1: フィクションです。生えてないし生えません 2021/11/27(土) 13:40:01.71 ID:PT7izLGC.net

 侑ちゃんとかすみちゃんが結婚してから5年が経った。侑ちゃんが23歳、かすみちゃんが22歳の時の結婚だったから私はもう28歳になっちゃった。
 
 私は今、一人でお花屋さんを経営していた。元々お花は好きだったし、お花に囲まれていると荒んだ心が和らぐような気がしたからこの職を選んだ。

 特に何かやりたいこともないから、一日中働いて帰ったら寝て、また起きて働く。そんな毎日を過ごしていた。休みにしても一日中ぼーっとしてるだけだから、まだ働いて動いている方が健康だと思った。

 そんな日々を送っているとき、一つの連絡が届いた。


『久しぶりに、会えませんか?』


歩夢「────」

 



3: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 13:42:44.58 ID:PT7izLGC.net

……

カランコロン

歩夢「……」

かすみ「あ!歩夢先輩、こっちです」フリフリ    

歩夢「────」

 お店に入ってすぐ目に着くところに、彼女はいた。最後にあった時からまるで変わっていない……ううん、むしろずっと綺麗になっていて……それでいて〝あの頃〟の可愛さも残っていた。

 かすみちゃん。高咲───かすみちゃんだ。

歩夢「久しぶり、かすみちゃん」ニコ

かすみ「えへへ、お久しぶりです!それじゃあ、奥の個室にいきましょうか」クル

フワ

歩夢「────!」

 振り向き様、かすみちゃんからほのかに漂ってきた懐かしい匂いに私は目が眩みそうになってしまった。

 かすみちゃんからは、私が昔から一番好きな香り……侑ちゃんの匂いがした。
 



5: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 13:44:28.20 ID:PT7izLGC.net

 個室に移動してからは、特に何か重要なことを話すというわけじゃなくてお酒と食事を交えながらお互いの身の上話や近況を話し合った。

 かすみちゃんと侑ちゃんは現在、婦婦でパン屋さんを経営しているらしい。
 
 私が最後に二人と会った結婚式の時はまだかすみちゃんは研修生として働いていたし、侑ちゃんはフリーの作曲家をしていたので時の流れを感じちゃった。

 そして一時間くらい経った時、すっとかすみちゃんの雰囲気が切り替わったように感じた。

かすみ「……歩夢先輩」

かすみ「今日歩夢先輩をお呼びしたのは……話したいことがあったから……なんです」

歩夢「……うん」

 分かりきっていた。いきなり私と二人で話したいだなんて何かあるに決まってる。それがなんなのか気になるから今日来たようなものなんだし。

 でも、次にかすみちゃんの口から出た単語に……私は驚きを隠すことができなかった。


かすみ「歩夢先輩……代理出産って……ご存知ですか?」

歩夢「え……」

歩夢「代理出産?」



7: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 13:47:42.23 ID:PT7izLGC.net

かすみ「……できないんです、子供」ボソ

歩夢「……!!」

かすみ「最初は、そう簡単にはできないよねって二人で話してたんです。でも、何年経っても……あまりにも……」

かすみ「それで調べたんです。何がいけないのか」

歩夢「……」

かすみ「……私でした」

かすみ「侑さんじゃなくて、私の身体が……赤ちゃんを作れるものじゃなかったんです」

歩夢「────」

かすみ「それからずっと、色々なお医者さんに診てもらったり……普段の生活でもできることは全部やってきました……」

かすみ「でも……ダメなんです……」ツ-

かすみ「先日……とうとう懇意にしていただいているお医者さんに言われたんです」

かすみ「治療は、諦めた方がいいって……」ポロポロ

かすみ「そして、違う手段のことも……」

歩夢「それが……」



8: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 13:50:01.13 ID:PT7izLGC.net

かすみ「……はい。代理……出産……です」


歩夢「……」



9: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 13:50:16.57 ID:PT7izLGC.net

歩夢「それは……つまり、侑ちゃんとかすみちゃんの胚を私に……ってこと……だよね?」

かすみ「いえ、そもそも。それすらも私たちじゃできないんです」

歩夢「えっ……じゃあ、どうやって……」

かすみ「……」

かすみ「侑さんの精子と……歩夢先輩の中に入れる……という手段です」

歩夢「ぇ……そ、それって……」

 侑ちゃんの精子を私の中に入れるって……つまりそれは────

かすみ「────歩夢先輩に……侑さんとの子供を作って欲しいんです」

歩夢「私が……侑ちゃんの……」



18: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 13:54:15.64 ID:PT7izLGC.net

 同性愛が、一般的に認められて結婚をも許されるようになったのは私が高校三年生の時だった。

 当然、国民全員が全員肯定的なわけじゃなかった。同性婚による出生率の低下、少子化……否定派はみんな口を揃えてそう言った。

 だけどそこで、ある人が根底を覆す研究を世界中に発表した。

 研究内容は、生殖細胞の変換を可能とするものだった。女性に精巣を、男性に卵巣を作るということを命の危険を共わなずできるというその研究は世界中を震撼させた。

 そうして、同性間による恋愛も、結婚も今では当たり前のようになっていて……子供を産んでいるという家庭も普通の男女間と変わらないくらいだ。

 ただ一つ、デメリットのようなものといえば一度手術を行ってしまうともう元には戻れないってことだ。女性はもう子供を孕むことはできないし、男性は誰かを孕ますことはできなくなる。

歩夢(手術……本気で、考えたことあったな……。そして、●●●●にでも●●●●を──────)

かすみ「……歩夢先輩?」

歩夢「あ!ご、ごめんね」

かすみ「いえ、いきなりこんなこと言われたら……やっぱり放心しちゃいますよね」



19: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 13:57:18.04 ID:PT7izLGC.net

歩夢「かすみちゃんは……いいの……?」

歩夢「そもそも、侑ちゃんだって……」

かすみ「……二人で、話し合ったんです」

かすみ「このまま、二人で幸せに暮らしていくことだって全然できる。それでもじゅうぶんすぎる」

かすみ「……でも、私は……侑さんと一緒に、子供を育てたい……二人で一緒に愛を育みたいんです……」

かすみ「それに……私のために、子供を作るために手術までした侑さんの覚悟を……無駄にしたくないんです」



22: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 13:59:29.43 ID:PT7izLGC.net

歩夢「……侑ちゃんは、このこと……今日、私に会うことは……」

かすみ「もちろん、言ってます。最初は、侑さんが行くって言って……でも、どうしても私一人で歩夢先輩と話したかったんです」

歩夢「どうして……私に……?かすみちゃんはそれで……」

かすみ「……歩夢先輩だから、です。歩夢先輩じゃなきゃダメです。嫌です」

歩夢「……」

かすみ「私と侑さんが一番信頼している歩夢先輩が……」

かすみ「私たちのことを心から応援してくれて、支えてくれていた歩夢先輩だから」

歩夢「……」

 違う。応援なんかしていない。私は、ずっと──────

かすみ「だから……お願い、します……」

歩夢「……」


歩夢「……うん。わかった」

 そうだ、迷うことなんてない。二人が困ってる。助けになってあげないと。

 それだけの、ことなんだから。



25: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:04:18.88 ID:PT7izLGC.net

……

かすみ「それでは、また連絡します」ペコ

歩夢「うん」

テクテク 

歩夢「……代理出産、かぁ……」

テクテク

通行人「!?」ギョッ

歩夢「……」テクテク



27: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:09:35.03 ID:PT7izLGC.net



