3: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 20:36:33.92 ID:YR/hP3X6.net
………のかーーー、ほのかーーーー!!!!
穂乃果「ん…んん…」
にこ「穂乃果!」
穂乃果「にこちゃん?」
凛「やっと起きたにゃ」
穂乃果「凛ちゃん?どうして二人が私の家に?」
にこ「ここがアンタの家じゃないからよ」
穂乃果「え…どう言う事?」
4: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 20:39:22.89 ID:YR/hP3X6.net
にこ「周りをよく見てみなさいよ」
穂乃果「周りを………え?ここどこ?」
凛「分からないの」
穂乃果「分からない?」
にこ「そうよ。私も凛も起きたらここに」
穂乃果「それってーーーー」
にこ「入口はあそこの扉だけ」
穂乃果「じゃあ」
凛「もちろん開けようとしたよ。でも鍵掛かってた」
にこ「窓もないし。完全に閉じ込められてるって事」
穂乃果「そ、そんな…それって大変な事じゃん!!!なんで二人共冷静なの?」
にこ「何でだと思う?」
穂乃果「そんなの分からないよ」
にこ「私も凛ももう五時間前に目が覚めてるからよ!!!!もう一通りパニクったのよ!!!!あんた、どれだけ寝るのよ!!!」
穂乃果「いや…そんな事言われても…」
凛「散々起こしたんだよ?なのに全然起きなかったにゃ」
穂乃果「ごめん…。だけど、これって誘拐じゃないの?」
にこ「そうね。何か…」
凛「あっ!」
にこ「どうしたの?」
ウィーーーーーーン
穂乃果「上からモニターが降りて来た…」
にこ「何よこれ…」
穂乃果「映画でも始まるのかな…?」
にこ「なんでよ…。普通に考えたら私達を監禁してる犯人からのメッセージとかでしょ」
穂乃果「普通って言われても監禁されたの初めてだから」
凛「凛も」
プツン
穂乃果「あっ!モニターが!!!」
『やあ諸君、やっとお目覚めかな?』
にこ「いや、私は五時間前には起きてるから。穂乃果だけだから」
穂乃果「…だって……誰あれ?」
凛「聞いた事ない声にゃ。変な仮面で顔隠してるし」
にこ「声は変えてるのよ」
穂乃果「あの、私達をこんなとこに閉じ込めてどうするつもりですか?私の家全然お金持ちとかじゃないです。だから…」
シーーーン
穂乃果「あれ?返事ない」
凛「録画なんじゃない?」
穂乃果「そうなの?」
『録画ではない』
凛「録画じゃないって」
穂乃果「じゃあ、アドリブに弱いって事?」
『んん………今から君達には』
穂乃果「アドリブに弱いんだ」
凛「そうだね」
『君達にはデスゲームに参加して貰う』
穂乃果「え!!?」
凛「デ、」
にこ「デスゲーム!!?」
『そうだ』
穂乃果「デスゲームって……何?」
凛「………さあ?ドラゴンボールでやってたヤツじゃない?」
にこ「セルゲームね。ある意味デスゲームだけど。映画とかであるじゃない。命を掛けたゲームに強制的に参加させられてみたいな」
穂乃果「え…それって…もしゲーム負けたら死んじゃうヤツ?」
にこ「………死んじゃうヤツ」
穂乃果「…え……ヤダヤダヤダヤダ。死にたい死にたくないよ!!!!」
凛「凛も嫌にゃーーーー!!!まだやりたい事沢山あるにゃ!!!!!」
にこ「私だっていやよぉぉぉぉぉぉ。こんなに可愛いのに何でこんな事にならなきゃいけないのよぉぉぉぉ」
穂乃果「嫌だ嫌だ。誰か助けてェェェェェェェェ」
『んん…安心したまえ』
穂乃果「安心なんかできないよ!!!死ぬかも知れないのに……あっ!!!アレ机の上に出しっぱなしだ!!!!みんなに見られたら……嫌だ。死ねない」
凛「凛も…凛も…特に秘密ないけど死ぬのは嫌にゃぁぁぁぁぁ」
にこ「私が死んだら……なんか保険とか下りるのかな?そしたらあの子たちももっと我儘出来るかな……ふふっ、学生だから保険なんて掛けてないか…」
凛「あぁ…にこちゃんしっかりするにゃ」
『ゴホン…ゴホン…。安心したまえ!!!!』
穂乃果「え?」ピタッ
『デスゲームだから。勝てば生き残れるから』
穂乃果「あっ、そうか」
にこ「で、でも負けたら死ぬんでしょ?」
穂乃果「そ、そうだよね。嫌だぁぁぁぁ」
『嫌でもやるしかないの!!!!大人になったらそんなのばかりだから』
