1: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 22:51:37.82 ID:gH7FCdPu.net
栞子(二つの玉が飛んでいる)
栞子(街灯の灯りに照らされて、夏の暑さに揺らぐ陽炎の下をゆっくりと、ゆっくりと二つの玉が……)
栞子(飛んでいくそれに対峙しているのは、一人の女学生だった。ピンクと赤の入り混じった髪色をし、端には団子を結わえた彼女は、息切れを起こすこともなく静かに笑っていました)
「虹ヶ咲の子、だよね?」
栞子(女学生は言う。笑うように、歌うように言う)
「生徒会の子だっけ? 出入りしてるだけだったかな? 見たことあるよ」
栞子(その女学生の下半身は裸だった。飛んでいる玉は酔っ払いの金玉だった)
栞子(それが私と、上原歩夢との──オナニーバトルとの出逢いでした)
2: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 22:52:22.00 ID:gH7FCdPu.net
ーーー
ーー
ー
栞子(その日は良い事なんて一つも無かった。テストはケアレスミスで満点を逃し、体育の授業では転んで恥をかき)
栞子(その上……)
酔っ払い「あれぇ……お姉ちゃんいいおっぱいしてるねぇ! いいおっぱいをしている女はねぇ、いい女だよぉ!?」
栞子「離れてください……大声出しますよ」
栞子(帰り道では酔っ払いに絡まれる)
酔っ払い「大声を出すのはいけない。婦女子が出していいのは嬌声だけだ」
栞子「嬌声も路上で出してはいけませんよ!?」
栞子(ああ、もう。恥ずかしいけど大声を出すしかありません。そう思って、大きく息を吸い込んだところで)
「あの……その子、嫌がってると思います」
栞子(背後から、そんな声が聞こえました)
酔っ払い「あぁん!?」
栞子(私と酔っ払いが振り向いたのはほぼ同時でした。酔っ払いは怒りを込めて、私は救いの祈りを込めて)
栞子(そこにいたのは、私とさほど年の変わらぬ少女でした。どう見ても酔っ払いに対抗できる人材とは思えない上、どことなく小動物のような雰囲気すらある)
「嫌がってる……よね?」
栞子「は、はい……嫌です。酒臭いですし、気持ち悪いです……」
酔っ払い「ふ、ふざけやがって……! 女性に絡むようなお前はこの世に存在する適性がありません、くたばれだと!?」
栞子(そこまでは言ってない)
「酔ってるからって女の子にくだ巻いちゃ駄目ですよ。ほら、こっちに……」
酔っ払い「許さねぇ!」
栞子「……っ!?」
栞子(酔っ払いの腕がグッと引かれ、次の瞬間には硬く握られた拳が眼前へと迫っていた。武道を歩む者ならば皆最初に其れを習う、謂わば正拳突きだ)
栞子(腕力だけで振られたものではない。足の捌き方が絶妙で、力の移動が上手い。腰を回して打っている)
栞子(顔に向かうそれを庇おうとし、気付く──違和感。右腕は顔面を狙っている、では左腕は何処だ)
栞子(心の臓を守る為に胸に付ける者、腹の横で握る者は多いが──その何方にも左手は存在していない。左手は右手のデコイに隠されるように、腹へと向かっていた)
栞子(山突きと呼ばれている技だ。顔を殴られそうになれば、自然人間は其方へと集中する。そうしてガードもされていない緩んだ腹に、左手で突きを打ち込む)
栞子(しかし、気付いたところで両方を守る術は無い。最早両の拳を受け止めるだけの時間は私には残されていない、やってくる痛みに怯えて私は目を塞ぐ)
「……やぁっ!!」
酔っ払い「がぁっ!?」
栞子(予想した痛みは、顔面にも腹部にもやっては来なかった。代わりに聞こえてきたのは威勢のいい叫び声と、酔っ払いの悲鳴)
栞子「え……?」
栞子(目を開ける。二つの玉が飛んでいた)
栞子(少女は下腹部を露出し、酔っ払いもまた履いていたズボンが裂け破れ、チンチンと金玉を露出していました。その赤黒いことといったら!)
栞子「ち、チンチンが射精を!?」
栞子(そして何より、男は吹き飛びながら射精をしていた。白濁した液体がコンクリートを汚し黒いシミを付ける)
酔っ払い「ぐ、あ……?」ビュルルッ
「虹ヶ咲の子だよね? 今のうちに逃げよっ!」
栞子(パンツを履き直しながら、少女は言いました。男は何が起こったか分からないと言いたげに射精していた)
「怖いよね……あの辺あんな人が出るんだ」
栞子(走って逃げながら、誰に言うでもなく少女が呟く。規則正しく手足を動かしながらも、私の頭の中は混乱に満ちていました)
栞子(何故酔っ払いは吹き飛んだ? 何故射精していた? この少女は何故パンツを脱いでいた?)