 一週間くらい経ったある日の夜、とうとう連絡が来た。かすみちゃんからではなく……侑ちゃんから。

 侑ちゃんと連絡を取り合うのも、結婚式以来一切していないから本当に懐かしい。でも文面が昔より落ち着いて大人っぽくなっちゃってるのは悲しいな。

歩夢「……」スッスッ

 侑ちゃんからのメッセージは一度遊びに来て欲しいとのことだった。実はこのお誘い自体は結婚してから何回か来ていたんだけど、私は返信もせずただ既読だけつけていた。

 お誘いも半年後くらいにはこなくなった。それからは侑ちゃんからも何も連絡は届かなくなった。

歩夢「さすがに……返信しないとね」

 日程、時間はどこでもいいとだけ送っておいた。自営業はこういう時楽だからいい。

『それじゃあ、来週の水曜日でいいかな?うちは水曜日は定休日なんだ』

『うん、分かった。それじゃあ水曜日に』

歩夢「……ふう」

 来週、侑ちゃんに会う。

 そう思った瞬間、世界に色が灯ったように感じた。



33: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:24:07.92 ID:PT7izLGC.net

……

 教えてもらった住所には、大きいとはいえないけれど、優しい雰囲気がするパン屋さんが建っていた。二人で頑張って買って、パン屋さん兼自宅なんだそうだ。

歩夢「……」ゴク

ガチャ

侑「!いらっしゃい!歩夢!」パァ

歩夢「っ……!侑、ちゃん……」
 
侑「会いたかったよ……!ずっと……!!」ガシッ

ギュッ

 あの頃のように、瞳を輝かせて私の手を握ってくれた。この温もり、絶対に忘れるはずもない……大好きな侑ちゃんのものだった。

歩夢「私も……ごめんね、連絡もらっていた時は……都合が合わなかったり……して」

侑「ううん、仕方がないよ。あの時期は歩夢も社会人になったばかりだったんだし」

侑「私も、新婚だからってつい浮かれちゃって……」

歩夢「あはは……」

侑「さ、どうぞ!上でかすみが待ってるから」

歩夢「っ……ぅ、うん!」



34: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:25:51.91 ID:PT7izLGC.net

かすみ「歩夢先輩、いらっしゃい!」

歩夢「こんにちはかすみちゃん。エプロン、似合ってるね」ニコ

かすみ「えへへ、ありがとうございます。今日はご馳走たくさん用意したのでお楽しみください」

侑「かすみってばすごく頑張ってたんだよ?絶対おいしいよ!」

かすみ「ゆ、侑さん!そういうこと言わないでください///」プンプン

侑「あはは、ごめんごめん」

歩夢「……ふふ、楽しみだなあ」



37: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:32:10.92 ID:PT7izLGC.net

 実際、かすみちゃんの料理はどれも本当に美味しかった。自炊もしないで必要最低限の食生活を送っていた身体に染み渡るようなそんな感じがした。

侑「~♪」パク

 侑ちゃんが、幸せそうに料理を食べている。毎日食べているはずなのに、そんなに喜べるなんて……きっと食事のたびに幸せを噛み締められているんだなぁ。

かすみ「どうですか歩夢先輩……お口にあいますか?」

歩夢「うん!……とっても美味しいよかすみちゃん」

侑「ね!?ね!?かすみのご飯すっごく美味しいでしょ!?世界一だよ~!」



38: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:33:22.35 ID:PT7izLGC.net

侑「もう美味しさで言ったら彼方さんの上をいってるよね!」

かすみ「えぇ~、流石に本業のお弁当屋さんに比べられるのは……」

侑「ほんとだよ!少なくとも……私にとってはかすみの料理が世界一美味しく感じるもん!」

かすみ「も、もう……///おかわり持ってきますね!」タタタ

歩夢「……」

 私は、何を見せられているんだろう。



41: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:39:44.71 ID:PT7izLGC.net

侑「歩夢が持ってきてくれたお花も飾るだけで部屋が華やかになったし更に美味しく感じるよ~」

かすみ「さすが歩夢先輩です!私もお花買ってきたことあるんですけどうまくいかなくて……」

歩夢「えへへ、喜んでもらえたならよかったよ。私のお店でも人気のあるお花なんだ」

かすみ「お花のことよく知らないですけどアネモネってちょっとオシャレですもんね~人気なのわかる気がします」

侑「歩夢みたいな美人さんがいるお花屋さんなら私ならどんなお花でも買っちゃうと思うけどな~」

歩夢「うふふ、毎日通ってくれてもいいよ?」ニコ

かすみ「むー、歩夢先輩てば商売上手なんだから」

侑「ウチも負けてられないね!かすみ」

三人「あははは」



47: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:44:27.61 ID:PT7izLGC.net

 なんて、しばらくはそんな楽しい会話が私たちの中では続いた。本当に、楽しかった。こんなに笑うのなんて本当に何年ぶりで……

 もうこのまま、終わりたいって思った。このまま楽しい気持ちのまま、お話ししてご飯を食べて……それで帰ったらこの楽しい思い出を糧に明日から頑張ろう。

 それが、一番良いはずなのに……

侑「……」

かすみ「……」

 侑ちゃんとかすみちゃんが目配せをしていたのを、見逃さなかった。ああ、もうこの楽しい時間が終わるんだな。

侑「────歩夢、出産の……話なんだけど」

歩夢「……うん」



49: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:45:54.41 ID:PT7izLGC.net

侑「……私は、正直気が進まない。……これは違うような気がするんだ」

侑「実際、この方法は使われているし……多くの人が救われているのも分かってる」

侑「でも……かすみ以外の子と、カラダを重ねるなんて……」

 かすみ以外の子、かぁ……本当に……もう私でさえ、十数年も一緒に過ごした幼馴染でさえもかすみちゃん以外の“その他”扱いなんだ。

かすみ「侑さん!言ったじゃないですか!私はそんなこと気にしないって!」

侑「それに、歩夢だって……」

歩夢「え……?」



51: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:48:41.22 ID:PT7izLGC.net

侑「歩夢だって……気は進まないよね」

侑「歩夢がいい子なのは私が一番よく知ってるし、私たちを一番近くで応援してくれた歩夢だからこそ私たちの頼みを断りづらいことも分かるもん」

歩夢「……」

侑「歩夢だって……本当はしたくないでしょ?だって……私とだよ?」

歩夢「え……?」

侑「ずっと一緒に育ってきて、もう家族みたいに思ってたんだもん。それなのに……カラダを合わせるなんて」

歩夢「──────」



56: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 14:53:29.30 ID:PT7izLGC.net

 家族みたい、か……ずっと……そう思ってたんだね。すれ違うはずだよ。私はずっと……

歩夢「────ううん、私は大丈夫。協力したいの……二人の幸せのために」

侑「歩夢……」

 嘘をつくのは慣れてる。高校生の時からずっと……。でも、侑ちゃんが幸せならそれで良いっていうのは本当だよ?なのに……

 どうしてそんなに困った顔をするの?侑ちゃんは……そんなに私と……私のことを……

侑「……」

 一瞬、侑ちゃんの視線がかすみちゃんの方へと向けられる。かすみちゃんは、俯いていてその視線には気付かなかっただろうけど。

侑「……わかった」

侑「……ありがとう、歩夢。私たち婦婦の為に」


侑「じゃあ────これからの、話をしよう」


 私たちの……歪んだ関係が始まった。



79: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 16:45:30.60 ID:PT7izLGC.net



侑「お邪魔します……」

歩夢「どうぞ。何もない部屋だけど……」

侑「あはは……」

侑「……」

歩夢「ふふ、どうしたの?そんなに緊張して。昔は私の部屋のこと自分の部屋同然に思ってたのに」

侑「いや、昔と比べるのは……だってもう私たちは大人で、あの隣同士の団地住まいでもないんだし」

 嫌だ、やめて。そんなこと言わないで……私は何も変わってないのに、あなたは変わるなんて。

 置いてかないで、あの頃のように、ずっと隣で私と変わらない侑ちゃんでいて────

歩夢「……とりあえず、お茶……入れるね?」



80: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 16:52:22.74 ID:PT7izLGC.net

