1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:19:25.975 ID:qx5EGwSt0.net

唯「このくらいでいいかな…」

平沢唯は暗い山の中、ただひたすら穴を掘り続けていた

唯「よっこらせっと…けっこう重たいな」

穴に落とされたのは彼女の学友であり部活の仲間…琴吹紬だ

唯は手慣れた様子で紬に土を被せると、足早に穴から離れた

これは殺人鬼である平沢唯の体験した奇妙な事件の一端を、後に彼女が述懐した言葉から読み解いていく物語である



5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:21:36.500 ID:qx5EGwSt0.net

唯「おはよー」

平沢唯は翌日、普段とはなんら変わらない様子で登校した

澪「唯…ムギが昨日から家に帰ってないらしい」

澪「何か知らないか?」

同じ軽音部員である秋山澪は、琴吹紬をえらく心配しているようだった



9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:24:30.995 ID:qx5EGwSt0.net

唯「動機…というのは、強いて言うならありません」

ケラケラと笑いながら口を開く彼女に、記者は寒気を感じた

唯「とにかく誰か殺したいなぁって…ほんとにそれだけだったんです」

唯「それがたまたまムギちゃん…あ、琴吹さんだったんですよ」

記者「彼女に何か…謝ることはありますか?」

唯「んーと…殺しちゃってごめんね…ってくらいかな?」



10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:27:18.617 ID:qx5EGwSt0.net

澪「誰もムギがどこに行ったかわからないんだ」

唯「それは心配だね…ムギちゃん、どうしちゃったのかな」

わざとらしく唯は澪に答える

彼女は知る由もない
目の前にいる女が殺人鬼…あろうことか仲間である紬を殺した犯人であるなど

澪「律がいなくなって…みんな気をつけてたのに…こんな…」

唯「澪ちゃん…」



12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:30:58.983 ID:qx5EGwSt0.net

記者「警察は田井中律さん…軽音部の仲間の失踪もあなたの犯行だと捜査しているようですが」

唯「あーりっちゃんね、私、ほんとにりっちゃんがいなくなったのは知らないんですよ」

殺人鬼の言葉など、信用に値しない
田井中律は紬が殺される四日前に、忽然と姿を消した

平沢唯が彼女の失踪に関係していることは明らかだ

だが、彼女はこの部分については頑なに否定を続けている



13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:33:53.007 ID:qx5EGwSt0.net

澪「部活…寂しくなっちゃったな」

梓「律先輩にムギ先輩まで…こんなの、おかしいです!」

梓「2人を探しに行きましょう!」

この時、唯は黙ってうんうんと頷いていた
そしておもむろに立ち上がったかと思うと、梓を抱きしめる

唯「よしよし、大丈夫、きっとすぐ2人とも見つかるよ」

梓「唯先輩…」



14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:36:49.216 ID:qx5EGwSt0.net

記者「あなたの後輩の中野梓さんは、最後まであなたが犯人ではないと信じていました」

記者「彼女を裏切って、良心の呵責はありませんでしたか?」

唯「あずにゃん…あれはいい子だったね」

唯「私を信じてくれて…嬉しかったなぁ」

記者はまたケラケラと笑う唯に怒りと共に苛立ちを感じた

何故、田井中律と琴吹紬はこんな女と出会ってしまったのか…



15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:39:48.821 ID:qx5EGwSt0.net

唯「町中探したけど…2人は見つからなかったねぇ」

澪「明日は隣町に行ってみよう…まったく律の奴、帰ってきたら叱ってやる!」

気丈に振舞ってはいるが、秋山澪は内心怯えている
それは唯でなくともわかった

梓「私…お父さんとお母さんに相談してみます」

唯「うん、私も憂に話してみるね」

澪「とりあえず今日の所は解散にしよう…」



17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:42:15.238 ID:qx5EGwSt0.net

記者「それから一週間…あなたたち軽音部は2人を探し回った」

記者「しかしなんの成果も得られず…途方に暮れていたんですね」

記者「あなた以外は」

唯「そうだね~私も2人が見つからないのは当たり前だと思ってたけど」

唯「でもそこで、変なことが起きたんだよ」



19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:45:35.653 ID:qx5EGwSt0.net

