1: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:11:27.26 ID:rzBMUTS50

17日なのでシアター17歳組のSS

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1645099887




2: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:12:30.98 ID:rzBMUTS50

真壁瑞希「白石さん、起きてください。白石さん」

白石紬「ううん……はっ」

瑞希「おはようございます。体調は大丈夫ですか?」

紬「ええ、特には……」

瑞希「それは何よりです。……では、心の準備は大丈夫ですか?」

紬「え? 心の準備とは、一体……」

瑞希「見てください。青い空、白い雲。そして青い海と白……くはない、ちょっと汚れている砂浜。私たちは今、無人島に来ています」

紬「」



3: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:13:34.21 ID:rzBMUTS50

紬「お、お待ちください。私たちは劇場の地下倉庫の掃除をしようとしていたはずでは……」

瑞希「そうです。扉を開けた瞬間ものすごい光に包まれて、気付いた時にはここにいました」

紬「他の皆さんはご無事なのですか?」

瑞希「はい。今は手分けをしてこの島のことを調べています」

高山紗代子「ただいま! あ、紬ちゃん起きたの?」

紬「ええ。皆さんのお手伝いもせず申し訳ありません」

紗代子「私はただ走ってただけだから、気にしないで」



4: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:14:43.69 ID:rzBMUTS50

瑞希「島の周りの様子はどうでしたか?」

紗代子「とりあえずぐるっと一周してきたけど、周りは全部海だったよ。この疲れ具合は一周15キロってところかな」

瑞希「やはり完全な孤島でしたか。どこか陸地に繋がっていればよかったのですが」

紗代子「じゃあ、助けが来るまでサバイバルだね!」

紬「ど、どうしてそんなに落ち着いて……お二人には危機感というものがないのですか!?」

紗代子「そ、そうだね。ごめん紬ちゃん……」

瑞希「無人島サバイバルというシチュエーションについ気を取られていました。明後日には劇場の定期公演があるというのに……不覚だぞ、瑞希」

紬「いえ、もっと直接的な命の危機が……」



5: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:15:43.28 ID:rzBMUTS50

横山奈緒「おーい、砂浜でおもろそうなもん集めてきたで」

宮尾美也「インテリアにできそうな流木がたくさん手に入りましたよ〜」

島原エレナ「見て見て! この帽子、メイドインブラジルって書いてあるヨ! どこから流れて来たのカナー?」

紬「ですから、今はここを脱出する方法を考えるのが先決では……」

奈緒「そうは言ってもスマホは圏外やし周りは海しかないしで、ここがどこかもわからんやん」

瑞希「現在地はある程度なら絞ることができます。何か器になりそうな物はありますか?」

美也「この発泡スチロールの箱はどうですか〜?」

瑞希「ぴったりです。では、少々お待ちを」



6: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:16:38.30 ID:rzBMUTS50

エレナ「ミズキ、その箱でどうするノ?」

瑞希「箱の底に穴を開け、海水をたっぷり入れます」

エレナ「それだと水が流れちゃうヨ?」

瑞希「そこが大事なポイントです。水の流れをよく見ていてください」

紬「穴を中心に渦ができていますね」

紗代子「渦……あっ! そういえば台風の渦は北半球で左巻き、南半球だと右巻きになるんだっけ?」

瑞希「その通りです。この渦は左巻きなので……」

奈緒「私らがいるのは北半球っちゅうことやな。いやあ、とりあえず候補が半分に絞れてよかったよかった」

紬「よくありません! 何もわかっていないようなものではないですか!」



7: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:17:21.34 ID:rzBMUTS50

美也「やはり助けを待つしかありませんね〜。ひとまず生活の基盤を整えましょう〜」

奈緒「エレナ、撮影で孤島に行ったことあるんやろ? なんか島暮らしのアドバイスとかないん?」

エレナ「うーん……あっ、お屋敷とメイドには気を付けないとだめだヨ!」

奈緒「重みのあるアドバイスやな……」

紗代子「参考になるような状況にはなってほしくないけどね……」

美也「まずは水を確保したいところですな〜」