 最近買ってきたばかりのお茶を淹れながら心を落ち着かせる。緊張と、数年ぶりのお茶淹れだからか少し震えてしまう。

 一人暮らしを始めてからお茶なんて淹れてもなかったし水ばかり飲んでたから侑ちゃんのお口に合うのか不安だなぁ……

歩夢「はい、どうぞ」

侑「ありがとう」

侑「んく……」

侑「うん、おいしいよ歩夢」

歩夢「ふふ、よかった」

 ああ、良かった。私はもう味なんて分からないけれど、侑ちゃんの笑顔がみれたのならそれ以上に嬉しいことはないよ。



83: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 17:29:47.84 ID:PT7izLGC.net

 今日は、私たちの“ハジメテ”の日だ。三人で話し合い、日程、場所も三人で決めたものだ。

 日程は、私に負担をかけないように最低限の回数で済むように私の周期に合わせて組まれて、場所は私が落ち着けるように私の自宅で行われることになっている。

 まあ、場所に関しては二人の家で……というのは流石にマズイし(私は気にしないけれど)ホテル、というのも誰にも見られるか分からないという危険もあるので消去法みたいなものだけど。

 侑ちゃんは今日、このまま泊まっていくことになっている。この決まりは侑ちゃんから言い出したことだ。少し時間を置いてから帰らないとかすみちゃんに合わす顔がないからって。

 かすみちゃんはそんなこと気にしなくていいって言ってたけど……私的に不都合はないから特に何も言わなかった。むしろ……

侑「……」

歩夢「……」

 沈黙が続く。聞こえるのはお茶を啜る音と、時計の針の動く音だけ。侑ちゃんはまだぎこちないし、そわそわとしてる様子なのが丸わかりだった。



84: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 17:35:58.20 ID:PT7izLGC.net

侑「……!!」

歩夢「侑ちゃん?」

 沈黙の中、侑ちゃんが勢いよく立ち上がった。急すぎてびくっとしちゃった。どうしたんだろう?お手洗いかな?

侑「歩夢、シャワー……借りても良いかな」

歩夢「……」

 その言葉を聞いて私は、一瞬なんのことかわからなかった。だけど数秒固まった後その意味を理解した。

 “そういうこと”なんだって。

歩夢「うん。わかった」

侑「どっち……先に入る?」

歩夢「お先にどうぞ。私は……その、色々準備するから」

歩夢「……ベッド、とか……」

侑「っ!わ、わかった!ありがとう!」

 顔を赤くし、そさくさと浴室に向かう侑ちゃん。すぐに浴室からはシャワーの流れる音が聞こえた。

歩夢「……よし、私も……準備しないと」



89: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 17:59:26.68 ID:PT7izLGC.net

……

侑「シャワー、ありがとう」

歩夢「っ……!う、ううん。それじゃあ私も入ってくるね」

歩夢「冷蔵庫の飲み物は好きなもの飲んで良いから」

 シャワーから上がった侑ちゃんは、バスタオル一枚だけ巻いて出てきた。お湯を浴びて色艶帯びた肌に、うっすらと纏わりつく湯気が私の情欲をそそらせた。

 はやく、はやくそのタオルを剥いで……ありのままの侑ちゃんがみたい。それだけが私の頭の中を支配していて、1秒でも早くシャワーを済ませたいという気持ちが駆け巡る。



90: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 18:00:05.89 ID:PT7izLGC.net

歩夢「お待たせ……」

侑「あ、うん……」

 あまりにも早く出たら侑ちゃんに普段からそんなに早く出ているのか、不潔じゃないのかって思われちゃうから早く出たい気持ちを抑えつつ、侑ちゃんの熱が冷めないくらいの時間で浴室を出た。

 私の姿も、侑ちゃんと同じタオル一枚だけを巻いている状態で……侑ちゃんはそんな私の姿を見て顔を赤く染めていた。

 嬉しい。嬉しい!それって私のことを意識してくれてるってことだよね?あんなこと言っておきながら、私のこと“女”として見てるってことだもんね。

 高まる気持ちを顔に出さないように必死になりながら、侑ちゃんが腰掛けているベッドに私もゆっくりと座った。もちろん、隣に。



94: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 18:05:48.17 ID:PT7izLGC.net

侑「……」

歩夢「……」

侑「いつ、以来だろうね」

歩夢「え?」

侑「歩夢と、こんな風に同じベッドに座るなんて」

歩夢「────」

歩夢「ふふ、ほんと……いつぶりだろうね」

侑「あはは、昔は二人でお泊まり会たくさんしたもんね」

歩夢「お泊まり会って言っても家隣だからただの部屋移動みたいな感覚だったけどね」

侑「えへへ、だよね」

 嘘だ。覚えてる。最後にお泊まり会をしたのは……あの日。

 ────侑ちゃんが、かすみちゃんと付き合う前日。

 忘れるわけ……ないよ。



96: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 18:09:25.37 ID:PT7izLGC.net

侑「……歩夢」

歩夢「……うん」

 ばさりと、私たち二人に巻かれていたタオルが解け……お互いに生まれたままの姿になった。数年ぶりにみた侑ちゃんの裸体は私の知るものよりずっと成長していた。スリーサイズは多分どれも上がっていて、体つきもしっかりとしていた。

 ……こんなに変わるまで、かすみちゃんと……ううん、今はそんなこと考えちゃダメ。だって今からこのカラダは全部……私の……

歩夢「……触っていい?」

侑「……」

侑「うん……」

歩夢「私も……いいから」



100: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 18:27:09.71 ID:PT7izLGC.net

侑「……」ゴクリ

モミュ

歩夢「んっ……ぁ……」

 抑えようとしているのに、声が出てしまう。ただ胸を揉まれているだけなのに今まで感じたことのないほど強烈な快楽が私を襲う。

 力一杯私の胸を揉みほぐし、ときおり先端を擦るように撫でるその動作は手慣れているようで悲しさも感じたけれど今は頭の中が快楽を優先させていたから大丈夫だ。

 私も侑ちゃんを気持ちよくしてあげないと、もっと動かさないと……そうしたいのにカラダが初めての快楽に支配されて思うように動くことができない。

歩夢「っ……」

 だめ、ダメダメダメダメ。受け身なだけじゃ、私も、侑ちゃんを……!

侑「んっ……!?あ、ゆむ……んぁ……」

 腕が上手く動かせないから、私は口を使った。快楽で唾液が止まらない、ぐちょぐちょの口内に侑ちゃんの綺麗だけど……昔より色が薄くなった乳首を含んだ。



103: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 19:05:57.07 ID:PT7izLGC.net

侑「ゃ……ん……あゆ……む……っ」

歩夢「んむ、ちゅ……んむ……ゆう……ちゃん」

 二人の吐息がどんどんと大きく、そして官能的になってきたのが分かった。この静かな部屋には私たちしかいないのだからどんな小さな音も聞き逃さない。

 私は侑ちゃんの口から漏れるその熱い吐息の音に興奮していた。侑ちゃんも、私から発せられている卑しい音にきっと同じことを感じているのがなんとなく分かった。


 そんな、熱い吐息とぐちょぐちょとした音だけが響く時間を十数分過ごした私たちは……とうとう、“本番”の時を迎えた。



104: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 19:11:52.46 ID:PT7izLGC.net

侑「じゃあ……歩夢、その……」

歩夢「うん……」

歩夢「きて……侑ちゃん」

侑「……」

 ゆっくり、侑ちゃんは私を押し倒して……覆い被さるように私に乗った。心臓が爆発してしまいそうなほど私は上がっていた。

 夢にまで見た、夢でしかみれないと思っていた状況に私は今置かれているのだから。

 だから……つい、言わなくてもいいことを言ってしまった。


歩夢「“ハジメテ”だから……優しく……してね?」

侑「………………えっ」

歩夢「?」


侑「……嘘、だって……歩夢は……もう違うからって……」

歩夢「侑ちゃん……?」

侑「かすみからそう聞いて……だから、私は……」

侑「だ、だめだ……こんなの……!」

歩夢「!?」



107: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 19:28:04.40 ID:PT7izLGC.net

