1: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 20:56:06.51 ID:KfojuH6x.net
凛「えっ…どうして?なにそれ!意味わかんないにゃ!」
絵里「諦めなさい凛。これは決定よ。」
凛「そんなの…いやだ!!」
花陽「凛ちゃん…」
凛「嫌だ!嫌だよ…かよちん…」
花陽「うん…私も嫌だよ。けど…」
穂乃果「仕方ないよ。うちの学校にはバレンタインデーさんが来なかったんだもん…」
ことり「はぁ…。廃校寸前だった音ノ木坂には来てくれなかったんだね…」
絵里「凛も知ってるでしょ?バレンタインデーさんが来なければ、学校でバレンタインをやることができないのよ」
凛「知ってる…。けど!」
真姫「これは正式に決まったことなんでしょ?もうどうにもできないわ」
にこ「いい?今年のバレンタインは…中止よ」
2: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 20:58:18.72 ID:KfojuH6x.net
凛「やだ!凛は今年もかよちんから手作りチョコを貰うんだもん!そのチョコを2人で食べるんだもん!食べてふわふわするんだもん!」
絵里「凛、ワガママ言わないの」
凛「やだやだやだぁぁ!かよちんの作ったチョコ食べる!バレンタインデーがこないとやだぁぁぁ!!!」
絵里「凛っ!」
凛「やだ!やだやだ!」
花陽「凛ちゃん…今年は我慢しようよ。ほら、バレンタインじゃなくてもチョコなら作ってあげるから」
凛「バレンタインの手作りチョコと普段の手作りチョコは違うにゃ!」
花陽「うぅぅ…だったら…えーっと…」
真姫「いい加減にしなさいよ!無理なものは無理なんだから仕方ないじゃない!」
穂乃果「真姫ちゃんの言う通りだよ…こればっかりは仕方ないよ。」
凛「うぅ…」
希「バレンタインデーさん。通称バレンタインさん」
海未「全国の学校にバレンタインさんが来ることで、バレンタインをする許可を得ることができます」
絵里「残念ながら…今年、うちの学校には来てくれなかった。」
にこ「もう一度言うわよ。バレンタインは…中止よ!」
凛「やだぁ…かよちんのチョコ…信じられないくらい美味しいチョコレート…略して信じられないくらい美味しいチョコが…」
希「凛ちゃん…少し落ち着こうな?ほら、外の空気でも吸いにいこう」
凛「うん…ぐすぐす」
海未「では私もご一緒します」
凛「うん…。」
海未「行きますよ。ほら、サッカーでもしましょう」
凛「うん…」
希「凛ちゃんはうちらに任せて…な?」
にこ「えぇ。任せたわよ」
絵里「はぁ…まったく」
穂乃果「仕方ないよ…だって、バレンタインがこないなんて…」
ことり「私もみんなに手作りチョコレート食べてほしかったな…」
真姫「私は興味ないから中止でもどうってことないけど」
にこ「ふーん…興味がないんじゃなくて、手作りチョコが作れないの間違いじゃないの?」
真姫「ちょっ!…ち、違うわよ」
穂乃果「はぁ…名物ほむまんチョコレートバージョン…みんなに食べて欲しかったな」
絵里「私も…大好きなチョコレートをたくさん食べたかった…なのに、なのに…っ!!」
「じゃあ呼ぼうよ」
穂乃果「えっ…」
花陽「バレンタインさんを…呼ぼう」
にこ「花陽…あんた、本気なの?」
花陽「私も…凛ちゃんに手作りチョコをプレゼントしたい!一緒に食べて…ふわふわしたい!」
花陽「だから…呼ぼう!」
にこ「そうね!」
穂乃果「みんなで!」
「呼ぼうっ!!」
こうして…私たちと、バレンタインさんとのバレンタインデー合戦が始まった。
・
・
・
ことり「穂乃果ちゃん、この板のやつを湯煎してくれる?」
穂乃果「うん、任せてよ!」
ことり「えーっと…そのあとは生クリームを…」
花陽「わぁ!やっぱりことりちゃんはすごいなぁ…手際がいいね。尊敬しちゃうな」
ことり「そうかな?」
穂乃果「みんなで協力して美味しいのを作って…思いが伝わるといいね」
花陽・ことり「うん!」
「ねーねー、なにしてるにこー?」
花陽「はっ!?」
にこ「あっ、もしかして…それってさ…アレ作ってんの?」
花陽「にこくん!」
ことり「ほら穂乃果ちゃん、にこくんが来てるよ」
穂乃果「あ…ど、どうしよう…うぅはずかしいよー」
にこ「ほら!高坂たちがアレ作ってるよ!ちょっとー!おまえらもこいよー」
絵里「どうしたんだ、にこ」
ことり「え…絵里くん!」
真姫「ど、どうしたの…に…にこちゃん!」
花陽「あっ…ま、真姫ちゃ…じゃなくて!真姫くん!いや、西木野くん?」
絵里「この匂い…おっ、アレじゃないか。もしかして…南さんたちみんなでアレを作ってるの?」
ことり「う、うん…そうなんだ。だって…ね?ほら…時期的に…」
絵里「そうだね。時期的にアレだね」
ことり「う、うん…」
絵里「リアルだととっくに過ぎてるけどね」
ことり「うん!過ぎてるね!」
絵里「誰かにあげるのかい?」
ことり「へっ…?う、うん…その予定なんだけど…」
絵里「僕も食べたいな。南さんの作ったそれ。出来たら僕にくれない?」
ことり「そ、そんな…照れちゃうよぉ…けど、うん!絶対に絵里くんに渡すからね!」
"ガサガサ…"
にこ「!」
花陽「…かかったみたいだね」
にこ「…ふっ。じゃあ、一気に畳み掛けるわよ」
花陽「うん!」
にこ「なぁ、高坂も作ってんの?」
穂乃果「そうだけど…」
にこ「高坂も手作りとかできるんだな」
穂乃果「できるよ!ウチがなに屋さんか知らないの?」
にこ「知ってるけど、ソレとはちょっと違うだろ」
穂乃果「そうだけど…」
にこ「なぁ、それ…誰かにあげるの?」
穂乃果「えっ…。う、うん…一応…ねっ」
にこ「ふーん…。お前からソレを貰うなんて罰ゲームか何かじゃねーの?」
穂乃果「えっ…」
ことり「ちょっと、にこくん!」
花陽「その言い方はひどいと思うよ!」
穂乃果「そう…だよね…穂乃果から貰っても嬉しくないよね…罰ゲームだよね…?」
にこ「そうだよ。罰ゲームだよ…俺以外の奴には…」
穂乃果「えっ…」
にこ「…俺、罰ゲーム大好きだから…」
穂乃果「ふふっ!それの発言はどうなんだろ?」
にこ「う、うるさいよ!」
穂乃果「できたらあげるね!」
"ガサガサガサ…!!"
