1: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:28:56 ID:knaW


・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・描写について、複数のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります


-----事務所のこたつ-----

プロデューサー(以下P)「…………」ポケー

久川凪「…………」グデー

P「……ふわぁ」

凪「……んー……」ノビー

P「……凪ー」

凪「……なんですか、P」

P「今日、オフじゃなかったかー?」

凪「はい、今日の凪は紛れもなくオフ……すなわち100%オフですね。これはお買い得」

P「だよなぁ……」



2: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:30:50 ID:knaW

凪「……そもそも、スケジュールを組んだのはPのはずでは?」

P「いや、まあそうなんだけど……オフなのになんで事務所に来てるのかな、と……」

凪「それについては、やむにやまれぬ深ーいワケがあるわけで」

P「ふむ」

凪「残念なことに、女子寮の凪部屋には、こたつが実装されていません。……あとは、わかるな?」キリッ

P「なるほど、こたつ目当てか……納得した」

P「……まぁ、これだけ気持ち良ければ、わざわざ通ってでも恩恵を受けようとする気持ちも分からなくはないな」

凪「わかりますか、わかりみですか。……うーん、これこそが、温もりに満ち満ちた、正方形の楽園……」ポヤポヤ

P「お、出たなマンションポエム」



3: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:31:45 ID:knaW

凪「おや。突然のマンションポエムに、Pのテンションもうなぎのぼりと見ました。おっと、凪とうなぎでなぎが被ってしまったな」

P「……テンション、上がってるように見えるか?」グデー

凪「どれどれ」ジー

P「……」

凪「……こうして見ると、意外と白髪が多いですね」

P「ぐっ……! 余計に落ち込むようなこと言わないでくれ……!」ガクー

凪「これは失言。言葉のナイフでPを傷つけてしましましたね。こう見えて悪気は無いのです。許してやってはくれませんか」

P「いや、まあいいんだけど。というか、別に傷ついてないし? ……まだ、大丈夫なはずだし?」



4: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:33:13 ID:knaW

凪「それはさておき。Pの方こそ、こんなところでこたつライフをエンジョイしていても良いのですか? お仕事、お忙しいのでは」

P「いやー、朝からひたすらデスクにかじりついてたら、ちひろさんに『いい加減少しは休憩してください!』って追い出されちまった」アハハ

凪「わーお。相変わらずの仕事人間っぷりですね。さすがはP、プロのデューサーを名乗るだけのことはある」

P「ま、俺の頑張りで皆がアイドルを楽しめるなら、これくらいどうってことないさ。……って、ちょっとカッコ付けすぎか?」

凪「そうですね。かっこP、かっこ閉じ、です」

凪「……ですが、そんなPへの日頃の感謝を込めて、30凪ポイントを進呈しましょう。てってれー」

P「お。……で、そのポイントは貯まるとどうなるんだ?」

凪「30凪ポイントはつまり、みかん一つと交換になります」コロン

P「最初からそこのカゴに置いてあったやつじゃないか……まぁいいや。食べよ」ムキムキ

凪「では、凪もおひとつ」ムキムキ

P「ポイントと交換じゃなかったのか?」

凪「ふっふっふ。名誉久川凪であるこの凪には、一日につき500凪ポイントが自動的に付与されるのです。もはやポイント残数はカンスト済み」

P「インフレしてるなぁ」



5: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:34:24 ID:knaW

凪「……ふぅ。やはり、こたつにはみかんですね。これぞ日本人の心」モグモグ

P「それなー。この組み合わせ、全国共通なのかな?」

凪「少なくとも、うちの地元ではそうでしたね。毎年冬になると、はーちゃんと凪による、みかんの早剥き対決が勃発したものです」

P「地元って、徳島だよな? 徳島っていうと、すだちのイメージが強いけど……」

凪「すだちですか。確かに徳島県民にとっては魂そのものといっても過言では……過言か? ともかく、こたつでだらだらのお供には向きませんね」

凪「そもそも、単品で食べるものじゃありません。奴が真価を発揮するのは、焼き魚か冷やしうどんの上と相場が決まっています。大根おろしがあれば、なおよし」

P「……なんか、話聞いてたらお腹空いてきたな」ゴクリ

凪「特に理由の無い飯テロがPを襲う。奇襲成功ですね。……キシュウが似合うのはむしろみかんの方では? やはりみかんは格が違った」モグモグ

P「まぁ、単純にうまいよなー。延々と食べられるわ」モグモグ



6: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:35:16 ID:knaW

凪「ところがどっこい。カゴの中はもう空です」

P「マジか。いつの間に……」

凪「みかんの無いこたつなど、みかんの無い鏡餅と同じようなもの……つまり、こたつイコールお餅。新説ですね」

P「あれ、正確にはみかんじゃなくて、だいだいっていう別の果物らしいぞ」

凪「ほほう。そんな、Pの一族に代々伝わる秘密を、大々的にばらしてしまってのも良いのですか?」

P「いや、たぶん一般常識か、よくて豆知識の範疇かな」

凪「ちなみに、みかんとだいだいの違いとは」

P「…………いや、ちゃんとは知らないけど」

凪「……つまり、だいたい同じということですね」

P「ま、それでいいか」



7: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:37:25 ID:knaW




ガチャ
久川颯「ふー、さぶー! 外めっちゃ寒いよー」

P「お、颯も来た。お疲れさーん」

颯「あっ、Pちゃん! お疲れさまですっ!」ペコリ

颯「ってあれ? なーいる! なんで!?」

凪「はーちゃんの在るところ、常に凪在り。久川家に14年ほど前から伝わる格言です」ドヤァ

P「その割には今まで別行動だったみたいだけどな」

颯「はーはね、悠貴ちゃんとショッピングしてて! でも悠貴ちゃんこれから用事あるみたいだから、さっき別れて……で、近くまで来たし、ちょっと事務所覗いてみようかなって」

