に暑さでおかしくなってるからっ!」



98: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 20:47:11.24 ID:56WH03Mb.net

璃奈「……騒がしいと思って来てみたら、かすみちゃんの頭がびしょ濡れになってる」

かすみ「あ、りな子」

しずく「かすみさん、暑さで水に頭を突っ込んじゃったの」

璃奈「そうだったんだ……」

璃奈「そういえば、この間はんぺんも同じことをやってたよ」

璃奈「かすみちゃんはあざと可愛いところだけじゃなくて、行動まで猫に似てるんだね」

かすみ「ええ~!りな子までかすみんを動物扱いしないでよ~!」プンプン


しずく「……って、そんなこと話してる場合じゃないよ!早く頭乾かさないと!」

璃奈「それもそうだね」

璃奈「運動部の人達から、ドライヤー借りられないか聞いてくる」

しずく「うん、お願い」



99: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 20:52:11.75 ID:56WH03Mb.net

璃奈「すぐ戻ってくるから、ここで待ってて」タッタッタッ




しずく「……さてと、予備のタオル持ってる?」

かすみ「えっ?無いけど」

しずく「じゃあ私の使うね」スッ(乾いたタオルを取り出す)

かすみ「……ふぇ?」ファサ


しずく「……」フキフキ(正面からかすみの頭を拭く)


かすみ「…………」


かすみ「わっ!?///」ビクッ

しずく「あっ!もう、動かないの」



100: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 20:56:33.63 ID:56WH03Mb.net

かすみ「い、いいって!///自分でやるからっ!///」

しずく「今のかすみさんは何するかわからないんだから、大人しくしてて」

かすみ「う……///」

しずく「それに、今は私達しかいないから恥ずかしくないでしょ?」(※他のメンバーは一足先に部室に戻りました)

かすみ「それはそうだけど……///」


しずく「……」フキフキ


かすみ「……///」


かすみ「……あのさ///」

しずく「?」フキフキ

かすみ「せめて後ろから拭いてよ///」



101: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:00:13.29 ID:56WH03Mb.net

しずく「?」(首を傾げる)

かすみ「っ……えっと……///」

かすみ「……しず子の顔が近くて、熱くなるのっ///」ボソッ

しずく「えっ?」


しずく「…………」



しずく「……!!///」ハッ


しずく「そ、そうだよね!///ごめん!///」

かすみ「……謝んなくていいけどさ///」

しずく「あっ!立ちっぱなしだと辛いよね!///座って座って!///」

かすみ「……うん///」スッ(日陰のベンチに座る)



103: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:04:07.70 ID:56WH03Mb.net

――――
――


しずく「……」ブオー(ドライヤーの音)


かすみ「……」スヤァ…(座ったまま寝てる)


しずく「……」ブオー


しずく「……」カチッ(電源OFF)

しずく「こんなところかな?」



かすみ「……ほぇ?」パチッ

璃奈「あ、やっと起きた」



104: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:09:08.30 ID:56WH03Mb.net

かすみ「……」サワサワ(髪の毛を触る)


かすみ「乾かしてくれたんだ」

しずく「うん、気になるところはある?」

かすみ「ん……大丈夫」サワサワ


かすみ「……色々ありがと」

しずく「どういたしまして」ニコッ

かすみ「りな子も、取りに行ってくれてありがと」

璃奈「うん」

璃奈「バスケ部の人達にも、ドライヤーのお礼を言っておいてね」

かすみ「あっ、バスケ部から借りたんだ」



105: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:13:33.34 ID:56WH03Mb.net

かすみ「わかった、後で伝えとく」

璃奈「…………」

璃奈「かすみちゃん、私がここに戻って来た時にはもう寝てたけど、相当疲れてたんだね」

かすみ「えっ…………まぁ……///」


かすみ「(疲れてたっていうか……タオルで拭いてもらうのが気持ち良くて眠くなったっていうか……///)」


しずく「いくら元気が取り柄だからって、適度に力を抜かないと体調崩すよ?」

かすみ「ぐっ……ぐぬぬぬぬぬ…………しず子にだけは言われたくなかったのに……」


かすみ「…………」


かすみ「……心配かけてごめん」



106: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:18:35.94 ID:56WH03Mb.net

かすみ「今度からは気を付ける……」

しずく「素直でよろしい♪」フフッ

璃奈「確かにかすみちゃんって、この前寒かった日もジャージを持ってきていなかったし……」

かすみ・しずく「……っ!///」

璃奈「健康なのをいいことに、そういうところはいい加減だったりするよね」

璃奈「……って、あれ?」


かすみ・しずく「//////」カァァァァァァ


璃奈「…………」


璃奈「……あ、思い出させてごめん」

かすみ・しずく「いや…………別に///」



107: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:23:05.04 ID:56WH03Mb.net

数日後 スクールアイドル同好会部室


ガチャ

しずく「おはようございます」

侑「おっはよー」

しずく「今日はすごい雨ですね」

侑「ホントだよ~」

侑「全然止まないし、今日ミーティングの日にしてて良かった~」

しずく「そうですね」フフッ


しずく「……」キョロキョロ


侑「?」



108: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:28:07.77 ID:56WH03Mb.net

侑「……!」ポン

侑「かすみちゃんなら、さっき買い出しに行ってくれたよ」ニヤニヤ

しずく「……えっ!?///」

しずく「な、何も言ってないじゃないですか///」

侑「あはは、かすみちゃん以外なら皆わかるって~」

しずく「うぅ///……私って、そんなにわかりやすいのかな……///」

侑「かすみちゃんのことに関してはね♪」

侑「多分、そろそろ帰ってくると思うよ」


侑のスマホ「……~~♪」(着信音)


侑「……ん?」スッ(スマホを取り出す)

侑「あっ、噂をすればかすみちゃんから」ピッ



109: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:32:59.37 ID:56WH03Mb.net

侑「もしもし?」

侑「?……うん、今部室に来たとこだけど」チラッ(しずくの方を見る)

しずく「?」

侑「……ええっ!大丈夫なの!?」

しずく「!?」ビクッ

侑「うん、うん……今代わるね」


侑「しずくちゃん、かすみちゃんから」スッ(スマホを渡す)

しずく「?」スッ(受け取る)


しずく「……もしもし?」

かすみ『しず子ぉ~……今からタオル持って昇降口まで来てぇ~……』(テンション低めの声)

しずく「……えっ!?」



110: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:36:34.25 ID:56WH03Mb.net

――――
――

虹ヶ咲学園昇降口


侑・しずく「…………」



かすみ「…………」ビチャビチャ



しずく「まさか、強風で傘が壊れるなんてね……」スッ フキフキ(かすみをタオルで軽く拭き始める)

かすみ「うぅ……行く時は雨も風も強くなかったのに……」

侑「ごめん、私が行かせちゃったから~……」ウッウッ

かすみ「い、いえ!侑先輩は悪くないですよ!」



111: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:40:14.26 ID:56WH03Mb.net

かすみ「かすみんが自分から行くって言いだしたんですから!」

かすみ「あっ!買ったものは無事ですから安心してください!」スッ

侑「そんなのいいよぉ~!!もっと自分を大事にして~!!」ダバー

かすみ「ゆ、侑先輩!目立っちゃうから泣かないでくださいよ!///」

侑「だってかすみちゃんがびしょ濡れに~!!」

かすみ「しず子に乾かしてもらうから大丈夫ですって!」アタフタ

かすみ「……そ、そうだ!」

かすみ「乾くまで時間かかりそうですし、これ部室まで持って行ってもらってもいいですか!」スッ(買った物を渡す)

侑「ううっ……」グスグス


侑「そうだよね……かすみちゃんが死守してくれたんだから、ちゃんとしまっておかないと」スッ(受けとる)

かすみ「……」ホッ



112: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:47:12.45 ID:56WH03Mb.net

侑「……それじゃあしずくちゃん、かすみちゃんのこと任せるね」

しずく「はい、部室に戻る時には連絡します」

侑「二人が戻るまでミーティングは始めないでおくけど、ゆっくりでいいから」


侑「じゃあまた後で!何かあったら呼んでね」タッタッタッ




かすみ「侑先輩……心配してくれるのは嬉しいですけど、大げさすぎますよ……」

しずく「それくらい、かすみさんは無茶する人だって思われているんじゃない?」フキフキ

かすみ「だからしず子に言われたく………………はぁ、わかったってば」



しずく「……はい、大体水滴は拭き取れたから更衣室に移動しよっか」

かすみ「はぁ~……やっと着替えられる~」



113: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:52:37.27 ID:56WH03Mb.net

――――
――

更衣室


しずく「……」カチャカチャ(かすみの濡れた制服をハンガーに掛ける)

かすみ「帰りまでに乾くかな……」

しずく「扇風機も使ってるし、大丈夫だと思うよ」


かすみ「……」ゴソゴソ(着替え始める)


しずく「……?」

しずく「予備の着替えは持ってきてるのに、タオルは無いの?」

かすみ「えっ?」

しずく「さっき私にタオル持ってくるように言ったでしょ?」

しずく「だから、かすみさんは持ってきてないのかなって思ってたんだけど」



114: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 21:57:00.34 ID:56WH03Mb.net

しずく「今日は練習日じゃないから無くてもおかしくはないし」

かすみ「あ、そういうことね」

かすみ「持ってきてはいるんだけど、しず子にタオル頼んだら…………!」ハッ

しずく「?」

かすみ「(危ない危ない……)」フゥ

かすみ「(うっかり、『しず子にタオル頼んだら、ついでに乾かしてくれると思ったから』って言うところだった)」

かすみ「(ただでさえ最近迷惑かけてばっかなのに、正直に言ったら呆れられるよね……)」


かすみ「(……だって、しず子にしてもらうのすっごく気持ちいいから、やってほしいっていうか……)」ソワソワ


しずく「かすみさん?」

かすみ「!……え、え~っとぉ~……」

かすみ「……あっ!タ、タオル!しず子のタオルが気持ち良かったから!」

しずく「えっ?」



115: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:03:28.78 ID:56WH03Mb.net

かすみ「この前拭いてもらってから、あの肌触りが忘れられなくてさ~!」

かすみ「どうしてもあのタオルをもう一回使いたくて、持ってきてもらったんだ~!」

かすみ「さっきも軽く拭いてもらったけど、やっぱりあのタオルが一番いいな~って思ったよ~!」ウンウン

しずく「…………」

かすみ「……っ」

かすみ「(……苦しいかな)」

かすみ「(っていうか、下手したらタオルだけ渡されて『それなら自分でやって』って言われるんじゃ……)」ダラダラ


しずく「……そういうことだったんだ」

かすみ「……!」

かすみ「(なんとか誤魔化せた)」ホッ

しずく「これいいよね、私達も気に入ってるの」

かすみ「(……ん?)」



116: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:08:23.71 ID:56WH03Mb.net

しずく「じゃあ、このままこれ使うね」

かすみ「あ、うん…………ありがと」


しずく「……」スッ(タオルを取り出す)


しずく「……」フキフキ(正面からかすみの頭を拭く)


かすみ「……」ホワー


かすみ「(良かった、やってくれた…………って!///)」

かすみ「だから、前からじゃなくて……///」

しずく「……!///」ハッ


しずく「あ、あははは……つい癖で///」スッ(かすみの後ろに回る)

かすみ「……///」ドキドキ



117: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:12:56.73 ID:56WH03Mb.net

しずく「……」フキフキ


かすみ「……」ジッ(大人しく座っている)

かすみ「(やっぱり気持ちいい……)」ホワー


しずく「……」カチッ ブオー(ドライヤーの音)

かすみ「…………」

かすみ「……しず子、すっごく丁寧にやってくれるよね」

しずく「そう?」

かすみ「うん、プロの人にやってもらってるみたいだもん」

しずく「えっ!そ、そこまでじゃないと思うけど……///」

かすみ「いや、ホントにそれくらい上手だって!しず子の特技だよ!」

しずく「え~///……そこまで言われたら照れちゃうよ~///」



118: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:16:19.57 ID:56WH03Mb.net

しずく「……まぁ、慣れてるから///」ボソッ


かすみ「…………」


しずく「……」ブオー


かすみ「……はあっ!?」ガタッ

しずく「わっ!急に動かないでってば」

かすみ「な、慣れてるって……何!?」

しずく「えっ?何って…………あっ!」ハッ

しずく「ご、ごめんね!聞かなかったことにして!」アセアセ

かすみ「……!」

かすみ「(し、しず子って……私以外の誰かにもこういうことしてるの!?)」

かすみ「(っていうかなんで焦ってるの!?)」



120: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:20:40.92 ID:56WH03Mb.net

かすみ「(……はっ!もしかして、私には言えないような相手!?)」


かすみ「」ガーン


かすみ「(さっきから『私達』とか『つい癖で』とか……)」

かすみ「(なんか引っかかると思ったら……そういうことだったんだ)」

かすみ「(……えっ!?その人にはいつも正面から拭いてるってこと!?!?)」

かすみ「(しず子と!?あんなに顔を近づけてるの!?!?)」


かすみ「」ガーン ガーン ガーン



しずく「……」ブオー


しずく「……」カチッ(電源OFF)



121: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:24:26.47 ID:56WH03Mb.net

しずく「はい、終わり」




かすみ「」(硬直)




しずく「…………」

しずく「もう動いていいよ?」


かすみ「……はっ!」ビクッ


しずく「皆さん部室で待っててくれてるから、早く戻らないとね」

かすみ「……うん」モヤモヤ



122: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:28:42.24 ID:56WH03Mb.net

次の日(休日) かすみの部屋


かすみ「…………」(ベッドに横たわっている)


かすみ「(しず子が言ってたのって、誰なんだろ)」


かすみ「(あのしず子がそういうことするくらいだから、相当仲いい人だよね)」

かすみ「(同好会のメンバー?…………彼方先輩とか?よくしず子に甘えてるし)」

かすみ「(……っていうか、いっそのことその方が安心なんだけど)」

かすみ「(軽いノリで『しずくちゃ~ん、頭乾かして~』とか言いそうだし、深い意味はなさそうっていうか)」

かすみ「(でも、それだとしず子が隠そうとした理由がわかんないし、やっぱ違う気がする……)」ムムム


かすみ「(……そういえば、果林先輩も前にしず子に顔を近づけたことがあったっけ)」



123: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:33:13.79 ID:56WH03Mb.net

かすみ「(でも果林先輩は誰にでもああいうことするし、しず子と特別な関係っていうのは考えにくいよね……)」ウーン

かすみ「(そもそも、まさかあの果林先輩が他の人に頭乾かしてもらってるとは思えないし……)」

かすみ「(プライド高いから、そんなのエマ先輩でギリギリ許されるかなって感じだもん)」ウンウン

かすみ「(年下のしず子にはさせないよね~……いや、エマ先輩でもありえないけど)」


かすみ「(同好会じゃないってなると、あとは演劇部くらい?)」

かすみ「(うわ~部長さんとかだったら嫌だな~……しず子かなり尊敬してるっぽいもんね)」

かすみ「(ああいうしっかりしてそうな人が甘えてくることに、ギャップを感じてたりして……)」モヤモヤ


かすみ「もお~!どうしてかすみんがこんなに悩まなきゃいけないの~!」ゴロゴロゴロゴロ

かすみ「っていうか!しず子はかすみんのことが好きなんじゃないの!?」プンプン


かすみ「…………」


かすみ「……!」ハッ(起き上がる)



124: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:41:45.91 ID:56WH03Mb.net

かすみ「そうだよ!しず子と仲がいい人がいたって、絶対かすみんの方が好かれてるからっ!」

かすみ「な~んだ!なにも不安になることなんてないじゃん!」


かすみ「ふっふっふ~、そうと決まれば……」ゴソゴソ(スマホを取り出す)


かすみ「しず子はかすみんのこと大好きだから、誘ったらすぐOKしてくれるもんね~♪」ピッ(発信ボタンを押す)


プルルル… プルルル… ガチャ


しずく『もしもし?』

かすみ「あのさ!明日も同好会お休みだし二人でどっか出かけようよ!」

しずく『……随分と急だね』 

しずく『残念だけど、明日は演劇部の先輩達と約束してて……』

かすみ「えっ」



125: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:45:44.75 ID:56WH03Mb.net

かすみ「(……いやいや、これくらい想定内だけどっ!)」

かすみ「(しず子にとっては演劇部も大事だから!別にかすみんのことを軽くみてるわけじゃないから!)」ウンウン

しずく『ごめんね……でも、誘ってくれてありがとう』(←聞こえてない)


かすみ「(ここでごねるのは、『仕事と私どっちが大事なの?』って言ってるようなもんだから!)」

かすみ「(かすみんはそこまで面倒じゃないし、しず子と違って)」ウンウン

しずく『また今度一緒に行こうね』(←聞こえてない)


かすみ「(そうだ!明日がダメなら今日!今からなら)」

しずく『あっ、もうすぐ電車来そうだから切るね』


かすみ「…………」


かすみ「……ええっ!?!?」



126: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:49:46.14 ID:56WH03Mb.net

しずく『?』

かすみ「……しず子、今出かけてるの?」

しずく『そうだよ』

かすみ「どこに行くの」

しずく『えっ!?ど、どこって……』

しずく『それは、その……』

かすみ「……かすみんには言いにくいとこ?」

しずく『っ!』

しずく『……あっ!もう乗らないといけないから!じゃあね!』


…プッ ツー ツー


かすみ「…………」



127: 名無しで叶える物語 2021/09/27(月) 22:53:28.76 ID:56WH03Mb.net

かすみ「……」ボフッ(ベッドにうつぶせになる)


かすみ「(断られた……)」

かすみ「(っていうかそれもだけど、行先教えてくれなかった……)」ズーン

かすみ「(これ、絶対例の人に会いに行くパターンじゃん……)」

かすみ「(可愛いかすみんを差し置いて、誰だかわかんない人のところに行っちゃうんだ……)」ズーン ズーン ズーン

かすみ「(……いや、しず子は誰だかわかってるけど)」

かすみ「はぁ……」(溜息)

かすみ「(……やっぱり、最近色々頼りすぎてたのがマズかったのかな)」

かすみ「(しず子がかすみんのこと大好きなのはわかってるし、かすみんのこと嫌いになるわけないけど……)」

かすみ「(いっぱい迷惑かけちゃったから、違う人のところに行きたくなったのかも……)」


かすみ「…………」



132: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:06:31.47 ID:xvXLW4CC.net

●「タオル 後編」


二日後 スクールアイドル同好会部室


ガチャ

しずく「おはようございます」

かすみ「!」ドキッ

かすみ「お、おはよっ」

しずく「……」キョロキョロ

しずく「かすみさん一人?」

かすみ「うん、まだ誰も来てないけど……」

しずく「そっか」ストン(鞄を下ろす)



133: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:12:58.23 ID:xvXLW4CC.net

しずく「……」ゴソゴソ(鞄の中身を探る)


かすみ「…………」


かすみ「……」スタスタ



かすみ「……」コツン(しずくの背中に寄りかかる)


しずく「……ん?」クルッ(顔だけ振り向く)

かすみ「……」…ゴス

しずく「どうしたの?」

かすみ「……」ゴス ゴス ゴス

しずく「えっと……無言で背中に頭突きするのやめてもらえる?」



134: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:19:05.51 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「…………でよ」ボソッ

しずく「……え?」

かすみ「かすみん以外にしないでよ」

しずく「…………」

しずく「えっ、何が?」

かすみ「しず子に頭拭いてもらったり乾かしてもらうと、大事にされてるって感じがして安心するの!」

かすみ「だから、かすみんだけの特権にしてよ!!」

しずく「……あ、ああ……そのことね」

かすみ「っていうか!他の誰かがしず子とキス寸前くらい近づいてるっていうのがやだ!!」

かすみ「しず子に顔を近づけていいのはかすみんだけだから!!!」

しずく「か、かすみさん!///声が大きい……///」


かすみ「……」フゥ(心を落ち着かせる)



136: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:25:26.61 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「…………」


かすみ「もし……しず子がかすみんこと、ちょっと迷惑だなって思ってるなら」

しずく「……えっ」

かすみ「今までよりはしず子に頼りすぎないようにする」

しずく「…………」

かすみ「だから……頭乾かすのも、膝枕もナデナデもかすみんだけにしてよ」

しずく「……さり気なく、要求が増えてるけど」

かすみ「あ、でも……同好会の皆になら、膝枕するくらいはいいよ」

かすみ「それと、前に果林先輩と顔を近づけたことも……あの一回だけみたいだから多めに見てあげる」

かすみ「かすみんは面倒じゃないし、器が大きいからそれくらいなら許すもん」ムゥ

しずく「妥協点が謎だし……傍から見れば十分面倒な気がするかな……」


かすみ「……」グリグリ(しずくの背中に頭をこすり付ける)



137: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:31:39.17 ID:xvXLW4CC.net

しずく「…………」


しずく「ふふ……」

かすみ「……なんで笑うの」

しずく「え~、だって」クスクス(かすみの方に向き直る)

しずく「かすみさんが嫉妬するなんて思わなかったから」

しずく「あと、仕草が可愛くて笑っちゃった」ナデナデ

かすみ「……そんなの当たり前じゃん」

しずく「そうだよね、かすみさんはいつも可愛いもんね♪」ニコニコ

かすみ「そ、そうだけど!そっちじゃなくて!」

しずく「?」


かすみ「……私だってしず子のこと好きだから、嫉妬するの!///」

しずく「……っ!///」ドキッ



138: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:37:37.27 ID:xvXLW4CC.net

かすみ・しずく「……///」シーン



しずく「…………」


しずく「……あのね」

しずく「私、かすみさんを迷惑に感じたことなんてないよ」

しずく「というか……私の方がかすみさんに迷惑かけてるよね?」

かすみ「えっ?そんなことないけど」

しずく「……この前、彼方さんと果林さんに話してたのに?」

かすみ「うっ…………それは、なんていうか……その場のノリというかちょっとだけ調子乗っちゃったというか……」ゴニョゴニョ

しずく「いいの、本当のことだから」

しずく「かすみさんが私のことを良く見てくれて、助けてくれてるっていつも思ってるよ」

かすみ「っ///」



139: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:43:39.90 ID:xvXLW4CC.net

しずく「…………」

しずく「私ね、かすみさんの可愛いところとか、そういうところとか……」

しずく「……全部、大好きなの」

かすみ「ふぇっ!?///」ドキーン!