花陽「(やっぱり…この甘くてほろ苦い香り!)」
にこ「(ウォッカやジンと比べものにならないほど全身黒ずくめの格好!!)」
穂乃果「(頭には大きなリボン!)」
絵里「(顔に描かれた2月14日の文字!)」
ことり「(あれが…バレンタインデーさん!)」
・
・
・
30分前
花陽「ほろ苦いチャコレートのような匂いがして、頭の上にはラッピングされたチョコレートのように可愛いリボンをつけてる」
花陽「そして、1番の特徴が顔に書かれた2月14日の文字。それと、ジンやウォッカより黒ずくめ…それがバレンタインさん」
花陽「バレンタインさんが来ない場合、呼び出すことで学校にバレンタインが訪れるそうです。」
にこ「ふーん。まだ私たちにもチャンスはあるってことね」
花陽「うん。バレンタインさんの好きな物を用意してバレンタインを呼び出す。そして、軽く肩をポンと叩かれれば不思議とバレンタインデーが来るみたい」
絵里「そう…なるほどね」
穂乃果「ねぇ、どうすればバレンタインデーさんは来るの?」
ことり「好きな物を用意して…好きな物?なんだろう…」
花陽「待って、それも書いてある!ネットの情報によると…バレンタインさんはとにかくバレンタインが大好き」
真姫「バレンタインデーを名乗るほどの人がバレンタイン嫌いだったら逆に驚くわよ」
花陽「ふふっ、そうだね」
絵里「他に情報はないの?」
花陽「ちょっと待ってて。えーっと…あっ、あった!バレンタインさんを呼ぶ方法完全版!」
にこ「何て書いてあるの!」
花陽「うん…なるほど!バレンタインさんは、チョコレートの匂いに寄ってくる…」
ことり「じゃあ家庭科室でチョコレートを作ればいいね!」
絵里「早速先生に家庭科室の使用許可を取ってくるわ」
穂乃果「なんだ、それだけなんだね」
花陽「ううん、それだけじゃないみたい。あと、甘酸っぱい恋愛模様…?」
絵里「なるほど…バレンタインと甘酸っぱい恋は切っても切れない関係って事…。」
穂乃果「じゃあ…チョコを作って、甘酸っぱい恋愛模様を…あれ?どういうことだろ」
にこ「お芝居しかないわね」
ことり「お芝居…?」
にこ「3人で2つのグループに分かれるの。1組はわちゃわちゃしながらチョコを作る係、もう1組は…」
穂乃果「もう1組は?」
にこ「男装してチョコ作りを冷やかし甘酸っぱい恋愛模様をしでかす係!」
絵里「なるほど!そうと決まれば…」
真姫「嫌よ!私はやらない!」
花陽「そうだよね…やりたくないよね?けどお願い!ここで私達が頑張らないとバレンタインさんは来てくれない…」
真姫「…」
穂乃果「私からもお願いだよ!みんなで私達のバレンタインを取り戻そうよ!」
真姫「…だけど芝居なんて」
花陽「真姫ちゃん…お願いっ!」
真姫「もう…一回だけよ!」
花陽「真姫ちゃん…!ありがとう!」
絵里「では、みんな…準備はいいわね?」
花陽「うん!」
ことり「みんなで頑張ろう!」
穂乃果「私たちのバレンタインデーを取り戻そう!」
にこ「こんな時のために学ランが3着あるのよ!さて、これを誰が着るか…じゃんけんで決めるわよ!」
おー!
せーのっ!
ぽんっ!
真姫「負けた…なんで私が学ランなんか!」
にこ「じゃんけんで負けた真姫ちゃんが悪いの!ほら、さっさと着なさい」
真姫「っ…!」
穂乃果「じゃあ私たちはチョコレートを作ってくるから着替えたら見に来てね」
絵里「えぇ、わかったわ。じゃあ早速…」
花陽「待って!注意点が書いてある!えぇっと…以下の言葉はバレンタインさんを呼び出す上で言ってはいけない。」
花陽「「チョコレート」と「バレンタイン」など…」
にこ「ふーん。バレンタイン関係の言葉は禁句ってわね」
絵里「深いわね…」
穂乃果「うん。とにかく、じゃあみんな…やろう!」
ことり「チョコレートは禁句…」
花陽「うぅぅ…できるかなぁ…」
にこ「できないじゃない…やるのよ!」
絵里「じゃあ…いくわよ!」
おー!
・
・
・
"ガサガサガサ…!"
にこ「(こっちに近づいてるにこ)」
絵里「(じゃあ…とどめよ)」
にこ「ほら、西木野もなんか言えよ」
真姫「えぇっ!」
ことり「ほら、花陽ちゃんも」
花陽「う、うん…」
真姫「えーっと…(甘酸っぱい恋愛模様ってなにすればいいの?)」
花陽「あの…真……じゃなくて、西木野くん…あのね」
真姫「な…なに……だよ」
花陽「今作ってるこれ…好き?」
真姫「…べ、べつに好きってわけじゃないけど…。貰ったら…嬉しい…かも…って」
花陽・真姫「(恥ずかしい…)」
にこ「(2人とも照れたりなんかして!なんて甘酸っぱいの!)」
"シャカシャカシャカ" サササササッ!
穂乃果「(近づいてきてる!)」
にこ「(もらったぁ!!)」
絵里「(バレンタインさんが花陽に近づいて…!)」
ことり「(今まさに肩を…叩いて……っ!!)」
「ちょっと!なにしてるの!」
ビクッ!!!