侑「は……初めてって……すごく大切なことなんだよ。こんな形でそれを歩夢から奪うなんてできないよ……」

歩夢「……」

 迂闊、だった。かすみちゃんと会ったあの日……そういう話になった時、酔いが回っていた私は見栄を張って付き合った経験も、そういった行為をしたこともあると口にしてしまった。まさかそれがこんなところで……

 だけど、ここまできて終われるわけがない。暗くて、深い穴底まで落ちた私に訪れた奇跡に等しいこの好機を……こんなところで、そんなどうでもいいことで潰してたまらないよ。

歩夢「侑ちゃん」

侑「!?歩夢……!!」

 青ざめた侑ちゃんを逃さないように、がっちりと足を侑ちゃんのカラダに絡み付ける。侑ちゃんは慌てて離れようとするけどそうはさせない。

 ────絶対に、逃さない。

 足に全ての力を込めて、侑ちゃんを縛り付ける。淫に絡み、ギチギチと音を鳴らすその動きをみて、我ながらまるで蛇みたいだなと思った。



118: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 20:06:40.88 ID:PT7izLGC.net

侑「だ、だめっ……こんんむっ!?」

歩夢「ん……じゅぅ……」

 うるさい。そんな口は塞がないとね。

侑「ん……ぁ……んん……」

歩夢「大丈夫。大丈夫だから……ね?」

歩夢「……ほら、侑ちゃんもえっちな顔になってきた。もう我慢できないよね?」

歩夢「……いいよ、きて」

侑「あゆ……むぅ……ん、ちゅっ」

歩夢「……ね?おねがい……♡」

 足を解き、私の……誰にも……それこそ侑ちゃんにも見せたことのないような所を、くちゅくちゅとした瑞々しい音を立てながら指で広げる。

 恥ずかしい、恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!広げられたソコはもうお漏らしと大差ないくらいの愛液で溢れていて、現在進行形でツーっと垂れている。そして意識することなく開閉を繰り返し、ヒクヒクとしているソレはもう下品といっても過言ではない。

 それでも、私はこの恥ずかしい姿を侑ちゃんにも見せたい。私の全部を、見てほしい、受け入れてほしいから。

 これでも、駄目なら私はもう潔く────

侑「あゆ、あゆむぅ……!!」

 ………………えっ

歩夢「…………ぁ、侑ちゃん……」




 私と侑ちゃんの秘所が、重なった。唇に負けないようなキスをし合うように……



126: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 21:16:56.95 ID:PT7izLGC.net

侑「ん……あゆ……むぅ……♡んちゅ、んん」

歩夢「ゆうちゃん……♡ゆうちゃ……んん♡」

侑「歩夢、あった、かい……唇も……膣内も……!」

歩夢「ゆう、侑ちゃんも……♡気持ちいいよ……」

歩夢「はぁっ……はぁ……♡侑ちゃんは……気持ちいい……?」

侑「うんっ、気持ちいいよ……あゆ……む!!」

歩夢「んんん♡♡!?」

 侑ちゃんの腰がいっそう強く打ち付けられた。その力強さが私の問いへの答えへの裏付けになっているようでとても嬉しい。そして気持ちいい。



127: 名無しで叶える物語 2021/11/27(土) 21:18:27.80 ID:PT7izLGC.net

 ぐちゅ、ぐちゅぐちゅ。

歩夢「ああっ♡」

 私のナカで、侑ちゃんが激しく乱れている。ぶしゅ、ぶしゅと流れ出る愛液が止まらない。侑ちゃんを汚してしまっている。侑ちゃんを────私のモノで染めている。

 私も──────早く侑ちゃんに染められたいな。

歩夢「侑ちゃんっ!」

侑「あゆっ……む!?そんな、急に腰振られたら……!!」

歩夢「きて!私を侑ちゃんで染め上げて♡♡♡」

侑「っぅ……────」

侑(……ほんとうに、これでいいのかな……いまなら、まだ────

歩夢「……侑ちゃん」

歩夢「────イッて♥︎」ボソ  

侑「ぁ──────」プツッ

侑「ぁ……あああっ!!」ビクッ      
  

ブシュッ!ビュルビュル!



170: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 09:49:56.58 ID:GD+lR7F8.net

 生暖かくて、とろりとした飛沫が私の顔を汚していく。侑ちゃんが、私で気持ちよくなってくれた証が私を染め上げている。

侑「あっ……あ……」ビクッ

歩夢「!」

 潮吹きで気をやり、ピクピクとしていた侑ちゃんが突然大きく震える。

侑「だ、だめ……や……」

チョロ……チョロチョロロ

侑「やだ!と、止まってよ!や……み、みないで歩夢!」

歩夢「ぁ……侑ちゃん……」ゴクリ

 真っ白なシーツが、瞬く間に黄色に染め上げられる。必死に止めようとしている侑ちゃんだけど、それは無理だろうって分かるくらい勢いは凄かった。

侑「うぅ……やだぁ……こんな、恥ずかしいよ……」

歩夢「……恥ずかしくないよ」

侑「え……?」



171: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 09:54:15.83 ID:GD+lR7F8.net

歩夢「ねぇ、覚えてる?幼稚園の時二人一緒の日にお漏らししちゃったこと」

歩夢「お母さんたちもびっくりしてたよね、こんなことあるんだねって」

侑「……」

歩夢「もう私たちはこんなことで恥ずかしがる仲じゃないでしょ?……たしかに、かすみちゃんの前では侑ちゃんも頼りになる先輩で、お嫁さんじゃないといけないけど……」

歩夢「私の前では……一人の女の子で────いいんだよ?」

侑「──────」

歩夢「……」

侑「……」

 どちらが最初に乗り出したのかは分からないけれど……再び、私たちの唇が重なり合い、夜が更けていく。



176: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 10:17:36.89 ID:GD+lR7F8.net



歩夢「ありがとうございました」

 お店の中のお客さんもいなくなったし……もう閉店時間まで数分だし今日は早めに締めちゃおうかな?

カラン

歩夢「あ────」

 入り口の鐘がなる。お客さんだ。いけないいけない、やっぱりズルはダメなんだね。

歩夢「いらっしゃいま──────

侑「……こんばんは」

歩夢「侑……ちゃん」

侑「……」

歩夢「……」

侑「ごめんね、こんな時間に……もう閉店……だよね?」

歩夢「……」

カチ、カチ、カチ

ゴ-ンゴ-ン

歩夢「うん。たった今閉店時間になったよ」テクテク  

 ドアにぶら下がっていたプレートをcloseに切り替え、鍵を閉める。閉店だから、関係者以外はもう誰も入っちゃダメなんだよ。

歩夢「……かすみちゃんは?」

侑「寝てる……寝てもらってる」

歩夢「……そうなんだ」



178: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 10:25:00.28 ID:GD+lR7F8.net

侑「かすみは大丈夫って言ってたけど……私たちがこうして会っている間……かすみはきっとどこかでモヤモヤとした気持ちになっちゃうと思うんだ。だからせめて、その間は意識を眠らせていた方がいいって……私が頼んだんだ」

歩夢「……優しいね、侑ちゃんは」

 優しい。優しいから……まだ……。

歩夢「……とりあえず、お茶……用意するね」

侑「うん。ありがとう」

……

 まず初めに、あの夜……私の中に生命が宿ることはなかった。それが分かったのは数日前。まあ、不思議じゃないよね。たった一回で赤ちゃんができるなら少子化問題なんて起きないもんね。

 ……そもそも、“できるはずがない”し。

 ふふ。大切な二人のお願いだもん、できるまで……ずっと協力するからね♪



188: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 10:42:53.02 ID:GD+lR7F8.net