澪「ムギを見かけたって?!」

梓「はい!お父さんの知り合いが、街で見つけたそうです!」

唯「そうなんだ~じゃあ早速探しに行こう!」

澪「ムギなら…律のことも何か知っているはずだ!」

梓「ムギ先輩…!」

この時平沢唯は、嫌な汗が流れるのを感じていたそうだ



20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:48:19.020 ID:qx5EGwSt0.net

記者「つまり…殺したはずの琴吹さんが、街を歩いていたんですね」

唯「そう!仕留め損なったかと思ったよ!」

記者「しかし現に、あなたは琴吹さんを殺害した罪でこうして服役している。何かの見間違えだったのでは?」

唯「私もそう思った…いや、そう思いたかった」

唯「でも本当に…ムギちゃんはいたの」



22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:50:58.783 ID:qx5EGwSt0.net

唯「…ムギちゃんなの?」

平沢唯は、すぐに彼女を見つけ出した

紬「そうよ、唯ちゃん」

紬「山の中は寒くて寂しくて…降りてきちゃった」

唯「嘘嘘嘘!」

唯「生きてるわけがない!」

唯は人目を憚らず叫んだ
紬の存在を否定し、掻き消すような大声で何度も



23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:53:00.198 ID:qx5EGwSt0.net

澪「唯!どうしたんだ?!」

梓「唯先輩!」

騒ぎを聞きつけ、澪と梓は唯に駆け寄った

唯「ムギちゃんが…そこに…」

澪「えっ?」

梓「誰もいませんよ…」

唯「そんな…」

そこに琴吹紬の姿はもうなかった



24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/05(月) 23:56:05.312 ID:qx5EGwSt0.net

記者「琴吹さんの幽霊が出た…ということですね?」

唯「あれは幽霊なんかじゃない…本当に生きてる人みたいで…」

記者「そこであなたは琴吹さんを埋めた山に再び立ち入った」

唯「確かに…穴はそのままだったよ…ムギちゃんは確かに埋まっていたの」

記者「それは変ですね」

記者「あなたが殺して埋めたのなら、何故彼女が街であなたと話したんですか?」



28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:00:31.980 ID:gFLCfFXM0.net

唯「たしかにムギちゃんがいた…」

澪「話したのか?!」

梓「でも、無事でよかったです!きっと明日からは普通に登校してくれますよ!」

澪「唯…?」

唯はガタガタと震えていた
顔色も見てわかるほどに青ざめている

澪「唯、大丈夫か?家まで送るよ」

唯「ありがと…澪ちゃん…」



29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:04:18.972 ID:gFLCfFXM0.net

唯「とにかく理由はわからないんです。でもムギちゃんはそこにいた」

記者「それに恐怖を感じたあなたは、秋山澪さんに家まで送ってもらったんですね」

唯「1人ではいられなかったの…怖くて怖くて」

平沢唯はこの面談で初めて恐怖の感情を見せた
それが作り物でないことは容易にわかる

何故死んだはずの琴吹紬は彼女の前に現れたのか?



30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:07:48.491 ID:gFLCfFXM0.net

唯「ありがと…ここでいいよ」

澪「本当に大丈夫か?」

唯「うん…」

澪「とにかく、ムギが無事でよかった!明日には会えるといいな!」

唯「そうだね」

憂「おかえりお姉ちゃん」

憂「どうしたの?!顔色が悪いよ?」

唯「大丈夫…大丈夫だから」

唯は澪と妹の憂に心配そうに見られながらも、なんとか自室へ入った

そして布団で収まらない鼓動に苛まれながら、何故琴吹紬が生きていたのかあらゆる可能性を考えた



31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:12:26.694 ID:gFLCfFXM0.net

唯「でもいくら考えてもわからないんです」

記者「そうでしょう。死んだ人間が現れるなんて、そんなオカルトめいた話」

唯「穴は確実に埋まってる…そこで思ったのが…」

記者「殺したのは琴吹紬ではなかった、ということですか」

唯「もしそうだとしたら…私はムギちゃんに全てを知られている」

記者「琴吹さんを殺害した時のことを話してくれませんか?」



32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:14:54.876 ID:gFLCfFXM0.net

紬「初めてね~こうして唯ちゃんと学校帰りに遊ぶの」

唯「もう!ムギちゃん!これは遊びじゃないよ!」

紬「わかってる。りっちゃんを探すのよね」

琴吹紬はその日、平沢唯に田井中律を探しに行こうと提案したそうだ

唯はそれを快く受け入れた

紬「でも、りっちゃんはどうしていなくなっちゃったのかしら?」



33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:21:07.964 ID:gFLCfFXM0.net