栞子(……と、考えたところで。まだお礼を言っていないことに気付きました)
栞子「あ、あの! 助けていただき、ありがとうございます! 本当に怖くて……」
「そうだよねぇ、酔っ払いは怖いよね。もうあのルートは通らない方がいいかもね」
栞子「虹ヶ咲学園の先輩ですよね? 私は一年生の三船栞子と申します。お名前は……」
「私? 私の名前は……」
歩夢「上原歩夢。虹ヶ咲学園オナニーバトル同好会所属の二年生だよ」
栞子「お、オナニーバトル?」
歩夢「あれ? オナニーバトル知らないの?」
栞子「聞いたこともないです……有名なのですか?」
歩夢「全世界で流行ってるスポーツだし、女子高生は皆一度は嗜んだことがあるって言ってもいいくるいだよ?」
歩夢「逆説的に言えばオナニーバトルをしたことがないと女子高生とは言えないよ」
栞子「そんな……!」
栞子(知らない間にそんなものが流行っていたなんて……このままでは姉さんに笑われてしまいます。姉さんは私を嘲笑うときいつも肛門を見せつける)
栞子(完璧主義の私は早速オナニーバトル同好会見学の約束を取り付け、歩夢さんと連絡先を交換した。明日の放課後が楽しみです)
ーーー
ーー
ー
栞子「まだかな……あ、歩夢さん!」
歩夢「ごめんごめん栞子ちゃん、ちょっと待たせちゃったかな?」
歩夢「幼馴染の子がメッセージを既読スルーしてね。むっと来たから1500件メッセージ送ったの」
栞子「なるほど、怖いですね」
栞子「それでオナニーバトル同好会は……」
歩夢「案内するね、こっちだよ!」
栞子(辿り着いたオナニーバトル同好会の同好会室は、思っていたような性的な雰囲気は無く普通の教室だった)
栞子(流しそうめん同好会やBB先輩劇場同好会などと比べると、むしろ普通すぎて拍子抜けしたくらいです)
栞子「あの、ここでオナニーバトルを?」
歩夢「ここは着替えとかミーティングがメインかな。競技練習は屋上や体育館でやることが多いよ」
栞子「競技練習……ところで、そもそもオナニーバトルとはどういったものなのですか? 未だに字面から想像が出来ないのですが」
歩夢「ああ、そっか。まずはそこからだもんね」
歩夢「ホワイトボードで説明してもいいけど……多分見てもらった方が早いんじゃないかな? もう皆集まってるだろうし」
歩夢「ちょっと待っててね……っと」
栞子(言いながら歩夢さんは制服を脱ぎ出す。艶めかしい引き締まった身体に、思わず私は目を逸らした。フェロモンでも出ているのか、顔が赤くなってしまう)
栞子(酔っ払いもいいおっぱいしてる女はいい女と言っていましたが、確かにこれはいいおっぱい。虹ヶ咲史編纂同好会に頼んで、虹ヶ咲史に加えてもらいたいほどのおっぱいです)
歩夢「あはは、女同士なんだから照れなくてもいいのに。栞子ちゃんも体操服持ってたら着替えて?」
栞子「は、はい……持ってます、丁度体育があったので」
栞子(汗で湿った体操服に再度身体を通すのは嫌だったが、歩夢さんに言われては仕方ない)
栞子「くんくん……それほど匂いは無い」
栞子(不快臭もしないから大丈夫だとは思いますが……もしストレッチに参加して、と言われて密着することになったら気まずい)
栞子(体操服に着替えた後、歩夢さん──何故か彼女はブルマを履いていた──が向かったのは、果たして屋上だった)
栞子(今日の体育館は『スラ○ダンクの名シーンを再現してインスタにあげる同好会』が使用していますし、屋上しかないとは思っていたんです)
愛「歩夢ーっ! 遅かったじゃん! あれ、そっちの子は……」
栞子「あ、私は……」
愛「三船栞子ちゃんだっけ、一年生の。確か入学式で挨拶したよね、入学試験を主席で突破したとかなんとかで!」
栞子「は、はい!」
栞子(まさか覚えている人がいるなんて……あんな挨拶、誰も聞いていないと思ってたのに)
愛「ステーキ奢ってあげよっか。しゅせーきだけに、なんちゃって!」
栞子「は?」
愛「私は宮下愛、よろしくねしおってぃー!」
栞子「し、しおってぃ? あの……」
歩夢「愛ちゃん、栞子ちゃんはオナニーバトルの見学に来たんだよ」
愛「そうなの? オナニーバトルはとっても楽しいよ! 楽しんでってくれたらいいな!」
栞子(見学とかオナニーバトルとか以前に、私が何をしに来たかも分かっていない状況であだ名を……? まさかこれが世に聞く『根明ギャル』ですか?)