しずく「だから、私もかすみさんが困っていたら色々してあげたいし、頼ってほしいの」

かすみ「しず子……///」ジーン


しずく「……でも、ごめんね」

かすみ「えっ」

しずく「かすみさんにだけっていうのは、どうしてもできない」

かすみ「……!」ガーン

しずく「かすみさんの気持ちは嬉しいけど……」



140: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:50:22.64 ID:xvXLW4CC.net

しずく「これは私がやりたくてやってることだから、かすみさんにもわかってほしいの」(真剣な眼差し)

かすみ「……っ」

かすみ「(しず子がそこまで言うってことは、それくらい大事な人ってことじゃん……)」


しずく「本当は毎日だってしてあげたいけど、肌に良くないからダメなんだよね」

かすみ「(そっか、毎日会いたいって思うくらいなんだ……)」

かすみ「(……ってあれ?…………肌?)」

しずく「そもそも、小さい頃からずっと私の担当だから誰にも務まらないと思うし」

しずく「基本的に人懐っこいのに、何故かそういうのは私以外だと嫌がるんだよね」ウーン

しずく「タオルも本当は専用の物を使った方がいいのに、私と同じ物を使いたがるから困ってて……」

かすみ「…………」 


かすみ「……えっと、なんの話してるんだっけ?」

しずく「えっ?」



141: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 00:56:35.22 ID:xvXLW4CC.net

しずく「なんのって……オフィーリアの話だけど」


かすみ「…………」


かすみ「……はあっ!?!?」

かすみ「えっ!?……だって、しず子が乾かしてあげてるって」

しずく「うん、シャンプーした後に私が乾かしてるよ?」

かすみ「えっ?えっ?」パニック

かすみ「ちょ、ちょっと待って」ムムム


かすみ「……あっ!この前の、雨すごく降った日!」

かすみ「しず子がプロみたいに上手で慣れてるって話した時に、『聞かなかったことにして』って言ったじゃん!」

かすみ「なんで誤魔化したの!?」

しずく「えっ?なんでだったかな……」ウーン



142: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:02:28.02 ID:xvXLW4CC.net

しずく「……あ、思い出した」

しずく「オフィーリアで慣れてるって言ったら、『かすみんはペットじゃないんだけど~!』って怒ると思って」

かすみ「えっ?」

しずく「ほら、前にも動物扱いされて怒ってたから」

しずく「あの時は早く部室に戻りたかったし、言い合いになって時間がかかったら困るでしょ?」

しずく「というか……あの時のかすみさんちょっと怖い感じになってたし、わかってて怒ったんじゃないの?」


かすみ「」ポカーン



かすみ「……!」ハッ


かすみ「じゃ、じゃあ!一昨日はどこに行ってたの!?」

しずく「一昨日?……ああ、そうそう!」ゴソゴソ(鞄の中身を探る)

かすみ「?」



143: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:08:44.98 ID:xvXLW4CC.net

しずく「はい、プレゼント♪」スッ(袋を渡す)

かすみ「……何これ」

しずく「いいからいいから♪」

かすみ「……?」スッ(受け取る)


かすみ「……」ゴソゴソ


かすみ「あっ…………傘と、タオル……」

しずく「私のタオル、気に入ってたみたいだから」

しずく「元々は、タオルだけ買いに行くつもりで一昨日出かけたんだけど……」

しずく「近くに可愛い傘が売ってる店もあったから、それも買っちゃったの♪」


かすみ「……」バッ(傘を開く)



144: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:14:42.63 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「……」ジー(傘の柄を見る)


しずく「折りたたみ傘だから、いつも鞄に入れておけば忘れることはないでしょ?」

しずく「まぁ……この前みたいな強風だとちょっと心許ないけどね」フフッ(困ったように笑う)


かすみ「……」カチャ(傘を閉じる)


かすみ「…………」シーン


しずく「…………」シーン


しずく「……あの、かすみさん?」


かすみ「はぁ~~~~…………」(大きな溜息)


しずく「えっ……それはどういう反応なの……」



145: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:20:32.23 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「……」スッ(タオルと傘をテーブルに置く)


かすみ「……」ギュー(しずくを抱きしめる)

しずく「っ!?///」ドキッ


かすみ「す~っごく嬉しいに決まってるじゃん///」


かすみ「だって、こんなに……可愛いだもん……///」ギュー


しずく「……///」ホッ

しずく「良かった、喜んでもらえて」

かすみ「……なんていうか、かすみんの好みをよ~くわかってるって感じ」

しずく「ふふ、そうでしょ」



146: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:26:40.72 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「…………」

かすみ「……大事にする」ギュー

しずく「……うん」

かすみ「っていうか、傘は壊れると嫌だから雨の日に使わないようにする」

しずく「ええ…………せっかく買ったんだから使ってよ」クスクス


かすみ「……」スッ(少し体を離す)


かすみ「……あと、さっき言ったこと」

かすみ「かすみんだけにしてっていうのは、無しでいいよ」

かすみ「……あっ!でも!オフィーリアだけだからね!

かすみ「他の人にしちゃダメなのは変わりないから!」



147: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:34:36.72 ID:xvXLW4CC.net

しずく「他の人って……かすみさん以外にしたことないよ?」

かすみ「あ、そうなんだ……」ホッ

しずく「というか……普通の人は、びしょ濡れになって誰かに拭いてもらう状況になるなんてことそうそうないよね?」

しずく「こんなに短い間に二回もなんて、かすみさんくらいじゃない?」

かすみ「ぐっ……ぐぬぬぬぬぬ」


しずく「…………」

しずく「……オフィーリアにはいいの?」

かすみ「えっ?そりゃそうだよ」

かすみ「さっきはオフィーリアだと思ってなかったからダメって言っちゃったけど」

かすみ「しず子の大事な家族なんだからいいに決まってるじゃん」

しずく「……そっか」フフッ



148: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:40:50.30 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「それに、ここでごねたら『家族と私どっちが大事なの?』って言ってるようなもんだし」

かすみ「かすみんはそこまで面倒じゃないからね」ウンウン

しずく「だから十分面倒に聞こえるし、その例えはなんなの……」


かすみ「~~♪」ギュー(上機嫌)


しずく「……まぁ、いっか」ナデナデ


しずく「…………」

しずく「……でも、それはそれで少し残念かな」

かすみ「えっ、なんで?」

しずく「かすみさんがヤキモチ焼いてるの、可愛かったから♪」

かすみ「……っ!///だ、だから!あれは勘違いしてただけで!///」



149: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:46:21.71 ID:xvXLW4CC.net

しずく「え~?……あんなに熱く愛を語ってくれたのに?」ニコニコ

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬ///」

しずく「あっ、そうだ!新しいタオルもあるし、濡れたらいつでも拭いてあげるからね♪」ニコニコ

しずく「かすみさん、どうしても私にしてほしいんだもんね♪」ニコニコ

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ///」


かすみ「(しず子めぇ~……かすみんが強気に出られないからって調子に乗って……)」

かすみ「(なんとかぎゃふんと言わせたいけど、どうすれば……)」


かすみ「(タオル…………はっ!いいこと思いついた!)」ピコーン!


かすみ「……」パッ(タオルを広げる)

しずく「?」



150: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:52:55.69 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「……動かないでよ」ジリジリ

しずく「えっ?……きゃっ!」ファサ(広げたタオルを頭に乗せられる)

しずく「な、何!?」

かすみ「う~ん……」


かすみ「……これくらいかな」スッ(しずくの顔が隠れるようにタオルをずらす)


しずく「???」


かすみ「よし、これでオッケー!」


しずく「…………」


しずく「……前が見えないんだけど」



151: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 01:58:47.06 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「……」フゥー(心を落ち着かせる)

しずく「あっ……さては、自分の顔が見られないようにしたんでしょ?」

しずく「ふふ、かすみさんってそういうところも可愛いよね♪」

かすみ「……」スッ(両手でタオルをめくる)


しずく「……えっ」パチッ(かすみと目が合う)





チュ





かすみ「……///」


しずく「…………」



153: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:04:34.20 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「かすみんのことからかったお返しと……」

かすみ「……あと、プレゼントのお礼///」ボソッ



しずく「…………」



しずく「……//////」カァァァァァァ



かすみ「は、はいっ!終わりっ!///」スッ(タオルを取る)

しずく「……えっ!?えっ!?//////」パニック

しずく「い、今のって……///」


かすみ「……///」ゴソゴソ(タオルを袋に仕舞う)

しずく「その……///」



154: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:10:20.62 ID:xvXLW4CC.net

しずく「……ベールアップ……ってこと?///」



かすみ「…………」



しずく「……///」



かすみ「ベールアップって何?」

しずく「……えっ!?」

しずく「だ、だって今……タオルでこう……」

かすみ「それは……急に誰かが入ってくるかもしれないから、周りから見えないようにしようと思って」

しずく「…………」

かすみ「で、どういう意味なの?」



155: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:16:26.69 ID:xvXLW4CC.net

しずく「…………」



しずく「……//////」カァァァァァァ



しずく「わ、忘れてっ!!///」

かすみ「えっ、なんで?」

かすみ「そんなこと言われたら、逆に気になるじゃん」

しずく「なんでもない!///ホントになんでもないから!///」ブンブン

かすみ「言わないならどうせ後で調べるし、しず子が教えてくれた方が早いんだけど」

しずく「う///……うぅ~~っ///」


しずく「……///」


しずく「はぁ……///」(観念した顔)



156: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:22:36.17 ID:xvXLW4CC.net

しずく「……結婚式で着ける、ウェディングベールは知ってる?」

かすみ「えっ?……うん、白くてふわふわしてる布でしょ?」

しずく「花嫁の人って、顔の前にベールを下ろしてるでしょ?」

かすみ「…………うん」(←何かを察し始めた)

しずく「それを、めくる行為のこと…………です///」ボソッ

かすみ「…………」


かすみ「は…………」




かすみ「はあああああああああ!?!?!?//////」カァァァァァァ




しずく「……///」



157: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:28:22.02 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「……えっ!?てことは!!///」ハッ

かすみ「し、しず子って……私のことそういう風に意識しちゃってるってこと!?///」

しずく「っ!///……だから言いたくなかったのに///」

かすみ「へ、へぇ~~!///そうなんだぁ~~!///」

かすみ「タオルとベールって、結構違うと思うんだけどぉ~!?///」(煽り口調)

しずく「……だって、キスまでされたから///」ボソッ

かすみ「だ、だからって、さすがに想像力ありすぎじゃな~い?///」

かすみ「もお~、かすみんってば愛されすぎて困っちゃうんだけど~!」

しずく「……///」

かすみ「でもぉ~かすみんは可愛いし、しず子がそういうこと考えちゃうのも仕方ないよね~!」ウンウン

しずく「……///」パッ(手で素早く口元を隠す)

かすみ「……って、何してるの?」



158: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:34:50.50 ID:xvXLW4CC.net

しずく「その……かすみさんの声が明らかに弾んでるから」

かすみ「……えっ!?」

しずく「満更でもないのかなって思ったら、顔が緩みそうになって……///」

かすみ「ええっ!?!?///」

かすみ「……ぜ、全然声なんか弾んでなんかいないし~!!///↑」ニッコニコ

しずく「……ほら///」

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬ///」

しずく「というか、キスしてきたかすみさんも私のこと相当好きだよね///」

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ///」



かすみ「……も、もうしず子なんて知らないんだから!///」ダダダダ


しずく「えっ!?ちょっとかすみさん!?どこ行くの!?」



159: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:40:17.65 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「っ!」ガチャ(部室のドアを開ける)




侑「…………」




かすみ「…………」



かすみ「……ゆ、侑先輩!?!?」

しずく「えっ!?!?」


侑「入ってもいい?」

かすみ「は、はい……」



160: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:46:29.95 ID:xvXLW4CC.net

侑「……」スタスタ



侑「……」ストン(テーブルに着く)



かすみ・しずく「…………」


しずく「……あ、あの」

侑「二人がさ、お互いのこと大好きなのは知ってるよ?」

かすみ・しずく「……!」

侑「それから、別にいちゃつくなとは言わないよ?」

侑「でも……外まで丸聞こえな声で愛の告白するのはどうかと思うんだよね」

かすみ・しずく「っ!///」



161: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:52:23.92 ID:xvXLW4CC.net

侑「……」フゥー

侑「通りすがりの人に言い訳するのも楽じゃないんだから、ちょっとは隠そうとして」ゴゴゴゴゴ


かすみ・しずく「っっっ!!!!!///」


侑「二人にもファンは多いんだから、そういう人達の気持ちもちょっとは考えて…(以下略)」ガミガミガミガミ

かすみ・しずく「……///」シュン



――――
――


かすみ「っていうか、入ってくれば良かったじゃないですか」

侑「だって……二人の邪魔をするのは悪いかなって」

しずく「……何から何まで気を遣ってもらって、すみませんでした……///」



162: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 02:58:51.71 ID:xvXLW4CC.net

●「覚醒する一言」


ガチャ

かすみ「おっはようございま~す♪」

かすみ「今日もかすみんが部室に一番乗りですよ~!……って、あれ?」


しずく「……」スヤスヤ(テーブルに突っ伏している)


かすみ「な~んだ、先に来てたんだ」スタスタ


かすみ「……」ストン(しずくの隣に座る)



しずく「……」スヤスヤ


かすみ「…………」



163: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 03:04:28.34 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「(やること無くて暇だし、起きないかな)」ジー


しずく「……」スヤスヤ


かすみ「……」キューン


かすみ「…………」


かすみ「……///」カァァァ(←先日キスをしたことを思い出してきた)



かすみ「……///」ドキドキ



かすみ「……」スッ(しずくの耳に顔を近づける)



かすみ「……起きないと、キスするよ?」ボソッ



164: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 03:10:08.72 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「…………」

かすみ「……///」ボッ(←言ってて恥ずかしくなった)

かすみ「……な、な~んちゃって!!///」チラッ(しずくの方を見る)




しずく「」パチッ




かすみ「」




しずく「」パチクリ(←衝撃発言により目覚めた)




かすみ「//////」カァァァァァァ



165: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 03:16:34.37 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「なななな~んだ!しず子起きてんじゃん!!///」アセアセ

かすみ「そ、それならやめとかないとねっ!!///」クルッ(逃げようとする)

しずく「……!」ハッ


しずく「……」ガシッ!(かすみの腕を掴む)

かすみ「わっ!///」



しずく「…………」(何かを考えている顔)



かすみ「な、何?///」



しずく「…………」



166: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 03:22:10.67 ID:xvXLW4CC.net

かすみ「腕、放してほしいんだけど……///」



しずく「…………」



かすみ「っていうか、無言なのが一番怖いんだけど」



しずく「……」スッ(目を閉じる)


かすみ「……?」



しずく「……ぐー、ぐー///」



かすみ「」



167: 名無しで叶える物語 2021/09/28(火) 03:28:07.68 ID:xvXLW4CC.net

――――
――


ガチャ

侑「おはようございまーす」




かすみ「~~っ!!!//////」ゴロゴロゴロゴロ(半狂乱)




しずく「~~っ!!!//////」ジタバタジタバタ




侑「えっ何この状況……怖っ」



181: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 19:28:30.24 ID:ITsy9Eox.net

●「連想ワードもNG」


かすみ「ええ~!?明日から二週間も休むの~!?」

しずく「うん、演劇部の公演が終わるまで同好会はお休みすることにしたの」

侑「ていうか、ギリギリまでこっちの練習来てくれたのがすごいよ」

しずく「私だって同好会の一員ですから、当然です♪」フフッ

侑「さすがしずくちゃんだね♪」ウンウン

侑「でも!明日からは一旦同好会のことはおいといて、演劇部の練習に集中してね」

しずく「はい、お気遣いありがとうございます」



かすみ「……」ムッスー


しずく「…………」



182: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 19:37:47.27 ID:ITsy9Eox.net

しずく「もっと早く伝えてほしかったよね?」ナデナデ

しずく「でも、突然決まったことだったから……ごめんね」

かすみ「……別に、かすみんは平気だけど?」

かすみ「かすみんといられる時間が減って、しず子寂しいだろうな~って思っただけだもん」ムッスー

しずく「…………」

しずく「そうだね……私の方が寂しいかも」

かすみ「っ///」ドキッ


かすみ「…………」


かすみ「……じゃあ、後でかすみんの可愛い写真送ってあげる」

しずく「えっ?」

かすみ「だから、練習と本番頑張ってよねっ!」

しずく「……うん、ありがとう」ニコッ



183: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 19:45:01.32 ID:ITsy9Eox.net

数日後


ガチャ

かすみ「おっはようございま~す♪」

かすみ「今日もかすみんが部室に一番乗りですよ~!……って、あれ?」

せつ菜「あ!おはようございます!」

歩夢「おはよう、かすみちゃん」

かすみ「どうやら、今回はかすみんの負けのようですね……」ムムム

璃奈「……何と戦ってるの?」(←かすみと一緒に来た)


歩夢・せつ菜「……」カリカリ

璃奈「二人は勉強中?」

歩夢「うん、せつ菜ちゃんに教えてもらってるの」



184: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 19:51:39.03 ID:ITsy9Eox.net

せつ菜「歩夢さんとは、選択科目以外はテスト範囲が一緒ですからね!」

歩夢「せつ菜ちゃん、教え方がすごく上手でわかりやすいんだよ」

せつ菜「いえいえそんな!歩夢さんが基礎をしっかり身に着けているからですよ~!///」テレテレ

かすみ「めちゃくちゃ喜んでるじゃないですか」

璃奈「……私も、一緒に勉強していい?」

歩夢「もちろんだよ」

せつ菜「わからないことがあれば、なんでも聞いてくださいね!」

璃奈「ありがとう…………現代文、質問するかも」

せつ菜「はい!お任せください!」」


かすみ「ほぇ~……皆さん勉強熱心ですね~」

かすみ「まっ!かすみんには関係ないですけど~」



185: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 19:58:50.58 ID:ITsy9Eox.net

璃奈「何言ってるの、かすみちゃんも一緒に勉強するよ」

かすみ「ええ~!?」

かすみ「テストまでまだ一ヶ月もあるじゃん!」

璃奈「かすみちゃんなら、一ヶ月でも足りないくらいだよ」

璃奈「赤点を取って、補習で練習に来られなくなったらどうするの?」

かすみ「ぐっ……ぐぬぬぬぬぬ」」


歩夢「かすみちゃん、一緒にやろうよ」

歩夢「私も去年やってるから、少しは教えられると思うし」

せつ菜「そうですよ!出題予想もある程度はできると思います!」

せつ菜「かすみさんと一緒に練習がしたいので、頑張って赤点を回避しましょう!!」グッ

かすみ「うぅ……そんなこと言われたら断れませんよ~……」



186: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:04:53.65 ID:ITsy9Eox.net

――――
――


かすみ「……」カリカリ


かすみ「はぁ~……そろそろ休憩にします~」グデー

璃奈「開始10分…………かすみちゃんにしては持った方かな」

かすみ「かすみんはやればできるもん!当たり前でしょっ!」ドヤッ

璃奈「……あんまり、褒めてないよ?」


歩夢「……」カリカリ


かすみ「……」ジー(歩夢の教科書を見る)

かすみ「理科ですか?」

歩夢「うん、理科というか地学だけど」



187: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:11:04.02 ID:ITsy9Eox.net

かすみ「……あっ、これ見たことあります」

歩夢「天気記号のこと?」

かすみ「はい!確か白い丸(〇)が快晴で、黒い丸(●)が雨だったような……」

歩夢「そうそう、正解だよ♪」

かすみ「えっ!?本当ですか!?」

かすみ「歩夢先輩がやってる問題がわかるなんて、かすみんって天才じゃないですか~!?」ドヤッ

歩夢「天才天才♪」

歩夢「だから、5分休憩したらまた再開しようね」

かすみ「もちろんです!やってやりますよ~!」

せつ菜・璃奈「…………」


璃奈「天気記号自体は、小学校で習う内容だよね……」コソッ

せつ菜「はい……かすみさんの学力が改めて不安になってきました……」コソッ



188: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:22:50.02 ID:ITsy9Eox.net

璃奈「やっぱり、勉強に誘って正解だったよ」ウンウン

せつ菜「……ええ、そうですね」フフッ

せつ菜「それにしても歩夢さん、やる気を引き出すのが上手ですね」コソッ

璃奈「せつ菜さんもね」コソッ


かすみ「でも、なんでこういう風に丸の中に何かを書いて表すんでしょうね?」

かすみ「天気予報のアイコンみたいに、太陽とか傘の絵にした方がわかりやすくないですか?」

せつ菜「うーん……」

せつ菜「おそらく丸だと書きやすく、見やすい、といった利点があるからではないでしょうか」

歩夢「傘の絵だと、描くの大変だもんね」

せつ菜「はい」コクリ

せつ菜「……ですが、わかりやすさというもの必要でしょうから、かすみさんの意見も一理あると思います」

かすみ「さっすがせつ菜先輩!話がわかります~♪」



189: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:28:49.37 ID:ITsy9Eox.net

歩夢「あっ、それなら……傘じゃなくてしずくの絵にすればいいんじゃない?」

かすみ「……」ピクッ

せつ菜「なるほど!それなら書きやすそうです!」

璃奈「でも……雨はそれでいいとしても、快晴と晴れをどうやって書き分ければいいか難しいね」

せつ菜「……はっ!言われてみればそうですね……」

歩夢「確かに天気記号には雪や雹(ひょう)とかもあるし、それも書き分けるのは難しいかも」

せつ菜「となると……」ムムム


せつ菜「……やはり、丸で表現するのが最も合理的なのかもしれません」ガクッ

歩夢「多分、昔の人達もこうやって色々考えて今の形になったんだろうね」フフッ

せつ菜「しずく、良い案だと思ったのですが……」シュン

かすみ「……!」ピクッ

歩夢「……?」



190: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:34:23.45 ID:ITsy9Eox.net

かすみ「…………」

歩夢「かすみちゃん、大丈夫?」

かすみ「…………えっ!?」ハッ

かすみ「な、何がですか!?」

歩夢「突然真顔になったから、どうしたのかなって」

かすみ「そ、そうでしたか!?」アセアセ

かすみ「なんでもないですから、気にしないでください!」

歩夢「……そう?」


かすみ「さ、さ~て!天才のかすみんはそろそろ勉強再開しますよ~♪」カリカリ



璃奈「…………」



191: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:40:32.10 ID:ITsy9Eox.net

――――
――


かすみ「……」カリカリ


せつ菜「……」カリカリ


かすみ「……」チラッ(せつ菜の教科書を見る)

かすみ「せつ菜先輩は、日本の勉強ですか?」

せつ菜「ええ、そうですよ」

せつ菜「……正確には地理ですが」

かすみ「かすみん、こういうの苦手なんですよね~」

璃奈「(……全部じゃなくて?)」



193: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:47:05.59 ID:ITsy9Eox.net

かすみ「日本に住んでるから勉強しなくても大丈夫!って思っちゃって、いっつもテストで痛い目見るんですよ」ムムム

歩夢「なんというか……すごく前向きだね」

璃奈「(言葉を選んでる……)」


せつ菜「日本と言っても、地域によって気候や文化が全く異なりますからね」

せつ菜「地理は日本全体が出題範囲のようなものですから、それが難易度を引き上げてるのかもしれません」

歩夢「うんうん、わかる~!」

歩夢「模試とかで、東京以外の問題が出ると悩んじゃうもん」

璃奈「自分が住んでる場所じゃないと、難しいよね」

せつ菜「模試……そうですね……」

せつ菜「ここ数年の過去問を見ると、東京に関する問題がよく出ていますから……」



194: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:53:00.28 ID:ITsy9Eox.net

せつ菜「そろそろ京都、大阪等の」

かすみ「桜坂っ!?」ガタッ

せつ菜「わっ!!」ビクッ

せつ菜「か、かすみさん!?いきなり立ち上がって、どうかしましたか!?」


かすみ「……!」ハッ


かすみ「え、え~っと…………ちょっと眠くなったので、立つと目覚めるかな~って!」アセアセ

せつ菜「そ、そうですか……」


かすみ「これでもう大丈夫ですから、また頑張りますよ~!」カリカリ



璃奈「(かすみちゃん……寂しさが抑えられなくなってる……)」



196: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 20:58:48.13 ID:ITsy9Eox.net

数日後 スクールアイドル同好会、ミーティング終了間際


侑「それじゃあ今から体育館に行って、フォーメーション確認するよ!」

侑「しずくちゃん抜きでやることになるのは残念だけど」

かすみ「……」ピクッ

侑「とりあえず8人で通しでやってみようね!」

\\ハーイ! タノシミ~!//


侑「あっ、そうそう」

侑「他の運動部も体育館使ってるから、練習以外の時は静かにしてね」

かすみ「……!」ピクッ



璃奈「(とうとう、『しずく』と似た言葉でも反応するようになっちゃった……)」



197: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:03:56.62 ID:ITsy9Eox.net

――――
――

体育館 練習後


侑「皆お疲れ!バッチリだったね!」

侑「じゃあ、10分後にステージの掃除して撤収するよ!」

\\ハーイ!//


侑「それまでストレッチしたり、水とか飲んでしっかり休憩してね!」

かすみ「……!」ピクッ

かすみ「水……しずく…………しず子…………」ボソボソ



璃奈「(ええ……)」



198: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:10:42.91 ID:ITsy9Eox.net

――――
――

ステージ掃除後


愛「うひゃ~!バミテ剥がしたから手がベタベタだよ~!」

璃奈「早く洗わないとね」

愛「うん!行こ行こ!」スタスタ(水道へ向かう)




愛「……ん?」

愛「あそこにいるの、かすかすだよね」

璃奈「……そうみたいだね」

愛「掃除中見ないと思ったら、サボってたのか~?」スタスタ



199: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:16:22.49 ID:ITsy9Eox.net

璃奈「(……嫌な予感)」スタスタ





ジャー


かすみ「……」ジー(ひたすら水道水を眺めている)





愛・璃奈「…………」

愛「とうとう、『水』を『見ず』にはいられなくなったか~」

璃奈「……かなり、重症だね」



200: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:21:41.92 ID:ITsy9Eox.net

次の日 部室で4人で勉強中


かすみ「……」カリカリ


果林「あら、かすみちゃんが勉強してるなんて……」

果林「明日は雨でも降るのかしら?」クスクス

かすみ「雨っ!?!?」ガタッ

果林「えっ!?」ビクッ

かすみ「……!」ハッ


かすみ「す、すいません……」スッ(座る)

果林「……急に、ビックリしたじゃない」

果林「というか……怒るとこ、そこなの?」


かすみ「…………」(思いつめた顔)



201: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:26:48.78 ID:ITsy9Eox.net