絵里「まさか…こんなタイミングで!」
凛「なにしてるにゃ!!」
にこ「凛!」
穂乃果「凛ちゃん!!」
花陽「凛ちゃん!あのね、今大事なことをしてて」
凛「ちょっと待って…何それ…チョコ?」
花陽「あっ!だめっ!」
凛「かよちんがチョコ作ってるにゃー!」
花陽「凛ちゃん!」
凛「バレンタインもこないのに誰のためにチョコレートなんか作ってるにゃ!!」
花陽「ダメ!凛ちゃん落ち着いて!」
凛「うわぁぁぁ!バレンタインが来ないだけでもショックなのに!かよちんが凛の知らないところでチョコレートを作ってたにゃぁぁぁ!!!」
凛「バレンタインデーがこないのに!チョコを…チョコレートを!!」
にこ「よりによって禁止ワードをあんなに連呼するなんて…!」
ことり「バレンタインさんがゆっくり後ずさりしてる!!」
絵里「あと一歩だったのに…」
穂乃果「諦めちゃ駄目だよ!だって、せっかくここまできたんだよ!」
真姫「けれど…一体どうやって…」
花陽「そうだよ!せっかくここまできたんだもん!諦めちゃ駄目だよ…だから!」
穂乃果「花陽ちゃん…がんばって!」
花陽「うん!だから…凛ちゃん!これは全部…凛ちゃんのためなの!」
凛「えっ…凛の?」
花陽「凛ちゃん…今から言う私の質問に「はい」か「いいえ」の二択で答えて」
凛「…はい」
花陽「凛ちゃんは私のことが好き?」
凛「はい!」
花陽「よかった…花陽も凛ちゃんのことが大好き。その…嬉しいと思ってくれる?」
凛「はい!」
花陽「よかった…。ふふっ、すっごく嬉しいよ」
凛「か、かよちん…?なんの質問なの?」
花陽「ごめんね凛ちゃん…どういうことが甘酸っぱい恋愛模様なのか、花陽はお子ちゃまだからよく分からないけど…」
花陽「…私の手作りのこれを食べて…凛ちゃんと2人っきりで一緒にふわふわしたいから!」
花陽「だから、私の事を信じて!」
凛「かよちん…なんだかよく分からないけど、かよちんの事は大好きだし、凛もふわふわしたいにゃ!」
花陽「本当に?…美味しくできるかわからないよ?」
凛「かよちんの作ったものはなんでも美味しいよ!それに、失敗したって凛がぜーんぶ食べちゃうからね!」
花陽「本当に?嬉しいな」
凛「かよちんが嬉しいなら凛も嬉しいにゃー」
ガサガサガサ…ササッ!
絵里「(バレンタインさんがまた近づいてきた!)」
穂乃果「(ゆっくりゆっくりこっちに近づいてきてる!)」
真姫「(そして、今まさに花陽の肩を…!)」
海未「甘い匂いが漂っていると思ったら、チョコレートですか?」
にこ「ちょっ!」
海未「バレンタインは中止になったというのに…そうですね。バレンタインはできなくともチョコレートを作る事は自由ですからね」
ことり「だめっ!海未ちゃん…!」
海未「チョコレートを…ぶふっ!ふがふが」
ダッダッダッダッダッダッ…
穂乃果「あぁぁ!!海未ちゃんの神の一声でバレンタインさんが走って逃げていったぁぁぁ!」
にこ「ちょっと!海未、あんたね!」
真姫「学ランまで着て頑張ったのに…どうしてくれるのよ!」
海未「えっ?話が読めません。なぜ私はみんなから責められて…ことり、なんの事だかわかりますか?」
ことり「…さ、さぁ?」
海未「何故目を反らすのですか…?何故!」
希「みんなして一体どうしたん?」
花陽「それが…あのね」
・
・
・
海未「申し訳ありませんでした…私は、なんて事を…」
ことり「そんなに自分を責めないで。もう一度チャレンジすればいいんだもん」
海未「しかし、もう時間がありません。もうすぐ下校時間です」
希「下校時間がタイムリミットやね。」
絵里「あと約1時間で…学校でのバレンタイン中止が正式に決定するわ」
穂乃果「なんとか阻止しないと…!」
にこ「禁止ワードだけ気をつけて、もう一度同じ事をすればなんとか…」
花陽「ううん…バレンタインさんに同じ手は通用しない」
海未「私のせいですね…なんと謝ればいいのか…」
絵里「海未、あなたのせいじゃないわ。まだ、何か手はあるはずよ」
真姫「私たちに出来る…何かが!」
凛「ねぇ、バレンタインさんはバレンタインデーが大好きなんだよね?」
花陽「うん。」
凛「じゃあ…あれじゃないかにゃ?」
花陽「…えっ?」
凛「凛たちだけにしかできない、バレンタインのおもてなしにゃ!」
・
・
・
サササササッ…
ササッ!
!!!
だってー ぎゅっとー らぶでせっきーん もっとー♪
!!
もっとー だってー どきりあせっちゃーう もっぎゅー!
ガサガサガサッ!!!
にこ「(バレンタインさんが食いついてる!)」
ことり「(こっちに近づいてきてるよ!)」
穂乃果「これが…私たちμ'sのやり方だよ!!」
花陽「(バレンタインさんに私たちの気持ち…届いて!!)」
うれしー いとしー せかいいちー はーっぴーなー♪
花陽「(バレンタインさんがゆっくり穂乃果ちゃんに近づいてきた!)」
凛「(やったにゃ!バレンタインさんが穂乃果ちゃんの肩に手を…!!)」
花陽「(これでみんなのバレンタインデーが…!)」
"じゅるるーん さまーうぃーんぐ♪"
穂乃果「あっ、メールだ」
海未「穂乃果っ!!」
サササササッ!!!
ことり「あっ…バレンタインさんが走って逃げていくよ!」
穂乃果「どうして…!」
絵里「暑い夏はチョコレートの天敵よ。それに、バレンタインは冬のイベント。夏色えがおでワンツージャンプしても無意味なのよ!」
穂乃果「そんな…」
にこ「下校時間まで残り10分。もう時間がない…」
絵里「残念だけど…今年は決定ね」
希「バレンタインデーは…中止や…」
凛「そんなこと…させないにゃ!凛が走って追いかけるにゃ!」
真姫「待ちなさい凛!」
凛「やだ!肩を叩いてくれないなら、凛がバレンタインさんの肩を叩いてやるにゃ!」
花陽「駄目だよ!そんな事すれば、バレンタインさんは二度とこの学校には来てくれなくなる!」
凛「だけど…!凛はバレンタインデーでかよちんにチョコを貰って…食べて…ふわふわして…」
キョロっ、きょろきょろ…
真姫「ん?何…この音…。待って!あそこに誰かいるみたい!」
絵里「あそこにいるのは…」
花陽「あれは!全身真っ白で顔には3月14日の文字…そして、お腹には3倍返しの文字!」
花陽「間違いないよ!あれは…ホワイトデーさんだよ!」
8人「ホワイトデーさん!!!」
ガサガサガサガサガサ…
!!