唯「りっちゃんのことだから、家の場所を忘れて迷子になってたりして」

紬「いくらなんでもそれはないわよ~」

唯「そうだねぇ…」

紬「ねぇ唯ちゃん、町外れの山に行ってみない?」

唯「わかった!何か手掛かりがあるかもね!」



34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:24:10.278 ID:gFLCfFXM0.net

唯「とは言ったものの…」

紬「人気がまったくないわね…」

唯「こんなとこにりっちゃんがいるのかなぁ…」

紬「…」

唯「ほえ?どうしたのムギちゃん?」






紬「りっちゃんならそこにいるわよ」

唯の足元には、薄汚れたブルーシートが敷かれていた
一部が不自然に膨らんでいる



37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:27:09.013 ID:gFLCfFXM0.net

記者「ちょっと待ってください」

記者「つまり、そこには田井中律さんの死体があったんですね?」

唯「うーん、それはどうかなぁ」

唯「私は実際見ていないし、本当にムギちゃんが言ったとおりそこにあったのかもわからないよ」

記者「あなたの言葉を信じると、琴吹さんが田井中さんを手にかけたということになりますが…」

唯「それは間違いないよ」

唯「私は殺されかけたから」



38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:30:12.811 ID:gFLCfFXM0.net

紬「唯ちゃんもりっちゃんと一緒になりたいわよねぇ?」

唯「苦しいよ…ムギちゃ…ん」

紬「私、人を殺すのが夢だったの」

その時、平沢唯はとっさに近くにあった石で紬の頭部を殴った

彼女が怯んだ隙を見て体勢を整えると、何度も何度も彼女の頭に石を打ち込んだ

紬は動かなくなった



39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:32:51.151 ID:gFLCfFXM0.net

記者「あなたは最初になんとなく人を殺してみたかったと言っていましたね?」

唯「えーそうだったかなぁ」

記者「今の話は矛盾しています。それなら正当防衛も主張できたかもしれません」

唯「でも私ね」

唯「石でムギちゃんを殴ってる時に思ったの」

唯「楽しいって」

記者はまたこの女に寒気を感じた
ニヤリと笑う彼女は、本心を打ち明けているのだ



41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:34:37.514 ID:gFLCfFXM0.net

唯「おーい…ムギちゃん?」

紬「」

唯「殺しちゃった…」

唯「ふふ…」

唯「あっはっはっ!!」

唯「人ってこんな簡単に殺せるんだ!」



44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:37:57.224 ID:gFLCfFXM0.net

記者「そしてあなたは近くにあったスコップで穴を掘り、琴吹さんを埋めた」

唯「そうなるね」

記者「あなたの言う通り、現場近くに放置されたブルーシートがあった」

記者「しかしそこからは田井中さんは見つかっていない」

唯「何が言いたいの?」

記者「あなたは何か嘘をついているんではないですか?」

唯「ここまで来て…嘘もヘッタクレもないじゃん」



45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:41:29.644 ID:gFLCfFXM0.net

記者「あなたは琴吹さんに妹がいたのをご存知ですか?」

唯「…初耳です」

記者「厳密には血の繋がっていない、義姉妹のようなものですが…」

記者「彼女は姉を殺したあなたを恨んでいる」

唯「そうでしょうね…私にも妹がいるからわかります」

記者「ですから、少しでも事件の真相を明らかにしたいんです」

唯「私にわかることなら…何でも答えます」

記者「ありがとうございます」



48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:44:26.795 ID:gFLCfFXM0.net

唯「おはよ…」

澪「唯…ムギの奴、やっぱり来なかったよ」

唯「そうなんだ…」

澪「昨日のこと、ムギは何て言ってたんだ?」

唯「うん…心配しなくていいって」

澪「心配するに決まってるだろ…本当、何考えてるんだ」



50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:47:22.449 ID:gFLCfFXM0.net

梓「やっぱり来なかったんですね…」

澪「こんなことじゃ…軽音部は…」

唯「ごめん、私今日は帰るね」

梓「体調が悪いんですか?」

唯「うん、ちょっとね」

梓「心配ですから私、送っていきますよ」

唯「ありがと、あずにゃん」



51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:49:30.070 ID:gFLCfFXM0.net