穂乃果「えぇ…なんか説教された…」
にこ「なんで誘拐する様な人間に言われなきゃいけないのよ…」
『まず、今から君達にはカードゲームをして貰う』
穂乃果「こんな命が掛かっている時にカードゲームなんてやってられないよ」
凛「そうにゃ!そうにゃ!」
『いや…だから…』
にこ「カードゲームがデスゲームって事でしょ?」
『そうだ。察しがいいな…いや、他が察しが悪い』
穂乃果「それで…カードゲームって?」
『まず、三人には数字と絵柄が書かれたカードを配る。数字は1〜13、絵柄はダイヤ、スペード、ハート、クローバーの四種類』
にこ「……トランプ?」
『そう。トランプを配る。配られたトランプからお互いに一枚選び場に出して、一番数字が大きかった者が出したカードを回収し手札に加える。更に、ダイヤはスペードに、スペードはハートに、ハートはクローバー、クローバーはダイヤに無条件で勝つ事が出来る。例えばハートの3、スペード2、ダイヤ1となった場合は…」
穂乃果「ちょ、ちょっと待って」
『どうした?』
穂乃果「ちょっと分からない」
『分からない…?」
穂乃果「一気に説明するから頭が整理出来てなくて…」
凛「凛も…イマイチ…にこちゃん理解出来てる?」
にこ「もうちょっと分かりやすく説明して貰えると…」
『……分かりやすく?』
穂乃果「えっと…大きい数字を出した人が勝ちで。でも、絵柄が…えっと…覚えられない」
にこ「そうなのよね。いきなり覚えろって言われても」
凛「単純に数字が大きい方が勝ちでよくないかにゃ〜」
『………それだと戦略性とか』
穂乃果「大丈夫です!戦略とか出来ないんで!」
凛「同じく!」
にこ「にこは出来るけど…他の二人が…」
『じゃあ…いいけど…』
にこ「じゃあ、大きい数字を出した人が勝ちって事で?」
穂乃果「うん。それで」
『………じゃあ、カードを配る』
ポイッ
穂乃果「あっ、上からカード来た」
にこ「なんて雑な…せめてそっちが配ってよね」
穂乃果「じゃあ、配るよ」
凛「うん」
穂乃果「はい。じゃあ、やろうか?」
にこ「そうね」
凛「負けないにゃー」
穂乃果「じゃあ、せーの」
穂乃果「7」
凛「4」
にこ「2」
穂乃果「やった、勝った!」
にこ「まあ…良かったね」
凛「次、次」
穂乃果「5」
凛「9」
にこ「2」
凛「……勝った」
穂乃果「うん」
にこ「……」
穂乃果「…あのさ」
にこ「何?」
穂乃果「このゲームつまらなくない?」
にこ「うん」
穂乃果「しかも、これ負けた人どうなるの?」
『デスゲームだから…』
穂乃果「え…これで負けて…死んじゃうの?こんなゲームで?」
『デスゲームだから…』
穂乃果「って言うか…デスゲームって…え?この三人で争うの?」
『そ、そうだが。今更?』
穂乃果「そんなの嫌だよ。ってきり三人で協力して脱出するゲームかと思ってた」
凛「凛も」
にこ「そうよね」
穂乃果「嫌だよ。にこちゃんが死んじゃうなんて。嫌だよね、凛ちゃん?」
凛「嫌にゃ。凛、もっとにこちゃんと一緒に楽しい事したかったにゃ」
にこ「……なんで、にこが負ける前提で話してるの?頭を使うゲームだったら不利なのあんた達だからね」
穂乃果「いやいや。ねえ?」
凛「うん」
にこ「何がうんなのよ!!!!」
穂乃果「と、とにかく…ん?」
にこ「なによ?」
穂乃果「あっ…私…ケータイ持ってる」
にこ「え?」
凛「え?」
『え?』
穂乃果「ポケットにケータイ入ってるよ!ほら!しかも圏外じゃない!!!」
にこ「って事は助け呼べるじゃない!!!なんで気づかなかったのよ」
穂乃果「そんな事言われたって〜」
『あの…ちょっと…』
穂乃果「どうしよう?誰に電話する?」
にこ「大人にしなさい。大人に」
穂乃果「じゃあ…お母さん」
にこ「うん。それがいいわ」
プルルルル
穂乃果「あれ?出ない…うわっ…お留守番サービス…お父さんはケータイ持ち歩かないしな…」
凛「絵里ちゃんは?」
にこ「絵里なら確かに常識人だし。間違いないわ」
穂乃果「絵里ちゃん…絵里ちゃん…っと…」
プルルル
穂乃果「あっ、もしもし絵里ちゃん?あの、こんな時間にごめんね。え?あっ、そう?昼間なの?え?いや…あのね…今、私達デスゲームに参加させられてて…え?違う違う。デスゲームだよ。映画とかであるでしょ?ふざけてないよ。本当だよ」