凛「ホワイトデーさんがバレンタインさんに近づいていくよ!」
真姫「待って…2人で向き合った!」
海未「待ってください!ホワイトデーさんが…」
ことり「泣いてる…?」
グスグス…グスングスン…
………。
にこ「どうして…?」
花陽「バレンタインと違ってホワイトデーは日本が独自に作り出したイベント。よって、世界的知名度はないんです!」
凛「そっか…じゃあ…」
花陽「うん。バレンタインがこなければ、ホワイトデーもこない。ホワイトデーさんはホワイトデーを広めたいのに…!これじゃあ…日本でも広まらないよ!」
凛「凛…いってくる!」
花陽「えっ…凛ちゃん!どこにいくの!」
グスングスン…グズッ…グスグス…
……
凛「バレンタインさんはどうして黙ってるにゃ!」
!
凛「バレンタインデーはみんなを幸せにしてくれるイベントにゃ!いいや、凛がかよちんとチョコを食べて幸せになってふわふわするイベントにゃ!」
凛「春の陽気のように…ふわふわ!凛とかよちんの春色バレンタインにゃ!」
凛「バレンタインデーの象徴であるバレンタインさんが、ホワイトデーさんを泣かせていいと思ってるの?いいや、凛はそうは思わないにゃ!」
………
グスグス…グスン…
凛「バレンタインはみんなを笑顔にして…幸せにする日にゃ!」
凛「だったら、バレンタインさんがやることはひとつだよ!ほら…早くっ!!」
………………。
凛「かよちんが泣いてたら…凛はかよちんのことを力いっぱい抱きしめるにゃ!!!バレンタインさん!!バレンタインさんのぬくもりでホワイトデーさんを溶かしちゃうにゃ!!」
……………………。
凛「バレンタインさんっ!!!」
凛「春色バレンタインの発売日は一体いつにゃ!!」
……………!!!!!
ダダッ!!
ギュッ!!
……!!!
穂乃果「バレンタインさんがホワイトデーさんを抱きしめた!!」
ことり「やったぁ!」
真姫「…何?これ……雪?」
にこ「違う…これは…マシマロ?ホワイトデーさんの体から大量のマシマロが吹き出しているわ!」
希「ホワイトデーさんはの嬉しさのあまり…体からマシマロを噴出してるんや!」
海未「なるほど…ホワイトデーさんの思いが詰まったマシマロ…通りで綺麗なはずです」
穂乃果「ぱくっ…もぐもぐ…。しかも美味しいよ!」
絵里「ハラショー!何がすごいって…何の疑いも持たずマシマロを口に入れた穂乃果よ!」
希「みんな…!みて!バレンタインさんが花陽ちゃんにゆっくり近づいてる!」
花陽「えっ…」
ノソノソノソ…
にこっ
"次は君の番だよ"
花陽「へっ?」
ポンッ
凛「バレンタインさんが…かよちんの肩を叩いた!」
穂乃果「ってことは…!」
ことり「あっ…お母さんから電話だ。…もしもし?うん…えっ?本当に…?」
ことり「みんな!正式にバレンタインデーの中止が撤回されたよ!」
絵里「私たちの学校にバレンタインデーが戻ってきたのね!」
ことり「うん!」
凛「これで学校でバレンタインデーができるにゃぁぁ!!」
穂乃果「そうと決まれば…チョコレートの準備をしないと!」
希「そうやね。じゃあ、今日はもう帰ろうか」
海未「そうですね。色々準備もありますし」
真姫「わ、私は別に…ないけど」
凛「えー!凛、真姫ちゃんにもあげるのにー。知ってる?友チョコっていうんだよ?」
絵里「凛からチョコを貰うなら、真姫も返さないとね」
真姫「ちょっ…分かったわよ!」
にこ「このにこにーが世界一美味しいチョコを作ってあげるわ!みんな、覚悟してなさい!」
凛「こうしちゃいられないにゃ!みんなに渡す猫さんチョコレートを買いに行かないと!かよちんもついてきてね!」
花陽「うん!もちろん」
凛「バレンタインが楽しみにゃー!」
花陽「うん。みんなでたくさん幸せなバレンタインデーにしようね!」
こうして、私たちとバレンタインデーさんのバレンタインデー合戦は幕を閉じた。
そして当日…
凛「眩しいっ!!こんなにキラキラしてるチョコレートは初めてみたにゃ!」
花陽「普通のチョコレートだよ?けど、凛ちゃんのために愛情いっぱい込めて作ったんだ」
凛「この光は愛情のせいだったにゃ…ありがたくいただくね!」
花陽「うん。どうぞめしあがれ」
凛「んんーっ!かよちんのお部屋でかよちんと2人っきりで食べるかよちんの手作りチョコレートは抜群においしいにゃー」
花陽「美味しい?よかった…」
凛「もぐもぐもぐ…そういえば、今年のバレンタインって日曜日だったんだね」
花陽「うん。そうだね」
凛「じゃあ学校で禁止されても関係なかったね」
花陽「ねー、あんなに頑張ったのにびっくりだよね」
凛「はぁ…かよちんのチョコはおいしーにゃー」
花陽「ふふっ、ありがとう。たくさんあるからたくさん食べてね」
凛「うん!あー、テンション上がってふわふわしてきたにゃー!」
たくさん食べて、たくさん幸せなふわふわするバレンタインになりました。
花陽「で、結局のところ春色バレンタインっていつ発売するんだろうね」
凛「多分明日にゃー」
花陽「へー、そっか」
凛・花陽「おしまい!」
元スレ
凛「やだ!凛は今年もかよちんから手作りチョコを貰うんだもん!そのチョコを2人で食べるんだもん!食べてふわふわするんだもん!」
絵里「凛、ワガママ言わないの」
凛「やだやだやだぁぁ!かよちんの作ったチョコ食べる!バレンタインデーがこないとやだぁぁぁ!!!」
絵里「凛っ!」
凛「やだ!やだやだ!」
花陽「凛ちゃん…今年は我慢しようよ。ほら、バレンタインじゃなくてもチョコなら作ってあげるから」
凛「バレンタインの手作りチョコと普段の手作りチョコは違うにゃ!」
