SS速報VIP:律「踏みつけたからこそ摘むことが出来た四葉」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301712465/



1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:47:45.79 ID:5DBrwr8x0

いいところで切り上げたら台本風
それ以上いったらちょっと地の文はいっちゃう
おそらく読みにくいだろうssです






梓「ねえ」




律「へい」




2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:48:59.87 ID:5DBrwr8x0

梓「とって」

律「やだ」

梓「とって」

律「やだ」

梓「とれ」

律「ご遠慮いたします」

梓「・・・・」

律「・・・・」




3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:50:00.56 ID:5DBrwr8x0

梓「なんで?」

律「逆になんで?」

梓「いや、こっちが聞いてるから」

律「いや、こっちからも聞いてるから」

梓「・・・・」ムムム

律「・・・・」




4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:51:44.81 ID:5DBrwr8x0

律「ほれ」ヒョイ

梓「!」

律「とったぞ」

梓「とったね」ジー

律「・・・・///」

律「お前もとれ」

梓「やだ」

律「とれ」

梓「い や だ」

律「とってってば」

梓「やだしね」シャー

律「しねっていわれた」ガーン

律「シクシク」

律「シクシク」

梓「・・・・」

律「シクシク」チラッ

梓「いや、口でシクシクいわれても」

律「ですよね」ケロッ

律「でも、しねはだめだ」

梓「ごめんなさい」ペケ

律「(お!素直)・・・・いやいや、ペケってなんだよ」

梓「細かいことは気にスンナ」

律「・・・・」




5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:52:55.54 ID:5DBrwr8x0

梓「アイスたべる?」

律「うん」

梓「とってくる」スタタタタ

律「・・・・ヒマ」

律「ギター・・・・」ガチャガチャ

律「たしか・・・・これがCで」ジャーン

律「これが・・・エf」ミョーン

律「指つった」イタタタ

梓「なにしてんの?」パシャ

律「ギターを少々」

律「てか、いきなり写真とるな///」

梓「いや、めずらしい光景だなぁと」

律「たしかに」




6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:53:55.30 ID:5DBrwr8x0

梓「でしょ。はい、アイス」スッ

律「ありゃーっす」

律「お!パピコ」

梓「好き?」

律「うん。好き」

律「よく、澪と食べたよ」カジカジ

梓「ふーん」カジカジ

律「カジカジ」

梓「カジカジ」




7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:55:10.29 ID:5DBrwr8x0

律「そういえばさ」

梓「・・・・」カジカジ

律「学園都市ってとこに唯とすごく声が似てる人がいるらしくて」

梓「・・・・」カジカジ

律「でも、その人はパソコン使えるし、超能力使えるんだって」

梓「・・・・」カジカジ

律「・・・・・頭に花、生えてんだって」

梓「ふ~ん」カジカジ

律「・・・・」

梓「・・・・」

律「なんか怒ってらっしゃる?」

梓「べつに」

律「・・・・」




8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:57:07.63 ID:5DBrwr8x0

梓「カニとアイスは黙って食べる派だから」

律「そうなん?」

梓「そうなん」

律「じゃあ今度からアイス食べるときは黙って食べる」

梓「なんで?」

律「梓がそうするなら、私もそうする」

梓「・・・そっか」ニコッ

律「そうだよ~」ヘヘヘ

梓「でも、律はしゃべってればいいよ」

律「そう?」

梓「うん。うるさいほうが律っぽい」

律「・・・・喜んでいいのかわからないけどありがとう」

梓「どういたしまして」




9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 11:59:01.46 ID:5DBrwr8x0

律「梓は部活のときと2人のときとじゃ雰囲気違うよな」

梓「そうですか?」

律「そうですよ」

梓「どんな風に」

律「まず、口が悪い」

梓「それは律のせいだよ」

律「私の?」

梓「うん」

律「なんで?」

梓「なんででも」

梓「これくらい許容範囲じゃないとフェアじゃない」

律「・・・・そんなもん?」

梓「そんなもん」

律「そっか」ナデナデ

梓「いきなりなでるな!!」ゲシ

律「ひゃい」

律「いたいいたい。すね蹴りはなしでお願いします」ズキズキ

梓「・・・・アイスのゴミかして」

律「あ、ありがとう」スッ

梓「いえいえ。下に捨ててくる。ついでになんか飲み物とってくる」

律「コーラがいい」

梓「ない」

律「麦茶で」

梓「よし!」スタスタ


律「・・・・ヒマ」



10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:00:48.69 ID:5DBrwr8x0

律「・・・・・」ボスン

律「フカフカや」フカフカ

律「・・・・」

律「・・・・澪は禁止ワードってことですね」

律「・・・・唯はべつにいいみたいだな」フアァ

律「・・・・ムギは・・・・まぁ、いいだろ」ウトウト

律「・・・・」スゥスゥ




11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:02:47.59 ID:5DBrwr8x0

梓「おまたせっす」ガチャ

律「」スヤスヤ

梓「おーい」カタン

トコトコ

律「」スヤスヤ

梓「かってに人のベッドの上に・・・・!!」

律「」スヤスヤ

梓「」ジー

律「」

梓「・・・・」




12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:03:20.87 ID:5DBrwr8x0

梓「おでこニーン」

律「ぶはっ」ゲラゲラ




13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:04:09.99 ID:5DBrwr8x0

梓「なに寝たふりしてんだよ」ペシッ

律「いたいいたい」スリスリ

律「あんな短時間に寝るほど私は単純ではないわ!」デン

梓「たぶん唯先輩は寝るでしょうけどね」

律「ふむ。一理ある。あと敬語になってるぞ」フカフカ

梓「・・・・お茶は?」

律「あとで飲む」ポムポム

梓「・・・・」ボスン

律「梓にしてはでかいベッドだな」

梓「うん」

律「うでまくらいる?」

梓「いらん」

律「そう」

梓「うそ」

律「素直じゃないなぁ~」スッ

梓「そうですね(棒読み)」スッ




14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:05:45.62 ID:5DBrwr8x0

律「・・・・」

梓「・・・・」

律「さっきの」

梓「ん?」

律「さっきのは梓のがえらいよね」

梓「さっきのって?」

律「こっちの話」ナデナデ

梓「?///」

律「私はまだまだだなぁ~」ナデナデ

梓「そう?」

律「そう」ナデナデ

梓「なにが?」

律「いつか教えちゃる」ナデナデ

梓「さりげなくお尻なでないで」

律「テヘ☆」

梓「テヘ☆でごまかさない」

律「ヘケッ」

梓「・・・・殴るよ?」

律「ごめんなさい」




15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:06:47.02 ID:5DBrwr8x0

梓「のどかわいた」

律「飲ませてあげようか」スッ

梓「そりゃどうも」スッ

律「ゴクゴク」

梓「え?そういう意味?」

梓「・・・・・・マジ?」




16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:08:26.86 ID:5DBrwr8x0

律「ふふふふんふうふ」

梓「///」ニューー

梓「なまぬるっ!!!量少ないし!!!」ゴクン

律「たしかに。失敗した」ゴクン

梓「普通に飲みたい」

律「はい」スッ

梓「ゴクゴク」

梓「ぷはーー」

律「いいのみっぷりだな」ボスン

梓「そりゃどうも」ボスン




17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:10:11.25 ID:5DBrwr8x0

律「・・・・」

梓「・・・・」

律「とって」

梓「やだ」

律「いいじゃん」

梓「めんどい」

律「私はとったのに」ウルウル

梓「・・・・」

梓「・・・・」

梓「・・・・」ホドキホドキ

律「おぉぉ~~~」ジー




18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:11:53.59 ID:5DBrwr8x0

梓「あ、あんま見ないで!!///」

律「いいね!なんかグッとくるよ」mmq

梓「なら、いいけど・・・」

律「だいじょぶだいじょぶ」ナデナデ

梓「・・・・・似てない?」

律「・・・・ん?」

梓「似てない?」

律「!」ピーン

律「似てないよ」

律「梓は梓だよ~」ナデナデ

梓「そか」

律「うん、そうだよ」ナデナデ




19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:13:24.81 ID:5DBrwr8x0

律「そろそろ帰るよ」

梓「うん」

律「さみしい?」ニヤニヤ

梓「さみしくないけど、さみしい」

律「なんだそれ」

梓「明日また会えるからいい」

律「そうだな。明日はムギなんのお菓子もってきてくれるかな?」

梓「練習するって」ゲシッ

律「とぅあい!」

律「だからすねはなしだってば」サスサス

律「あ、カチューシャどこ?」

梓「えっと・・・・」

梓「あ、あった」ポイ

律「なげんな!でもありがとう」カポッ

律「うん。普段の見え方」




20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:14:14.11 ID:5DBrwr8x0

梓「気をつけて」

律「はいはい」チョイナチョイナ

律「じゃ~な~」バイバイ

梓「はいはい」バイバイ




律「お~夕焼けがきれいだ」

律「梓に写メってやろう」カシャ

律「うんうん」マンゾク

律「うでしびれた・・・・」




21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:16:53.40 ID:5DBrwr8x0

数日後ぐらい





梓「さて」

律「・・・・」

梓「さて」

律「・・・・」

梓「なんか言え」

律「誤解です」

梓「却下」

律「・・・・」

律「五階です」

梓「しね」

律「しねはだめだ」

梓「じゃあ、地獄に落ちろ」

梓「むしろ墜ちろ」

律「(ひどい)・・・・」




22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:18:13.70 ID:5DBrwr8x0

律「あのさ」

梓「ん」

律「いつぞやの話にもどるけど」

梓「ん?(え?)」

律「澪に嫉妬はやめろ」

律「あと少々唯にもな」

梓「なっ!?」

律「わかるけどさ」

律「色々めんどいって」

律「それに」

律「これ以上手に入れたら」

律「罰があたるって」

律「一緒にいれるだけで幸せだろ?私たち」

律「それでいいじゃないか」

梓「・・・・」




23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:20:22.19 ID:5DBrwr8x0

律「でも、お前にだけ言ってるんじゃないんだ」

梓「?」

律「これは私にも言えることなんだ」

律「私もときたま唯に嫉妬するぞ」

梓「(へぇ~)・・・・どんなときですか?」

律「ご存知、私はドラムの田井中律だ」

梓「そうですね」

律「ドラムの場所ってのはな、どこだと思う?」

梓「どこって・・・・」

梓「バンドの一番後ろ」

律「ザッツライト」カタコト

梓「(ザッツライトすらカタコトな高校生・・・)」



24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:22:14.61 ID:5DBrwr8x0

律「後ろってのは、すべて見えてるんだ」

梓「すべて・・・」

律「そう。すべてだ」

律「演奏の時はみんなの背中しか見えないけどな」

律「でも、私はバンドのメンバーの中でただ一人だけ」

律「演奏している全員を見ることができるんだ」

梓「はぁ・・・」

律「いい話になんとかもっていこうとしてんだから飽きるんじゃない」

梓「で、なにがいいたいんですか?」

律「(・・・こういう時の敬語ってイラっとくるものがあるな)」

律「とにかくだ」

律「唯はいつも梓の隣にいるからうらやましいなって」

律「バンドしてるやつとしてはダメなことを私はたまに思うんだ」ドーン




25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:23:21.80 ID:5DBrwr8x0

梓「・・・・」

律「なんか言えい」

梓「・・・・」

律「なんか言え」

梓「・・・・」

律「なに考えてんだ?」

梓「いや、好きあってるのにこうもうまくいかないとは」

梓「付き合うって難しいなぁと」

律「・・・・・」ダキッ

梓「うわ!?///」



26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:24:19.73 ID:5DBrwr8x0

律「なぁ・・・」

梓「はい?」

律「けんかゴッコもうこれくらいでいい?」

律「なんかりっちゃんかなしくなってくたよ」

梓「そうだね。なんか雰囲気も悪くなってきたし」

梓律「・・・・」ハハハ

梓「ムギ先輩に『けんかゴッコしてみたらいつもと違っていいわよ』っていわれてしてみたけど」

律「微妙だったな・・・」

梓「微妙だったね・・・」

梓「本音がチョロっと出てきてたし」ギロッ

律「まぁ、こういう時にサラっというのがお互いにいいのかな?っと」アセタラ

梓「まあね」

律「時間帯がいけないんだ。1時なんていう、ちょっと精神的にハイになってる時間帯が・・・」

梓「たしかに・・・・」

律「な」

梓「そういいながらさりげなく胸さわんな」ゴツン

律「ぎゃん」

律「・・・・相変わらず貞操が固いですね」ズキズキ




27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:27:23.13 ID:5DBrwr8x0

梓「まぁ・・・い、いつか・・・///」

律「そうかそうか、五日か!!」

梓「ち、ちがう!!」ゲシッ

律「ぎゃん!!」

律「ちょっとしたジョークだっての!!!!」ズキズキ

梓「律がわるい!!!」

律「ったく・・・まぁ、今はとりあえず」ドッコイショ

梓「おいおい///」

律「私の湯たんぽにでもなってくれ」

梓「それは猫の得意分野だからまかしといて」ヒッシ

律「よしよし」ナデナデ

梓「明日、はれるといいな~」ウトウト

律「だな」ウトウト

梓律「スゥスゥ」




28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:29:20.91 ID:5DBrwr8x0

さかのぼって、4月ぐらい





律「思春期はT字路のど真ん中にある蓋のないマンホールだと私は思う」

梓「・・・・はい?」

梓「いきなりなんですか?下ネタですか?」

律「下ネタじゃないっての。私の持論だ。今思い付いたけど」

梓「そうですか」

律「(こいつ、ボケ殺しか!!)」




29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:31:26.11 ID:5DBrwr8x0

律「ところで、あ、梓・・・?」

梓「なんですか?律先輩」

律「(お!よかった、名前あってた)この人気のない屋上の片隅は私の密かなる隠れ家的スペースなんだが」

梓「奇遇ですね。ここは私の縄張りという名の授業サボり場スペースです」

律「・・・なんと!?ここはお前の縄張りだという証拠はどこにある?」

梓「証拠はないですが、とりあえず今日は私がここに来たときは誰もいなかったので、今は私の縄張りです」

律「ムムム・・・」

律「どく気は?」

梓「ないです」

律「先輩に譲る気は?」

梓「申し訳ないですが、ないです。弱肉強食です。世の中早い者勝ちの席取りレースですよ、律先輩」

律「じゃあ、一緒に居るのは?いい?」

梓「え?」




30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:35:36.47 ID:5DBrwr8x0

律「いや、露骨に嫌な顔されると何気に傷つくよ?」

梓「まぁ、居るだけなら・・・」

律「・・・しっくりこない返答だな、おい」







梓「・・・・」ボケー

律「・・・・」ボケー


律「なぁ」

梓「なんですか?」

律「お前なんか部活入ってんの?」

梓「入ってるように見えますか?」

律「えと・・・帰宅部、とか?」

梓「はぁ」

律「・・・・」

梓「・・・・」

律「なぁ」

梓「なんですか?」

律「私はけいおん部をやってるんだ」

梓「そうなんですか・・・(一応ライブは見に行ったから、知ってる)」

律「こうみえても部長なんだぜぇ~」フンス

梓「見えませんね(ベースの人が部長だと思ってた)」

律「くっ!!部長に見えなくても私が部長なんだ」

律「そんな部長の私が、入学そうそう授業をサボるお前の度胸と勇気を見込んでいうが」

梓「?」




31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:38:09.99 ID:5DBrwr8x0

律「けいおん部入らないか?」

梓「」

梓「え?」

律「左手みて思ったけど、お前さ、ギターかベースか弾けるんだろ?」

梓「まぁ、ちょっと趣味で弾いてる程度です」

律「おぉ!(はったりかましてみるもんだな)」

律「ギター?ベース?」

梓「ギター・・・・ですけど・・・」

律「アコギ?」

梓「エレキ、です」

律「・・・(逸材発見!!)」

律「よし、決めた・・・!!」

梓「?」

律「お前、けいおん部、入部決定な!」ニカッ

梓「んなっ!?」

律「お前と顔合わすの、これが3回目だけど3回ともつまんなそうだもん」

律「楽器、弾けるなら独りじゃなくて私たちと弾こう」

梓「いやいやいや、何勝手に決めてんですか」

律「部員足りないんだ。力、貸してくれ」

梓「・・・・」




32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:39:33.13 ID:5DBrwr8x0

キンコ~ンカンコ~ン



律「あ、終わった。次は体育だから戻らないと」タイイクスキー

律「梓」

梓「え!?」ビクッ

律「放課後、音楽室な」

律「そこは私らの縄張りだけど」

律「お前なら大歓迎だからさ。一度見にこい。私らの演奏聴かせてやるから。上手いお菓子もあるし」ニコッ

梓「・・・・」

律「じゃあ、またな!」スタタタタ

梓「・・・・」ポツン

梓「けいおん部・・・・か(お菓子って、なんだ?)」




33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:41:02.51 ID:5DBrwr8x0

・・・・・





律「とまあ、梓に会った頃の夢をみたよ」

梓「それはそれは。はずかしくてなんだか殴りたくなってくる夢だね」

律「いや、夢だから。殴らんといて。その拳は人を殴るためにあるのではないのだよ。だから速やかに下におろそうな」

梓「はいはい」

律「でもまぁ、」

梓「?」

律「梓が部活に入ってくれて良かったよ」ニッコリ

梓「///」

ゲシッ

律「ッセイ!?」

律「だからすねはやめれ!てか、何故に蹴る」サスサス

梓「ふん」フンス




34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:47:45.35 ID:5DBrwr8x0



======================


澪「り、りつ!遅かったじゃないか!!!」

律「おぉ~!どったの?澪、そんなにあわてて」

澪「新入部員がきたぞ!」

律「へぇ。どんなやつ?」

澪「それが1年生なんだよ。ツインテールで猫みたいな子なんだ」

澪「しかも、ギターができるんだって!」キラキラ

律「ふむふむ。うれしいのはよ~~くわかったんだが・・・・」

律「本人いる前でそんなにはしゃいで恥ずかしくないのか?」

梓「///」

澪「え?あっ・・・///」

律「1年生」スタスタ

梓「は、はい」

律「・・・と、その前に」

律「唯。苦しそうだからとりあえず、抱きしめてる手を離してやれよ」

唯「え~~!!ひどいよ!!!りっちゃん!!!あずにゃん抱き心地いいから私離すなんてできない!!」ギュ

梓「キュ」

律「いや、抱きつくってか、技きまってっけど、それ」

律「ん?あずにゃん?」

梓「あっ///」

唯「この子のあだ名だよ~~!!!猫みたいなんだもん!!!」

律「なるほどな。たしかに、猫に似てるかもな(縄張りとか言うとことか、一人でいるとことか)」




35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:49:00.29 ID:5DBrwr8x0

律「えと、梓」

梓「は、はい」

律「私がけいおん部の部長の田井中律だ。来てくれてありがとな」ニコッ

唯「え!?りっちゃん、あずにゃんのこと知ってるの?」

律「ん?なんで?」

唯「だって、あずにゃんの名前知ってるじゃん」

律「(あ・・・やべ)まぁ・・・ちょっとな」

律「(授業サボってたことバレたら澪に怒鳴られるから黙ってないと)」

律「まぁ、とりあえず、今日は梓に私たちの演奏聞かせようぜ!」

唯澪「おぉ~~~~~!!」

唯「ってあれ?」

澪「ムギいなくないか?」

律「あ・・・・マジだ」

律「じゃあ、ムギくるまで自己紹介とかしてようぜ」

澪「そうだな」