果林「……勉強の邪魔して悪かったわね」

果林「向こうで静かに雑誌でも読んでるわ」

かすみ「静かっ!?!?」ガタッ

果林「!?」ビクッ

璃奈「今のかすみちゃんは何に反応するかわからないから、気にしなくて大丈夫」

果林「そ、そう……」


――――
――


かすみ「……」カリカリ


歩夢「せつ菜ちゃん、古文質問してもいい?」

せつ菜「もちろんいいですよ!どこですか?」スッ(歩夢のノートを見る)



202: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:31:50.54 ID:ITsy9Eox.net

歩夢「源氏物語の訳なんだけど、これで合ってるかな?」

せつ菜「ええと……」

せつ菜「……はい!問題ないと思います!」

せつ菜「この文章のポイントは、『大切に育てる』という意味の『かしづく』という単語で」


かすみ「」…ドンッ!!(机に頭を強打する)


せつ菜「か、かすみさん!?」

歩夢「大丈夫!?」



かすみ「」チーン



璃奈「…………」



203: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:36:03.54 ID:ITsy9Eox.net

次の日


ザー(雨音)


かすみ「……」ズーン


璃奈「(本当に雨が降っちゃったから、わかりやすく落ち込んでる……)」

璃奈「…………」


璃奈「……」チョイチョイ(かすみの袖を引っ張る)

かすみ「……ん?」(テンション低めの声)

璃奈「しずくちゃんと、連絡取り合ってるの?」

かすみ「しずくっ!?!?」ガタッ

璃奈「そういうのはいいから」



204: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:41:36.27 ID:ITsy9Eox.net

かすみ「……!」ハッ


かすみ「……」スッ(座る)

かすみ「……してない」ボソッ

璃奈「どうして?」

かすみ「だって……しず子、演劇部のことに集中しなきゃいけないし」

璃奈「確かにそうかもしれないけど」

かすみ「あと、こっちから連絡したらかすみんが寂しいみたいじゃん」

璃奈「……それはさすがに、往生際が悪すぎない?」

璃奈「素直に寂しいって認めて、会いに行ったり、電話すればいいのに」

かすみ「ぐっ……ぐぬぬぬぬぬ」



206: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:46:45.11 ID:ITsy9Eox.net

かすみ「…………」

かすみ「……実は、お昼休みにこっそりしず子の教室覗いてみたんだけど……」

かすみ「昼も練習に行ってるみたいで、いなかったんだよね……」

璃奈「……そうなんだ」

かすみ「夜も遅くまで練習してるから、帰りの時間も合わないし……」

かすみ「それで、真面目で心配性なしず子のことだから家に帰ったら勉強とかしちゃうでしょ?」

璃奈「それは、かすみちゃんもやらなきゃいけないことだからね?」

かすみ「だから夜遅い時間に電話かけたりするのはダメかなって……」

璃奈「話聞いて」

かすみ「そういうことだから、かすみんは連絡しないもーん……」


かすみ「……」ズーン(テーブルに突っ伏す)


璃奈「…………」



207: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:51:56.82 ID:ITsy9Eox.net

璃奈「仕方ない……」ゴソゴソ(スマホを取り出す)

かすみ「……?」

璃奈「……」スッ スッ(動画再生アプリを開く)

璃奈「本当は、補習を回避できたご褒美に見せようと思ってたけど」

璃奈「この様子だと勉強に集中できなさそうだから、特別だよ?」ポチッ

かすみ「……何が?」



『…………』(Loading…)


しずく『うーん……』

しずく『璃奈さんはこれとこれならどっちがいいと思う?』


かすみ「!?!?!?」



208: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 21:57:00.33 ID:ITsy9Eox.net

しずく『私は断然こっちがいいと思うんだけど』

璃奈(声のみ)『……もう答え決まってるなら、それでいいんじゃない?』


かすみ「えっ…………何これ」

璃奈「同好会がお休みの日に、雑貨屋に行ったら偶然しずくちゃんがいて、傘を探していたの」

璃奈「その時の、動画」

かすみ「…………」


しずく『というか、さっきから何してるの?』

璃奈『……(しずくちゃんが)可愛いから、動画撮っておこうと思って』

しずく『えっ?……そうだね、色々あって可愛いよね』フフッ

しずく『でも、店の中を撮影すると店員さんに怒られない?』

璃奈『映像、私用で使うって説明したらOKもらえたよ』

しずく『そっか、なら大丈夫だね』



209: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:02:08.95 ID:ITsy9Eox.net

璃奈『……で、その傘買うの?』

しずく『そうだね、これが一番かすみさんが好きそうな柄だし、似合うと思う!』

璃奈『決まって良かったね』

璃奈『……まさか、1時間も悩むとは思わなかったけど』

しずく『えっ!?……私、そんなに悩んでたんだ……///』

璃奈『しずくちゃんにそこまで想ってもらえて、かすみちゃんは幸せ者だね』

しずく『……///』


かすみ「…………」


しずく『……喜んでくれるかな』

璃奈『しずくちゃんが選んだ物なら、間違いないよ』

しずく『……うん!』

璃奈『来週渡すの、楽しみだね』



210: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:07:14.59 ID:ITsy9Eox.net

しずく『楽しみ~♪』

しずく『あぁ~早く会って渡したいな~♪』ニッコニコ


かすみ「……」キューン


しずく『…………』 

しずく『……待って』

璃奈『?』

しずく『他の店にもっといいのがあるかもしれないよね』

璃奈『えっ』

しずく『ここで買うのは保留にして、違う店にも行ってみなきゃ!』グッ

璃奈『…………』

しずく『璃奈さんも、一緒に行く?』

璃奈『…………』(悩み中)



211: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:12:11.17 ID:ITsy9Eox.net

璃奈『……そうだね、最後まで付き合うよ』

璃奈『動画もたくさん撮りたいからね』

しずく『そんな風に思うくらい、色々な傘を探しているんだね』

しずく『もしかして、璃奈さんも誰かにプレゼントしたいって思ってるとか?』

璃奈『ん……そんなところかな』

璃奈『私も、(かすみちゃんにこの動画をいつか)プレゼントするつもりだよ』

しずく『……今、なんとなく不自然な間があった気がするけど……まぁいっか』


しずく『じゃあ次は、ここから20分くらいのところにあるお店に行って…(以下略)』



かすみ・璃奈「…………」


璃奈「最終的に、5軒回った」

かすみ「…………」



212: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:17:10.82 ID:ITsy9Eox.net

かすみ「……しず子、タオルのお店の近くで傘を買ったって言ってたけど」

璃奈「結局は、今映ってた場所……タオルのお店に一番近い雑貨屋で買ったから、嘘はついてないよ」

かすみ「…………」


かすみ「はぁ~~~~…………」(大きな溜息)


かすみ「こんなの見せられたらさ~……」

璃奈「……うん」

かすみ「ますます……会いたくなっちゃうじゃん……///」(顔を伏せる)

璃奈「……しずくちゃんも、きっと同じように思ってるよ」

璃奈「かすみちゃんのために、5軒も回っちゃうくらいなんだから」

かすみ「……ふっ」(吹き出す)

かすみ「りな子、ちょっと怒ってない?」スッ(顔を上げる)

璃奈「……さすがに、どのお店でも一時間近く悩むのはどうかと思うよね」



213: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:22:09.74 ID:ITsy9Eox.net

璃奈「お休みの日だったのに、練習の日並みに足と腕がクタクタになったよ」ムムム

璃奈「……私が勝手に撮ってたことだし、しずくちゃんが申し訳なさそうにしてジュースをごちそうしてくれたから、いいんだけどね」

かすみ「くっ……くく…………そうなんだ……」プルプル(笑いを堪える)

璃奈「…………」

璃奈「……それに」

かすみ「……えっ?」

璃奈「かすみちゃんも、少しは元気になったみたいだから」

かすみ「……!」



かすみ・璃奈「…………」



璃奈「動画、こんな感じの映像がひたすら何時間も続くだけの内容になってるけど……観る?」

かすみ「……観る」



214: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:27:20.08 ID:ITsy9Eox.net

――――
――

夜 かすみの部屋


かすみ「……」フゥー(心を落ち着かせる)

かすみ「…………」

かすみ「……よしっ!」スッ(スマホを取る)


かすみ「……」スッ スッ(トークアプリを開く)


かすみ「ええと……『今電話してもいい?』」ポチポチ



かすみのスマホ「」シーン

かすみ「……」ドキドキ



215: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:32:13.72 ID:ITsy9Eox.net

かすみのスマホ「」シーン


かすみのスマホ「……~~♪」(着信音)

かすみ「わっ!?」ビクッ


かすみ「っ!」ピッ

かすみ「もしもし!」

しずく『かすみさん、お疲れ様』

かすみ「おっ、お疲れっ」

しずく『……今ね、すごいことが起こったんだ~♪』

かすみ「えっ?……何?」

しずく『それはね~……』

しずく『……かすみさんに電話をかけようと思った瞬間に、かすみさんから連絡が来たの!』

かすみ「……えっ」



216: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:38:09.59 ID:ITsy9Eox.net

しずく『公演が終わるまでは我慢しなきゃって、思ってたんだけど』

しずく『ずっと会えてなくて、寂しくて……どうしても声が聞きたくなったから、かけようとしちゃったの』

かすみ「……///」カァァ


かすみ「……今、かけちゃってるじゃん///」

しずく『え~?かすみさんがかけていいか聞いてきたのに?』クスクス

かすみ「か、かすみんのせいじゃないもん!///」

しずく『はいはい♪』

しずく『……まぁ、私の意志が弱かったことは本当だもんね』

しずく『かすみさんが送ってきてくれた写真を見て頑張ってたんだけど、やっぱりダメだったみたい』

かすみ「……そうなんだ///」


しずく『だって……見てるともっと会いたくなっちゃうんだもん』

かすみ「……っ!///」ドキーン



217: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:43:20.69 ID:ITsy9Eox.net

しずく『だから今連絡が来て、すごく嬉しいんだよ?♪』


しずく『……あっ!そういえば、かすみさんは私に何か用事?』

かすみ「…………」


かすみ「……私も、しず子と同じ」

しずく『……えっ?』

かすみ「しず子に会えてなくて、寂しかったから……」


かすみ「……声聞きたくなって、電話したくなったのっ///」ボソッ

しずく『っ!///』


しずく『……///』


しずく『そんなこと言われたら、切りたくなくなっちゃうよ……///』



218: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:48:01.17 ID:ITsy9Eox.net

かすみ「そんなの、私だってそうだけど……///」

かすみ「でも……しず子は今から勉強しないといけないから、もうちょっとしたら切らないといけないんでしょ?」シュン

しずく『……うん、そうなの』

かすみ「テスト、近くなってきたもんね」

しずく『…………』 


しずく『えっ!?かすみさんがテストの話をしてる!?』

かすみ「ええ~……何それ」

かすみ「かすみんだって、最近頑張って勉強してるのに……」

しずく『……ど、どういう風の吹き回し?』

かすみ「どういうって……歩夢先輩とせつ菜先輩とりな子と一緒に、勉強会してるっていうか……」

しずく『あっ、そうだよね』

かすみ「えっ?」



219: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:52:24.50 ID:ITsy9Eox.net

しずく『かすみさんが自発的にするわけないから、大方璃奈さん辺りに強く言われてやってるって感じかな』

かすみ「ぐっ……ぐぬぬぬぬぬ」

しずく『図星なんだ……』


しずく『……でも、皆さんと勉強会するの楽しそうだね』

しずく『私も今度混ぜてもらうから、一緒に頑張ろうね♪』

かすみ「ええ~……かすみんもう一生分勉強したからいいよ~……」

しずく『ダ~メ!かすみさんの学力なら一生分でも足りないくらいなんだから、もっとやらないと!』

かすみ「りな子と似たようなこと言ってるし……」

しずく『えっ?…………ふふ、そうなんだ』


かすみ「…………」


しずく『…………』



220: 名無しで叶える物語 2021/09/30(木) 22:56:56.56 ID:ITsy9Eox.net

しずく『私ね……ここ最近のかすみさんのこととか、同好会の話とか、もっと聞きたいの』

かすみ「……うん」


しずく『だから、明日も電話していい?』

かすみ「……待ってる」


――――
――



次の日


璃奈「…………」


かすみ「……」ギュー(璃奈に感謝のハグ)


璃奈「……しずくちゃんが見てる前では、やらないでね」(照れ隠し)



229: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 20:36:28.54 ID:cnERnaXp.net

●「歴史的和解?」


虹ヶ咲学園演劇部、定期公演の日 会場のホール内


かすみ「……」ソワソワ(席に座っている)

璃奈「かすみちゃん、落ち着いて」

璃奈「しずくちゃんがステージに立つところなんて、何度も見てるでしょ?」

かすみ「そ、そうだけど!ライブと劇場は違うじゃん!」


ブー(会場のブザー音)


かすみ「!」

璃奈「……始まるね」


かすみ・璃奈「……」ドキドキ



230: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 20:40:12.91 ID:cnERnaXp.net

――――
――


『……~~』

『?……~~!』



かすみ・璃奈「……」ジー



――――
――


『~~!』

『!?……~~!』



かすみ「……」ハラハラ

璃奈「……」シンケン



231: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 20:44:06.76 ID:cnERnaXp.net

――――
――


『……~~!』

『~~……』


『…………』



かすみ「……うっ……ぐすっ……」ズズッ

璃奈「……」ジーン



――――
――

終演


\\パチパチパチパチ//


かすみ・璃奈「…………」ボー(放心)



232: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 20:48:10.81 ID:cnERnaXp.net

かすみ「す~っごく良かったぁ~……」ホワー

璃奈「このまま余韻に浸っていたいね……」


かすみ・璃奈「…………」ボー


――――
――


璃奈「…………」

璃奈「……そろそろ行こっか」

かすみ「うん……」

かすみ「多分しず子ロビーにいると思うし…………会いたいし」ボソッ

(※舞台や高校演劇等では、終演後にキャスト達がロビー等でお客さんのお見送りをすることがあります)


かすみ「あっ、その前にアンケート書かないとっ!」カリカリ



233: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 20:51:41.33 ID:cnERnaXp.net

――――
――

ロビー


かすみ・璃奈「……」スタスタ


しずく「……あっ!」

かすみ「!」パァァァ

璃奈「しずくちゃん、お疲れ様」

しずく「今日は来てくれてありがとう」

かすみ「ものすっごく感動した!」キラキラ

璃奈「うん……引き込まれたよ」

しずく「良かった~」ホッ

しずく「二人とも、ホールからなかなか出てこないから不安だったんだよ?」



234: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 20:54:34.33 ID:cnERnaXp.net

しずく「同好会の皆さんは、とっくに出てきて挨拶してくれたのに」クスクス

かすみ「そういえば……他のお客さんもほとんど帰っちゃった?」キョロキョロ

璃奈「……かすみちゃんが、アンケートを書くのに手間取ったから」

かすみ「っ!……だ、だって、いっぱい書かなきゃって思って」

かすみ「(あと、かすみんが書いたってしず子にわかんないように丁寧に書いたからっていうのもあるけど……)」

しずく「ふふ、ありがとう」ニコニコ

しずく「あっちに箱があるから、その中に入れておいてね」

璃奈「わかった」コクリ

かすみ「……あっ、あのね!しず子が一人になって泣いちゃうシーン!あれすごかった!」

かすみ「なんか、見てて胸がギュウ~ってなって!私もいっぱい泣いちゃった!」

しずく「……うん」(優しい顔)

かすみ「あと、あと!え~っと……」



235: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 20:57:51.05 ID:cnERnaXp.net

璃奈「かすみちゃん、話したいことが山ほどあるのはわかるけど……」

璃奈「しずくちゃんだって今から色々やることがあるんだから、手短に話さないと」

かすみ「……あっ、そっか」

かすみ「うーん、それじゃあ……」ムムム


かすみ「……そうだ!今日一緒に帰ろうよ!」

しずく「えっ!?……きょ、今日!?」

かすみ「ダメ?」

しずく「だ、ダメっていうか……」

しずく「これから後片付けや反省会あるし、学園にも戻るから……」

しずく「多分夕方頃…………6時くらいになると思うよ?」

かすみ「わかった!じゃあ6時になったら演劇部の部室に行くっ!」

しずく「えっ!?……ほ、本気?」



236: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:00:25.59 ID:cnERnaXp.net

かすみ「本気っ!!だって今日しず子に感想言いたいんだもん!!」

かすみ「だから、しず子が終わるまで待ってるから!!」

かすみ「ね!いいでしょ!?」ワクワク

しずく「…………」


しずく「……うん、わかった」

しずく「何時に終わるかはっきりしたら、すぐ連絡する」

かすみ「……!」パァァァ

しずく「感想、たくさん聞かせてね」ニコッ

かすみ「うんっ!」




演劇部部長「……」ジー



237: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:06:16.28 ID:cnERnaXp.net

――――
――

夕方 虹ヶ咲学園演劇部の部室前廊下


かすみ「…………」


かすみ「(まだ、しず子に言われた時間の30分前だけど……)」

かすみ「(待ちきれなくて、来ちゃった……)」ソワソワ


演劇部部長「……あれ、中須さん?」

かすみ「!……ど、どうも」ペコッ

かすみ「今日はお疲れさまでした」

演劇部部長「中須さんも、観に来てくれてありがとう」ニコッ



238: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:09:06.99 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「しずく待ってるんだよね?」

演劇部部長「一年生は小道具を片付けた後に解散するように言ったから、もうちょっとかかるかも」

かすみ「はい……しず子からもそう聞いてたんですけど、早く着いちゃって」

演劇部部長「あ、そうだったんだ」

かすみ「…………」

かすみ「(……どうもこの人苦手なんだよね)」

かすみ「(なんか底が見えないっていうか、うさんくさいっていうか……)」

かすみ「(しず子のことよくわかってるって感じなのも、なんとなくムカムカするっていうか……)」


演劇部部長「……あのさ」

かすみ「……!?」ドキッ

かすみ「な、なんですか?」



239: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:11:44.39 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「私、中須さんに聞きたいことがあるんだよね」

かすみ「……えっ?」

かすみ「(ぶ、部長さんが……かすみんに?」

かすみ「(……全然身に覚えがないんだけど)」


演劇部部長「こういうことを聞くのは良くないんだけど、やっぱりこのままだとマズいかなって思って」

かすみ「(聞くのは良くないって…………はっ!もしかして……)」

かすみ「(かすみんとしず子の関係について、何か感づいてるんじゃ……)」ダラダラ


演劇部部長「……この前までは確信が持てなかったんだけど」

演劇部部長「今日はっきりしたから、この際だしちゃんと伝えるね」

かすみ「(絶対感づいてるーーーー!!!)」ダラダラダラダラ



240: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:14:14.70 ID:cnERnaXp.net

かすみ「(うわ~……よりにもよって部長さんにバレるとか……)」

かすみ「(っていうか、伝えたいことって何!?何言われるの!?)」

かすみ「(あれかな……『しずくが中須さんのこと好きすぎて、ノロケばっかり聞かされて困ってる』とか?」

かすみ「(それで、『だからしずくと距離を置いてほしい』とか言われちゃったり……)」ダラダラ

演劇部部長「……顔色悪いけど、大丈夫?」

かすみ「……!」ハッ


かすみ「ちょ、ちょっとだけ!心の準備をする時間をください!」

演劇部部長「えっ?……う、うん?」



かすみ「…………」



かすみ「(そういえば……ある意味、この人がいたからしず子が吹っ切れたとも言えなくないんだよね)」



241: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:16:33.50 ID:cnERnaXp.net

かすみ「(部長さんがしず子に厳しいこと言って、それでしず子が悩んで……かすみんがそれに気づいた)」

かすみ「(……だから、すごいのはかすみんだけど)」

かすみ「(部長さんは、全部見透かした上でしず子にそういうことを言ったのかも……)」



かすみ「…………」



かすみ「(……そっか)」

かすみ「(部長さんだって、しず子のことをすっごく気にかけているんだよね)」

かすみ「(演劇祭でもしず子を抜粋したくらいだし)」(←抜擢と言いたい)

かすみ「(しず子がちゃんと壁を乗り越えられるって信じてたから、再オーディションもやって)」


かすみ「(……それくらいしず子のことをよくわかってる人なんだから、私達のことだって気付くよね)」



242: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:19:38.99 ID:cnERnaXp.net

かすみ「(しず子のことを大事に思ってるのは、部長さんも同じなんだから)」

かすみ「(……部長さんにこそ、私達のことをちゃんと言わなきゃいけなかったんだよね)」


かすみ「…………」


かすみ「(……うん!)」グッ(覚悟を決めた顔)


かすみ「あのっ!」

演劇部部長「……心の準備、終わった?」

かすみ「私も部長さんに言わなきゃいけないことがあるんです!」

演劇部部長「えっ?」

かすみ「ここで話すのもなんですから、人気(ひとけ)のない場所に行きましょう!」

演劇部部長「あ、うん…………別にいいけど」



243: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:22:41.47 ID:cnERnaXp.net

――――
――

空き教室


演劇部部長「ここなら誰も来ないと思うよ」

かすみ「…………」

演劇部部長「それじゃあ、先に私から話」

かすみ「確かに!しず子は可愛いかすみんのこと大好きですけどっ!!」(食い気味)

演劇部部長「えっ」

かすみ「それで演劇に対して手を抜いたりするような人じゃないってことは、部長さんもわかってますよね!?」

演劇部部長「……う、うん…………そうだね」

演劇部部長「演劇に対して人一倍情熱を持っていることも、中須さんのことが好きなのもわかってるよ」



244: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:26:11.05 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「中須さんのこと、よく部内で話してるから」

かすみ「……はっ!やっぱりそうなんですね!」

かすみ「そ、そういうことですから!多少のノロケは許してあげてください!///」ニヤニヤ(←嬉しさを抑えきれない)

演劇部部長「はぁ……」

かすみ「それからっ!……その!」


かすみ「わ、私も!しず子のこと好きですから!」


演劇部部長「……!」

かすみ「そりゃかすみんは可愛いですから!しず子にだけじゃなくて、たくさんの人達にこの可愛さを届ける義務がありますけど!」

かすみ「だからってしず子のこと軽く見てるとか、無責任に好きって言ってるわけじゃありません!」

演劇部部長「…………」

かすみ「私はこれからもずっとしず子と一緒にいたいって思ってて!」



245: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:29:16.94 ID:cnERnaXp.net

かすみ「それを叶えるためにはどうしたらいいか、私なりに将来の計画も立てているところです!」

かすみ「それくらい真剣に考えてます!」

演劇部部長「中須さん……」


かすみ「だから、だから……」




かすみ「しず子のことは絶対に幸せにしますから!!安心してください!!」




演劇部部長「…………」


かすみ「…………」


かすみ「(言いくるめられる前に、先手を打ってやりました……)」フゥ



246: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:32:36.53 ID:cnERnaXp.net

かすみ「(さぁ~て……部長さん、どう返してきますか!?)」ドキドキ


演劇部部長「……そうなんだ」

かすみ「……!」

演劇部部長「中須さん、そこまでしずくのこと想ってくれてたんだね」

かすみ「もちろんです!」コクリ

演劇部部長「……でも、どうしよう」

かすみ「?」

演劇部部長「そんなこと言われたら、話しにくくなっちゃうなぁ……」ポリポリ(頭をかく)

かすみ「……いえ、部長さんも言いたいことを言ってください」キリッ

演劇部部長「……この流れで言うと、空気が読めないみたいで申し訳ないんだけど」

かすみ「平気です!なんでも話してください!」

演劇部部長「……そう?」



247: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:35:19.78 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「……それなら、言わせてもらうね」

かすみ「(まぁ、何言われてもしず子に対する気持ちは変わりませんけどね!)」


演劇部部長「…………」

演劇部部長「中須さんってさ、しずくに」


かすみ「(来た……!)」ドキドキ



演劇部部長「中須さんか書いたアンケートがどれか、知ってほしかったりする?」



かすみ「…………」



かすみ「えっ、アンケート?」



248: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:38:31.80 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「あ、この言い方じゃわかりにくいよね」

かすみ「……い、いえ!意味はわかりますよ!」

かすみ「しず子がアンケートを読んだ時に、『これ書いたのかすみさんだ~』ってわかってほしいかってことですよね?」

演劇部部長「そうそう」

かすみ「そういうことでしたら知ってほしくないですね!」

かすみ「だって恥ずかしいですもん!」

演劇部部長「……じゃあ、やっぱり間違って書いてたんだ」ゴソゴソ(紙を取り出す)

かすみ「?」


演劇部部長「本当は聞いちゃダメなことなんだけど……」

演劇部部長「これ書いたのって、中須さんだよね?」スッ(紙を渡す)