かすみ「あれ、しお子?」
栞子「かすみさん? 何故ここに……まさかあなたも?」
栞子(同級生の中須かすみさんです。彼女は体操服を着ていたので、まさか、なんて言う必要はありませんでした)
かすみ「そういうしお子こそ。オナニーバトルとか興味ないと思ってたのに」
栞子「興味があるかないかは別として、知りたくて来たんです。オナニーバトルとは何なのですか?」
かすみ「えっ!? しお子、オナニーバトル知らないの!?」
かすみ「歩夢先輩が連れてきたんですよねぇ……? 今は即戦力が欲しいのに、なんで素人を……?」
歩夢「いやー……あはは。ちょっとした縁でね」
栞子「昨日、酔っ払いに絡まれているところを助けてもらったんです。助けて、というか、酔っ払いが射精したというか……」
かすみ「歩夢先輩、また路上でバトルしたんですかぁ!?」
栞子(路上でバトル……?)
歩夢「し、仕方なかったんだよ。酔っ払いが栞子ちゃんを殴ろうとしたから咄嗟に……」
かすみ「慣れてない人とバトルすると危険なんですからね、もう……」
栞子「もしかして、昨日の男性が射精していたのはオナニーバトルをしたからなんですか?」
歩夢「正確には私が強制的にバトルに引き込んだ、ってのが正しいかな。……あ!」
栞子(不意に歩夢さんが大きな声を出して、屋上の真ん中を指差しました。示された先を見て、私は)
栞子(息を呑みました)
しずく「はぁ……はぁ……!」クチュクチュ
せつ菜「うぉぉぉぉぉっ! 負けませんよっ!」クチュクチュ
栞子(屋上の真ん中では、マンコを露出した二人の女子生徒が一心不乱に己の股をこすり上げていました)
栞子「こ、これは……?」
歩夢「せつ菜ちゃんとしずくちゃんのバトルだよ! 同好会の中でもハイレベルな二人だから、きっと見応えあると思うよ!」
栞子「は、ハイレベルと言われましても……」
しずく「くっ……このままでは……」
せつ菜「切り札は早めに切っておくべきでしたね……『せつ菜☆スカーレットストーム』!」クチュクチュ
栞子(瞬間、せつ菜と呼ばれた少女の右腕が赤いオーラに包まれる。あれは炎……?)
しずく「……いえ、それを待っていたんですよ! 演じる! 『せつ菜☆スカーレットストーム』!」
栞子(ほぼ同時にしずくさんの腕も赤いオーラに包まれました。奇しくも同じ技……? いや、違う。クリトリスを弾く指のスピードも、穴を刺激する指使いも全て同じ……!?)
