1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 01:26:23.49 ID:Uz7rjUwx0

憂「使用人なんて本当はやめてほしいんだけど・・・」

唯「仕事選べる立場じゃないもん」

憂「それはそうだけど・・・」

唯「お給金も工場よりいいし、家にも仕送りが今までよりできるよ!
  それにまかないもあるし、万々歳!」

憂「・・・」

唯「そんな心配しないで!私、頑張るよ!」

憂「お姉ちゃん・・・」




6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 01:32:56.08 ID:Uz7rjUwx0

時代は大正。

貧しい家柄で育った唯は平沢家の長女。
進学するお金もなく、学校卒業後働くがあまり稼げない日々を送る。

そんな中、日本で有名な家柄の琴吹家の使用人募集がかかっていること知った。





9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 01:35:01.11 ID:Uz7rjUwx0

唯「ふーん使用人か~」

友達「使用人なんてやめときなよ。金持ちにいい奴なんていないんだから、いじめられるよ」

唯「う、うん・・・あ、けどお給金が・・・」

友達「お給金がどれだけよきたって・・・」

唯「これだけもらえれば憂の進学はなんとかなるかも・・・」

友達「ちょっと話きいて・・」

唯「私、この家の使用人になる!!!!!」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 01:43:11.62 ID:Uz7rjUwx0

使用人になる者にいい暮らしをしている者なんていない。

唯「合格ですか!?」

使用人頭「はい。1週間後、琴吹家に来なさい」

唯「は、はい!!!」

募集申し込みをしてから数日のことであった。

唯「(自分で思うのもあれだけど、私なんかでよかったのかな?・・・って何考えてるんだ!
   私なら大丈夫!絶対大丈夫!ぜ、絶対大丈夫・・・だと思うけど)」

そして1週間後、唯は故郷から東京へと向かった。



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 01:47:37.70 ID:Uz7rjUwx0

唯「えっと、使用人の偉い人から渡された地図を見るとここが琴吹家のはずなんだけど・・・」

梓「・・・あの」

唯「う、うわ!!!」

梓「琴吹家に何か御用ですか?」

唯「え?あ、あの私今日から琴吹家の使用人に・・・」

梓「あ、そういえばそんなこと使用人頭が言ってたような・・・」

唯「・・・」

梓「分かりました。車に乗ってください」

唯「え?」

梓「ここから琴吹家の玄関まで歩くと日が暮れてしまいますよ」

唯「え!?」

梓「まぁそれは言いすぎですが・・・」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 01:50:36.64 ID:Uz7rjUwx0

車内)

梓「私は中野 梓。琴吹家の使用人をしています」

唯「え?!あなたも?」

梓「名前は?」

唯「え、あ!平沢唯です!よ、よろしくお願いします」

梓「こちらこそよろしくです。歳はいくつですか?」

唯「18歳です」

梓「私は16歳です。あ、敬語はよしてください。堅苦しいの嫌いなんです」




15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 01:53:01.71 ID:Uz7rjUwx0

唯「え、でも・・・」

梓「私がいいって言ってるんです!先輩命令ですよ」

唯「じゃあ中野さんも・・・」

梓「梓でいいです!私はこの喋り方がしっくりくるからいいです」

唯「ほ、ほんとにいいの?」

梓「はい!これからは同じ使用人同士です!一緒に頑張りましょうね!」

唯「う、うん!!」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:01:19.90 ID:Uz7rjUwx0

琴吹家)

使用人頭(以下、婆)「唯、よく来ましたね」

唯「は、はい!」

婆「今日からあなたは琴吹家につかえる使用人です。しっかり働くように」

唯「はい!」

婆「梓」

梓「はい」

婆「唯の世話はあなたに任せます。明日までに使えるようにしておきなさい」

梓「はい」

唯「あ、明日まで!?」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:06:06.42 ID:Uz7rjUwx0

婆「そうです。使用人に失敗など許されませんよ」

唯「・・・」

梓「大丈夫ですよ、唯さん。私がきちんと教えてあげますから」

婆「そうですよ。梓はここの使用人をやって10年です。何でも知ってます」

唯「じゅ、10年!?」

梓「私の家系は琴吹家を支えるために産まれてきたみたいなものです。もちろんその支えというのは雑用的な意味ですけども」

婆「さあ時間はありませんよ。明日は月曜日。みなさまお出かけになられます」

梓「わかりました。それまでに教え込みます」

婆「頼みましたよ」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:08:26.17 ID:Uz7rjUwx0

使用人宿舎)

唯「ここが私の部屋!?それも一人部屋!?」

梓「そうですよ。好きに使ってください」

唯「さ、さすが琴吹家・・・」

梓「感心してるヒマはないですよ。荷物を片づけて、使用人の心得ってやつを教えてやるです」

唯「はい!!」

梓「(この元気、長く続けばいいんだけど・・・)」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:11:37.81 ID:Uz7rjUwx0

・・・

唯「旦那さまが屋敷から出たら『いってらっしゃいませ旦那さま』って言えばいいんだね」

梓「そうです。言うまでは顔をあげちゃダメですよ。言うときに顔をあげるです」

唯「ほうほう。・・・いってらっしゃいませ、旦那さま。こんな感じ?」

梓「姿勢がだめですね。手はこう。足はとじて・・・」

唯「こ、こう?」

梓「そうです。そしてその後、琴吹家の娘様達が出てこられます」

唯「うん」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:13:41.93 ID:Uz7rjUwx0

梓「琴吹家の長女が紬様といいます。そして次女が澪様。三女が律様」

唯「紬様に澪さまにえっと・・・」

梓「律様です!!」

唯「そうそう律様」

梓「名前なんか間違えたら即効解雇ですよ?」

唯「うっ・・・」

梓「あと・・・」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:18:30.11 ID:Uz7rjUwx0

梓「次女の澪様には気をつけてください」

唯「澪様に?」

梓「澪様は使用人を人間だと思っておりません」

唯「え?」

梓「会えば分かります」

唯「・・・」

梓「あと紬様にも注意ですね。あの方は何を考えてるのか分かりません」

唯「う、うん。あ、じゃあ律様にも気をつけた方が・・・」

梓「あの方は大丈夫です」

唯「そうなの?」

梓「はい。あの方はとてもお優しい方です」

唯「そ、そうなんだ!」ほっ

梓「バカなのが欠点なんだけど・・・」

唯「なんか言った?」

梓「い、いえ!」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:22:56.46 ID:Uz7rjUwx0

梓「あと私達は使用人です」

唯「う、うん」

梓「琴吹家の方々には質問は禁止です」

唯「え?!そうなの!?」

梓「当たり前です。使用人ですもん」

唯「わ、わかんないことあったら・・・」

梓「わかんないこととは?」

唯「え・・・へ、部屋がどこにあるかとか」

梓「バカですか!!!そんなこと琴吹家の方々に質問してみてください!即解雇ですよ!」

唯「うっ・・・」

梓「わからないことは私やほかの使用人に聞いてください。わかりましたね?」

唯「はい・・・」



30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:26:45.13 ID:Uz7rjUwx0

・・・

梓「これだけ教え込めば完璧・・・ではないですが、まあまあなところでしょう」

唯「つ、疲れた・・・」

梓「この程度で疲れてどうするですか!」

唯「うっ・・・」

梓「あ、ちなみに起床は朝5時ですよ」

唯「ご、5時!?」

梓「はい。寝坊なんて許されませんよ?」

唯「やっていけるかな・・・」

梓「お給金貰うんだからちゃんとしてください」

唯「うっ・・・。16歳なのにしっかりしてる」

梓「16歳でも18歳でも使用人は使用人です。お仕事です」

唯「う、うん」

梓「頑張りましょうね」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:29:41.42 ID:Uz7rjUwx0

そして朝5時

唯「う~むにゃむにゃ・・・」

バンッ!!!

梓「唯さん!!!いつまで寝てるですか!?」

唯「ん~・・・もうちょっと~」

梓「起きてください!!!起床の時間ですよ!!!」

唯「んー・・・?」

梓「さっそく寝坊とはいい度胸ですね!?」

唯「え?・・・はっ!!や、やば!!!」

梓「やばいどころじゃないです!婆さんがカンカンですよ?!」

唯「えええええ!?ど、どうしよう、怒られる!!!」

梓「唯さんが悪いんです!怒られることです!」

唯「そ、そんなあああ」

梓「とにかく今は早く支度してください!みんな待ってます!!」

唯「はあああい!!!」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:31:26.66 ID:Uz7rjUwx0

使用人宿舎廊下

婆「唯、初日にさっそくやってくれましたね」

唯「すみません・・・」

婆「気が弛んでる証拠です。いいですか、使用人とは(ガミガミ」

梓「(あーあ、これは長いお説教になるな~)」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:35:30.30 ID:Uz7rjUwx0

・・・

婆「今日から琴吹家の使用人として働くことになった平沢唯です。
  みなさんも使用人初日を思い返してみてください。分からないことだらけでしたね?
  この子も同じです。分からないことはしっかり教えてあげてください」

皆「はい!」

唯「平沢唯です!よ、よろしくお願いします!!」

婆「ではさっそく手分けして掃除してもらいます。解散!」

唯「わ、私はどこに・・・」

婆「梓!」

梓「はい!」

婆「慣れるまで唯と一緒に行動して色々教えてあげてください。頼みましたよ」

梓「わかりました」

唯「よろしくね」

梓「任せてください!」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:38:11.80 ID:Uz7rjUwx0

琴吹家屋敷内

唯「ひ、広い・・・」ごくり

梓「感動してるヒマありませんよ?」

唯「そうでした!」

梓「はぁ・・・、じゃあ唯さん。ここの手すりを掃除してください」

唯「わかった!」

梓「・・・」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:40:28.61 ID:Uz7rjUwx0

数分後・・・

唯「終わったよ!」

梓「もうですか!?」

唯「え?う、うん」

梓「・・・ダメです」

唯「え!?」

梓「ここ、ホコリがあります。あと手垢も残ってます」

唯「え・・・気付かなかった・・・」

梓「こんなんじゃダメダメです。御実家でされてた掃除とはまったく意味が違うですよ」

唯「そ、そうなの?」

梓「毎日が大掃除だと思った方がいいです。はい、やり直し」

唯「はい!」

梓「大丈夫かな・・・」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:43:34.14 ID:Uz7rjUwx0

婆「梓!」

梓「はい!!・・・じゃあ唯さん、ここの掃除頼んだですよ」

唯「どこ行くの?」

梓「朝食の時間です」

唯「え、梓ちゃんだけ!?」

梓「・・・何を言ってるですか」

唯「え、朝食って・・」

梓「琴吹家の方々の朝食です!!!」

唯「はっ・・・!!!」

梓「琴吹家の方々より使用人が先に食べれるわけないでしょう・・・」

唯「そう言われれば・・・」

梓「しっかりしてください」

唯「はい・・・」

梓「では行ってきますね」

唯「はい!」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:46:51.58 ID:Uz7rjUwx0

唯「いっぱい動いたからお腹減っちゃったなー。けど今日から私は使用人!
  腹の虫になんか負けてられるか!」

律「んー・・・」

唯「!?」

律「トイレ、トイレ・・・」

唯「・・・」

律「・・・ん?」

唯「ひっ!!!」

律「なんだぁ?見ない顔だな・・・」

唯「あ、あの・・・」

律「ん~?」





42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:47:38.17 ID:Uz7rjUwx0

梓「あ、いた!!!律さま!!」

律「お、梓。おは・・・」

梓「もう!!!!また寝ぼけてどこ行くですか!」

律「え、ト、トイレに・・・」

梓「トイレはそっちにないです!!!」

律「はっ!!!!」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:51:18.03 ID:Uz7rjUwx0

梓「もう!!律様は毎朝毎朝・・・」

律「す、すまん・・・」

梓「って!!唯さん!律様にご挨拶しましたか!?」

唯「え!?」

梓「その様子だとしてないようですね」

律「新入りか?」

梓「はい。今日からです」

律「だったら仕方ねーよ。そんな怒るなって」

梓「で、でも・・・」

律「私はここ家の三女、律だ。よろしくな」

唯「わ、私は平沢唯です!!さ、先程は御挨拶できなくても、申し訳・・」

律「いーって!そんな固くなるなって。私はそういうの嫌いなんだ。もっと気軽に・・・」

梓「ダメです!!!律様はもっと琴吹家の三女としての自覚をもってください!」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:54:14.60 ID:Uz7rjUwx0

律「うっ・・・」

唯「・・・ふふ」

律「ん?」

唯「・・・はっ!!す、すみません!!つ、つい・・・!!」

梓「な、・・・わ、笑ったですか?」

唯「い、いえ!けしてそんな!!!」

梓「私はきっちりこの耳で聞きました!唯さん何を笑ってるですか!?使用人として・・・」

律「ぷっ・・・あははは!」

梓・唯「!?」

律「ひー、おもしれー!お前らいいコンビになるぜ」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:55:50.63 ID:Uz7rjUwx0

梓「コ、コンビって・・・!」

律「朝からいいもん見せてもらったわ。んじゃ飯でも食ってくるかな」

梓「飯じゃなくて、朝食です!!!」

律「そうそ、朝食!・・・じゃーな、唯!」

唯「は、はい!!」

唯「(あれが律様か・・・。いい人そうだなー)」



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 02:58:29.33 ID:Uz7rjUwx0

朝食後


梓「・・・ちゃんとやってるですか?」

唯「ひっ!!」

梓「何びっくりしてるですか」

唯「だ、だって急に・・・」

梓「掃除は終わりました?」

唯「は、はい!!」

梓「・・・・うん、合格です」

唯「よ、よかった!何度も確認したからね!」

梓「そうですか・・・、で、あちらの手すりは?」

唯「え?」

梓「・・・」

唯「・・・」

梓「朝食の時間、結構ありましたけど、唯さんはこの手すりにずっと時間をかけていたのですか?」

唯「・・・はい」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:01:28.29 ID:Uz7rjUwx0

梓「もう!!!!いいですか、琴吹家のお屋敷はとっても広いんですよ!?手すりだって1個や2個じゃないんです!!」

唯「うっ・・・」

梓「そりゃ最初だから、仕方なく時間がかかってしまうこともあるかもしれ・・・ふう」

唯「・・・」

梓「早く掃除しちゃいましょ」

唯「え?」

梓「説教しても時間の無駄です。旦那さまがお出かけまでに綺麗にしちゃいましょう」

唯「梓ちゃんも手伝ってくれるの?」

梓「今日だけですよ・・・」

唯「ありがとう!!すごく助かる!!」

梓「わかりましたから・・・はぁ」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:04:27.26 ID:Uz7rjUwx0

・・・・

梓「っと、こんなもんですかね」

唯「うおおお綺麗!!」

梓「いいですか。私達の掃除というのは汚いところを綺麗にするのではなく
  綺麗なところをもっと綺麗にすることです」

唯「はい」

梓「汚れなんてあったら許しませんよ。いいですね?」

唯「はい!」

梓「・・・じゃあそろそろ旦那さま達の御出勤の時間ですね。外に出ますよ」

唯「いよいよなんだね・・・」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:05:43.82 ID:Uz7rjUwx0