にこ「穂乃果?大丈夫?」
穂乃果「本当なんだよ。負けたら私達死んじゃうの。え?場所は…分からないよ。気づいたら居たんだもん。本当だって…信じてよ…絵里ちゃん?」
プツン
穂乃果「……なんか、ふざけてると思われた」
にこ「常識人故に信じてくれなかったのね」
穂乃果「どうしよう?」
凛「警察はダメなの?」
穂乃果「警察?」
凛「うん。だってこれ普通に事件だよ」
穂乃果「あっ、そっか」
『ちょっと待て!」
穂乃果「何ですか?」
『警察に何て言うんだ?警察だってデスゲームなんて信じてくれないと思うよ?』
穂乃果「……確かに」
にこ「一理あるわ」
凛「え?一理あるかな?」
穂乃果「それじゃあ…誰か…常識人だけど信じてくれそうな人…海未ちゃん、真姫ちゃんは絵里ちゃんの二の舞だろうし。取り敢えず、ことりちゃんだ」
にこ「そうね。ことりで良いと思う」
凛「警察にしようよ」
にこ「凛、誘拐犯の人も言ってたでしょ?デスゲームなんて言っても信じてくれないのよ」
凛「え〜…そんな事ないよ…普通に誘拐されたって言えば」
穂乃果「もしもし、ことりちゃん?」
凛「もう電話してるにゃ…」
穂乃果「あのね、今私と凛ちゃんとにこちゃんでデスゲームに参加してるだけど。え?全然楽しくないよ。デスゲームだよ?デスゲーム!え?違うって。それピスタチオでしょ?」
にこ「何をどう勘違いすればピスタチオが出てくるのよ」
穂乃果「デスゲームだよ。映画とかであるでしょ?そうそう。その状況なの。あ〜違うよ。あのね、助けて欲しいの。うん。え?場所?場所…場所…ここどこだ?」
にこ「場所?えっと…」
凛「ケータイで分かるんじゃない?」
穂乃果「そっか。ことりちゃん。ちょっと現在地調べてから掛け直す!うん!じゃあね」
ガチャ
にこ「え?切っちゃったの?」
穂乃果「うん。現在地調べようと思って。何だっけ?スマホのiPSでさ」
凛「iPS?」
穂乃果「うん、そう」
にこ「何でも良いから早く調べてよ」
穂乃果「どうやってやるんだっけ?」
凛「知らないよ。穂乃果ちゃんのケータイでしょ」
穂乃果「そんな事言われても…デスゲームでもなきゃ現在地なんて調べないからさ」
にこ「そんな頻繁にデスゲームなんてあっても困るけどね」
『君達…』
穂乃果「ちょっと待って。今調べてるから」
『あのね…』
穂乃果「あっ!!?」
にこ「何よ?」
穂乃果「充電切れた」
にこ「は?」
凛「えーーーーー!!!」
穂乃果「昨日充電して寝なかったんだ」
にこ「何でよバカ!」
穂乃果「バカ?酷い」
にこ「もーチンタラやってるからぁ」
凛「さっさと警察に電話すれば良かったのに」
穂乃果「だって…」
『はあ…』
穂乃果「ため息つきたいのはこっちだよ」
『もうダメだ。デスゲームですら上手くやれないなんて…なんてダメなんだろう…』
穂乃果「デスゲーム上手くやれる人の方が珍しいですよ」
にこ「って言うか普通やらない」
『頑張って何十年も会社に尽してきたのに…早期退職と言う名のリストラにあい…転職先はコンビニのバイト…自分より二回りも下の子に怒鳴られる毎日…妻は息子を連れて出て行った…車も車検切れのまま…』
穂乃果「あ〜…」
凛「それは…」
『だから、せめてデスゲームくらいは上手くやりたかった』
にこ「どうしてそこからデスゲームに繋がるのよ!!!って言うかなんで私達がターゲットな訳?」
『はあ…もういいや…なんかどうでも良くなってきた』
穂乃果「だって可能性感じたんだ〜そうだススメ〜後悔したくないその前に僕らの道がある〜」
にこ「は?穂乃果?」
穂乃果「諦めちゃダメだよ!死ぬ気になれば人間なんだって出来るよ!」
にこ「なに焚き付けてるのよ」
『死ぬ気になれば…なんだって』
穂乃果「そう。なんだって』
凛「穂乃果ちゃんが言うと説得力あるよね」
『そうか。そうだよな。死ぬ気になってか』
穂乃果「そうですよ!」
『そっか。よしっ!おじさん頑張ってやってみるよ』
穂乃果「その意気です!』
『よ〜し。じゃあ、デスゲーム再開します』
穂乃果「え?」
にこ「ほら〜デスゲームやる気になっちゃったじゃない」
穂乃果「いや…私はこれからの人生の事を言ったつもりで…」
『はい。じゃあ席に着いて下さい。言う事聞かないと殺しま〜す』