かすみ「……えっ!?」スッ(受け取る)


かすみ「……」ジー



249: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:41:30.32 ID:cnERnaXp.net

かすみ「……!」ハッ


かすみ「はい……私がさっき書いたアンケートです……」ワナワナ(震える)

かすみ「ど、どうしてわかったんですか!」

演劇部部長「……感想の欄、読んでみて」

かすみ「えっ」

演劇部部長「そこに、『しず子の演技が~』とか『しず子が着てる衣装が~』とかって書いてあるよね?」

かすみ「……え゛っ!?!?」バッ(感想の欄を見る)


かすみ「…………」


かすみ「……ホントですね」

演劇部部長「私の知る限り、しずくのことそう呼ぶのは中須さんしかいないからね」

演劇部部長「アンケートは部員の皆も読むから、このままだとマズいと思ってたんだけど……」



250: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:44:35.94 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「でも、こうやってちゃんと伝えられて良かった」ホッ

かすみ「」ポカーン



かすみ「……!」ハッ


かすみ「い、いや!ちょっと待ってください!」

かすみ「きっと私以外にも『しず子』って呼んでる人がいて!その人が書いたのかもしれませんよ!」

演劇部部長「…………」

演劇部部長「……実は、演劇祭の時にも感想の欄に『しず子』って書いてるアンケート用紙が1枚だけあって」

かすみ「えっ」

演劇部部長「その時も、中須さんが間違って書いたのかなって思ったから伝えようか迷ったんだけど」

演劇部部長「今言ってくれたように、他にも『しず子』って呼んでる人がいないとも限らないから、結局何も言わないことにしたんだよね」

かすみ「じゃ、じゃあ!なんで今回は私が書いたって思ったんですか!?証拠はあるんですか!?」



252: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:47:43.98 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「…………」

演劇部部長「……その紙、アンケートボックスの上の方に入ってて」

演劇部部長「ロビーで見てたけど、最後の方に入れてくれたのは中須さん達と一部の他校の生徒だけで」

かすみ「……!」

演劇部部長「そのアンケートを読むと、『どこの学校から来たか』って質問に対して『虹ヶ咲学園』に丸つけてあるよね?」

かすみ「…………そうですね」

演劇部部長「あと、他の質問でも中須さんに該当するような回答がいくつかあって……」

演劇部部長「それで、中須さんが書いたって確信したんだ」

かすみ「…………」

演劇部部長「というか……さっき自分で書いたって言ってたのに……」

演劇部部長「他の人が書いたとか、証拠はあるんですかって……」プルプル(笑いを堪える)

かすみ「ぐっ///……ぐぬぬぬぬぬ///」



253: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:51:01.77 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「……」フゥ(心を落ち着かせる)

演劇部部長「そういうことで、演劇祭の時は私が勝手に『しず子』のところを書き直しちゃったんだけど……ごめんね」

かすみ「あ、そうだったんですね……」

かすみ「……直してもらって助かりました」ペコリ

演劇部部長「中須さんってスクールアイドルなだけあって、演出についても詳しく感想書いてくれるからすごく嬉しくて」

演劇部部長「だから、部員の皆にもどうしても読んでほしかったんだ」

かすみ「…………」


かすみ「……これも、今から書き直しますね」

演劇部部長「うん、そうしてもらえると助かるよ」


かすみ「……」スッ(文房具を取り出す)


かすみ「……」カリカリ(書き直す)



254: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:54:10.36 ID:cnERnaXp.net

かすみ「…………」

かすみ「(や…………)」


かすみ「(やらかしたぁぁぁぁ~~~~!!!///)」


かすみ「(うっわ~……勘違いして全部話しちゃうとか恥ずかしすぎるんだけど……///)」

かすみ「(最近のかすみんこんなんばっかじゃん……///)」

かすみ「(っていうか、アンケートに『しず子』って書いちゃうとか何やってんの……)

かすみ「(はぁ~……部長さんが直してくれて良かった~……)」


かすみ「……」カリカリ


かすみ「(部長さん……わざわざ直してくれて、かすみんの感想も嬉しいって言ってくれて……)」

かすみ「(それに、さっき言いがかりつけたのに全然怒らないし……)」



255: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 21:58:01.56 ID:cnERnaXp.net

かすみ「(もしかして……部長さんって普通にいい人なんじゃ……)」


かすみ「……」カリカリ

かすみ「……はい、終わりました」スッ(紙を渡す)


演劇部部長「…………」(目を通す)


演劇部部長「これなら問題なさそうだね」

かすみ「ホントにすみませんでした……」フカブカ

演劇部部長「ううん、これから気を付けてもらえれば大丈夫だよ」ニコッ

かすみ「(うぅ……優しさが辛い)」

演劇部部長「…………」


演劇部部長「……しずくのこと、ありがとね」

かすみ「……えっ」



256: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 22:01:39.81 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「しずくが変わったのは、同好会の人達……」

演劇部部長「……特に、中須さんの存在が大きいのかなって思ってたから」

かすみ「……!」

かすみ「……どうして、そう思ったんですか」

演劇部部長「しずく、前から同好会のことを話したりはしてたけど……」

演劇部部長「演劇祭が終わってから、中須さんの話題がすごく増えたからね」フフッ

かすみ「…………」

かすみ「ちなみに、どんなこと言ってます?」

演劇部部長「…………」

演劇部部長「……可愛いとか、いつも元気、とか」

かすみ「今、ちょっと言葉選びませんでした?」

演劇部部長「えっ!?……そ、そんなことないよ!」



257: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 22:04:59.36 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「中須さんへの愛を感じることを言ってるから、心配しないで」

かすみ「っ!///……それならいいんですけどっ///」ソワソワ

演劇部部長「……」ホッ


演劇部部長「…………」

演劇部部長「……中須さんも知っての通り、しずくは真面目すぎて時々変な方向に悩んじゃうところがあるから」

演劇部部長「前向きな中須さんがそばにいてくれるなら、本当に心強いね」

かすみ「部長さん……」


演劇部部長「しずくが中須さんのこと大好きなのは知ってたけど……中須さんもそうだってわかって、嬉しいよ」

演劇部部長「これからも、しずくのことよろしくね」


かすみ「…………」



258: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 22:07:38.75 ID:cnERnaXp.net

演劇部部長「……って、私ってば何言ってるんだろう」

演劇部部長「しずくの親でもなんでもないのに、何様って感じだよね」

かすみ「…………」

演劇部部長「もう……中須さんが『幸せにします!』なんて言うから、つい親目線になっちゃった」フフッ


かすみ「……」ワナワナ(震える)


演劇部部長「あれ?……中須さん、どうかした?」

かすみ「……」ウルウル

演劇部部長「……えっ!?」


かすみ「っ!」バッ!(床に膝をつく)


演劇部部長「!?」

演劇部部長「な、何……?」



259: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 22:10:47.93 ID:cnERnaXp.net

かすみ「…………」


かすみ「今まで……」




かすみ「本当に……すみませんでしたぁぁぁぁ~~~~!!!」グスグス(涙声)




演劇部部長「え……ええ~……?」

演劇部部長「い、いや……別に怒ってないよ?」

演劇部部長「そこまでしずくのこと考えてくれてるんだから、うっかり呼び名書いちゃっても仕方ないよ」

かすみ「そ……それもですけどぉぉ~~!」

かすみ「部長さんのこと、(私達の仲を邪魔する悪い人だって)誤解しててすみませんでしたぁぁ~~!!」

演劇部部長「……何の話?」



260: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 22:13:44.81 ID:cnERnaXp.net

――――
――

演劇部部室


演劇部部長「しずく、中須さん待ってるよ」

しずく「あっ、わかりました」(←二人が空き教室にいる間、部室に戻ってきた)

しずく「……」ゴソゴソ(急いで荷物を鞄に仕舞う)

演劇部部長「…………」

演劇部部長「……しずくって、たまに脈絡が無いところが中須さんと似てるよね」

しずく「……えっ!?私って脈絡無いですか!?」ガーン

演劇部部長「ごめんごめん、冗談だよ」クスクス

しずく「……?」



261: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 22:18:15.12 ID:cnERnaXp.net

しずく「かすみさんと何か話でもしたんですか?」

演劇部部長「うん、少しだけ」

しずく「もしかして、何か変なこと言ってきました?」

演劇部部長「…………」

演劇部部長「そんなことないよ」

しずく「今、ちょっと間がありましたよね?」

演劇部部長「しずくに早く会いたかったみたいで、何十分も前から来てたよ」

しずく「っ!///……そうですか///」ソワソワ

演劇部部長「……っ!……くくっ……」プルプル(笑いを堪える)

しずく「?……なんか、笑ってませんか?」

演劇部部長「だって、やっぱり似て…………い、いや、なんでもないよ」



262: 名無しで叶える物語 2021/10/02(土) 22:21:33.11 ID:cnERnaXp.net

しずく「……それならいいですけど」ゴソゴソ



しずく「……」スッ(鞄を持つ)


しずく「では、今日はお疲れ様でした」ペコリ

演劇部部長「お疲れ様、気を付けてね」


演劇部部長「……あ、それから」

しずく「?」




演劇部部長「中須さんと、末永くお幸せにね」ニコニコ


しずく「……ええっ!?!?///」



271: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 07:24:31.56 ID:EPk+r9a9.net

●「世話が焼けるし面倒くさい二人は……」


侑「…………」


しずく「~~♪」ゴソゴソ(書類整理中)


侑「……あの、しずくちゃん」 

しずく「はい、なんでしょうか?」

侑「そういうのは私の仕事だからやらなくていいんだよ?」

しずく「いえいえ!長い間同好会をお休みして、ご迷惑をおかけしましたから!」

しずく「これくらいさせてもらわないと気が済みません!」

侑「いやホント大丈夫だって!」

侑「公演終わってまだ間もないのに、すぐ同好会来てくれただけでもありがたいから!」



272: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 07:28:04.95 ID:EPk+r9a9.net

しずく「あ、こちら確認お願いします」スッ(書類を渡す)

侑「えっ?」スッ(思わず受け取る)


侑「はっ!……こ、これは!私が放置してたやつ!」

侑「終わらせてくれたの!?すっごく助かったよ~!」

しずく「……私が休む前から、机に積まれていましたよね?」

侑「……!」ギクッ

しずく「ダメですよ?こういうのは早めに手を打たないと、後からますます面倒になるんですから」

侑「……はい、申し訳ありません」

しずく「ということで、一人では終わらない作業みたいですから私もお手伝いしますね♪」

侑「ぐっ……ぐぬぬぬぬぬ」




かすみ・璃奈「……」ジー



273: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 07:31:22.62 ID:EPk+r9a9.net

璃奈「さすがしずくちゃん……戻って来て早々、やる気に満ち溢れてるね」

かすみ「自分だって忙しいくせに、よくやるっていうか」

かすみ「ホ~ント、しず子って真面目で自分に厳しいんだから」

璃奈「……でも、そういうところが?」

かすみ「好きなんだけどね~…………って!何言わせんのっ!///愛先輩から悪い影響受けないでよっ!///」」


愛「何々?愛さんがどうしたって~?」

かすみ「わっ出た!!」

愛「おっ!出たとはなんだ~?失礼だな~?」ウリウリ(顔を両手でつねる)

かすみ「や、やめへくらはいよ~」


愛「……で、何の話?」パッ(手を離す)

かすみ「……」ゼェゼェ



274: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 07:34:19.68 ID:EPk+r9a9.net

璃奈「……元を辿れば、しずくちゃんが真面目でしっかりしてるっていう話だよ」

愛「あ、なるほど~」

愛「今だって、ゆうゆのことしっかり尻に敷いてる感じだもんね」

かすみ「ええ~?……真面目なのはわかりますけど、そこまで言うほどしっかりしてますかぁ~?」

愛「えっ?かすみんがそれ言う~?」

璃奈「……あ、そっか」ポン

璃奈「かすみちゃんも尻に敷かれたいから、侑さんに嫉妬して……」

かすみ「っ!///ち、違うからっ!///変なこと言わないでよっ!///」

璃奈「しずくちゃん……ちょっとコンプレックスに感じてるみたいだから、あんまり本人の前でお尻の話しないようにね」

かすみ「しないからっ!///っていうか話ズレてるっ!///」


愛「まぁまぁ~お尻はともかく、しずくがかすみんよりいい意味でしっかりしてるのはマジなことじゃん?」

かすみ「そう!それですよっ!」



275: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 07:43:47.95 ID:EPk+r9a9.net

かすみ「かすみんの方がどう考えてもしっかりしてるのに、しず子ばっかり褒められるのが納得いかないんですよっ!」

かすみ「この間の彼方先輩や果林先輩といい、なんなんですか!?」プンプン

愛「そりゃあさ~、しずくがたま~に世話が焼けることは知ってるけどさ~」

愛「かすみんの方が圧倒的に世話が焼けるから、いつも近くにいるしずくがしっかりしてるように見えちゃうよね~」

かすみ「もお~!そんなことありませんからっ!」

璃奈「……そこまで言うなら、しずくちゃんのどの辺がダメだって思うの?」

かすみ「えっ!……え~っと……」ウーン


かすみ「例えば、しず子って台本読むのに夢中になったりとか、悩みだすと止まらないことあるよね?」

璃奈「それは、まぁ……」

かすみ「そんな感じで、自分のことをほったらかしにしちゃうことあるじゃん!」

愛「確かに……しずく自身は気を付けてるつもりなんだろうけど、無意識に自分より他の人とか演劇のことを優先しちゃうことあるもんな~」

かすみ「そういうことです!」



276: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 07:47:20.68 ID:EPk+r9a9.net

かすみ「オフィーリアや彼方先輩のお世話はできるけど、自分のことは適当なんですよね~」

璃奈「自分もお世話されてるのに、棚に上げないで」

かすみ「勉強や仕事はできても、家のことが苦手なタイプですねあれは!」ウンウン

璃奈「話聞いて」

かすみ「はぁ~……きっと、最初に役割分担した家事もいつの間にかほとんどかすみんがやることになっちゃうんでしょうね~」

愛・璃奈「……ん?」

かすみ「しず子って手を抜くことも苦手だから、家事も完璧にこなそうとしてぶっ倒れるのが目に見えてますし」

かすみ「そんでますます自己嫌悪して、面倒くさく落ち込んで……」

かすみ「これは、面倒見が良くて料理上手でしっかり者のかすみんが、上手く尻に敷くしかないですよね~」ウンウン


愛・璃奈「…………」


璃奈「……なんで、かすみちゃんとしずくちゃんが一緒に住んでる感じになってるの?」

かすみ「……!」ハッ



277: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 07:50:23.25 ID:EPk+r9a9.net

璃奈「えっ……いつの間にか、そこまで考える仲になってたの?」

愛「めっちゃ自然に同棲してたじゃん!ウケる~!www」パンパン



かすみ「…………」



かすみ「……//////」カァァァァァァ



璃奈「……おめでとう、引っ越し祝いは何がいいか考えておいてね」


璃奈「それと……今のは面白すぎたから、しずくちゃんにも話してくるね」スッ(立ち上がる)

かすみ「っ!///っっぅっ!!///っっ~~~~!!!///」ググググググ(璃奈を必死に引き留める)



――――――――――――――――――
―――――――――
――――
――



278: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 07:53:14.02 ID:EPk+r9a9.net

――――――――――――――――――――




………それから、数年の月日が流れて………




――――――――――――――――――――



279: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:16:07.96 ID:EPk+r9a9.net

五年後 もんじゃ焼き屋「もんじゃ みやした」


愛「それでは!かすみんのライブツアー成功を祝ってぇ~!」

愛「乾杯!!」



かすみ・しずく・璃奈「かんぱ~い!!!」カーン!



かすみ「……と言っても、ライブが終わったのは何ヶ月も前の話なんですけど~」ゴクゴク

璃奈「なかなか予定が合わなくて、お祝いするの遅くなっちゃったね」

璃奈「……特に、かすみちゃんの」

かすみ「ふっふっふ~ん♪かすみんは売れっ子だから~♪」ドヤッ

愛「今日だって、急に決まったことだったから四人しか集まれなかったもんね~」



280: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:23:48.49 ID:EPk+r9a9.net

しずく「はい……それなのに、貸し切りにしてもらってありがとうございます」

愛「全然いいって~、元々今日は店休みの予定だったし!」

愛「かすみんがアイドルとしてこーんなに活躍してるんだから、こっちも何かしてあげたいじゃん?」

かすみ「そうです!もっと称えていいんですよ!」

しずく「……まぁ、本当にすごいことだもんね」クスッ

璃奈「これはもっと自慢した方がいいよ」

かすみ「ふっふっふ~ん♪」ドヤッ


愛「それにしても…………かすみんがデビューしてからもう二年くらい?……早いなぁ~」シミジミ

璃奈「大手の芸能事務所に合格したって聞いた時は、ビックリしたよね」

愛「確か、同好会で活躍した実績もあったからすぐ受かったっていうか、実質スカウトされたようなもんって感じなんだっけ?」

かすみ「そうなんですよ~♪」

かすみ「他の事務所からもスカウトの話があったんですけど、今入ってる事務所の方が圧倒的に条件良かったんですよね~♪」



281: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:30:11.95 ID:EPk+r9a9.net

かすみ「まっ!かすみんは将来有望ですから、いくら積むことになっても何がなんでも採用したかったんでしょうけど~♪」

璃奈「……でも、その割にはかすみちゃん、前はよくお金のこと心配してたよね?」

かすみ「……えっ!?」ギクッ

璃奈「アイドルの仕事の他に、バイトも何個か掛け持ちして……しずくちゃんに会うのも我慢して」

璃奈「理由を聞いたら、『今はとにかくお金が必要なのっ!』って言われて、はぐらかされたけど」

かすみ「うっ…………それは……その……」ソワソワ


かすみのスマホ「ピロン♪」(スマホ通知音)


かすみ「わっ!!……だ、誰からかな~!?」スッ スッ(トークアプリを開く)

かすみ「……あっ、侑先輩から!」

愛「おっ!なんて来たの?」

かすみ「ええと…………今日来れなかったことに対して、ものすごく謝ってますね……」

かすみ「それと……『後で写真送って』、『次は皆で集まってお祝いするから!』だそうです」



282: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:35:29.27 ID:EPk+r9a9.net

愛「そっかそっか~!」

愛「皆もかすみんに会いたいだろうし、次もウチでやろうね!」

璃奈「うん、楽しみ!」【 > ▽ < 】

愛「っていうか、別にゆうゆが悪いわけじゃないから謝らなくていいのになぁ~」

璃奈「できることならもっと早くお祝いしたかったけど、かすみちゃんが仕事とか引っ越しとかで忙しかったから、仕方ないよね」

かすみ・しずく「……!」ドキッ


愛「いいなぁ~、新居!もう住んでるんだよね?」

かすみ「……はい、そうですね」

璃奈「今度、遊びに行ってもいい?」

かすみ「……いいよ」

愛「あっそうだ!引っ越し祝いも買わないとね!」

璃奈「何か欲しい物ある?」



283: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:38:39.15 ID:EPk+r9a9.net

かすみ・しずく「……」モジモジ


愛「……ん?二人してどうしたの?」


かすみ・しずく「…………」

かすみ「……あの、今日はかすみんのお祝い以外に、ご報告することがありまして……」

愛・璃奈「?」


かすみ「……」フゥー(心を落ち着かせる)


かすみ「……私達、引っ越し先で一緒に住むことになりました///」

かすみ「っていうか、先週からもう一緒に住んでます……///」

愛・璃奈「…………」


愛・璃奈「……えっ!?!?」



284: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:41:44.67 ID:EPk+r9a9.net

璃奈「その……『私達』って言うのは、もしかしなくても……」チラッ

しずく「…………」

しずく「はい、私です……///」スッ(手を挙げる)

愛・璃奈「…………」


愛・璃奈「お…………」





愛・璃奈「おめでとう~~~~!!!!」【 T ワ T 】





かすみ「って!さっきよりお祝いしてません!?///」



285: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:51:49.44 ID:EPk+r9a9.net

愛「かすみ~ん!!良かったじゃ~ん!!」

愛「ほら!!今日はもっと記念の会になったんだからじゃんじゃん食べて飲んでね!」ドサッ(複数の一升瓶)

かすみ「は、はい……」

璃奈「私が二人の分払うから、遠慮しないで」トポトポ(かすみに酌をする)

かすみ「あ、ありがとう……」ゴクゴク(勢いに押されて飲む)

しずく「か、かすみさん!お酒弱いんだからそんなに一気に飲んだら……」

かすみ「……///」ボー

しずく「…………」



かすみ「……///」パタン



しずく「やっぱり~!!」



286: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:55:37.28 ID:EPk+r9a9.net

愛「あちゃ~、倒れちゃった~」

愛「もしも~し、かすみん聞こえる~?」トントン(肩を軽く叩く)


かすみ「……///」


かすみ「……ふぁい~///」ニッコニコ


愛「…………」

愛「めっちゃ幸せそうな顔で反応してるから大丈夫っぽいかな?」

璃奈「かすみちゃん……アイドル活動が順調なのと、しずくちゃんと一緒にいられて幸せの絶頂なんだろうね」

しずく「っ///」



かすみ「……///」ニヘー



287: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 08:59:00.49 ID:EPk+r9a9.net

愛「さてと、念のために毛布取ってくるか~」スッ(立ち上がる)

璃奈「私も手伝う」スッ

愛「おっ!サンキュー!」


愛「じゃ!ついでに水とかも持ってくるから、かすみんのこと見ておいてね」スタスタ(立ち去る)

しずく「は、はい……」




しずく「…………」



かすみ「……///」ウトウト



しずく「……」フゥ



288: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 09:03:56.39 ID:EPk+r9a9.net

しずく「もう、世話が焼けるんだから」ナデナデ


かすみ「……んぅ?///」ウトウト


かすみ「……///」モゾモゾ(寝ながらしずくに近づく)

しずく「?」



かすみ「……///」コテン(しずくの膝に頭を乗せる)

しずく「……!///」ドキッ



かすみ「しず子……///」スリスリ



しずく「っ///」キューン



289: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 09:08:13.37 ID:EPk+r9a9.net

しずく「……///」ナデナデ

かすみ「んふっ……ふへっ、へへへっ///」

しずく「……変な笑い方」クスクス



しずく「……」ナデナデ

かすみ「……」ウトウト



かすみ「……」…スヤァ



しずく「…………」




しずく「……私も、幸せだよ」ナデナデ



290: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 09:12:05.37 ID:EPk+r9a9.net

同好会編おわり


同棲編に続く



292: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 09:22:01.83 ID:EPk+r9a9.net

<同棲編(五年後~)の設定>

※ただの補足事項のため、細かいこと気にしない方は読まなくても大丈夫です
 「同性が同棲することは現実的に厳しい」、「若手アイドルがそこまで収入あるのか?」等の意見や疑問があっても流してください


かすみ
虹ヶ咲学園卒業後、大手芸能事務所に所属。
同棲前は実家に住んでいた。
同好会時代にそれなりに活躍していたこともあり、ドルオタ界隈での知名度は高くファンもそこそこ多い。
デビューしたての頃は同棲資金を確保するためにバイトを複数掛け持ちしていたが、
ライブやイベントが増え忙しくなってきたこともあり、現在は外部のバイトはしていない。
ただしそれでも月々の収入が安定しないため、事務所内でバイト(雑用等)をすることがある。


しずく
虹ヶ咲学園卒業後、演劇の大学(四年制)に進学。
大学の実習等で夜遅くなることを考慮し、同棲前は親元を離れて一人暮らしをしていた。
特待生であり、大学の学費一部免除+給付型の奨学金を支給されているためお金にはそこまで困っていない。
大学のツテで舞台スタッフのバイトをしたり、映像作品のエキストラとして出演することでお金稼ぎ&人脈を作っている。
シニア犬であるオフィーリアに会いに行くためによく帰省している。(同棲前も同棲後も)


璃奈
虹ヶ咲学園卒業後、国立の工業大学に進学。
相変わらず表情が読めないため、発言が本気なのか冗談なのかわからないことがある。



虹ヶ咲学園卒業後、璃奈とは別の国立大学に進学。
夜に実家の店を手伝っている。



298: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:11:57.06 ID:EPk+r9a9.net

●「同棲に至った経緯 プロローグ」 ※しずく視点の話


愛と璃奈への同棲報告から数日後 とある雑貨屋


しずく「……」スタスタ


璃奈「……」スタスタ



しずく・璃奈「……あ!」バッタリ


しずく「璃奈さん、偶然だね!」

璃奈「この間ぶりだね」

璃奈「しずくちゃんは、家で必要な物を買いに来たの?」

しずく「うん、そうだよ」



299: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:16:17.84 ID:EPk+r9a9.net