梓「昨日教えたことをきちんとやれば大丈夫です。そんな緊張しないで」

唯「ハ、ハイ」

梓「あ、来た・・・!」

唯「!!」


ぞろぞろ



56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:07:56.61 ID:Uz7rjUwx0


梓「いってらっしゃいませ、旦那さま」

唯「い、いってらっしゃいませ旦那さま」

旦那「うむ。お・・・新しい使用人か?」

梓「はい。今日からこちらで使用人をやらせて頂いてる・・・」

唯「平沢唯です!!!よろしくお願いします!!!」

旦那「はっはっは、元気がある娘だ」

梓「ゆ、唯さん!!」

唯「はっ!!す、すみません!!」

旦那「構わん。朝から元気な事はいいことだ」

澪「あー煩い」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:10:26.75 ID:Uz7rjUwx0

唯・梓「!」

澪「朝から煩いんだが」

梓「も、申し訳ありません!」

澪「・・・なんだ、またゴミが増えたのか」

梓「こ、こちら今日から新しく入った使用人の・・・」

澪「誰が紹介しろと言った。使用人の名前など覚える気もない」

梓「・・・失礼しました」

唯「・・・」

紬「まー!新しい使用人ですって!?」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:12:32.50 ID:Uz7rjUwx0

梓「紬さま!」

紬「まー可愛いじゃない!私、ここの長女の紬よ!仲良くしましょう!?ね!?」

唯「え、あ!!わ、私は平沢唯と申します!!よ、よろしくお願いします!!」

紬「唯ね!ふふふ、覚えたわ!」

澪「・・・ちっ」

律「おー、朝から賑やかだねー」




67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:14:17.78 ID:Uz7rjUwx0


紬「りっちゃーん!新しい使用人だってー!」

律「知ってる知ってる。朝会ったもんな、な?」

唯「は、はい!」

紬「えー!?ずるーい!普通は長女の私が一番先に・・・」

梓「紬様、律様!早く行かないと学校に遅れてしまいますよ!!」

紬「あ、そうだったわ!・・・じゃあね、唯」

律「がんばれよー!」

唯「い、いってらっしゃいませ!紬様、律様!!」



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:15:54.41 ID:Uz7rjUwx0

唯「・・・・」

梓「気にしちゃダメですよ?」

唯「え?」

梓「澪様のこと・・・」

唯「あ、ああ!・・紬様と律様の迫力ですっかり忘れてた・・・」

梓「・・・」

唯「はは・・」

梓「もう・・・。さ、掃除行きますよ!」

唯「うん!!」



69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:19:41.42 ID:Uz7rjUwx0

・・・

梓「1階の方の掃除は終わったみたいですね」

婆「では2階の掃除に取り掛かりなさい」

皆「はい!!」

婆「あ、唯はまだダメですよ」

唯「え?」

婆「唯はまだ2階の掃除をできるほど経験を積んでません。2階は琴吹家方々の寝室となっておりますからね」

唯「そうなんですか・・・」

婆「あなたは使用人宿舎の掃除でもしていなさい」

唯「はい!」





72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:23:46.13 ID:Uz7rjUwx0

使用人宿舎)

唯「ふう・・・使用人宿舎といってもかなり広いな・・・。そりゃあんだけ使用人がいて、
  それで一人部屋だもんね。当たり前か・・・」

唯「この広さを自分一人で掃除するのかな。1日じゃ絶対無理だよ・・・。
  それともこれが当たり前なの?・・・あたしやってけるかな」

唯「って!!何弱気になってるの私!!私が働かなくて誰が働くの!
  憂にもちゃんと進学させてあげたいのに!こんな弱きじゃダメ!!」

唯「うん、まだ一日目じゃん!あたし頑張れ!!!できるできる!!」



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:34:52.18 ID:Uz7rjUwx0

・・・・

梓「終わったですか?」

唯「ひっ!!」

梓「そんな驚かなくたっていいじゃないですか・・・」

唯「だ、だっていきなり・・・!」

梓「さっきもそれ聞きました。・・・で、掃除は終わりましたか?」

唯「・・・」





78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:37:51.77 ID:Uz7rjUwx0

梓「うん、一人でやったとしてはなかなかじゃないですか?」

唯「へ?」

梓「何間抜けな声出してるですか。・・・そろそろ宿舎の掃除当番も来るはずです」

唯「応援がくるの!?」

梓「お、応援?・・・あ、もしかしてこの宿舎を一人でやると思ったですか?」

唯「う、うん」

梓「ふふ、バカですねー。こんな広いのに一人でできるわけないでしょう」

唯「で、ですよねー」

梓「じゃあ私は戻りますから、引き続き頑張ってくださいね」

唯「はい!!」



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:39:41.17 ID:Uz7rjUwx0

・・・・

梓「そろそろ紬様たちが帰ってくる時間ですね」

唯「お迎えに行く?」

梓「いえ、帰宅時のご挨拶は立派なものではありません」

唯「立派とは・・・」

梓「だから使用人が皆でご挨拶はしないということです」

唯「ほお・・・」

梓「何か催し物などがあれば別ですが、何もない時は使用人の一人や二人ぐらいで出迎えに行くものです」

唯「そうなんだ・・・」




81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:43:14.90 ID:Uz7rjUwx0

梓「ただ廊下などですれ違った御挨拶するのは当たり前ですよ」

唯「そ、そっか・・・」

梓「もう・・・。では行って来ますね」

唯「え、梓ちゃん行っちゃうの?」

梓「はい。私は澪様の専属使用人ですから」

唯「せ、専属使用人?」

梓「ようするに、その人専用の使用人です」

唯「す、すごい・・・の?」

梓「ま、まあちょっと務めた者ではなれないと思いますよ」

唯「ほう・・・」

梓「専属使用人でも使用人は使用人です。偉いもないですよ」



83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:44:55.50 ID:Uz7rjUwx0

唯「そんなことないよ!!梓ちゃんは偉い!!多分!!」

梓「た、多分って・・・」

唯「でも大変そうだね」

梓「そうですね。まぁ澪様ってだけで大変・・・って何言わせるですか!もう!行ってくるです!」

唯「(梓ちゃんが勝手に言っただけじゃ・・・)いってらっしゃーい」



85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:48:07.49 ID:Uz7rjUwx0

・・・・

梓「おかえりなさいませ、澪様」

澪「・・・」

梓「これからのご予定は?」

澪「煩い」

梓「失礼しました」

澪「・・・」

梓「・・・」



86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:49:10.46 ID:Uz7rjUwx0

澪「なあ、あいつ、何日で辞めると思う?」

梓「はい?」

澪「あの新しく入ったゴミだよ」

梓「・・・」

澪「私は1か月もたたないうちに辞めると思うなー」

梓「・・・」

澪「おい、なんか言えよ」

梓「申し訳ございません」

澪「ちっ」



89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:52:01.53 ID:Uz7rjUwx0

澪部屋

梓「お鞄、ここに置いておきますね」

澪「・・・」

梓「他に用はございますか?」

澪「見て分からないのか?あるそうに見えるか?」

梓「・・・申し訳ありませんでした。では失礼します」

ガチャッ

バタン

梓「・・・ふう」



96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:54:40.59 ID:Uz7rjUwx0

・・・

唯「あ、梓ちゃん!戻ってきた!」

純「お、梓ー」

梓「ただいま・・ってえ、なんで2人が・・・」

純「一緒にいたら悪いかよー」

唯「さっき仲良くなったの」

純「だ、誰が仲良く・・・!?」

唯「え、違うの・・・?」

純「う・・・!べ、別に違うわけじゃ・・・」

唯「よかった~」にこー

純「な、何・・・」



100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 03:58:09.66 ID:Uz7rjUwx0

梓「もう、2人で遊んでないで・・・」

純「休憩の時間だもん。あ、そうそう唯!」

唯「なに?」

純「私の事は純さまって呼びなさい」

唯「え?」

梓「なっ!?」

純「いい、あんたは私の後輩なの。年齢は上でも年下なの。わかる?」

唯「う、うん・・・」

純「はい、じゃあさっそく呼んでみて」

唯「じゅ、純さ・・・」

梓「調子にのるな!」ゴツン

純「い、いたー!」



103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:01:03.80 ID:Uz7rjUwx0

梓「もう。純だって、唯とあんまり変わらないじゃない」

純「かわるわよ!3か月私の方が先にここで働いてるの!立派な先輩じゃない!」

梓「じゅーんー・・・」

純「うっ」

梓「・・・・」じーっ

純「・・・わ、わかったわよ!唯、私のことは純って呼んでいいから」

唯「い、いいの?」

純「この私がいいって言ってるんだからいいの!」

唯「わーい!じゃあ・・・純ー!!」

純「・・・ははは、変な子ー!」

梓「ふふふ」

唯「え、な、なんで笑ってるの!?ただ呼んだだけなのに・・・!」あせあせ



107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:06:51.98 ID:Uz7rjUwx0

数日後


婆「唯、梓。来なさい」

唯・梓「はい」

婆「今日から唯を旦那さま達の食事を手伝いさせます」

唯「え」

婆「なんですか、まだ早かったですか?」

唯「い、いえ!嬉しいです!!」

梓「喜んでどうするですか・・・」

唯「あ・・・」



109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:07:34.11 ID:Uz7rjUwx0

婆「・・・。食事は人間にとって大事な時間です。食事の時に気分を害すなんてもってのほか。
  いいですか唯。失敗は許されませんよ」

唯「は、はい!!」

婆「よろしい。ならば梓と一緒に行きなさい」

唯「はい!」

梓「失礼します」

バタン

婆「・・・大丈夫かしらねぇ・・・」





111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:10:25.29 ID:Uz7rjUwx0

食堂

旦那「では、皆揃ったな。・・・頂きます」

皆「いただきます!」

律「おーー!今日は肉がいっぱいあるぜええ!」

紬「よかったわねー!いっぱい食べましょうね!」

律「おー!」

澪「・・・いらない」

梓「どうしました澪様」

澪「料理長呼んできて」

梓「・・・」

澪「料理長呼んできてって言ってるだろう!?」ダンッ

律「おい、澪ー。食事中だぞー」



112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:12:10.88 ID:Uz7rjUwx0

澪「煩い!黙れ!・・・ちっ、使えない使用人だ。ならば私が直接行く」

梓「澪さま!なりません!!」

澪「うるさ・・・」

唯「きゃあ!!」

澪「うわっ!!!」

ばしゃん

一同「・・・・・・・・・・・・・」

梓「・・・だ、大丈夫ですか澪様!!!」

澪「つ、冷たい・・・」



114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:14:28.32 ID:Uz7rjUwx0

唯「あ、あ、・・・!!!も、申し訳ございません!!」

梓「ふ、ふくもの持ってきて!!」

唯「は、はい!!」

澪「待ちなさいよ!!!」

唯「!!」

澪「ちょっと、この服いくらすると思ってるんだ!?外国から取り寄せたものなんだぞ!?」

唯「も、申し訳・・・」

澪「謝ってすむと思ってるのか!?お前如きが一生かかっても買えない代物だぞ!?」

唯「うっ・・・」

律「おーい、澪!!」



116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:17:10.30 ID:Uz7rjUwx0

澪「煩い、黙れ!!」

律「これはお前が悪いぞ。お前が急に扉の前に飛び出すから」

澪「私は悪くない!!」

律「誰がどう見てもお前が悪い。・・・唯、ごめんな」

澪「なんでこんなゴミの味方をするんだ!!」

律「味方とかじゃないよ。あと、使用人をゴミ扱いするのをやめろと何度言ったら・・・」

澪「煩い!!!」ダッ

梓「澪さま!!」ダッ

律「あーあー・・・行っちゃった」



118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:19:28.25 ID:Uz7rjUwx0

唯「ど、どうしよう私・・・」

律「気にするな。あいつはいつもああなんだ」

唯「でも・・・」

紬「そうよー。唯は悪くないわよ」

唯「・・・・」

律「さー、飯だ飯!・・・おい唯、これのおかわり!」

唯「え?」

律「だーかーら、おかわり!」

唯「は、はい!!!」



120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:28:16.78 ID:Uz7rjUwx0

澪部屋)

梓「み、澪様・・・!」

澪「なんで着いて来るんだよ!!!!」

梓「しょ、食事がまだ・・・」

澪「煩い!!!」ガッ

梓「きゃっ!!」

澪「もうなんなんだよ!!私は悪くないじゃないか!!あいつが急に入ってきたのが悪、い、ん、だ!!」

ゲシッゲシッゲシ

梓「うっ・・・げほげほげほ!!!」

澪「あああああイライラするううう!!!!!」

梓「げほげほげほげほっ!!!!」



121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:29:35.22 ID:Uz7rjUwx0


唯「戻ってこないね、梓ちゃん・・・」

純「・・・。さ、早く片付けるわよ」

唯「う、うん・・・」





123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:31:41.22 ID:Uz7rjUwx0

使用人宿舎

唯「ふーいいお風呂だったー」

梓「・・・」とぼとぼ

唯「あ、梓ちゃん!!!!」

梓「ゆ、唯さん」

唯「よかったー!澪様を追いかけていったっきり戻ってこないから心配して・・・」

梓「寝ます」

唯「え?」

梓「疲れました。・・・おやすみなさい」

唯「あ、梓ちゃん!?」

純「・・・ほっときなさいよ」



127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:33:14.52 ID:Uz7rjUwx0

唯「じゅ、純ちゃん?」

純「使用人を10年も続けてるとあんなになっちゃうのかなー」

唯「あんなって?」

純「聞きたい?」

唯「え、あ、うん・・・」

純「じゃあ私の部屋に来なさい」

唯「うん・・・」



129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:35:43.29 ID:Uz7rjUwx0

純部屋

純「澪様には気をつけなさい」

唯「え?」

純「きっと梓にも言われたと思うけど」

唯「う、うん言われたよ・・・」

純「でしょうね。・・・澪様は病気なのよ」

唯「びょ、病気?」

純「そう。心の」

唯「心?」

純「もちろん確かな情報じゃないわ。けどあれはどうみても病気よ」



132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:38:59.74 ID:Uz7rjUwx0

唯「じゃ、じゃあ診てもらわなくちゃ・・・」

純「馬鹿ねぇ。あんた、ここがどこだか知ってるの?」

唯「純ちゃんの部屋だけど・・・」

純「ちがーーう!あんたが使えてるのはどこ!?」

唯「こ、琴吹家です・・・!」

純「そう、琴吹家よ。日本でも5本の指には入るかなりのお金持ちの家よ」

唯「う、うん」

純「そんな家に心の病気を持った娘がいるだなんて・・・、家としては知られたくないの」

唯「そんな・・・」



134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:42:56.24 ID:Uz7rjUwx0

純「まぁもちろん今話したことは推測だから、確定情報ではないわ」

唯「・・・」

純「けど、きっとあの性格じゃ病気以前に問題あるわね」

唯「・・・」

純「あ、そうだ。梓から、旦那様に気をつけろ・・・って言われてる?」

唯「え?い、言われてないけど」

純「そう。じゃあ気をつけなさい」



136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:45:30.10 ID:Uz7rjUwx0

純「旦那様は表はいい人だけど・・・裏ではとてつもないことをやってるみたいよ」

唯「と、とてつもないって・・・?」

純「さあ!それは知らない!」

唯「がくっ」

純「もう話すことはないから、帰っていいよ」

唯「・・・う、うん。じゃあおやすみ」

純「おやすみ、また明日ね!」

バタン

純「・・・梓の部屋行こう」



140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:47:26.16 ID:Uz7rjUwx0


次の日・食堂

唯「み、澪様・・・」

澪「・・・」

唯「き、昨日は本当に申し訳ございませんでした!!」

梓「ちょっと、何してるですか!!」

唯「え?あ、謝ってる・・・え、あちょっと!」

梓「こっち来てください!!」





142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:49:04.95 ID:Uz7rjUwx0

梓「お願いですから、これ以上澪様を怒らせるのやめてください!」

唯「お、怒らせる?」

梓「昨日のことはもう済んだでしょう?だったらいいんです」

唯「す、すんでなんか!」

梓「すんでます!!」

唯「あ、梓ちゃん・・・」

梓「いいですか・・・、使用人の唯さんが気軽に話しかけられる相手じゃないのですよ・・・」



143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:50:36.76 ID:Uz7rjUwx0

唯「で、でも!!」

梓「・・・、昨日のことは私が謝っておきますから、唯さんは口出ししないでください」

唯「そしたら梓ちゃんが・・・」

梓「いいですね!?」

唯「・・・」




145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:54:01.46 ID:Uz7rjUwx0

使用人宿舎

婆「みなさん、今月末に琴吹家主催でダンスパーティーを行います」

婆「旦那さま、そして娘様方々の出席も決まりました。
  忙しくなると思いますが、準備の方よろしくお願いしますよ」

一同「はい!」

婆「では解散」

・・・・

唯「ダンスパーティー?」

梓「そうです。毎年何回か、琴吹家主催でやるんです」

唯「へー・・・すごそうだね」

梓「すごいですよ、かなり。その分、準備もかなり大変です」

唯「覚悟してます」

梓「ふふ、その調子です」

唯「(よかった、笑ってくれた・・・)」



147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 04:58:15.09 ID:Uz7rjUwx0