花陽「うぅぅ…だったら…えーっと…」
真姫「いい加減にしなさいよ!無理なものは無理なんだから仕方ないじゃない!」
穂乃果「真姫ちゃんの言う通りだよ…こればっかりは仕方ないよ。」
凛「うぅ…」
4: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:03:18.67 ID:KfojuH6x.net
希「バレンタインデーさん。通称バレンタインさん」
海未「全国の学校にバレンタインさんが来ることで、バレンタインをする許可を得ることができます」
絵里「残念ながら…今年、うちの学校には来てくれなかった。」
にこ「もう一度言うわよ。バレンタインは…中止よ!」
凛「やだぁ…かよちんのチョコ…信じられないくらい美味しいチョコレート…略して信じられないくらい美味しいチョコが…」
希「凛ちゃん…少し落ち着こうな?ほら、外の空気でも吸いにいこう」
凛「うん…ぐすぐす」
海未「では私もご一緒します」
凛「うん…。」
海未「行きますよ。ほら、サッカーでもしましょう」
凛「うん…」
希「凛ちゃんはうちらに任せて…な?」
にこ「えぇ。任せたわよ」
絵里「はぁ…まったく」
穂乃果「仕方ないよ…だって、バレンタインがこないなんて…」
ことり「私もみんなに手作りチョコレート食べてほしかったな…」
真姫「私は興味ないから中止でもどうってことないけど」
にこ「ふーん…興味がないんじゃなくて、手作りチョコが作れないの間違いじゃないの?」
5: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:04:30.13 ID:KfojuH6x.net
真姫「ちょっ!…ち、違うわよ」
穂乃果「はぁ…名物ほむまんチョコレートバージョン…みんなに食べて欲しかったな」
絵里「私も…大好きなチョコレートをたくさん食べたかった…なのに、なのに…っ!!」
「じゃあ呼ぼうよ」
穂乃果「えっ…」
花陽「バレンタインさんを…呼ぼう」
にこ「花陽…あんた、本気なの?」
花陽「私も…凛ちゃんに手作りチョコをプレゼントしたい!一緒に食べて…ふわふわしたい!」
花陽「だから…呼ぼう!」
にこ「そうね!」
穂乃果「みんなで!」
「呼ぼうっ!!」
こうして…私たちと、バレンタインさんとのバレンタインデー合戦が始まった。
6: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:06:35.58 ID:KfojuH6x.net
・
・
・
ことり「穂乃果ちゃん、この板のやつを湯煎してくれる?」
穂乃果「うん、任せてよ!」
ことり「えーっと…そのあとは生クリームを…」
花陽「わぁ!やっぱりことりちゃんはすごいなぁ…手際がいいね。尊敬しちゃうな」
ことり「そうかな?」
穂乃果「みんなで協力して美味しいのを作って…思いが伝わるといいね」
花陽・ことり「うん!」
「ねーねー、なにしてるにこー?」
花陽「はっ!?」
にこ「あっ、もしかして…それってさ…アレ作ってんの?」
花陽「にこくん!」
ことり「ほら穂乃果ちゃん、にこくんが来てるよ」
穂乃果「あ…ど、どうしよう…うぅはずかしいよー」
にこ「ほら!高坂たちがアレ作ってるよ!ちょっとー!おまえらもこいよー」
7: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:11:04.59 ID:KfojuH6x.net
絵里「どうしたんだ、にこ」
ことり「え…絵里くん!」
真姫「ど、どうしたの…に…にこちゃん!」
花陽「あっ…ま、真姫ちゃ…じゃなくて!真姫くん!いや、西木野くん?」
絵里「この匂い…おっ、アレじゃないか。もしかして…南さんたちみんなでアレを作ってるの?」
ことり「う、うん…そうなんだ。だって…ね?ほら…時期的に…」
絵里「そうだね。時期的にアレだね」
ことり「う、うん…」
絵里「リアルだととっくに過ぎてるけどね」
ことり「うん!過ぎてるね!」
絵里「誰かにあげるのかい?」
ことり「へっ…?う、うん…その予定なんだけど…」
絵里「僕も食べたいな。南さんの作ったそれ。出来たら僕にくれない?」
ことり「そ、そんな…照れちゃうよぉ…けど、うん!絶対に絵里くんに渡すからね!」
"ガサガサ…"
にこ「!」
花陽「…かかったみたいだね」
にこ「…ふっ。じゃあ、一気に畳み掛けるわよ」
花陽「うん!」
8: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:15:36.58 ID:KfojuH6x.net
にこ「なぁ、高坂も作ってんの?」
穂乃果「そうだけど…」
にこ「高坂も手作りとかできるんだな」
穂乃果「できるよ!ウチがなに屋さんか知らないの?」
にこ「知ってるけど、ソレとはちょっと違うだろ」
穂乃果「そうだけど…」
にこ「なぁ、それ…誰かにあげるの?」
穂乃果「えっ…。う、うん…一応…ねっ」
にこ「ふーん…。お前からソレを貰うなんて罰ゲームか何かじゃねーの?」
穂乃果「えっ…」
ことり「ちょっと、にこくん!」
花陽「その言い方はひどいと思うよ!」
穂乃果「そう…だよね…穂乃果から貰っても嬉しくないよね…罰ゲームだよね…?」
にこ「そうだよ。罰ゲームだよ…俺以外の奴には…」
穂乃果「えっ…」
にこ「…俺、罰ゲーム大好きだから…」
穂乃果「ふふっ!それの発言はどうなんだろ?」
にこ「う、うるさいよ!」
穂乃果「できたらあげるね!」
"ガサガサガサ…!!"