愛「おっ、前の会内バトルより腕上げたね。前は50パーもコピー出来たらいい方だったのに」
かすみ「しずくさんの実家は女優をやってるらしいですからねぇ。あの構えが自然体なんですよ」
栞子「しかしオナニーをしているだけにしか見えませんが……どこがバトルなのですか? 美しさを競う、バレエのようなものなのですか……?」
かすみ「えっ!? そこから!?」
歩夢「ご、ごめんね。説明するの忘れてたね」
栞子(私が変な奴扱いされていますね……全世界で流行っているスポーツを知らないのですから、仕方ないかもしれませんが。野球ってどうプレイするの、と言われたら私も困惑しますし)
歩夢「えっとね、二人が腕に巻いてるバンドが見えるかな」
栞子「ええっと……はい。黒いバンドを巻いています」
歩夢「あの黒いバンドの中には、オナニーバトル用のチップが入ってるんだ。あれを手首に巻いてオナニーすると、自分がオナニーで得た快感がバトル相手に移動するの」
栞子「い、移動?」
歩夢「えっと……つまりこういうこと」
栞子(言うなり、歩夢さんは手を股にやる。その手首には黒いバンドが巻かれていて──)
栞子(──青、だった。私は青い空を見ていた。頭の中がクラクラとする、肉体が内側から掻き回されたようで、上手く身体を動かす事ができない)
栞子(誰かが私を覗き込んで心配そうに何か言っている。向こうで怒られているのは歩夢さんだろうか、かすみさんのぎゃあぎゃあと怒鳴る声が鼓膜を揺らす)
栞子(体操服がビチョビチョに濡れている。漏らしたのだろうか)
栞子(いや、これが──そうか。この掌にあるものが──絶頂か。私は無様にも屋上でアヘ顔を晒してイっている)
歩夢「ごめんね……ま、まさかこんなことになるとは……」
かすみ「歩夢さんは強すぎるんですよ! いつも言ってるじゃないですかぁ!!」
栞子(だから昨日、酔っ払いが吹っ飛んだんですか。納得すると同時に、私の意識は途切れました)
栞子「……んかぁっ!?」
栞子(目覚めると、私は日陰に寝かされていました。身体には心地よい快感の余韻が残っていました。汗やイキ汁は拭いてくれたのでしょう、体操服も新しい誰かのものになっています)
歩夢「あ……目、覚めたんだね。ごめんね……」
栞子「歩夢さん……?」
歩夢「知ってもらおうと思って焦って……思わずコネクトしちゃったんだ。こんなことになると思わなかった、って言えば言い訳になるかもしれないけど……」
歩夢「ごめんね、オナニーバトル……嫌いになっちゃったよね……」
栞子(歩夢さんの横顔はとても寂しそうに見えました。確かに……あれほどの強烈な力を見せられて、怯えていないと言えば嘘になります)
栞子(けれど、けれど私は)
栞子「歩夢さん……」
歩夢「……うん」
栞子「入部届、用意してください。正式にオナニーバトル同好会に入部します」
歩夢「うん、そうだよね……って、え!?」
栞子「オナニーバトル同好会に入る、と言ったんです」
栞子(私は、思ってしまったんです)
栞子(この人を……上原歩夢を倒したいと。私を無様に床に這いつくばらせたこの人を、アヘ顔でイキ狂わせてみたいと!)
歩夢「し……栞子ちゃーんっ!」ギュッ
栞子「わわっ!? 歩夢さん!?」
栞子(抱き着かれました……恥ずかしいです)
栞子(しかし、こんな強い人がいるということは虹ヶ咲はきっと強豪……どんな努力をしてでもレギュラーの座を勝ち取ってみせます!)
栞子(待っててください、歩夢さん!)
歩夢「ありがとうね……栞子ちゃん! これで……これで……」
栞子「これで……?」
歩夢「無事、フルメンバーで夏の地方大会に出ることが出来るよ!」
栞子「……」
栞子「……」
栞子「……」
栞子「えっ?」
ーーー
ーー
ー
歩夢「それじゃ改めまして……入部おめでとう栞子ちゃん!」パーンッ
かすみ「何はともあれ公式戦に出ることが出来そうでよかったですねぇ」パーンッ
栞子「あ、あはは……」
歩夢「一先ずは自己紹介かな? 私は上原歩夢、オナニーバトル同好会の部長だよ。一年生から順番に自己紹介してもらっていいかな?」
二年生 上原歩夢
かすみ「クラス同じだけど……かすみんは中須かすみ。かすみんって呼んでね」
一年生 中須かすみ
璃奈「私は天王寺璃奈、一年生。競技者じゃなくてマネージャー」
一年生 天王寺璃奈 マネージャー
しずく「同じく一年生の桜坂しずくです! このオナニーバトル同好会と演劇部を兼部してます」
一年生 桜坂しずく
愛「愛さんは二年の宮下愛! ってさっきも自己紹介したよね、しおってぃー! これからは同じバトラーとしてよろしくね!」
二年生 宮下愛
せつ菜「二年の優木せつ菜です!! これからよろしくお願いしますね、栞子さん!!」