ダンスパーティー当日

使用人「唯!!こっち手伝って!!」

唯「はい!!」

使用人「唯、これ運んでーー!!」

唯「はーーーい!!」

使用人「唯、これ片づけて!!!!」

唯「はいはいー!!!」

唯「(な、なにこれ、忙しすぎて死にそうなんだけど・・・!)」

律「おーやってるな?」

唯「律さま!」

律「ダンスパーティーなんてかったるくて本当は出席したくないんだけどよー」

唯「そうなのですか?」

律「うん。別に私達が踊るわけでもねーしな。ただ踊ってる奴を見てるだけ」

唯「それでも楽しそうです」

律「そうかー?」



149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:01:47.24 ID:Uz7rjUwx0

唯「はい!だって私、ダンスパーティーなんて見たことないですもん!きっと仕事しながらでしょうが
  隙を狙って見させていただきます!!」

律「ははは、仕事の手が止まって、婆に怒られないようにしろよなー」

唯「うっ・・・気をつけます!」

使用人「ちょっと唯-!!どこいったのー!?」

唯「あ、は、はーーい!!」

律「あらら、悪いね、忙しいとこ話しかけちゃって」

唯「い、いえ!!では、失礼します!!」

律「がんばれよー。・・・使用人も太変だなー毎年毎年」



152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:07:06.15 ID:Uz7rjUwx0

ダンスパーティー

旦那「えー、皆さまに楽しんで頂けるよう、最高級の音楽団を用意させました」

客「おー」

旦那「では、最高の夜をお過ごしください」
パチパチパチパチ

紬「さすがお父様ね。音楽の本場から連れてくるなんて」

律「そうかー?音楽に本場もクソもあるかよ」

紬「クソはないわよ!」

律「あーはいはい」

・・・

唯「わーすごい綺麗な音ー!やっぱ本場は違うなー!」

純「本場って・・・。あんた分かるの?」

唯「わかんない」

純「がくっ」

唯「わかんないけど、きっとすごいよ!うん!すごい!!!」

純「あ、っそ・・」



156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:13:02.93 ID:Uz7rjUwx0

梓「澪様、そろそろパーティーの方に顔を出さないと皆心配しますよ」

澪「・・・」

梓「澪様」

澪「あのさ、前から思ってたんだけど、お前調子にのってないか?」

梓「・・・」

澪「使用人を10年やろうが、私の使用人をやろうが、お前は使用人。使用人じゃないか」

梓「分かっております・・・」

澪「分かってない。使用人は私達に気軽に話しかけちゃいけないのだろ?」

梓「・・・」

澪「ちょっと黙ってたらこれだ。私は特別だから、何でも言っていいって思ってるんだろ?」

梓「そ、そんなこと・・・!!」

澪「口答えするな!!!!」



157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:15:31.94 ID:Uz7rjUwx0

梓「・・・・っ」

澪「使用人が口答えするのか?」

梓「しません・・・」

澪「使用人が命令するか?」

梓「しません」

澪「使用人は私の言うことを聞くか?」

梓「聞きます」

澪「なら出てけ」

梓「・・・失礼しました」

バタン

梓「(説得できなかった。・・・怒られるかな)」



158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:18:30.66 ID:Uz7rjUwx0

会場

婆「澪様が来られないですって!?」

梓「・・・すみません」

婆「・・・いえ。仕方ないです、一度言ったら聞かない方ですからね。旦那さまに話してきます」

梓「はい・・・」

・・・

唯「あー!梓ちゃん!」

梓「あ、」

唯「もー大変だよー!!人が何人いても足りないって感じ!!」

梓「・・・」

唯「?あ、あず・・」

梓「手伝います!!!」

唯「え?!」

梓「この料理運べばいいのですね!私がもってくです!!」

唯「え、ちょっと!梓ちゃんは澪ちゃんの・・・あーあ、行っちゃった・・・」



162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:23:30.45 ID:Uz7rjUwx0

使用人宿舎

婆「本日はみなさんお疲れさまでした。とてもいいダンスパーティーになったと旦那様もおっしゃっておりました。
  これも皆さんのおかげです」

婆「今日はゆっくり休んでください。解散」

一同「お疲れさまでした!」

婆「唯、来なさい」

唯「は、はい!!」

婆「どうでした、ダンスパーティーは?」

唯「え、あ、た、楽しかったです」

婆「楽しかった?仕事がそんなに楽しかったですか?」

唯「(あ、そっちか!)い、いえ・・・仕事は大変だったけど、けど、楽しかったです!
  私、ダンスパーティーなんて産まれてから一度も見たことなかったので」

婆「そうですか。・・・このお屋敷にいるかぎり、これからも大きな催しが開催されるでしょう
  太変ですが・・・覚悟はできてますか?」

唯「はい!もちろんです!」

婆「よろしい。では寝なさい」

唯「はい!おやすみなさい!!」



163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:27:59.78 ID:Uz7rjUwx0

律「あ、澪・・・」

澪「ちっ」

律「おいどうしてパーティーに来なかったんだよ!?父さんも困ってたぞ!」

澪「別に私が行ったって行かなくたって変わらないだろう!」

律「そういう問題じゃねぇだろ!なら私だって参加したくなかったわ!」

澪「なら参加しなけりゃいいだろ!」

律「お前は琴吹家の娘なんだぞ!?それぐらい自覚しろよ!!!」

澪「・・・っ!!べ、別にここに来たくて来たんじゃない!!」

律「それは私だって一緒だ!!!!」



165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:32:38.59 ID:Uz7rjUwx0

梓「み、澪様!?と律様!!な、何を言い争いに・・・!!」

律「梓からも言ってやってくれよ!!もっと琴吹家の娘として自覚をもてって!」

梓「・・・」

澪「近寄るな、ゴミが・・・寝る」

律「お、おい、み・・」

梓「おやすみなさいませ、澪様」

バタン

律「・・・ごめんな、梓」

梓「律様が謝ることではないですよ」

律「・・・はぁ。いいよな、あいつは自分勝手できて」

梓「え?」

律「なんでもない。私も寝る。梓も早く寝ろ。おやすみ」

梓「お、おやすみなさいませ律様!!」



168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:42:50.14 ID:Uz7rjUwx0

純部屋

純「あーそういえば知ってる?」

唯「え?」

純「紬様、澪様、律様って本当の御兄弟じゃないのよ」

唯「ふーん・・・・ってえええ!?」

純「いいねー、その初々しい反応」

唯「そ、それどういうこと!?」

純「ようするに琴吹家の名前が欲しいのよ」

唯「な、名前・・・?」

純「そう。琴吹家の長女、紬様は旦那さまと血は繋がってるわ。けど澪様、律様は養子としてここに来たの。
  澪様の旧姓は秋山。律様は田井中。琴吹家には及ばないけど、それでもかなりの有名な家柄よ」

唯「う、うん」

純「あの2人は犠牲になったの」



171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 05:57:00.67 ID:Uz7rjUwx0

唯「犠牲・・・?」

純「どちらの家もかなりの資産家だけど琴吹家は越えられない。いや、越えようとはしてないかもしれない。
  けど同等の立場にいたいと思っているはず。だから2人を養子によこしたの」

唯「うん・・・?」

純「娘を養子として琴吹家に入れたら、繋がりができるわ。琴吹家の後ろ盾が欲しかったのよ。
  あの琴吹家の養子になれたとあっては、他のところからも援助されるもの」

唯「・・・」

純「そして女は家を継げないから。
  だから澪様と律様は利用されてるの」

唯「なんか可哀想・・・」

純「そうかしらねー・・・、生きていく分には困らない・・・いや、もう充分ってほどお金はあるし、なんだかんだで幸せなんじゃない?」

唯「そうなのかな・・・」

純「私から見れば十分すぎるよ」

唯「でも自分の家族と過ごしたいよ・・・」




173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:03:00.17 ID:Uz7rjUwx0

純「まぁそれもそうだけど・・・。まぁお金持ちの親族としたら、自分の娘より自分たちの名前を来世まで息継ぐ方が大事なんじゃない?」

唯「そうなのかな・・・」

純「貧乏に産まれても大変だけど、金持ちに産まれても大変ってことよ」

唯「うん・・・」

純「だから私は働くの」

唯「え?」

純「ここ、お給金だけはいいでしょ?だからいっぱい貯めてから、結婚するの」

唯「結婚・・・・」

純「そう、恋愛して結婚するの。見合い結婚なんて嫌よ」

唯「結婚か・・・」

純「うん!あー早く私の殿方現れないかなー」



174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:07:35.19 ID:Uz7rjUwx0

数ヵ月後


梓「唯さんもここに来てから、ずいぶん経ちましたね!」

唯「ほんとだ!・・・まぁ相変わらず失敗は多いけどね」

梓「自分で言ってどうするですか・・」

ブォン・・・キキーッ

梓「ん?玄関の方から車の音が・・・。誰かしら?」

唯「お客様かな?」

梓「見てきますね」

唯「はーい」


玄関先


和「あら、久しぶりじゃない、梓」

梓「の、和様!!」

和「澪、いる?」




176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:14:32.56 ID:Uz7rjUwx0

梓「は、はい!お部屋の方にいらっしゃるかと・・、と、とにかくお入りください」

和「ありがとう」

バタン

唯「(あ、お客様だ)いらっしゃいませ」

和「あら、知らない顔ね。新しく入った使用人かしら?」

唯「はい。4月からここで使用人をさせて頂いております、平沢唯と申します」

和「唯ね。よろしく。私は真鍋 和よ。苗字は違っても、私は澪の姉よ」

唯「へー・・・えええええええ!?お姉さまですか!?!?」

梓「こ、声が大きいです!!」

唯「はっ!し、失礼しました!!」

和「ふふ、構わないわ。私も澪と同じで、真鍋家に養子に出されてるの」



178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:19:51.27 ID:Uz7rjUwx0

唯「ほー・・・」

和「似てないでしょ?母が違うのよ」

唯「ふ、複雑なんですね・・・」

梓「ゆ、唯さん!」

和「ふふ、面白いのね」

唯「よ、よく言われます」

和「血は繋がってないけど、あなたの言う通り、複雑な環境で過ごしてきたからね。
  だから離れ離れになった今でもたまに会ってるの。まぁ澪が自分から会いにくるようなことはないんだけど」

唯「2人は仲が良いのですか?」

梓「唯さん!質問は・・・!!」

和「構わないわ、私はそういう使用人の心得だっけ?そういう堅苦しいの嫌いなの。
  ・・・で、そうねぇ。仲が良いと言えばいいかしら?周りはどんなふうに見るかは知らないけど。
  けど小さい頃、ほんの少しの間だけど、一緒に支え合って過ごしたから、見えない絆はあると思ってる」

唯「そうなんですか・・・」

梓「もう、和様!喋りすぎですよ!さ、行きましょう」

和「ふふ、あなたと話せて楽しかったわ。またゆっくり話しましょうね」

唯「は、はい!」



179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:22:52.17 ID:Uz7rjUwx0

唯「(似てない・・・、顔もだけど、・・・中身が)」


・・・

トントントン

梓「澪様、お客様です」

澪「・・・」

和「はぁ・・・、澪、入ってもいいかしら?」

澪「・・・入れ」

梓「・・・・」

和「たく、澪ったら。ごめんなさいね、梓」

梓「い、いえ!そ、それでは私は失礼します!」

和「ええ、また」

梓「ごゆっくり・・・」

バタン

梓「(私はいつになったら澪様に信用してもらえるのかな・・・)」




183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:29:37.31 ID:Uz7rjUwx0


和「・・・また痩せたんじゃないの?」

澪「そんなことない」

和「ご飯はちゃんと食べてるの?」

澪「食べてる」

和「ふーん。で、どうなの?元気にやってる?」

澪「元気も何もあるかよ・・・こんなとこ」

和「もーまだそんなこと言ってるの?いい加減諦めなさいよ」

澪「・・・」

和「あーと、あんたも使用人いじめもいい加減にしなさいよね」

澪「いじめてなんかない」

和「いじめてないとしても使用人に少しは気を使ってやりなさい」

澪「使用人に気を使うだと?ふふ、面白いことを言うんだな」

和「使用人も人間よ。あんたと同じね。・・・梓、可哀想じゃない」

澪「使用人に可哀想もあるか。使用人は使用人らしくいれば問題ないはずだ。なぜなら使用人だからな」

和「はぁ・・・、あんたはいつからそんな性格になったのかしらねぇ」



185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:33:20.29 ID:Uz7rjUwx0

唯「和様っていい人だねー!」

梓「もう、和様がいくらお優しいからって調子にのっちゃダメですよ!!」

唯「べ、別に調子にのってなんか・・・」

梓「和様だったから良かったものの、澪様だったら・・・あ、和様!」

和「今日はありがとう。失礼するわ」

梓「も、もうですか?」

和「ええ。最近あっちでも忙しくてね。本当はもっと説教してやりたいのだけど・・・
  また今度にするわ」

梓「そうですか・・・。お気をつけて!」

和「ええ、またね。・・・あと唯もね」

唯「は、はい!お気をつけて・・!!」



186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:40:42.02 ID:Uz7rjUwx0

澪「あー煩い奴だ、ほんと・・・」

澪「けど・・・」

澪「久々にちゃんと人と話したな・・・」

数日後

梓「ゲホゲホッ・・・うーっ」

唯「うわー熱があるねー。今日はお休みだね」

婆「そうしなさい。ゆっくり休むのですよ」

梓「け、けど澪様のお世話が・・・ゲホゲホ!!」

婆「そんな体調でお世話なんかできませんよ。けど困りましたね・・・。そうだ、
  唯、あなたが梓のいない間澪さまのお世話をしないさい」

唯「ええええええええ?!」

梓「そ、それはいくらなんでも・・・!!!」

婆「私もちょっと不安なのですが、生憎今日はどの使用人も空いてなくてね。
  とにかく梓、あなたはしっかり治すこと。いいですね?」

梓「うっ・・・は、はい。・・・唯さん、澪様のことよろしくです」

唯「う、は、はい」
梓「(大丈夫かな・・・)」



188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:45:36.43 ID:Uz7rjUwx0


唯「どうしよう・・・絶対、無理だ・・・私、無理・・・
  って弱気になっちゃダメだよね!!大丈夫!私はやればできる子って言われてたし!うん!」

トントントン

唯「澪様、おはようございます」

ガチャ

唯「おはようございます澪様。今日は梓が風邪のため勝手ながらお休みさせて頂きました。
  代わりに私が梓が復帰するまで澪様のお世話を・・・」

澪「すー・・・」

唯「寝てる・・・」

澪「・・・」

唯「寝顔は可愛いんだけどな・・・」



189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 06:48:21.09 ID:Uz7rjUwx0