花陽「(やっぱり…この甘くてほろ苦い香り!)」
にこ「(ウォッカやジンと比べものにならないほど全身黒ずくめの格好!!)」
穂乃果「(頭には大きなリボン!)」
絵里「(顔に描かれた2月14日の文字!)」
ことり「(あれが…バレンタインデーさん!)」
9: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:18:04.50 ID:KfojuH6x.net
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・
30分前
花陽「ほろ苦いチャコレートのような匂いがして、頭の上にはラッピングされたチョコレートのように可愛いリボンをつけてる」
花陽「そして、1番の特徴が顔に書かれた2月14日の文字。それと、ジンやウォッカより黒ずくめ…それがバレンタインさん」
花陽「バレンタインさんが来ない場合、呼び出すことで学校にバレンタインが訪れるそうです。」
にこ「ふーん。まだ私たちにもチャンスはあるってことね」
花陽「うん。バレンタインさんの好きな物を用意してバレンタインを呼び出す。そして、軽く肩をポンと叩かれれば不思議とバレンタインデーが来るみたい」
絵里「そう…なるほどね」
穂乃果「ねぇ、どうすればバレンタインデーさんは来るの?」
ことり「好きな物を用意して…好きな物?なんだろう…」
花陽「待って、それも書いてある!ネットの情報によると…バレンタインさんはとにかくバレンタインが大好き」
真姫「バレンタインデーを名乗るほどの人がバレンタイン嫌いだったら逆に驚くわよ」
花陽「ふふっ、そうだね」
絵里「他に情報はないの?」
花陽「ちょっと待ってて。えーっと…あっ、あった!バレンタインさんを呼ぶ方法完全版!」
にこ「何て書いてあるの!」
花陽「うん…なるほど!バレンタインさんは、チョコレートの匂いに寄ってくる…」
10: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:21:04.26 ID:KfojuH6x.net
ことり「じゃあ家庭科室でチョコレートを作ればいいね!」
絵里「早速先生に家庭科室の使用許可を取ってくるわ」
穂乃果「なんだ、それだけなんだね」
花陽「ううん、それだけじゃないみたい。あと、甘酸っぱい恋愛模様…?」
絵里「なるほど…バレンタインと甘酸っぱい恋は切っても切れない関係って事…。」
穂乃果「じゃあ…チョコを作って、甘酸っぱい恋愛模様を…あれ?どういうことだろ」
にこ「お芝居しかないわね」
ことり「お芝居…?」
にこ「3人で2つのグループに分かれるの。1組はわちゃわちゃしながらチョコを作る係、もう1組は…」
穂乃果「もう1組は?」
にこ「男装してチョコ作りを冷やかし甘酸っぱい恋愛模様をしでかす係!」
絵里「なるほど!そうと決まれば…」
真姫「嫌よ!私はやらない!」
花陽「そうだよね…やりたくないよね?けどお願い!ここで私達が頑張らないとバレンタインさんは来てくれない…」
真姫「…」
穂乃果「私からもお願いだよ!みんなで私達のバレンタインを取り戻そうよ!」
真姫「…だけど芝居なんて」
花陽「真姫ちゃん…お願いっ!」
真姫「もう…一回だけよ!」
花陽「真姫ちゃん…!ありがとう!」
11: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:27:14.87 ID:KfojuH6x.net
絵里「では、みんな…準備はいいわね?」
花陽「うん!」
ことり「みんなで頑張ろう!」
穂乃果「私たちのバレンタインデーを取り戻そう!」
にこ「こんな時のために学ランが3着あるのよ!さて、これを誰が着るか…じゃんけんで決めるわよ!」
おー!
せーのっ!
ぽんっ!
真姫「負けた…なんで私が学ランなんか!」
にこ「じゃんけんで負けた真姫ちゃんが悪いの!ほら、さっさと着なさい」
真姫「っ…!」
穂乃果「じゃあ私たちはチョコレートを作ってくるから着替えたら見に来てね」
絵里「えぇ、わかったわ。じゃあ早速…」
花陽「待って!注意点が書いてある!えぇっと…以下の言葉はバレンタインさんを呼び出す上で言ってはいけない。」
花陽「「チョコレート」と「バレンタイン」など…」
にこ「ふーん。バレンタイン関係の言葉は禁句ってわね」
絵里「深いわね…」
12: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:29:56.37 ID:KfojuH6x.net
穂乃果「うん。とにかく、じゃあみんな…やろう!」
ことり「チョコレートは禁句…」
花陽「うぅぅ…できるかなぁ…」
にこ「できないじゃない…やるのよ!」
絵里「じゃあ…いくわよ!」
おー!
13: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:35:05.37 ID:KfojuH6x.net
・
・
・
"ガサガサガサ…!"
にこ「(こっちに近づいてるにこ)」
絵里「(じゃあ…とどめよ)」
にこ「ほら、西木野もなんか言えよ」
真姫「えぇっ!」
ことり「ほら、花陽ちゃんも」
花陽「う、うん…」
真姫「えーっと…(甘酸っぱい恋愛模様ってなにすればいいの?)」
花陽「あの…真……じゃなくて、西木野くん…あのね」
真姫「な…なに……だよ」
花陽「今作ってるこれ…好き?」
真姫「…べ、べつに好きってわけじゃないけど…。貰ったら…嬉しい…かも…って」
花陽・真姫「(恥ずかしい…)」
にこ「(2人とも照れたりなんかして!なんて甘酸っぱいの!)」
"シャカシャカシャカ" サササササッ!
穂乃果「(近づいてきてる!)」
にこ「(もらったぁ!!)」
絵里「(バレンタインさんが花陽に近づいて…!)」
ことり「(今まさに肩を…叩いて……っ!!)」
14: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:39:46.20 ID:KfojuH6x.net
「ちょっと!なにしてるの!」
ビクッ!!!