穂乃果「えぇ…」
にこ「怖っ!!?いきなり怖くなった!!?」
凛「デスゲームらしくなってきたにゃ」
穂乃果「おじさん、おじさん。そうじゃないよ。死ぬ気で人生をって話だよ」
『だからデスゲーム頑張ってるんだよ』
穂乃果「このままデスゲームやったら死ぬ気で人生立て直すどころか…多分捕まって人生終わりだよ」
ガチャ
にこ「あれ?なんか鍵の開く音聞こえた?」
凛「ねえ!ドア開くよ」
穂乃果「なんで急に?あっ、モニター消えてる」
にこ「捕まるの怖くなったのね。なんて意思の弱い…」
穂乃果「そのおかげで助かったけどねぇ。ん?何か落ちてる…手紙?」
『二回目で会おう』
穂乃果「またやるつもりたんだ…」
にこ「懲りないわね…取り敢えず警察行きましょう」
穂乃果「そうだね」
おわり
元スレ
にこ「周りをよく見てみなさいよ」
穂乃果「周りを………え?ここどこ?」
凛「分からないの」
穂乃果「分からない?」
にこ「そうよ。私も凛も起きたらここに」
穂乃果「それってーーーー」
5: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 20:41:32.38 ID:YR/hP3X6.net
にこ「入口はあそこの扉だけ」
穂乃果「じゃあ」
凛「もちろん開けようとしたよ。でも鍵掛かってた」
にこ「窓もないし。完全に閉じ込められてるって事」
穂乃果「そ、そんな…それって大変な事じゃん!!!なんで二人共冷静なの?」
6: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 20:44:42.29 ID:YR/hP3X6.net
にこ「何でだと思う?」
穂乃果「そんなの分からないよ」
にこ「私も凛ももう五時間前に目が覚めてるからよ!!!!もう一通りパニクったのよ!!!!あんた、どれだけ寝るのよ!!!」
穂乃果「いや…そんな事言われても…」
凛「散々起こしたんだよ?なのに全然起きなかったにゃ」
穂乃果「ごめん…。だけど、これって誘拐じゃないの?」
8: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 20:46:31.09 ID:YR/hP3X6.net
にこ「そうね。何か…」
凛「あっ!」
にこ「どうしたの?」
ウィーーーーーーン
穂乃果「上からモニターが降りて来た…」
にこ「何よこれ…」
10: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 20:48:36.20 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「映画でも始まるのかな…?」
にこ「なんでよ…。普通に考えたら私達を監禁してる犯人からのメッセージとかでしょ」
穂乃果「普通って言われても監禁されたの初めてだから」
凛「凛も」
11: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 20:52:31.15 ID:YR/hP3X6.net
プツン
穂乃果「あっ!モニターが!!!」
『やあ諸君、やっとお目覚めかな?』
にこ「いや、私は五時間前には起きてるから。穂乃果だけだから」
穂乃果「…だって……誰あれ?」
凛「聞いた事ない声にゃ。変な仮面で顔隠してるし」
12: 名無しで叶える物語(しうまい) 2022/04/26(火) 20:54:40 ID:YR/hP3X6.net
にこ「声は変えてるのよ」
穂乃果「あの、私達をこんなとこに閉じ込めてどうするつもりですか?私の家全然お金持ちとかじゃないです。だから…」
シーーーン
穂乃果「あれ?返事ない」
凛「録画なんじゃない?」
穂乃果「そうなの?」
13: 名無しで叶える物語(しうまい) 2022/04/26(火) 20:56:32 ID:YR/hP3X6.net
『録画ではない』
凛「録画じゃないって」
穂乃果「じゃあ、アドリブに弱いって事?」
『んん………今から君達には』
穂乃果「アドリブに弱いんだ」
凛「そうだね」
14: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 20:57:44.60 ID:YR/hP3X6.net