~間~

歩夢「はい、お水」

侑「はぁ……ハァ……あ、ありがとう、歩夢」

侑「んく……んく……」

歩夢「侑ちゃんてば、そんなにいきなり飲んだらお腹痛くなっちゃうよ?」

侑「だ、だって結構息切れちゃうし……歩夢は平気なの?」

歩夢「うーん……そうかも?」

侑「うぅ……これじゃまるで私が体力ないみたいじゃん」

歩夢「ふふ、そういうところ可愛いなあって昔から思ってるけどね」

侑「うぅ~……」

歩夢「……でも、その様子的に……」

歩夢「かすみちゃんも……侑ちゃんと同じでひいひいしちゃってるのかな?」

侑「……ノーコメント」

歩夢「ふーん……」



193: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 11:03:34.72 ID:GD+lR7F8.net

歩夢「ん……」

チュ

侑「……!?」  

侑「ぷはっ……あ、歩夢……?」

歩夢「……一回だけじゃ、やっぱり寂しくない?」

歩夢「侑ちゃんたちは……お互いに気をつかってるんだと思う」

侑「そんなこと……」

歩夢「でもさ、私なら気を使う必要ないよ?体力も大丈夫だし……こういう関係だし」

侑「や、やめてよ。関係って……私と歩夢は」

歩夢「ただの幼馴染……とは言えないでしょ?」

侑「うぅ……」ボ-ッ

歩夢「ね?侑ちゃん……もう一回……シよ?」

歩夢「古典的だけど、数撃てばって作戦の為だから」

侑(なんだろう……ボーッとしてきた……)ハァハァ

歩夢「……」



194: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 11:05:05.23 ID:GD+lR7F8.net

ギュ

侑「あ……」

歩夢「……だめ、かな?」

侑「……うん、いい、よ……(あれ……)」ボ-ッ

歩夢「……♡」

歩夢「大丈夫、大丈夫だから……いっぱいシて、早く赤ちゃん産んでかすみちゃんを幸せにしようね」

侑「かすみを幸せに……うん、そうだね」ボ-ッ



199: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 11:32:17.19 ID:GD+lR7F8.net



歩夢「ふんふんふん♪」サッサ

 毎日が楽しい。生きることが楽しい。最近は何をしてもそう感じるようになった。前はお仕事中、特にこんな掃除なんて何も考えないで無心でやっていたのに今はそれさえも楽しいと思える。

 なんだかお店中の花も私の気持ちと重なるみたいに幸せなものを発しているような気がするよ。

カラン

歩夢「いらっしゃいませ~♪」

「こんにちは、歩夢さん。今日もご機嫌が良いみたいですね」

歩夢「あ……こんにちは」

歩夢「────菜々ちゃん」ニコッ



202: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 11:38:54.14 ID:GD+lR7F8.net

歩夢「今日は何を買うの?」

菜々「えっ……?あ、そうですね~今日は……」

歩夢「ゆっくり選んで良いからね?私はお仕事してるから」

菜々「あ……はい……」

歩夢「ツートントントンツーツートン~♪」テキパキ

 菜々ちゃん。……元せつ菜ちゃん(元は変かな)はうちの店の常連さん……らしい。毎日朝に来て何かしらの花を買っていくんだけど正直私はつい最近まではお客さんの顔を見ていなかったし、会話ももちろん仕事上するけれど(種類や用途の説明など)数分もしないうちに忘れていた。

 菜々ちゃんと何か話していたような記憶はぼんやりとはあるけれどはっきりとは覚えてない。毎日来てるって言われてみればそうかもってなるくらい。

菜々「ではこちらを……包んでいただけますか?」

歩夢「うん、わかった……じゃ、じゃなくて!はい、承りました」アタフタ

菜々「────、い、いえ!そんな!普段通りの接し方で構いません!」

歩夢「で、でもお仕事中だし……」

菜々「あはは、気にしませんよ」

菜々「……」  

~~~

菜々『ではこちらをください』

歩夢『はい、かしこまりました。お包み致しますので少々お待ちくださいませ』

シュ、シュ、ガサ

歩夢『お待たせ致しました、お客様。どうぞ』

菜々『……ありがとうございます。歩夢さん』

菜々『また来ますからね』

歩夢『……』ペコ  

~~~



208: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 11:50:44.04 ID:GD+lR7F8.net

菜々「ありがとうございます!では、また」

歩夢「うん、ありがとう菜々ちゃん。また来てね」フリフリ  

菜々「っはい!」

カラン   

 菜々ちゃん、事務員だって言ってたけど毎日花買う必要あるのかな……?それも事務員の仕事なのかな?

歩夢「雑務みたいなの押し付けられてるのかな……?かわいそうだなぁ」

ピロン  

歩夢「あっ……♪」

 通知音だ。私の通知音が鳴るのはもう特定の一人だけに設定してある。そうすれば鳴るだけで幸せになるから。唯一の娯楽みたいなソシャゲの通知もその為に切ってある。

 お互いに自営業だから、暇な時はこうして連絡が取り合える。毎日花を買うお仕事より……私には向いてるみたい。

 ずうっと……こんな日々が続けばいいな。



218: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 13:57:33.59 ID:GD+lR7F8.net



数ヶ月後


ガチャ

歩夢「いらっしゃい、侑ちゃん」

侑「お邪魔します」

歩夢「……ん」

侑「ん。……ちゅ、じゃる……」

ピチョ……ヌル…

歩夢「……ん、ぷ……はぁ……」

歩夢「お風呂……入ろっか」

侑「うん」



220: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 14:07:34.59 ID:GD+lR7F8.net

ジャアアアアアア
 
侑「あぁ~……やっぱり仕事終わりの熱いシャワーは気持ちいいなぁ」

歩夢「侑ちゃんは朝早いもんねえ、疲れ溜まるはずだよ」  

歩夢「汚れ、ちゃんと落としてあげるからね」ゴジゴシ 

歩夢「……匂いも、ね」ゴシゴシ

侑「ありがとね、歩夢」

歩夢「その代わり、私のことも洗ってね?」

侑「えへへ、しょうがないなぁ~」



223: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 14:12:45.05 ID:GD+lR7F8.net

侑「んむ……ちゅぱ……」チュルチュパ

歩夢「あんっ……♡♡♡や、んんぅ……くすぐったいよぉ……♡♡♡♡」

侑「じゅ……♡♡」ゾゾゾ

歩夢(聞こえてない……そんなに♡おっぱいに夢中なの?♡♡♡♡♡)

歩夢(お風呂から出たらすぐに飛び込んでくるんだもん、びっくりしちゃうよ♡)

侑「んっ……んっ……」モミモミ

歩夢(……まあ、“あっち”にはこんなにないからね。侑ちゃんが溺れる気持ちも分かるよ)フフ

 侑ちゃんの胸へのこだわりはとてつもなく強いものだった。最初の頃はここまでじゃなかったけどカラダを重ねる度に私の胸を求める頻度は上がっていき、今では行為の時間の半分以上は私の胸を弄っている。

 当然、毎度毎度そんなに弄られている私の胸に変化がないはずもない。誰にも触れられず純粋なピンク色だった乳首は徐々に色素を薄くなった。そして、感度もひどく敏感になっていた。

 少し触られるだけで乳首はむくむくと音を立てているかのように大きくなり、乳輪も膨らみあがる。そしてその大きくなった胸を侑ちゃんは全て口に含み、その舌で蹂躙する。

 今ではその行為だけで私はイケるようになってしまった。



225: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 14:18:13.44 ID:GD+lR7F8.net

歩夢「ゆうっちゃんっ♡もう……いいでしょ?♡」

歩夢「ずっとお胸ばっかりで私もう……耐えられないよぅ……ほら、みて……♡♡」クパァ

侑「……はぁ、はぁ……っ♡」

侑「……」

歩夢「?どうしたの侑ちゃん」

 ふと、侑ちゃんが大人しくなった。いつもならこのまま興奮した状態でえっちに入るんだけど……。

侑「……歩夢」

歩夢「どうしたの?まだおっぱいがいい?それなら私は……」



侑「──────私たちのこの関係、今日で終わりにしよう」

歩夢「ぇ……?」



244: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 14:43:59.91 ID:GD+lR7F8.net

歩夢「なん────で?だってまだ私……」

侑「歩夢と私の関係が始まってもう結構経つけど……全然気配がないよね」

侑「かすみとも話し合ったんだ。私と歩夢の相性が悪かったのかもって。もしそうならこのまま続けていても意味がないし歩夢にも悪いって」

歩夢「な……」

 ──────終わり?私と侑ちゃんとの……関係が……?