澪「ん・・」

唯「あ、やばっ!!」

澪「・・・ん、・・・な、なんだお前!!!なんでゴミが私の部屋に入ってきてるんだ!!誰が許可した!!!おい!!!」

唯「お、落ち着いてください澪様!!」

澪「触るなゴミ!!!!!!!」バシ

唯「うあ!!!」


唯「いたたた・・・」

澪「気色悪い!!お前が入ってきたせいで、カーペットも取り代えなくちゃならんだろうが!」

唯「ひ、ひどい・・・」

澪「酷いだと?!お前如きが私の部屋に入ってきて何を言ってる!さっさと出てけ!!!」

唯「わ、私は梓の代わりとして!!」



249: 保守ありがとうございました 2010/10/28(木) 15:13:13.12 ID:Uz7rjUwx0

律「どうした!?」

紬「何騒いで・・・あ!」

唯「律様、紬様・・・!」

澪「こ、こいつが勝手に私の部屋に・・・!」

唯「ち、違います!今日は梓が風邪でお休みなので、私が代わりに澪様の世話を・・・」

澪「言い分けはいらない!!!」

律「落ち着け、澪!!」

紬「そうよ!唯は梓の代わりとして澪ちゃんのお世話に・・・!」

澪「関係ない!!」ダッ

律「あ、おい!!澪!!!」



254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:20:33.77 ID:Uz7rjUwx0

使用人「きゃっ!み、澪様!?ど、どちらにお出かけですか!?」

澪「煩い!!使用人が質問するな!!!」

律「おい!!澪を止めろ!!」

使用人「え!?」

澪「ちっ!」ダッ

律「あ、おい!澪!!!たく、あいつ・・・」

唯「り、律様、ここは私が追いかけますから、律様はどうか食堂の方へ・・・!!」

律「いや、私が・・・」

唯「ダメです!澪様も律様も食事に参加しないと旦那様が心配してしまいますよ」

紬「そうね・・・、この事はお父様には秘密にしておいた方がいいかもしれないし・・・」

律「・・・」

紬「澪ちゃんのためよ、行こう、りっちゃん」

律「・・・唯、頼んだぞ」

唯「お任せください!!」




255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:26:18.83 ID:Uz7rjUwx0

屋敷外

澪「(なんであいつら使用人の味方ばっかするんだ・・・!)」

運転手「・・・どちらにお出かけで・・・って澪様!?」

澪「煩い!!!さっさと車を出せ!!!!」

運転手「え?!け、けど・・・」

澪「私の命令が聞けないのか!?」

運転手「わ、分りました・・・!!!」

唯「澪さまあああ!!」

ブウウウン

唯「はぁはぁ・・・!!い、いっちゃった・・・・!ど、どこに行ったのか、な。と、とにかく追いかけなくちゃ・・・!」

唯「そうだ、あの車を追いかければ・・・!!」

運転手2「はぁ?使用人のお前をだと?」

唯「そうなんです!お願いします!澪様を追いかけなくちゃいけないんです!」

運転手2「だめだめ。使用人のお前を車に乗せることなんてできないよ」

唯「そ、そんな・・・」



256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:31:36.71 ID:Uz7rjUwx0


使用人宿舎

梓「唯さん、うまくやって・・・るわけないよなぁゲホゲホ」

唯「梓ちゃんん!!!」バタン!

梓「キャッ!!・・・え、唯さん!?ゲホゲホ、み、澪様のお世話は!?って何泣いて・・・」

唯「み、澪様が出て行っちゃったの・・・!!」

梓「出て行った・・・?!」

唯「私が悪いの、私が・・・どうしよう、梓ちゃん、うっうううう」

梓「お、落ち着いてください!と、とにかく追いかけなくちゃ・・・」

唯「車で追いかけようと思ったら、使用人は車に乗っちゃいけないって言われて・・・」

梓「澪様は車で出ていかれたのですか?」

唯「うん。だからもう間に合わないかも・・・ぐすっ」

梓「・・・大丈夫です」

唯「え?」

梓「私の予想が当たれば、澪様はあそこにいるはず」



259: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:38:08.48 ID:Uz7rjUwx0

唯「え!?ど、どこ行くの、梓ちゃん・・・!」

梓「澪様をお迎えに行くのです・・・!ゲホゲホ」

唯「そ、そんな体じゃ無理だよ!私が・・・」

梓「唯さんじゃ無理です。車は使えません。けど私なら使えます」

唯「そ、そうなの!?」

梓「はい。数年前から車を使う許可を得ています。もちろん仕事で使うだけですが」

屋敷外

梓「車をだしてください!!」

唯「わ、私も行く!!」

梓「ダメです!!使用人二人が朝から外出なんて見つかったら怒られます!」

唯「け、けど梓ちゃんはすごい熱で・・・!」

梓「私なら平気です。心配しないでください。唯さんは澪様が帰ってくるまで、なんとか話を合わせておいてください」

唯「う、うん・・・」

梓「では行ってきますね。車を出してください」



261: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:41:59.94 ID:Uz7rjUwx0

>>257
ありがとうございます



262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:43:55.75 ID:Uz7rjUwx0

梓「ゲホゲホ・・・やっぱ辛いなぁ・・・」

運転手「どちらにお出かけで」

梓「真鍋家へ向かってください」

運転手「真鍋家・・ですか?」

梓「はい。お届けものがありまして・・・」

運転手「左様ですか。わかりました」

梓「(澪様が逃げたから、なんて言えないよね)」


真鍋家屋敷

運転手「着きました」

梓「ありがとうございます」

梓「(・・・私の勘が当たってればいいのだけど)」



263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:48:47.22 ID:Uz7rjUwx0

トントントン

使用人「はい・・・えっと・・・」

梓「おはようございます。私は琴吹家の使用人をやっております、梓と申します。
  こちらに澪様はいらっしゃいますか?」

使用人「あ、はい。先ほどお見えになられ、只今和様のお部屋に・・・」

梓「案内して頂けますか?お願いします」

使用人「あ、はい。こちらです・・・」


和部屋

和「・・・呆れた」

澪「私は悪くない!あのゴミが勝手に私の部屋に・・・!!!」

和「だからって屋敷を飛び出してくることないじゃない」

澪「だ、だって・・・」



264: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:51:49.08 ID:Uz7rjUwx0

トントン

使用人「和様、お客様です」

和「お客様?こんな時間に・・・?入って」

使用人「はい。・・・どうぞ」

梓「ありがとうございます」

和「梓!?」

澪「!!」

梓「澪様、帰りましょう」

澪「や、やだ!!」

梓「みなさん心配しておりますよ」

澪「あのゴミが悪いんだ・・・!」

梓「悪いのは私です。風邪でお休みを頂いたばっかりに・・・」

和「か、風邪ですって?」

梓「とにかく澪様、帰り・・・ゲホゲホ!!!」



265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 15:54:37.19 ID:Uz7rjUwx0

和「梓!!大丈夫!?」

梓「ゲホゲホゲホ、だいじょ、う、ぶ・・です・・・」ふらっ

和「梓!!!!し、しっかりしなさい・・・ちょ、ちょっと!誰か!!」

使用人「はい!」

和「この子を外まで連れていってあげて!!それと車の手配を!病院に連れていくわよ!!」

使用人「え!?あ、はい!!」

和「梓、梓、しっかりしなさい!!」

梓「ハァハァ・・・ハァ・・・」

澪「うっ・・・」



266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:00:05.95 ID:Uz7rjUwx0

病院

医者「注射を打っておきました。寝ておけば熱はすぐさがりますよ」

和「そうですか、良かった・・・。お世話になりました」

医者「では・・・」

澪「・・・」

和「・・・よく寝てるわね」

梓「すーすー」

澪「・・・」

和「澪、これは貴方の責任でもあるわよ」

澪「な、なんで!?」

和「あんたが屋敷飛び出してこなければ梓だってこんなことにならなかったはず」

澪「違う!こいつが風邪なんかひいて、違うゴミを私の部屋によこすから・・・ってコイツも言ってたじゃないか!」

和「ほんとにどうしようもないわね・・・。あ、ちょっと席を外すわ」

澪「どこに?」

和「電話よ。すぐ戻るわ」



267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:02:42.26 ID:Uz7rjUwx0


バタン

澪「ど、どうして私が・・・」

梓「ん・・・」

澪「!!」

梓「・・・み、お、さ、ま・・・?」

澪「あ・・」

梓「・・・澪様・・」

澪「あ、あんたのせいで私は・・・!!」

梓「よか、った・・・澪さ、まが無事・・・で・・・」

澪「・・・・」

梓「・・・」すーすー

澪「・・・なんだよ・・・ほんとに私が悪者みたいじゃないか・・・」



269: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:07:49.12 ID:Uz7rjUwx0

婆『澪様と梓が!?』

和「ええ。梓は数時間たったら注射のおかげで熱は下がるそうよ。そうね、夕方あたりに迎えをよこしてもらえるかしら?」

婆『それは構いませんが、澪様は・・・』

和「澪は梓の付き添いとしていてもらうわ。あ、旦那様の方は大丈夫?」

婆『ええ、そちらは問題ありません。澪は風邪で部屋にいると言っておきました』

和「そう。まぁ、旦那様に澪なんて・・・ね」

婆『・・・・。律様と紬様が心配しておりました。そう、お伝えください』

和「わかったわ」

婆『それと唯も』

和「唯?ああ、使用人の。・・・そう、わかったわ、言っておく。それじゃ」

和「困ったものね・・・澪にも」




270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:12:19.98 ID:Uz7rjUwx0

バタン

澪「和・・・」

和「琴吹家にも連絡入れといたわ。心配しないで」

澪「・・・」

和「あなたは幸せ者よ?」

澪「え?」

和「こんな体で、あんたを追いかけて来てくれたのよ?」

澪「・・・」

和「なかなかこんな使用人いないわよ。普通だったら婆に任せてしまうところね」

澪「・・・」

和「あんなにこの子に冷たく当っておきながら、梓はこんなにあんたにつくしてるじゃない」

澪「それは・・・」

和「使用人だから?」

澪「・・・」



272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:15:40.89 ID:Uz7rjUwx0

和「もう少し人の気持ちってものを考えてみなさい。梓も人間なのよ」

澪「・・・」

和「いいわね?・・・それじゃあ私は帰るから」

澪「え!?か、帰るのか!?」

和「学校があるもの。あ、澪は梓の付き添いよ」

澪「そ、そんな・・・!」

和「当たり前じゃない。婆にも伝えておいたから、夕方には迎えが来るわ」

澪「・・・」

和「頼んだわよ」

澪「・・・」

和「それじゃあね」

バタン

澪「・・・」



275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:20:03.32 ID:Uz7rjUwx0


梓「んー・・・」

澪「!!」

梓「・・・あれ、ここは・・・って澪様!?」

澪「うるさい、病院だぞ」

梓「びょ、病院・・・?あ・・・そっか、私倒れて・・・」

澪「私の為なんかに・・・」

梓「え?」

澪「私の為なんかにそこまでするか?」

梓「み、澪様?」

澪「倒れてまで私を迎えに来なくてもよかったのに。それにそんな体なら、婆にでも頼んで・・・」

梓「私は澪様の専属使用人ですから」

澪「・・・」

梓「すみません、生意気なこと言ってしまって・・・」

澪「・・・。帰るぞ。下に迎えが来てる」

梓「え?あ、はい!(・・・怒られなかった)」



276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:24:08.54 ID:Uz7rjUwx0

車内

澪「・・・」

梓「・・・」

澪「体は平気か?」

梓「え?」

澪「何でもない・・・」

梓「(あ、あの澪様が・・・私の体を心配して・・・)」

運転手「着きましたよ」

梓「あ、ありがとうございます!」

ガチャ

唯「あ、梓ちゃん!!!!っと、澪様!!」

梓「ただいま」




277: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:28:22.05 ID:Uz7rjUwx0

唯「おかえりなさいませ!」

梓「私がいない間、ちゃんと掃除・・あ」ふらっ

澪「おっと・・・」

梓「・・・・あ!す、すみません!!」

澪「・・・構わん」

梓「え!?あ、あ、ありがとうございます・・・!」

唯「(・・・・あの澪様が梓ちゃんを支えた・・・。な、何が起きてるというの・・)」

澪「梓、このカバンを私の部屋に・・・。いや、そこの使用人。このカバンを私の部屋に運んでおけ」

唯「え!?わ、私がですか!?」

澪「なんだ、嫌なのか?」

唯「い、いえ!!」

梓「け、けど・・・」

澪「梓は部屋に戻って寝てろ。・・・いくぞ」

唯「は、はい!!」

梓「(・・・どうしちゃったの、澪さま・・・)」



280: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:32:26.28 ID:Uz7rjUwx0

数日後

純「よかった、すっかり元気になったみたいね」

梓「うん。心配してくれてありがとう」

純「だ、誰が心配なんて・・・!」

梓「ふふ。さ・・澪様を起してこなくちゃ!」

純「え?あ、うん、いってらっしゃい」

純「・・・」

純「ねえ」

唯「ん?」

純「最近、梓の機嫌が良すぎて気持ち悪いんだけど」




281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 16:37:04.33 ID:Uz7rjUwx0


