1: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:23:19.63 ID:XGuopns6.net
超短編
2: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:23:45.11 ID:XGuopns6.net
【ニジガク寮内・共有スペース】
ミア「ふぅっ……いいお湯だった」ホカホカ
ランジュ「あっ、ミア!」パタパタ
ミア「ん、ランジュ。そっちもお風呂上がり?」
ランジュ「ええ。少し前にね……ねえ、少し話さない?」
ミア「なに、珍しい」
ランジュ「そういう気分なの。ほら、座って」ポンポン
ミア「ん」トサッ
ミア「……なんかいい香りする」
ランジュ「気付いた?流石ね」
ミア「なんか変えたの?シャンプー?」
ランジュ「そ。今日果林にもらったのを早速使ってみたの。どう?」
ミア「道理で妙に大人っぽい香りがするわけだ」
ランジュ「果林らしいでしょう?」
ミア「だね。ランジュにはちょっと大人っぽ過ぎるけど」
ランジュ「あ、言ったわね」
ミア「ま、見た目には合ってるんじゃない?」
ランジュ「ありがと」
ミア「この流れで素直にお礼言われると調子狂うな……」
ランジュ「褒め言葉には誠実でありたいの。言う時も言われる時も」
ミア「変なとこで律儀なヤツ」
ランジュ「ミアもよく知っているでしょう?」
ミア「Beats me.」
ランジュ「ふふ」
ミア「やめてよその感じ。言っとくけど、全体で見たら律儀でも何でもないんだからな」
ランジュ「……そうね。律儀とは程遠いことを沢山したもの」
ミア「撤回、やっぱ結構律儀だ!そこは”昔のことはいいじゃない”くらい言ってよ」
ランジュ「そうはいかないわよ」
ミア「ならせめてアナタも共犯者でしょとか……まぁ、それはいいや」
ランジュ「……」
ミア「何?」
ランジュ「ううん。共犯者だと思ってくれてるんだって。アナタだって被害者みたいなものなのに」
ミア「……そういうのは考えるだけ無駄だよ」
ミア「今のランジュは同好会のメンバーになって、みんなに誕生日を祝われてる。それが事実なんだから」
ランジュ「……そうね。みんなに感謝しなくちゃ」
ミア「お互いにね」
ランジュ「あら。ランジュはミアにも感謝してるわよ?」
ミア「ボクに?」
ランジュ「そう。アタシに着いてきてくれて、一緒に部として動いてくれて、沢山の曲を作ってくれて。とっても感謝してるの」
ミア「ほぼ拉致だったけどね」
ランジュ「そこは……ごめんなさい、ね」
ミア「いいさ。結果オーライだよ」
ランジュ「……本当、不思議な気分だわ」
ミア「何が?」
ランジュ「アナタに誕生日を祝われて、こんなに和やかに話せる日が来るなんて、思ってもみなかったから」
ミア「それは同感」
ランジュ「アタシ、今とっても嬉しいのよ?ミアが思ってるよりずっと」
ミア「いやに健気だね。変な気にでも当てられてる?」
ランジュ「かもね」
ミア「ふうん。できれば普段からそうであってほし……いや、やっぱいいや」
ランジュ「ちょっと、1人で勝手に失礼なこと考えて勝手に撤回しないで」
ミア「健気なランジュって想像しただけで……」
ランジュ「もうっ」
ランジュ「……ミアは、健気なランジュは嫌い?」
ミア「嫌いって言うか、違和感」
ランジュ「そう」
ランジュ「……じゃあ、いつものランジュは?」
ミア「本当に何?変なランジュ。嫌いならわざわざ着いてきたりしないだろ」
ランジュ「そう」
ランジュ「……ねえ、ミア。最後にあと1つだけ、ワガママ言っていいかしら?」
ミア「何?改まって。もう慣れてるし、なんでもどうぞ」
ランジュ「アタシ、今日は沢山祝ってもらったけれど……まだ、欲しいものがあるの」
ミア「思ったより直球なワガママだね。ま、聞くだけ聞いてあげる。何が欲しいの?」
ランジュ「……」
ランジュ「……っ、」
ランジュ「……ミアよ」
ミア「……」
ミア「……?」クビカシゲ
ランジュ「お年寄りみたいな反応しないでよ。アナタが欲しいの。ミア・テイラーが」
ミア「いや……なにそれ」
ランジュ「あら。作詞もこなすならこれくらい分かってほしいものだけど」
ミア「いや、意味が分からないんじゃなくて……なに、その顔?」
ランジュ「顔?」
ミア「いや、意味が分からないんじゃなくて……なに、その顔?」
ランジュ「顔?」
ミア「真っ赤」
ランジュ「……ぇ、ぁ///」
ランジュ「……ッ」ダッ!