しずく「住んでから一週間以上経って、足りない物が色々あるってわかったから」フフッ

しずく「かすみさんと来られれば良かったんだけど、今日はレッスンがあるからダメなんだって」

璃奈「そうなんだ……残念だったね」

しずく「一応買う物は二人で相談したけど、後から文句言われないといいなぁ……」

璃奈「しずくちゃんが選んだ物なら、かすみちゃんもうるさく言わないと思うから大丈夫だよ」

しずく「そうだといいんだけど……」(困ったように笑う)


しずく「そういえば……何年か前にも璃奈さんと雑貨屋で会って、似たようなことを言われたような……」

璃奈「私も覚えてる」コクリ

璃奈「これまでの人生で、一日であんなにたくさんの傘を見たのは、後にも先にもないよ」

しずく「うっ……あの時は、色々とご迷惑をおかけしました///」


――――
――



300: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:18:58.17 ID:EPk+r9a9.net

買い物帰り


しずく「ふぅ……今日だけで大体揃って良かった」

璃奈「予想はしてたけど、買うまでに結構時間がかかったね」

しずく「これでも、妥協した方なんです……///」


しずく「買い物に付き合ってくれて、荷物持ちまでしてくれてありがとう」

璃奈「ううん、気にしないで」

璃奈「二人の家にお邪魔できる口実を、作りたかっただけだから」【 ̄ー ̄】ニヤッ

しずく「ふふ、そんなことしなくても璃奈さんならいつでも大歓迎だよ?」

璃奈「……それから」

しずく「?」

璃奈「どうして同棲することになったか、教えてもらおうと思って」

しずく「……えっ?」



301: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:22:33.10 ID:EPk+r9a9.net

璃奈「この前はかすみちゃんが酔っぱらって、話を聞くどころじゃなかったから」

しずく「別に、面白い話でもないよ?」

璃奈「そんなことないと思う」フルフル(首を横に振る)

璃奈「アイドルのかすみちゃんと住むなんて色々大変そうなのに、それでもしずくちゃんは一緒に住むことを選んだんだよね?」

璃奈「それはもう、ドラマティックなことがあったに違いないと……」

しずく「うぅ……そこまでハードルを上げられると話しにくい……」

しずく「……まぁ、璃奈さんなら言いふらすこともしないと思うし、話してもいいかな」

璃奈「……」ワクワク


しずく「ええと……それじゃあ、愛さんから電話が来た時のことから話すけど…………」


――――――――――
――――
――



302: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:27:54.11 ID:EPk+r9a9.net

~~しずくの回想~~


数か月前


しずく「もしもし?」

愛『しずく!やっほ~!』

愛『あのさ、ウチで一日だけバイトしない!?』

しずく「えっ?」

愛『前に飲食店で働いてみたいって言ってたから、どうかな~って!』

しずく「……そうですね、色々な経験を積みたいとは思っていますから」

しずく「愛さんが良ければ、こちらからお願いしたいくらいですね」

愛『よーし!それなら決まりっ!』



303: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:31:06.42 ID:EPk+r9a9.net

愛『というわけで、三日後の16時からって空いてる!?』

しずく「ず、随分と急ですね……」チラッ(カレンダーを見る)

しずく「三日後は…………はい、その時間なら大丈夫ですよ」

愛『良かった~!じゃあよろしくね!』

しずく「こちらこそ、ご指導お願いします」

愛『あっ、それからさ!』

愛『当日はしずくってわかんないように変装してきて!』

しずく「えっ!?……ど、どういうことですか?」

愛『いいからいいから!じゃ、待ってるよ~!♪』


…プッ ツー ツー


しずく「ええ……?」



304: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:35:32.74 ID:EPk+r9a9.net

三日後 「もんじゃ みやした」開店数時間前


ガラガラ

しずく(変装中)「……こんにちは」キョロキョロ

愛「あ、お客さん!まだお店開けてないんですよ~!」

しずく「えっ」

しずく「……あ、愛さん!私ですよ!しずくです!」

愛「…………」


愛「……お、おぉ~!!すごい!マジでわかんなかった!」

しずく「愛さんが変装をお願いしてきたんじゃないですか!」

愛「あはは~!ごめんごめん!」

愛「アタシの『予想』通り、完璧な『装い』だね!!なんつって~!!」アハハ

しずく「はぁ……」(呆れ)



305: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:44:43.18 ID:EPk+r9a9.net

愛「へぇ~!顔の雰囲気もいつもと全然違うし、メイクでここまで変わるんだ~!」ジー

愛「っていうか眼鏡似合うじゃん!それに短髪のしずくとか初めて見た~!これウィッグ!?」サワサワ(大興奮)

しずく「ええと、大学の先輩から借りて……って、それはいいんですよ!」

しずく「結局理由を教えてもらってませんけど、どうして変装しないといけないんですか?」

愛「まぁまぁ~、それは後でわかるから!」

愛「しずくだって、変装した方が店員になりきれていいっしょ?」

しずく「まぁ……それはそうかもしれませんけど」


愛「じゃ!そういうことでしずくには主に接客をしてもらうけど、せっかくだし後で厨房の仕事もやってもらうから!」

愛「愛さんの指導はスパルタだから、覚悟しなよ~♪」

しずく「……はい、お手柔らかにお願いします」フフッ


――――
――



306: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:47:29.24 ID:EPk+r9a9.net

開店から数時間後


しずく「……」ガチャガチャ(厨房で食器洗い中)

愛「しずくー!ちょっといい?」

しずく「あっ、はーい!」キュ(蛇口を閉める)


しずく「どうしました?」

愛「しずくに頼みたいことがあるんだけどさ~」

愛「さっきお得意様が来たから、その人を接待してもらいたいんだよね~」

しずく「えっ!?せ、接待ですか!?」

しずく「というかお得意様って……む、無理ですよそんなの!」

愛「大丈夫だって~♪」

愛「接待って言っても、話聞いてあげればいいだけだから!」

しずく「い、いや……そう言われても」



307: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:51:11.57 ID:EPk+r9a9.net

愛「ということで、早速行ってみよ~♪」スタスタ

しずく「え……ええ~……」スタスタ



愛「さっ!この部屋だよ!入って入って!」

しずく「もう…………どうなっても知りませんからね?」コンコン スッ(個室のドアを開ける)




かすみ「……///」ボー(ほろ酔い)




しずく「…………」


しずく「……」バタン(入らずにドアを閉める)


しずく「……」ガシッ スタスタ(愛の腕を掴んで個室から離れる)



308: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:55:07.03 ID:EPk+r9a9.net

愛「あれ、どしたー?」スタスタ

しずく「『どしたー』じゃないですよ!」

しずく「お得意様ってかすみさんのことだったんですか!?」

しずく「っていうか、色々と意味不明すぎます!ちゃんと説明してください!」

愛「いや~、話せば長くなるんだけどさ~……」

愛「かすかすって前からよくウチに来て、仕事の愚痴……じゃなくて、色んな話をしてくれるんだけど」

愛「最近はピーク時に来るもんだから、あんまり構ってあげられないんだよね~」

しずく「……よく愛さんのお店に行っているとは聞いていましたけど、愚痴をこぼしに行っていたんですね」

しずく「ご迷惑をおかけして、本当にすみません……」

愛「いやいや!しずくが謝ることじゃないって~」

愛「いっぱい食べてくれるし、サービスするって言ってもきっちり払ってくれるし、いいお客さんだから!」

しずく「……それなら、いいんですけど」



309: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 21:59:14.16 ID:EPk+r9a9.net

愛「でさ!今日しずくを呼んだのは、愚痴を聞いてあげてほしいっていうのもあるんだけど……」

しずく「?」

愛「……かすかす、なんか悩んでるっぽいんだよね」

しずく「えっ……そうなんですか?」

愛「最近のかすかす、大してお酒強くないのに度数高いの頼んでやけ酒したり……」

愛「急に『あ゛ぁ゛~!』って頭かきむしりながら叫んだりしてるから、絶対何かあったと思うんだよね」

しずく「(申し訳なさすぎる……)」

愛「アタシも悩みを聞こうとしたんだけど、教えてくれなくてさ~」

愛「だから、アタシに話せないくらい大事なことなんだな~って思ったから、『しずくに相談すれば?』って言ったんだけど」

愛「そしたら、『し、しず子になんてもっと言えませんよ!』って言われちゃってさ~」

しずく「……えっ!?」

愛「そこで、かすかすはしずくに関することで悩んでるんじゃないかって思ったわけ!」



310: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 22:09:59.10 ID:EPk+r9a9.net

しずく「確かに……そんな風に言われたらそう思いますよね」

愛「で!そうなると、かすかすの悩みをしずくに直接聞いてもらった方がすぐに解決できそうじゃん?」

愛「ということで、今日しずくに来てもらったんだ~!」

しずく「……そういうことだったんですか」


しずく「あっ、それで変装……」

愛「そういうこと!」

愛「しずくにもアタシにも言えないなら、完全に知らない人なら話してくれるかもって思ってさ」

しずく「うーん……上手くいくでしょうか?」

愛「かすかすお酒飲んでるし、変装も完璧だからバレることはないと思うし、あとはしずくのアドリブ力の見せどころだよ!」

しずく「アドリブ、苦手なんですけどね……」

愛「まっ!悩みを聞き出せなくても、愚痴を聞いてあげるだけでもスッキリすると思うし!気楽にね!」

しずく「はぁ……」



311: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 22:14:45.54 ID:EPk+r9a9.net

しずく「……というか、それならそうと初めから話してくださいよ」

しずく「どうして今まで黙っていたんですか?」

愛「あ~、それはさ~」

愛「仮にかすかすの悩みの原因が、『しず子とケンカした~』とかだった場合さ」

しずく「えっ?……別に、ケンカしてませんよ?」

愛「あくまで仮の話!」

愛「で、もし二人がケンカしてたら、しずくだってかすかすに怒ってる可能性があるってことっしょ?」

しずく「まぁ……ありえますね」

愛「それでもし、『かすかすがウチの店で悩んでるから話聞いてあげて』ってしずくに電話でお願いしたら」

愛「しずくはケンカが原因だってわかってるから、ウチに来てくれないかもしれないよね?」

しずく「…………」

愛「でも、しずくがウチでバイトすれば、店が忙しいってことがわかるっしょ?」

愛「そんな状況で、かすかすがウチに入り浸ってるってことをしずくが知ったらさ」



312: 名無しで叶える物語 2021/10/03(日) 22:17:56.95 ID:EPk+r9a9.net

愛「責任感の強いしずくのことだから、たとえケンカ中だとしてもかすかすをなんとかしなきゃって思うでしょ?」

愛「だから、ギリギリまで黙ってたんだ~」アハハ

しずく「…………」

しずく「……愛さんって、本当に策士ですよね」

愛「あはは!褒めるな褒めるな~♪」


しずく「……はぁ、わかりました」

しずく「かすみさんが悩んでいることに気が付かなかった私にも責任がありますし、頑張ってみます」

愛「おっ!さっすがしずく~!」

しずく「うーん……どうやって悩みを聞き出そうかな……」


しずく「考えてみますから、少しだけ時間をください」

愛「オッケー!アタシも手伝えることあったら、仕事の合間見て協力するよ!」



317: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 19:40:58.72 ID:AMZArijF.net

●「同棲に至った経緯 前編」


――――
――


愛「じゃ、準備はいい?」

しずく「……はい、大丈夫です」(低めの声で喋る)


コンコン

愛「かすみ~ん!」スッ(個室のドアを開ける)

かすみ「あっ、愛先輩~///」(ほろ酔い)


愛「はい、さっきかすみんが頼んだやつ!」スッ(かすみにお酒を出す)

かすみ「ありがとうございます~///」



318: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 19:43:20.82 ID:AMZArijF.net

かすみ「……ん?そっちのおねーさんは誰ですかぁ~……?///」

愛「この人はね~、アタシの代わりにかすみんの話を聞いてくれる人で、『さくらさん』って言うんだ~!」

しずく「(……やっぱり名前、安直すぎません?)」


しずく「……失礼します」スッ(かすみの向かいの席に座る)

かすみ「ええ~……愛先輩が聞いてくれるんじゃないんですかぁ~……///」

愛「ごめんね~、愛さん忙しいんだ~」

愛「さくらさんは信用できる人だから、安心していっぱい喋るといいよ!」スッ(しずくにお冷を出す)


愛「……じゃあさくらさん、後はお願いします!」ニコッ

しずく「はい、わかりました」

愛「閉店時間過ぎても大丈夫なんで、ゆっくり話してくださいね!では!!」バタン(ドアを閉める)



かすみ・しずく「…………」



319: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 19:47:13.89 ID:AMZArijF.net

しずく「……申し遅れました」

しずく「私、相談員の『さくら』と申します」

しずく「宮下さんから『後輩の話を聞いてあげてほしい』という依頼を受け、本日伺いました」ペコリ


かすみ「……」ジッ


しずく「(警戒されてる……)」

しずく「(かすみさん芸能人だから不安になるのも仕方ないよね…………それなら……)」

しずく「中須さんがアイドルだと、宮下さんから伺っています」

かすみ「……!」

しずく「職業柄言いにくいこともあるでしょうから全てを話す必要はありませんし、今日のことは絶対に口外しないと約束します」

しずく「もちろん、依頼主である宮下さんにも言いません」

しずく「こちらが同意書になりますので、ご確認ください」スッ(即興で作った文書)



320: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 19:52:53.38 ID:AMZArijF.net

かすみ「……」ジー


かすみ「確かに、『相談内容の秘密は厳守します』って書いてありますね……」

かすみ「…………」

かすみ「……まぁ、愛先輩もかすみんのことを考えてくれてたから、こうやって外部の人を呼んでくれたんですもんね」

しずく「はい、中須さんのことをとても心配していましたよ」

かすみ「それに……愛先輩が信用できる人なら、ホントに大丈夫ってことでしょうし」

かすみ「……いいですよ、サインします」

しずく「では、こちらをお使いください」スッ(ペンを渡す)


かすみ「……」カリカリ


しずく「(ふぅ……やっぱり書面があると強い)」



321: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 19:57:29.99 ID:AMZArijF.net

しずく「(ちょっと前のかすみさんなら、こんな物が無くても適当におだてればすぐ話しちゃったんだろうなぁ……)」

しずく「(芸能界で揉まれてすっかり大人になっちゃって…………安心したような、寂しいような……)」


しずく「(って、そんなこと考えてる場合じゃないんだった)」

しずく「(ここからどうやって悩みを聞き出すか……)」ゴクゴク(お冷を飲み始める)


かすみ「……あの」

しずく「!」ドキッ

しずく「……はい、なんでしょう」

かすみ「さくらさんはいくつなんですか?」

しずく「えっ」

かすみ「結構若そうに見えますけど、もしかしてかすみんと同じくらいだったりして……」

しずく「え、え~っと!」アセアセ



322: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:01:17.47 ID:AMZArijF.net

しずく「な、中須さんよりは年上です!」

しずく「(……数か月だけ)」

かすみ「?……かすみんが何歳か知ってるんですか?」

しずく「あっ!……み、宮下さんの年齢は知ってて、中須さんは後輩だと聞きましたから!」

かすみ「あ、なるほど」

かすみ「じゃあさくら先輩って呼びますね」ゴクゴク(再び酒を飲み始める)

しずく「は、はぁ……構いませんけど」


かすみ「……あと///」(ほろ酔い)

しずく「はい?」

かすみ「そのかたっくるしい話し方やめてくださいよ!///」

かすみ「なんか!かすみんのマネージャーみたいで仕事してる気分になるんですけどっ!///」

しずく「……えっ!?」



323: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:05:01.24 ID:AMZArijF.net

しずく「す、すみませんでした」

かすみ「ほら!そういうとこですっ!年上なんですからタメ口でいいんですよ!///」

しずく「う、うん…………わかった」

しずく「(あんまり口調崩すと素が出そうだから、堅い感じでやってたけど……)」

しずく「(かすみさんが話しにくくなるのは困るし、仕方ない……)」ムムム


かすみ「は~……マネージャーで嫌なこと思い出して、つい大声出しちゃったじゃないですか……」

かすみ「ほ~んとマネージャーっていちいち言い方キツイですし、すぐ怒るんですよね~」

かすみ「それに真面目だし、かすみんにも自分にも厳しくてうっとおしいし、そういうのはしず子一人で十分って感じですよ」ゴクゴク

しずく「うっ……」グサッ

かすみ「ん?どうかしました?///」

しずく「……う、ううん!なんでもないよ!」ブンブン

しずく「話の続き、聞かせてもらってもいい?」



324: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:08:43.57 ID:AMZArijF.net

かすみ「え~っと……なんの話でしたっけ……///」


かすみ「あ、そうだ!しず子っていうのはかすみんの恋人で」

しずく「こぉっ!?!?///……げほっ!げほっ!///」(むせる)

かすみ「さ、さくら先輩!?どうしました?」


しずく「はぁ……はぁ……///」(息切れ)


しずく「……」フゥ(心を落ち着かせる)

しずく「あの……中須さんって、恋人がいるの?」

かすみ「えっ?そうですよ~♪」

しずく「そういうのって、アイドル的に話しちゃダメなんじゃ……」

かすみ「ん?さっき書類書いたから大丈夫ですよね?」ゴクゴク

しずく「そ、そうだけど……そんなあっさり……」



325: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:12:19.95 ID:AMZArijF.net

かすみ「しず子はですね~……///」

かすみ「口うるさいとこもあるんですけど、それはかすみんのためを思って言ってくれてるんだな~って感じしますし~///」

しずく「う、うん……」

かすみ「世話が焼けるし面倒くさいとこあるんですけど、なんかほっとけなくて~///」

かすみ「あと美人で、笑顔とかが可愛くて、優しいんですよ~///」デレ~

しずく「……っ///」

しずく「(普段そんなこと絶対言わないのに、なんでこんな時に……///)」

しずく「(あ、無理……顔が緩んじゃう///…………って!ダメダメ!我慢しないと!)」ブンブン


かすみ「もちろんかすみんも~、とぉ~っても可愛いんですけど~///」

かすみ「しず子っていっつも澄ました顔してるから…………あっ、そういう顔も好きなんですけどね?///」

かすみ「だから……たま~にしか見せない顔とか、見たことない表情見ると、すっごく可愛いな~って思うんですよね~……///」

しずく「//////」プシュー



326: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:17:44.52 ID:AMZArijF.net

しずく「(……お酒も飲んでるから、開放的になってるのかな?///)」

しずく「(色々話してくれるのは助かるけど…………でも……)」


しずく「中須さん……これからお酒を飲む時は、信頼できる人とだけ飲んでね」

かすみ「あ、それマネージャーからもこの前言われたんで、わかってますよ~///」

しずく「(既に何かやらかした後だった……)」

しずく「(何があったか知りたいけど…………怖くて聞けない……)」


かすみ「ま~かすみん的には~、恋人がいたって公言したところでかすみんの可愛さは変わりませんし~///」

かすみ「ファンの皆だって、ほとんどの人達は応援してくれると思うんですよ~///」

しずく「はぁ……」

かすみ「……でも、そうじゃない人だっていることもわかってるんです」



327: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:20:45.27 ID:AMZArijF.net

かすみ「それで、かすみんだけがひどいこと言われたりするくらいなら我慢できるんですけどね?」

かすみ「もしかしたら……しず子を傷つけるようなことをする人が出てきちゃうかもしれないじゃないですか」

しずく「……!」

かすみ「そう考えると、やっぱり言わない方がいいってことなんですよね」

かすみ「あ~あ……ファンの人達のこともしず子のことも大事に思ってるのに、どうしてこう難しいんですかね~」ゴクゴク

しずく「…………」

しずく「(そんなこと考えてたんだ……)」


しずく「(あっ……さっき愛さん、かすみさんが私のことで悩んでるって言ってたけど……)」

しずく「(もしかして…………私の存在が重荷になってて……)」

しずく「(……別れたいって、思ってるとか)」ズキッ


かすみ「かと言って!絶対別れるつもりはありませんけどね!///」ガンッ!(グラスを強く置く)

しずく「……っ!?///」ビクッ



328: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:24:07.70 ID:AMZArijF.net

かすみ「しず子のこと好きなんだから仕方ないじゃないですか!全くもおっ!///」

しずく「そ、そうなんだ……///」ホッ


かすみ「……あっ、それでですね~!///」

かすみ「さっきマネージャーの話で、『嫌なこと思い出した』ってかすみんが言ったじゃないですか~?///」

しずく「うん、言ってたね」

しずく「もしかして、マネージャーさんに何か言われたの?」ゴクゴク

かすみ「え~っとですね~……マネージャーにぃ~……///」

かすみ「『私にはしず子っていう恋人がいるんですけど』って言ったら、すっごく怒られてぇ~///」

しずく「ぶっ!?!?///」(噴き出す)

しずく「げほっ!げほっ!///」

かすみ「ま、またですか!?大丈夫ですか!?」


しずく「はぁ……はぁ……///」(息切れ)



329: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:29:01.19 ID:AMZArijF.net

しずく「……な、なんで!?なんで言っちゃったの!?」

しずく「もしかして、お酒を飲んでて酔った勢いで話しちゃったとか!?それでお酒NGになったの!?」

かすみ「もお~違いますよ~」


かすみ「お酒NGになったのは、恋人います発言をした日から数日後の飲み会が原因で~」

かすみ「あっ!飲み会って言っても、マネージャーと二人でちょっとした反省会をしたって感じの飲み会だったんですけど~」

かすみ「その時に、マネージャーにしず子のことを知ってもらおうと思って色々話したんですよ」

しずく「う、うん……」

かすみ「そしたら、『ノロケが止まらないので、今後の飲み会でもいつか口を滑らせないか不安でしかありません』って言われて」

しずく「っ!///」

かすみ「それで、仕事関係ではお酒NGになっちゃったんですよね~……」


かすみ「……っていう感じで、飲み会の時に酔った勢いで話しちゃったわけじゃ無くて」



330: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:33:54.66 ID:AMZArijF.net

かすみ「恋人がいることを言ったからこそ、開き直ってお酒を飲んで、もっと色々喋っちゃったってことなんですよ!つまり逆です!」

しずく「(な、なんて恥ずかしいことを……///)」


かすみ「そういうことですから!かすみんは自分の意志で恋人がいるって言ったんです!」キリッ

しずく「……い、いや!だから結局なんで言っちゃったの!?」

しずく「さっき、『言わない方がいいってことなんですよね』って自分で納得してたよね!?」

かすみ「そ、それは…………色々あって、言わなきゃいけない状況になったっていうか……」ゴニョゴニョ

しずく「そんな状況ある!?どういうことなの!?」

かすみ「ま、まぁいいじゃないですか!」

かすみ「……それで、マネージャーに『恋人と別れるつもりはないですか』とかって言われたりして、揉めちゃったんですよね」ゴクゴク

かすみ「っていうか、今まさに揉めてる最中なんですけどね~///」

しずく「…………」

しずく「(そんな大事なこと、私に黙ってたんだ……)」



331: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:38:00.30 ID:AMZArijF.net

しずく「……今のこと、恋人さんには話したの?」

かすみ「えっ?言うわけないですよ~!///」

しずく「どうして?」

かすみ「え~、だって~……///」

かすみ「あのしず子にこんなこと話したら、『私が重荷になってるんだ……』とか面倒なこと考えるに決まってますもん///」

しずく「……!」ギクッ

かすみ「だから、この問題はかすみん一人でなんとかしないといけないんです」

かすみ「しず子ってすぐウジウジ考えこんじゃうところありますし、大学もバイトも忙しいみたいですし」

かすみ「これ以上余計な心配事増えたら、悩みすぎてぶっ倒れちゃうと思いますから」ゴクゴク

しずく「…………」


しずく「(私に何も言わないのは、心配かけたくないからってことだよね……)」

しずく「(でも……それじゃあ、かすみさんだって……)」



332: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:42:09.86 ID:AMZArijF.net

しずく「……中須さんが、恋人さんのことを大切に思うのはわかるよ?」

しずく「でもね……きっと恋人さんも、中須さんが悩んでたり辛い思いをするのは嫌なはずだから」

しずく「隠さないで、色々話してほしいって思ってるんじゃないかな?」

かすみ「いや~それは大丈夫ですよ///」

かすみ「しず子、ぜ~んぜん気付いてないですから///」

しずく「うっ!」ガーン


かすみ「っていうか、気付くわけないんですよね~///」

しずく「……えっ?」

かすみ「だってぇ~……///」ゴクゴク(飲み干す)