『君達にはデスゲームに参加して貰う』
穂乃果「え!!?」
凛「デ、」
にこ「デスゲーム!!?」
『そうだ』
16: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:01:04.73 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「デスゲームって……何?」
凛「………さあ?ドラゴンボールでやってたヤツじゃない?」
にこ「セルゲームね。ある意味デスゲームだけど。映画とかであるじゃない。命を掛けたゲームに強制的に参加させられてみたいな」
17: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:03:09.02 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「え…それって…もしゲーム負けたら死んじゃうヤツ?」
にこ「………死んじゃうヤツ」
穂乃果「…え……ヤダヤダヤダヤダ。死にたい死にたくないよ!!!!」
凛「凛も嫌にゃーーーー!!!まだやりたい事沢山あるにゃ!!!!!」
にこ「私だっていやよぉぉぉぉぉぉ。こんなに可愛いのに何でこんな事にならなきゃいけないのよぉぉぉぉ」
18: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:07:15.65 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「嫌だ嫌だ。誰か助けてェェェェェェェェ」
『んん…安心したまえ』
穂乃果「安心なんかできないよ!!!死ぬかも知れないのに……あっ!!!アレ机の上に出しっぱなしだ!!!!みんなに見られたら……嫌だ。死ねない」
凛「凛も…凛も…特に秘密ないけど死ぬのは嫌にゃぁぁぁぁぁ」
にこ「私が死んだら……なんか保険とか下りるのかな?そしたらあの子たちももっと我儘出来るかな……ふふっ、学生だから保険なんて掛けてないか…」
凛「あぁ…にこちゃんしっかりするにゃ」
19: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:11:03.82 ID:YR/hP3X6.net
『ゴホン…ゴホン…。安心したまえ!!!!』
穂乃果「え?」ピタッ
『デスゲームだから。勝てば生き残れるから』
穂乃果「あっ、そうか」
にこ「で、でも負けたら死ぬんでしょ?」
穂乃果「そ、そうだよね。嫌だぁぁぁぁ」
20: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:12:42.48 ID:YR/hP3X6.net
『嫌でもやるしかないの!!!!大人になったらそんなのばかりだから』
穂乃果「えぇ…なんか説教された…」
にこ「なんで誘拐する様な人間に言われなきゃいけないのよ…」
21: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:14:48.97 ID:YR/hP3X6.net
『まず、今から君達にはカードゲームをして貰う』
穂乃果「こんな命が掛かっている時にカードゲームなんてやってられないよ」
凛「そうにゃ!そうにゃ!」
『いや…だから…』
にこ「カードゲームがデスゲームって事でしょ?」
『そうだ。察しがいいな…いや、他が察しが悪い』
24: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:23:54.66 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「それで…カードゲームって?」
『まず、三人には数字と絵柄が書かれたカードを配る。数字は1〜13、絵柄はダイヤ、スペード、ハート、クローバーの四種類』
にこ「……トランプ?」
『そう。トランプを配る。配られたトランプからお互いに一枚選び場に出して、一番数字が大きかった者が出したカードを回収し手札に加える。更に、ダイヤはスペードに、スペードはハートに、ハートはクローバー、クローバーはダイヤに無条件で勝つ事が出来る。例えばハートの3、スペード2、ダイヤ1となった場合は…」