梓「・・・・(ムギって人、なんかかわいそう)」




36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:54:50.97 ID:5DBrwr8x0





律「よっす、梓」

梓「・・・・・」

律「今日はわたしのが先だったな」ニカッ

梓「・・・・」スタスタスタ

律「ちょ!?」パシッ

梓「!?」

律「いきなり立ち去ろうとするとは何事だ!?りっちゃん泣いちゃうぞ!?」

梓「あ、いや、先に場所とられてしまったんで、違うとこいこうかと・・・」

律「なんだ。別に一緒に居ればいいだけだろ」

梓「いいんですか?」

律「?」

律「当たり前だろ?私と梓の仲じゃないか」

梓「・・・・///」

梓「じゃあ、失礼します」

律「おう!」ニカ~




37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:56:10.88 ID:5DBrwr8x0

梓「先輩」

律「なに~」ボヘ~

梓「いつまで私の手、つかんでるつもりですか?」

律「ん~~・・・それにしても梓の手はちっちゃいな~」

梓「律先輩も劣らずにちっさいと思いますけど」

律「・・・・気にしてたことを」ボソッ

梓「なんか言いました?」

律「言ってまへ~ん」

梓「なんで手がちっちゃいこと気にしてたんですか?」

律「聞こえてんじゃん///」

梓「まぁ、耳いいんで」

律「(ほんっとに猫みたいなやつだな)」

梓「てか、『気にしてた』ってなんで過去形なんですか?」

律「・・・・」

梓「?」

律「今はもう気にする必要がなくなったからだよ」ギュ

梓「痛い痛い!!!!」ドスッ

律「げふっ!!!」




38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:57:29.21 ID:5DBrwr8x0

律「不意うちでわき腹にエルボーはなしだろ・・・」ゴホゴホ

梓「手をいきなり強く握った方が悪いんです。正当防衛です」

律「くそっ!私は痴漢かなにかかっ!」ゴホゴホ

梓「・・・・そんなに痛かったですか?」

律「予想外の動きだったもんでね。キレイに入っただけですよ」ゴホゴホ

梓「対唯先輩用に練習してたんですが。ちょっと威力強いみたいなんで、唯先輩にはやめとくことにします」

律「いや、唯先輩『には』ってなんだよ、『には』って。私だってダメだっての!!!!!!」ウガー

梓「律先輩にはOKな気がなぜかするんです」

律「いや、だからダメだってーの!!」




39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 12:59:27.14 ID:5DBrwr8x0

梓「先輩」

律「んあ!?」

梓「いや、そんなに驚かなくても」

律「あぁ、すまんすまん」

律「で、なに?」

梓「いつまで手、繋ぐんですか?」

律「・・・梓いやか?私と手繋ぐの」

梓「まぁ、生理的には嫌ではないです」

律「なにその返答。今日のお前はちょっと予想外の動きをするな、おい」

梓「今日は調子いいんで」

律「そ、そうか。嫌じゃないならちょっと繋がしといてくれ。人恋しい時代なんだ」

梓「なんですか、それ」

律「とある個人的な思春期だよ」

梓「そですか」

律「そです」



律「あずさぁ」

梓「なんでしょう」

律「手、あったかいな」

梓「私体温高いんで」

律「(こいつ、猫に生まれるべきだったんじゃね?)」



40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:00:55.39 ID:5DBrwr8x0




梓「なに考えてんですか?そんなに遠くばっかみて」

律「ん・・・・梓」

梓「はい」

律「部活、楽しいだろ?みんないいやつだし」ニコッ

梓「・・・・はい。唯先輩のスキンシップが過剰なのを除けば、あの場所は私にはもったいないくらいの場所です」

律「ふふ。梓、雰囲気かわったな」

梓「そうですか?」

律「ん。表情が明るくなったよ。部活だけじゃなくて、憂ちゃんとかの影響もあるんだろうけどさ」

梓「そうですかね」

律「そうですよ」

梓「先輩は、ここに居るときと、部活のとき雰囲気違いますよ」

律「そうですかね」

梓「そうですよ。なんだかションボリしてます」

律「そうですか」




41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:01:31.49 ID:5DBrwr8x0

梓「・・・・先輩」

律「ん?」

梓「・・・先輩は、自分の嫌な話になると話をはずらかす傾向がありますね」

律「そうか?」

梓「そうですよ。最近わかってきました」

律「そっか」




42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:03:07.87 ID:5DBrwr8x0

律「・・・なぁ、あずさ」

梓「はい」

律「私さ」

梓「はい」

律「部活、好きなんだ。みんなのこと、好きなんだ。そんな部活の部長で嬉しいんだ。だから」

律「あの場所、私はどうしても壊せないんだ。大切なんだ」

梓「・・・・?」

律「壊すってのはちょっと大げさかもしれないけど、その可能性をもつ言葉、持ってたんだ」

律「そんなに頭よくないから。いっぺんにいろんなことできなくて」ジタバタ

律「でも、一緒に居たくて。でも、部長だからとかそういうこと考えて・・・・」パタパタ




43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:03:45.88 ID:5DBrwr8x0

律「捨てたんだ。そういう気持ちごと全部」

律「そしたらきっとまたみんなで楽しめるって思って」

梓「・・・・」

律「勝手にほれて。勝手に失恋」ハハハ

梓「・・・・」

律「でも、そんなうまくいかないよな」ニガムシ




44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:04:57.94 ID:5DBrwr8x0

律「澪が好きだったんだ」

梓「そうなんですか」

律「そうだったんですよ」

律「でもそれはもう自分の中でも整理できはじめてて」

梓「はい」

律「でも、ちょっと疲れたから。私は」

律「たまにここに居るんだ」

律「だから貴重な私を梓はみてるんだぞ~」ギュ

梓「・・・・そうですね」ギュ




45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:06:45.65 ID:5DBrwr8x0

梓「先輩は嘘をつくのがうまいですね」

律「え、なに?ほめられてる?」テレテレ

梓「いや、別にほめてません」サラッ

律「ひどいな」

梓「澪先輩がすきなんてそんなのぜんぜんわかりませんでした」

律「終わったことだけどお前、これ誰にもいうなよ?」

梓「わかってますよ。誰にもいいませんよ」

律「嘘ついてるってわけじゃないけどな」

律「・・・・いつもどおりに接するだけだよ。友達として」




46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:08:15.85 ID:5DBrwr8x0

キンコ~ンカンコ~ン


律「・・・さすがにサボりが2教科目になると学校どうでもよくなるな」

梓「ですね。今もう午後の最後の授業ですし」




47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:09:13.91 ID:5DBrwr8x0

律「梓、横にならない?」

梓「いいですけど」

律「ここで横になるの気持ちいいんだ」ゴロン

梓「そうなんですか。やってみます」ゴロン




律「そら、きれいだなぁ」

梓「はい」




48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:10:56.69 ID:5DBrwr8x0

律「私のクラスは今頃、日本史なんだけど梓は?」

梓「私はたしか現国ですね」

律「現国かぁ。私にとったらラクガキの時間だな」

梓「見てみたいですね。律先輩の現国のノート」

律「私の見るなら澪の見たほうがおもしろいぞ?きっと痒くなるような詩がチラホラ書いてあるはずだから」

梓「なんとなく想像できますね」

律「だろ?」クスッ

律「ちなみに唯のはよだれにまみれてる」

梓「うわ・・・・それも想像できますね」ハハッ

律「ムギのノートはきれいだぞ~。たまに変なメモっぽいのがすみにかかれてるけど」

梓「メモ?」

律「唯のスキンシップをレベル分けしてあったりとか」

梓「そうなんですか・・・・(深くはきかないでおこう)」




49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:13:42.30 ID:5DBrwr8x0

梓「・・・・まだ澪先輩のこと好きなんですか?」

律「・・・・いや、もうそういう気持ちはないよ」

梓「それでいいんですか」

律「うん。イーんだよ」

梓「・・・・」

梓「・・・・私は」

律「ん?」




50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:15:53.46 ID:5DBrwr8x0

梓「律先輩、好きなんですよ」

律「・・・ん?」アビョーン

梓「でも、この気持ちがこれからどうなるのかわかりません」

律「ヴェ!?今の告白じゃないの!?」

梓「告白じゃないですよ。告白っぽいですけど」ハァ

梓「私、今ぜんぜん緊張もしてないし、この気持ちで部活がどうなるとか想像してませんでした」

梓「というか、今言うつもりもぜんぜんありませんでした」

律「え?え?好きってさ・・・恋愛感情?」ワタワタ

梓「恋愛感情ですよ」サラッ

律「そ、そうなの・・///」

梓「でも、澪先輩の話聞いて、ちょっとカチンときたので」

梓「きっとちゃんと恋愛感情です。さっき気づきました」フンス

梓「あ!」

律「え?」

梓「ってことはさっきのはやっぱ告白になるんですかね?」

律「えぇ~~~!?なにそのいったりきたり。なんか恥ずかしくなってきた。手はなしていい///?」

梓「ダメです」キッパリ

律「いやいや離す離す」ヨイショ

梓「ダメですってば!!」ギュ

律「痛い!!!」




51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:17:26.48 ID:5DBrwr8x0

律「なぁ」

梓「はい」

律「私のなにがいいんだ?」

梓「・・・・デコ?」

律「むーなしいのは気のせいかな?」

梓「う~~~ん・・・こういうのはきっと言葉じゃあらわせませんね」

律「そうか(じゃあデコってなんだったんだよ)」

梓「私、先輩がよくここでないてたの、知ってました」

律「」

律「見てたの・・・・?」

梓「見てたっていうか、なぜかここくるとかならず律先輩居るから。必然的にというか偶然的というか」

律「あらやだ。・・・なんか恥ずかしいをとおりこしてきた///」

梓「理由は知らなかったですけど、さっきわかりました」

律「(逃げて叫び倒れ悶えたい)」




52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:19:44.15 ID:5DBrwr8x0

梓「なんかさっきの悔しくなってきました。やり直します」

律「え!?///なんでお前はそんなに冷静なの?」

梓「先輩、おきてください」セイザ

律「は、はい・・・・え!?」セ、セイザ

梓「コホン」フゥ

律「(いやな汗だなぁ、おい・・・てか、なんなの?この展開は・・・)」ドギマギ

梓「正直、この気持ちのせいで部活の雰囲気がどうにかなるとか、知ったこっちゃないです」

律「おいおい・・・・」

梓「というか、人を好きになってて、そんなこと気にしてられないです、私は」

梓「でも、それは断られてもそれまでどおりに接することが私と律先輩ならできるって思うからです」

梓「ほかのひとならきっと無理だったと思うし。こんなに冷静に告白なんてしてませんから」

梓「部活に入ったことは本当に感謝してるし」

梓「あそこはもう私の縄張りの一部なのでこれから言うことできまづくなったとしても私は部活やめるなんてことありませんから」

律「・・・・・・」




53: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:21:31.02 ID:5DBrwr8x0

梓「大好きなんです」

梓「人を好きになるって初めてですけど」

梓「すごく、心があったかくなりました」

梓「もっと一緒に居て、いろんなものを一緒に感じて。触れたりしたいなって思ったり、もっと声を聞いていたいなって思ったり」

梓「会ってさよならした瞬間にすぐに会って声を聞きたくなったり」

梓「うまく言葉にできない感情が溢れたり。不安定でなきそうになったり。でも、やたらとなんだか心強くなったり」

梓「一秒でも会いたいと思える相手が居る、それが恋なら、私、恋を知れてよかったです」

律「・・・・・」

梓「でも、だからって、律先輩が澪先輩に告白しなかったからって私はそれを責めることはしないし」

梓「私が告白をしたからって『強い』わけでも、先輩が告白をしなかったからって『弱い』わけでもなんでもないんです」

梓「だから、ね、律先輩」

梓「そんな風に泣かないでください」

律「・・・・ヴ・・・・ん」ポロポロ




54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:23:30.46 ID:5DBrwr8x0




梓「泣き止みましたか?」

律「はい。お手数おかけしました(まさか後輩の胸をかりて泣く日がくるとは)」スンスン

梓「いえいえ」トントン

律「(心地いいがはずい///)」スンスン

梓「あの、私返事きいてないんですけど」

律「え?返事、今?はやくね?(顔ちかっ///)」

梓「チッ」

律「え?今舌打ちした?」

梓「先輩」

律「は、はい」

梓「好きなんで、一緒にいてください」

律「ちょ・・・、直球ですね///」

梓「直球です」

律「ん~~~~・・・・」




55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:25:12.88 ID:5DBrwr8x0

律「つか、え?考える時間ってないわけ?」

梓「恋愛感情なんて考えてるだけ無駄ですよ?」

律「なにその自論。なんかこわい」

梓「先輩のマンホール思春期論より全然支持者はいると思います」

律「くっ・・・・(なぜか言い返せない自分がいる)」

梓「」ジー

律「・・・・」

梓「」ジー

律「・・・・///」

梓「」ジー

律「(無言の圧力だが・・・・・)」

律「(かわいいと思ってしまう自分が居る・・・///)」

律「(よくみると梓かわいいかもな)」

律「あ、っあの、さっ」

梓「なんでしょう?」

律「ちょっと話それるけどさ、私たち、フツーに女の子どうしの恋愛OKな上で話すすめてるよな」

梓「そうですね」




56: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:27:11.59 ID:5DBrwr8x0

律「梓は・・・偏見とかないのか?」

梓「・・・先輩は偏見あるんですか?」

律「ありますぇん」

梓「ならいいじゃないですか」

梓「てか、先輩、澪先輩好きだったなら偏見どうたらこうたらを確認とるまでもなくこっちの世界の側の人間じゃないですか?」

律「世界って・・・」

律「別に私はそういう風に世界を白黒つけようとしてるんじゃなくて・・・・ただ」

律「私の場合は好きになったのが澪だったからだけだ」

律「澪とはずっと一緒にいたからな。なんか、澪だと女どうこうの次元を超えてるっていうか」

律「澪が女だったから好きになったわけじゃないというか、だな。うん・・・・」ウーン

梓「・・・・」

律「うん。そうだな。私は澪の人間味に惚れてたんだ.小学生のころなんてお互いつるつるだったわけだし」

律「女としての魅力なんてあったもんじゃなかったぞ」

梓「(つるつるて)・・・・小学生の頃から好きだったんですか?」

律「え!?んぁ・・・・ま、まぁ・・・・///」

梓「はぁ・・・・」

律「なんのため息だよ」




57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:32:13.94 ID:5DBrwr8x0

梓「ヘタレが」ボソッ

律「へ、ヘタレじゃねぇよ!!!てかボソッといえてねえよ!!!!」

梓「そんなに好きならさっさといっちゃえばいいんじゃないんですか?」

律「え?いやだからそれは」

梓「小学校の頃から好きなら部活がどうとかの次元だって超えてると思いますよ」

梓「てか、部活をもっともな理由にして逃げてるとしか思えません」

律「いや、だって断られたらきまづいでしょ・・・・」

梓「きまづいとかきまづくないとかそんなこといってるうちにいつか本当に誰かにとられちゃいますよ?それでいいんですか?」

律「・・・・」

梓「どうせまだひきづってるんですよね」

律「いや、・・・・別に・・・・」

梓「うぜぇ!!!!」ゲシッ

律「!!いたい!!!」ドタッ

律「お、おまえ先輩にすねげりって・・・・」

梓「は?」

律「え!?いや、その」ビク

梓「ったく・・・・グダグダグダグダして・・・走るのはドラムだけですか?あ?」

律「」

律「(なにこれ)」ビクビク

梓「人がせっかく勇気だして告白したのに・・・」

律「え?緊張してないとか言ってたじゃ」

梓「緊張しないわけないじゃないですかっ!!!!!」カッ

律「ですよね」ビクビクビク

梓「しかも・・・なんで途中から」

梓「先輩の恋愛相談になってんですか・・・」

律「ははは・・・・ほんとだね・・・」

律「・・・・なんか、わるい・・・」

梓「・・・・・」ジー

律「(すんげぇ見られてる、こ、怖い)」オドオドビクビク




58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:33:14.23 ID:5DBrwr8x0

梓「先輩」

律「は、はい!!」ビシッ

梓「澪先輩に今日告白してください」

律「」

律「え・・・・?」

梓「なんかもう、そこからはじめなきゃ何もはじまんない気がしてきました」

律「え?いやいやいや、何いってんの?」

梓「告白して拒絶なりなんなりされるならそれまでの関係だってことですよ」

律「いや、無理だよ、無理無理無理。告白なんてしないっての」

梓「いつもみたいにあんなおちゃらけた態度をずっとつづけてても何も変わりませんよ?」

律「・・・・いや」

律「無理だってば・・・」




59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:34:18.16 ID:5DBrwr8x0

梓「人生で2、3度ぶっちゃけた日があったっていいと思いません?」

律「思いません」

梓「はぁ・・・・・」パシィ

律「え!(顔を両手ではさまれた!?)」ビク

梓「」クグッ

律「か、顔ちかづけんな!!!!!!ちちち、ちかいって!!!!///」




60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:35:13.51 ID:5DBrwr8x0

梓「逃げるな」

律「」

梓「ここで逃げたら、澪先輩との思い出、いつか全部忘れたくなる」

律「・・・・・」

梓「そんな自分自身を先輩は憎むと思う。今、今日の自分を絶対に悔やむと思う」

梓「だから、逃げないで」

梓「澪先輩なんだから」

梓「先輩がすきになったんだから」

梓「だから」

律「・・・・」

梓「大丈夫ですよ」ポンッ




61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:37:50.74 ID:5DBrwr8x0

律「・・・・・」

律「・・・・あずさは?」

梓「・・・・」

梓「私のことなんか気にスンナですよ」

律「いや、気にするって・・・・告白、してくれたのに・・・・・」

梓「ん~~~・・・・まぁ確かに、告白したのにその相手の恋路を手伝うってのもなんか尺にさわりますね・・・・」

律「・・・・・だろ?」

梓「じゃあ」

律「うん」

梓「断られたら付き合ってください」

律「」

律「え?」

梓「あ、先輩に拒否権はありませんから」ニコッ

律「え・・・・・?」




62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:47:02.67 ID:5DBrwr8x0

キンコ~ンカンコ~ン


梓「あ、授業終わったんで教室戻りますね」

律「いや、ちょっと待ってさっきのはちょっと」

梓「澪先輩には『律先輩が話しがあるからここに来いっていってました』っていっとくんで先輩はここで待っててください」

律「え?いやいや、ちょっとまってちょっとまって私も教室戻らなきゃ。バッグとかあるしホームルームもあるし」

梓「ムギ先輩にメールしとくんで大丈夫です。では」スタタタタ

律「え・・・・?」

律「マジ・・・?澪に告白?え?・・・・・・・」ポツン



律「はっ!!気を遠くしてる場合じゃなかった。澪とムギメールしてやめてもらえばいいんだ」

律「あったまいいなぁ~私」テヘ

律「えっと、ケータイケータイ・・・・」ガサゴソガサゴソ

律「けーたいけーた・・・い・・・・」ガサゴソガサゴソ

梓「先輩なにさがしてるんですか?」ヒョコ

律「ひゃい!」ビク

律「び、びっくりしたぁ」ドキドキドキ

律「忘れもんか?」

梓「先輩のケータイは私が預かってるんで無駄です」ヒョイ

律「」

律「え?」

梓「ちなみに先輩が私の胸で泣いているときにすりました」

律「」

律「なぁ」

梓「はい?」

律「お前に惚れた弱みってあるの?」

梓「ないです」サラッ

律「ですよね~」

梓「では、告白がんばってください」スタタタタタ

律「・・・・・・」

律「オワタ」ガックシ





63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:48:28.55 ID:5DBrwr8x0

律「ん?まてよ?別に従順に澪を待つことはないんだよな」

律「・・・逃げるか?逃げてしまおうか?逃げるのか…?」グズグズ

律「いや、逃げるとかじゃなくて…だって、なあ」

律「(私はもう・・・・)」


「なにボケッとつったってんだよ」




64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:52:25.49 ID:5DBrwr8x0

律「!?」クルッ

律「み、みお」

澪「人を呼び出しといてびっくりすんな」ビックリ!