絵里「まさか…こんなタイミングで!」
凛「なにしてるにゃ!!」
にこ「凛!」
穂乃果「凛ちゃん!!」
花陽「凛ちゃん!あのね、今大事なことをしてて」
凛「ちょっと待って…何それ…チョコ?」
花陽「あっ!だめっ!」
凛「かよちんがチョコ作ってるにゃー!」
花陽「凛ちゃん!」
凛「バレンタインもこないのに誰のためにチョコレートなんか作ってるにゃ!!」
花陽「ダメ!凛ちゃん落ち着いて!」
凛「うわぁぁぁ!バレンタインが来ないだけでもショックなのに!かよちんが凛の知らないところでチョコレートを作ってたにゃぁぁぁ!!!」
凛「バレンタインデーがこないのに!チョコを…チョコレートを!!」
にこ「よりによって禁止ワードをあんなに連呼するなんて…!」
15: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:45:08.35 ID:KfojuH6x.net
ことり「バレンタインさんがゆっくり後ずさりしてる!!」
絵里「あと一歩だったのに…」
穂乃果「諦めちゃ駄目だよ!だって、せっかくここまできたんだよ!」
真姫「けれど…一体どうやって…」
花陽「そうだよ!せっかくここまできたんだもん!諦めちゃ駄目だよ…だから!」
穂乃果「花陽ちゃん…がんばって!」
花陽「うん!だから…凛ちゃん!これは全部…凛ちゃんのためなの!」
凛「えっ…凛の?」
花陽「凛ちゃん…今から言う私の質問に「はい」か「いいえ」の二択で答えて」
凛「…はい」
花陽「凛ちゃんは私のことが好き?」
凛「はい!」
花陽「よかった…花陽も凛ちゃんのことが大好き。その…嬉しいと思ってくれる?」
凛「はい!」
花陽「よかった…。ふふっ、すっごく嬉しいよ」
凛「か、かよちん…?なんの質問なの?」
花陽「ごめんね凛ちゃん…どういうことが甘酸っぱい恋愛模様なのか、花陽はお子ちゃまだからよく分からないけど…」
花陽「…私の手作りのこれを食べて…凛ちゃんと2人っきりで一緒にふわふわしたいから!」
花陽「だから、私の事を信じて!」
16: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:48:16.45 ID:KfojuH6x.net
凛「かよちん…なんだかよく分からないけど、かよちんの事は大好きだし、凛もふわふわしたいにゃ!」
花陽「本当に?…美味しくできるかわからないよ?」
凛「かよちんの作ったものはなんでも美味しいよ!それに、失敗したって凛がぜーんぶ食べちゃうからね!」
花陽「本当に?嬉しいな」
凛「かよちんが嬉しいなら凛も嬉しいにゃー」
ガサガサガサ…ササッ!
絵里「(バレンタインさんがまた近づいてきた!)」
穂乃果「(ゆっくりゆっくりこっちに近づいてきてる!)」
真姫「(そして、今まさに花陽の肩を…!)」
海未「甘い匂いが漂っていると思ったら、チョコレートですか?」
にこ「ちょっ!」
海未「バレンタインは中止になったというのに…そうですね。バレンタインはできなくともチョコレートを作る事は自由ですからね」
ことり「だめっ!海未ちゃん…!」
海未「チョコレートを…ぶふっ!ふがふが」
ダッダッダッダッダッダッ…
穂乃果「あぁぁ!!海未ちゃんの神の一声でバレンタインさんが走って逃げていったぁぁぁ!」
17: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:51:15.56 ID:KfojuH6x.net
にこ「ちょっと!海未、あんたね!」
真姫「学ランまで着て頑張ったのに…どうしてくれるのよ!」
海未「えっ?話が読めません。なぜ私はみんなから責められて…ことり、なんの事だかわかりますか?」
ことり「…さ、さぁ?」
海未「何故目を反らすのですか…?何故!」
希「みんなして一体どうしたん?」
花陽「それが…あのね」
18: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:55:04.95 ID:KfojuH6x.net
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海未「申し訳ありませんでした…私は、なんて事を…」
ことり「そんなに自分を責めないで。もう一度チャレンジすればいいんだもん」
海未「しかし、もう時間がありません。もうすぐ下校時間です」
希「下校時間がタイムリミットやね。」
絵里「あと約1時間で…学校でのバレンタイン中止が正式に決定するわ」
穂乃果「なんとか阻止しないと…!」
にこ「禁止ワードだけ気をつけて、もう一度同じ事をすればなんとか…」
花陽「ううん…バレンタインさんに同じ手は通用しない」
海未「私のせいですね…なんと謝ればいいのか…」
絵里「海未、あなたのせいじゃないわ。まだ、何か手はあるはずよ」
真姫「私たちに出来る…何かが!」
凛「ねぇ、バレンタインさんはバレンタインデーが大好きなんだよね?」
花陽「うん。」
凛「じゃあ…あれじゃないかにゃ?」
花陽「…えっ?」
凛「凛たちだけにしかできない、バレンタインのおもてなしにゃ!」
19: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:57:15.98 ID:KfojuH6x.net
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サササササッ…
ササッ!
!!!
だってー ぎゅっとー らぶでせっきーん もっとー♪
!!
もっとー だってー どきりあせっちゃーう もっぎゅー!
ガサガサガサッ!!!
にこ「(バレンタインさんが食いついてる!)」
ことり「(こっちに近づいてきてるよ!)」
穂乃果「これが…私たちμ'sのやり方だよ!!」
花陽「(バレンタインさんに私たちの気持ち…届いて!!)」
うれしー いとしー せかいいちー はーっぴーなー♪
花陽「(バレンタインさんがゆっくり穂乃果ちゃんに近づいてきた!)」
凛「(やったにゃ!バレンタインさんが穂乃果ちゃんの肩に手を…!!)」
花陽「(これでみんなのバレンタインデーが…!)」
"じゅるるーん さまーうぃーんぐ♪"
穂乃果「あっ、メールだ」
20: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 21:58:17.90 ID:KfojuH6x.net
海未「穂乃果っ!!」
サササササッ!!!
ことり「あっ…バレンタインさんが走って逃げていくよ!」
穂乃果「どうして…!」
絵里「暑い夏はチョコレートの天敵よ。それに、バレンタインは冬のイベント。夏色えがおでワンツージャンプしても無意味なのよ!」
穂乃果「そんな…」
にこ「下校時間まで残り10分。もう時間がない…」
絵里「残念だけど…今年は決定ね」
希「バレンタインデーは…中止や…」
凛「そんなこと…させないにゃ!凛が走って追いかけるにゃ!」
真姫「待ちなさい凛!」
凛「やだ!肩を叩いてくれないなら、凛がバレンタインさんの肩を叩いてやるにゃ!」
花陽「駄目だよ!そんな事すれば、バレンタインさんは二度とこの学校には来てくれなくなる!」
21: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 22:00:05.71 ID:KfojuH6x.net
凛「だけど…!凛はバレンタインデーでかよちんにチョコを貰って…食べて…ふわふわして…」
キョロっ、きょろきょろ…
真姫「ん?何…この音…。待って!あそこに誰かいるみたい!」
絵里「あそこにいるのは…」
花陽「あれは!全身真っ白で顔には3月14日の文字…そして、お腹には3倍返しの文字!」
花陽「間違いないよ!あれは…ホワイトデーさんだよ!」
8人「ホワイトデーさん!!!」
22: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 22:02:43.06 ID:KfojuH6x.net
ガサガサガサガサガサ…
!!