栞子「……あれ? 何処かで会ったことあります……よね? 顔に見覚えがあるような……」
せつ菜「き、気のせいですよ!!!」
二年生 優木せつ菜
エマ「私はエマ・ヴェルデ。三年生だよ。スイスからオナニーバトルをする為に留学してきたんだ」
三年生 エマ・ヴェルデ
彼方「同じく三年の彼方ちゃんだぜー。家の事情で今はマネージャーやってるけど、元競技者だから質問あったら何でも聞いてねー」
三年生 近江彼方 マネージャー
栞子「三船栞子、一年生です。よろしくお願いします……三年生がいるのに、部長は歩夢さんなんですね」
歩夢「あはは……自分で言うのも恥ずかしいけど、一番強い選手が部長やるべきだって言われちゃって」
歩夢「本当はあと一人三年生がいるんだけど、幽霊部員なんだ。オナニーは肌に悪いし、モデルをしてるから裸を見せたくないって……仕方ないんだけどね」
彼方「いやー、けど良かったよ。栞子ちゃん入らなかったら彼方ちゃんが選手登録しなきゃならなかったからね」
せつ菜「彼方さんはご家庭のこともありますし、全国大会に毎日出るというのは無理ですしね!! 地方大会勝ったところで棄権です!!」
栞子「えっと、もう一人の……璃奈さんが出るというのは駄目なんですか?」
璃奈「私はルール違反だから」
栞子「ルール違反?」
璃奈「不感症」
栞子「あっ……なるほど。失礼なことを聞いてしまいました……」
璃奈「いいよ。裏方として愛さん達の役に立てるから、楽しい」
栞子「けれど……大丈夫なんでしょうか? 私はオナニーバトルのこともろくに知らないのに、大会なんて」
歩夢「じゃあ、栞子ちゃんに詳しく説明しよっか。大まかには分かってくれたよね?」
栞子「バンドを嵌めて、オナニー技術を駆使して相手をイかせる競技ということは分かりました」
しずく「そうです、そうです。試合では先に相手とバンドで繋がり──競技用語でコネクトと言います──五回イかせた選手の勝ちなんですよ」
しずく「コネクトするターゲットは視線で捉えている相手に定まります」
栞子「五回、ですか……」
栞子(一度イっただけでも失神するほどの快感が身を襲ったというのに、それが五回も……中々ヘビーな競技ですね)
エマ「試合はダブルス2、ダブルス1、シングルス3、シングルス2、シングルス1と分けられてるんだ。先に三本先取したチームの勝ち!」
栞子「……? テニスの話ですか?」
エマ「オナニーバトルの話だよ?」
エマ「ダブルスとシングルスがあるんだよ、オナニーにも!」
栞子「そういうものですか……納得しました!」
愛「ダブルスが二組、シングルスが三人の計七人がチームになるんだ。マネージャーが二人で、幽霊部員が一人いるでしょ? だからしおってぃーが入って丁度なわけ」
かすみ「道具の持ち込み、使用は自由。後は特に難しいルールもなくて、イかせた方の勝ち」
栞子「意外と簡単なんですね、オナニーバトル」
かすみ「そう見える?」
栞子(……いや、違う。難しいルールがないということは、逆に言えば『どんな勝ち筋もある』ということだ)
栞子(単純故に難しい。むしろ詰めれば詰めるほど奥深いスポーツなのでは……?)
彼方「ま、難しいことは考えなくていいぜ。地方大会までに基本を覚えるくらいで」
栞子「基本……! 練習ですね!」
栞子(何はともあれ。ここから私のオナニーバトル道が始まるんです! 私にオナニーバトルの適性があるかどうか、見極めさせてもらいますよ!)
オイッチニー
サンシー
オイッチニー
サンシー
イーチニー
イッチニーサンシー
栞子(……と意気込んだのに。最初は何をやるのかと思いきや、体力を付けるための走り込みでした)
栞子(というかオナニーバトルでもやるんですね、基礎練)
かすみ「当たり前でしょ、オナニーバトルは体力使うんだから」
栞子「かすみさん」
かすみ「かすみん。しお子も歩夢さんにイかされて分かってるでしょ、体力が無いと一発でノックダウンされちゃうって」
かすみ「意識が飛んだらカウントなんて関係なく、その場で負けなんだから。オナニーバトルであれなんであれ体力が基本だよ」
栞子「分かりました……」
栞子(しかし随分長い間走っていますが……いつ頃終わるんでしょうか。汗が止まりません)
栞子(他の皆は何故こんなに涼しい顔をしているのでしょうか……)
歩夢「栞子ちゃん大丈夫? キツいなら少し休む?」タッタッタッ
栞子「だ、大丈夫です……」
栞子(わざわざ速度を下げて私のことを見に来てくれるなんて……歩夢さん達に迷惑はかけられません。もう三キロ近く走ってるんだから、そろそろ終わりでしょうし)
歩夢「けど後十七キロはあるよ? アップのランニングは二十キロだから」
栞子「にじゅ!?」
栞子(す、涼しい顔をしてる筈です! 後六倍近く走るなんて!)