かすみ「……一ヶ月も!!会ってないんですよ!!///」ガンッ!(グラスを強く置く)

しずく「っ!」ビクッ



333: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:46:05.96 ID:AMZArijF.net

かすみ「マネージャーに、恋人います発言をしたのが数週間前の話なんですよ!!///」

かすみ「そりゃしず子が気付くわけありませんよ!電話とかだけで顔を合わせていないんですから!///」

しずく「そ、そうなんだ……」

かすみ「うっうっうっ……///」ウルウル(涙声)

かすみ「なんで最近のかすみん、恋人よりマネージャーに会う回数の方が多いんですか~……///」グズグズ

しずく「それは、職業柄仕方ないと思うけど……」


かすみ「大体、しず子もしず子ですよっ///」

かすみ「最近はかすみんから連絡することばっかりで、しず子から来ることなんてほとんどないんですよ!///」

しずく「!」ドキッ

しずく「た、多分!仕事の邪魔をしないように気を遣ってるんじゃないかな~!?」

かすみ「そういう余計な気遣いいらないんですよっ!///」

かすみ「かすみんは寂しいんですよ!頻繁に連絡ほしいんですよ!」



334: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:49:55.92 ID:AMZArijF.net

かすみ「しず子だって忙しいのはわかりますけど、恋人なんだから少しくらい何か送ってくれてもいいと思いません!?」

しずく「(ご、ごめんねかすみさん!)」

しずく「(前に『近いうちにライブがある』って言ってたから忙しいと思って、連絡控えるようにしてただけなのっ!)」

しずく「(というか!かすみさん去年バイトばっかりしてたから、私と会わなくても平気だと思ってたのっ!!)」

しずく「…………」

しずく「(……でも、良かった)」

しずく「(寂しいのは私だけじゃなかったんだ……///)」


かすみ「ふーんだ!しず子はかすみんのことなんかどーでもいいんですよっ!」

しずく「……えっ!?そ、そんなことないって!!中須さんのこともすっごく大切に思ってるよ!!」

かすみ「ええい!さくら先輩にしず子の何がわかるっていうんですか!」

しずく「(わかるよっ!!本人だから一番わかってるよっ!!)」

しずく「(って言いたいけど、言うわけにはいかないし…………どうしよう……)」



335: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:53:29.24 ID:AMZArijF.net

かすみ「はぁ~……さくら先輩といると余計寂しくなっちゃうんですけど」

しずく「えっ、どうして?」

かすみ「なんていうか……」

かすみ「さっきから喋ってて気付いたんですけど、さくら先輩の声ってなんとなくしず子の声と似てて」

しずく「……えっ!?!?」ギクッ

かすみ「そうそう、そういう時の声が似てるっていうか」

しずく「そ、そんなことないと思うよ~」(さらに低めの声)


かすみ「……」ジー

かすみ「あと、輪郭とか顔の雰囲気も似てるんですよね~」

しずく「!」ギクッギクッ

かすみ「しず子は眉がもうちょっと細くて、目が丸い感じで……あと、涙袋もないですね」

しずく「(ひぃぃぃぃ!念入りにメイクした場所ピンポイントで当ててきてる!)」スッ(少し俯く)



336: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 20:58:02.04 ID:AMZArijF.net

かすみ「あっ、すみませんジロジロ見ちゃって」

かすみ「かすみんって顔の特徴を分析しちゃう癖があるんですよ」

しずく「そ、そうなんだ~……」

かすみ「はい!ファンの人達の顔をちゃんと覚えたいですからね!」

しずく「…………」

しずく「(そういうところは、昔から変わらないなぁ……)」


しずく「中須さんはファン思いなんだね」ニコッ

かすみ「……!」ハッ



かすみ「……」ズーン(テーブルに突っ伏す)



しずく「……えっ!?」



337: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:02:22.46 ID:AMZArijF.net

しずく「わ、私……何か変なこと言っちゃった!?」


かすみ「…………」


かすみ「……さくら先輩の笑顔が、しず子っぽくて」ウッウッ(涙声)

しずく「っ!」ギクッ



かすみ「……」スッ ゴシゴシ(顔を上げて涙を拭う)

かすみ「……さっきは、怒りに任せてでたらめなこと言っちゃいましたけど」

かすみ「かすみんだって、本当はわかってるんです」

かすみ「しず子がかすみんのことどーでもいいだなんて思ってなくて、すっごく大事に思ってくれてるってこと」

かすみ「だって、しず子はかすみんのこと大好きですもん」

しずく「…………」

かすみ「でも、しず子にとっては演劇も大事なことだから、かすみんだけを優先することはできないんです」



338: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:06:34.43 ID:AMZArijF.net

かすみ「かすみんだってアイドルの仕事が大事ですから、しず子の気持ちはよーくわかります」

しずく「中須さん……」

かすみ「だから、しず子が連絡できなかったり、会えないのは仕方ないんですよ……」



かすみ「……」ズーン(再びテーブルに突っ伏す)



しずく「…………」



しずく「……私、水取ってくるね」スッ スタスタ

かすみ「…………」(無反応)



しずく「……」スッ バタン(個室から出てドアを閉める)



339: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:11:11.37 ID:AMZArijF.net

しずく「…………」

しずく「……」スッ(スマホを取り出す)



しずく「……」ポチポチポチポチポチポチ



しずく「……」スッ(スマホを仕舞う)


しずく「……」スタスタ


しずく「愛さん、お冷二つもらえますか?」

愛「オッケー!」バタバタ


しずく「……」ジッ(待機)


愛「アタシが部屋まで持っていくから、戻ってていいよ」ジャー



340: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:15:21.22 ID:AMZArijF.net

しずく「いえ、私が持っていくのでここで待ってます」

愛「ん……そっか!」(←何かを察した)


愛「……はいよ!重たいから気を付けてね」スッ(お冷を乗せた御盆を渡す)

しずく「ありがとうございます」スッ(受け取る)


しずく「……」スタスタ



しずく「……」コンコン スッ(個室のドアを開ける)




かすみ「えへへへへへ……//////」ニヤニヤニヤニヤ(スマホを眺めている)




しずく「…………」



341: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:20:39.78 ID:AMZArijF.net

しずく「……」バタン(ドアを閉める)


しずく「……はい、これ中須さんの分だよ」スッ(お冷を渡す)

かすみ「あっ♪ありがとうございますぅ~♪↑」

しずく「ご機嫌みたいだけど、何かあったの?」

かすみ「それがですね~!♪↑」ゴクゴク

かすみ「なんとぉ!今しず子から連絡が来たんですよ~!♪↑」

しずく「……良かったね」スッ(座る)


かすみ「なんて来たかっていうと~♪」

かすみ「『お疲れ様。最近忙しくて連絡できなくてごめんね』」

しずく「っ!」

しずく「べ、別に読み上げなくても……」



342: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:25:06.16 ID:AMZArijF.net

かすみ「『もし良かったら、今週会えないかな?』」

しずく「な、中須さん///」

かすみ「『毎日かすみさんのことを考えちゃうくらい寂しくて』」

しずく「そっ!そういうのを他人に話すのは良くないと思うのっ!!///」(食い気味)

かすみ「……あっ!そうですよね」

かすみ「この前マネージャーにも同じこと注意されたのに、かすみんってばうっかりしてました~♪」

しずく「(マ、マネージャーさんにも私達のやりとり見せたの!?///)」

しずく「(というか注意されたのにこれって……もうかすみさんに連絡したくない……///)」


かすみ「やっぱり思ってた通り、しず子もかすみんがいないと寂しいんですよ!」ウンウン

かすみ「これで心置きなく、強気で事務所に立ち向かうことができそうです!」

しずく「…………」


しずく「(……あれ?)」



343: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:30:25.73 ID:AMZArijF.net

しずく「(そういえば……かすみさんの悩みって結局わかってないままだよね……)」


かすみ「さくら先輩が話を聞いてくれたおかげでスッキリしましたし、あとはかすみんが頑張るだけですね!」グッ

しずく「(でも、今のかすみさん……何かを決意した顔をしてるというか、心が晴れたように見えるというか……)」

しずく「(まさか、私から連絡が来なくて悩んでたとか…………いやいや、さすがにそれはないよね)」

しずく「(となると……マネージャーさんに私のことを話しちゃったから、どうしようか困ってたとか?)」

しずく「(それで、私と話すうちに打開策が見つかったってことなのかな)」


かすみ「……あのっ」

しずく「ん?」ゴクゴク

かすみ「今日の話って、本当に愛先輩にも誰にも話さないんですよね?」

しずく「うん、もちろんだよ」

かすみ「…………」



344: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:35:08.45 ID:AMZArijF.net

かすみ「……それなら、話しちゃってもいいかな」ボソッ

しずく「?」

かすみ「……」ソワソワ

かすみ「……マネージャーに、恋人います発言をした理由……話してませんでしたよね?」

しずく「そうだね」

しずく「さっき、『言わなきゃいけない状況になった』って言ってたけど……理由を教えてくれるの?」

かすみ「……はい」

かすみ「このままお互い帰ったら、さくら先輩も気になってモヤモヤしちゃうかなって思ったので」

しずく「(そういうところは律儀なんだから……)」フフッ

かすみ「…………」

かすみ「……かすみんがアイドルだってことは、愛先輩から聞いて初めて知ったんですよね?」

しずく「そ、そうだよ」



345: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:42:05.16 ID:AMZArijF.net

かすみ「かすみんって可愛いですし、アイドル界ではそれなりに有名になってきたんですけど」

かすみ「さくら先輩みたいに、かすみんのことを知らない人の方がまだまだずーっと多いんですよね」

しずく「(うぅ……本当はものすごく知ってるのに…………罪悪感……)」


かすみ「だから、さくら先輩に言っても信じてもらえないかもしれませんけど」

かすみ「こう見えてテレビにも何回か出たことありますし、CDとかグッズの売り上げだってそれなりですし」

かすみ「それからライブやイベントをいっぱいやったおかげで、収入も貯金も結構増えてきたんですよ」

しずく「……そうなんだ」

しずく「(かすみさん、ずーっと頑張ってたもんね……)」

しずく「(褒めてあげたいけど……我慢しなきゃ)」ムムム


かすみ「あと、アイドルとしての仕事もこれからますます忙しくなることもあって……」

かすみ「そろそろ、引っ越しをしようかなって思ってるんですよ」

しずく「……えっ!?そ、そうなの!?」



346: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 21:48:17.81 ID:AMZArijF.net

かすみ「今は実家から事務所に通ってるんですけど、そこまで近くなくて不便なんですよ~」ムムム

かすみ「で、前にマネージャーから『引っ越しを希望する際は、物件を紹介しますから相談してください』って言われたことがあって」

しずく「……事務所側としても、アイドルの中須さんが危ない場所に住んだりしたら困るだろうから……まぁ、そう言われるよね」

かすみ「はい、そういうことみたいです」

かすみ「それで、言わなきゃいけなくなったんですよね~」

しずく「ん?何が?」ゴクゴク

かすみ「マネージャーに、『私にはしず子っていう恋人がいるんですけど、これから同棲したいので物件を紹介してくれませんか?』って」

しずく「ぶーーーーっ!?!?!?//////」(噴き出す)

しずく「げほっ!げほっ!///」

かすみ「……あの、もしかして今日具合悪かったりします?」


しずく「はぁ……はぁ……///」(息切れ)



348: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 22:01:49.13 ID:AMZArijF.net

しずく「こ、ここここ恋人と同棲!?!?!?///」

かすみ「はい!ずーっと前から考えてたんですよ~♪」

かすみ「同棲資金は十分貯まりましたし、いつも一緒にいられたらもーっと仕事頑張れますし!住まない理由がないですからね!」

かすみ「で、そう言ったらマネージャーからものすっごく怒られちゃって」

かすみ「やっぱり、恋人がいるっていうことと、一緒に住みたいっていうことを同時に言ったのがマズかったんですかね~」

かすみ「うーん……しず子の存在はもっと早い段階で話しておくべきだったかもしれません……」ムムム

しずく「いや、そういう問題じゃないと思うけど……」


かすみ「最初は、『学園時代から仲良くしてる人と一緒に住みたいって考えてるんです』って言って誤魔化そうか考えたんですけど」

かすみ「それだと真剣味が伝わらなくて、マネージャーに『それくらいの仲の人でしたら許可できません』とかって言われちゃいそうですし」

かすみ「それと、恋人ってバレた時にもっと問題になるかもって思ったから、正直に話したわけですよ!」

かすみ「それなのに何時間もマネージャーに説教されて、それからも何日間もグチグチ文句言われて……」

しずく「それはそうなるよ……」



349: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 22:10:19.16 ID:AMZArijF.net

かすみ「まぁ……さすがに私も、お金が貯まったからって浮かれすぎてたかもって反省して、冷静になって考えてみたんですよ」

しずく「(そうだよね……アイドルが恋人と同棲するなんて、色々と問題だし)」


かすみ「かすみん的には一緒に住むことについて全然問題ないけど、しず子の気持ちはどうなのかなって」

しずく「……えっ!?そっち!?」

かすみ「もしかしてしず子は、演劇に集中できるから今くらいの距離感が丁度いいって思ってるかもしれないとか」

かすみ「そもそも、一緒に住みたいなんて考えてないかもしれないって」

しずく「…………」


かすみ「けどさっきしず子から連絡が来て、そんな風に悩む必要なんてないってわかったんです!」

しずく「えっ」

かすみ「あんなに情熱的なメッセージを送ってくれたんですから、しず子だってきっと同じ考えになるに決まってます!」ウンウン

しずく「(そっ、それは!///かすみさんを元気付けるために考えただけなのっ!///)」



350: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 22:16:41.76 ID:AMZArijF.net

かすみ「そりゃ~しず子のことですから、同棲したいなんて言ったら初めは戸惑うと思うんですよ」

かすみ「でも、しず子って演劇とオフィーリア以外のことは押しに弱いとこありますから!最後にはオッケーしてくれるはずです!」ウンウン

しずく「(私ってそんな風に思われてたの!?)


しずく「(……待って、それ以前に)」

しずく「ど、同棲したいなら!マネージャーさんよりも先に恋人さんに相談しないとダメでしょ!」

かすみ「いやいや!まだ同棲できると決まったわけじゃないですから言えませんって!」

かすみ「さっきも言った通り、今マネージャーと揉めてる最中ですから心配かけたくないんですよ!」

かすみ「ですから!事務所をなんとか説得して、それで物件を紹介してもらったらしず子に話そうと思ってますっ!」

かすみ「外堀を埋めた方が、しず子も断りにくくなると思いますし!」ウンウン

しずく「うっ……うぅ~……」(何も言えない)


かすみ「よーし!そうと決まれば、マネージャー達を言いくるめるために作戦を考えないといけませんね!」スッ(立ち上がる)



351: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 22:21:59.68 ID:AMZArijF.net

かすみ「さくら先輩、色々話を聞いてくれてありがとうございました」ペコリ

しずく「そ、それが仕事だからね~……」

かすみ「私……事務所のことはどうにでもなると思ってたので、あんまり深く考えてなかったんですけど」

かすみ「しず子の気持ちがわからなくて、ずっと悩んでたんです」

しずく「(やっぱり悩みってそういうことだったの!?事務所の方じゃなくて!?)」


かすみ「でも、もしも愛先輩に『しず子って同棲したいと思いますか?』って相談しちゃったら」

かすみ「察しのいい愛先輩のことだから、事務所で揉めてることとかわかっちゃうと思うんです」

かすみ「そうなっちゃうと……私がしず子に黙ってても、きっと愛先輩がしず子に全部話しちゃうから、相談できなかったんですよ」

しずく「…………」

かすみ「愛先輩って、私達のことをすっごく気にかけてくれるから悩んでてもすぐバレちゃうんです」

かすみ「それで、こうやってさくら先輩を呼んでくれて…………ホント、お人好しなんですから」

しずく「うん、そうだね……」(遠い目)



352: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 22:28:27.43 ID:AMZArijF.net

かすみ「まっ!結局しず子から連絡が来ちゃいましたから、愛先輩やさくら先輩がいなくても解決したことではあったんですけど」

しずく「……!」ギクッ

かすみ「お二人には、す~っごく感謝してますから!」

しずく「ど、どういたしまして……」


かすみ「そういうことで!かすみんは帰って決戦の準備をします!」スタスタ スッ(ドアを開ける)

かすみ「絶対にしず子と同棲してみせますので、安心してください!それではっ!!」

しずく「う、うん……頑張ってね~……」フリフリ(手を振る)



\\愛先輩!お会計お願いしま~す!//

\\はいよ~!毎度あり~!//



しずく「…………」



353: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 22:36:33.31 ID:AMZArijF.net

しずく「(色々ビックリしたけど…………なんかもう、同棲に全部持ってかれた……)」

しずく「(……えっ、私がかすみさんと一緒に住むの?…………二人で!?///)」

しずく「(そ、そんなこといきなり言われても困るよっ!!///)」

しずく「(……いや、かすみさん的には私に言ったわけじゃないし、まだ住めると決まったわけじゃないけど!!)」

しずく「(というか、事務所的に無理だよね?…………でも、強引なかすみさんならなんとかしちゃいそうな気もするし……)」



しずく「(わ、私は……どうすれば……///)」



タッタッタッ


愛「しずく!お疲れ様!」

愛「何があったかわかんないけど、かすかすめっちゃ喜んでたじゃん!大成功だね!」

しずく「……はい、かすみさんの悩みは解決したみたいです」



354: 名無しで叶える物語 2021/10/04(月) 22:44:18.84 ID:AMZArijF.net

愛「やっぱりアタシ達には相談しにくいことだった?」

しずく「……そうですね」

愛「そっか~、じゃあ聞かない方がいっか」

しずく「そうしてもらえると助かります……」

しずく「(さすがにこれ以上愛さんに変な心配をかけるわけにもいかないし……言わないでおこう)」

愛「あと、これバイト代!相談料も入ってるから!」スッ(封筒を渡す)

しずく「……えっ!?こんなにもらえませんよ!」

愛「いいっていいって~!今日はめっちゃ助かったから!」

愛「今度からはいつものしずくでいいから、またバイトしに来てよ!」

しずく「……そうですね」


しずく「かすみさんに関すること以外でしたら、受け付けます……」グッタリ

愛「あはは!オッケー!」



364: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:16:51.12 ID:+YrEaLbh.net

●「同棲に至った経緯 中編」


数日後 昼 しずくの部屋(アパート)


しずく「……」ボー(ベッドに横たわっている)


しずく「(同棲……同棲かぁ……)」

しずく「(かすみさんは『ずーっと前から考えてた』って言ってたけど、そんな話一度もしたことなかったよね?)」

しずく「(……本当に勝手なんだから)」

しずく「(というか……仮に事務所が許可しても、私が嫌って言ったらどうするの……)」

しずく「(私がオッケーするとか、あの自信満々さはどこから来るのかな……)」


しずく「(はぁ……ここ最近、ずっと同じこと考えちゃってる……)」



365: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:21:05.26 ID:+YrEaLbh.net

しずく「(……もちろんかすみさんのことは好きだし、もっと一緒にいられたらって思うけど)」

しずく「(でも…………一緒に住むのは……)」ムムム


かすみ「何難しい顔してるの?」

しずく「そりゃあ、難しい顔にもなる……………………って、ええええ!?!?」ガバッ(起き上がる)

しずく「か、かすみさん!?いつの間に!?」

かすみ「インターホン押しても出てこないから、合鍵使って入っちゃった」

しずく「そ、そうなんだ…………ごめんね、気が付かなくて」

しずく「(いけない、今日はかすみさんが来る日だった……)」

しずく「(行きたいところを聞いたら『しず子の家に行きたい!』って言うから、うちに来ることになったんだっけ)」


かすみ「……で、なんか悩んでるの?」ボフッ(ベッドに座る)

しずく「えっと…………か、課題が進まなくて悩んでて!」

かすみ「ふ~ん、じゃあかすみんが手伝えることはないね~」ムムム



366: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:24:48.22 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「あっ!それで、息抜きしたくてかすみんに会いたくなったとか?」

しずく「ううん、そういうわけじゃないよ」

しずく「息抜きとか関係なく、かすみさんに会いたいなって思ったから連絡したの」

かすみ「……!」

しずく「仕事が忙しいと思ってたから、連絡するのを控えてたんだけど……」

かすみ「……我慢、できなくなっちゃったんだ~?」ニヤニヤ

しずく「う、うん!そうなんだよね~!」

しずく「(かすみさんの顔は癪に障るけど、この前のことがバレたらもっと大変なことになるし……)」


しずく「(……会いたかったのは本当のことだから、まぁいっか)」フフッ


かすみ「しず子って、昔からそういうところあるよね~♪」

かすみ「もお~、かすみんのこと好きすぎじゃ~ん♪」ニヤニヤ

しずく「あ、あははは……」(苦笑い)



367: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:28:07.54 ID:+YrEaLbh.net

しずく「(この前の素直さはどこへ行ったのやら……)」

しずく「(もしかして、私がいないところではいつもああいう感じとか…………いや、考えないでおこう……)」


しずく「(……でも、かすみさんも忙しいのに今日こうやって時間を作ってくれたんだよね)」

しずく「貴重なお休みなのに、私と会ってくれてありがとう」

かすみ「えっ!?……べ、別にお礼なんか言わなくていいけど」

かすみ「そんなの、恋人なんだから当たり前って言うか……」モジモジ

しずく「(可愛い……)」フフッ


かすみ「…………」


かすみ「……ねぇ、もう一回寝て」

しずく「?」

しずく「いいけど……」ゴロン(仰向けになる)



368: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:31:28.67 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「……」ジー



かすみ「……」ノシッ(しずくの上に覆いかぶさる)

しずく「わっ!?///」ビクッ


かすみ「ん~……」ギュー スリスリ(しずくの胸に顔をうずめる)

しずく「ちょ、ちょっと///……何してるの?///」


かすみ「……」スリスリ


かすみ「…………」


かすみ「……私も、しず子にずっと会いたかったから」

しずく「!」



369: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:34:56.86 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「連絡来て、すっごく嬉しかった……///」ギュー


しずく「っ///」キューン


かすみ「……だから、いつでも連絡してよ」

かすみ「私だって、寂しいんだから……///」スリスリ


しずく「……///」キュンキューン


しずく「……うん、もっと連絡するね///」

しずく「(もう、マネージャーさんに私達のやりとり見られてもいいや……///)」ナデナデ


かすみ「んぅ~……///」スリスリ


かすみ「今日は、ずっとこうしてる……///」

しずく「ええ~?///」クスッ



370: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:37:37.66 ID:+YrEaLbh.net

しずく「何かうちでやりたいことがあって来たんじゃないの?」

かすみ「……これが、やりたいことだもん///」

かすみ「しず子と久しぶりに会えるから、家でいちゃいちゃする日にしようって決めてたんだもん……///」ギュー

しずく「ん……そっかぁ~♪///」



かすみ「……あ!それと、今夜泊まってもいい?」

かすみ「明日は午後からレッスンがあって、しず子の家からまっすぐ行こうと思ってるんだけど……」

しずく「もちろんいいよ」

しずく「ふふ……かすみさんと長い時間一緒にいられて嬉しいな♪」

かすみ「っ!///」

かすみ「~~♪///」スリスリ

しずく「♪///」ナデナデ



371: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:45:25.24 ID:+YrEaLbh.net

――――
――

夕食


かすみ・しずく「いただきます」


しずく「……」モグモグ

しずく「……!」ハッ


しずく「このサラダ……美味しい……」キラキラ

かすみ「そりゃそうだよ~♪かすみん特製のドレッシングをかけたんだから、美味しいに決まってるじゃ~ん♪」

しずく「うちにあった材料だけで作ったんでしょ?すごいよ!」

かすみ「これくらい楽勝だってぇ~♪」

しずく「それに、こっちのクリーム煮も美味し~い♡」

しずく「生クリーム無かったのに、なんでこんなまろやかになるの~♡」ホワー



372: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:49:25.98 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「これはね~、じゃがいもを使うのがポイントなんだよ!♪」