梓「どうしちゃったんですか?唯先輩」

唯「なんでもないよ…」

梓「いいえ、昨日なにかあったんですよね?」

唯「…」

梓「わかりますよ…私でよければ相談してください」

唯「ありがと…きっといつか話すから」



52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:54:07.989 ID:gFLCfFXM0.net

記者「そのいつかは来なかった。そういうことですね?」

唯「うん。まぁそうなるかな」

記者「それから二日後…琴吹さんの死体が見つかった」

記者「警察は指紋のついた凶器の石を発見し、あなたは捕まった」

記者「しかしあなたは動機については頑なに答えず、田井中さんの失踪にも無関係を主張している…」

唯「全部話せば楽になったとは思います」

唯「でも、だめだったんです」

唯「ムギちゃんが言うんですよ」



53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:55:03.688 ID:gFLCfFXM0.net

紬「1人だけ幸せになるなんてひどいわ」



55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 00:57:36.790 ID:gFLCfFXM0.net

唯「今だってほら、ムギちゃんはそこで私を見てるんですよ」

平沢唯は、記者の後ろの何もない場所を指差した

記者「平沢さん、あなたは疲れてるみたいですね。今日のところは休みましょうか」

唯「ムギちゃんは、きっと私を許さないよ?」

唯「今日でおしまい。そう言ってる」

記者「平沢さん」

記者「また明日来ますから、ゆっくりと休んでください」



56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:00:37.131 ID:gFLCfFXM0.net

平沢唯はその日の晩、独房で首を吊っているのが発見された

刑務官が気付いた時には既に彼女は絶命していた

記者は翌日、その報を聞き、この事件が永久に解決されないことを悔やんだ

唯「ムギちゃん」

唯「ごめんね」


第1部
おわり



60: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:06:43.620 ID:gFLCfFXM0.net

第2部
誰が律を殺したのか

澪「律の奴が家に帰ってない?」

澪「おばさん、私探しに行ってきます!」

秋山澪は幼馴染で親友の田井中律が大好きだ

それ故、彼女のことは何より大切だと思っている

澪「一晩中探したのに見つからないなんて…」

澪「あのバカ!帰ってきたら許さないんだからな!」



61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:08:55.920 ID:gFLCfFXM0.net

紬「りっちゃんが行方不明?」

唯「それは心配だね」

澪「そうなんだ…みんな探すのを手伝ってほしい」

梓「澪先輩に心配かけて…なにやってるのあの人」

澪「本当だよ…バカ律」



64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:12:38.661 ID:gFLCfFXM0.net

澪「…」

澪「なぁムギ…律のこと、何か知らないか?」

紬「そうね…悪いけれどわからないわ」

澪「そうか…」

だが、この時秋山澪は知っていた
律は行方不明になった日に、紬と遊んでいたのだ

澪「ムギは遊んだ時のことを何も話さなかった…」

澪「何故だ?」



65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:14:37.164 ID:gFLCfFXM0.net

澪「ムギはきっと何かを知っている…」

澪「まさか…



66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:15:59.453 ID:gFLCfFXM0.net

澪「ムギはきっと何かを知っている…」

澪「まさか…」

秋山澪の予感は、いつも悪い方に的中する

澪は考えたくもなかったが最悪の結果を予想してしまった

澪「そんな…律…無事でいてくれ」



69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:19:28.700 ID:gFLCfFXM0.net

事態が動いたのは律の失踪から4日後だった

澪「ムギがいなくなった?」

琴吹紬もまた行方不明となったのだ

澪「律だけじゃなくムギまで…」

澪「いったいどうなってるんだよ…」



71: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:22:12.436 ID:gFLCfFXM0.net

梓「とにかく!探しに行きましょう!」

澪「…!」

そうだ
今はあれこれ考えている場合ではない

2人を見つけ出すこと、それが今の澪に出来ることであった

澪「手分けして探そう!」

唯「う、うん」

唯の挙動が不自然であることに澪は気付いていた
だがそれは、2人がいなくなったことで動揺しているのだと思った



72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:24:47.557 ID:gFLCfFXM0.net

唯「…!」

澪「唯!どうしたんだ?!」

唯「ムギちゃ…が生き…」

唯は何かをブツブツと唱えているが、それが何を意味するかはわからない

ただ、紬に出会ったということだけはわかった

澪「唯…具合が悪いなら送っていくよ」

唯「ありがと…」



73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:27:08.220 ID:gFLCfFXM0.net