穂乃果「ちょ、ちょっと待って」
『どうした?』
25: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:26:26.08 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「ちょっと分からない」
『分からない…?」
穂乃果「一気に説明するから頭が整理出来てなくて…」
凛「凛も…イマイチ…にこちゃん理解出来てる?」
にこ「もうちょっと分かりやすく説明して貰えると…」
『……分かりやすく?』
27: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:42:22.64 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「えっと…大きい数字を出した人が勝ちで。でも、絵柄が…えっと…覚えられない」
にこ「そうなのよね。いきなり覚えろって言われても」
凛「単純に数字が大きい方が勝ちでよくないかにゃ〜」
『………それだと戦略性とか』
穂乃果「大丈夫です!戦略とか出来ないんで!」
凛「同じく!」
にこ「にこは出来るけど…他の二人が…」
28: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:48:44.79 ID:YR/hP3X6.net
『じゃあ…いいけど…』
にこ「じゃあ、大きい数字を出した人が勝ちって事で?」
穂乃果「うん。それで」
『………じゃあ、カードを配る』
ポイッ
穂乃果「あっ、上からカード来た」
30: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:50:40.37 ID:YR/hP3X6.net
にこ「なんて雑な…せめてそっちが配ってよね」
穂乃果「じゃあ、配るよ」
凛「うん」
穂乃果「はい。じゃあ、やろうか?」
にこ「そうね」
凛「負けないにゃー」
31: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:52:38.75 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「じゃあ、せーの」
穂乃果「7」
凛「4」
にこ「2」
穂乃果「やった、勝った!」
にこ「まあ…良かったね」
凛「次、次」
穂乃果「5」
凛「9」
にこ「2」
凛「……勝った」
穂乃果「うん」
32: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 21:54:14.03 ID:YR/hP3X6.net
にこ「……」
穂乃果「…あのさ」
にこ「何?」
穂乃果「このゲームつまらなくない?」
にこ「うん」
穂乃果「しかも、これ負けた人どうなるの?」
『デスゲームだから…』
33: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 22:00:10.83 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「え…これで負けて…死んじゃうの?こんなゲームで?」
『デスゲームだから…』
穂乃果「って言うか…デスゲームって…え?この三人で争うの?」
『そ、そうだが。今更?』
穂乃果「そんなの嫌だよ。ってきり三人で協力して脱出するゲームかと思ってた」
凛「凛も」
にこ「そうよね」
34: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 22:09:07.40 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「嫌だよ。にこちゃんが死んじゃうなんて。嫌だよね、凛ちゃん?」
凛「嫌にゃ。凛、もっとにこちゃんと一緒に楽しい事したかったにゃ」
にこ「……なんで、にこが負ける前提で話してるの?頭を使うゲームだったら不利なのあんた達だからね」