颯「ていうか、なーずるい! はーもPちゃんとおこたデートするー!」

P「知ってたか凪、これデートだったらしいぞ」ヒソヒソ

凪「今ドキのJCは、とかく二人で行動することをデートと形容しがちなのです」ヒソヒソ



8: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:38:37 ID:knaW

颯「あーでもコート脱がなきゃ。ちょっと待ってて!」ヌギヌギ

P「あ、颯ー。こたつ来るついでに、ひとつ頼まれてくれないか?」

颯「なになに?」

P「あっちの部屋の入口んとこにある段ボールから、こっちにみかんいくつか補充してほしいんだ」

颯「みかん? わかった! 任せてー♪」スタスタ

凪「……うちのはーちゃんを小間使いにするとは、Pも偉くなったものですね」ジトー

P「うぐ……でもほら、立っている者は親でも使えって言うし……な?」

凪「なるほど、つまりはーちゃんを親のように思っていると」

P「えっ」

凪「うぅむ、はーちゃんの奥底に眠る母性を既に見出していたとは……P、侮れないな。流行りの『バブみ』という概念についても、精通しているとお見受けしました」

P「オーケーこの話はここまでにしよう。これ以上は俺にあらぬ疑いが掛けられる恐れがある」

凪「りょ」コクリ



9: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:39:30 ID:knaW

颯「お待たせー! みかん持ってきたよー」ドサッ

P「おー、ありがとな、颯」

凪「これだけあれば、まだしばらくはここでぬくぬくしていられますね」

颯「ねーPちゃん。段ボールの中、みかんいっぱいに交じってりんごも何個か入ってたけど、なんで?」

P「あれなら、あかりが『ここに混ぜとけば、誰かどさくさ紛れに持ってってくれないかなぁ……?』とか言いながら忍び込ませてたぞ」

颯「あははっ♪ あかりちゃん、ぶれないなー!」

凪「巧妙なステマですね。驚きの透明感」

P「言うほどステルスしてるか?」



10: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:40:55 ID:knaW

颯「さてと! はーもおこた入ってみかん食べよー♪ ほら、なー。ちょっとそっち寄って」モゾモゾ

凪「仕方がありませんね。可愛い妹の為です。凪スペースを分譲するとしましょう」モゾモゾ

颯「ふぅー、あったかー……♪」

P「わざわざ凪と一緒に入らなくても、空いてるところ広く使えばいいのに」

颯「あ、そっか。……んー、でもいいや! なーにくっついて入る方が慣れてて落ち着くし」

P「そうなのか?」

凪「ですね。かくいう凪も、はーちゃんが側にいた方がしっくりきます」

颯「実家のこたつだと、いつも入るとこ決まってたんだよね。今Pちゃんがいるとこがパパの場所で、反対側にゆーこちゃん。で、その間にはーとなー!」

凪「そして我々の対角線上にテレビを配置すれば、黄金の陣形、久川トライアングルの完成です」

P「ほー……なんか、いいな。そういうの」



11: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:42:21 ID:knaW

颯「えへへ。なんだかちょっぴり、懐かしくなっちゃった」

凪「おや、これが巷でウワサのホームシックというやつですか。寂しさのあまり一人部屋で枕を濡らすはーちゃん……加湿器いらずですね」

颯「ち、違うし! 一人で寝るのだってもう余裕だから!」

颯「それに、寮にはアイドルのみんながいるから、もうみんなまとめて家族って感じ? だから全然、寂しくないよっ!」

P「ははっ。そりゃ、随分と大家族だな」

凪「美穂さんや響子さん……他にも、たくさんの先輩方にお世話になっていますね。……これは、はーちゃんの姉の立場が脅かされているのでは? 元祖姉、危うし」

颯「いや、別にそーゆーのじゃないから。なーはなーだよ。バディだもん、特別!」