 ピンク一色だった私は一瞬で頭の中が真っ白になった。だって、私の生きている意味が、幸せがもうこれで終わりだと告げられたのだから。

侑「……本当は、もっと早くに気付いて言うべきだったのかもしれない。私が──────

 侑ちゃんが何か言っているけど、駄目だ。何も聞こえないよ。崩れていく私の頭の中には嵐のようなノイズがひたすらに走っている。



249: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 14:57:07.41 ID:GD+lR7F8.net

 でも、そうだよね。侑ちゃんには目的があって私と“こういうこと”をしていたんだもんね。目的なんてどうでもよくて、ただ侑ちゃんと繋がりたかった私とじゃ、違うもんね。

 ──────だけど……私はどこかで、侑ちゃんも私と同じ気持ちになってくれているんじゃないのかなって……期待していたのかもしれない。

歩夢「…………」

侑「ごめん。本当に……散々付き合わせちゃってこんな……」

歩夢「ううん、いいの」

歩夢「侑ちゃんと……かすみちゃんの決めたことだもんね」ニコ

歩夢「今日で……最後に……しよっか」


 そう、最後。嫌で嫌で嫌で嫌で仕方がないけれど、私はまだ良い子でいなければならない。全部受け入れなくてはいけない。

 ……でも、これで最後なら……イイよね?“受け入れて”……全部。



251: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 15:06:23.71 ID:GD+lR7F8.net

……

侑「すぅ……すぅ…」

歩夢「……」

 終わっちゃった。これで、本当に……。ふふ、侑ちゃんてば私がちょっと本気で求めちゃったから疲れて眠っちゃってる。可愛いなぁ。

 ……起きたら、かすみちゃんの元に戻るんだよね。

 いっそ、このまま目を覚さなければ……。

歩夢「…………」スッ

歩夢「──────」




歩夢「……なんて」  

 いけないいけない、ついネガティヴになっちゃう。何も永遠の別れじゃないんだもん。私たちは、永遠に離れられない。だって────


トクン 


 私たちには、永遠に途切れない“繋がり”ができるんだから。


歩夢「……コレも、もういらないね」クシャ  

ポイ

歩夢「うふふ」



255: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 15:20:17.12 ID:GD+lR7F8.net

──────────
──────
──






──────8年後



261: このSSは現実に存在する人物、団体とは一切関係がございません 2021/11/28(日) 15:47:55.09 ID:GD+lR7F8.net

侑「むにゃむにゃ……」

かすみ「も~、あなたってば起きてよ~」

侑「まだ早いよ……」モゾモゾ

かすみ「はぁ……年々怠惰になってきてるんだから」

「じゃあわたしがママ起こしてあげるね!」ヒョコ

「ママ~!!起きて~!」ダキッ  

侑「んごっ……!?」

侑「んっ……おぉ……」 

「あ、起きた?」

侑「め、目は覚めたけど……思いっきりジャンプして抱きついてくるのはママもそろそろしんどくなってきたよ……」

「……嫌?」

侑「い、いや!そんなことはないよ!どんときてよ」

「うふふ」

かすみ「あなた本当にこの子に弱いんだから……」




かすみ「まゆもあんまりママのこと困らせないの」

まゆ「……はぁーい」



267: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 16:05:37.65 ID:GD+lR7F8.net

 毎日が幸せだ。侑さんがいて、娘のまゆもいて3人で楽しい日々が送れている。侑さんの若干の子バカぶりを見てると本当にまゆがいてくれて良かったなと思う。

 ……そう、私たちは幸せ。このまま3人でずっと一緒にいられればそれでいい。


 その、はずだったのに。



 夜。みんなでお休みして数時間経ったこの時間に、決まって侑さんはもぞもぞと起き上がる。

まゆ「くー、くー……」

侑「ふふ」ナデナデ

テクテク

バタン

かすみ「……」

 そして、トイレに入り30分近くしたら出てきて、再び布団に戻る。……何をしているかだなんて、分かりきっていた。



276: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 16:20:44.09 ID:GD+lR7F8.net

 イケナイこと、だなんて思ったことはない。生理現象だし、侑さんも色々と溜まってしまうのも理解できる。

 ただ──────


 私は、まゆが生まれてきてから一度も侑さんにカラダを求められたことはなかった。


 ……私から誘った時もあったけれど、侑さんは

侑『ありがとう、でも無理しなくていいよ。私なら大丈夫だから』ニコ


 馬鹿。馬鹿……無理なんてするわけないじゃないですか。大好きな人と一つになるのにそんなこと思うわけないのに。

 でも、悪いのは私なんだ。子供も作れない、それに感度も悪くてイキずらい私とえっちなことをしたって……侑さんには何もいい事なんてないんだから。


侑『っ!かすみ!私……もうっ……♡』

かすみ『えっ!?は、はい……!どうぞ……!』

侑『んっあ……はあぁぁぁ♡』ビクッ

侑『はぁ……はぁ……♡』ブルブル

かすみ『えへへ……気持ちよかったですか?♡』

侑『う……はぁ……うん……はぁ……』

侑『でも……かすみ……』

かすみ『あはは、私ならいいんです。侑さんが気持ち良くなってくれたらそれが嬉しいから』

侑『かすみ……』ギュッ

かすみ『あ……♡侑さん……♡』ポ-ッ



279: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 16:32:41.69 ID:GD+lR7F8.net

 別に、気持ち良くならなかったり、イケなくても私は……ただ侑さんと抱きしめ合って、キスをして……温もりを与えてもらえればそれだけでとても幸せだった。

 私に気を遣ってくれている……それもあるけれどきっと……侑さんも、私がこんな身体だから私相手じゃ満足できないんだ。

 それでも侑さんは変わらずに私のことを愛してくれている。これだけは確信を持って言える。だから……。

 この関係のまま、ずっと暮らしたい。だから……“こういうことは”一切口に出さないようにしている。


ガチャ

侑「ふぅ……」    

モゾモゾ

侑「…………すー……」

かすみ「……」

 
 本当は、求められたかった。頼って欲しかった。……私たちは、婦婦だから。



284: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 16:51:01.32 ID:GD+lR7F8.net



侑「ふわぁ~……休みの日に限って早起きするんだよねぇ……」

かすみ「いいことじゃない、お仕事の時もこれくらい早く起きてくれたらいいのに」

侑「え~……かすみだって昔はこんな早起きじゃなかったでしょ~。しずくちゃんに聞いたことあるよ、かすみが

かすみ「ちょっ!昔の話はいいじゃないですか!」

まゆ「えー、聞きたいな~」ニコニコ
 
侑「お、まゆはお休みの日も早起きだね」

まゆ「ママが起きたからわたしも起きたよ」ニコニコ  

侑「じゃあ遊ぼっか。何したい?」

まゆ「けん玉!」

侑「……前から言ってるけど、ゲーム機とかソフトなら私買うよ?」

まゆ「ゲームよく分かんないからけん玉でいいよ」

侑「あはは、じゃあけん玉やろうか。……とその前にちょっとおトイレ」テクテク
 
まゆ「あ……」



290: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 17:18:45.09 ID:GD+lR7F8.net