歩夢「厳しいなら休んでいいから、ね?」
栞子「……分かりました。お気遣いありがとうございます」
栞子(……とは言われたものの)
栞子(この同好会で一番オナニーに遅れているのは私です。二十キロ走れと言われたら二十キロ走る他に追い付く方法はありません)
かすみ「ふぅ……よし、二十キロ! ふぇーんエマせんぱーい、かすみん疲れちゃいましたよー!」ギュッ
エマ「あらあら、かすみちゃんったら甘えん坊さん。三年生になったらこれに加えて、両手両足に合わせて八十キログラムの重りを付けるんだよ」
かすみ「ふぇぇ……かすみんのかわいいボディがムキムキマッスルになっちゃいますよぉ」
歩夢「ふぅー……栞子ちゃんは?」タッタッタッ
かすみ「後方につけてたかすみんの、遥か後ろを走ってて……十キロ越えた辺りで見えなくなっちゃいました」
彼方「流石に新人に二十キロ走は無茶だよ。経験者のかすみちゃんやしずくちゃんでもヒーヒー言ってたのに」
しずく「流石に毎日走ってるから慣れましたけどね」
歩夢「迎えに行ってあげたほうがいいかな……?」
愛「んー……歩夢が優しいのはいいことだけど、それはやめたほうがいいかも」
愛「しおってぃー、先輩の練習時間を減らしちゃったって傷付きそうだし。それに何だかんだ根性ある子だと思うから、時間はかかっても走ってくるよ」
せつ菜「そうです!! きっとアイシの雪光くんのように!!! それに根性があれば東京マラソンだってぶっちぎりの一位取れるって千春くんの舎弟も言ってました!」ゴーッ
歩夢「根性って……今日入ったばかりなのに、分かるの?」
エマ「分かるよ。だって栞子ちゃんは歩夢ちゃんにイかされたんだよね?」
エマ「初めてが歩夢ちゃんで、それでも立ち上がってくる子が根性無いわけないよ」
歩夢「けど、何処かで倒れたりしてたら……」
璃奈「大丈夫」
歩夢「それは……?」
璃奈「押すと三船栞子の現在地を表示するボタン」
璃奈「虹ヶ咲のすぐ側まで来てる。ゆっくりだけど、動いてる」
愛「ちなみにこっちの機械は?」
璃奈「インスタントデスゲーム体験装置」
愛「壊せこんな物」ガシャンドカン
栞子「……」ゼーゼー
歩夢「栞子ちゃん……」
栞子「っは……おく、れました……二十キロ、完走です……」ゼーゼー
栞子「つぎ、の、れんしゅうは……」バタッ
歩夢「栞子ちゃん!!」
栞子「……」スースー
彼方「限界迎えて眠っちゃったみたいだねぇ」
かすみ「初めての二十キロ走ですからねぇ。走り切れただけ御の字ですよ」
せつ菜「タフという言葉は栞子さんの為にありますね!!」
歩夢「栞子ちゃん……頑張ったね」ナデナデ
彼方「頑張ったのはいいけど、実際問題どうする? 基本技覚えても栞子ちゃんじゃ体力が足りないよ」
彼方「地方大会……来週だぜ? メンバー登録はギリギリ間に合ったけど……」
歩夢「……」
ーーー
ーー
ー
地方大会当日
栞子(つ、ついに来ました! 公式戦!)
栞子(まさか一週間で試合に出ることになるとは思いませんでしたが……ひたすら頑張るだけです!)ムフー
愛「ほら、歩夢気合い入れて気合い!」
歩夢「き、気合い? えっと……四回勝てば全国大会! 皆、頑張ろうね!」
オーッ!
栞子「四回ということは、出場校は十六校ですか?」
彼方「そ。まぁこの地方は学校多いから、一日で終わらせる為に別の場所でも試合やってるんだけどね」
彼方「後、歩夢ちゃんは四回って言ったけど正しくは三回ね。上位二校が全国出場だから、準決勝勝った時点で全国行きのチケット貰いー」
栞子「緊張してるんですかね、歩夢さん……」
彼方「じゃないかな。先輩が抜けて人数足りなくなったし、試合は去年の夏ぶりだから」
栞子(ほぼ一年ブランクあるじゃないですか!)