梓「澪様、おはようございます」

澪「・・・」

梓「支度のお手伝いさせて頂きますね」

澪「・・・」

梓「あ、制服にシミが!大変!いつの間についたのですかね・・・。代わりのもの用意しますね」

澪「・・・」

梓「ではこちらを」

澪「?」

澪「(機嫌がいいのか?)」



291: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:13:24.87 ID:Uz7rjUwx0





律「むにゃむにゃ・・・」

梓「あ、律様!!」

律「・・・はっ!!ち、違うぞ、これは寝ぼけてトイレの方向を間違ってなど・・・!」

梓「ふふ、・・・さ、行きますよ」

律「・・・え?(怒られないだと・・・?)」

律「(んにしても最近、梓の機嫌がいいよなー・・・。何かあったのか?)」




293: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:19:51.69 ID:Uz7rjUwx0


梓「ふふ~ん♪」

唯「なんだか最近機嫌がいいでござるね」

梓「わ!!きゅ、急に話しかけないでくださいよ!」

唯「へへーん、いままでのおかえしだよー」

梓「もう・・・」

唯「最近機嫌いいね。どうしたの?」

梓「そ、そうですか?別にそんなこと」

唯「澪様?」

梓「・・・」

唯「そっかー」

梓「そ、それもありますけど・・・」

唯「うん?」

梓「今はこの仕事が楽しくて仕方ないんです。10年間やってきましたけど、もしかしたら一番楽しい・・・いや、遣り甲斐があるというか



294: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:22:21.04 ID:Uz7rjUwx0

唯「やりがいかー」

梓「はい。唯さんは?」

唯「私も!仕事後の食事はおいしいし!」

梓「そっちですか・・・はぁ」

唯「へへ」

婆「梓」

梓「は、はい!」

婆「ちょっと来なさい」

梓「は、はい!」



298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:35:57.48 ID:Uz7rjUwx0

梓「え、縁談ですか!?」

婆「はい」

梓「そ、そんな急に・・・!!!」

婆「あなたは琴吹家で10年も頑張ってきました。そこで旦那様が貴方の努力を認め、縁談の話を持ってこられました」

梓「わ、私は・・・」

婆「女の幸せは結婚ですよ。あなたはよく頑張りました」

梓「私はまだこの仕事を続けたいです・・・!」

婆「いいですか、この縁談を逃せばいつ話がくるかわかりませんよ。それにあなたの家系は琴吹家のお世話係のために産まれてきたみたいなものです。
  ・・・それに旦那様が言うには、縁談相手は有名な資産家の息子様らしいです」

梓「でも・・・」

婆「貴方がその息子様と結婚したらいい暮らしはもちろん、貴方の家系も琴吹家と離れます。
  そう、貴方の子孫はもちろん、これからも琴吹家につかえなくていいのですよ」

梓「・・・」

婆「貴方のためにももちろん、これからの家柄としてもいいことだと思います」



299: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:40:32.65 ID:Uz7rjUwx0


婆「・・・まだ気持ちの整理はつかないと思いますが、よく考えておきなさい」

梓「・・・」

婆「もちろん断ることはできませんよ。もし断ったら旦那様にも相手の方にも泥を塗ることになります。
  使用人に断られたなんて恥ですからね」

梓「・・・」

婆「ごめんなさいね・・・、何もできなくて」

梓「いえ、婆さんが謝ることはないですよ」

婆「・・・」

梓「失礼します」



302: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:45:27.84 ID:Uz7rjUwx0

梓「・・・はぁ」

純「・・・」

唯「・・・」

純「どうしたのよ梓、最近まで機嫌がいいと思ったら・・・」

唯「う、うん・・・何かあったのかなぁ・・・」


・・・

梓「澪様、お出かけの時間です・・・」

澪「ああ・・・」

梓「・・・」

澪「・・・」

澪「・・・なあ」

梓「はい」

澪「最近元気ないな」



305: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:48:28.66 ID:Uz7rjUwx0

梓「え!?あ、す、すみません!!」

澪「・・・」

梓「・・・」

澪「聞いたぞ、縁談だってな」

梓「え、知って・・・」

澪「お父様が嬉しそうに話してた。・・・まぁいいんじゃないのか。お前の身分じゃ充分すぎる相手だろ」

梓「・・・」

澪「嬉しくないのか?」

梓「私はまだこの仕事を続けたいと思ってます」

澪「・・・変わったやつだな」

梓「そ、そうでしょうか?」

澪「女の幸せは結婚だぞ。女が一生仕事続けて生きていけるわけないだろ」



306: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:51:36.73 ID:Uz7rjUwx0



梓「そ、それはそうですが・・・」

澪「有り難く受けることだな」

梓「・・・」


・・・

律「ええええ!?梓が結婚だってえええ!?」

紬「そうなのよ。さっきお父様が話してたわ」

律「そ、そんな・・・わ、私は嫌だぞ!!」

紬「けど縁談の相手は有名な資産家の息子さんよ。それなら梓ちゃんは苦労せず一生幸せに暮らせるわ」

律「け、けど・・・。あいつは小さい頃から一緒にいて、使用人だけど、けど妹みたいな存在で・・・」

紬「りっちゃん・・・」



309: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:54:56.24 ID:Uz7rjUwx0

使用人宿舎

唯「ええええ!?!?あ、梓ちゃんが結婚!?」

梓「こ、声が大きいです」

唯「ご、ごめん・・・」

梓「・・・」

唯「わ、私は嫌だよ・・・。結婚したら使用人やめちゃうんでしょ?」

梓「そうですね・・・けど、断れないです」

唯「なんで!?」

梓「だって私は使用人。相手は有名な資産家の息子さんですよ。身分が違いすぎます。
  そんな方が使用人相手に縁談を断られたなんて世間に知れたら・・・」

唯「・・・」

梓「本当はこの仕事を続けたいのですが、そうもいかないみたいです」



311: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 17:58:59.43 ID:Uz7rjUwx0


唯「・・・。え、縁談の日取りはいつなの?」

梓「今月30日です」

唯「え!?こ、今月!?」

梓「ほんと急ですよね・・・」

唯「急すぎて・・・!だってもう10日もないじゃん!!」

梓「旦那様がやることはよくわかりません、そしていつも急なんですよ」

唯「そ、そんなの酷いよ・・・」

梓「・・・」

唯「うっ・・・やだ、うう・・・」

梓「な、泣かないで下さいよ!!そ、そんな泣かれたら私だって・・・うっううう」

唯「うわああああん、やだあああ、梓ちゃんがいなくなっちゃうなんてやだよおおお!!」

梓「我儘言わないでくださいよ、ううっ」



313: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:02:56.22 ID:Uz7rjUwx0


縁談数日前


トントントン

唯「澪様、入ってもよろしいでしょうか」

澪「・・・」

ガチャ

唯「澪様、お話があります」

澪「誰が入っていいって言った」

唯「申し訳ございません・・・。けど・・・」

澪「・・・」

唯「お話・・・いえ、お願いがあります」

澪「使用人のお前がか?」

唯「はい・・・」



315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:11:09.32 ID:Uz7rjUwx0


澪「身分を弁えろ」

唯「梓のことでございます」

澪「梓・・・」

唯「梓に縁談の件は知ってますよね」

澪「・・・ああ」

唯「良い話しだと思います。けど梓は仕事を続けたいと言っています」

澪「・・・」

唯「梓が最近、この仕事が楽しくて仕方ないと言ってました。梓が熱を出して、澪様と一緒に戻ってきたときからです」

澪「・・・・」

唯「何があったのか知りませんが、きっと梓にとっていいことがあったのだと思います」



319: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:15:41.68 ID:Uz7rjUwx0


唯「私が来て数カ月しかたってませんが、あんな生き生きとした梓を見たことがありません」

澪「・・・」

唯「お願いです、梓の縁談を断ってください!!!」

澪「なぜ私が・・・」

唯「澪様しかいないからです・・・!」

澪「違う者だって・・・」

唯「梓を止められるのは澪様しかいません。お願いです、お願いです・・・!!!!」

澪「・・・」

唯「うっうう・・・」



322: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:22:08.56 ID:Uz7rjUwx0


澪「いいか。お前だって私だって人の縁談を断るなんてできないんだぞ」

唯「それは分ってます」

澪「分ってないから言ってるんだろ」

唯「・・・」

澪「なぜお前は梓の縁談を止めたい」

唯「そ、それは友達だから・・・」

澪「友達・・・か。まぁいい。じゃあお前は友達の幸せを願えんのか?」

唯「え?」

澪「女の幸せは結婚だ。それに梓の身分じゃ今度の縁談相手は充分すぎるほどの金持ちだ。
  梓自身、いや、子孫にとってもいい環境になる。琴吹家の雑用のために産まれてきた家系から脱出できるんだ」

唯「それは・・・」

澪「本当に友達と思ってるなら・・・応援してやるんだな」



325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:23:41.22 ID:Uz7rjUwx0


律「・・・」

紬「あら?どうしたのりっちゃん。澪ちゃんの部屋の前で・・・」

律「え!?あ、!!な、なんでもない!!」だっ

紬「?」

・・・

律「つい立ち聞きしちまったけど・・・」

律「あいつがあんな風に思ってるなんてな・・・」



326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:27:54.28 ID:Uz7rjUwx0

縁談当日

梓「婆さん、10年間・・・いえ、婆さんには産まれてきてからずっとお世話になりました。ほんとに・・・ありがとうございました」

婆「そうね。・・・貴方は私の娘みたいなものでした。私こそ本当にありがとうね」

梓「うっ・・・婆さん・・・」

婆「貴方なら平気ですよ。・・・ほら、早く行きなさい」

梓「・・・はい」

婆「・・・」

ガチャ

婆「うっ・・・」ぐす



329: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:31:35.25 ID:Uz7rjUwx0



屋敷内廊下

梓「あ・・・」

澪「・・・」

梓「み、澪様!おはようございます!」

澪「ああ」

梓「・・・」

澪「そうか、今日か」

梓「・・・はい、今までお世話になりました」

澪「・・・」

梓「私、澪様の専属使用人になれて本当にうれしかったんです。
  辛いことはたくさんありました。けど・・・」

澪「・・・」

梓「私、澪様の事が好きでした。本当はずっともっとお傍にいたかったのですけど・・・無理みたいですね」



330: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:33:49.11 ID:Uz7rjUwx0

澪「梓・・・」

梓「ずっとお傍でお世話したかったです・・・。それだけが悔やまれます」

澪「・・・」

梓「あ、ご、ごめんなさい!!私如きが何をしゃべって・・・」

澪「・・・」

梓「それでは・・・澪様お元気で」タッ

澪「・・・梓」



333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:37:52.20 ID:Uz7rjUwx0


唯「ほんとにやるんですか!?」

律「あったりまえだ!私は梓の結婚なんて許さない!!」

唯「け、けど・・・!」

律「きっと父上がやってることはお金に絡んでる。あの人は人の幸せなんて望んだことがない」

唯「え?」

律「お金にしか興味ないんだよ。汚い奴だ、ほんと」

唯「・・・」

律「私はあんな奴のため、お金のために梓を利用されたくないんだ!!」

唯「律様・・・」

律「だから・・・」

唯「分りました!!協力します!!」



334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:44:13.62 ID:Uz7rjUwx0


旦那「いやー、今日はよろしくお願いしますぞ」

中将「こちらこそ。しっかし、琴吹家から縁談の申し込みがあるとは思ってもみなかったですぞ」

旦那「はっはっは。そうですかな」

中将「使用人・・・ってのが気になりますがな」

旦那「ほう。なら養子にでも構いませんぞ」

中将「いや、今の時代、芸子と結婚する者もいますからな」

旦那「そう言っていただけると嬉しいです」




335: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:47:47.60 ID:Uz7rjUwx0


息子「んーんー!!!」

唯「り、律様、本当にこんなことしていいのですか?」

律「いいんだ!これも梓のため!」

息子「んーんー!(この縄を解け!!)」

律「何言ってるかわかんねーよ!ここで大人しくしてなっ!」バタン

唯「・・・律様ってすごいですね」

律「だろう!はっはっは、もっと褒め称えよ!!」

唯「すごい、すごいよー律さまああ!!」

律「あっはっはっは!!」





337: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 18:51:20.95 ID:Uz7rjUwx0