律「え!?い、いや。ちょっと気分転換に・・・な」

澪「いや、返事になってないんですけど」

律「・・・ははは(なんかテンパっててわけがわからねぇ・・・。てか、みお来るの早すぎるだろっっ!!!)」

澪「こんなところよく知ってたな。梓に言われなきゃ多分在学3年間で私は知らないままだったぞ?」

律「あ・・・!」

澪「ん?」

律「いや、なんでもない(澪にこの場所バレたじゃないか!!梓のやろう!!)」

澪「?で。なんだよ、こんなところで話って」

律「・・・・(ど、どうしよう・・・)」ドキドキ

澪「?」

澪「…それって帰り道とかじゃダメなのか?」

律「か、帰り道・・・?」ドキドキ

澪「うん。部活行きたいしさ、2人だけで話すなら別にみんなとわかれてからでもいいだろ?」

律「(たしかに。だが、帰り道ってどうなんだろう…?)」

律「(梓は今日中に告白しろって…いやいや、だから梓に従う必要はないんだってば!!)」

律「(でも…)」




65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:53:12.69 ID:5DBrwr8x0

澪「りつ」

律「ん?」

澪「なにか、話たいことでもあるならさ、帰り道にちゃんときくからさ」

澪「そ、それでいいだろ?」ソワソワ

律「・・・・」

律「(こいつなんでソワソワしてんだ?)」

澪「み、みんな待ってるし、ほら、部活いくぞ」ギュ

律「!?」

律「・・・・お、おう・・・わかった・・・・・(手にぎられた)」

スタタタタタ




梓「・・・・・ばか」



66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:54:34.22 ID:5DBrwr8x0

律「おい」

澪「あん?」

律「もう、部室なんだから・・・・その、・・・・手、離せよ」

澪「あ、ごめん」

パッ

律「(あいかわらず私のが手、ちっさいな)」クスッ

澪「(なに手見て笑ってんだ?)」

ガチャ

律「ち~~~す」

澪「遅くなってすまん」

唯「お!!澪ちゃんちーーーす!!!」シュビッ

唯「りっちゃんひさしぶり~~」ニヤニヤ

律「あ、あぁ・・・・久しぶりだな」ハハハ

澪「唯、ひさしぶりってなんだよ?」

律「いや、ちょっと、な」

唯「澪ちゃん、聞いて!!!りっちゃん今日午後の授業全部サボったんだよ!!!」

律「ちょ!おい、唯!いうなよ」

唯「ふへへ。サボリはだめだよ、りっちゃん!!」フンス

澪「へ~~」ジー

律「(くそ、唯のやつめ)」



67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:56:27.37 ID:5DBrwr8x0

澪「あの場所にずっといたのか?」

律「あぁ・・・・まぁな」タジタジ

ムギ「あ、りっちゃん、これ、バッグ。一応机の中のもの全部中に入れてきたんだけど・・・・」

律「あ、ムギ・・・・わるいな。サンキュ」

ムギ「いいのよ」ニコニコ

律「(すっげぇいい笑顔だな・・・・。梓はムギになんて言ったんだろうか)」

澪「あれ?梓は?」

律「」ビクッ

ムギ「一番最初にきてたんだけど」

唯「さっきトイレ行くって言っていちゃってからまだ帰ってきてないんだよ」

澪「そうなのか」

律「・・・・」

唯「でも、結構時間たってるんだよね」

ムギ「そうなのよね」チラッ

律「!」

律「(・・・・・もしかして)」

唯「私ちょっとさがし」

律「ちょっと梓探してくるわ!!!!」ダッ

澪「あ、おい、律!!!」

唯「あ!私が行くって今言おうとしてたのに!!」

唯「私もあずにゃん探しにいくよ!!」ダッ

ガシ

唯「え!?」

ムギ「まぁまぁ、梓ちゃんのことはりっちゃんにまかせておきましょう?」

唯「で、でも・・・・」

ムギ「今日はケーキもってきたんだけどなぁ」

唯「ケーキ」ピクッ

唯「ムギちゃん!!!」

唯「あずにゃんはりっちゃんにまかせてケーキたべよう!!!」ドゥ~ン

ムギ「ふふ。今用意するわね」

唯「わーーい」




68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 13:58:45.57 ID:5DBrwr8x0

澪「律だけで大丈夫かな・・・」

ムギ「澪ちゃん」

澪「ん?」

ムギ「りっちゃんにちゃんと話できた?」

澪「い、いや・・・・できなかった・・・いざ、2人きりになると照れちゃって///」

ムギ「あらあら」

澪「で、でも、今日帰りに2人で話することになったぞ!!!律もなんか話あるみたいだし!!!」

ムギ「そう・・・。がんばってね?」

澪「お、おう!!!相談のってくれてありがとうな!!ムギ!!!」

ムギ「いいのよ、私が好きでやってることだから」

唯「ねぇ、2人ともなんの話してるの?」

澪「え!?いや、ちょっと・・・な///」

ムギ「唯ちゃん、ケーキは何がいいかしら?チョコレートとかチーズケーキとか、結構種類もってきたんだけど」テキパキ

唯「え!?ホント!!!どれにしようかなぁ~~」ワクワク

ムギ「あせらなくても大丈夫よ」ニッコニッコ

唯「うひょ~~い!ムギちゃんだいすきーーー」

ムギ「あらあら、私も唯ちゃん好きよ」

澪「(ムギ、唯の扱いうまいな。てか、唯なんか不憫だ)」

澪「(・・・・・・律)」




69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:02:39.74 ID:5DBrwr8x0

律「梓、さっきのまさか見てたのか?まぁ、なにもなかったんだけど」タタタタタ

律「ったく、・・・・ばかだなぁ」タタタタタ


「こら!!律!!!!」


律「うわ!?」

和「廊下走ったらダメじゃない!!」

律「の、のどかかぁ。驚かすなよ。びっくりした」ドキドキ

和「律が廊下走ってるのが悪いんじゃない。というか、どうしたの?そんなに急いで。部活は?」

律「あ、そうだ、和、梓みなかったか?」

和「梓ちゃん?生徒会室からここまでそれらしき人は見かけなかったけど・・・・」

律「(こっちで見なかったってことはやっぱあの場所か!!)」

律「和!ありがと」ダッ

和「いや、だから廊下走らない!!!!」

律「わわわ!へへへ」・・・・スタスタスタ(早歩き)

和「ったく」クス

和「それにしてもどうしたのかしら。梓ちゃん探してるなんて」

和「まぁ、私には関係ないわ、ないよね、・・・・やっぱないわ」ウンウン

ゴメーンユズレナイーユズラナイー

和「あら?唯からメールだわ」

和「・・・今日一緒に帰ろう」

和「ひさしぶりに唯と下校・・・・」ポワワワ

和「がってんしょうちのすけ、っと」カチカチ

和「フフフ、さて、あと少しがんばりますか!!!」




70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:05:04.26 ID:5DBrwr8x0

ダダダダダダ(階段を駆け上がってる)

ガチャ

律「!!!」


律「あずさ!!!」

梓「あ、へたれ」

律「・・・ははは」



71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:06:53.39 ID:5DBrwr8x0

こっからなぜか地の文入るんだ
読みにくかったらごめん




72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:11:19.88 ID:5DBrwr8x0

律「おまえ、いつからここにいたの?」

梓「澪センパイがくる・・・・ちょっと前くらいから・・・です」

律「そっか・・・」スタスタ

こちらに背を向けて座っている梓にゆっくり近づいていく。
体育座りをしてるこいつは、とても小さく見えた。


梓「今日中って言ったから、別に帰り道でも、・・・・いいですよ、告白」

私が隣に座るうちに、ひざに顔をうずめながらそういった。

律「・・・・盗み聞きなんて、性格わるいぞ?」

梓「そうやってまた話をそらすんですね」

律「・・・・」

梓「あと、性格わるいはいいすぎです」

律「さよけ」

律梓「・・・・・」

・・・ふぅ。

律「あのさ」




73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:12:11.44 ID:5DBrwr8x0

梓「はい」

律「私は梓に」

梓「はい」

律「いいたいことが3つある」

梓「・・・・なんですか?」

ひざに顔をうずめたまま、梓は言う。
おまえ、バレバレだぞ?

律「1つ目」

梓「はい」

律「今なんで泣いてたんだ?」

梓「・・・・泣いてませんよ」

律「うそこけ」

梓「泣いてません」

律「いや、声が涙声だろうが」

梓「・・・・・」

律「泣いてたろ?」

梓「・・・とある個人的な思春期です」ズズッ

律「・・・・じゃあ・・・まぁ・・・そういうことでいいよ」

梓「はい。そういうことでお願いします」ズズッ

律「てか、私のせいか?」

梓「・・・・じゃあ、それもそういうことでお願いしときます」スンスン

律「・・・・」




74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:13:28.73 ID:5DBrwr8x0

時間って経つ。なにかそのせいで変わってく。
自分でも無意識だ。無意識だった。
自覚ってのは、いつからあったのかな。
そもそも自覚をするってこと自体できることなんだろうか。

律「2つ目いうぞ」

梓「どうぞ」

律「澪に告白はしないからな」

梓「・・・・」

律「私はもう澪のこと、ふっきれてるんだ」

律「もう終わったことなんだ、本当に」

梓「・・・・どうですかね」

梓「さっき、惚れてるって言ってたじゃないですか」

律「今は人間として惚れてるよ。いいやつだもん」

梓「じゃあ、やっぱりすきなんじゃないですか?」

律「だから、恋愛感情はもうないんだってば」




75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:14:45.52 ID:5DBrwr8x0

梓「無理しなくていいですよ」

律「・・・無理なんてしてないよ」

律「逃げだって思われてもいいよ」

律「ただ、私はもう澪のことなんとも思ってない」

律「あいつは私の親友で、部活仲間で、大切な人以外の何者でもないよ」

梓「・・・・・そうですか」

律「だから、告白はしない。いいな」

梓「・・・・・でも」

律「ん?」

梓「澪センパイがそう思ってなかったらどうするんですか?」

律「・・・・・どういうことだ?」

梓「だから、そのまんまですよ。澪センパイが律先輩のこと好きだったらどうするんですか?」

律「澪が?私を?」

律「・・・なに言ってんだよ。そんなことあるわけないよ」

梓「・・・先輩はずっと一緒に居て、澪センパイの何を見てきてるんですか?」

律「なにって・・・・しぐさとか?」

梓「そばに居て、今まで一度も澪センパイから好意感じたことなかったんですか?」

律「そりゃ・・・・1度、2度くらいはそれっぽいこと思ったことあるけどさ」

律「そんなの、私が勝手に思ってることだろ?ないよ、澪が私を好きとかあるわけない」




76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:15:57.58 ID:5DBrwr8x0

梓「その否定は、期待したくないからしてる否定ですか?」

律「・・・なんだって?」

梓「それとも、本当に澪センパイが自分のこと好きじゃないって思ってるからしてる否定ですか?」

律「・・・・梓、なにがいいたいんだ。澪のことはもう関係ないってさっきから言ってるだろ?」

梓「・・・っわたしには関係あるんですよ!!!!」

さっきまで泣いていた梓がいきなり大声をだした。
うずめていた顔をあげ、私をにらんできた。
その目はうさぎみたいにまっかだった。

梓「先輩、本当にわからないんですか?どんだけにぶちんなんですか?わからないならおしえてあげましょうか?」

律「・・・・・なんだよ」

律「おまえ、澪が私を好きとか、つまんないこというんじゃないだろうな?」

梓「先輩にとってそれはつまらないことなんですか?」

律「・・・・つまんないよ」

梓「・・・・」

梓、なんでおまえがそこでつらそうな顔をするんだよ。
やめてくれよ、そういうの。
そういうとこ、お前は知らないと思うけどさ、澪にそっくりだよ。




77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:17:22.72 ID:5DBrwr8x0

律「梓は私じゃないから、私の思ってること、知らなくてわからなくてあたりまえ」

律「信じてもらおうなんて思ってない」

律「自分でも、最低で矛盾してるようなこと言ってるってわかってる」

律「でも、言わせてよ」

梓「・・・・」

律「・・・・言うぞ」

律「私は今、梓が好きなんだ」

律「だから、いくら澪が私を好きでも関係ない」

告白してるのに、ほっぺた赤くして、涙目で睨まれるってのはどういう状況なんだろうな。
自分ではわからないけどほっぺた、赤いのはきっと私も同じなんだろう。
さっきの梓もこんな風に変にスカッとしてて、でも居たたまれない気持ちだったのかな。

梓「それが、3つ目ですか?」

律「あ、あぁ、3つ目だ」

梓「ばか」




78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:18:08.25 ID:5DBrwr8x0

律「やかまし」

梓「本当ですか?」

律「ああ。本当だぞ」

梓「嘘ですよね?」

律「残念ながら嘘じゃないぞ?すまんな」

梓「なんで謝るんですか?」

律「なんとなくだ」

梓「・・・・先輩」

律「ん?」

梓「最低ですね」

律「ん。知ってる」

梓「先輩」

律「ん?」

梓「うれしいけど・・・・信用できません」

律「ん。わかってる」




79: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:19:06.67 ID:5DBrwr8x0

梓「私といても幸せなんてないかもしれませんよ?」

律「なんでだよ」

梓「偏見とか」

律「・・・おいおい。そんなもの怖かったら私はここに梓を探しにすらきてないよ」

梓「性格の不一致とか」

律「それは今考える問題じゃないんじゃないかな?」

梓「・・・・・でも・・・・」

律「なんだよ」

梓「私、性格わるいですよ?」

律「ん~・・・それは多分今、もうなんとなくにじみでてるから、なんとなくわかるよ」

梓「・・・・それはそれで・・・」

律「それはそれで・・・?」

梓「むかつきますね」

律「おい!」

梓「先輩」

律「ん?」

梓「やっぱ信用できません」

律「・・・そう・・・ですか・・・」




80: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:21:25.29 ID:5DBrwr8x0

梓「今日澪センパイと帰るんですよね?」

律「・・・まぁ、そうなってるけど別に話すことないし断るよ」

律「断って梓と帰るよ」

梓「いえ、断らないでください」

律「なんですと?」

梓「今日は澪センパイと帰ってください」

律「え?本当になんで?」

梓「いいから、今日は澪センパイと帰ってください」

律「もしかしてまた盗み聞きするつもりか?」

梓「いえ、そんなことしませんよ」

律「じゃあ、なんで・・・」

梓「・・・・もう下校時間ですね」

律「・・・あぁ・・・」

梓「先輩のケータイ返します」スッ

律「あ、うん・・・」

ケータイが点滅してた。
画面には「着信あり3件」と出ていた。
すべて、澪だった。




81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:22:45.18 ID:5DBrwr8x0

律「澪から?」

梓「先輩」

律「ん?」

梓「私は澪センパイじゃないです」

律「そんなことわかってるよ」

梓「告白、うれしかったです」

梓「本当に・・・うれしい」

梓「でも、信用してほしいなら、今日は澪センパイと帰ってください」

律「・・・・」

梓「帰ってから、ちゃんと考えてまた明日ここにでもきてください」

律「・・・あずさ」

梓「はい?」

律「好きだよ?」

梓「・・・はい。じゃあ、また」




82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:25:03.66 ID:5DBrwr8x0






やっと電話がつながった。

澪「あ。律?今どこにいるんだよ?梓はみつかったのか?」

律「あーー・・・いたんだけど、かえっちゃった」

澪「帰った?」

そう返えしながら私は部室を見渡す。
今さらながらきづいたけど、梓の荷物はなにひとつとしてなかった。
もしかして、今日は最初からくるつもりがなかったのだろうか。
そして、電話ごしの律の声・・・・なんだか元気がない。

律、梓となにかあったの?

そうでかかったけど、飲み込んだ。




83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:26:48.93 ID:5DBrwr8x0

澪「とにかく、もう下校時間だから下駄箱んとこ来い!お前の荷物もってくから」

律「あぁ、すまん。じゃあ、下駄箱で」

澪「ん、また」

いつも元気なあいつの落ち込んだ声は私を動揺させるのに十分だった。

唯「澪ちゃん」

澪「---ん?」

唯「あずにゃんどうだって?」

澪「なんか、・・・帰ったらしいよ」

唯「え!!そうなの?なんでだろう」

ムギ「・・・・」

澪「さあ・・・・具合でも悪くなったのかな?」

唯「あずにゃん・・・・りっちゃんとなんかあったのかな」

澪「な、なにかって?」

唯「え・・・・、いや、わからないけど、りっちゃんがあずにゃんを怒らせたとか?」

澪「たしかに・・・・それはありうるよな」

唯「どうしよう・・・・心配だけど、私、和ちゃんと帰る約束しちゃったよ」

澪「私、律と帰るからさ、話きいとくよ」

澪「だから、梓のことが心配なのはわかるけど、唯は和と一緒に帰りな」

唯「で、でも・・・・」

ムギ「なら、私が梓ちゃんの様子を見に行くわ」

唯「ムギちゃん」

澪「ムギ・・・」

ムギ「私も梓ちゃん、心配だから」

澪「ん。なら、ムギに梓のことまかせるよ」

唯「ムギちゃん、あずにゃんを頼んだよ!!」

ムギ「ええ。まかせて」

澪「じゃあ、とにかくさっさと校内からでないとな」

唯ムギ「うん」




84: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:28:44.71 ID:5DBrwr8x0

ムギを先に行かせて
唯と2人で戸締りをして、急いで下駄箱へ向かうと
律が壁にもたれてすでに待っていた。


澪「律!」

律「あ・・・・澪」

律「・・・・と唯」

唯「りっちゃん!!私はおまけですかーーーー」ドーーーン

律「ゲフッ!!!」

律「唯、いてーよ!!いきなりつっこんでくるんじゃねぇ!!!」

唯「りっちゃん!!あずにゃんになにかしたの!?」

律「・・・・・!!!」ピク

澪「お、おい、唯・・・」

律「・・・・・」

律「なにもしてないよ」

唯「ほんとに!?」

律「あぁ・・・・」

唯「ほんとにほんとに!?」

律「ほんとにほんとに」

唯「ほんとにほんとにほんとにほんとに!?」

律「あああああーーー!!!ほんとに、ほんとに!!!!」

唯「りっちゃん!信じるよ!!」

律「あぁ。信じてくれよ、唯」

律「そしておかえしだーーーー」ドーーン

唯「ゲフッ!!!」

唯「りっちゃん隊員、痛いです!!」

律「へへへ」

澪「・・・・」




85: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:33:58.40 ID:5DBrwr8x0

なにか、あったんだな。
唯におどけてるけど、全然いつもの律じゃない。
そう思いながら、律を見ていたら律と目が合った。
律はちょっと、伏せ目がちに笑った。
あぁ。この律のしぐさ、そうとう参ってるときのものだ。
本当に、梓と何があったんだよ、りつ。

アタマ アタマ クビ

唯「あ、和ちゃんからメールきた!」

唯「・・・・え!?校門のとこで待ってるって」

澪「唯はやくいけよ、和、待たせたらわるいぞ?」

唯「え!?う、うん。そうだね。こんな中途半端なときにごめん」

澪「気にすんな」

唯「ほんとにごめんね。じゃあ、先にかえるね!」

澪「気をつけてな」

律「またなー・・・」

唯「うん、また明日!」

靴を履き替えて、校門へ走っていく唯の後ろ姿を2人で見送った。




86: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:36:21.14 ID:5DBrwr8x0

澪「律」

律「ん?」

澪「ほらこれ、お前のバッグ」

律「あぁ・・・・悪いな、わざわざ持ってこさせて」

澪「いいよ別に」

澪「私たちもそろそろ出ないと」

律「・・・だな」




87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:39:40.93 ID:5DBrwr8x0





普段の行いが悪いからだな、と私は思った。
ムギは、机の中のものを全部いれてきた、と言った。

全部、か。重たいぜ、「全部」って言葉はさ。
ムギ、私が勉強に不熱心なの知ってるだろ?
私、これでもおきべんしてるんだぜぇ?
荷物の量、おかしいとか思わなかったか?
感謝はしてるけどな。
感謝はしてるけど、重たい。バッグ重たい。
顔には出さなかったけど下駄箱のとこでバッグを渡されたとき、その重さにびっくりした。
よくもまぁ、こんな重たいバッグをなんでもないかのように
こいつは部室から持ってきたもんだ、と思いながら隣を歩く澪を見る。

私も澪も、下駄箱を通り校門を抜けて普段の帰り道を無言で歩いてた。
長年一緒にいると、こんな無言の時間なんて結構気にならなくなる。
そんなに毎分毎秒話すことなんてない。
違う場所にいるなら、お互いの現状を話すとか、話題の提供元なんていくらでもありそうだけど
私らはクラスは違えど、ほとんど同じ生活空間を共有しているわけで。
だから、こんな沈黙、いつもなら全然気にならないんだ。
いつもなら。




88: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:40:51.41 ID:5DBrwr8x0

澪「あのさ」

律「っぅえ!?」

澪「・・・・なんて声だしてんだ」

律「い、いや、いきなり話しかけられたからちょっと、びっくりした・・・」

澪「そうか」

律「ん・・」

律澪「・・・・・」

澪「あのさ・・・」

律「うん」

澪「梓と何かあったのか?」

律「・・・え?なんで?」

澪「りつ、なんか元気ないから・・・」

律「・・・・そうか?」

澪「そうだよ。私にはわかる。それに梓部活来ないで帰ったし」

澪「・・・なにか、あったんだろ?」

律「まぁ・・・うん(澪になら言っても大丈夫かな?)」

律「さっきは唯には何にもないって言ったんだけど、ちょっと色々あったんだ」

澪「色々って・・・?」

律「いや、それはちょっと・・・・詳しくは・・・いえない」

澪「・・・・そっか」

律「・・・・うん」




89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:43:41.32 ID:5DBrwr8x0

空気が重たかった。
あきらかに、いつもの沈黙ではなくなってた。
そして、どうして私は澪に詳しく言えないんだろう。
考えてるふりしてどうでもいいことばっかり思いつく。

こういう時、咄嗟に出てくる言葉って、本心なんだろうか。


澪「梓がさ」

律「・・・うん」

澪「ホームルーム始まる前にメールくれたんだけど」

律「・・・・うん」

澪「りつが私に話があるって」

律「あぁ・・・・うん・・・・ん?」

澪「話ってなんだ?私、帰り道でちゃんと聞くって言ったからさ」

澪「ちゃんと、聞こうと思うんだけど・・・」

律「・・・・」

どうしよう。

一体なにを言えばいいんだ。
あずさは澪と帰れって言ってたけど、そもそもあれはどういう意味だったんだ?
文字通りにただ一緒に帰ればいいわけじゃないだろう。
私に澪に告白しろって遠回りに言っていたのか?
だとしたら、私はあずさに、フラれたんだろうか?
あずさの方から告白したくせに・・・・フラれたのか・・・・!?
え・・・それかなりショックなんだけど。
いや、ショックだぞ?シャレにならないくらい。
しかも、帰ってからちゃんと考えろっても言ってた。
なにを考えるんだ?偏見のことか?
・・・・くっそ、私のノータリンな頭ではわけがわからない。
しかも今考えてもショックが増えただけかもしれない。
私の言葉を待つ、澪の視線が痛い。




90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:45:18.09 ID:5DBrwr8x0

口数の減少とともに減速していった2人の速度でも
私の家の近くのコンビニ近くまで来てしまった。
どんだけ私は沈黙してたんだ。
そして、澪、お前はどんだけ健気に私の言葉を待ってるつもりだ。

律「み、澪!」

苦し紛れ、そういわれてもしかたがないけど、その言葉を私は言った。

律「コンビニ、寄らないか?」

澪「・・・・いいけど」

律「・・・よし、じゃあパピコ食おうぜ」

澪「パピコ?夏はもう終わったぞ?」

律「いいじゃんいいじゃん、私おごるからさぁ」

澪「・・・・えぇ・・・・でも」

律「(よし、おごるって言葉に惹かれてる。さっすが澪。あと少し!)」

律「ね?あれ2つセットになって売ってるし」

澪「アイス食べたいなら別にパピコじゃなくてもいいんじゃないのか?私は食べないからな」

律「なんだか今無性に澪とパピコ食べたいんだよ!!」

澪「なっ!?」

律「な?いいだろ?」

澪「・・・わかった。いいよ」

律「よし!じゃあ買ってくるから(なんとかごまかせた)」

澪「私は買うものないから店の前で待ってるな」

律「おう~」




91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:46:47.91 ID:5DBrwr8x0

店内はなかなか賑やかだった。
大半が私のような学生で、部活帰りといったところか。
パピコを手にとりレジに向かう。
結構な人がレジに並んでいた。
単品の客が多いせいか、1人1人の支払い時間はそれほどたいしたものではなかったけど
レジを待ってる時間が私にはやけに長く感じられた。

ふと、外に目をやると、澪の後ろ姿が見えた。
ベースはきっとおろしてるんだろう。
スラっと伸びたきれいな黒髪がたまに風に揺れてるのがわかる。
・・・・・ん?澪のやつ、なんか掌に書いて飲んでるぞ?
なにしてんだ?腹減ってんのか?空気うまいか?