かすみ「そんなに気に入ったなら、今度特別に作り方教えてあげるっ♪」

しずく「嬉しい~♡」モグモグ

しずく「作ってもらう度に思うけど、本当に料理上手だよね!」

かすみ「まっ♪かすみんは天才だから~♪」フフン

かすみ「でもしず子の料理だって美味しいし上手じゃん♪」

しずく「ううん、私は即興でこんなに手際よく作れないから」

しずく「レシピも見ないで簡単に作っちゃうなんて、さすがかすみさんだね」フフッ

かすみ「ふっふっふ~ん♪もっと褒めて褒めてっ♪」ドヤッ

しずく「はぁ~……こんなに美味しい物がいつも食べられたら幸せなのに……」

かすみ「……!」

かすみ「そ、そっか……///」ソワソワ

しずく「…………」



373: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:52:36.38 ID:+YrEaLbh.net

しずく「……!」ハッ


しずく「(しまった……そんなこと言ったら同棲したいみたいだよね)」

しずく「(かすみさんが期待しちゃうようなことは言わないようにしないと)」


しずく「(でも、かすみさんの料理が魅力的すぎて同棲してもいいような気持ちになる……)」モグモグ


しずく「(……って、そんな簡単に考えちゃダメだって!)」ブンブン

しずく「(そもそもかすみさんは忙しいんだから、料理をいつも作ってくれるとは限らないし)」ウンウン


かすみ「どうかした?」

しずく「!……う、ううん!」

しずく「このドレッシングがあれば、どんな物でも食べられそうってくらい美味しいな~って思って!」モグモグ

かすみ「でしょ~!いっぱい食べてね!」

しずく「うん、ありがとう♪」



374: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:55:33.70 ID:+YrEaLbh.net

――――
――

就寝前


しずく「……」ポンポン(布団を敷く)


しずく「かすみさんは布団でいい?」

かすみ「……うん」


しずく「じゃあ、電気消すね」

かすみ「……」ムゥ

しずく「?」

しずく「なんか……怒ってる?」

かすみ「やっぱり、かすみんもそっちがいい」

しずく「えっ」



375: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 20:58:15.71 ID:+YrEaLbh.net

しずく「それなら、私が布団で寝るね」

かすみ「……そうじゃなくて」モジモジ

しずく「?」


かすみ「……しず子と一緒に寝たい///」ボソッ


しずく「…………」


しずく「……はいっ!?!?///」


かすみ「しず子のことギュってして寝たら、すっごく安心して眠れそうだから……///」モジモジ

しずく「あっ!///……そ、そういうことね!///そうだよね!///」

しずく「って無理だよ!ベッドも布団も狭いし!///」

しずく「明日もレッスンあるんだから、ちゃんと寝なきゃダメだよ」

かすみ「……」ムゥ



376: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:01:10.24 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「まぁ……しず子も午後からバイトあるって言ってたもんね」


かすみ「……じゃあ今度泊まる時は、かすみんもしず子も次の日なんにもない日に来る」

かすみ「だから、その時は……一緒に寝てもいい?」(首を傾げる)

しずく「っ///」キューン


しずく「い、いいよ……///」

かすみ「……!」パァァァ


かすみ「い、今のしっかり聞いたからね!!」ウキウキ

かすみ「約束だからね!!絶対だよっ!!」ワクワク


しずく「(か、可愛い///……助けて///)」キュンキューン


――――
――



377: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:03:39.21 ID:+YrEaLbh.net

次の日 早朝


しずく「……」パチッ(目が覚める)


しずく「……」チラッ



かすみ「……」スヤスヤ



かすみ「……ん~」ムニャムニャ


しずく「……///」キューン



しずく「……」フゥ(心を落ち着かせる)


しずく「……」スッ スタスタ(起き上がる)



378: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:05:58.95 ID:+YrEaLbh.net

――――
――


しずく「……」カチャカチャ(朝食の準備中)


かすみ「……おはよ」ノソノソ ウトウト

しずく「あっ、おはよう」

しずく「もう少ししたら起こすつもりだったから丁度良かった」フフッ

しずく「まだこっちは時間かかるから、先に顔洗ってきて」


しずく「~~♪」ジュー(調理中)



かすみ「……」ジー



かすみ「……」ノソノソ



379: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:10:48.02 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「……」ギュー(しずくを後ろから抱きしめる)

しずく「わっ!?///」ビクッ


しずく「い、いきなりは危ないよ!//」カチッ(火を止める)

かすみ「……うん」ギュー

しずく「(あ、でもやめないんだ……///)」


かすみ「…………」


かすみ「なんていうか……」

かすみ「起きたらしず子がいたから嬉しくて、体が勝手に動いちゃった」ギュー

しずく「っ///」



かすみ「……」ギュー スリスリ



380: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:14:21.34 ID:+YrEaLbh.net

しずく「……///」



かすみ「…………」



かすみ「……!」ハッ(完全に目覚める)


かすみ「……ご、ごめん!邪魔して!///」

しずく「う、ううん……///」


かすみ「えっと…………か、顔洗ってくるっ!///」ダダダダ



しずく「//////」ドキドキドキドキ


――――
――



381: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:19:50.20 ID:+YrEaLbh.net

昼前 玄関


かすみ「泊めてくれてありがと」

かすみ「久しぶりにしず子とゆっくりできて、すっごく楽しかった」

しずく「私もだよ」ニコッ

かすみ「しず子の都合的には、次いつ頃会えそう?」

しずく「えっと、そうだね……」

しずく「大学の課題やバイトのこともあるし……早くて二週間後辺りかな」

しずく「バイト先の舞台、本番が再来週でその後も片付けとか打ち上げもあるから」

かすみ「二週間……そんなに長いんだ……」シュン


かすみ「……私も、予定決まったらすぐ伝える」

しずく「うん、待ってるね」



382: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:23:33.05 ID:+YrEaLbh.net

しずく「それじゃあ、レッスン頑張ってね」

かすみ「…………」

しずく「?」


かすみ「……」スッ





チュ





かすみ「……///」


しずく「…………」



383: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:27:47.53 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「……し、しず子も!忙しいと思うけど頑張ってね!///」クルッ(振り向く)

かすみ「それじゃ、またねっ!///」ガチャ バタン


しずく「…………」


しずく「……」スタスタ



しずく「……」ボフッ(ベッドにうつぶせになる)





しずく「……っ~~!!!//////」ジタバタジタバタ





しずく「(かすみさんの破壊力がすごい……///)」



384: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:33:13.28 ID:+YrEaLbh.net

しずく「(……なんか、いつにも増して甘えてきたよね?///)」

しずく「(私からの連絡とか、久しぶりに会えたのがそんなに嬉しかったのかな……///)」キューン


しずく「(一日過ごしただけでこんなに幸せなら……一緒に住んだらとんでもないことになるんじゃ……///)」





しずく「……///」ホワホワ(想像中)





しずく「(……って、だから簡単に考えすぎだってば!!)」ブンブン


しずく「……」フゥ(心を落ち着かせる)

しずく「(昨日はお互い休日だったからこうやってゆっくりできただけで、普段ならそうはいかないよね)」

しずく「(かすみさんも私も夜遅くまで活動することあるから、生活リズムも合わないことが多いと思うし……)」



385: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:40:52.69 ID:+YrEaLbh.net

しずく「(というか……今はなかなか会えない反動で、会った時に幸せに感じているだけかもしれないから)」

しずく「(ずっと顔を合わせていたらそれが薄れそうというか……あと、かすみさんがうんざりしないか心配だし……)」


しずく「…………」


しずく「(それに、もし同棲を始めてお互いの嫌なところが見えてきて)」

しずく「(それで……かすみさんから別れを切り出されたらって思うと、今の距離感でいた方が安心だよね……)」

しずく「(でも、かすみさんはなんだかんだいつも私のことを受け止めてくれたし……大丈夫な気もする……)」

しずく「(……いや待って、今のは自惚れがすぎるよね)」

しずく「(この前私のこと『世話が焼けるし面倒くさい』って言ってたし、私ってかすみさんと会う度に細かいこと口出ししちゃうし)」

しずく「(たまにならいいかもしれないけど、それが毎日続いたらさすがにストレス感じるよね……それから…(以下略))」ウジウジウジウジ


――――
――



386: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:45:33.40 ID:+YrEaLbh.net

二週間後 しずくのバイト先の打ち上げ


\\ガヤガヤ//


大学の同期(以下同期)「はぁ~……」

同期「今回の舞台かなり疲れた……」

しずく「いつもより大道具の移動が激しかったから、大変だったよね」

大学の後輩(以下後輩)「しばらくは力仕事したくないですよ~……」

同期「……そうだ、次はエキストラで出してもらえるように今のうちに演出家の人に顔売っておこうかな」スッ

後輩「あっずるいです!私もそうします!」スッ

同期「ちょっと行ってくるから、料理が来たら私達の分確保よろしく」

しずく「はいはい」フフッ



しずく「……」チビチビ(お酒を飲む)



387: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 21:57:16.94 ID:+YrEaLbh.net

バイトA「……でさ~家でもホントうるさくって~」

バイトB「あ~、同棲してるんだっけ?」

しずく「……!」ドキッ


しずく「…………」


しずく「……」コソッ(聞き耳を立てる)


バイトA「家事手伝おうとしても、『やり方が違う!』とかキレられたりしてさ」

バイトA「そっちだってたまに家事サボったりするくせに、人にばっか文句言ってマジ腹立つ」


しずく「(うっ……)」グサッ

しずく「(私もかすみさんにあれこれ言う割に、自分のことできてなかったりするんだよね……)」


バイトA「そんですぐ機嫌悪くなるし、理由聞いても『関係ないからほっといて』って面倒くさいし」



388: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 22:01:37.03 ID:+YrEaLbh.net

バイトA「前はそういうとこも可愛いって思うことあったけど、さすがに毎日だと疲れるっつの」ゴクゴク


しずく「……」ダラダラ


バイトB「とか言ってるけど、結構長く続いてんじゃん」

バイトB「お互い文句は言うけど、ちゃんと好きならいいんじゃないの?」

バイトA「ん、まぁ……」

バイトA「こっちが家賃ほとんど負担してるからってのもあるけど、家のことしっかりやってくれるし料理は美味いし」

バイトA「……たまに素直になると、めちゃくちゃ可愛いのはあるな~♪」ニヤニヤ

バイトB「はぁ~!?ただノロケたかっただけかし!真面目に聞いて損したわ!」

\\マジフザケンナ! アハハ!//



しずく「…………」



389: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 22:07:40.54 ID:+YrEaLbh.net

――――
――

深夜 しずくの部屋


しずく「……」スタスタ



しずく「……」ボフッ(ベッドにうつぶせになる)



しずく「(なんか……色々疲れた……)」グッタリ

しずく「(帰ったら課題とか家の片付けしようと思ってたけど…………寝支度だけで精一杯……)」

しずく「(はぁ……明日も何もしたくない……)

しずく「(明日というか……既に日付変わってるからもう今日だけど……)」



しずく「…………」



390: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 22:12:53.43 ID:+YrEaLbh.net

しずく「(こういう時、いつもならかすみさんに会いたいって思うけど……今はあんまり会いたくないかも)」

しずく「(だって…………かすみさんのことでずっと悩んでいたところに、さっきの人達の話も合わさって……)」


しずく「(私の存在が、かすみさんにとって何のメリットも無いっていう現実を改めて突き付けられたというか……)」ズーン


しずく「(こんな風に家のことだってまともにできないし、何ならかすみさんの方が料理上手で家庭的だし)」

しずく「(他にも生活面とかお金の面とか、それから…………私の性格を考えても)」

しずく「(同棲したって、かすみさんに負担がかかるだけだよね……)」

しずく「(というか、事務所に私のことがバレてる時点で負担がすごいはずなのに…………まぁ、バラしたのはかすみさんだけど……)」

しずく「(普段の仕事だってやりにくくなってると思うし、下手したら決まってた仕事から外されたり解雇される可能性だって……)」


しずく「…………」


しずく「(学園を卒業してからも、アイドルのかすみさんと付き合うって決めた時に覚悟はしてたけど)」

しずく「(……やっぱり厳しいよね)」



391: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 22:17:39.38 ID:+YrEaLbh.net

しずく「…………」



しずく「(いっそのこと、私の方から別れを……)」



しずくのスマホ「ピロン♪」(スマホ通知音)


しずく「!」ビクッ

しずく「……」ゴソゴソ(スマホを取り出す)


しずく「(あっ、かすみさんから……)」スッ スッ(トークアプリを開く)


しずく「(うわ……すごい通知の数)」

しずく「(ミュートにしてたから全然気付かなかった……)」

しずく「(えっと……『ごめんね。打ち上げがあったから返せなくて』)」ポチポチ(送信)



393: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 22:22:04.24 ID:+YrEaLbh.net

しずく「…………」

しずく「(……返信早い)」

しずく「(何々……『今日会えそう?』)」


しずく「(……そうだった)」

しずく「(前々から、今日の予定空いてるか聞かれてたこと忘れてた……)」

しずく「(どうしよう……今日は私も休みだけど、顔合わせづらいなぁ……)」

しずく「(でも、会いたくないってわけじゃないし…………本当は会いたいし……)」


しずく「(はぁ……もう、自分のことなのにわけわかんないよ……)」


しずく「……」ジー(メッセージを読み返す)


しずく「(疲れて頭が働かないけど……とりあえず、なんて返信するか考えないと……)」



394: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 22:54:54.09 ID:+YrEaLbh.net

――――
――


しずく「……」スヤスヤ



…トントン ジャー



しずく「(……んぅ?)」ウトウト



カチャカチャ



しずく「(なんか、音がする……?)」ゴソゴソ ムクッ



395: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 23:00:35.62 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「あ、おはよ!」


しずく「…………」


しずく「えっ!?!?!?」ビクッ

しずく「かっ……かすみさん!?!?」

かすみ「胃が疲れてると思ったから、お味噌汁だけ作ったけど食べられそう?」

しずく「な、なななんでいるの!?!?」

かすみ「えっ?なんでって」

かすみ「え~っと…………しず子から怪文書が来たから?」

しずく「……はい!?」

かすみ「昨日の夜……じゃなくて今日の夜?深夜?に、しず子から返信来なくなったら寝落ちしたと思って」スタスタ(しずくに近づく)

かすみ「それでかすみんも寝たんだけど、朝起きたら……ほら」ゴソゴソ スッ(スマホ画面を見せる)

しずく「……?」



396: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 23:04:46.20 ID:+YrEaLbh.net

(トーク画面)





しず子『ごめんね。打ち上げがあったから返せなくて』0:24

かすみん『今日会えそう?』0:25

かすみん『もしかして寝た?』0:42

かすみん『起きたら返信して』0:46

しず子『今日あいてるけどつかれててるか、、るふ!かゆぬはら?。?ふさすささ』2:38

かすみん『何!』7:04

かすみん『怖いんだけど!』7:04

かすみん【📞応答なし】7:08

かすみん『何かあったの?』7:10

かすみん『今行くから』7:41



397: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 23:10:53.38 ID:+YrEaLbh.net

しずく「…………」


しずく「……多分文面考えてるうちに寝ちゃって、色々変なとこ押しちゃったんだと思います……///」

かすみ「あ、やっぱりそうだったんだ」

かすみ「家に着いた時にしず子普通に寝てたし、隣にスマホ置いてあったからそういうことじゃないかって思ったんだよね~」

しずく「(は、恥ずかしい……///)」プシュー


かすみ「でさ~、家は珍しくごちゃごちゃしてるし、洗濯物は溜まってるし」

かすみ「だから最近ものすっごく忙しかったのかなって思って、かすみんでもできそうなとこは片付けといたから」

しずく「えっ!?」


しずく「……」キョロキョロ


しずく「(……昨日より、ちょっと綺麗になってる)」



398: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 23:16:32.42 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「あっ!せ、洗濯はしてないからね!///」

かすみ「その、最初はするつもりだったんだけど…………カゴの中の服とか、下着見たら……///」

しずく「!///」

かすみ「なんか……恥ずかしくなったっていうか///……触られたら嫌かもって思ったっていうか……///」ゴニョゴニョ

かすみ「……って、それはいいのっ!///」


かすみ「もおっ!こんなに大変ならちょっとは頼ってくれてもいいじゃん!」プンプン

しずく「っ、それは……」

かすみ「言い訳してもダメっ!」

かすみ「しず子がこんな時間まで寝てるなんて、よっぽど疲れてたってことじゃん!」

かすみ「大学のこととか、バイトのことは私でもどうにもできないけど!それ以外のことでは頼ってよ!」

しずく「…………」



399: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 23:21:59.55 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「しず子のことだからどうせ、『かすみさんは忙しいから迷惑かけたくない~』とか思ったんだろうけどさっ!」

かすみ「そりゃかすみんだって昨日忙しかったし疲れてるけど!」

かすみ「しず子に会いたいし!頼られた方が元気になれるからいいのっ!」

しずく「……っ」

かすみ「いい!?今度からは何かあったら」


しずく「……」ウルウル


かすみ「かすみんにすぐ相談して……って!?」



しずく「ぅ……ぐすっ……」ポロポロ



かすみ「」サー(血の気が引く音)



400: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 23:27:27.23 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「ちょ……ちょちょっと!何も泣くこと無いじゃん!」

しずく「ん……っ……ご、ごめんっ……」グスグス

かすみ「ち、違うって!謝ってほしいんじゃないから!っていうか私の方がごめんっ!言いすぎたって!!」


しずく「……」グスグス(ちょっと落ち着く)


しずく「っ……あのね……」

かすみ「う、うん……」ハラハラ



しずく「私……かすみさんのことが、好きなの……」グスッ



かすみ「…………」



かすみ「えっ!?///」ボッ



401: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 23:32:39.19 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「そ、それは知ってるけど///……何いきなり……///」

しずく「……」グスグス


しずく「かすみさん……いつも私のこと心配してくれて、私が迷惑かけても優しくて……」

かすみ「……だって、それはお互い様っていうか」

かすみ「っていうか、私の方が心配かけてるし迷惑かけてるっていうか……」ゴニョゴニョ(だんだん小さくなる声)


しずく「だから、私……」



しずく「かすみさんと、別れたくない……」ポロポロ



かすみ「…………」



かすみ「えっ!?!?!?」



402: 名無しで叶える物語 2021/10/06(水) 23:38:30.28 ID:+YrEaLbh.net

かすみ「な、何それ!?私達別れることになってるの!?」

しずく「……」グスッ

かすみ「なんで!?なんでそんなこと言うのっ!?」

しずく「……っ……うぅ~……」グスグス

かすみ「ちょ!泣かないでってば!」

かすみ「わ、私もしず子のこと好きだから!絶対別れないからっ!///」

しずく「……」ピタッ

かすみ「……」ホッ


しずく「…………」


しずく「……また、こうやって迷惑かけてるのに…………こんな私のこと好きでいてくれて……」グスグス

かすみ「あ゛ーー!!!///もおっ!!そういうのいいからっ!!///」



409: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:00:41.98 ID:uCMtei1t.net

●「同棲に至った経緯 後編」


――――
――


しずく「……」ズズ…(食卓に着いて味噌汁を飲む)

しずく「(……美味しい……ほっとする)」グスッ


かすみ「…………」(しずくの正面に座っている)


かすみ「つまり……」

かすみ「バイト先で芸能界のこととか、恋人がいる人の話を聞いて」

かすみ「自分がいるとかすみんがトップアイドルになれないとか、自分がかすみんにふさわしくないって悩んじゃって」

かすみ「……別れた方がいいかもって、思ったんだ」

しずく「…………」



410: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:05:34.40 ID:uCMtei1t.net

かすみ「……でも、そんな時にかすみんがしず子の家に来て、優しくされたから」

しずく「……っ!///」

かすみ「どうしても別れたくなくて、泣いちゃったんだ~♪」ニヤニヤ

しずく「う///……うぅ~~っ///」

かすみ「もお~♪ホントにかすみんのこと好きなんだから~♪」ナデナデ

しずく「……///」ムゥ


かすみ「……」ナデナデ


かすみ「そっか……」

かすみ「しず子のバイト先って芸能界に詳しい人多いだろうし、そういう話も聞こえてくるよね」

しずく「(……バイト先の一つは愛さんのお店で、話はかすみさんから聞いたんだけどね……)」


かすみ「でも!しず子が心配しなくても、かすみんは絶対トップアイドルになるから大丈夫だよっ!」



411: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:10:38.07 ID:uCMtei1t.net

かすみ「仕事だっていっぱい入ってるし、これからライブツアーもあるって前に話したでしょ?」

しずく「そうだけど……」

かすみ「そりゃ事務所と揉めた時はちょっと焦ったりしたけど、ちゃんと決着したし…………って!」ハッ

しずく「……!」

かすみ「い、今のはなんでもないから!事務所とはす~っごくいい関係だからね!」アセアセ

しずく「(それって、もしかして……)」


かすみ「え、え~っと!」

かすみ「大体!ふさわしくないって言うけど難しく考えすぎだよ!」

しずく「……えっ?」

かすみ「かすみんがしず子のこと好きなんだから、それだけでふさわしいでしょ!」ドヤッ

しずく「……ふふっ、何それ」



412: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:15:03.22 ID:uCMtei1t.net

かすみ「だってふさわしいってことは、お似合いってことじゃん!」

しずく「意味的には、そうかもしれないけど……」

かすみ「しず子だってかすみんのこと大好きだし、好き同士でお似合いって感じだよね!」ウンウン

しずく「もう……前向きすぎるよ」クスクス

かすみ「しず子が後ろ向きに考えてるから、これくらい前向きなのが丁度いいのっ!」

しずく「……!」ハッ


しずく「…………」

しずく「(本当に、昔から変わらないよね)」

しずく「(私が悩んでいると……いつも安心できる言葉をくれて……)」


しずく「(……やっぱり、どうしようもなくかすみさんのことが好きって思い知らされる)」


しずく「(あ…………また、泣きそう……)」ジワ



413: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:21:16.15 ID:uCMtei1t.net

かすみ「はぁ~……こんなことなら、しず子に色々話しておいた方が良かったのかな……」

かすみ「でも、変に心配かけたくなかったし……実際こうやって悩んじゃったし」ムムム

しずく「…………」

しずく「……私が頼りないから、仕事のこととか色々話したくても話せなかったんだよね?」

かすみ「ち、違っ!頼りにしてないわけないじゃん!」

しずく「今日だって、かすみさんに不甲斐ないところを見せちゃったし、家の片付けまでしてもらって……」

しずく「お味噌汁は美味しいし…………それに比べて私なんて……」ウジウジ

かすみ「うわ、ま~た始まった……」


かすみ「もおっ!!しず子はちょっとやらかしたくらいで考えすぎ!!」

かすみ「そんな調子なら、もしかすみんがしず子だったら一年中悩まなきゃいけなくなるんだけど!?」

かすみ「かすみんは毎日マネージャーに怒られてるけど、しず子は大学の先生とかバイト先の人に毎日は怒られてないでしょ!?」

しずく「それは……そうだけど……」



414: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:25:47.59 ID:uCMtei1t.net

かすみ「勉強もバイトも頑張ってるから、皆だってしず子が頼りになるって思ってるはずだし」

かすみ「こんなになんでも一生懸命なしず子のこと、頼りにならないわけないじゃん」

しずく「…………」

かすみ「家のことだって、たまたま忙しくてできなかっただけでしょ?」

かすみ「いつもはちゃんとしてるんだから、気にしなくていいって」ナデナデ

しずく「……っ」


かすみ「……」スッ(しずくの隣に移動する)


かすみ「……ずーっと前に、しず子が言ったことと似てるんだけどさ」

かすみ「私がしず子の家の片付けしたり、料理を作ってあげたりしたくなるのは」

かすみ「しず子がいつも私のことを支えてくれて、大事にしてくれてるからなんだよ?」

しずく「……!」

かすみ「まっ!それ以前にしず子のことが好きっていうのもあるけどね!」ウンウン(←なだめるのに必死で恥ずかしい発言に気付いていない)



415: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:30:02.25 ID:uCMtei1t.net

かすみ「でも、かすみんにそう思わせるくらいしず子は頼りになるんだから、もっと自信持ってよねっ!」プンプン

しずく「…………」


しずく「(自分のこと、かすみさんにとって必要のない存在だって思いこんでたけど……そんなことなかったんだ)」


しずく「(それなら私は…………かすみさんのそばにいても、いいのかな……)」ジワ


かすみ「っていうかそうだよっ!」ハッ

しずく「……えっ?」

かすみ「話しても話さなくてもどうせしず子は悩んじゃうんだから!もっと愚痴ったり頼れば良かったんじゃん!」

しずく「うっ……」グサッ


かすみ「というわけで!これからは仕事とか芸能界のこととか、しず子にいっぱい話していっぱい心配かけちゃうんだから!」

かすみ「いい!?覚悟しておいてよねっ!」



416: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:34:17.59 ID:uCMtei1t.net