梓「失礼します」

旦那「おお来たか。入れ入れ」

梓「はい・・・」

中将「おお!なかなか可愛い娘ではないですか!我が息子も喜ぶことでしょう」

梓「・・・」

中将「しっかし我が息子は何をしているのだ。ずいぶん遅いな・・・」

律「貴方の息子さんは来ませんよ」

中将「!?」

旦那「律!?」

梓「り、律様!?」

律「この縁談、取りやめにして頂きます」



339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:01:55.84 ID:Uz7rjUwx0

旦那「な、なんだ急に!?」

律「父上、お金のために梓を利用しないでください!!」

旦那「なっ!!」

律「使用人まで金の繋ぎにするなんて最低だ!!」

中将「い、いったい・・・」

澪「私からもお願いします」

律「み、澪!?」

梓「!!」

旦那「み、澪、お前・・・!」



340: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:07:29.93 ID:Uz7rjUwx0

澪「父上のやりたいことは丸見えですよ」

旦那「なっ」

澪「中将の息子様と結婚させれば、軍からの援助がもらえますものね」

梓「・・・」

澪「私たちを嫁にださなかったのは秋山家、田井中家の援助が途切れるから。紬に関しては可愛くて手放したくはなかったのでしょう。
  だから残るは使用人の梓」

旦那「ふっふっふ、使用人如きに何熱くなっておる、澪」

澪「熱くなっておりません。ただ梓はこの仕事を続けたいと言ってます。梓は私の専属使用人です。
  私の断りなく話を進められては困りますよ」

旦那「琴吹家の主は私だぞ?」

澪「けど梓は私の使用人です」



348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:16:16.81 ID:Uz7rjUwx0

旦那「使用人なんていくらでも代わりがいるであろう?」

澪「そうですね、腐るほどいます。けど」

旦那「けど」

澪「私は我儘でおかしな人間です。そんな世話をできるのは梓しかいませんから」

梓「み、澪さま・・・」

澪「あと父上。中将ぐらいで満足しておるのですか?軍の援助が必要なら大将ぐらいの階級は必要かと」

旦那「はっはっは、それもそうだな」

澪「中将の息子様の出世を期待されてたのなら、あれはダメですよ」

中将「なっ!?」

澪「女子にやられては日本の未来など任せられません」




350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:17:24.21 ID:Uz7rjUwx0

律「・・・・」

中将「貴様、何を!?」

澪「貴方の息子なら地下でお眠りでしょう」

中将「!?こ、これはいったい・・・」

旦那「縁談は取りやめですな、中将殿」

中将「なっ!!」

旦那「澪がここまで言うのだから、仕方ないな」

紬「そうですわね」

旦那「紬!」



353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:22:47.46 ID:Uz7rjUwx0


紬「澪ちゃんがここまで使用人に熱い方だと知らなかったわあ」

澪「別にそんなこと」

紬「確かに梓を手放すのはもったいないわ。琴吹家でできる使用人って梓しかいないもの」

旦那「ふむ」

中将「ちょ、っちょっと・・・」

旦那「ではそういうことです中将殿」

中将「あ、待って・・・!!」





355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:25:39.99 ID:Uz7rjUwx0

紬「澪ちゃん・・・」

澪「・・・」

紬「貴方が何やるかは勝手だけど、琴吹家に泥を塗ることはしないでくださる?」

澪「・・・」

紬「秋山家なんて琴吹家がいなければ何もできないんだから」

澪「・・・」

紬「今回の件は父上にうまく言っておくけど、次はないわよ」

澪「わかってる」

紬「・・・琴吹家の恥が」




361: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:29:19.17 ID:Uz7rjUwx0

紬「ふふ、なんてね♪ あ、りっちゃーん!」

律「ムギー!どうしてお前がここにいるんだよー!」

紬「りっちゃんのことだからここにいるんじゃないかなーって!もう、私を置いてくなんて酷いじゃない!」

律「ははは、すまん」

紬「ふふふ、私りっちゃんのためなら何でもするわよー?」

律「それは助かる!」

紬「遠慮なく言ってよね、ふふ」


唯「(梓ちゃんの縁談がなくなってよかった・・・!!)」



365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:33:39.91 ID:Uz7rjUwx0

梓「あ、あのお待ちください、澪様!!」

澪「誰に命令してる」

梓「あ、す、すみません・・」

澪「・・・。よかったのか、これで」

梓「え?」

澪「縁談」

梓「はい!!!これで仕事が続けられます!!澪様のおかげです!!」

澪「別に私は」

梓「まさか澪様が来られると思いませんでした。・・・夢みたいです」



366: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:38:58.49 ID:Uz7rjUwx0


澪「お前は私に言った。ずっと私の傍で世話ができないのが悔やむって」

梓「あ・・・」

澪「もちろん私の世話をずっとなんて無理な話だ。けどな・・・」

梓「・・・」

澪「悔やみながら嫁がれてもいい気はしないんだよ」

梓「澪様・・・」

澪「いつかまた縁談の話が舞い込んでくるだろう。それまで自分が納得できるよう頑張るんだな」

梓「は、はい・・!!」

澪「帰るぞ」

梓「はい!!お荷物お持ちします!!」

澪「うむ」



368: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:42:37.71 ID:Uz7rjUwx0

・・・

和「最近あんた変わったわね」

澪「そうか?」

和「なんか・・・人間らしくなったというか」

澪「失礼だな。私は元々人間だぞ」

和「ふふ、それは失礼しました。・・・澪の専属人使用人が梓でよかったわ」

澪「なぜそこで梓の名前がでる」

和「きっと梓がいなければ、澪は変わらなかった」

澪「・・・」

和「感謝しなさいよ。使用人としても人間としても、あんなできた子はいないわよ」

澪「・・・そうだな」

和「え?」

澪「なんでもない!」





369: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:46:32.67 ID:Uz7rjUwx0

・・・

唯「おかーさん、お父さん、憂、お元気ですか、私は・・・」

純「煩いほどお元気です」

唯「うわっ!!」

純「なーに?実家にお手紙?」

唯「か、勝手に見ないでよお!」

純「ははは、ごめんてばー」

唯「うー」





370: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:50:24.97 ID:Uz7rjUwx0

数十分後

唯「よしできた!」

純「おめでとー、今から出しに行くの?」

唯「うん!」

純「じゃあ街でお菓子でも買ってきてよー。おなか減った」

唯「えー、じゃあ純ちゃんも一緒に行こうよー」

純「私はやることがあるからね。さ、行った行った!」

唯「もー!」

・・・

紬「あら?唯じゃない」

唯「あ、紬様!こんにちは!」

紬「こんにちはー。あら、お手紙?」

唯「はい!実家に出そうと思って」

紬「ふふ、いいわね。あ、じゃあ私が出してきてあげる!」

唯「え?!」



373: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 19:59:37.42 ID:Uz7rjUwx0

紬「今から私、街に用があるの。だからそのついでにね」

唯「そ、そんなの悪いです!!」

紬「いいのいいの!唯にもやることいっぱいあるんじゃない?」

唯「うっ・・・」

紬「遠慮しないで」

唯「じゃ、じゃあよろしくお願いします・・・」

紬「まかせてー!」

・・・

純「あれ、ずいぶん早いね」

唯「紬様が手紙出してきてくれるって」

純「はぁ!?」

唯「やっぱりまずいよね・・・」

純「まずいわよ!!私のお菓子どうなるのよおお!?」

唯「そこ!?」




376: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:03:29.35 ID:Uz7rjUwx0

車内


紬「・・・使用人のお仕事は大変だけど、みんな優しくてこれからもがんばれそうです・・・ぷぷぷ!
  なにこれ!これが貧乏民の手紙なのね!!つまんないのー!!」

紬「はー、もっと面白いと思って見てみたけど、ヒマつぶしにもならなかったわ」

紬「あ、これ捨てといて」

運転手「はい」



378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:04:49.37 ID:Uz7rjUwx0

・・・

律「うー寒い!」

運転手「そうでございますか?今日は温かい気がしますが」

律「そうかー!?あ、おい、なんか紙ない?」

運転手「紙、でございますか?」

律「そうそう、鼻水が・・・」

運転手「え!?あ、そうださっき紬様から貰った紙が」

律「おっ!ってこれほんとに紙だな!ま、今はそんなこと言ってられないか!」ちーん!

律「・・・あーすっきりした。・・・ってこれ手紙じゃね!?」

運転手「ええ、紬様がいらないとおっしゃたので後で処分する予定でしたが」

律「あいつが手紙・・・?」

律「って、これ!!!差出人が唯じゃねぇか!!」

律「紬のやつまたこういうこと・・・」

律「んにしても・・・鼻水まみれにしちまったぜ。どうすっかな・・・」



380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:08:19.41 ID:Uz7rjUwx0

律「へーっくしゅん!」

唯「あ、律様!おかえりなさいませ!」

律「あ、ああ」

唯「どうしました?顔が赤いですが・・・」

律「そうかー?」

唯「ちょっと失礼しますね。・・・あ!あつ!律様熱がありますよ!!」

律「どうりでダルいと思ったぜ・・・」

唯「部屋までご案内しますね」

律「頼むよ」

律「(手紙を鼻水まみれにしちまたってこと・・・どうすっかな)」



381: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:11:23.26 ID:Uz7rjUwx0

律部屋

唯「ではおかゆを作ってきますね」

律「ああ・・・」

唯「では失礼します」

律「あ、待って」

唯「はい?」

律「最近ここいらで郵便事故が多発してるんだよ」

唯「郵便事故・・・でございますか?」

律「そうそう。よく配達人が襲われ、郵便物が奪われるんだ」

唯「物騒ですね・・・けどなんのために」

律「さ、さあそれは私にはわかんねぇけど!と、とにかく手紙は今は出さない方がいいぜ!」



385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:16:23.13 ID:Uz7rjUwx0

唯「は、はあ・・・けど今日出しちゃいました!!」

律「おー本当か。・・・そ、そういやあ今日も郵便事故があったらしいぜ」

唯「そうなのですか!?」

律「あ、ああ」

唯「私の手紙が混ざってなければいいけど・・・、けどそれなら届かないと思っておいた方がいいですね」

律「そ、そうだな」

唯「私、学校もろくに行けなかったので文字書きが苦手で・・・。そっか、書き直しかー」

律「・・・」

律「(悪いことしちまったな・・・)」




386: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:21:32.90 ID:Uz7rjUwx0

純「郵便事故ー?」

唯「うん。律様が言ってた」

純「そんな事件聞いたことないけど・・・。まぁ律様が言うんだからそうなんでしょうね」

唯「うーん・・・」


・・・

紬「りっちゃんー、風邪平気ー?」

律「ああムギか・・・」

紬「これ、お薬よ。すぐ効くわ」

律「ああ、ありがとな」

紬「どういたしまして」

律「・・・ムギ」

紬「なぁに?」



388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:23:53.80 ID:Uz7rjUwx0

律「人の手紙を見るなんて悪趣味だぞ」

紬「あら、知ってたの?」

律「やっぱお前なんだな・・・」

紬「やだー怒んないでよぉ。ちょっと興味があっただけ」

律「それが悪趣味っていうんだ」

紬「反省してまーす」

律「はぁ・・・」




389: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:26:43.51 ID:Uz7rjUwx0


唯「律様、おかゆをお持ちしました」

律「入れ」

唯「失礼します・・・、あ、紬様!」

紬「こんばんはー」

唯「こんばんは!あ、あのさっきは手紙ありがとうございました!」

紬「ふふふ、いいのよー!届くといいわね」

唯「はい!・・・あ、けど最近郵便事故が多発してるらしくて・・・」

律「わーーーーー!!!!!ゆ、唯!早くおかゆをくれ!!飢え死にそうだ!!」

唯「え!?あ、はい!!」

律「(・・・たく)」



395: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:37:40.22 ID:Uz7rjUwx0

数日後


街にて

唯「ふー、お使いも終わったことだし、手紙出しに行こう!」

紬「あら、唯じゃない」

唯「あ、紬様!お買い物ですか?」

紬「そんなところね。唯はお使いかしら?」

唯「はい!」

紬「そう・・・あ、手紙?」

唯「そうなんです!あれから結構経ちましたけど返事もないので、やっぱ届いてなかったんだな、と」

紬「それは残念ね」

唯「はい。けど律様から綺麗な便箋を頂きました」

紬「律ちゃんから?」



396: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:39:09.63 ID:Uz7rjUwx0

唯「はい、これです」

紬「・・・・・」

唯「つ、紬様?」

紬「あ、ごめんなさい。用を思い出したわ。行くわね」

唯「え?あ、はい!お気をつけて!」


紬「(なんであんな子にあの便箋が・・・!!!)」



398: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:40:54.70 ID:Uz7rjUwx0

屋敷内

紬「ちょっと、律ちゃんいる!?」

使用人「律様ならお部屋に・・・」

紬「・・・」

使用人「どうしたのかしら、あんなにあわてて・・・」


バタン

紬「りっちゃん!!あれはどういうことよ!!!」

律「うわ、び、びっくりしたあ!急に開けるなよ!」

紬「どうして私があげた便箋をあの子にあげるの!?」



400: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:44:16.82 ID:Uz7rjUwx0

律「便箋・・・?ああ、あれか」

紬「酷いじゃない・・・!」

律「だって私、手紙書かないし・・・それに書いてもあんな綺麗な便箋使うキャラじゃねぇだろ・・・」

紬「それでも私はりっちゃんに持っていてほしかった・・・!!」

律「便箋だって使ってもらった方が幸せだろ」

紬「便箋に幸せもないわよ!!それになんであんな子にあげるの!?」

律「あんな子って・・・唯のことか」

紬「そうよ!!!使用人のくせに、あんな代物似合わないわよ!!」

律「んなことねぇだろ、それにお前が手紙捨てるから・・・」

紬「もう知らない!!」

律「あ、おい!!」

バタン



401: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:50:34.91 ID:Uz7rjUwx0

使用人宿舎

唯「ふーいいお風呂だったー」

ガチャ


唯「・・・・え、なにこれ・・・」

梓「あ、唯さん!どうしたんですか、部屋の前で立ち止まって?」

唯「・・・」

梓「?」

唯「部屋が・・・」

梓「部屋?・・・え」

梓「なにこれ、部屋が荒らされてる・・・」





404: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 20:54:13.83 ID:Uz7rjUwx0