穂乃果「いやいや。ねえ?」
凛「うん」
にこ「何がうんなのよ!!!!」
35: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 22:21:26.59 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「と、とにかく…ん?」
にこ「なによ?」
穂乃果「あっ…私…ケータイ持ってる」
にこ「え?」
凛「え?」
『え?』
穂乃果「ポケットにケータイ入ってるよ!ほら!しかも圏外じゃない!!!」
にこ「って事は助け呼べるじゃない!!!なんで気づかなかったのよ」
穂乃果「そんな事言われたって〜」
『あの…ちょっと…』
穂乃果「どうしよう?誰に電話する?」
36: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 22:24:21.94 ID:YR/hP3X6.net
にこ「大人にしなさい。大人に」
穂乃果「じゃあ…お母さん」
にこ「うん。それがいいわ」
プルルルル
穂乃果「あれ?出ない…うわっ…お留守番サービス…お父さんはケータイ持ち歩かないしな…」
凛「絵里ちゃんは?」
にこ「絵里なら確かに常識人だし。間違いないわ」
37: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 22:28:10.56 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「絵里ちゃん…絵里ちゃん…っと…」
プルルル
穂乃果「あっ、もしもし絵里ちゃん?あの、こんな時間にごめんね。え?あっ、そう?昼間なの?え?いや…あのね…今、私達デスゲームに参加させられてて…え?違う違う。デスゲームだよ。映画とかであるでしょ?ふざけてないよ。本当だよ」
にこ「穂乃果?大丈夫?」
穂乃果「本当なんだよ。負けたら私達死んじゃうの。え?場所は…分からないよ。気づいたら居たんだもん。本当だって…信じてよ…絵里ちゃん?」
プツン
穂乃果「……なんか、ふざけてると思われた」
38: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 22:29:43.98 ID:YR/hP3X6.net
にこ「常識人故に信じてくれなかったのね」
穂乃果「どうしよう?」
凛「警察はダメなの?」
穂乃果「警察?」
凛「うん。だってこれ普通に事件だよ」
穂乃果「あっ、そっか」
『ちょっと待て!」
39: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 23:08:23.49 ID:YR/hP3X6.net
穂乃果「何ですか?」
『警察に何て言うんだ?警察だってデスゲームなんて信じてくれないと思うよ?』
穂乃果「……確かに」
にこ「一理あるわ」
凛「え?一理あるかな?」
穂乃果「それじゃあ…誰か…常識人だけど信じてくれそうな人…海未ちゃん、真姫ちゃんは絵里ちゃんの二の舞だろうし。取り敢えず、ことりちゃんだ」
にこ「そうね。ことりで良いと思う」
凛「警察にしようよ」
41: 名無しで叶える物語 2022/04/26(火) 23:28:35.45 ID:YR/hP3X6.net
にこ「凛、誘拐犯の人も言ってたでしょ?デスゲームなんて言っても信じてくれないのよ」
凛「え〜…そんな事ないよ…普通に誘拐されたって言えば」
穂乃果「もしもし、ことりちゃん?」
凛「もう電話してるにゃ…」
穂乃果「あのね、今私と凛ちゃんとにこちゃんでデスゲームに参加してるだけど。え?全然楽しくないよ。デスゲームだよ?デスゲーム!え?違うって。それピスタチオでしょ?」
にこ「何をどう勘違いすればピスタチオが出てくるのよ」
45: 名無しで叶える物語 2022/04/27(水) 10:41:06.53 ID:LK0b1beN.net
穂乃果「デスゲームだよ。映画とかであるでしょ?そうそう。その状況なの。あ〜違うよ。あのね、助けて欲しいの。うん。え?場所?場所…場所…ここどこだ?」
にこ「場所?えっと…」
凛「ケータイで分かるんじゃない?」