ミア「あ、ちょっとランジュ!?」
ミア「い、っちゃった……」
ミア(……ボクが欲しいって、何を今更って感じだったけど。あの表情、あの態度……)
ミア「そういう、ことなんだよね……」
ミア「えー……///」
ミア「……明日からどんな顔して会えばいいんだ……」
おしまい
元スレ
【ニジガク寮内・共有スペース】
ミア「ふぅっ……いいお湯だった」ホカホカ
ランジュ「あっ、ミア!」パタパタ
ミア「ん、ランジュ。そっちもお風呂上がり?」
ランジュ「ええ。少し前にね……ねえ、少し話さない?」
ミア「なに、珍しい」
ランジュ「そういう気分なの。ほら、座って」ポンポン
ミア「ん」トサッ
3: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:28:57.59 ID:XGuopns6.net
ミア「……なんかいい香りする」
ランジュ「気付いた?流石ね」
ミア「なんか変えたの?シャンプー?」
ランジュ「そ。今日果林にもらったのを早速使ってみたの。どう?」
ミア「道理で妙に大人っぽい香りがするわけだ」
ランジュ「果林らしいでしょう?」
ミア「だね。ランジュにはちょっと大人っぽ過ぎるけど」
ランジュ「あ、言ったわね」
4: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:31:05.09 ID:XGuopns6.net
ミア「ま、見た目には合ってるんじゃない?」
ランジュ「ありがと」
ミア「この流れで素直にお礼言われると調子狂うな……」
ランジュ「褒め言葉には誠実でありたいの。言う時も言われる時も」
ミア「変なとこで律儀なヤツ」
6: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:33:21.89 ID:XGuopns6.net
ランジュ「ミアもよく知っているでしょう?」
ミア「Beats me.」
ランジュ「ふふ」
ミア「やめてよその感じ。言っとくけど、全体で見たら律儀でも何でもないんだからな」
ランジュ「……そうね。律儀とは程遠いことを沢山したもの」
ミア「撤回、やっぱ結構律儀だ!そこは”昔のことはいいじゃない”くらい言ってよ」
ランジュ「そうはいかないわよ」
ミア「ならせめてアナタも共犯者でしょとか……まぁ、それはいいや」
7: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:38:09.25 ID:XGuopns6.net
ランジュ「……」
ミア「何?」
ランジュ「ううん。共犯者だと思ってくれてるんだって。アナタだって被害者みたいなものなのに」
ミア「……そういうのは考えるだけ無駄だよ」
ミア「今のランジュは同好会のメンバーになって、みんなに誕生日を祝われてる。それが事実なんだから」
ランジュ「……そうね。みんなに感謝しなくちゃ」
ミア「お互いにね」
9: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:40:14.48 ID:XGuopns6.net
ランジュ「あら。ランジュはミアにも感謝してるわよ?」
ミア「ボクに?」
ランジュ「そう。アタシに着いてきてくれて、一緒に部として動いてくれて、沢山の曲を作ってくれて。とっても感謝してるの」
ミア「ほぼ拉致だったけどね」
ランジュ「そこは……ごめんなさい、ね」
ミア「いいさ。結果オーライだよ」
ランジュ「……本当、不思議な気分だわ」
ミア「何が?」
ランジュ「アナタに誕生日を祝われて、こんなに和やかに話せる日が来るなんて、思ってもみなかったから」
ミア「それは同感」
11: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:45:48.23 ID:XGuopns6.net
ランジュ「アタシ、今とっても嬉しいのよ?ミアが思ってるよりずっと」
ミア「いやに健気だね。変な気にでも当てられてる?」
ランジュ「かもね」
ミア「ふうん。できれば普段からそうであってほし……いや、やっぱいいや」
ランジュ「ちょっと、1人で勝手に失礼なこと考えて勝手に撤回しないで」
ミア「健気なランジュって想像しただけで……」
ランジュ「もうっ」
12: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:51:34.68 ID:XGuopns6.net
ランジュ「……ミアは、健気なランジュは嫌い?」
ミア「嫌いって言うか、違和感」
ランジュ「そう」
ランジュ「……じゃあ、いつものランジュは?」
ミア「本当に何?変なランジュ。嫌いならわざわざ着いてきたりしないだろ」
13: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 19:57:24.34 ID:XGuopns6.net
ランジュ「そう」
ランジュ「……ねえ、ミア。最後にあと1つだけ、ワガママ言っていいかしら?」
ミア「何?改まって。もう慣れてるし、なんでもどうぞ」
ランジュ「アタシ、今日は沢山祝ってもらったけれど……まだ、欲しいものがあるの」
ミア「思ったより直球なワガママだね。ま、聞くだけ聞いてあげる。何が欲しいの?」
14: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 20:09:54.03 ID:XGuopns6.net
ランジュ「……」
ランジュ「……っ、」
ランジュ「……ミアよ」
ミア「……」
ミア「……?」クビカシゲ
15: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 20:23:44.70 ID:XGuopns6.net
ランジュ「お年寄りみたいな反応しないでよ。アナタが欲しいの。ミア・テイラーが」
ミア「いや……なにそれ」
ランジュ「あら。作詞もこなすならこれくらい分かってほしいものだけど」
ミア「いや、意味が分からないんじゃなくて……なに、その顔?」
ランジュ「顔?」
16: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 20:26:44.74 ID:XGuopns6.net
ミア「いや、意味が分からないんじゃなくて……なに、その顔?」
ランジュ「顔?」
ミア「真っ赤」
ランジュ「……ぇ、ぁ///」
ランジュ「……ッ」ダッ!
ミア「あ、ちょっとランジュ!?」
ミア「い、っちゃった……」
18: 名無しで叶える物語 2022/02/15(火) 20:27:54.58 ID:XGuopns6.net
ミア(……ボクが欲しいって、何を今更って感じだったけど。あの表情、あの態度……)
ミア「そういう、ことなんだよね……」
ミア「えー……///」
ミア「……明日からどんな顔して会えばいいんだ……」
おしまい
ランジュ「誕生日のその後で」