唯「・・・」

梓「どういうことですかこれ!?ま、まさか泥棒!?」

使用人1「クスクス」

使用人2「やーね、廊下で大声出しちゃって。みっともなーい」

梓「!?」

使用人1「ってなにこの部屋?きたなー」

使用人2「唯さんってだらしない方だと思ってたけどここまでとはね・・・呆れた」

唯「わ、私じゃないよ・・・」

使用人1「ふふふ」

梓「・・・何か知ってますね?」

使用人2「知らないわよ。あ、もしかして疑ってるの?」

梓「・・・」



405: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:03:45.00 ID:Uz7rjUwx0

使用人1「梓さん、最初で最後の忠告よ。唯さんから離れなさい」

梓「はぁ?」

使用人2「忠告はしたわ。・・・いきましょ」

使用人1「ええ。それでは失礼」

唯「・・・どういうこと」

梓「と、とにかく部屋片付けましょう!」

唯「う、うん・・・」

梓「(何が起きてるの・・・)」



407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:06:01.19 ID:Uz7rjUwx0

朝・食堂

唯「(昨日はなんだったんだろ・・。って今は旦那さま達の食事の準備!)」

使用人1「えい」

唯「え、うわあああ!!!」

ばしゃあああああん

紬「きゃっ!!」

唯「いたた・・・ってあああ!!」

紬「・・・冷たい」

唯「ご、ご、ごめんなさい!!すみません!!!あああどうしよう」

梓「な、なにやってるですか!?紬様タオルを・・・!」

紬「ありがとう・・・」

唯「あう・・・」




409: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:06:55.51 ID:Uz7rjUwx0

使用人1「クスクス」



澪「お前は人に水をかけるのが好きなのか」

唯「み、澪様・・・」

澪「ふん」

唯「・・・すみません」

律「おはよー!って紬!?どうしたんだよ、その有様は・・・」

紬「水、かけられちゃった・・・・」

律「かけられた?」

唯「も、申し訳ございません・・・!わ、私が躓いて、それで・・・!」

律「あはは!朝からやってくれたなー!カレーじゃなくてよかったな!」

紬「そういう問題じゃないでしょう!」

律「ほら、ついていってやるから着替えようぜ」

紬「うん・・・」




410: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:10:31.63 ID:Uz7rjUwx0

唯「わ、私も・・・!」

紬「着いてこないで!!!」

唯「ひっ」

律「おいおい、そんな怒鳴んなくても・・・ごめんな唯」

唯「い、いえ・・・」

使用人1「クスクス、嫌われちゃったわね~」

使用人2「解雇ね、あんなことやっちゃえば解雇よ」

唯「・・・」

澪「・・・」




412: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:12:28.17 ID:Uz7rjUwx0

紬部屋


紬「最悪!!!もう最悪よおお!!」

律「お、落ちけって」

紬「落ち付けるわけないじゃない!ああ、貴重な朝の時間が!」

律「はぁ・・・」

紬「あの子、全然使えないわね!!」

律「ちょっと失敗しただけじゃねぇか・・・」

紬「ちょっとお!?この私に水をかけたのよ!解雇よ、解雇!!」

律「・・・昨日、唯の部屋が荒らされたそうだ」

紬「それが何・・・!」

律「私はお前が絡んでるとみてる」

紬「はぁ!?」



414: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:13:29.09 ID:Uz7rjUwx0

紬「なんで私が!?」

律「違うのか?」

紬「違うわよ、なんで私が!!!」

律「なら信じるぞ」

紬「え、ええ、いいわよ」

律「・・・わかった」

紬「・・・」




415: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:16:57.79 ID:Uz7rjUwx0

澪部屋

梓「今日のご帰宅時間は?」

澪「5時ごろかな。・・・そうだ」

梓「はい?」

澪「唯に言っておいてくれ」

梓「ゆ、唯にですか?(澪様が唯の名前覚えた・・・)」

澪「紬には気をつけろ、って」

梓「・・・紬様にですか?」

澪「ああ」

梓「もしかして・・・」

澪「理由はわからないが、・・・とにかく気をつけろ」

梓「はい・・・」



418: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:19:49.58 ID:Uz7rjUwx0

使用人1「あのさーそこにいたら邪魔なんだけど」

唯「邪魔って・・、私ここの掃除担当だし・・」

使用人1「なに、口答えするの?」

唯「別にそんなつもりじゃ・・・」

梓「何してるですか」

使用人1「あ、梓・・・」

梓「唯さん、ここは充分綺麗になりました。他のところの掃除頼みます」

唯「え?あ、うん」

梓「行きましょう」

唯「う、うん」

使用人1「・・・・ちっ」



420: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:22:17.25 ID:Uz7rjUwx0

梓「唯さん・・・」

唯「ん?」

梓「私は唯さんの味方です」

唯「え?あ、ありがとう」

梓「辞めないでください」

唯「え?ど、どうしたの急に」

梓「私と約束してください。使用人を辞めないと」

唯「う、うん?いいけど・・・ほんとどうしたの?」

梓「約束ですよ!?」

唯「うん!?」

梓「・・・」



422: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:25:29.63 ID:Uz7rjUwx0

数日後


使用人1「どきなさいよ、のろま」

使用人2「ひどーい、そこまで言わなくたっていいじゃないー」

唯「・・・」

使用人1・2「クスクス」

紬「・・・唯」

唯「あ、つ、紬様!」

紬「相変わらず失敗続き?」

唯「あ、・・・は、はい・・・」

紬「・・・辞めれば?」

唯「え?」





427: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:36:18.77 ID:Uz7rjUwx0



紬「使用人に失敗は許されない・・・知ってるわよね?」

唯「はい・・・」

紬「貴方がここに来て数カ月。進歩した?」

唯「・・・す、少しは」

紬「すこしねー。私に水かけといて進歩したっていうのかしら?」

唯「うっ・・・」

紬「辞めなさいよ」

唯「・・・」

紬「辞めないの?」

唯「辞めたくないです」

紬「そう、なら仕方ないわね」



428: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:38:07.05 ID:Uz7rjUwx0

紬「梓を解雇するわ」

唯「・・・え?」

紬「聞こえなかったの?貴方が辞めないなら、代わりに梓を辞めさせます」

唯「え、え!?ど、どうしてそうなるんですか!?」

紬「貴方が辞めないからよ」

唯「そんな・・・」

紬「梓も可哀想ねー。あんたなんかの為に辞めさせられるんだから」

唯「梓は関係ない・・・」

紬「梓を辞めさせたくないならあんたが辞めることね」

唯「・・・」

紬「あんたの代わりなんていくらでもいるのよ」



431: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:41:30.96 ID:Uz7rjUwx0

婆「辞める!?」

唯「はい・・・」

婆「ど、どうして急に・・・」

唯「・・・」

婆「何かあったのですか?」

唯「・・・いえ」

婆「・・・決めたのですか?」

唯「はい・・・」

婆「・・・・そうですか。貴方が決めたのなら私は止めることはできません」

唯「お世話になりました・・・失礼します」


バタン

婆「・・・」



434: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:46:48.80 ID:Uz7rjUwx0

純「やめる!?」

唯「うん・・・」

純「な、なんで!?どうしたのよ急に!?」

唯「・・・」

純「何かあったの!?ここまで順調に来たじゃない!どうしちゃったのよ!!」

唯「理由は言えない」

純「はぁ!?」

唯「言えないの・・・。うぅっ・・・」

純「ど、どうしちゃったのよ唯ぃ・・・」

唯「うっうう、ふぇっ・・・」



438: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:49:10.69 ID:Uz7rjUwx0

数日後


婆「今日は皆さんにお知らせ・・・残念なお知らせがあります」

梓「(あれ、唯さんがいない・・・寝坊!?)」

婆「実は今日、」

梓「婆さん!唯さんが、」

婆「唯さんが使用人を辞めました」

梓「・・・え?」

使用人1・2「くすくす」

梓「そ、そんな・・・意味がわからない・・・」

純「・・・梓、あんた聞いてなかったの?!」

梓「え?」



440: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:52:21.54 ID:Uz7rjUwx0

婆「梓はちょっと来なさい。他のものは掃除を始めること。解散」

一同「はい!」

婆「梓・・」

梓「は、はい・・・(ゆ、唯さん・・・!?)」


婆「唯さんから辞める話は聞いていましたか?」

梓「・・・」

婆「その様子だと聞いてなかったみたいですね・・・」

梓「ほ、本当にやめたんですか!?」

婆「はい。・・・理由は言いませんでした」

梓「え?」

婆「辞める理由が分らないのです。仕事も順調に覚えていったのに」

梓「・・・」



444: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:54:17.38 ID:Uz7rjUwx0

婆「私も何がなんだか・・・・」

梓「・・・」

婆「と、とにかくもう澪様が起きれる時間です。行きなさい」

梓「ゆ、唯さん・・・」

婆「梓!」

梓「は、はい!」

婆「気持ちはわかりますが・・・、貴方は使用人です。気持ちを切り替えなさい」

梓「は、はい・・・。(気持ちを切り替えろったって・・・)」

梓「(あの時の約束は嘘だったの?唯さん・・・)」




447: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:57:03.66 ID:Uz7rjUwx0

梓「澪様、起床のお時間になりました」

澪「ああ・・・」

梓「・・・」

澪「どうした、今日は一段と暗いな」

梓「は!も、申し訳ございません・・・」

澪「・・・」

梓「・・・」

澪「何かあったのか?」

梓「・・・いえ」

澪「あったんだな」

梓「ないです・・・」

澪「言え」

梓「けど・・・」

澪「言え。命令だぞ」



448: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 21:58:39.56 ID:Uz7rjUwx0


梓「・・・唯が使用人を辞めました」

澪「辞めた?」

梓「はい・・・」

澪「なんでだ」

梓「理由が分らないのです。婆さまも知らないみたいです」

澪「・・・」

梓「私、唯と約束したんです。絶対使用人をやめないって。なのになのに・・・」

澪「・・・」




451: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:01:18.70 ID:Uz7rjUwx0

食堂

律「唯が辞めた!?」

使用人「はい・・・」

律「なんで!?」

使用人「さ、さあ・・・それは私には」

律「婆!なんで辞めたんだよ!」

婆「さあ。私も理由は聞いていません」

律「はぁ!?理由なしに辞めたのか?!」

婆「そうなりますね・・・」

律「ど、どうなって・・・」

紬「あらー、唯辞めちゃったのー?」



454: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:05:14.12 ID:Uz7rjUwx0

律「ムギ・・・」

紬「残念ねー、せっかくお仕事覚えたのにぃ」

律「・・・」

紬「何よ」

律「いや・・・」

紬「さ、ごはんごはーん♪」

澪「・・・おい律」

律「澪・・・」

澪「話がある。食後、私の部屋に来い」

律「?あ、ああわかった」



457: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:08:52.72 ID:Uz7rjUwx0

澪部屋

律「・・・相変わらず、可愛い部屋だな・・・」

澪「う、煩い!!!今はそんなことどうでもいい!」

律「はいはい・・・・で、話ってなんだ」

澪「・・・唯が辞めた件だ」

律「・・・」

澪「私はあいつがほんのそこらで辞める奴だとは思ってない」

律「認めてるのか?」

澪「なぜそうなる。・・・まぁ根性だけは認めてやる。私に水をかけても辞めなかったしな」

律「あーそんなこともございましたね・・・」



458: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:13:22.90 ID:Uz7rjUwx0

澪「そんなことはどうでもいい」

律「いいんだ」

澪「・・・紬か」

律「・・・」

澪「私はこの件に紬が絡んでると思ってる」

律「・・・」

澪「お前はどう思う」

律「そうだな・・・。そう思いたくはないが」

澪「けどどうして・・・」

律「水かけちゃったのが悪かったか?」

澪「それもあると思うが・・・」



460: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:16:11.90 ID:Uz7rjUwx0




澪「紬が絡んでるとすれば律も絡んでる」

律「はぁ!?な、なんで私が・・・!」

澪「あいつが怒ることと言えば全部律関係じゃないか」

律「・・・」

澪「唯が何か律にやったか・・・」

律「?」

澪「律が唯に何かやったか・・・」

律「はぁ!?」

梓「お話中申し訳ございません。澪様、そろそろお支度の時間ですよ」

澪「ああ・・・、じゃあ律、話はまたあとで」

律「あ、ああ・・・」



462: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:18:25.57 ID:Uz7rjUwx0

梓「・・・」

澪「唯が辞めた理由・・分るか?」

梓「いえ」

澪「私はあいつがちょっとしたことで辞めるとは思ってない。梓もそう思うだろ?」

梓「はい」

澪「私が見る限り、唯は他の使用人にいじめられてたみたいだな」

梓「・・・」

澪「紬に水をかけた時あるだろ。あれは他の使用人が唯に足を引っ掛けたからだ」

梓「そんな!」

澪「あいつ自身鈍感みたいだから気付いてなかったみたいだが・・・」

梓「・・・そんな」



464: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:20:03.69 ID:Uz7rjUwx0

澪「けどあいつはいじめぐらいで挫ける奴じゃないと思ってる」

梓「・・・」

澪「いじめられても・・・梓、お前はずっと唯の傍にいたんだろ?」

梓「はい」

澪「あいつは一人じゃなかった・・・。それにさっき言ったな・・・。
  使用人を辞めない約束をしたって」

梓「はい・・・」

澪「ならあいつはいじめぐらいで辞めないよ。きっと他に理由がある」

梓「他の理由とは・・・」

澪「紬だ」

梓「つ、紬様ですか」




465: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:22:18.03 ID:Uz7rjUwx0

澪「私の考えすぎではなければな」

梓「・・・」

澪「まぁいい。今の話は律と私、そして梓しか知らない。誰にも言うなよ」

梓「分ってます」

澪「・・・」




466: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:25:04.90 ID:Uz7rjUwx0

純「梓・・・」

梓「純ちゃん・・・」

純「唯、辞めちゃったね・・・」

梓「う、うん・・・」

純「まさか梓に辞めること言わないで行くなんて・・・。私てっきり・・・」

梓「・・・」

純「梓なら理由を知ってるとおもったんだけど・・・」

梓「純ちゃんは知ってたの?辞めること」

純「うん。辞める数日前に言われた」

梓「そう・・・(私信用されてなかったのかな)」




468: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:26:20.27 ID:Uz7rjUwx0

純「あ、そうだ・・」

梓「なに?」

純「唯が言ってたの。『大事な人を傷つけたくない』って」

梓「大事な、人・・・?」

純「うん。詳しく聞いても何も言わなかったんだけど・・・」

梓「・・・」



472: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:31:22.49 ID:Uz7rjUwx0

屋敷外

梓「澪様」

澪「なんだ」

梓「唯が他の使用人に、『大事な人を傷つけたくない』と言って辞めたらしいです」

澪「・・・大事な人」

梓「もう何がなんだか・・・」

澪「・・・梓、お前に3日間の休暇を与える」

梓「え?」

澪「唯を迎えに行って来い」

梓「え、え!?」

澪「これぐらいあれば足りるだろう。菓子一つぐらい持って行ってやれ」

梓「え!?み、澪様、これはどういうことでしょうか・・・?!」



476: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:36:18.11 ID:Uz7rjUwx0

澪「私の推測が間違ってなければこれでいいはず」

梓「澪様・・・?」

澪「婆には私から言っておく。ほら、行け」

梓「は、はい!?」ダッ


紬「・・・澪ちゃん、あなたいつからそんな使用人に優しくなったの?」

澪「・・・」

紬「前は使用人なんてゴミだとか言ってたくせに」

澪「黙れ」

紬「そういえば最近梓に優しくなったわよねー。何かあったのかしら」

澪「お前には関係ないだろ」

紬「ふふふ」



480: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:39:13.70 ID:Uz7rjUwx0

澪「そんなことより・・・」

紬「なに?」

澪「お前はほんと汚いな」

紬「今までのあなたにそんなこと言われたくないのだけど」

澪「・・・」


・・・

純「どうしたの!?そんな慌てて!」

梓「今から唯の家に行ってくる!!」

純「ふーん、・・・ってえええええ!?」

梓「澪様命令なのおお!」

純「い、意味がわからない・・・!!」

梓「それは私のセリフだよおお!」




482: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:42:41.34 ID:Uz7rjUwx0

婆「唯の実家に行くですって!?」

梓「はい。澪様命令で・・・」

婆「・・・そうですか。いいでしょう」

梓「え?」

婆「どうしたのですか。ほら、これが唯の住所ですよ」

梓「・・・あっさり許してくださるのですね」

婆「唯もあたなと同じ不思議な子です。失敗は多いですが、人を惹きつけるような・・・。
  とにかく私は唯が辞める理由を知りたいのです。それだけです」

梓「・・・」

婆「必ず連れて帰ってくるのですよ」

梓「は、はい!!」




483: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:44:58.37 ID:Uz7rjUwx0

律「梓を唯の家に向かわせた?」

澪「ああ。私の推測が間違ってなければ・・・、そして梓がうまくやってくれれば戻ってくるだろう」

律「唯が?」

澪「多分な」

律「・・・どうしてそこまでやるんだ?」

澪「使用人にどうしてそこまでするってことか?」

律「ああ」

澪「私もびっくりだよ」

律「・・・」

澪「けど、嫌なんだ。梓が暗い顔をしてるのが・・・」





485: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:47:41.89 ID:Uz7rjUwx0

澪「別に唯が辞めるのはどうでもいい。あいつぐらいの使用人なんていくらでもいるからな」

律「・・・」

澪「けど、梓が・・・って何を話してるんだ私は!!」

律「ぷっ・・・あはは!」

澪「な、何がおかしいんだよ!!」

律「ほーんとお前変ったよな!なんつーか、見なおしたよ」

澪「う、うるさい!」

律「あとは・・・紬だけか」





489: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:51:22.13 ID:Uz7rjUwx0



母「もー、いきなり使用人の仕事を辞めて帰ってきたと思ったら・・・、ほらゴロゴロしてないで畑の仕事でも手伝いなさい!」

唯「んー・・・」

憂「おかーさん!いいじゃない、ちょっとぐらい!畑の仕事は私がやるから!」

母「あんまり甘やかしちゃダメよー。あ、そうだ、ちょっと出かけてくるわね」

憂「うん。いってらっしゃーい・・・」

唯「・・・」

憂「おねーちゃん、私、おねーちゃんが戻ってきてくれて嬉しいよ」

唯「うん・・・」

憂「おねーちゃんは頑張ったよ・・・。何があったかは知らないけど、当分はゆっくりするといいよ」

唯「ありがと、憂・・・」





492: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:57:19.16 ID:Uz7rjUwx0

?「ごめんくださいー!」

憂「ん?お客さんだ!ちょっと行ってくるね」

唯「うん・・・」

唯「(ああ、私辞めちゃったのか・・・
   これでいいんだよね、これで・・・)」

憂「おねーちゃんにお客さんだけど・・・」

唯「え?私に?」

憂「中野 梓さんって方なんだけど」

唯「え?!あ、梓ちゃん!?」




496: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 22:59:04.56 ID:Uz7rjUwx0