しずく「…………」



しずく「……うん、わかった」コクリ(大きく頷く)

しずく「私……これからもかすみさんを支えてあげたいって思ってるから」

しずく「私のこと、頼りにしてね」

かすみ「そうそう!それでいいのっ!」

しずく「……あと、かすみさんの方こそ覚悟した方がいいよ?」

しずく「私もいっぱい迷惑かけるし、いっぱい悩んじゃうから」

かすみ「ふっふ~ん♪望むところじゃん!」

かすみ「っていうかそんなこと今更だし、私の方が迷惑……」

かすみ「…………」

かすみ「……ああっ!!!」ハッ

しずく「!?」ビクッ



417: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:39:46.45 ID:uCMtei1t.net

かすみ「や、やっぱさっきの無し!!」

しずく「ん?……さっきって、何?」

かすみ「かすみんがマネージャーに怒られてるとか!!しず子に迷惑かけちゃうとか全然無いからっ!!」アセアセ

しずく「えっ」

かすみ「なんていうか、かすみんってマネージャーからもいつも褒められてばっかだし~!」アセアセ

しずく「さっきと言ってることが違うんだけど……」

かすみ「だ、だって!かすみんのダメなところを知ったら、一緒に住みたくないって思っちゃうかもしれないし……」

しずく「……あ」


かすみ「…………」


かすみ「あっ!!!い、今のは……その……」

しずく「…………」(真剣な眼差し)

かすみ「う……」



418: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:44:56.24 ID:uCMtei1t.net

かすみ「…………」


かすみ「……っ」グッ(覚悟を決めた顔)


かすみ「……あのさっ!」


かすみ「私、しず子と同棲したいの!!」


しずく「……!」

かすみ「いきなりでビックリしたと思うけど!私はずーっと前から考えてて!」

かすみ「私はしず子と一緒にいられたら絶対幸せだし、しず子のことも絶対一生幸せにするから一緒に住もうよ!!」

しずく「…………」

かすみ「……も、もちろんしず子が不安に思うのはわかってるから、ちょっとでも安心できるように色々準備は進めてて!」

かすみ「事務所に話は通してあるし、物件もどういうとこがいいかマネージャーと相談中だし」



419: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:50:40.63 ID:uCMtei1t.net

かすみ「あっ……それで、実は事務所にしず子のこと話しちゃったんだけど、ちゃんと私達のことわかってもらえたから!」

しずく「(すごい……事務所のこと、本当に説得したんだ……)」

かすみ「で!物件なんだけど、もう何件か目星付けてて……」ゴソゴソ(鞄の中身を探る)


かすみ「はい!これに詳しい情報載ってるから!」スッ(複数の書類を渡す)

しずく「……」スッ(受け取る)


かすみ「とりあえず、私達の安全とか生活のことを考えて、『二部屋あるマンションがいいと思います』ってマネージャーに言われて」

しずく「……」パラッ(資料をめくる)

かすみ「さすがに買うのは無理だったけど、賃貸なら事務所の偉い人名義でなんとかしてもらえることになったから!」

しずく「(……あ、ここのマンション大学の近くにある)」

しずく「(マネージャーさん……私のことも気遣ってくださったんですね)」(申し訳なさそうな顔)


かすみ「え~っと……他にしず子にアピールできるところは……」ウーン



420: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:54:51.39 ID:uCMtei1t.net

かすみ「……そうだ!仕事がお休みの日とか、早く帰れた日は好きな料理作ってあげる!」

かすみ「あとは……家賃も!ちょっとだけ……ほんのちょーっとだけ!しず子に負担してもらうかもしれないけど」

かすみ「ほとんど私が払うから、このアパートで一人暮らしするよりは安くなるよ!」

しずく「…………」

かすみ「他にも!私にしてほしいことがあったら」

しずく「……いいよ」

かすみ「できるだけなんでもする…………ん?」



しずく「しよっか、同棲」



かすみ「…………」



かすみ「えっ!?!?!?」



421: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 20:59:31.54 ID:uCMtei1t.net

かすみ「……い、いいの?」オズオズ

しずく「うん」

しずく「……私も、かすみさんと一緒にいられたら絶対に幸せになれるって思うから」

かすみ「っ///」

しずく「それに、ここまでお膳立てされたら断れないよ」

しずく「だから……これからもよろしくね」ニコッ


かすみ「……!」パァァァ



かすみ「やっ…………やったーーーー!!!」ギュー(しずくに抱き着く)



かすみ「夢じゃないよね!?ホントに一緒に住んでくれるんだよね!?」

しずく「もう、そうだってば」フフッ



422: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:04:03.97 ID:uCMtei1t.net

かすみ「良かった~!ホント良かったぁ~」

かすみ「はぁ~、明日から住みたいよぉ~……」ギュー グリグリ

しずく「え~?……まだどこに住むかも決まってないのに、気が早いんだから」クスクス


しずく「そうだね……さらっと資料読んだ感じだと、この物件が一番いいかな」

しずく「ここだとお互い通いやすいと思うし、部屋も結構広いから」

かすみ「あっ……そこいいなって思ったんだけど、しず子に結構家賃負担してもらうことになっちゃうから微妙っていうか……」

しずく「いいよ、お金のことそこまで気にしなくて」

しずく「というか半分は私に払わせてよ」

かすみ「えっ!?半分もなんていいよっ!しず子は学生なんだからそこまでしなくていいって!」

しずく「せっかくかすみさんと一緒に住むんだから少しでもいい場所を選びたいし、かすみさんに負担をかけたくないの」

しずく「私だって同棲するの楽しみなんだから」ウキウキ

かすみ「…………」



423: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:09:01.81 ID:uCMtei1t.net

しずく「そうだ、今度二人でここの下見に行ってみようよ」

しずく「内見もできればしたいけど……事務所の人に話通さないとダメだよね?」

しずく「マネージャーさんに相談してみてもらえる?あ、私もついて行った方がいい?」


かすみ「…………」


かすみ「……なんか、変」

しずく「えっ?」

かすみ「しず子だったら、『同棲したい』なんて聞いたらもっとオロオロしそうっていうか、慌てそうなのに……」

かすみ「妙に落ち着きすぎだしノリノリだし、物分かり良すぎじゃない?」

しずく「……!」ハッ


かすみ「いや、やっぱり絶対おかしいよ」

かすみ「ちょっとしたことで悩んじゃうしず子が、こんなにあっさりオッケーするわけないもん」



424: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:15:18.65 ID:uCMtei1t.net

かすみ「なんていうか……私が同棲したいことを前から知ってたみたいっていうか……」

しずく「……」ダラダラダラダラ

かすみ「でも……私がそのことを話したのって、家族と事務所と…………あと……」

かすみ「…………」


かすみ「あれっ!?もしかしてっ!!」

しずく「っ!」ギクッ

かすみ「さ、さては……」ワナワナ

しずく「(へ、変装のこと……気付かれた!?)」


かすみ「あれでしょ!?愛先輩から聞いたんでしょ!?」

しずく「……えっ?」

かすみ「さくら先輩が愛先輩に話して!それでしず子に話が行っちゃったんでしょ!!」

しずく「(あ、バレてなかった……)」ホッ



425: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:19:30.05 ID:uCMtei1t.net

かすみ「もお~!!さくら先輩大噓つきじゃないですか!!誰にも言わないって言ったのに!!契約違反ですよ!!」

かすみ「ええい!!事務所の弁護士さん呼んで裁判でもなんでも起こしてやりますからね!!」スッ(スマホを取り出す)

しずく「(……って!安心してる場合じゃない!)」


しずく「か、かすみさん落ち着いて!」

かすみ「落ち着けるわけないじゃん!!」

しずく「その……さ、さくらさんは誰にも話してないから!」

かすみ「なんでしず子がそんなことわかるの!!わかるわけないよね!?」

かすみ「っていうかそういう言い方するってことは!!やっぱり私が同棲したいこと知ってたんじゃん!!」

しずく「うっ……それは……」

かすみ「愛先輩も適当な人呼んできて!!な~にが『信用できる人』ですか!!」

かすみ「こうなったら愛先輩もさくら先輩も呼び出して、問い詰めてやりますよ!!」ポチポチ(愛に電話をかけようとする)

しずく「!!……ちょ、ちょっと待って!!」ガシッ(かすみの手を止める)



426: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:23:57.03 ID:uCMtei1t.net

しずく「本当に愛さんは何も知らないの!!」

かすみ「だからそんなわけないじゃん!!それとも何!?しず子がさくら先輩と知り合いだったって言うの!?」

しずく「いや……そういうわけでもないけど……」

かすみ「じゃあやっぱり愛先輩しかいないよね!?」

かすみ「もし違うなら同棲のこと誰から聞いたか言ってみてよ!」

しずく「う……」

かすみ「まさか私の親とか事務所がしず子に話したなんて言わないよね?」

しずく「……それも違う…………でも……」


しずく「…………」


かすみ「ほ~ら、言えないってことは図星なんでしょ?」

しずく「……かすみさん」

かすみ「いい加減白状して…………えっ?」



427: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:28:42.10 ID:uCMtei1t.net

しずく「…………」

しずく「かすみさんから聞いたの……」(観念した顔)

かすみ「……はぁ!?」

かすみ「そ、そんなの嘘だよ!!私しず子に話してないもん!!」

しずく「愛さんのお店で、かすみさんが話してくれて」

かすみ「だ、だから違うって!!」(食い気味)

かすみ「っていうか!!愛先輩のお店って言ったらやっぱりさくら先輩じゃん!!」

しずく「うん……」

しずく「その『さくら先輩』って、私なの……」


かすみ「…………」


かすみ「えっ、何言ってんの?」

しずく「……何週間か前に、愛さんから『変装してウチの店にバイトしに来て』って電話で言われて」



428: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:33:09.08 ID:uCMtei1t.net

しずく「その時は、変装の意味がわからなかったんだけど……バイト当日に愛さんのお店に行ったら、かすみさんがいて」

しずく「愛さんから、かすみさんの悩みを聞き出して解決してあげてほしいってお願いされたの」

しずく「で……私に変装させた理由は、その悩み事っていうのが私や愛さんには話せない内容みたいだったから」

しずく「かすみさんが話せるように、私に第三者のふりをさせるためだった、っていうことがわかって」

しずく「それで……私が『さくら』っていう架空の相談員になりきって、かすみさんの話を聞くことになったの……」

かすみ「…………」


かすみ「は…………」




かすみ「はあああああああああ!?!?!?」




しずく「…………」



429: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:38:47.87 ID:uCMtei1t.net

しずく「……騙してごめんなさい」ペコリ

しずく「そこでかすみさんが同棲したがっていることを知ったから……心の準備ができちゃったの」

かすみ「」ポカーン

しずく「それから……さっき私が言った、『バイト先で芸能界の話を聞いた』っていうのも……」

しずく「『さくら』になりきった私が……愛さんのお店でかすみさんから聞いた、ということです……」

かすみ「」



かすみ「……!」ハッ


かすみ「さ…………」ワナワナ



かすみ「サイテーだよっ!!!」


しずく「……っ」



431: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:43:11.52 ID:uCMtei1t.net

かすみ「恋人のこと騙すとかありえないんだけど!!!」

しずく「はい……ごもっともです……」シュン

かすみ「っていうか!!!人が秘密にしてることを騙して暴こうとするのがありえないんだけど!!!」

かすみ「そりゃあこれからしず子に色々話すって言ったけど!!!あの時はどうしてもしず子達には話したくなかったの!!!」

しずく「……でも、私は『全てを話す必要はありません』ってちゃんと言ったし、同棲のことはかすみさんが勝手に……」ゴニョゴニョ

かすみ「なんか言った!?!?」キッ

しずく「……なんでもないです」


かすみ「愛先輩もさぁ~……しず子に言いたくないって言ったのになんでこういうことするかなぁ~!!」

かすみ「お節介っていうか!!ホントは騙されてる私を見て面白がってたんじゃないの!?」

しずく「そ、それは違うよ!かすみさんのこと本気で心配して……」

かすみ「っていうかさ!!しず子も断ってよ!!」

かすみ「愛先輩のお願いだからって素直に言う事聞くとか何考えてんの!?」

しずく「う……」



432: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:47:40.58 ID:uCMtei1t.net

かすみ「はぁ~~あ!!すぐそうやって他人にいい顔してさぁ!!」

かすみ「昔からそういうとこ変わんないよねっ!!」

しずく「……っ」カチン

しずく「何その言い方…………っていうか!元はと言えばかすみさんが原因なんだよ!?」

しずく「愛さんのお店でやけ酒したり叫んだり迷惑行為してるって聞いたから!!早く悩みを解決しないといけなかったの!!」

しずく「騙したことは悪かったって思ってるけど!!サイテーなのはかすみさんも一緒でしょ!?」

かすみ「ぐっ……ぐぬぬぬぬぬ」

しずく「なのに愛さんはかすみさんを追い出そうともしないでいつも話聞いてくれて!!」

しずく「それどころか、かすみさんのこと『いいお客さん』だって言ってくれたんだよ!?」

しずく「いつも散々お世話になってるんだから恩を仇で返すようなことしないでよ!!」

かすみ「なっ……何さっ!!愛先輩の肩持っちゃって!!」

かすみ「そんなに愛先輩のことが好きなら愛先輩と付き合っちゃえばいいじゃん!!」

しずく「っ!?……ちょっ、ちょっと何言ってるの!?確かに好きだけどそういう意味じゃ……」



433: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:52:13.43 ID:uCMtei1t.net

かすみ「あれでしょ!?心配性なしず子のことだから私みたいに収入が安定してない人より愛先輩の方が将来的に安心なんでしょ!?」

しずく「だ、だから違うってば!」

かすみ「ふーんだ!!かすみんがトップアイドルになって億万長者になるって信じてないんだ!!」

しずく「か、かすみさん!話が変な方向に行ってるけど……」


かすみ「それなら、もう……」



かすみ「……しず子とは、離婚だからぁぁぁぁ!!」ダダダダ



しずく「えっ!?!?」

しずく「り、離婚って……まだ一緒に住んですら……」

しずく「って待って!!や、やだっ!!」ダダダダ(追いかける)



434: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 21:57:26.03 ID:uCMtei1t.net

●「同棲に至った経緯 エピローグ」


――――――――――
――――
――


~~回想おわり~~


しずく「という感じで、大ゲンカになったんだけど……」

しずく「その…………かすみさんに……歯の浮くようなセリフを言ったりして、なんとかなだめて」

しずく「最終的に『同棲の話がすぐに進んだから結果オーライ』っていうことで納得してもらえたの」

璃奈「…………」

しずく「それに、かすみさん自身も愛さんにお世話になってた自覚はあったみたいだったから」

しずく「迷惑をかけてたことや愛さんを悪く言ったことを反省して……私も色々反省して、仲直りして……」

しずく「あ、かすみさんはその場の勢いで悪く言っただけで本心じゃないからね?」

璃奈「大丈夫、わかってるよ」



435: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:03:07.81 ID:uCMtei1t.net

しずく「でも……それからしばらくはケンカや揉め事がある度に、『変装……』って小声で言われることがあって」

しずく「だから、ほとんど私が折れることになっちゃって大変だったかな……」

璃奈「それはそれは……」

しずく「もう大分前から言わなくなったからいいんだけどね」フフッ


しずく「ということで、これが同棲することになった理由というか…………理由になってるかな」

璃奈「うん、よくわかったよ」コクリ

璃奈「話してくれてありがとう」

璃奈「……ここまで詳しく話してくれるとは思わなかったけど」

しずく「う……だって、璃奈さんからの期待の眼差しがすごいから……」

璃奈「あ、期待通りすごく面白かったから大丈夫」パチパチ

璃奈「感動的で……(かすみちゃんもしずくちゃんも相変わらず面倒くさくて)二人らしいなぁって思った」ウンウン

しずく「……今、明らかに不自然な間があった気がするけど……まぁいっか」



436: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:07:41.81 ID:uCMtei1t.net

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マンション入り口


璃奈「おぉ……ここに二人が住んでいるんだね」ワクワク(マンションを見上げる)

しずく「かすみさんの事務所が契約してるから、私達名義じゃないんだけどね」

璃奈「事務所の人達、しずくちゃんのことわかってくれて良かったね」

しずく「本当にそうなの」ピッ …ガー(エントランスのドアをカードキーで開ける)


しずく「引っ越しの時も、すごくお世話になって」スタスタ

しずく「マネージャーさんから『情報漏洩のおそれがありますから、引っ越し業者は使わないでください』って話があった後」

しずく「どうしようかなって考える間もなく『こちらでトラックや人材の手配をします』って言われた時は驚いたよね……」

璃奈「さすが大手……色々手厚い」

しずく「大きな家電は新しく買うことにしてたから、そこまで運ぶ物も無かったんだけど」



437: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:13:51.70 ID:uCMtei1t.net

しずく「私まで、マネージャーさん達には頭が上がらなくなっちゃった……」

しずく「これからは事務所にできるだけ迷惑をかけないように、かすみさんにも厳しく言っておかないと」ムムム

璃奈「……マネージャーさんも、しずくちゃんみたいにしっかりしてる人が恋人で、少しは安心したと思うよ」




しずく「……はい、ここが私達の部屋だよ」(足を止める)

しずく「まだ物とかあまり置いてないから殺風景に感じると思うけど、ゆっくりしてね」ピッ (ドアの鍵をカードキーで開ける)

璃奈「うん」ワクワク


しずく「ただいま」ガチャ

璃奈「……お邪魔します」ドキドキ


しずく「あれ?かすみさんの靴がある……」バタン(ドアを閉める)

しずく「レッスン終わって帰って来たのかな?」



438: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:18:18.13 ID:uCMtei1t.net

しずく「返事がないってことは、多分寝てるかも……」スタスタ(リビングへ向かう)

璃奈「……」スタスタ(しずくに付いていく)



かすみ「……」スヤスヤ(ソファーで眠っている)



しずく「……あ、やっぱり」


しずく「璃奈さん、私買ってきた物の整理をしたいから、かすみさんのこと起こしてもらってもいい?」

璃奈「えっ……でも、疲れてるなら寝かせてあげた方が……」

しずく「気を遣わなくても大丈夫だよ」

しずく「璃奈さんが来てくれたのに、起こさない方が逆に怒られちゃうから」フフッ

璃奈「……そうなんだ」(無表情で喜ぶ)

璃奈「それならわかった」



439: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:22:56.83 ID:uCMtei1t.net

璃奈「……」スタスタ(かすみに近づく)


璃奈「かすみちゃん、起きて」



かすみ「……」スヤスヤ



しずく「声だけだと起きない時もあるから、軽く触ったりするといいかも」(キッチンから話しかける)

璃奈「ん」コクリ

璃奈「……」トントン(かすみの肩を軽く叩く)



かすみ「……ん~?」ウトウト



かすみ「……」…ムクッ ウトウト(上半身を起こす)



440: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:27:19.11 ID:uCMtei1t.net

かすみ「しず子、おかえりぃ~……」ギュー ウトウト

かすみ「聞いてよ~……今日のレッスンさ~……一番怖い先生でさ~……もっのすごく怒られて~……」スリスリ ウトウト

かすみ「帰ったらすぐしず子にナデナデしてもらいたくて~……急いで帰…………って、あれ?」パチッ(目を開ける)


かすみ「……なんか、いつもと感触が」スッ(体を離す)


璃奈「…………」


かすみ「…………」



かすみ「うわぁぁぁぁぁぁ!!!///」

璃奈「……勝手に抱き着いてきて、その反応は無いよね」

かすみ「り、りな子!なんでいるの!?!?///」



441: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:31:41.59 ID:uCMtei1t.net

璃奈「しずくちゃんと外で会って、部屋に入っていいって言ってくれたから」

かすみ「そ、そっか……///」バクバク


しずく「もう……璃奈さんは荷物を運ぶのを手伝ってくれたのに」スタスタ

しずく「抱き着いて悲鳴を上げるなんて失礼だよ」ムゥ(←内心面白くない)

かすみ「あ、おかえり///……って!他の誰かが来ると思わなかったんだから仕方ないじゃん!」


璃奈「…………」


璃奈「いつも、しずくちゃんに抱き着いてるんだね」

かすみ・しずく「……っ!///」ギクッ

璃奈「……二人とも、仲良くしてるみたいで良かった」

璃奈「ごめんね、新婚生活邪魔しちゃって」


かすみ・しずく「えっ!?!?!?///」



442: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:37:25.54 ID:uCMtei1t.net

璃奈「……そういうことだから、私帰るね」

璃奈「私がいると、いちゃいちゃできないと思うから」スッ(振り向く)

かすみ「まっ、待って!!違うから!!///」ググググググ(璃奈を必死に引き留める)

かすみ「りな子が来てくれて嬉しいからっ!!帰らないでよ!!///」ググググググ

しずく「そ、そうだよ!///ほら!今からお茶出すから色々お話しよう!ね!?」


璃奈「……」ホッ



――――
――


璃奈「これからも遊びに来るつもりだから、むやみに抱き着いたりしないように気を付けてね」

かすみ「……うん///」カァァ

しずく「ふふ……いつでも来てね」



443: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 22:46:06.84 ID:uCMtei1t.net

<同棲編(五年後~)の設定+α>

※ただの補足事項のため、細かいこと気にしない方は読まなくても大丈夫です
 「同性が同棲することは現実的に厳しい」、「若手アイドルがそこまで収入あるのか?」等の意見や疑問があっても流してください


かすみ
虹ヶ咲学園卒業後、大手芸能事務所に所属。
同棲前は実家に住んでいた。
同好会時代にそれなりに活躍していたこともあり、ドルオタ界隈での知名度は高くファンも多い。
デビューしたての頃は同棲資金を確保するためにバイトを複数掛け持ちしていたが、
ライブやイベントが増え忙しくなってきたこともあり、現在は外部のバイトはしていない。
ただしそれでも月々の収入が安定しないため、事務所内でバイト(雑用等)をすることがある。

しずくと同棲するために、恋人がいることを事務所にカミングアウトした結果、当然のことながらマネージャー達とかなりもめた。
最終的に、相手が同性という理由で一応不問にはなっている。……が、事務所側としてはかすみが恋人に関することを
うっかり口を滑らせないか不安に思っているので、テレビ出演に関してはフリートークがメインの番組等はNGにしている。
(ラジオや動画の配信等は台本を用意するため現状問題なし。)
仕事関係で飲み会がセッティングされた場合も必ずマネージャーが付き添い、絶対にお酒を口にしないように監視されている。
かすみ的にはもっと知名度を上げたいと思っているので、事務所のそういったやり方に不満を抱いているが、
しずくとの同棲を許可し、その上新居の手配をしてくれたことに深い恩義を感じているため、
最近はマネージャーや事務所に対してあまり直接文句を言わないようにしている。

言わずもがな、同棲生活を満喫中。幸せすぎてしずくに対して昔より素直になっている。
パン作りや創作料理が趣味で、しずくが忙しい時や自分が休みの日はしずくのためにお弁当を作ることもある。



444: 名無しで叶える物語 2021/10/07(木) 23:01:12.11 ID:uCMtei1t.net

しずく
虹ヶ咲学園卒業後、演劇の大学(四年制)に進学。
大学の実習等で夜遅くなることを考慮し、同棲前は親元を離れて一人暮らしをしていた。
特待生であり、大学の学費一部免除+給付型の奨学金を支給されているためお金にはそこまで困っていない。
大学のツテで舞台スタッフのバイトをしたり、映像作品のエキストラとして出演することでお金稼ぎ&人脈を作っている。
シニア犬であるオフィーリアに会いに行くためによく帰省している。(同棲前も同棲後も)
息抜きの時間を設けることを意識はしているのだが、心配性が発動してしまいつい勉学や台本読みに夢中になってしまうことがある。


璃奈
虹ヶ咲学園卒業後、国立の工業大学に進学。
相変わらず表情が読めないため、発言が本気なのか冗談なのかわからないことがある。
元々かすみに辛辣だったが、最近はすぐノロケたりいちゃつき始めるしずくにも辛辣になってきた。
とは言え、忙しいはずの二人が自分のために時間を作って会ってくれることに安心と喜びを感じている。
愛とは違う大学だが、よく会っている。



虹ヶ咲学園卒業後、璃奈とは別の国立大学に進学。
夜に実家の店を手伝っている。
かすみがよく店に愚痴をこぼしに来るが、いつも嫌な顔せずに付き合ってくれる聖人。









元スレ
かすみ「しず子は世話が焼けるし面倒くさい…………えっ!かすみんも!?」【短編集・他】