・・・・・・。




92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:49:01.25 ID:5DBrwr8x0

あの後ろ姿に恋をしていた。


もちろん、後ろ姿だけじゃない。
横顔でもいい。
でも、振り向いたら、私のほうを向いてくれたら
私は友達として振舞わなきゃいけなかったから。
気づけばいつも傍にいてくれていた。
私のこと、色々、もしかしたら私以上にわかってくれてる。
自覚をするとか、そういう次元じゃなくて、
それが当たり前だった。

「澪を好きでいること」

それが私の1つのアイデンティティーでもあった。
事実は変えられないし、私は別に澪を好きであったことを消したいわけじゃない。
ただ。
私が澪を好きであったことは、少なくとも、あずさを傷つけた。
かつて私を私として形造ってくれたものが
今、あずさを傷つけた。
うん、傷つけたんだ。
冗談じゃなくて、私があずさを泣かせたんだ。


支払いを終えてコンビニを出た。
澪は夏は終わったって言ってたけど、
この時間になってもまだ太陽は沈んでなかった。
私はさっそくパピコの袋を開ける。
キンキンに冷えた2つの栓を切って澪の方へ向かった。

律「澪、おまたせ~」

澪「ん」




93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:51:11.89 ID:5DBrwr8x0

澪はベースを背負う。
背負い終わったのを見計らって私は手渡す。

律「ほれ、澪のぶん」

澪「ありがと」

律「ん。ありがたくいただけよ~」

澪「はいはい。ありがとございます」

律「よし、いただきなさい」


2人でそのままコンビニの前でパピコにかぶりつく。
このコンビニで何か買ったときは、いつもコンビニの前で食べていた。
歩きながらだと、すぐに家についてしまうからそういうことはしなかった。
好きだった頃の習慣を変えるのもなんだか自分に対してあざとい感じがしたし、
いまさら変えると逆に不自然になってしまう気がする、2人の間での習慣のようなものだった。

2人ともアイスに夢中になってた。
また沈黙だったけど、さっきとは違ういつもの沈黙だった。



あと数分でこの沈黙は終わるはずだった。
そして、きっと2人でまた歩き出して
私は家の中に入り、澪は私の家の前を通りすぎ、
自分の家に帰るはずだった。
でも、それは私の中でだけだった。

私のパピコが食べごろになった頃だろうか。

澪「・・・・りつ」

アイスを食べながら澪がつぶやいた。




94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:53:00.15 ID:5DBrwr8x0

律「ん?」

澪「私も、りつに話があるんだけど」

律「・・・話?」

澪「うん」

律「そうか。なんだ?」キョトン

澪「おまえ・・・軽いな」

律「ん?」

澪「いや、まぁ、いいんだけどさ、・・・別に」

律「なんだよ。言いたいことがあるならさっさと言ってみろよ」

澪「・・・・その言葉そのままさっきまでのお前に返していいか?」

律「ごめんなさい。どんな話でしょうか、澪さん」

さっきの沈黙のおもさと話題を蒸し返されてはたまらない。
いつものようにおちゃらけた。

澪「・・・・」

澪「あのさ」

律「おう」

正面を向いていた澪は私のほうへ身体を向けた。
その澪の動作でパピコに向いていた私の視線はようやく澪に向く。




95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:55:56.15 ID:5DBrwr8x0

澪「驚くかもしれないんだけど」

律「うん。何?」

澪「・・・・ごめん。場所を選んでない私が悪いのかもしれないけど」

澪「ちゃんと聞いてくれないかな?」

澪「今じゃないと、もう言えない気がするんだ」

律「・・・・」

律「うん・・・・わかった」

あたりはさすがにそろそろ暗くなってきて、
夕日が真っ赤に澪に射していた。




96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 14:58:32.69 ID:5DBrwr8x0

澪「あのさ」

律「うん」

澪「おかしいって、気持ち悪いって思うかもしれないんだけど」

律「うん」

澪「私、ずっと」


澪「りつのことが好きなんだ」



あずさ、お前はいつから知ってたんだ?
私はやっぱりノータリンだよ。
ごめん。



97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:01:20.29 ID:5DBrwr8x0

そういえば、文化祭のときもそうだったけど
澪は緊張すると頭の回転がびっくりするくらい止まるンだった。
澪も私が好きだったのか、と、いまさらな事実を突きつけられて現実逃避したくなった。

『あと数ヶ月・・・いや、今日の朝でもいい。もっと早くわかっていれば』

そんな考えが頭の中をちょっとかすった。
そして、そんなことを考えたことが顔に出たんじゃないかと怖くなった。
澪は恥ずかしいのか下を向いてしまっている。
大丈夫、きっと顔の表情は、みえてない。
いまなら、少しでもうれしいとおもった私をなかったことにできる気がした。

とにかく、話をするにしても、返事をするにしてもコンビニの前はダメだ。
こんな場所で告白してくるなんて、
お前の中のメルヘンチックな少女は一体なにしてるんだ?家出中か?


律「あ、のさ・・・」

澪がゆっくりと私の顔をみる。
―――-まさかとは思ったが、涙目である。

澪「・・・・」

律「・・・・ちょっと、ここじゃ話にくい内容だから・・・・場所移動しない?」

澪は何もいわない。うん。困る。



98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:04:05.97 ID:5DBrwr8x0

澪「・・・・りつ」

律「ん?」

澪「怒ってないの?」

律「なんで?」

澪「いきなり、・・・・その・・・・」

澪「好きっていわれて・・・・・」

澪「私のこと・・・・気持ち悪くないの?」

澪「嫌になってない・・・?」

律「・・・・」

なんか、もう、大変だ。
みんな、大変だ。偏見まみれだ。
梓といても澪といても、私はそれと対峙することになるんだけど、
私をふくめてみんな怖がりだ。

・・・きっと、そういうものからも澪を守るのが私の役目だった。


律「・・・・」

あと少しだけ、その役割を延長してもいいだろうか?




99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:05:53.66 ID:5DBrwr8x0

律「みお」

できるだけ、優しく言ってみる。

律「私は怒ってないし、みおのこと気持ち悪いとも思ってない」

律「嫌いにもなってない」

律「とりあえず・・・・場所、変えよう」

律「ここから近いし・・・・私の家、いこう」

そういって私はみおの手を掴んだ。
みおの顔が赤くなるのを見ないように振り返って歩き出した。

無言で歩きながらボンヤリ思った。
私がこれからすることは、一体誰を傷つけるのかな。
梓かな、澪かな。
自分かな。
まぁ、どっちに転んだって、いつの日かの私はきっとたまに思い出して後悔する。
梓からも、澪からも愛想をつかされるかもしれないけど、それでもいいや。
さすがに帰り道は太陽さんもお帰りらしくてほの暗い。
家の明かりをまぶしく感じる。
10分ほどで、私の家に着いた。
しかし、家は真っ暗である。




100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:08:19.02 ID:5DBrwr8x0

澪「・・・・今日おばさんいないの?」

律「・・・・・あれ?」

いないとか言ってたっけ?
そう思って、繋いでいた手をほどき
急いでケータイを見てみると、不在着信が2件とメールが1通届いていた。

2件とも母親からのものであり、メールも同じであった。

律「・・・・・」

澪「・・・・なんて?」

このころになると少し澪も落ち着いてきたのか、やや元気なさげであり
少々緊張気味ではあるが、私に話しかけてきた。

律「・・・・・私が帰ってくるのが遅かったから、私除いてみんなで外に食べに行くって」

澪「・・・・」

律「・・・・・・(ひどい)」

まぁ、逆に2人のほうが好都合だよな・・・・。

律「・・・・・まぁ、というわけで、親はいないけどそのほうが澪も話やすくない・・・か?」

澪「・・・・それは・・・話やすいけど・・・・でも・・・・」

律「あーー、家の前でつったってるのもなんだし、入ろうぜ?」

澪「・・・・わかった」

律「よし、じゃあ入った入った」



101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:14:18.93 ID:5DBrwr8x0

律「あ、なにか飲み物もっていくから先に部屋いっといて」

澪「え、そんな飲み物とか別にいいよ・・・」

律「いいからいいから。あ、あと」

ちょっと意地悪っぽく笑って私がそういうと途端にみおは不安な顔をした。

澪「え?なに?」

律「いや、私ら2人ともパピコのごみそのまま手に持ったままだなぁって思って」

手をつないだ手とは逆の手にそれぞれパピコの容器を持ってた。
普段ならコンビニで捨ててくるのにな。
そういう簡単なことに気が回らないってのは、お互いやっぱ緊張してる証拠か。
そう思うとなんだか笑えてきた。

律「はは。ほら、捨ててくるからかして」

澪「あ、ありがと」

律「おう。じゃあ、部屋いっといて」

澪「わかった・・・」

そういって私は台所へ。
澪は私の部屋へ分かれた。
てか、部屋ちらかってないよな?
大丈夫だよな?今朝の私よ?




102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:16:47.07 ID:5DBrwr8x0

アイス食べたからのどが渇いたってのもあるっちゃあるけど
実際は時間稼ぎなわけで。
ほんの少しだけでいいから、一人で落ち着きたかった。
ごみを捨ててノロノロとコップを2つとる。

梓と澪は、・・・・まぁ、梓からは直接聞いたけど、
澪は私のように部活の雰囲気がどうなるとか多分怖がってないんだろうな。
でも、それは部活がどうでもいいってことじゃなくて
きっと、うぬぼれかもしれないけど、伝えなければ苦しくてたまらないほど
それくらい私のことが好きってことなのかな。
あの澪がなぁ、、、私を好きなのか・・・。
そっかぁ。両想いだったんだなぁ。
なんだか、うれしいけど、すっごい悲しいなぁ。

冷蔵庫から麦茶を取って、コップに注いだ。

・・・うん。もう戻れないってすっごく悲しい。
私があきらめなければ、今はきっと全然違う方向にベクトルが向いていたんだろう。
その影で誰かが泣いていたとしても、
そいつはきっと泣いていることを私に隠すから
きっと私は気づかずに自分の幸せだけを見つめることができたんだろうな。
泣いていた頃には全然想像もつかなかった未来に私はいて。
今もやっぱりなんだか泣きそうになってる。
それが正しいのか、間違ってるのかなんて全然わからないけど。

気持ちは伝えなきゃいけないんだ。
もう怖がっちゃいけないんだ。怖がる必要なんてないんだ。
思ってること、全部言うんだ、みおに。
その結果で泣くかもしれないけど、言うことは間違ってないんだ。
きっと、大丈夫だ。大丈夫なんだ。
だって、嘘じゃないんだから、この私の中にある気持ちは。

麦茶を冷蔵庫に戻して、2人分のコップを持って私は部屋へ向かった。



103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:19:39.28 ID:5DBrwr8x0





「澪ちゃん・・・・場所選ばなすぎよ・・・・」

そう雑誌で顔を隠しながら隣でつぶやいた。
たしかに、私もそう思う。
音声は聞こえないが、窓ごしに唇の動きが見えた。
もともと今日告白をするということは聞いていたから
あんだけ顔を真っ赤にしているのを見たら唇の動きだけで
何を言っているかなんてだいたい想像がついてしまう。
そういえば、文化祭のときもそうだったけど
澪センパイは緊張すると頭の回転がびっくりするくらい止まるンだった。



今日は放課後にムギ先輩に話があって前日に約束していた通り
うまく部活を休み、ムギ先輩と落ち合った。

が、ムギ先輩いわく、私はうまく部活を休めてはいないらしい。
だけど、それは律先輩のせいだから、私は無実だ。

ムギ「まさか、りっちゃんが梓ちゃんに告白とは・・・私もヨミがまだまだだわ」

待ち合わせ場所にあらわれたムギ先輩に午後の出来事をすべて話すと
そう言いながら先輩はため息をひとつついた。

梓「先輩がいうと『読み』ってか、『黄泉』の変換が正しく思えてきますね」

ムギ「なにか言ったかしら?」

梓「いえ!なにもいってません!」

たまにムギ先輩は怖い。なんというかオーラが禍々しい。
口がすべってしまったら、一体私はどうなってしまうんだろうか。
・・・想像でとどめておきたいもんだ。




104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:21:11.91 ID:5DBrwr8x0

2人の家の中間ぐらいの距離で待ち合わせたのだけど、
どうやらその区域は律先輩たちの通学路だったらしい。
無言で歩く二人を見つけた私とムギ先輩はあわててコンビニへと入った。

梓「この時間帯はきっと人がたくさん居ますからカモフラージュにはなると思いますよ」

ムギ「梓ちゃん、ナイスよ!!」

私の提案であった。
無言で歩く2人がコンビニなど寄らないだろうと踏んでの発言であった。
しかし、私の考えは軽く踏んづけられてしまう。

コンビニにめったにこないらしく、
はしゃいで店内を回るムギ先輩について歩いていた私はふと店の外を見て驚いた。

梓「え!?」

ムギ「どうしたの?梓ちゃん」

梓「律先輩たちがこっちにきてます」

ムギ「え?もしかして、コンビニにくるのかしら」

梓「た、たぶん、・・・・ムギ先輩!!こっち!!!」

ムギ先輩を引っ張っていそいで本コーナーの前に行くと
立ち読みをしている男子高校生らしき人たちに混ざった。
そして無造作に置かれたマンガ雑誌2冊を私は手にとって、1冊を先輩に渡した。

梓「これを読むフリして顔を隠してください」アワアワ

ムギ「・・・!!わ、わかったわ」アセアセ

雑誌で顔を隠した瞬間、コンビニに来店を示す音が響き
律先輩が入ってきた。




105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:22:54.44 ID:5DBrwr8x0

ムギ「間一髪ね」ヒソヒソ

梓「・・・で。ですね」ヒソヒソ


律先輩の来店は予想外だったけど人が多いことが幸いしたのか
どうやら私たち2人には気づいていないようである。


ムギ「澪ちゃんは店の前で待ってるわね」

梓「はい。何か飲み物でも買いにきたんですかね?」

律先輩なら、まっさきにマンガ読みにきそうだな、と思ってビクビクしていたけど
私の予想ははずれにはずれて、律先輩は一目散にアイスコーナーへ向かっていった。
こっちにこなかったのはよかったけど、なんだか、行動を予測できなかったのが心なしか悔しい。

ムギ「アイスが目当てみたいね」

梓「・・・はい」

アイスを選びおわったのか、レジ待ちの列に律先輩は並んだ。

レジの流れは速いけど、なかなか並んでいる人が多い。
このマンガのコーナーもそうだけど、比較的コンビニ内は部活帰りの学生が多かった。
律先輩はレジに並んで、最初はボーっと棚を眺めていたみたいだけど、
途中から、コンビニの外を眺めた。
その視線の先に目をやると、そこには澪センパイがいた。




106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:25:09.50 ID:5DBrwr8x0

・・・・・ながい・・・・。
長すぎる。
レジの番がくるまですんごい澪センパイを眺めていた。
一体何を考えているんだろうか。
なんか、やだな。

あぁ、こういう気持ち、なんていうか知ってる。
一般的に「嫉妬」っていうんだ。
最近部活になると、いつもこういう気持ちになる。
耳元で「あずにゃん、あずにゃん」言われてもその気持ちは消えることがない。
むしろ、私が体温に包まれてる姿を見ることで先輩もそういう気持ちを持たないものか、と
私は思ったりする。ごめんなさい、唯先輩。
あなたの抱擁を心から拒絶していないのは、律先輩へのあてつけのためなんです。

唯先輩を好きになれば、本当に、すんなりと私の恋はうまくいったのかもしれない。
いや、唯先輩が私に恋愛感情を抱いてるのかどうかとか、そういうことは知らないけど。
なんとなく、あの先輩はそういうのを受け入れてくれるような気がした。
というか、抱きつきまくっているのだから、受け入れてくれなきゃ困る。
あぁ、本当に、唯先輩を好きになればよかった。

私のちょい右で風に吹かれる澪センパイの髪がサラサラと揺れていた。
なんで、律先輩なんだ、私よ。
とても、勝てる気なんてしないよ・・・・。

そんなことを考えているうちに律先輩はコンビニから出て行った。

ムギ「あ、りっちゃんが澪ちゃんになんか渡したわね」

梓「・・・・パピコですかね?」

ムギ「パピコ?」

梓「あ、アイスですよ。昔ながらの定番って感じのアイスです」

ムギ「へぇ~~~」

そういいながら、ムギ先輩はアイスをマジマジと見ていた。
・・・・食べたいのかな?