ダダダッ


唯「あ、梓ちゃん!!?」

梓「こんにちは」

唯「こ、こんにちは。・・・ってえええ!?」

梓「びっくりしました?」

唯「そりゃ、もう・・・心臓が痛いです」

梓「ふふ、それはよかった」

唯「???」

梓「話があります」




499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:01:50.28 ID:Uz7rjUwx0




梓「・・・」

唯「・・・」

梓「どうして辞めたんですか」

唯「・・・」

梓「どうして辞めること、私に言ってくれなかったんですか!?」

唯「ご、ごめん・・・」

梓「私すごくショックだったんですよ・・・」

唯「梓ちゃん・・・」



504: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:05:58.69 ID:Uz7rjUwx0

梓「それに、約束したじゃないですか・・・。使用人を辞めないって・・・」

唯「・・・」

梓「もしかして忘れてました?」

唯「忘れるわけないじゃん!!!!その約束のおかげで今まで続けて・・・」

梓「ならどうして!!!」

唯「言えない・・・」

梓「なんで言えないんですか!?」

唯「言えないものは言えないの!」

梓「うっ・・・ひくっ・・・」

唯「あ、梓ちゃん!?」




511: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:09:05.82 ID:Uz7rjUwx0

梓「私は数か月の間に唯さんを友達と思ってました・・・!けど唯さんは違ったみたいですね」

唯「そんなこと・・・!」

梓「唯さんは私のこと友達と思ってますか?」

唯「当たり前じゃん!!梓ちゃんがいなかったら私とっくに辞めてたよ・・・!」

梓「今、唯さんは使用人じゃないです。私と唯さんの関係はただの友達関係です」

唯「うん」

梓「友達と思ってくれてるなら・・・辞めた理由教えてください」

唯「・・・うん」



513: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:10:28.47 ID:Uz7rjUwx0

唯「・・・あのね」

梓「はい」

唯「紬様に・・・」

梓「紬様・・・?(やっぱり絡んでたのか?!)」

唯「辞めろって言われたの」

梓「・・・それで辞めたのですか?」

唯「違う」

梓「じゃあ・・・」

唯「私が辞めなければ、梓ちゃんが辞めさせられちゃうって・・・」

梓「私が?」

唯「うん・・・」



520: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:16:52.09 ID:Uz7rjUwx0

梓「だから辞めたのですか?」

唯「うん・・・」

梓「・・・」

唯「あ、梓ちゃん・・」

梓「唯さんのばああああああああああああああああああああああああああか!!!!!!!!!!」

唯「え!?」

梓「そんなことで辞めちゃわないでくださいよ!!」

唯「そ、そんなことって・・・」

梓「私がそんなことで辞めるわけないでしょう?!」



521: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:19:08.52 ID:Uz7rjUwx0


唯「だって・・・」

梓「もし紬様が私を辞めさせようとしても澪様が止めてくれます!!!」

唯「み、澪様が・・・?」

梓「か、確信はないですけど、なんだか最近信用されてるというかなんというか・・・。
  う、自惚れてるわけじゃないですよ!?」

唯「う、うん」

梓「とにかく!紬様の脅しぐらいで折れる私じゃありません!!!」

唯「あ、梓ちゃん・・・」

梓「私の事もっと信用してくださいよ・・・」

唯「梓ちゃん・・・」

梓「約束破るわけないじゃないですか・・・」

唯「うん・・・ぐすっうっ」




526: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:22:27.65 ID:Uz7rjUwx0


梓「純に言ったんですね。『大事な人を失いたくない』って・・・」

唯「あ・・・うん・・・」

梓「大事な人って私でいいんですか?」

唯「うん」

梓「ふふ、嬉しいです…」

唯「へへ・・・///」

梓「で、もちろん帰ってきてくれるのですよね?」

唯「へ?」

梓「もう一度、使用人をやりますよね!?」

唯「で、でも・・・」






528: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:26:40.59 ID:Uz7rjUwx0

唯「辞めるって言っちゃったし、今さら・・・」

梓「唯さんに拒否権はないです」

唯「え!?」

梓「私、婆さんに連れ戻してこいって言われて来たんですよ。 
  たとえ辞めるとしても婆さんにきっちんと理由を言ってください。じゃないと辞めさせません」

唯「・・・」

梓「辞めたくないんでしょ?」

唯「・・・・」

梓「そうなんでしょ!?」

唯「辞めたくない!!ううっ・・・ッ 私、使用人の仕事続けたいよおお!!」

梓「ふふふ、鼻水が大変なことになってますよ」

唯「うっうう・・・」ちーん




530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:28:46.76 ID:Uz7rjUwx0



梓「戻りましょう」

唯「いいのかな・・・」

梓「もちろんです!ダメって言われたらそん時です!」

唯「そ、そんな・・・」

梓「嘘ですよ。私が必ず続けさせてやります!」

唯「うん・・・!あ、梓ちゃん・・・」

梓「はい?」

唯「本当にありがとう!!」

梓「ふふ、どういたしまして」


梓「・・・しかし困りましたね」

唯「どうしたの?」





534: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:31:45.21 ID:Uz7rjUwx0

梓「今日はもう帰りの電車がないみたいです。
  ここら辺に宿ありませんか?」

唯「宿・・・?あ、うん、あるよ!」

梓「本当ですか!よかったら案内してもらえると助かるのですが・・・」

唯「もちろんだよ!着いてきて!」

梓「はい!」

・・・

唯「ここだよー!」

梓「・・・ここ唯さんの家ですよね」

唯「そうでーす!」

梓「私は宿と・・!」

唯「今日は泊ってってよ!」






537: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:35:03.81 ID:Uz7rjUwx0

梓「え、でも・・!」

唯「いいからー!」

梓「ちょ、っちょっと・・・」

唯「ういー!お客さんだよー!」

憂「はいはーい!ってあれ、さっきの・・・」

唯「今日、泊らせるから」

憂「泊る?うん、別にいいけど?」

梓「ゆ、唯さん・・・!」

唯「いいから!ね、憂!」

憂「うん!おねーちゃんのお友達なら大歓迎ですよ!」

梓「うっあ・・・お、お世話になります・・・」



539: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:37:48.84 ID:Uz7rjUwx0

憂「そうそう、今日お父さんとお母さんが急用で隣町に行ったよ」

唯「ふーん」

憂「今日は帰って来ないって」

唯「えー!?みんなに梓ちゃんを紹介させようと思ったにー」

梓「ちょ、ちょっと!」

唯「大切な友達ができたって言いたかったなー・・・」

梓「・・・」

憂「ふふ、おねえちゃんをよろしくお願いします」

梓「え、あ?こ、こちらこそ・・・」



543: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:41:01.21 ID:Uz7rjUwx0

次の日


唯「それじゃあ憂!お母さんたちによろしくね!」

憂「もー、きっとお母さんたちびっくりすると思うよー?辞めて帰って来たと思ったら、また行くって・・・」

唯「へへ、ごめんごめん」

憂「ふふ、けどお姉ちゃんが続けた仕事が見つかってよかったよ」

唯「うん!」

憂「頑張ってね!!」

唯「うん!ありがとう、憂!!」

ポーーーッ(汽車の音)



545: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:43:46.57 ID:Uz7rjUwx0

汽車内

唯「ほんとにこれでよかったのかな・・・」

梓「なんですか?まだ悩んでるんですか?」

唯「だって・・・」

梓「指きりしましょう!!」

唯「え?」

梓「いいから!!」

唯「え、あ!」

梓「指きりげんまん、嘘ついたらひゃくせんぼんのーます!指切った!っと」

唯「・・・」

梓「絶対使用人は辞めない!指きりしましたからね!」

唯「う、うん・・・!!!」




548: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:46:49.41 ID:Uz7rjUwx0

屋敷外


梓「ふぅ、帰ってきました・・・」

唯「・・・」

梓「ほら、顔あげて!!」

唯「う、うん・・・」


婆「・・・ゆ、唯!?」

唯「ば、婆さん!!」

婆「唯!!よかった、よかった!帰ってきてくれたのですね!!」

唯「はい!!心配かけてすみませんでした・・・!」

婆「本当ですよ・・・!けど、ほんと、ほんとによかった・・・!」




551: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:49:02.77 ID:Uz7rjUwx0

婆「もちろん続けるために帰って来たのですよね?」

唯「はい・・・!」

婆「よろしい。さっそく荷物を片付けなさい」

唯「はい!!」


使用人宿舎


梓「良かったですね、怒られなくて」

唯「うん!見つかった時は心臓止まったけど」

梓「ふふ」

使用人1「あれ?なんであんたがいるのよ・・・」




560: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:53:28.83 ID:Uz7rjUwx0

使用人2「辞めたんじゃないの!?」

使用人1「あんたが入ってきていい・・・」

唯「また使用人を続けることにしました。よろしくお願いします!!」

使用人1・2「はぁ!?」

唯「負けないから」

使用人1・2「なっ!!!」

梓「あんた達がどんだけ卑怯なことしてきても挫けないから」

使用人1「あ、梓!あんた何こんな奴のことかばって・・・!」

梓「唯は私の友達です!!!友達に酷いことしたら許さないから!!!!」

使用人1「ひっ」

使用人2「い、行こう」

使用人1「う、うん・・・」ダッ




562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:55:35.67 ID:Uz7rjUwx0

唯「あ、梓ちゃん・・・」

梓「はーーーすっきりした!!」

唯「ごめんね、ありがとう・・・!」

梓「ま、あいつらがこれで止めるとは思いませんから。一緒に頑張りましょ!」

唯「うん!!」




564: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:57:30.07 ID:Uz7rjUwx0

澪「何?2人が帰ってきた?」

婆「はい。先ほど帰って参りました。今部屋の片づけをしているところです。もう少し経ったらこちらへ来るでしょう」

澪「そ、そっか・・・。ってなんで私に報告する!」

婆「いえ、一番心配していると思っていたので・・・」

澪「な、なわけないだろ!」

婆「そうですか?」

澪「そうだ!!たくっ・・・(よかった)」



569: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/28(木) 23:59:49.24 ID:Uz7rjUwx0

澪部屋


梓「澪様!入ってもよろしいでしょうか?」

澪「入れ」

梓「失礼します・・・」

唯「失礼します」

澪「・・・連れて帰ってきたんだな」

梓「はい!澪様のおかげです!!澪様が行ってこいと言ってくれなかったら私・・・!」

唯「え、澪様が言ったの?!」

澪「ば、ばかか!!そんな言うわけ・・・!!」

梓「本当にありがとうございます!!!」

澪「・・・あ、ああ・・・」



570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:03:41.11 ID:lmrf9IM30

紬「・・・誰が帰ってきていいって言ったのよ」

唯「つ、紬様・・・」

紬「なんで戻ってきたの?」

唯「続けたいからです」

紬「なに、あなたはこの仕事が天職だと思ってるわけ?」

唯「そんなことは思ってません・・・!けど今はこの仕事を続けたいんです!!」

紬「私は許さないわよ」

唯「紬様!!!」

紬「絶対嫌だから!!!」



575: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:06:42.46 ID:lmrf9IM30

律「いい加減にしろよムギ」

紬「り、りっちゃん!?」

唯「律様?!」

律「唯おかえり、それとごめんな・・・」

唯「た、ただいまです・・え、あ、どうして律様が謝るのですか?」

律「全ての原因は私にある。・・・ムギごめんな」

紬「!!」

律「私が唯にお前から貰った便箋をあげてしまったのが気に入らなかったんだろ?」

紬「・・・」

律「やっぱりな・・・はぁ」



578: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:10:25.41 ID:lmrf9IM30

律「たく、しょーもない」

紬「しょーもないって・・・!!!」

律「しょーもないだろうが!!!!どうして私たちの問題に唯を巻き込む!?」

紬「だ、だってりっちゃんがコイツに便箋を・・・!」

律「なら私を怨めばいいだろう!?当る相手が間違ってるんだよ!!!」

紬「だ、だって!」

律「だってもクソもねぇよ!!」

紬「うっ・・・」

律「いいか・・・、お前のやり方は汚い。私がいっちばん嫌いな陰湿な最低な行為だ」

紬「うぅ・・・」



585: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:14:39.08 ID:lmrf9IM30

律「澪だって変われた。ならお前だって変われるよ」

紬「変わる・・・?」

律「その最低最悪な根性、私が叩き直してやるよ!!!」

紬「ひっ!!」

澪「だ、だから私は変わってなど・・・」

律「謝れ」

紬「え?」

律「唯に謝れ。酷いことしてごめんなさいって」

紬「なっ!!ど、どうして使用人にこの私が・・・!!」

律「使用人だって人間なんだよ!!たとえ身分が違えど、人間は人間だろ!?」

紬「人間!?笑わせないでよ!!!使用人が人間なわけ・・・!」



593: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:27:01.34 ID:lmrf9IM30

パァアアアン

紬「いたっ!!!」

律「いい加減にしろ!!!」

紬「な、なによおお、この私をひっぱ叩くなんて・・・!!」

唯「紬様・・・」

紬「なによ!!あんたは引っ込んでなさいよ!!」

唯「ごめんなさい・・・」

紬「はぁ!?」

唯「私が全て悪いんです」

紬「そうよ、何もかもあんたが悪いのよ!!!!」

唯「だから、チャンスをください」

紬「チャンス!?」



594: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:28:17.35 ID:lmrf9IM30

唯「もう一度、使用人として頑張って見せます」

紬「なっ、な・・・」

唯「私、まだこの仕事続けたいのです!!お願いします!!チャンスをください!!」

紬「あんた何を言って・・・」

唯「使用人が紬様に何を言ってるってことですよね!分ってます!けど、けど私はこの仕事を・・・!」

梓「私からもお願いします!!!チャンスをください!!!」

紬「な、なによ梓まで・・・!」

澪「じゃー私からも」

紬「はぁ?!澪まで・・・!!!」

律「じゃあ私も」

紬「律!?」

紬「な、なんなのよ一体・・・!!!」



598: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:33:10.19 ID:lmrf9IM30

紬「こ、これじゃ私一人が悪者じゃない!!たかが使用人如きに何みんなで・・・!」

律「たかが使用人か。使用人がいなけりゃ何もできないお嬢様がよく言うぜ」

紬「なっ!!」

律「もう少し使用人の気持ち・・・考えてみろよ」

紬「っ!!も、もう好きにすればいいじゃない!!!どうなったって知らないから!!!」ダッ

唯「あっ・・・!!」

律「ふー・・・」

唯「り、律様・・・」

律「好きにしろだって。あいつはどうだか知らんが、チャンスをくれたと思っていいんじゃないのか?」

唯「い、いいのかな・・・」

澪「好きにしろって言ったんだからいいんじゃないのか」

梓「そうですよ!よかったですね!唯さん!!」

唯「う、うん!!」




600: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:34:57.69 ID:lmrf9IM30

梓「これからもずっとずっと一緒に頑張っていきましょうね!!」

唯「うん!!」

梓「約束忘れないでくださいよ!?」

唯「もちろんだよ!!」


・・・

『お母さん、お父さん、憂へ
 
みなさんお元気ですか?私は皆から煩いといわれるほど元気にしてます。
この前は色々ごめんなさい。けどやっぱり今の仕事を続けたかったのです。
今では戻ってきてよかったと思います。後悔はありません。
まだ失敗は多いし、迷惑ばかりかけちゃってるけど、けど今の仕事がすごく楽しいです。

大切な友達もできました。今度の正月には連れていきますね。

それではまた』

唯「ふぅ・・・」

純「それしか書かないのー?」

唯「うわ!!!」




603: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:36:50.42 ID:lmrf9IM30

純「そんな驚かないでよー」

唯「きゅ、急に出てきたら驚くよ!!!」

純「ふふ。で、その大切な友達って私のことでしょうねー?」

唯「うん!」

純「・・・え!?」

唯「え?」

純「そ、そうなの?」

唯「そうだけど。あ、あと梓ちゃんね」

純「そ、そう・・・(大切な友達だったんだ、私・・・)」



604: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/10/29(金) 00:37:35.31 ID:lmrf9IM30

唯「正月空けといてね!」

純「う、うん。って何勝手に決めてんのよ!!」

唯「へへー。あ、嫌だった?」

純「べ、別に嫌じゃ・・・」

唯「あ、お掃除の時間だ!いこーっと!」

純「ちょ、っちょっと人の話を!!」

唯「いこっ、純ちゃん!」

純「う、し、仕方ないわね!」

唯「よーし、今日も琴吹家の皆さんのため、いっぱい尽くすぞーー!」


END


元スレ
唯「今日から琴吹家の使用人になる!」