澪「唯…ムギはなんて言ってたんだ?」

唯「なんでもないよ…なんでも…」

唯の様子から、何かあるのは自明の理であった

だが、今は唯を問いただすわけにはいかない
それほどに唯は血相を変えてしまっていたのだ

澪「なにも話せそうにはないか…」



74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:33:29.321 ID:gFLCfFXM0.net

それから数日後、平沢唯は逮捕された

容疑は琴吹紬の死体遺棄である

だが、田井中律は依然として行方不明のままであった

澪「どういうことだよ…なんで唯が…」

澪「律も…死んでるのか?」

澪はその場にうずくまった
親友の事を想い泣いた

澪「律ぅ…絶対にお前を見つけてみせるからな」



75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:38:03.300 ID:gFLCfFXM0.net

澪「寂しくなっちゃったな…」

梓「えぇ…もう2人きりですね」

??「すいません」

梓「はい?」

菫「ここにあるティーセットを片付けに来ました」

澪「もしかして、ムギの家の人?」

菫「あっ…えっと…そうです…」

梓「ムギ先輩みたいな髪をしてますね」

菫「ありがとうございます」

菫「私、来年入学予定なので、宜しくお願いします」

澪「よかったな梓…一人きりじゃなくて」

梓「はい!」



76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:41:51.177 ID:gFLCfFXM0.net

澪「梓に後輩が出来て…」

澪「これでいいんだよな、律、ムギ」

澪「…」

澪「なんで律の死体が見つからないんだ?」

澪「もしかして、唯は律を殺してないんじゃないか?」

澪「だとしたらいったい誰が律を…」

澪「必ず見つけ出してやるからな!律!」


第2部
おわり



77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:44:25.945 ID:gFLCfFXM0.net

第3部


律「」

紬「ついにやってしまったわ…人を殺しちゃった…」

紬「明日、穴を掘って埋めてあげるからね…りっちゃん」

それは琴吹紬が殺害される1日前のことだった



80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 01:54:03.552 ID:gFLCfFXM0.net

梓「律先輩もムギ先輩もいなくなった…」

梓「唯先輩まで…」

梓「寂しいよぉ…」

梓は引っかかっていた
それは逮捕される前、唯が紬を見たということだ

殺人鬼の言葉など信用に値しない

だが、唯の怯えた様子は決して演技ではなかった



83: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 02:12:24.791 ID:gFLCfFXM0.net

梓「…」

菫「あのーすいません」

梓「あ、スミーレようこそ」

菫「なんだか私ここの一員みたいですね」

梓「もう一員だよっ!入学したら軽音部、入ってくれるでしょ?」

菫「それはもちろん!」



84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 02:14:55.756 ID:gFLCfFXM0.net

梓「スミーレってほんとムギ先輩に似てるよね」

菫「えっ?そうですか…?」

梓「もしかしてムギ先輩の変装とかしてたんじゃない?」

菫「…ばれてましたか」

梓「わかるよ…ねぇ、警察には言わないから、知ってること話してくれない?」

菫「わかりました…」



85: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 02:18:49.523 ID:gFLCfFXM0.net

菫「紬お嬢様…お姉ちゃんは人を殺したんです」

梓「!」

菫「そしてそれを隠すために用意していた場所で…殺されたんです」

菫「平沢唯に」

菫「お姉ちゃんの殺した人は琴吹の家の都合で隠されました…」

菫「事件そのものを有耶無耶にしてしまうため、敢えてお姉ちゃんもそのままにして…」

菫「でも私はお姉ちゃんを殺した平沢唯が憎かった…」

菫「だからお姉ちゃんのフリをしてあの人に会ったんです」



86: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 02:20:25.296 ID:gFLCfFXM0.net

梓「よく話してくれたね」

菫「はい…」

梓「でももうみんなは戻ってこない…」

梓「これは2人だけの秘密」

梓「それでいいでしょ?」

菫「ありがとうございます」



87: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/10/06(火) 02:22:51.084 ID:gFLCfFXM0.net

こうして田井中律と琴吹紬の事件は幕を閉じた…

しかし真相を知るのはたった2人の少女のみ

どうすれば全員が救われたのか?

この悲劇は食い止められなかったのか?

すべては闇の中である





元スレ
唯「…ムギちゃんなの?」