まゆ「……」バコッバコ

かすみ「あっ!こらー!だからお人形さんぶっちゃダメって言ってるでしょ」

まゆ「にへへ……」ゲシゲシ

かすみ「もう……」


 私はたまに、まゆのことが怖くなる時がある。

 もちろんまゆのことは愛している。私と侑さんの大切な子供。愛情込めて育ててきた。

 だけど……最近になって芽生えてきてしまった。まゆへの……歪んだ気持ち。

 成長するにつれて、だんだんと分かってしまう。私に、似ていないことが。私らしいものを感じられないということが。

 それが、怖い。私の子供、だけど私とはかけ離れている存在。歳を重ねるたび、そしてふとした動作で感じてしまう。

 そして何よりは。


 まゆは、どんどん歩夢先輩に似てきているということだ。



310: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 17:56:39.92 ID:GD+lR7F8.net

 歩夢先輩に似てくるようになったまゆ。そして……そのまゆを見る侑さんの目が、たまに“娘”を見る目ではないことになるのを……私は気付いてしまった。


 あの日──────まゆを産み、私たちの前から姿を消した歩夢先輩を……侑さんはまだ追いかけている。

 侑さんも自分じゃ気づいていないのかもしれない。きっと言えば、侑さんは私のことを想ってその気持ちを改めてくれる。だけど……

 私は言えなかった。それすらも、怖かった。もし、それを言うことによって私たちがグシャグシャになってしまったら……なんていう考えが出てきてしまうから。

 だから、私は何も言わない。何も気づいていないことにする。そうすれば、この幸せな家庭はずっと続くはずだから──────



まゆ「ママ遅いね」

かすみ「あはは。珍しく早起きしちゃったからお腹壊しちゃったのかな」

まゆ「大丈夫かなぁ……」

かすみ「先に朝ごはん食べる?」

まゆ「いい、ママ待つから」

かすみ「じゃあお母さんとけん玉する?」

まゆ「……ママとするから、いい」

かすみ「はぁ……じゃあお母さんご飯準備してるからママと一緒に来てね」

まゆ「はぁ~い」




 まゆは、いつからか私のことを“お母さん”と呼ばなくなった。



319: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 18:07:39.00 ID:GD+lR7F8.net

侑「よっ、ほっ」

まゆ「がんばれー」

侑「やあっ!」スコ-ン

侑「ああ!くっそー!」

まゆ「うふふ、また失敗」

侑「い、今のはたまたま目にゴミが入ったんだよ!次はいけるから」

まゆ「ふふ、ねぇ……覚えてる?ママ1ヶ月前も同じこと言って失敗したの」

侑「!!──────……」

まゆ「?ママ……?」

侑「あっ……うん!お、覚えてるよ!けどあれはまた違うのが原因でね!」アタフタ  


 ここ数年で、まゆに────歩夢の姿が重なることが多くなった。顔も少し面影があるのはそうだけど、ふとした動作や……今のような言葉が、歩夢を思い浮かばせる。


 



342: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 18:37:00.58 ID:GD+lR7F8.net

 歩夢は何も言わずに姿を消した。生まれてきたまゆを、ろくに抱きしめもせず、退院と同時に何処かへ消えてしまった。お店もさっぱりと畳んでいたところをみるに、最初からそうするつもりだったんだろう。

 私は歩夢を探し回った。歩夢の家族、友達、誰に聞いてもみんな何も知らなかった。心当たりのある場所も全部探したけれど……歩夢の姿はどこにもなかった。

 絶対に探し出す、そう思っていたけれど……生まれてきたばかりのまゆをかすみにだけ任せるわけにはいかないと……私は歩夢を探し出すのを諦めた。

 それなのに……。

「侑ちゃん……」

「侑ちゃん、キス、しよ?」

「ねえ、侑ちゃん」


 今でも、歩夢の夢を見る。



354: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 18:57:11.56 ID:GD+lR7F8.net

 私は、心のどこかでいまだに歩夢を求めていた。そしてその感情は……日々歩夢に近づいていく娘のまゆへと向けてしまっている。

 この想いがとてつもなく歪んで間違っているのは分かっている。だけど、私は……。

 歩夢。

 歩夢は……。



355: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 18:57:50.12 ID:GD+lR7F8.net

まゆ「も~、ママってばさっきから変だよ?」

かすみ「どうしたの?」

侑「いや……」

侑「ううん、ごめん。私ちょっと出かけてくる」バッ

かすみ「え?」

まゆ「え!?わたしもいきたい!」

侑「ごめんね、まゆ。また今度ね」トン

タタタ
  
バタン
 
まゆ「……いっちゃった」

かすみ「……」



359: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 19:03:00.82 ID:GD+lR7F8.net

侑「はぁ……」テクテク

 あのまま家にいたら、かすみ……そしてまゆに取り返しのつかないことをしてしまう。そんな不安が浮かんで勢いのまま家を飛び出してしまった。

 とにかく、頭を冷やさないとダメだ。まゆのあの一言が想像以上に私の心を揺さぶってしまったのかもしれない。

侑「……とりあえず何か食べようかな」

……

ガラ  

彼方「ん?おや?侑ちゃん。いらっしゃ~い」

侑「こんにちは彼方さん……いやお早うかな」ポリポリ

彼方「どしたの?今日はお休みの日でしょ?朝からうちに来るなんて」

彼方「もしや……愛しの奥さんに朝ごはん作ってもらえなかったのでは……」

侑「あはは……」

彼方「さては婦婦喧嘩したな?」

侑「ち、違うよ!」

彼方「まあまあ、お弁当とお茶も付けるから上で話聞くよ」

侑「え、いや……ていうか彼方さんここでお仕事しないと……」

彼方「大丈夫だよ~もうパートさんも入ってくる時間だから」

彼方「ささ、上がって上がって」

侑「お、お邪魔します……(まあ、どこに行くかとか何も決めてなかったしいっか……)」



364: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 19:33:40.60 ID:GD+lR7F8.net

コポポ…

彼方「で?かすみちゃんに何して怒らせちゃったの?」

侑「い、いや……別に怒らせては……私の方が勝手に気まずくなってちょっと出てきたというか……」

彼方「うーん……」

侑「だからちょっと時間をおけば私もなんとかなると思うしそんなに大したことじゃないよ」

彼方「そうかな……多分かすみちゃんの方は今かなり焦ってそうだけど」

彼方「ちゃんと理由を伝えて出てきた?」

侑「あ……」

彼方「……昔からそういうところ抜けてるよねぇ侑ちゃん」



367: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 19:51:08.18 ID:GD+lR7F8.net

彼方「いまや侑ちゃんの方が私よりも何百倍もかすみちゃんのこと知ってると思うけどさ……かすみちゃんの性格的にすっごく気にしてると思うよ」

侑「う……」

彼方「侑ちゃんが何しちゃったかは分からないけどかすみちゃんからしたらいきなり大好きな人が理由もなく出て行ったんだよ?」

侑「……」

彼方「しかも他の独身女と会ってるだなんて……」

侑「ちょ!?」

彼方「……」

彼方「……あはは、流石に冗談だけど……かすみちゃんからしたらそう見えちゃうって。いくら旧友だとしてもさ」

侑「……そう、だよね……」



371: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 20:09:22.18 ID:GD+lR7F8.net

彼方「そうそう。かすみちゃんてば侑ちゃんのこと世界で一番愛してるんだから心配させちゃダメだよ」

彼方「……本当はずっと内緒にしておこうと思ってたんだけどね、侑ちゃん達が付き合う前……私やエマちゃんでかすみちゃんの相談に乗ったんだよ」

侑「えっ……!?(初耳だ……)」

彼方「だからかすみちゃんの侑ちゃんへの想いの強さは私たちもよぉく分かるんだ~」

侑「かすみ……」

侑(私……やっぱり昔からダメだ。あんなに近くにいたかすみのことちゃんと考えられてなかった)

侑「彼方さん!」

彼方「おっ」

侑「私戻るよ!ありがとう彼方さん!」

彼方「うむうむ、そうしなさい」

彼方「ただ……」


彼方「完食はしていってね♡」

侑「あ、はい」

モニュ……モグ……

……



372: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 20:15:54.09 ID:GD+lR7F8.net