凛「ホワイトデーさんがバレンタインさんに近づいていくよ!」
真姫「待って…2人で向き合った!」
海未「待ってください!ホワイトデーさんが…」
ことり「泣いてる…?」
グスグス…グスングスン…
………。
にこ「どうして…?」
花陽「バレンタインと違ってホワイトデーは日本が独自に作り出したイベント。よって、世界的知名度はないんです!」
凛「そっか…じゃあ…」
花陽「うん。バレンタインがこなければ、ホワイトデーもこない。ホワイトデーさんはホワイトデーを広めたいのに…!これじゃあ…日本でも広まらないよ!」
凛「凛…いってくる!」
花陽「えっ…凛ちゃん!どこにいくの!」
23: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 22:07:42.57 ID:KfojuH6x.net
グスングスン…グズッ…グスグス…
……
凛「バレンタインさんはどうして黙ってるにゃ!」
!
凛「バレンタインデーはみんなを幸せにしてくれるイベントにゃ!いいや、凛がかよちんとチョコを食べて幸せになってふわふわするイベントにゃ!」
凛「春の陽気のように…ふわふわ!凛とかよちんの春色バレンタインにゃ!」
凛「バレンタインデーの象徴であるバレンタインさんが、ホワイトデーさんを泣かせていいと思ってるの?いいや、凛はそうは思わないにゃ!」
………
グスグス…グスン…
凛「バレンタインはみんなを笑顔にして…幸せにする日にゃ!」
凛「だったら、バレンタインさんがやることはひとつだよ!ほら…早くっ!!」
………………。
凛「かよちんが泣いてたら…凛はかよちんのことを力いっぱい抱きしめるにゃ!!!バレンタインさん!!バレンタインさんのぬくもりでホワイトデーさんを溶かしちゃうにゃ!!」
……………………。
凛「バレンタインさんっ!!!」
凛「春色バレンタインの発売日は一体いつにゃ!!」
……………!!!!!
24: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 22:10:05.39 ID:KfojuH6x.net
ダダッ!!
ギュッ!!
……!!!
穂乃果「バレンタインさんがホワイトデーさんを抱きしめた!!」
ことり「やったぁ!」
真姫「…何?これ……雪?」
にこ「違う…これは…マシマロ?ホワイトデーさんの体から大量のマシマロが吹き出しているわ!」
希「ホワイトデーさんはの嬉しさのあまり…体からマシマロを噴出してるんや!」
海未「なるほど…ホワイトデーさんの思いが詰まったマシマロ…通りで綺麗なはずです」
穂乃果「ぱくっ…もぐもぐ…。しかも美味しいよ!」
絵里「ハラショー!何がすごいって…何の疑いも持たずマシマロを口に入れた穂乃果よ!」
希「みんな…!みて!バレンタインさんが花陽ちゃんにゆっくり近づいてる!」
花陽「えっ…」
ノソノソノソ…
にこっ
"次は君の番だよ"
花陽「へっ?」
ポンッ
凛「バレンタインさんが…かよちんの肩を叩いた!」
穂乃果「ってことは…!」
25: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 22:11:34.75 ID:KfojuH6x.net
ことり「あっ…お母さんから電話だ。…もしもし?うん…えっ?本当に…?」
ことり「みんな!正式にバレンタインデーの中止が撤回されたよ!」
絵里「私たちの学校にバレンタインデーが戻ってきたのね!」
ことり「うん!」
凛「これで学校でバレンタインデーができるにゃぁぁ!!」
穂乃果「そうと決まれば…チョコレートの準備をしないと!」
希「そうやね。じゃあ、今日はもう帰ろうか」
海未「そうですね。色々準備もありますし」
真姫「わ、私は別に…ないけど」
凛「えー!凛、真姫ちゃんにもあげるのにー。知ってる?友チョコっていうんだよ?」
絵里「凛からチョコを貰うなら、真姫も返さないとね」
真姫「ちょっ…分かったわよ!」
にこ「このにこにーが世界一美味しいチョコを作ってあげるわ!みんな、覚悟してなさい!」
凛「こうしちゃいられないにゃ!みんなに渡す猫さんチョコレートを買いに行かないと!かよちんもついてきてね!」
花陽「うん!もちろん」
凛「バレンタインが楽しみにゃー!」
花陽「うん。みんなでたくさん幸せなバレンタインデーにしようね!」
こうして、私たちとバレンタインデーさんのバレンタインデー合戦は幕を閉じた。
26: 名無しで叶える物語(きしめん だぎゃー)@\(^o^)/ 2016/02/18(木) 22:14:51.41 ID:KfojuH6x.net
そして当日…
凛「眩しいっ!!こんなにキラキラしてるチョコレートは初めてみたにゃ!」
花陽「普通のチョコレートだよ?けど、凛ちゃんのために愛情いっぱい込めて作ったんだ」
凛「この光は愛情のせいだったにゃ…ありがたくいただくね!」
花陽「うん。どうぞめしあがれ」
凛「んんーっ!かよちんのお部屋でかよちんと2人っきりで食べるかよちんの手作りチョコレートは抜群においしいにゃー」
花陽「美味しい?よかった…」
凛「もぐもぐもぐ…そういえば、今年のバレンタインって日曜日だったんだね」
花陽「うん。そうだね」
凛「じゃあ学校で禁止されても関係なかったね」
花陽「ねー、あんなに頑張ったのにびっくりだよね」
凛「はぁ…かよちんのチョコはおいしーにゃー」
花陽「ふふっ、ありがとう。たくさんあるからたくさん食べてね」
凛「うん!あー、テンション上がってふわふわしてきたにゃー!」
たくさん食べて、たくさん幸せなふわふわするバレンタインになりました。
花陽「で、結局のところ春色バレンタインっていつ発売するんだろうね」
凛「多分明日にゃー」
花陽「へー、そっか」
凛・花陽「おしまい!」
凛「バレンタインデーさん?」希「そうや」