107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:27:07.77 ID:5DBrwr8x0

梓「あの、・・・・私たちも買いますか?」

ムギ「え?」

梓「あれ、2つセットになって売ってるんですよ。私もちょっと今食べたくなりましたし」

ムギ「・・・・ほんと?」

梓「えぇ。じゃあ2人が去ってから買いますね」

ムギ「ありがとう、梓ちゃん」

梓「へへ。いえいえ。あ」

ムギ「え?」

ムギ「あ・・・・」

ムギ「澪ちゃん・・・・場所選ばなすぎよ・・・・」

どうやら、ムギ先輩もわかったようだ。
ギュッと、胸が苦しくなる。
律先輩、驚いた顔してた。
それは、まぁ、そうだよね。
こうなるってわかってたし、知ってたけど
でも、やっぱり・・・・・つらいなぁ。

「もう一度よく考えて」なんて言わなきゃよかった。
あの時すぐに律先輩に返事すればよかった。
澪センパイが今日律先輩に告白するつもりだって言っとけばよかった。
今日一緒に帰るって言ってくれたときに素直に帰るって言えばよかった。

・・・・でも、そんな後悔をいまさらしたってどうしようもなかった。




108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:28:57.53 ID:5DBrwr8x0

梓ムギ「あ・・・・」

律先輩が、澪センパイの手を引いて行ってしまった。


ムギ「・・・梓ちゃん、・・・・大丈夫?」

梓「あ、はい。・・・・大丈夫です」

できるだけ明るく言った。
こんな未来を選んだのはほかではない、私だ。
全部、受け止めよう。

梓「ムギ先輩、アイス、たべましょうか」

ムギ「え・・・でも」

梓「いいんです。律先輩には『ちゃんと考えて』って言いましたから」

梓「ちゃんと考えてきてくれるはずです。あの人はそういう人です」

梓「だから、今はアイス食べましょう!てか、アイス食べたいんです」

ムギ「・・・・強いわね、梓ちゃん」

梓「いえ、全然強くなんてないですよ」

本当は泣きそうだ。今すぐにでも先輩たちの後を追いたいくらいだ。
でも、今を受け入れる。それしか、今の私にはできそうにない。


その後、ムギ先輩がおごってくれたパピコは
きっと忘れられないだろう感情とか、
誰かの幸せをふみにじらなければ自分の幸せを手に入れられそうにない私の未来を
ゆっくりと私の中に溶かしていった。



109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:30:14.17 ID:5DBrwr8x0






こぼさないようにして部屋の扉をあけようと取っ手に手をかけた。
だけど、その手を回すことができなかった。
部屋の中から聞こえてきたからだ。
最近は聞かなくなったけど、耳が覚えてた。

部屋の中から、すすり泣く声がした。

その声を聞いた瞬間、さっきまでの時間で考えてた考えは
どっかにいってしまった。
いや、あんな短期間で取ってつけたように考えたってそんなもん、
たかがしれてるんだ。

ゆっくり、1つ、深呼吸をして扉をあけた。




110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:32:55.09 ID:5DBrwr8x0

澪はうさぎのぬいぐるみを抱きしめていつものようにベッド脇に座っていた。
おまえ、それ本当に好きだなぁ・・・。

こんなときでも、いつも私の部屋に来る時の当たり前をしてくるとこに
なんだか泣きそうになる。

澪はうさぎに顔をうずめて顔を上げようとしない。
きっと、泣き顔をみられたくないんだろう。
もうばれてるから無駄なのに。

律「澪」

澪「・・・・なに」

律「むぎちゃ、もってきたぞ、飲むか?」

澪「・・・・飲まない」

律「そうか、じゃあ、とりあえず」

私はテーブルに2つコップを置いた。
コトン、コトンとコップを置く音が響いた。

澪はまだうさちゃんと抱き合い中だ。
そのまま、澪の隣に座った。

座るときに、少し私の右肩と澪のの左肩が触れた。
澪がビクってなった。




111: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:33:44.76 ID:5DBrwr8x0

律「なぁ」

澪「・・・・なんだよ」

律「今、ビクってなったな?な?」

澪「・・・・言うなよ」

恥ずかしそうに声を出す。

律「ふふふ」

澪「笑うな、ばか」

律「なぁ」

澪「・・・・なに?」

ちょっとさっきより不機嫌そうだ。
でも、涙はとりあえず止まったみたいだ。

律「お気に入りのうさちゃんの抱き心地はいかがかしらん?澪ちゅわん♪」

さっきよりもふざけた感じで言ってみる。

澪「・・・・ばかりつぅ」

そういうとともに私の頭に澪の左手が垂直に落ちた。

律「あいたっ!!!」


こいつ・・・・!!!グーでたたきやがった。
馬場チョップじゃなくてグーでたたきやがった。
鈍痛が響く頭のてっぺんを押さえる。
こんなやり取りももう何回繰り返したんだろう。




112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:34:58.00 ID:5DBrwr8x0

律「いったいな!!!ぶつことないだろ!!!ひとのうさちゃんとりやがって!!!!!」

澪「お前が悪いんだろ!!!いっつもいっつもいっつも私をからかうことばっかり言って」

澪「大体このうさちゃんだって私の部屋にあったのをお前が勝手に持ってったんじゃないか」

律「・・・・あれ?そうだっけ?」

やっと顔を上げた澪と目が合った。

澪「なんだよ・・・・・忘れたのかよ・・・・・」

ちょっと、澪の顔がゆがんだ。

澪「・・・・ほんとにバカだな。ばかりつ」

澪「・・・・ったく・・・・」

私でもなくうさちゃんでもなく、部屋のどこかを見て澪はつぶやくように言った。


澪「私はこんなバカがそれでも好きなのか」




113: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:36:37.39 ID:5DBrwr8x0

律「・・・・」

今日2回目のその響きは1回目よりも私をドキッとさせた。
部屋っていう空間のせいか、それとも肩が触れるか触れないかの距離のせいか
さっきよりも確かに私の耳に聞こえてきた。
やっぱ、うさちゃんじゃごまかせないよな、その話するために今ここにいるんだから。


律「あのさ」

澪「・・・・」

律「私のこと、す、好きって、その・・・・本当なの・・・・か?」

うぬぼれてるみたいなセリフで思わずどもった。

澪「本当だよ」

律「そ、そうか」

澪「というか、私はこの気持ちもうりつにバレてるって思ってたんだけど・・・・」

澪「全然そんなこと、なかったんだな」

そういって、澪は私を見て笑った。
ちょっとくたびれた感じの笑い方だった。

律「すまん」

澪「なんで律が謝るんだよ」

律「なんとなく・・・・」

澪「そうか・・・・」

そういうと、澪はコップに手を伸ばしそのまま一口飲んでいた。
その一口を飲み込んで、言う。




114: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:38:37.92 ID:5DBrwr8x0

澪「りつ」

律「ん?」

澪「ずっと・・・好きだったよ」

澪「いつ好きになったかなんてもうわからないくらい。律の隣は居心地がよくて、安心できるんだ」

澪「律といると楽しいし、自分でも不思議なくらい私、強くなれる」

澪「文化祭だって、律がいたからがんばれたよ」

澪「いままでもいろんなことを律と経験して、見たり聞いたりしてきたけど」

澪「もっともっともっと、今まで以上にいろんなこと、私は律と一緒に見たいし聞きたいし共有していきたい」

澪「りつ、好き」

澪「ずっと私の隣にいてほしい」

澪「だめかな?」

そういうと澪は黙った。
私はずっと何もいえなかった。




115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:42:46.05 ID:5DBrwr8x0

喉がからっからだった。
部屋の中にはあいかわらず沈黙が続いていた。
こういうとき、すんごい考えてるってフリして
実は頭の中はそうとう真っ白で、何も考えてなんかなかったりする。
考えるって行為をまず冷静にできないし、
考えて答えがでるくらいなら、人間に「悩む」ってコマンドは必要がないんじゃないか。

律「澪・・・」

でも

律「正直、すごくうれしい・・・本当にありがとう・・・」

自分の顔が赤くなるのがわかる。
澪のほうを見ないで続ける。
澪はじっと部屋のどこかを見続けたまま言葉をまってた。

澪「・・・・・・」

律「さっき澪は自分のこと気持ち悪くないかってきいてきたけど、ぜんぜん私はそんなこと思わないよ」

律「だいじょうぶ、全然そんなこと思う必要なんてないから」

澪「・・・・りつ・・・・・ありがとう」

律「うん」




116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:48:13.98 ID:5DBrwr8x0

律「私も、澪みたく、ずっと一緒に同じものを感じたりできたらいいなって思ってた」

律「ずっと隣で笑ったり、馬鹿やったりできたらいいなって思ってた」

でも、それでも今の私はこうしている間も思い出してしまうんだ

律「澪といると本当に楽しい」

律「自分が自分で居られる気がしてた」

理屈じゃないんだ、目をもうどうしても離せない

律「きっとそういう自分でいられるってずっと思ってた」

律「でも」

ほんとうに、恋愛感情なんて考えてるだけ無駄なのかもな。

はっきりという。これだけはどもらせたくなかった。
素直に、言葉のままに、澪に届いてほしかった。


律「ごめん。私は梓が好きなんだ」


部屋の静けさが一段と強くなった気がした。




117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:50:51.36 ID:5DBrwr8x0

澪をみると、何かを反芻するように目を瞑っていたけど
目をゆっくりあけて、ためいきをつくように言葉を吐いた。


澪「・・・・・そっか」

律「・・・・・そうなんだ。だから、ごめん。澪の隣にはいられない」


数ヶ月で色々な梓を知った。
でも、色々な澪をその倍以上に知っている。
それでも思い浮かんだのは梓の顔だった。

どうして、とたずねられてもわからない。答えられない。
むしろ自分自身に尋ねたい。
『どうして澪ではなく梓なのか』と。
両想いだったのに、どうして、と。
部活とか、雰囲気っていざとなったら頭の中になんてなかった。
梓、お前の言葉、案外正しいのかもしれない。
自分が答えられないものに答えを出すときは結局、
そのとき、そのしゅんかんに自分の中にあるものを信じるしかないんだな。
私の場合、澪と梓の2人ともを失うかもしれないけど。




118: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:51:35.69 ID:5DBrwr8x0

澪「・・・・なぁ」

ちょっと気持ち、力のない声で澪が聴いてきた。

律「ん?なに?」

澪「りつは・・・・その・・・・・」

律「?」

澪「私を好きだったことって・・・・・一回もない?」

律「・・・・・・」

律「・・・・・ないよ」

澪「ほんとに?」

律「・・・・うん。本当に。一回もない」

律「澪は私の友達で、最高の親友だよ」

澪「そっか・・・・。わかった」

澪「なんか、ごめん。引き際が、悪いね・・・・」

律「いや、私こそ・・・・ごめん」

澪「あ、謝られても・・・・私がみじめになるだけなんだけどなぁ~・・・・」

律「・・・・」

澪「・・・・」




119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:53:01.12 ID:5DBrwr8x0

澪「・・・・梓に」

律「ん?」

澪「梓に告白とか・・・するの?」

律「それは・・・・まぁ・・・・するかな・・・・」

澪「そっか・・・・」

律「うん・・・」

澪「・・・・りつ」

律「ん?」

澪「きっと、大丈夫だよ」

律「え・・・っと・・・・なにが?」

澪「梓も、きっとりつのこと、好きだよ」

泣きそうなのに、澪は私に笑ってくれた。

律「・・・・・」

律「・・・・そうかな」

なんとかそういうと、ひざの間に顔をうずめた。
やばい。なんだか泣きそうだ。澪の顔をみることができない。




120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:54:31.89 ID:5DBrwr8x0

澪「うん。そうだよ。だから、絶対だいじょうぶ。自信もちなよ」

律「おう・・・・。ありがと・・・・」

時間、止まってくれないかな。
澪を傷つけたかったわけじゃないのに。
澪にこんな笑顔させたくなかったのに。
澪のことが好きだったのに。
こんな気持ちになるために人を好きになったわけじゃないのに。

そう思うと、もうダメだった。

「みお・・・・ごめん・・・・」

私のほうが、泣き出してしまった。



121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:55:21.21 ID:5DBrwr8x0

一度泣くと収まりがつかなくなりそうで怖かった。
でも、泣かないのもそれはそれできつかった。
だから、私はあの場所でたまに一人でひっそりとないていたわけだ。
膨らんだ風船が割れないように、空気を入れたり抜いたりしていた。
澪の前では、小さい頃からいままで一度も泣いたことがなかった。

「澪」と「ごめん」の単語2つのみを何度も繰り返しながら泣きじゃくる私を
澪はぼーっと見ていた。
私の泣き顔をはじめてみて澪はどう思ったのだろう。

いきなり、暖かいものが私を包んだ。

気づくと澪に抱きしめられていた。
驚きのあまり、あんなに流れていた涙がやっと止まった。

律「・・・・・み、お・・・!?」

澪「・・・・やっと、泣き止んだか?」

律「う・・・・うん・・・ご、ごめん。いきなり泣いたりして・・・」

澪「いいよ、別に」

怒っているのか、あきれているのか、よくわからない声色だった。
澪の顔は見えないのに、澪の声が耳元で聞こえてくるのはなんだか
変な感じがした。

澪はしっかり私の背中に腕を回してきていたので、身動きはとれなかった。




122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:56:19.19 ID:5DBrwr8x0

澪「りつ」

律「う、うん」

澪「おまえ意外と小さいな、抱き心地微妙。うさちゃん以下」

律「う、うるないな!!こんな状況でそんなこというなよ!!」

澪「ふふ」

律「なに笑ってんだよ」

澪「いつもからかってくれてたおかえしだ」

律「なんだそりゃ・・・」

澪が私の肩にあごを乗せてきた。
こんな風に澪からしてくるなんて、はじめてだ。
さっきまで泣いていた顔を見られなくてすむのはとても都合がいいんだけど。

澪「あのさ」

律「う、うん・・・」

澪「さっきの私がどんな顔をしてたか、私にはわからないけど」

律「うん」

澪「それを見て、おまえに同情なんて私はされたくない」

律「・・・・」




123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:57:23.61 ID:5DBrwr8x0

澪「私とじゃないほかの誰かといることになるからって」

澪「私はりつの隣で笑うことはやめたくない」

澪「べつに友達のまま、隣で笑ってくれてそれでいい」

律「・・・・みお・・・・」グスン

澪「だから、泣くな!」

そう言って、澪は私の背中を少しつねった。

律「いたい!!」

澪「耳元でわめくな!うるさい!!!」

律「(・・・・この状況でいえないけど、なんか理不尽)ご、ごめん・・・・」

澪「さっきの・・・・」

澪「さっきの私はきっとりつに悲しい顔を向けたんだと思う。だろ?」

律「う、うん」

澪「・・・悪かったよ、それは謝る」

律「いや、べつに」

澪「でも」

律「?」

澪「でもな、さっきはおまえはそれを見なかったフリしなきゃいけなかったんだぞ?」

律「・・・・・・」




124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 15:59:03.13 ID:5DBrwr8x0

澪「・・・・おまえは、」

澪「私より梓がすきなんだから、「ごめん」なんていう立場じゃないし、泣いてもいけなかったんだ」

澪「私は確かに悲しかったよ」

澪「でも、その悲しみは私だけの悲しみだ」

澪「・・・私だけが悲しんでいい悲しみなんだよ・・・・りつ・・・・」

そういうとさらにギュっと抱きしめられた。
肩のしめりを感じながら、私は澪の背中を抱くのをためらった。
そのためらいは一瞬だったけど、でもそれですべてのような気がした。




125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:01:50.06 ID:5DBrwr8x0

律「みお・・・・・」

私は少し高いところにある澪の肩にあごを乗せる。

澪「なんだよ・・・・」

泣き声が答える。

律「誰か1人を好きってなんなんだろうな」

そうたずねると、おまえがそれをいうな、と返ってきた。




126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:03:40.99 ID:5DBrwr8x0

律「うぅぅ~・・・そんな風にぶっきらぼうなことをおっしゃらずに」

澪「なんだよ?何がいいたいんだ?」

律「変なこというと思うんだけど、おどろかない?」

澪「え?なんだよ・・・・変なことって・・・・・」

律「おどろかない?」

澪「いや、おどろくだろ」

律「じゃ、やめた」

澪「おい!気になるだろ!!!いえよ!!!!」

声は泣いてるのに、口調は強気だ。

律「おどろかない?」

澪「な、内容による....」

律「・・・・・あのさ」

澪「う、うん」

律「きっと理解してもらえないと思うけど澪だけにはちゃんと言っとくよ」

澪「・・・なにを?」

律「・・・・・・」

澪「・・・・・・?」




127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:05:38.73 ID:5DBrwr8x0

律「私は、梓が好きだけど」

律「一緒に居たくて、一緒にいろんなことしたいと思うのも梓だけど」

澪「え?・・・・なに?おまえは私の傷を増やしたいのか?」

律「いいから、だまってきいとけ」

澪「・・・・なんだよ」

律「世界で一番大好きなのは」

律「澪、おまえなんだよ」

澪「・・・・・は?」

澪をぎゅっと抱きしめ返した。



128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:06:30.40 ID:5DBrwr8x0

勢いで抱きしめてしまったんだけど、どうしよう。
そんなことを思いながら、すんごく自分の心音だけがやかましく響いてた。
でも、そういう緊張じゃなくて、いつもじゃないこの状況にただ緊張してるだけなんだ。
澪は何も言わない。とりあえず、場をもたせなくては。

律「そういえばさ」

澪「・・・・」

律「『あからさまに』って」

律「『にわかに』とか『ついちょっと』って意味なんだよね」

澪「・・・・・いや、今そんなこというの期待してないから」

律「あ、そう」

澪「うん」

律「・・・・・」

澪「・・・・・」




129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:09:27.53 ID:5DBrwr8x0

どうやら、なにか間違えたみたいだ。

律「・・・・なんか、話ずらいから離してもいい?」

自分から抱きしめといていうセリフじゃないな。

澪「・・・・・」

あ、ダメなんですね、わかりました。
ならこのまま話をしよう。
それにしても、澪は胸がでかいですね。言ったら絶対殴られるから言わないけど。

澪「てか、・・・・説明は?」

いろいろなことをすっ飛ばして、なんかおかしなテンションになってますよ?
なんでそんなに怒ってるんですかね、澪さん。

律「・・・・・えっと、まぁ多分ぼやかして言ってもわからないと思うけど、でも雰囲気でわかってほしいんだけど」

澪「・・・うん」

律「澪は、もう好きすぎて何もできない」




130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:11:36.61 ID:5DBrwr8x0

澪「・・・・は?・・・なんだよ、それ」

律「なんというか、ヤル前から萎えてるって気分というか」

澪「やるって?なにを?」

律「いや、だから・・・その・・・ナニを・・・」

澪「?」

え?わかんないの?そこ詳しく言わなきゃダメなの?
家出してたメルヘンチックな少女このタイミングで帰ってきちゃった?
今の澪、げにまっこと唯といい勝負ぜよ。

律「えっとですね・・・そのね・・・・まぁ、恋人同士がするようなことを」

澪「!?」

あ、やっと気づいたか。身体ビクってなってやんの。
まぁ、こんな話、澪にとっては恥ずかしくていたたまれないよね。

澪「ちょ、いきなり何いいだすんだよぉ!?」

律「いきなりって。でも、付き合うってなったらきっとそういうことするだろ?」

澪「そ、そうなのか・・・・?」

律「え、そうでしょ・・・・」




131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:13:00.34 ID:5DBrwr8x0

これ素で言ってるんだろうな。
そんな風に純粋だから、汚せないんだよ、まったく。

律「だから、というか、なんというか・・・・澪のことすごく好きなんだけど」

律「自分の中でもうそれが当たり前のことになってて」

律「一緒に居てもドキドキしないし、そういうことを澪としたいって思えないんだよ、どうしても」

澪「・・・・・」

そこから澪がまた黙ってしまって、何を言えばいいのかわからなくて私も黙ってしまって。
1、2分が2時間くらいの体感時間になるくらいの沈黙に押しつぶされてしまって
本当にどうしようか、と私が思い始めた頃に澪が口を開いた。

澪「律、離して」




132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:14:38.79 ID:5DBrwr8x0

いきなり言われたから、なにを話すのか?と最初思ったけど
あ、「話す」じゃなくて「離す」か、と自分の中で漢字の変換ミスを正した後
おそるおそる澪を抱きしめてた手の力を緩めた。

抱きしめてたままの形でしばらくいたから、動かすときに腕の関節が少し痛かった。
澪と身体が離れたときに、スッと胸のあたりの温まっていた空気が抜けて
その部分が少し寒くなった。
電気もつけてない部屋の中は暗くて、
部屋の中に入ってくる街頭の明かりだけでなんとかお互いの顔はぼんやり確認できていて
澪の表情をなんとか見ようとしたけど、
今どんな表情をしてるのか見たくないと思う自分もいた。
私の制服のボタンあたりを見ながら澪が静かに言った。

澪「じゃあさ、律は梓とそういうことしたいの?」




133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:16:06.46 ID:5DBrwr8x0

まさか、ここで澪の口から梓の名前が出てくるとは予想だにしていなかった

土管の中に入ろうと思ったらそこからパックンが突如として出てくるような
そんな不意打ちを見事に食らってしまった。
マリオなら1P減るとこだが、私はマリオでも永遠の2番手でもない。
私にHPはあとどれくらい残っているだろう。

律「え!?・・・・えっと・・・・・あの」

律「・・・・・なんというかその・・・・///」

顔が自分でも赤くなるのがわかったし、明らかに誰が見ても動揺してた。
今日だって、ふざけた雰囲気を出しながら手を握るのが精一杯だったのに
そんなことをいきなり言われても恥ずかしくなるばかりだ。
場面を想像してしまいそうになる自分のそんな幻想をどうか、ぶち壊せ。遠慮なく。




134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:18:23.89 ID:5DBrwr8x0

澪「・・・・・私の前じゃいつもそんな顔しないのにな」

律「え?」

澪「だからさ、律がそういう風に照れてるの、初めて見た」

さっきまでと違って、いつもの飽きれたような声色で言われた。

律「照れてる?」

澪「いや、顔真っ赤だから」

律「(やっぱり・・・)」

律「そですか・・・・///」

指摘されると、もっと恥ずかしくなるのはなんでなんだろうな。

もう、とそう言ってため息のようなものをついた。

澪「そんなの見せられたら]

澪「どうしようもないじゃないか・・・・・」

律「えっと・・・・」

澪「りつのこと大好きだったけど、今は」

澪「世界で一番だいっっきらいだ」

律「・・・・・」




135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:20:28.09 ID:5DBrwr8x0

自分勝手だけど、これはこれで本当につらいな。
胸に「ど━━━━━━━━━━━んっっっ!!!!!」とくるものがある。
だいっっきらいか。そりゃ、まぁそうだよな・・・・。
なんか、澪に言われると意外に相当ショックだ。