紗代子「あっ、水なら大丈夫だと思う。さっきランニングしてきた時に川を見つけたんだ。場所を確認してくるから、ちょっと待っててね!」

紬「全員で行けばよいのでは……行ってしまいました」

奈緒「無駄にしとるなー、体力を」



8: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:18:40.80 ID:rzBMUTS50

瑞希「この水なら飲めそうですね」

紗代子「でもそのまま飲むのは怖いよ。火を起こせれば消毒できるんだけど……」

美也「火起こしに使えそうな枯れ葉や枝はありますが、肝心の火種がありませんね〜」

エレナ「木の板と棒で火を点けるの、テレビで見たことあるヨ!」

奈緒「でもあれめっちゃ大変そうやん」

瑞希「それに木の種類によっては火が点かないこともあります。ここは高山さんの力をお借りしましょう」

紬「……まさか、苦労を高山さんお一人に押し付けるのですか?」

紗代子「大丈夫、根性で頑張るから任せて!」




9: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:19:28.90 ID:rzBMUTS50

瑞希「いえ、お借りするのは高山さんの眼鏡です。これで日光を集めて火を点けましょう」

美也「懐かしいですね〜。小学校の理科の授業で虫眼鏡を使って同じことをしましたな〜」

紬「果たしてそう上手く事が進むでしょうか……」

奈緒「いや、可能性はかなり高いで。紗代子は生活に支障をきたすレベルのド近眼で、もちろん眼鏡の度もかなりキツイんや」

エレナ「かけさせてもらったことあるけど、ずっと頭が痛かったヨ……」

奈緒「そんな紗代子の眼鏡なら虫眼鏡と同じ……いや、それ以上の性能を発揮するはずや」

エレナ「しかもレンズが二つあるから、火が点く速さも二倍だネ!」

瑞希「一瞬で点きました」

紗代子「やったね瑞希ちゃん!」

美也「私は美也ですよ〜」

奈緒「ほら! 言った通りやろ?」

紬「……なんだか負けた気分です。私がおかしいのでしょうか?」



10: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:19:59.37 ID:rzBMUTS50

エレナ「キャンプファイヤーみたいで楽しいネ!」

紗代子「確かに。でも、ずっとここにいるわけにはいかないよ」

瑞希「近くに陸地があれば、船を作って海を渡ることもできるのですが」

奈緒「でものこぎりもトンカチもロープもないで」

紗代子「誰か使えそうな物を持ってたりしない?」

美也「ペンがポケットに入ってました〜」

瑞希「私はマジックの道具を持っています」

紬「掃除をする予定でしたので、ホウキとちり取りは持っていますが」

奈緒「船を作るのは厳しそうやな」

エレナ「魔女みたいにホウキで空を飛べたらいいのにネ」

紗代子「そうだね……」



11: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:20:26.95 ID:rzBMUTS50

奈緒「美也って確か視力よかったやん? ちょっと陸地探してくれん?」

美也「お安い御用ですよ〜。むむむ〜……む、見つけました〜」

奈緒「おお! 希望が見えた……けど、船が作れんかったら変わらんか」

紗代子「じゃあ、泳いで渡るしかない……?」

紬「高山さん、それは流石に……」

瑞希「何が起こるかわかりませんから、最後の手段にしましょう」

エレナ「うーん、諦めないハートがあったらきっと大丈夫だヨ!」

紗代子「そうだよ! ハートがあれば……ハート……それだ!」



12: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:21:14.35 ID:rzBMUTS50

紗代子「瑞希ちゃん、マジックの道具はあるんだよね?」

瑞希「はい、一通り揃っています」

紗代子「じゃあ、今ハトって出せる!?」

瑞希「出せます」

奈緒「出せるんかい!」

紗代子「じゃあ、このハトに陸地までSOSの手紙を届けてもらえば……!」



13: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:21:51.24 ID:rzBMUTS50

紬(高山さんの案は見事に成功し、私たちは幸運にも漂着した翌日に救助されました)

紬(一時はどうなることかと思いましたが、私たちはこの経験を活かして無人島特番へ引っ張りだことなったのですから、悪いことばかりではなかったのでしょう)

紬(そういうことにします。そういうことにさせてください)




14: ◆ncieeeEKk6 2022/02/17(木) 21:22:45.54 ID:rzBMUTS50

おしまい
小学校の頃、下級生が休み時間に虫眼鏡で紙燃やして怒られてたのを思い出した。


元スレ
SS速報VIP:【ミリマス】白石紬「17歳少女漂流記」