穂乃果「そっか。ことりちゃん。ちょっと現在地調べてから掛け直す!うん!じゃあね」
ガチャ
にこ「え?切っちゃったの?」
穂乃果「うん。現在地調べようと思って。何だっけ?スマホのiPSでさ」
凛「iPS?」
穂乃果「うん、そう」
46: 名無しで叶える物語 2022/04/27(水) 10:43:14.19 ID:LK0b1beN.net
にこ「何でも良いから早く調べてよ」
穂乃果「どうやってやるんだっけ?」
凛「知らないよ。穂乃果ちゃんのケータイでしょ」
穂乃果「そんな事言われても…デスゲームでもなきゃ現在地なんて調べないからさ」
にこ「そんな頻繁にデスゲームなんてあっても困るけどね」
47: 名無しで叶える物語 2022/04/27(水) 10:46:04.96 ID:LK0b1beN.net
『君達…』
穂乃果「ちょっと待って。今調べてるから」
『あのね…』
穂乃果「あっ!!?」
にこ「何よ?」
穂乃果「充電切れた」
にこ「は?」
凛「えーーーーー!!!」
穂乃果「昨日充電して寝なかったんだ」
にこ「何でよバカ!」
穂乃果「バカ?酷い」
48: 名無しで叶える物語 2022/04/27(水) 10:56:32.98 ID:LK0b1beN.net
にこ「もーチンタラやってるからぁ」
凛「さっさと警察に電話すれば良かったのに」
穂乃果「だって…」
『はあ…』
穂乃果「ため息つきたいのはこっちだよ」
『もうダメだ。デスゲームですら上手くやれないなんて…なんてダメなんだろう…』
穂乃果「デスゲーム上手くやれる人の方が珍しいですよ」
にこ「って言うか普通やらない」
53: 名無しで叶える物語 2022/04/28(木) 23:21:49.27 ID:L0z5X3f7.net
『頑張って何十年も会社に尽してきたのに…早期退職と言う名のリストラにあい…転職先はコンビニのバイト…自分より二回りも下の子に怒鳴られる毎日…妻は息子を連れて出て行った…車も車検切れのまま…』
穂乃果「あ〜…」
凛「それは…」
『だから、せめてデスゲームくらいは上手くやりたかった』
にこ「どうしてそこからデスゲームに繋がるのよ!!!って言うかなんで私達がターゲットな訳?」
『はあ…もういいや…なんかどうでも良くなってきた』
54: 名無しで叶える物語 2022/04/28(木) 23:30:14.40 ID:L0z5X3f7.net
穂乃果「だって可能性感じたんだ〜そうだススメ〜後悔したくないその前に僕らの道がある〜」
にこ「は?穂乃果?」
穂乃果「諦めちゃダメだよ!死ぬ気になれば人間なんだって出来るよ!」
にこ「なに焚き付けてるのよ」
『死ぬ気になれば…なんだって』
穂乃果「そう。なんだって』
凛「穂乃果ちゃんが言うと説得力あるよね」
『そうか。そうだよな。死ぬ気になってか』
穂乃果「そうですよ!」
『そっか。よしっ!おじさん頑張ってやってみるよ』
穂乃果「その意気です!』
『よ〜し。じゃあ、デスゲーム再開します』
穂乃果「え?」
にこ「ほら〜デスゲームやる気になっちゃったじゃない」
穂乃果「いや…私はこれからの人生の事を言ったつもりで…」
56: 名無しで叶える物語 2022/04/28(木) 23:36:59.48 ID:L0z5X3f7.net
『はい。じゃあ席に着いて下さい。言う事聞かないと殺しま〜す』
穂乃果「えぇ…」
にこ「怖っ!!?いきなり怖くなった!!?」
凛「デスゲームらしくなってきたにゃ」
穂乃果「おじさん、おじさん。そうじゃないよ。死ぬ気で人生をって話だよ」
『だからデスゲーム頑張ってるんだよ』
穂乃果「このままデスゲームやったら死ぬ気で人生立て直すどころか…多分捕まって人生終わりだよ」
ガチャ
にこ「あれ?なんか鍵の開く音聞こえた?」
凛「ねえ!ドア開くよ」
穂乃果「なんで急に?あっ、モニター消えてる」
にこ「捕まるの怖くなったのね。なんて意思の弱い…」
穂乃果「そのおかげで助かったけどねぇ。ん?何か落ちてる…手紙?」
『二回目で会おう』
穂乃果「またやるつもりたんだ…」
にこ「懲りないわね…取り敢えず警察行きましょう」
穂乃果「そうだね」
57: 名無しで叶える物語 2022/04/28(木) 23:37:20.27 ID:L0z5X3f7.net
おわり
SS「デスゲーム」