律「・・・・・・」

澪「おい」

律「・・・・え?」

澪「いきなり黙り込むなよ」

律「いや、なんというか、・・・・・・まぁ、当然ですよね」ハハッ

澪「なにショックうけてんだ、ばか」

律「う、うるせぇ」

澪「私はもっとショックなんだからこれくらい当然だよ、ばか律」

律「う」

それを言われると元も子もない。




136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:21:57.98 ID:5DBrwr8x0

澪「りつ」

律「・・・・・なんだよ?」

澪「・・・・・私をフルんだから、これくらい許せよ」

そういうと澪が顔を近づけてきた。
つまり、私の人生初めてのキスは、あからさまな涙の味だったわけだ。

澪「・・・・友達でいていいんだよな?」

顔が少し離れると、澪はそう尋ねてきた。
その顔を直視できない私は最低というレッテルを貼られてももう文句が言えなかった。


律「・・・・澪が友達でいてくれるなら」




137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:23:49.86 ID:5DBrwr8x0

澪「じゃあ、私たちはこれからもずっと友達だ」

律「・・・・うん」

澪「・・・・・」

澪「・・・・・じゃあ、私は帰るから」

そういって、澪が立ち上がって、傍にあったベースとバッグを担いだ。

律「・・・・送ってこうか?」

澪「いや、1人で帰るから」

律「・・・・・そうか」

この部屋で、澪を見ることはもう無理なのかもしれないな
と、なんとなく思った。

2人で無言で部屋を出て階段を下りた。
ローファーを履く澪を見てた。
玄関の電気はオレンジ色のやつだけど
それでも明かりはなんだかまぶしくて目がチカチカした。




138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:26:06.12 ID:5DBrwr8x0

律「・・・・ん」

澪になにかいいたいけど、何を言えばいいのかわからなかった。
でも、何か言いたかった。

律「澪」

澪「ん?」

律「その・・・・なんだ?」

澪「お前がなんだよ」

律「はは・・・・その、な」

澪「ん?」

律「初めてが澪でよかったよ」

澪「ほんっと、最低だな」

今の私には最高の誉め言葉なのかもしれない言葉を吐いて、にがわらって澪は玄関を開けた。
ちょっと冷たい風が家の中に入ってきた。

澪「りつ、さよなら。また明日な」

玄関が閉まって、澪の姿が見えなくなった。




139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:29:53.47 ID:5DBrwr8x0

澪が帰ったあと、
一人で部屋に戻ったら澪が飲み残した麦茶が目に入ってきて無性に泣けてきた。

私は泣いてはいけなかったし、泣いてはいけないのに、
「泣いてはいけない」と思えば思うほど澪の前でも、そしてその時も涙はとまらなかった。
隣にはうさちゃんがいた。
澪の涙の後が残っててうさちゃんまで泣いてるみたいだった。

いつか、機会があればちゃんと洗濯して澪に返そうと、ちょっと思ってたうさちゃんはもう
澪の部屋の匂いはしなくて、私の部屋の匂いがした。
もう、お前は家に返れないかもな、とちょっと笑いながら語りかけた。

律「やっぱり・・・・ドキドキしなかったよ」

返事はなくて、むやみに目頭が熱くなっただけだった。
結局、風呂にも入らず、家族がいつ帰ってきたかも知らずにそのままその日は泣きながら寝てしまった。




140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:33:00.88 ID:5DBrwr8x0

次の日、余裕で学校を休んだ。

朝なんとなく母親に起こされたような起こされてないような気がしたけど、
目が覚めたときはすでに家には自分以外誰もおらず、バッチリ遅刻な時間帯だった。
とりあえずシャワーを浴びてサッパリしたところで、
学校行きたくねーと思ってしまったらもうどうにも布団からでたくなくなってしまって、
一応律儀に着た制服のまま、また眠ってしまった。

空腹と尿意を感じて昼頃に目が覚めた。

目を覚ましたとき、ふとぼんやりした頭で
「梓に会わなきゃいけない」と思った。

でも、会って何を言えばいいかよくわからない。
澪のこと、梓は何故か知ってた。
でも、知ってたのに梓は私にそのことを何も言わなかった。

きっと私のこと、梓は本当はどうでもいいんだ…。

そう思うと、梓に会うのもなんだか怖くなってしまった。
いつもの私は一体どこへ行ってしまったんだろうか。
澪のアレみたく私の中の何かもちょっくら家出でもしてるんだろうか。

家出なら家出でもうそれでいいと思えた。




141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:37:02.79 ID:5DBrwr8x0

ケータイを見るとメールが1通着ていた。

梓かな、もしかして澪か?

と思い、ちょっと緊張しながら恐る恐る開いてみると

唯からのメールだった。
唯には悪いが、一気にがっくりきた。

『どうされましたか!?りっちゃん隊長!?』

というなんてことはない内容に、なんてことはない返事を返して
私はまた眠ることにした。

澪のことも、梓のことも全部1日で起こりすぎだ。
起こりすぎて、私の頭も心もチューニングもリズムも狂ったドラムみたいだ。
無駄にうるさいよ、いろんなもんが。

でも、いつもドラムが走りすぎてると怒鳴られてるんだから、ある意味でそれは私らしいのか…?

いやいや、ドラムが走りすぎてるんじゃない、ベースが遅すぎるんだよ

きっと、そうだ。
そういうことにしておこう。

きっと言ったらまた殴られそうなことをぐちゃぐちゃ自分勝手に思いながら
ほどなく眠りに落ちた。



142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:40:39.02 ID:5DBrwr8x0

耳に聞こえてくる音からして、
どうやら雨が降っているらしいと目をつぶったままぼんやり思う。
一体今は何時だろうとケータイを探すためにベッドの上をまさぐろうとして、手を伸ばす。

しかし、手は思ったとおりに伸びなかった。
かわりになにか、やわらかいものに触れた。
てか、髪の毛っぽい。

律「うへぇ・・・・!?」




144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:42:41.61 ID:5DBrwr8x0

てか、もっと早く気づけよ、私・・・と思う。

律「・・・・・」

律「・・・・・」

律「・・・・・・」

律「・・・・なんでいるんだよ・・・・ゆい・・・」

唯「」スヤスヤ

不法侵入という言葉が頭をよぎった。
てか、寝んな。

律「おい、唯、おきろ、おい、唯!」

唯「」スヤスヤ

当たり前だが返事はない。
さすが、唯である。
制服姿のままってことは、まぁ、学校からそのままきたんだろう。
部屋の隅っこに唯のギータと通学バッグが置いてあった。




145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:44:16.48 ID:5DBrwr8x0

律「・・・・(ったく)」

律「・・・あ」ピーン

こういうさえない気分の時でも悪知恵は働くもんだなぁ~と思いながら
私は再びケータイを探した。

律「あ、唯のやつ、私のケータイ踏んでんじゃないか」

起きることを少し期待しつつ、つぶされているケータイを乱暴に抜き取った。
唯にまったく変化はなかった。

律「こいつ・・・てか、見舞いにきて寝たなら普通ベッドサイドとかで寝るよな」

律「まぁ・・・別にいいんだけどさ」

律「ベッドに入って、しかもご丁寧にふとんまでかぶって私から枕まで奪ってるとか、もう寝る気まんまんじゃないか」

はんばあきれながら、しかし、まぁ、唯だもんな、と思いつつ

普段はたかないフラッシュ機能をオンにして、寝ている唯の顔にケータイを向けた。
さすがにこの至近距離からのフラッシュ攻撃をくらったら唯でもおきるであろう。

ケータイ越しに唯の寝顔を見る。
髪が少し乱れて、よだれもたれている・・・
てか、よだれ・・・よだれよだれ、まくらにたれている・・・・うへぇ。




146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:46:20.95 ID:5DBrwr8x0

律「・・・・まったく・・・・唯がかわいいのはギター弾いてる時と寝顔の時だけかよ」

唯の魅力は一切わからないが、寝顔はかわいいと仮定する。
とても、幸せそうな寝顔だ。
どんな夢を見たらこんないい顔で寝ることが出来るんだろうかね。


律「・・・・いつか、お前はその寝顔を一体誰に見せるんだ?」


ふと、そんなことを思う。
でも、それは唯に対して思ったことではなかった。

私とは平行するだろう未来を想像して、ケータイのボタンを押す。
一瞬だけまぶしい光で唯の顔が見えなくなる。でも、すぐにまた明るさは元に戻る。
雨のせいで薄暗い部屋にこの光はまぶしすぎた。
さすがに、唯でもおきるだろう。

唯「・・・・む」

写真はきっとうまく取れてなんていない。
でも、まぁいいか。
早速しかめっ面をしておきてくれた唯にばれないように私は急いで写真を保存した。



147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:51:15.85 ID:5DBrwr8x0

唯「・・・・むぅぅぅぅぅ」

唯は機嫌悪そうに唸ってた。
相変わらず、寝起きが悪い。

律「やっと起きたか?」

そういいながら、私はベッドから出て部屋の電気をつけた。
うん、明るい。
雨が窓をたたく音に混じってまたベッドの中から唸り声が聞こえた。

唯「ちょっとぉぉ・・・・・まぶしいよぉぉぉぉ」
そういいながらうつ伏せでまくらに顔をうずめてる。

唯「なにこれぇぇぇぇ・・・・なんか、この枕冷たいよ?」

律「あ、それおまえのよだれな」

「うううううぅぅぅぅ」という機嫌悪そうな声を背中で聞きながら
背伸びをしつつベッドの傍においてあるテーブルの上に目をやると、
なにやら見慣れぬ白い箱が置いてあった。

律「お前、いつからいたの?」

唯「・・・・・学校終わってからすぐ」

律「うちの鍵は?」

唯「開いてたよ」

おまわりさーーーーん!!!!
この人、本当に不法侵入だよぉぉぉぉおおおおおお!!!




148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:53:35.51 ID:5DBrwr8x0

唯「ちゃんと、りっちゃんに電話したから不法侵入じゃないよぅぅぅ」

律「は?」

手の中にあるケータイを見てみると、たしかに電話が着てた。
てか、着信1件ありって・・・。

律「・・・・おまえは私の家をなんだと思ってるんだよ、やっぱり不法侵入だろうが」

唯「・・・・てか、そんだけ元気なら、りっちゃんずる休みじゃん」

律「・・・・まぁ、ずる休みちゃずる休みですけどそっちだって不法侵入じゃん・・・・・」

唯「むぅぅぅ・・・・あ、さっきまぶしかったのってなに?」

律「え?部屋の電気つけたからじゃない?」

唯「その前・・・なんか一瞬まぶしかったけど・・・・」

律「雷じゃない?この箱なに?」

唯「えぇぇ・・・雷の音しなかったよぉぅう・・・」

律「唯、知らないのか?光って音より早いんだぜ?この箱なに?」

唯「・・・・さっき、ケータイのシャッター音したよ・・・」

律「気のせいじゃない?きっとここからすんげぇ遠くで雷っつーか、ロギオ系が月を目指してんだよ」

律「で、このケーキなに?」

箱の中にはショートケーキとモンブランがそれぞれ3個ずつ入っていた。

唯「・・・りっちゃんはどうしてそんなにシレッと嘘つくの?」

唯のほうを向く。枕に半分顔を埋めた唯と目が合う。
一瞬唯が驚いた顔を見せた。
不自然にならないようにスッ目をケーキにそらしてみた。




149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 16:57:43.29 ID:5DBrwr8x0

律「唯だからじゃないかな」

たぶん、このケーキはお見舞い品なんだろうな、と思いながら答えた。
仮病に見舞いもなにもありはしないだろうけど。

律「私がムギに嘘つくの、お前みたことないだろ?」

唯「・・・・たしかに。てか、やっぱり嘘だったんじゃん・・・・・」

「んんんんんんんんんn・・・・」とそのまま枕にまた顔をうずめて

「写真消しておいてね」とかなんか唸ってたけど、
余裕でシカトしておいた。うん、そうあれは雷だったのだ。

断じて寝顔を撮っていたわけではない。うん、もうめんどいからそれでとことん通す。
また半分顔をこっちへ向けて今度は唯から話しかけてきた。

唯「今日はさ、澪ちゃんが用事とかで部活これなくて」

唯「あずにゃんはまた無断欠席で」

唯「りっちゃんは学校自体来てなかったから、ムギちゃんと私で今日の部活は休みにしたんだよ。2人でいてもさみしいだけだし」

律「そっか・・・・」

澪は今日ちゃんと学校に行ったんだなぁ
澪は強いなと思いながら
「また明日」といわれたのに行かなかったことへの罪悪感に襲われたけど
梓の無断欠席が気になった。

唯「うん。で、私がりっちゃんのお見舞いに行くって言ったらムギちゃんが

ムギ『なら、今日の分のお菓子、お見舞いに持ってて』

っていうから。持ってきたの。だから、そのケーキは食べていいよ」

律「そっか。じゃあ、今遠慮なく食べる。朝から何も食べてないんだ。唯も食べるか?」

唯「あったりまえじゃん!」

そう言いながら、やっと唯は起きて「うーーーん」と背伸びをした。



150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 17:06:02.52 ID:5DBrwr8x0

律「なんか飲む?」

唯「んーー、牛乳がいい」

律「わかった。ちょっと、取ってくる」

唯「あーーい」

そういいながら、唯は大きなあくびをした。
まだ、寝たりないのか、お前は。

不自然に麦茶が入ったコップを持って部屋をでた。

唯はたまにフラっと私の家に1人でくる。
しかも、それを他の3人には内緒にしている。

一度なんでそういう風に隠さなきゃいけないんだと尋ねたところ

「なんだか2人の秘密みたいで楽しいから♪」という返答をいただいた。

そのときはその理由で「ふーん」となんとなく納得してしまって
私の中でそこから先へは疑問は進まなかったけど、
もしかしたら、私以外にも(澪とかムギとか梓とかと)
そういう風な「2人だけの秘密」というものを
唯は作っているのかもしれないな、とボンヤリ思ったこともある。

別に私の他にそういう秘密を持っていたとしても、どうでもいいんだけど。
一度としてみんなの前でボロを出したことはないから
唯のそういうところは妙に器用だな、と私は感心・・・・感心することなのかどうかはよくわからないけど、
とりあえず感心したことがあるってことだ。

1階に降りると弟のランドセルが居間に放りすてられ
『ともだちの家に遊び行ってくる』という
汚らしい字がチラシの裏に書きなぐられているのを私は発見した。

律「・・・・あいつ、急いでて家の鍵閉め忘れたな・・・・・」

唯が不法侵入するきっかけをつくったこいつを私は後で思う存分ゲームで痛めつけようと決意した。

2人分の皿と新しいコップとスプーンと、そして牛乳を持って私は部屋へ戻った。




152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 17:08:07.55 ID:5DBrwr8x0

律「もってきたぞーーーい」チョリーッス

唯「あ、う、うん、はやかったね。ありがとう」カチカチアタフタ

唯はテーブルの傍に置いている2つの座イスのうちの1つに座ってケータイをいじっていた。
この座イスは低反発になっていて、何気に私のお気に入りである。
よく宿題を写させてもらうために澪が遊びにくるので
2つセットでお買い得だったものを躊躇なく買えたあの頃は
今はもうなんだか潰れたまま戻らなくなってしまったクッションに似ている。
うん、自分で言っていて得に意味はわかってないから気にスンナ。

律「メール?憂ちゃん?」

牛乳やら皿やらをテーブルに置き、自分もイスに腰掛けながら尋ねた。
なにをそんなにアタフタしておるのだい?

唯「え、いや、別に。うい、うい、ういだよ、うん、きっとうい!」シマイシマイ

・・・・・なにそのうさんくさい憂ちゃん押し。
ちょっと話のきっかけに聞いただけなんだけどな。
「きっと」って。むしろこれはあれか。「誰?」って聞けってフリか、フリなのか?
極め付けに窓の外見て口笛ふくなよ、雨だっての。




153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 17:09:51.70 ID:5DBrwr8x0

唯「さて、わたしはしょーとけーき食べようかなぁ~~♪りっちゃんは?」

そういうと箱からさっさとケーキを皿に取り出した。
私は牛乳をコップに注ぐ。
ケーキには正直、牛乳だと思う。
紅茶もいいけど、やっぱ牛乳だよ、牛乳。
やっぱり牛乳はむさしの牛乳!

律「ん~~・・・・やっぱモンブランかな」

唯「え!?イチゴ好きじゃないの!?それ人生9割損してるよ!!」ガーン

律「いや、9割も損しないから。てか、イチゴ好きじゃないとか言ってないから」

唯「だよね~~。イーチゴちゃんを嫌いな人とかいないよ、イーチゴちゃんを!!」

イーチゴちゃん、イーチゴちゃんと調子を取りながらモンブランも皿に取ってくれた。



そういうことを普段するのは、部活ではムギ、家では憂ちゃんなのだろう。
でも、私と2人で居るときの唯はそういうことを結構気を利かしてやる人になる。

唯はなにもできないわけじゃない。

ちゃんと気も利くし、人並みにいろんなことできる。
ただ唯よりもずっと早く気が利く人(ムギや憂ちゃん)が居るからそれは普段見えにくくなる。
それに加え、唯の怠け癖と人に素直に甘えることが出来る性質は
見る人に彼女をさらに何も出来ない人のように思わせてしまう。
だから、唯が何かを人並みにしようものなら
周囲の人はまるで小学生が高校生の数学をスラスラと解いているのを
目の当たりにするかのように驚き、そして、彼女を必要以上に持ち上げる。
その結果、唯はその怠け癖とだらけ癖にますます磨きをかけるのだ。
デフレスパイラル以上の悪循環。
憂ちゃんよ、君は賢いのだからそろそろそこに気づけ・・・・いや、気づけてください。

牛乳の入ったコップを渡すと、さっそくケーキを食べ始めた。




156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 23:46:38.48 ID:5DBrwr8x0

唯「おいひぃ~~~」モグモグ

律「・・・・そうか、よかったな」ハハハ

唯「りっちゃん、たべないの?」オグモグ

律「ん?・・・いや、食うよ」パクッ

律「うん・・・・うまいな、モンブラン・・・」モグ

唯「そうなんだ~~。イチゴも牛乳もおいしいよ~~」ゴクゴク

律「・・・・・あの、・・・・あのさ・唯」

唯「ん?なに?」プハァ

律「今日は・・・・その・・・・部活勝手に休んでごめん・・・」

唯「・・・・」モグモグ

律「・・・・私、部長なのに・・・・」

律「いや、そもそも・・・こんなのが部長だなんて・・・・・」

律「なさけないよな・・・・・」

唯「・・・・」ゴクン




157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 23:48:37.72 ID:5DBrwr8x0

唯「りっちゃん、どうしたの?」

律「・・・・」

唯「なんか、あったの?」

律「・・・・・」

唯「澪ちゃんとケンカしちゃった?」

律「」ピクッ

律「・・・・・ちがう・・・ケンカはしてない」

唯「・・・・ムギちゃん?」

律「いや・・・・ムギとは別になにも・・・・」

唯「じゃあ・・・・・」

律「・・・・・・」

唯「・・・・あずにゃん・・・・かな?」

律「・・・・」

唯「・・・・やっぱり昨日なにかあったんだね」モグモグ

律「・・・・・・」

律「・・・・・うん」




158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 23:50:41.72 ID:5DBrwr8x0

昨日あったことをはなす。
いつもの私のテンポではなく、
澪に対しての罪悪感のせいか、梓に対しての思いのせいかわからないけど
とにかく話にくかった。
声がのどで何回かつっかえた。
でも、唯はそれを何も言わずに聞いていた。


唯「そんなことがあったんだね・・・・」

律「うん・・・・」

唯「・・・」

律「・・・」

唯「・・・」

律「・・・」

唯「・・・」パクッ

律「・・・」

この雰囲気の中でケーキ食いやがった・・・。




159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 23:53:59.75 ID:5DBrwr8x0

唯「あ、えと、ごめん・・・ちょっと空気が重くて」ゴクゴク

私はよほどあきれた目を唯に向けたらしい。
あわてて言い訳が述べられた、牛乳のみながら。

いや、「空気重い」とか本人の前でいうなよ!!
しかも空気重いからケーキ食うってなんだよ、オイ!!