ガチャ    

侑「かすみ!」

かすみ「きゃっ……って侑さん?」

侑(きゃって……歳考えようよかすみ……いや、むしろ歳考えるとめちゃくちゃ唆るけど)

侑「ごめんねかすみ、いきなり飛び出しちゃって」

かすみ「……心配、したんですよ」

侑「かすみ……」

かすみ「侑さん、様子が変だったし……思い詰めた顔だったから……私……私……」プルプル  

侑「っ……ごめん!ごめんかすみ」ダキッ



376: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 20:26:10.03 ID:GD+lR7F8.net

侑「……まゆは?」

かすみ「お友達と遊ぶって……最近仲良くなった子ができたみたい」

侑「そっか」

 少し……安心した。まゆが友達と遊んでいる話を聞いたことがなかったから。

侑「……かすみ。私、かすみのこと……愛してる」

かすみ「──────」


侑「ずっと……不安にしてきてごめん。私は────

かすみ「いいんです」

侑「え……?」

かすみ「理由とか私は知らなくていいんです。私は……今の言葉が聞けただけでじゅうぶんです」

かすみ「────侑“先輩”」

侑「!!」


 “先輩”。結婚してからかすみがこの言葉を口にするときは──────合図だ。

 私たちだけの二人だけの合図。これが使われたのは……本当に何年ぶりだろうか。

 かすみの目は真っ直ぐ私を見つめていた。私の答えはもちろん────────



381: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 20:53:09.83 ID:GD+lR7F8.net

 ただただ、貪り合うように互いの熱を求めあった。かすみの唇を、胸を、腋も、臍も、尻も脚も……まだまだ輝きを失わせない秘部も全て私は喰らった。

 驚くことに、カラダのどの部位も手入れが行き届いていた。行為中尋ねるとかすみは顔を赤らめていつ私に求められてもいいように毎日入念に手入れをしていたという。

 その言葉は私を益々昂らせた。かすみの全てが愛おしいと思えた。

 なんて私は馬鹿だったんだろう。こんなに愛おしい人がずっとそばにいたのに何が楽しくて女の乳繰りあいの動画や想像で自分を慰めていたんだろうか。


かすみ「ゆ、う……さ……せんぱい!せんぱい!!」

 かすみも、絶えず私の名前を呼びながらカラダを擦り付け私を求めている。私はそんないじらしい姿に胸を打たれた。感じられないカラダながらに、かすみも頑張ってくれている。

 ────イかせて、あげたい。かすみと一緒に……イキたい。



389: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 21:17:28.03 ID:GD+lR7F8.net

かすみ「ゆう……さん……これ、わたしに……打ってください」

侑「!?かすみ……それは……」

 かすみがベッドの下に器用に手を伸ばし取り出したのは、注射器。そんな所に隠していたなんて────

侑「でも、それは……」

かすみ「私……これを使うのがずっと怖かった。でも、いまは、いまだけは……絶対に、侑さんと一緒に……イキたいんです」

侑「かすみ……」

 かすみが取り出したのは、過去に私に手術を施してくれた璃奈ちゃんから渡された“薬”だった。

 璃奈ちゃんは私の身体の手術だけではなく、かすみの不感症のことも診てくれていた。だけど残念なことにそれを治すことは叶わなかった。その代わりに渡されたのがこの薬。

 ただ──────


璃奈『かすみちゃんは完全に不感というではない。それならこの感度を数千倍にする薬を注入すればいくらかすみちゃんでも感じることができる』

璃奈『……だけど、正直お勧めはしない。一応渡しておくけれど……』

璃奈『半端な覚悟でこれを使えば精神は持たない、下手をすると廃人になる可能性もある。できれば渡したくはなかった』

璃奈『でも……私ではかすみちゃんを治すことができなかった。だからせめてもの気持ち』



393: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 21:28:42.49 ID:GD+lR7F8.net

侑「かすみ……」

かすみ「大丈夫、です……今使わないで、いつ使うんですか」

侑「……わかった」

 本当は使いたくなんかなかった。でも、かすみの目は……覚悟を決めた目だった。だったら私は……妻としてかすみを信じるしかない。


侑「──────いくよ」


ピッ

かすみ「っ……」

ツ-

 針を通し、ゆっくりと薬を注入していく。


 そして、かすみは──────


……



399: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 21:41:21.12 ID:GD+lR7F8.net

かすみ「ハァ……んっ♡はぁっ……ゆぅ、さ……♡」チュッ

侑「ん……」チュ

かすみ「あっ♡♡だめっ、!キス、きすでイっちゃう♡♡」プシュッ ビュルビュル

かすみ「でも、し、しあ、わせ……!!侑さんと、一緒にイケて……わたしっ♡しあわせ……♡♡」ハァハァ

侑「私もだよ……かすみ」


 薬によって淫らに乱れたかすみは、今までにないほどにカラダを動かし私と繋がった。イクことを覚えたかすみは止まらなかった。何度も、何度も何度もイッて、イッたことの衝撃でまたイク。その繰り返しがずっと続いてようやく今、落ち着いてきた所だった。

 
 きっと、以前に薬を使ってもこうはならなかったと思う。かすみの……覚悟があったからこそ……。

侑「……」ナデ


かすみ「あ゛っ゛……♡おっ……♡」ブビップシュッ


 もっと、早く……気づいていればよかったんだ。だけど、遅くない。これから、まだ……取り戻せる。


 きっと。



 だからまずは……


侑「まゆが帰ってくる前に……綺麗にしよっか」

かすみ「は、はい……」



400: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 21:47:22.24 ID:GD+lR7F8.net



まゆ「……なんか変じゃない?二人とも」

侑「えっ!?そ、そう?」

かすみ「き、気のせいじゃない……んっ、まゆって結構そういうところあるから」

まゆ「……」

侑「そ、そうだ!まゆ、友達ができたんだよね?どんな子?」

まゆ「ん~友達っていうか……年下の子なんだよね」

侑「へえ……」

まゆ「その子まだまだ子どもだからわたしが面倒みてあげてるの」

侑(なんだかんだちょっとかすみに似てるんだよなぁ……)



402: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 21:52:24.14 ID:GD+lR7F8.net

侑「でもまゆと仲良くしてる子なら私も会いたいなぁ~」

まゆ「えー、やだよ。ママをともちゃんに取られたくないもん」

まゆ「わたしだけのママでいて……」

侑「ま、まゆより小さな子だよ!?」

まゆ「ともちゃんもだけど……ともちゃんのおかあさんもきれいな人だからだめ」

侑「まゆ!?」

まゆ「でもすっごくご飯マズイからウチのご飯食べてるママなら大丈夫かな」

かすみ(あ、私のご飯美味しいって褒めてくれてるんだ……)ホッ



406: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 21:55:55.57 ID:GD+lR7F8.net

侑「もー!まゆってば私のことなんだと思ってるの~」

かすみ「あはは……」

まゆ「まあ……いつかは会わせてあげるね」

侑「楽しみだな~」

かすみ「……本当に大丈夫?」

侑「か、かすみ!?」


3人「あははは」


 3人で、ずっとこうしていられれば……それが幸せ……なんだよね。



408: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 21:59:21.51 ID:GD+lR7F8.net

──────
──

とも「ただいま~」

「おかえり。“ゆうちゃん”」

とも「あっ……ママ。お母さんは?」

「さぁ……お仕事かな?」

とも「そっか」

「今日も……まゆちゃんと遊んでたの?」

とも「うん、まゆとは仲良くなれたから」

「そっか。よかったね」フフ
 
「おともだちは、大切だからね」


「これからもずっと……仲良くしないと──────ね?」



409: 名無しで叶える物語 2021/11/28(日) 21:59:29.88 ID:GD+lR7F8.net




元スレ
歩夢「代理出産?」