璃奈「試合表貰ってきた」
栞子「ええと、一回戦の相手は……釜瀬高校ですか」
彼方「ありゃ。釜瀬引いちゃったか……音ノ木坂と負犬が向こうのブロックなのは幸いだけど」
栞子「負犬? 音ノ木坂?」
彼方「全国常連のオナニーバトルトップ高校だよ。このブロックだとほぼ毎年、釜瀬、負犬、音ノ木坂のどこか二校が全国行ってる」
栞子「強いところなんですね……」
璃奈「釜瀬高校の八楽礼ヤク選手はとんでもない。プロ顔負け」
栞子「かませ高校のやられやく……一回戦からそんなところと当たるなんて!」
歩夢「相手は釜瀬かぁ……よし、オーダー発表するよ」
歩夢「まずダブルス2、愛ちゃんとかすみちゃん」
愛「よーし! まずは一勝貰おうね、かすかす!」
かすみ「かすみんですぅ! エマ先輩が良かったのにぃ……」
歩夢「続いてダブルス1、エマさんとせつ菜ちゃん!」
エマ「うん、精一杯頑張るね」
せつ菜「うおおおおっ! 燃えてきましたっ!!」
栞子(ダブルスでは呼ばれませんでしたね……ということは、現状一番弱い私はシングルス3でしょうか)
栞子(全国常連の相手に何処までやれるか……)
歩夢「シングルス3、上原歩夢!」
栞子「……え?」
歩夢「続いてシングルス2、しずくちゃん!」
しずく「私がシングルス2ですか。ということは……」
歩夢「シングルス1、栞子ちゃん! 以上だよ、何か質問は?」
栞子「ま、待ってください! 何故私が大将なのですか!?」
栞子「シングルス1は一番強い選手が入るべきでは……!」
歩夢「……釜瀬以外だったら栞子ちゃんに、ダブルスでもシングルスでも入ってもらって経験積んでもらいたかったんだけどね」
歩夢「オナニーバトルは三本取った時点で試合終了なの。釜瀬の八楽礼ヤクには私でも勝てるか分からない……ダブルス二本とシングルス一本できっちり終わらせるしかない」
歩夢「もしダブルスか私が落ちた場合はしずくちゃんがトドメを刺してくれるし、ね。だから今回は、栞子ちゃんがシングルス1」
栞子「それは……」
栞子(ほんの少し、ずるい気がしました。けれどそれが戦略ならば仕方がないのかもしれません)
栞子「……分かりました。私がシングルス1ですね」
歩夢「ごめんね、二回戦は試合出来るようにオーダーするから」
ーー
ー
釜瀬ベンチ
ヤク「虹ヶ咲……聞いたこともないね」
釜瀬モブ「こんな無名校、私達の……ヤク部長の敵じゃありませんよ!」
ヤク「はっ……私まで回ってくるといいけどね」
ヤク「三ゲームで勝ち続けたら、音ノ木とやる前に身体が鈍っちまうよ」
ーー
ー
愛「ここで……っ!」クチュクチュ
かすみ「愛先輩、今です!」
栞子(自由に動く愛さんと、一見愛さんのリズムに乗るように見えて硬く膣イキを決めるかすみさん……敵としては厄介でしょうね)
5-1 虹ヶ咲ダブルス2勝利
せつ菜「うおおおおおっ! 『せつ菜☆スカーレットストーム』!」ギュオオオッ
エマ「最高潮の瞬間に……ぶつけるっ!」クチュッ
栞子(せつ菜さんは初日に見た、赤く燃え上がるオーラの技……あれは高速で動かすことによる摩擦で熱を発生させているとか。エマさんのサポートも絶妙ですね……)
5-3 虹ヶ咲ダブルス1勝利
「遅れちゃった……一回戦どうなってる? おー、三本取ってるか流石釜瀬……」
「あれ、釜瀬じゃなくて虹ヶ咲……? どこ、それ……?」
『なんということでしょうか! 大波乱です! 虹ヶ咲、シングルス3で試合を終わらせました! 全国常連釜瀬高校、まさかまさかの一回戦敗退!』
歩夢「ふぅ……ありがとうございました!」
釜瀬モブ「あり、がとう……ござい、ました……」
ヤク「……」
釜瀬モブ「ヤク部長……ごめん、なさい……」
釜瀬モブ「部長の最後の夏なのに……せ、先輩を試合に出すことも、わ、わたし……」ポロポロ
ヤク「……」スゥゥゥゥ
ヤク「そんな落ち込んだ顔見せるんじゃないよ、あんた達!!」
釜瀬モブ「!」
ヤク「この雪辱を、この悲しみを忘れるな! 私達は釜瀬! 最強の釜瀬だ! 来年こそは……きっと、全国に返り咲いてみせなっ!!」
釜瀬モブ「……っはい! ぶ、部長どこに……?」
ヤク「喉が乾いたのさ。飲み物買ってくるから、あんた達は二回戦の場所取りでもしてな」
栞子「まさか本当にシングルス3で終わらせてしまうとは……」
歩夢「作戦、バッチリ決まったね。かすみちゃんが結構怪しかったけど……」
かすみ「愛先輩が悪いんですよぉ! 私は右側の人狙うって言ったのに、合わせに来てくれないし!」
愛「愛さんは楽しい方にイくだけだもん。愛さんの戦法をもっと愛してよー」
エマ「やっぱりせつ菜ちゃんみたいにパワータイプだと、合わせやすくていいね」
栞子「……ううっ」ブルッ
栞子「と、トイレ行ってきます。緊張が解けたら一気に来ました……!」
彼方「トイレはそこ曲がってすぐだよー」
栞子「は、はい!」ダッ
栞子「ふぅ……」ジョボボボ
栞子(それにしても……八楽礼ヤク選手、凄い気迫でしたね。最後の夏ですか……それなのに、涙も見せず後輩を激励して)
栞子(せめて試合をさせてあげたかった。勝手な話ですが、そう思います……)
「う……」
栞子「!?」
栞子(この声……釜瀬のヤク選手?)