律「・・・・ったく・・・お前は・・・」

唯「へへへ・・・サーセン」

そういって、唯はいつものフニャっとした笑顔を私に向ける。
その笑顔に、ちょっとあきれるけどしまいにはクスっと笑ってしまう。
私今笑える状況じゃないのに。
本来、呆れられるべきは、私なのに。




160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 23:55:32.82 ID:5DBrwr8x0

・・・唯を見てるとたまに馬鹿らしくなる。
くだらないことで自分はクヨクヨとしてるんじゃないか、と。
本当はもっと単純で、それを私が勝手に難しくしているだけなんじゃなかろうか、と。
唯のせいでいろんなこと、わからなくなる。
唯と会ったときから、今までの私が積み上げてきた常識はゆっくり揺らいでく。
唯の視線で世界を見ることができたらいいのにな。
私もその柔らかさがほしかったよ。

また沈黙が始まろうとしていたけど、唯はケーキをゆっくりとついばみ始めた。
もうケーキが気になって仕方がないんだろう。
今日は放課後のティータイムもなかったんだし。

話をした手前、私のほうから次の会話をしたほうがいいのだろうけど、
私も、唯にならってケーキを食べることにした。
泣き虫にはモンブランの甘さがきつかった。
甘さを流すために牛乳を飲む私に唯が話かけてきた。




161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/02(土) 23:58:51.26 ID:5DBrwr8x0

唯「ねぇねぇ」モグモグ

律「・・・ん?」ゴクゴク

唯「澪ちゃんはりっちゃんのどこが好きだったんだろうね?」

律「」プハァ

唯「りっちゃん、しょうもないデコなのにね」プークスクス

律「デコいうな、笑うな、そして私がそんなこと知るわけないだろう」

唯「じゃあ、あずにゃんなんでりっちゃんが好きなんだろうね?」

律「・・・」

唯「どうして・・・私じゃないんだろうね」

律「・・・」

律「・・・そんなもん、私が知りたいわ」

唯「ははは。ごめんごめん、怒んないで?」

律「・・・怒ってないから」

唯「そっか・・・よかった」

唯「でも、気になるなぁ」ウーン




162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 00:04:21.65 ID:ADABpJiE0

律「・・・なんで気になるんだ?」

唯「んーーー」

唯「なんでかあててみる?」

律「・・・・」

なんだか、
唯の目すらもう直視できそうになくなってきた・・・

律「それは・・・」

律「当てても当てなくても」

律「悲しくならないかな・・・?」

唯「んーーー」

唯「それは、どうなんだろうね」フヘヘ

律「・・・」

唯「てか、やっぱり昨日あずにゃん、りっちゃんのせいでこなかったんだね」モグモグ

唯「りっちゃんは、本当に嘘つきだなぁ」

律「・・・」

律「あ、えと、・・・その・・・ごめん」




163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 00:11:04.57 ID:ADABpJiE0

唯「もう・・・!!澪ちゃんしかり、あずにゃんしかり・・・うちの部長は一体どうしたものかね」

律「・・・・・」

律「いやぁ・・・・ほんとうに、もう・・・言葉がないです・・・はい・・・」シュン

唯「(今日のりっちゃんは怒ったり落ち込んだり、リアクションが面白いね!!)」ホホウ

唯「(・・・もうちょっといじめてみようかね!!)」

唯「澪ちゃんからもあずにゃんからも『また明日』って言われてるのに学校休んじゃうし」

律「ううぅ・・・・」

唯「澪ちゃん、フラれた側なのに今日ちゃんと学校きてたんだよ?」

律「・・・・うん・・(みお・・・)」

唯「あずにゃんは部活には来てなかったけど憂からは『学校来てた』ってきいたよ」

律「・・・はい・・・・(あずにゃ・・・あずさ・・・)」

唯「あずにゃん、りっちゃんの返事まっててきっと今日学校きたんだよ?」

律「・・・・」

唯「りっちゃんだけだよ?」

律「・・・・」

唯「逃げたのは、りっちゃんだけだよ?」

律「・・・うん」




164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 00:20:20.32 ID:ADABpJiE0

唯「・・・・どうするの?」

律「・・・・」

唯「このままでいても、なにも変わらないよ?」

唯「どうするの!?」

律「・・・・どうしましょう・・・・?」

唯「私にきかないでよ・・・・」

律「すいません・・・」

唯「りっちゃんはさ・・・・」

唯「本当に、あずにゃんのこと好き?」

律「・・・好きだよ」

唯「本当に?」

律「本当だよ」

唯「じゃあ、ちょっと言うけどさ」

律「?」

唯「いくらでも嘘はついてていいよ、うん、もうそれがりっちゃんなんだって私、受け入れる」

唯「今話してることがりっちゃんにとって嘘でも私、信じるよ」

律「いや、・・・・嘘じゃないさ、私はあずさが好きだよ」

唯「うん、それはわかったよ」

唯「人に言いたくないことなんて、人にはあって当たり前だからさ」

唯「とりあえず」

唯「自分が部長だってことを気にしてあずにゃんを傷つけるのはやめてくれないかな?」




165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 00:33:59.49 ID:ADABpJiE0

律「・・・っ!?」

律「だって・・・私、部長だし・・・」

唯「・・・・」

律「部長が・・・・部員のうちの一人だけに好意よせてたら・・・・」

律「もしそれがみんなにバレたら部活、・・・うまくみんなとできなくなるかもしれないって思って・・」

律「そんなことになったら・・・いやだから・・・・だから・・・・・」

律「・・・・あずさのことは好きだけど・」

律「本当は・・・・部長として・・・あずさのことはどうしたらいいのか・・・・」

律「わからない・・・」

律「澪にも、梓にも・・・嫌われたっていいんだ」

律「それくらいのことを私は2人にしてるって思ってる」

唯「・・・・」

律「だけど・・・やっぱり私は」

律「私の思いのせいで・・・軽音部が軽音部じゃなくなるのが一番いやだ・・・・」

唯「・・・・」

唯「りっちゃんの話聞いてたら・・・・」

唯「けいおん部のみんながりっちゃん傷つけてるみたい」

唯「私たちが・・・りっちゃんの邪魔してるみたいにおもえてくるよ・・・」





166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 00:49:13.49 ID:ADABpJiE0

唯「りっちゃんは、部長としてどうしていいのかわからなくて、今日こなかったみたいだけど」

唯「今日りっちゃんこなかったから、あずにゃんもしかしたら『断られた』って勘違いしてるのかもしれない」

律「・・・・!」

唯「それはいやでしょ?」

唯「・・・嫌だってちゃんと思えるよね?」

律「・・・・うん、嫌だ・・・・よ」

唯「うん」

律「いやだ・・・」

唯「・・・私たちは・・・澪ちゃんもあずにゃんも、ムギちゃんもけいおん部の部員で」

唯「りっちゃんはけいおん部の部長で・・・・」

唯「たしかに、部長が部活の雰囲気を乱すのはよくないって思うよ」

律「・・・・うん」

唯「でもね、私は別に、律を『軽音部の部長』って位置づけにしておきたくって部活やってるわけじゃないんだよ?」

律「・・・・・」




167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:01:04.96 ID:ADABpJiE0

唯「ただ、みんなで居るのが居心地がよくて、みんなでお茶しながら話するのが楽しくて」

唯「みんなで・・・5人で5人だからこその音楽をするのが嬉しいんだよ」

唯「部活はただの場所だよ、私たち5人がわかりあってれば・・・」

唯「ねぇ、りっちゃん」

唯「部活なんて、場所なんてさ、どうでもいいんだよ」

唯「私だけじゃない。澪ちゃんもムギちゃんも」

唯「あずにゃんだって・・・みんなきっとそう思ってるよ?」

唯「誰も、りっちゃんを『軽音部の部長』って枠に押し込めたくって部活してるわけじゃないんだから」

唯「だから、部長だからとかじゃなくてさ、ちゃんと、自分の幸せとか、考えていいんだよ?」

律「・・・・」

唯「澪ちゃんも、・・・あずにゃんも、りっちゃんが部長だからりっちゃんのこと好きになったわけじゃないんだよ」

唯「きっと、そうだから」

唯「だから・・・・あずにゃんのこと・・・部長だとかそんなの気にしないで」

唯「ちゃんと考えてくれないと私・・・いやだな」

律「・・・・ゆい」

律「ごめんな・・・その・・・」

唯「・・・・」

律「ごめんな・・・」



168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:23:02.14 ID:ADABpJiE0

唯「悪いと思ってるならちゃんとしてね?」

律「・・・うん、ちゃんとする」

唯「あと、さっき撮った私の寝顔もちゃんと消してね」

律「・・・・」

唯「返事は?」

律「・・・はい」

唯「へへ・・・よくできました」ナデナデ

律「・・・っちょ///」

律「いきなりなでるなよ!?///」

唯「はずかしい?」ナデナデ

律「あっ、当たり前だろ!?///てか、やめろってば!!」

唯「なでなで、いやだ?」ナデナデ

律「い、いや、いやじゃないけど・・・」

律「今はなんか、嫌だ」

唯「じゃあ、なでなでは私からのりっちゃんに対する罰です」ナデナデ

律「な、なんだよ・・・それ・・・てか、ほんとにやめて・・・・」

唯「今なんだかりっちゃんの嫌なことをしたいの、すごく」ナデナデ

律「・・・頭なでるなんて・・・罰のうちにはいるわけないじゃないか」

唯「でも、りっちゃんが嫌がるなら、なでなでもきっと罰になるよ」ニッコリ

律「・・・・ゆい」

唯「なにかな、りっちゃん」ナデナデ

律「私は・・・・ゆがんでるかな?」

唯「う~~ん」

唯「それ今私が答えたら、りっちゃんは楽になっちゃいそうだから」

唯「答えない。自分で考えなさい」ニッコリ

律「・・・・ははは。唯って意外といじわるだよな」

唯「りっちゃんにだけだよ」ナデナデ

唯「私がムギちゃんにいじわるしたの、見たことある?」

律「・・・ないな」

唯「そういうわけなのです」ナデナデ

律「・・・・」

唯「・・・・」

唯「りっちゃん」ナデナデ

律「・・・ん?」





169: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:30:58.77 ID:ADABpJiE0

唯「カチューシャしてないほうが、なんか、いいね」ナデナデ

律「あぁ・・・・ありがとう」

唯「よし!!罰は終了です!!そして私はもう帰ります!!!」

律「ゆい・・・」

唯「ん?・・・うお、ギー太おもいぜ!!」ズッシリ

律「色々ありがとうな・・・・」

唯「へへ・・・許してあげる」

律「・・・ん」

唯「あと、りっちゃんが澪ちゃんとあずにゃんにもし嫌われても」

唯「私はりっちゃんのこと好きでいてあげるから」

律「え?」

唯「?」

律「あぁ・・・・ありがと・・・・」

唯「じゃあ、りっちゃん、がんばって!バイバイ」

律「おう、気をつけて帰れよ」






170: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:37:28.26 ID:ADABpJiE0







律「呼び出してないし、待ち合わせてないし、昨日の今日だし・・・・」

律「いや、でも・・来るよな・・・うん、そう、来るはずだ」

律「絶対来る・・・・」

律「・・・・」

律「そらはきれいだなぁ・・・・」



スタスタスタ  ピタ

律「」クルッ

律「やっほーーあずさぁ」

梓「・・・・いや、やっほーーじゃないでしょ」

律「・・・・ですかね?」フム

梓「そうですよ、まったく」

律「ははは、手厳しいな、梓は」ポリポリ

梓「・・・」

梓「隣いいですか?」

律「梓ならいいよ」

梓「・・・一言おおいです・・・」ストン




171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:38:49.79 ID:ADABpJiE0

律「・・・・」

律「余計な一言多いのに、肝心の言葉が少ないよな、私は」

梓「・・・・よくわかってるじゃないですか・・・」

律「今日はえらくご機嫌がわるいですな」

梓「・・・どうして昨日来なかったんですか?」

律「・・・・」

律「・・・・う~~ん・・・」

律「あのさ」

梓「はい」

律「その言葉そのまま返していい?」

梓「ダメです」

律「ダメですか」

梓「はい、ダメです」

律「・・・チッ」

梓「・・・・今、舌打ちしました?」

律「・・・してませんよ」

梓「しましたよね?」

律「・・・・してないよ」

梓「・・・したじゃん」




172: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:39:55.60 ID:ADABpJiE0

律「・・・」

律「・・・昨日はさ」

梓「・・・・はい」

律「色々あったんだ。昨日ってか一昨日から」

梓「・・・・はい」

律「詳しくはいえないけど、ちょっとそれで疲れちゃってさ」

律「昨日はこれなかったんだけどさ・・・・」

律「その・・・・あのさ・・・」

律「色々ごめん」

梓「・・・・・」

律「・・・・・」

梓「・・・・・」ハア

梓「・・・それは何に対しての謝罪の言葉ですか?」

梓「私の何に対して謝ってるのかを述べてくれなくちゃ、その言葉は意味をなしませんよ?」

律「・・・・う~~ん」ポリポリ

律「そのですな・・・」

律「田井中さんは、こんなややこしくてめんどくさい状態になるまでなかなか気づけなかったんですが」


梓「はい」

律「色々とまちがいを犯していまして」

梓「・・・間違いですか」

律「・・・はい。まちがってましたな、色々」ウンウン

梓「・・・?」

律「あずさ」

梓「・・・なんですか?」

律「色々知ってたのに、私に猶予をくれてありがとう」

梓「・・・・いえ、別に」

律「こんな私のために心を殺してくれてありがとう」

梓「・・・」

律「んで、本当にごめんなさい」

梓「・・・・」

律「・・・・」




173: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:43:07.40 ID:ADABpJiE0

梓「・・・・あれは」

律「ん」

梓「あれは私が勝手にやったことなので、そんな風に謝られても困りますし・・・・」

梓「先輩が謝ることではないからいいです」

律「・・・そうなのか?」

梓「でも、今回のことはあからさまに一方的に一人がちで完全勝利的に律先輩が悪いです」

律「・・・あれ?そこは『いえ、律先輩は悪くないです』じゃね?」

梓「調子のらないでください」

律「はい」

梓「先輩のこと、澪先輩のことも含めて許す気はありません」

律「・・・・そっ 

梓「だから」

律「!?」

梓「だから」

梓「私が先輩を許すまで、確実にそばに居てください」

律「・・・・!!」

梓「不安定な言葉はいらないです。行動でしめしてください」

梓「ずっと・・・・・傍に居てくだ・・さい・・・グスッ」

律「・・・梓?」

梓「私はもう・・・・グスッ・・・誰かの幸せを奪ってまで・・・グスッ」

梓「自分の幸せを・・・ねがいだ・・・ぐ・・・ない・・・グスッ で・・・す」

梓「だがら・・・願わなくていいように・・・グスッ・・・そばにいでぐだざぁぁい」

律「・・・・・」ギュ

梓「うぅうぅうううう・・」ポロポロ




174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:45:14.12 ID:ADABpJiE0






律「…おさまったかな?」

梓「な、ヒック、な、んと、か…グス」

律「…」ナデナデ

律「梓に泣かれると困っちゃうね」ナデナデ

梓「すいま、せん」グスッ

律「、大丈夫」ナデナデ

梓「…先輩も、泣いてましたね」

律「…う~ん、それは気のせいじゃないかな」ナデナデ

梓「……またそうやって」グスッ

律「……ホントにな」

梓「?」

律「・・・・」

律「梓はさ、四葉のクローバー、探したことあるか?」

梓「へ?」

律「いや、だから四葉のクローバーだよ」

梓「小さい時に・・・ありますけど・・・・」

律「じゃあ、この言葉知ってるか?

『四葉のクローバーを探すとき、三つ葉のクローバーを踏んではならない幸せはそのようにして探すものではない』」

梓「あ、はい、知ってますけど」

律「え」

梓「え」




175: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:46:57.32 ID:ADABpJiE0

律「いや、ここは知ってても知らないっていうとこだろ!」

梓「えぇ!?いや、そんなこと言われても・・・」

律「・・・・・」

梓「し、しりません・・・」

律「だよな、知らないよな」

梓「は、はぁ・・・」

梓「・・・・」

律「・・・・」

梓「え?終わりですか?」

律「え、あ、いや・・・そんなわけじゃないんだけど・・・・」

梓「だけど・・・?」

律「えっとさ・・・」

梓「・・・・?」

律「たとえばさ、四葉のクローバー探すだろ?」

梓「はい」

律「そのときにさ」

律「三つ葉のクローバー踏んづけないようにビクビク足元見ながら探して見つけた四葉のクローバーってなんかこう・・・」

律「・・・・しょぼくない?」

梓「・・・しょぼいですか・・・」




176: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:51:09.95 ID:ADABpJiE0

律「しょぼいってか・・・どうせなら、ガツンと見つけたいジャン、四葉」

律「仮に踏んづけちゃた三つ葉だって、そんなやわなやつじゃないって。毎年、必ず生えてるんだし」

梓「・・・・そうですかね」

律「そんなもんだよ、きっと。人間がいろいろ勝手に外側からみて色々窮屈に決め付けちゃってるだけだ」

梓「・・・・」

律「時間が経てば、たちあがってくんだ。クローバーも、」

律「澪も・・・きっとそうだ」

律「澪はあれでいて強いんだ」

律「私が言うんだから、絶対そうだ」

梓「・・・・」

律「今はまだ、無理かもしれないだことって時間が経てばきっとなんとかなる」

律「私がいうのもなんだけど、澪は絶対幸せになる、なってもらわないと困る」

律「三つ葉を踏んづけてでも四葉が欲しいときだってあるんだ」

律「大体、人によっちゃ四葉じゃなくて三つ葉こそ、幸せの象徴かもしれない」

律「そんな特別な幸せじゃなくていい。ありきたりな幸せでいいよ」

律「・・・・いや、幸せじゃなくてもいいよ」

律「一緒に三つ葉でも四葉でも踏んづけて誰かに怒鳴られて不幸にもなろうぜ、梓」ニコッ

梓「・・・・いうようになりましたね、律先輩」

律「だろ?」ハハハ

梓「とても澪先輩にフラれるのを怖がってた人とは思えません」

律「・・・だろ?」ハハハ




177: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 01:56:23.43 ID:ADABpJiE0

梓「なんだか、話聞いてたら悩むのがバカらしくなってきました」

律「お前はキャラが変わりすぎだもんな」

梓「?」

律「いえ。こっちの話です」

梓「そういえば・・・昨日ムギ先輩がうちに来ました」

律「そうなのか、なんだって?」

梓「えっと・・・今ここに私が居る確率は2の23乗×2の23乗分の1だそうです」

律「・・・・なにそれ・・・・」

梓「で、律先輩がここに居る確率も2の23乗×2の23乗分の1だそうです」

律「・・・・・どういうこと?」

梓「つまり、私と律先輩が今ここに居る確率は」

律「うん」

梓「奇跡ってことです」

律「・・・・」


梓をもっと強く抱きしめてみた

梓「ちょ・・・くるしぃ・・・///」




178: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:01:30.74 ID:ADABpJiE0

梓「こんなこといきなりいうのもなんですけど」

律「あぁ・・・」

梓「先輩は思春期はT字路のど真ん中にある蓋のないマンホールだなんて言う人なのでさっさと言っておきます」

律「うん、なんだ?」

梓「エッチは高校私が卒業するまで待っててください」

律「・・・」

梓「・・・・え、なんで黙るんですか?」

律「・・・いや、ちょっと驚いた」

梓「そうですか?」

律「・・・・うん、驚いた・・・・そっかぁ・・・」

そっか、四葉もそんな簡単に摘まれてるわけじゃないんだな

律「いいよ、わかった」

梓「・・・理由、聞かないでそんなすぐ返事していいんですか?」

律「うん、多分」

梓「多分って・・・」

律「・・・なんか疲れたな。ねっころがろうか、梓。今日は、空きれいだし」

梓「・・・・またそうやって話題を」

律「まぁまぁまぁ」ゴロン

梓「・・・・」ゴロン

律「おぉ~~、めずらしく素直だなぁ~~・・・よいしょ」

梓「・・・って]

梓「覆いかぶさられたら空じゃなくて律先輩しか見えないんですけど」

律「・・・・なぁ」

梓「・・・・はい」




179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:14:17.77 ID:ADABpJiE0

律「私は・・・ゆがんでるかな?」

梓「それこの状況で聞くことですか?」

律「・・・・」

梓「・・・・?」

律「あー、じゃあさ、左手みて思ったけど」

律「お前さ、ギターかベースか弾けるんだろ?」

梓「・・・まぁ、けいおん部で弾いてるものですから」クスッ

律「梓とは顔合わすの、これがもう何回目かだけど、さ」クスッ

梓「はい」

律「こうしっかりと見るのははじめてかもね」

梓「そういうこといきなり言われると恥ずかしいんでやめてください」



四葉を見つけたら、どうするだろうか。
せっかく見つけた四葉をまさかそのまま見過ごす人はそうそう居るまい。
見つけるやいなや、それを誰かにも見せたくて摘む人がほとんどだろうけど、