凪「はい、はーちゃんの特別、いただきましたー。全国のはーちゃんファンよ、見たか。ここぞとばかりに血縁マウントを取っていきます。どやぁ」

P「なんか今日イチのテンションなんだが」

凪「いかにも。ぶちあげです」



12: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:44:08 ID:knaW

颯「もー、こんなとこでぶちあがらなくていいから! ほら、みかん食べて落ち着いて」アーン

凪「はむ。……うーむ、甘くて酸っぱい、オクシモロンな味……。こんなに素晴らしいみかんをもらえる凪は、まさに特別な存在なのだと感じますね」シミジミ

P「みかんひとつで随分と大袈裟なもんだ」

颯「なーはいつもこうだから……。Pちゃんにもみかん剥いたげるね!」ムキムキ

P「お、いいのか? なんだか手馴れてるな。……あ、そうか。凪と早剥き勝負してたって言ってたな。それで鍛えられたのか」

颯「なー、そんなこと言ってたの? 確かに、小学生の頃よくやったよね。なーったら、皮剥きやすいみかん見つけるの妙に上手いの! ズルくない?」

凪「ですが、剥くスピード自体は、はーちゃんの方が一枚上手でしたね」

颯「そうそう! だから意外と毎回いい勝負になるんだよねー。……はい、Pちゃんどうぞ♪」

P「どうも。……小学生の頃の二人かぁ……ちょっと興味あるな」モグモグ

凪「Pが望むなら、凪秘蔵のはーちゃんアルバムを公開することも、やぶさかではありませんが?」

P「ほほう」キラーン



13: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:46:12 ID:knaW

凪「ふっふっふ。この久川凪、伊達に『趣味:写真』を名乗ってはいません。それはもう、過去のはーちゃんから現在のはーちゃんまで、映えがたっぷり、エモさマシマシでお送りできますよ」

颯「えっ、ちょっと待って! なー、それって変な写真とか混ざってない!? Pちゃんに見せる前に、一回チェックさせてっ!」

凪「ここで検閲が入ってしまいました。どうやらPにお見せするものは、はーちゃんズカット版になりそうです。……これはこれで、プレミアみがあるな」

P「はははっ、楽しみにしてるよ。もしかしたら、仕事でも使えるかもしれないしな。子供の頃の写真を公開とか、よくあるし」

颯「なるほど……! じゃあじゃあ、可愛いやつ真剣に探しとかないと……!」

P「……んー、さてと! 仕事の話も出たことだし、ぼちぼち仕事に戻るかなー」ノビー

凪「おや、出勤ですか。楽しいこたつパーリィもそろそろ閉会のお時間ですね」

颯「えー!? もっとお喋りしたいのになー」



14: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:47:38 ID:knaW

P「あんまり長いこと休んでるわけにもいかないからな。それに、二人と話してたらなんだか元気になったよ。仕事の疲れも吹っ飛ぶってもんだ」

颯「ほんと? えへへー♪ ファンに元気を分けてあげるのも、アイドルの役目だもんねっ!」

P「おー、良いこと言うじゃないか。その調子でこれからも一緒に頑張っていこう」

颯「はーい!」

凪「お任せあれ」グッ

P「じゃあ、二人はゆっくりしていってくれ。……よいしょっと」ガバッ


P「……っ」ブルッ


颯「Pちゃん?」

P「……さっぶ。やっぱりもうちょっとだけ温まってから……」モゾモゾ

颯「わかるー♪」ケラケラ

凪「Pも、こたつの魔力には勝てなかったか……」ウンウン



おわり




15: 名無しさん@おーぷん 22/01/22(土)04:48:23 ID:knaW


以上、お付き合いありがとうございました。

ずっと書きたかった久川姉妹SSをようやく形にすることができました。
凪らしい台詞回しは未だ研究途中ですが、あまり考えすぎて時間を費やすと、こたつシーズンが終わってしまいそうなので……


最近書いたの
キャンディアイランドの図らずも毒にも薬にもならないおしゃべり

こちらもよろしければどうぞ。


元スレ
こたつでみろわーる!