忘れてやいないだろうか。
摘みとってしまった瞬間から、四葉は枯れていくことを。

私は三つ葉を踏みつけて、四葉を摘んでしまった。

色々と、間違えた。ほんとに。
梓にキスをした瞬間、心からそれを思った。

でも、まぁ、いいや。


目の前には見たこともないくらい顔が真っ赤な梓がいる。

澪とではなんともなかったのに、驚くほどに心臓が高鳴っている自分がいる。

これからきっと梓とのことで私は大変な思いとか、窮屈な思いをするのかもしれない。
まだまだ目をそらしただけで、私の中に問題は山積みのままで
私のせいなのに、それを自分のせいだと梓はまた自分のせいだと責めて泣くのかもしれない。


だれも答えてくれないけど、私はやっぱりゆがんでいて、
平気で人を傷つけるんだろう。

だけど、今はただ、
それでもどうしようもないくらい湧き上がってくる喜びに浸っていよう、そう思った。



180: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:21:55.08 ID:ADABpJiE0





その後の2人 律と澪の場合


律「(右肩がなんか重てぇぇ…)」

律「むっ…」パチッ

律「………(新幹線の中)」

律「(はしゃぎすぎていつの間にか寝てたみたいだ…)」ファア

律「(みんなは…)」チラ

律「(なんだ。みんなも寝てるのか)」

律「(音がしないってことはこりゃ多分たいがいのやつ、寝てるんだろ~な)」

唯「」スヤスヤダラーン

律「(よだれたらして…。唯は本当に楽しそうだったなぁ~)」

律「(はんば意識的に見なかったことにしちゃったけど、たまに和が唯を盗撮してたの、こいつ気づいてるのかな…?)」

律「(まぁ、深くは考えないでおこう!!)」ウンウン






182: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:22:54.25 ID:ADABpJiE0

チラッ

ムギ「シャレコウベ…」ムギムギ

律「(まさか、ムギが枕なげてくるとは)」フフッ

律「(1年の頃からは考えられないくらいムギとも仲良くなれたよな~)」ポリポリ

律「(はしゃぐムギも新鮮でなんか良かったわ)」ウヌウヌ

律「(………そんでもって)」チラッ

澪「………スゥスゥ」

律「(こいつはどうして人の肩に頭乗っけて寝てるもんかね)」

律「(優等生気取ってるみたいで楽しくないみたいに見えてたけど)」

律「(最後らへんは楽しそうに笑ってたなぁ)」

律「(澪のあんな笑顔は久しぶりに見たかもな…)」

律「……」

律「つーかさ…」

律「いつまで寝たフリしてんだ?澪」

澪「」

澪「」

澪「」

律「いや、固まらなくていいからはよ起きれや」

澪「すまん///」スクッ




183: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:25:00.78 ID:ADABpJiE0

律「あたしの肩はよく眠れましたか澪ちゅわ~ん」テヘペロ

澪「くっ///」

澪「(事実が事実だけに私がキレてはいけない状況だからこそ律の態度がものすごくイラつく…!!!!)」

澪「いっ、言っとくけど!!」

律「うん?」

澪「私のほうが律より先に目が覚めたんだからなっ!」クハッ

律「うんうん、それで?」

澪「」イラッ

澪「(堪えろ私!)」

澪「わ、私が起きた時にはすでに律の肩の上に私の頭はのってて」

澪「離れようとしたら、律が起きちゃったから…///」

律「寝たフリをしたと(なんとまぁ、ビミョーなタイミングで起きてしまったんだ私は)」

澪「」コクン

律「」

律「そっか…」

律「じゃあ…まぁ、いいよ…(今の頷き、かわいかった///)」

澪「す、すまん(意外とあっけなく許してくれた)」

澪「(もっと色々言われるかと思ってたけど…)」

律「………」

澪「………」




律澪「(会話続かねぇ~~)」

澪「(ハッ!)」

澪「(せっかく久しぶりに律と2人で話せてるんだからなにか話を…!!!!)」

澪「え、えっと」アセアセ

律「ん?」

澪「あ、梓は元気か!?」

律「」




184: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:28:07.34 ID:ADABpJiE0

律「え、あ、うん。多分元気だと思うけど…」

律「つか、澪もほぼ毎日部活で会ってるじゃん(なんでよりにもよってその話題を選ぶ!?)」

澪「いや、そうだけど。修学旅行中こっそり電話したりメールしたりしてた相手って」

澪「・・・・梓・・・だろ?(しまった…!!自分できまづくしてしまってる。そして後にひけない…)」ハハハッ

律「(バレとるがなー!!)」

律「あぁ、ええと、うん!!元気だったぞ?(こういうことって普通聞きたくないんじゃないのか?)」

澪「そ、そうか(聞きたくないけど、聞いてしまった…てか、本当に梓だったか…)」ハハハッ

律「お、おう(はずいな、おい!)」ハハハッ

澪「それはよかった(こういうことを言いたかったんじゃなくて…え~っと)」ムムム

澪「ふふ、ふふふふ。ふふ、ふだんは、梓とどんなこと話してるんだ?」ニコッ

律「(…何をパニクってんだ、こいつは)」




185: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:29:49.38 ID:ADABpJiE0

律「なにって言われてもな…普通に部活のこととか」

澪「部活のこと?」

律「うん。まぁ、主に私が梓に怒られるんだけどな。『明日はもっと真面目に部活してください』とか」ハハハッ

澪「(楽しそうに話すなぁ~)」ショボン

澪「てか、『してください』って、もしかして梓は律に対してまだ敬語か?」

律「え?そうだけど?」

澪「2人のときもか?」

律「う、うん。えっ?おかしいかな?」

澪「お、おかしいってか、普通付き合ったらタメ口でいいんじゃないか?」

律「」

律「マジか!?」ガーーン

澪「いや、そんな驚かれても困るんだけどな・・・・」

澪「まぁ、梓が敬語がいいなら敬語でいいと思うけど…そういうのは2人のもんだいだし…な…って聞いてるかー?おーい」

律「(梓が…)」

律「(タメ口…!!)」

律「(ちょっといいかも)」ドキドキ

律「(よし、帰ったら梓にいってみよう!)」テテーン

律「澪!!」

澪「うぉ!?」ビクッ

律「サンキューな!!」ニコッ

澪「」

澪「あぁ…うん(よくわからんがなんか感謝された///)

澪「(律の笑顔はやっぱりいいなぁ・・・)」




187: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:32:42.13 ID:ADABpJiE0

澪「(梓はいいなぁ…)」シュン


ムギ「…スゥスゥ」

ムギ「(澪ちゃん…なんて健気な子)」ウルッ

唯「和ちゃん…メガネがバーローみたいだよ」ムニャムニャ

和「唯……寝顔もなんてキュートぅなの…!!」パシャシャシャ

和「…っち!もうメモリー残量がないなんて!!!」

唯「……スゥスゥ(の、のどかちゃん…さすがに私でも盗撮は気づいてるよぅ)」

唯「(恥ずかしから寝返りしちゃえ)」ゴロン

和「(あっ!寝返りしたら寝顔が見れない…!!)」

和「(神は死んだ)」




188: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:34:26.84 ID:ADABpJiE0

律「(なんか後ろ側から視線を感じる…)あ~もう修学旅行も終わるんだな」

澪「うん。…楽しかったな(さっきまでデジカメのシャッター音がしてたけどなんだったんだ?)」

律「おぉ~楽しかったな~猿も金閣寺も見れたし」ニシシ

澪「…」

澪「…あ、あのさ…!!」ズズイ

律「ん?」

澪「お願いがあるんだけど…きいてくれるか?」ドキドキ

律「なんだよ、お願いって。神様じゃあるめーし。出来る範囲なら別にいいけど」

ムギ「(な、なにかしら…!!)」ドキドキ

澪「あ、あのな…」ドキドキ

律「うん…(え、なんだろ…)」


澪「い、いいいっしょしょしょしょしょしょにしゃしゃしっしんっととってくだしゃっっしゃいっっ!!!!」

律「」ポカーン

澪「」ポカーン

ムギ「(wwwwww)」プゲラ




189: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:37:04.53 ID:ADABpJiE0

律「えっ…と…」

澪「…」

律「なんて?」

澪「(めっちゃ噛んだ///今なら[ピーーー]る!!!!!)」

ムギ「(緊張しすぎて何言ったかわかんなかったわwww)」

ムギ「(ダメ!!ダメよ紬!!笑ったらダメよ!がまん、我慢よwwwwww)」


澪「」マッシロ

律「いや、噛んだの恥ずかしかったのはわかったからちょっと戻ってこーい」

澪「ハッ!」

澪「私は一体…」

律「やれやれ…で、なんだよ、頼み事は?」フゥ

澪「あ、そうだった!り、律!!」

律「はいよ。ちゃんと聞くから今度は落ち着け、な」

澪「う、うん。ありがとう。そ、そのな…」ゴクッ

律「おう」

澪「わ、私と一緒に写真撮って…ください///」




190: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:38:31.72 ID:ADABpJiE0

律「……」

律「それだけ?」

澪「」コクン

律「(ちょっとよからぬお願い事を想像していた私は相当汚れてるな~)」

律「いいよ!撮ろうぜ~」

澪「い、いいのか!?」パアァ

律「いや、写真ぐらい別にいいだろ」

澪「よ、よかった」ホロッ

律「いやいやいや、泣くことじゃないだろ!?」

律「てか、新幹線の中でいいのか?なんで京都とかで言わなかったんだよ!?」アセアセ

澪「だっ、だって…」グシグシ

律「うん」

澪「あ、梓に悪いから…」

律「」

澪「でも、律とやっぱり2人で写真撮りたいって思っちゃったら…なんかダメで…」グスングスン

律「(たしかに、言われてみたらこの3日間のうちで唯とムギとは2人で写真写っても澪とは写ってないや…)」

律「(気を使わせてたのか…)」




191: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:39:44.73 ID:ADABpJiE0

唯「(う~ん、なんだかうるさいよ~起きちゃったよ)」

ムギ「(澪ちゃん………あ、ダメだwwwさっきの思いだしちゃたwww耐えろ耐えろwww)」プクッゥ

唯「(あれ?澪ちゃん泣いてる?てか、今ムギちゃん寝ながらオナラした?)」

唯「(えっ?なんか気まずいふいんき?どうしよう)」

唯「………」

唯「(寝よう!)」シャキーン




192: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:45:43.69 ID:ADABpJiE0

澪「律、ごめん」グスングスン

律「いや、澪は悪くないだろ…私もなんというか「

律「澪が気を使ってくれてるのわかってなかったからその」

律「ごめん」ナデナデ

澪「うん…。写真、撮ってくれる?」ナデナデ

律「うん、いいよ。撮ろうぜ!!」ナデナデ

澪「ありがとう…ていうか」ナデナデ

律「うん?」ナデナデ

澪「頭撫でられるの恥ずかしいんだけど…///」ナデナデ

律「」ハッ

律「す、すまん///ちょっと、その…くっ癖で///」

澪「うん(気持ちよかったからいいんだけどな…癖か…梓)」


律「ムギと唯が起きたらめんどいからさっさと撮っちゃおーぜ」

ムギ「スゥスゥ(残念!私起きてる!!)」

唯「クゥクゥ(私も寝れなくて起きてる!!)」

律「あ、入りきれてねぇよ、澪、もうちょっとこっちだ」

澪「え・・・あ、う、うん////」

律「じゃあ、いいか?」

澪「う、うん」

律「ハイ、チーズ」

澪「・・・・ず」

パシャッ





193: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:50:19.14 ID:ADABpJiE0





最後に2人 律と梓の場合





律「うっひょ~~~!!!!見てみろよ、梓!!海がキラキラしてるぞ~~~!!!!!!」

梓「……そうですね…」

律「ん?なんだよ、お前が乗りたいって言ったんだぞ」

梓「え?いや、はい。海、きれいですね…!!ほんと、遠くにある船までみえるなぁーっと」

律「なんだ、その棒読みは」

梓「スルーでお願いします」

律「ん?まぁ、いいか。しっかし、ほんと、きれいだなぁ~!あと、敬語戻ってるぞ!!」

梓「……そんなにきれい?」

律「うん」

律「きれいだよ。梓もそう思うだろ?」

梓「……」

梓「うん、そうだね。こんなきれいな海は」

梓「…久しぶりかもしれない」




194: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:51:44.11 ID:ADABpJiE0

律「きれいだ…ほんと、きれい。言葉じゃ表せないよ」

律「あえて言葉にするなら…」

律「人がゴミのようだ」

梓「言うと思った」

律「人はちっぽけだなー」

梓「なー」

律「梓」

梓「はい」

律「この景色、忘れないよ」

梓「どうかなぁ…」

律「いや、忘れないって!!」

梓「そうですか」

律「うん。写真は撮らないけど、こんだけきれいなんだ」

律「きっと、いつだって思い出せるよ」

梓「そんなに?」

律「うん。そんなにだよ」

梓「…なら」

律「ん?」

梓「乗って、よかった」

律「うん」

梓「もうてっぺんだね」

律「だな」




195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:52:35.06 ID:ADABpJiE0

律「登るのが一定の速度なら降りるのも一定の速度のはずなのに、てっぺんこえるとなんか違うよな」

梓「もう、さっきの高度からの景色を見ることができないね」

律「ほんの1秒前がもうすごく遠いな…」

律「さっき、同じ高さからの景色、見たはずなのにな…」

梓「…」

梓「でも、まだ全然きれいだよ、景色」

律「…うん、きれいだな。夕陽がちょうど射し込んで、少し眩しいけど」

梓「…」

律「…」

梓「また乗れば、同じ景色が見れるから大丈夫」

律「うん、そうだね」

律「でも」

梓「うん?」

律「今と同じものを同じように梓と見れるわけじゃないからさ…」

律「今は、この景色だけ覚えておくよ」

梓「そっかぁ」

律「うん」




196: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:53:43.12 ID:ADABpJiE0

梓「もう陽が沈むね」

律「はやいね」

梓「空も船も遠くなって…」

律「まるでゴミのようだ」

梓「それはちょっと違うと思うな」

律「そっかぁ」

梓「もうすぐ終わるね」

律「意外と早かったな、1周」

梓「律」

律「ん?」

梓「私も忘れないから」

律「うん」

梓「律はどんどん忘れていいよ」

律「・・・・」

律「…私の記憶力はニワトリか!?」




197: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:57:09.63 ID:ADABpJiE0

梓「写真に撮らないと人の記憶なんて曖昧だから、さ」

律「…写真に残すことが正しいわけじゃないさ」

梓「そう思う?」

律「思うよ。写真はどんどん色褪せるけど」

律「記憶はどんどん美化されてきれいなままだからな」

律「・・・・むしろ今見てる景色以上にきれいになるかもしれない」

梓「それ、ダメじゃん」

律「ダメじゃありません!」

梓「…ニワトリ」

律「…やかまし」

梓「あ、…もう下ついちゃった。本当に早かったな、1周」

律「降りるぞ。気をつけてな」

梓「はーい」

律「あずさ」

梓「?」

律「好きだぞ?」

梓「私もです」







おわり



198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/03(日) 02:58:36.36 ID:ADABpJiE0

やっぱ読みづらいssでしたな
こんな時間まで読んでくれた人、ありがとうございました




208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:13:01.00 ID:as1ldf/r0

駄文、読んでくれたみなさん、ありがとうございました。
ちょっと、おまけを口直しにでもどうぞ。
あっさり目に作りました。 



209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:14:18.74 ID:as1ldf/r0

おまけ 

律「澪!そっちじゃないって!!」


律『もしもし』

梓「はいはい。なにかあった?こんな時間に電話とか」

律『なぁ、おまえグローブもってる?』

梓「・・・なんて?」



210: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:14:50.31 ID:as1ldf/r0

律『いや、野球のグローブもってるかってきいてる』

梓「もってないよ」

律『なんで!?』

梓「いや・・・・、そんな驚かれても・・・野球興味ないし・・・」

律『じゃあ・・・聡のやつも持ってくか!!』

梓「・・・なんなの・・・・一体・・・・」

律『キャッチボールするからいつもの公園集合な!』

梓「え、キャッチボールとかしないよ?つき指するもん」

律『そこはつき指しないようにがんばんな!!』

梓「焼けるからやだ」

律『夕方なら昼間よりましだろ!!お前が焼けるからこちとらこんな夕暮れまで待ってたんだぞ?』

梓「えぇ~・・・・」

律『つべこべゆーなよ!絶対するからな!!じゃあ、またあとで!!』ブツッ

梓「わがまま・・・」ツーツー

梓「絶対、昼に高校野球みててしたくなったんだ・・・・」ハァ




211: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:15:18.89 ID:as1ldf/r0




律「よーあずさーーけっこうはやかったなぁ~~!!」

梓「・・・・」チャリン

律「自転車はそっちにとめとけ!ケガしたらこまるからな!!」

梓「・・・・なにか言うことは?」

律「ん?」

梓「夏の夕方に自転車こいで公園に呼び出された彼女になにか言うことは?」

律「あぁ・・・、きてくれて、ありがとうな!!」ニコッ

梓「・・・よし、許す」



212: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:15:54.38 ID:as1ldf/r0

律「ほれ!」ポンッ

梓「うわっ」

律「聡が小学生のときに使ってたやつなんだけど、それでサイズ合うだろ?」

梓「(小学生・・・・でも、)うん、ぴったり・・・」

律「さすが私!梓の手のサイズわかってる!!」イエーイ

梓「律はキャッチボールしたことあるの?」

律「おう、小学生のときとか、よくしたよ」

律「み・・・聡と!」ハハハ

梓「ふ~ん」

律「梓は?」

梓「私は・・・体育でソフトボールぐらいしか経験ないよ」

律「そうなんだ、まあ、いいさ、同じようなもんだろ」

梓「さあ・・・わかんない」

律「まぁ、はじめよーぜ!梓、そっち行って」

梓「はいはい」スタタタタ




213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:16:29.00 ID:as1ldf/r0

律「んじゃ、いっくよ~~」ポーンッ

梓「ちょっと!?どこなげてるの!?」タタタタタタ

律「ははは・・・・ごめんごめん」

梓「ったく・・・・あ、あった・・・・いくよーー」

律「バチコーイ」

梓「ほっ!!」シュン

律「おう!?」バシッ

律「・・・おまえすげぇな・・・私ほとんどグローブ動かさなかった・・・」

梓「え、・・・キャッチボールってそんなもんじゃないの?相手のとこに投げ返すんだから」

律「そ、そうか、そういうもんか、なるほど!!」

律「じゃ、いくぞ~~」ポーン

梓「・・・・・あっ」タタタタタ

律「すまーん、あずさー」

梓「いいよー・・・あ、あった・・・いくよー」ブンっ

律「おうぅ!!!」バシュッ

律「へへ、なげるぞー」ポーン




214: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:16:58.52 ID:as1ldf/r0

梓「・・・・」

律「あ、すまーん。変な方向いった」ハハハハ

梓「・・・・」スタスタスタ シュッ

律「おっ!!いい音!!」ボスンッ ポーン

律「あ、また変な方向いったーーー」ハハハハ

梓「・・・・」

梓「ねぇ、さっきから私の位置わかってる?全部私の右側にいってるんだけど・・・」

律「ん?なんだってー?もっとおっきな声でないときこえねーよぅ」

梓「こ の ノ - カ ン ヤ ロ ー !!!!!!!」

律「なんだとーーーー!?」

梓「なんだと、じゃないよ!!私最初から一回もボール捕れてないんだけど!!!」

律「でも、ボール投げあってるんだからキャッチボールできてるだろ?」

梓「こんなのキャッチボールじゃない、律がボール投げて私がそれ拾って渡してるだけから!!!」

律「まじかー、なんかお前犬みたいだな」アッハッハッハッハ

梓「うがーーーー」ブンッ




215: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:17:37.33 ID:as1ldf/r0

梓「あ!しまった変な方向に!?」

律「おっとっと!」タッタッタッ

パシッ

律「ほいっ!」ブイッ

梓「・・・・捕るのは、うまいじゃん」

律「へへへ・・・・だろ?投げるのへたくそなやつとしてたから捕るのはうまいんだ」

律「そのぶん、投げるのがちょっと苦手かも・・・・捕るのも苦手なやつだったから、ホイッ!」ポーン

梓「あ・・・・」

パシッ

梓「・・・捕れた」

律「うん、梓のとこに投げるコツさえつかめれば、こんなもんよっ!!」

梓「そか」

律「おう!」

ポーン パシッ シュッ ドンッ!! ポーン パシッ

梓「りつ、キャッチボール楽しい?」

律「うん!楽しい!!!」

梓「んじゃ、よかった」」ボソッ

律「なんか言ったかー?」

梓「なんでもなーい、いくよー」

ポーン



216: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福岡県) 2011/04/06(水) 16:18:09.58 ID:as1ldf/r0



ほんとにおわり

駄文しつれいしました。


元スレ
SS速報VIP:律「踏みつけたからこそ摘むことが出来た四葉」