ヤク「ううぅっ……ヴぅぅ……」ポロポロ
ヤク「うぁぁぁっ……あぁぁ……」ポロポロ
栞子「っ……」ダッ
栞子(ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい。本当にごめんなさい。涙が出ない筈ないんです、悔しくないわけがないんです)
栞子(私がもっと強ければ、私がもっと鍛えていれば、私がもっとオナニーバトルを早く始めていれば……私なんかがシングルス1に来ることはなかったんです)
栞子(そうすれば、釜瀬高校もシングルス1まで回ったかもしれません。歩夢さんとヤク選手が熱い戦いを繰り広げて、勝っても負けても最高の思い出になったかもしれないのに)
栞子(せめて、試合をすることは出来たかもしれないのに──)
栞子「私は……無力です……」ポロポロ
栞子(その後も二回戦のメス豚高校、準決勝のオメ毛大学付属を打ち破り虹ヶ咲は勝ち進み全国への切符を手にしました)
栞子(私はその両方にそれぞれダブルス2、シングルス3で出場しましたが)
栞子「……」
栞子(結果はどちらも惨敗でした)
栞子(ダブルスではせつ菜さんの足を引っ張り2-5で破れ、シングルスでは相手をイかせることもできず0-5で負けました)
栞子「私……オナニーバトルの適性が無いんでしょうか」
彼方「初めてならそんなもんだぜ。彼方ちゃんも最初の一勝をあげるまでに随分時間がかかったしね」
彼方「全国までは時間がある。負けていった高校に恥じないように鍛え上げればいいんだよー」
ヤク『ヴぅぅ……あぁぁ……』ポロポロ
栞子「……はい」
決勝
歩夢「……地方大会決勝だね。正直、ここまで来れるなんて思ってなかったよ」
せつ菜「私は案外いけると思ってましたよ!! 競技をしたこともない新入部員が大会直前に入るのは、勝ちフラグですから!!!」
歩夢「あはは……じゃあオーダーを発表するね。ダブルスが」
「歩夢ちゃん」
歩夢「……!」
栞子(……音ノ木坂のウェア? 試合直前に一体……?)
歩夢「穂乃果ちゃん……久しぶりだね」
穂乃果「去年は虹ヶ咲が一回戦で負けちゃったから、話もろくに出来なかったしね。勝ち上がってくるの待ってたんだよ!」
栞子(歩夢さんの知り合い……?)
穂乃果「私、シングルス3だよ」
歩夢「え……?」
穂乃果「やろうよ、バトル。ずっとずっとずっと……待ってたんだから」
歩夢「……」
穂乃果「じゃあ、歩夢ちゃん。また試合で!」タッ
歩夢「あ……もう! 穂乃果ちゃん、いっつも自分勝手なんだから!」
栞子「……知り合い、なんですか?」
歩夢「あはは……中学が同じなんだ」
かすみ「あぁ、しお子は最近オナニーバトル知ったくらいだもんね。歩夢先輩のことも知らないか」
栞子「どういう意味です?」
かすみ「色々あるってこと」
歩夢「コホン……気を取り直してオーダー発表するよ」
歩夢「まずダブルス2、しずくちゃんとかすみちゃん」
かすみ「しず子と!?」
しずく「ダブルスですか!?」
歩夢「二人の動きを見てたんだけどね、しずくちゃんは試合だとシングルスよりもダブルス向きのオナニーをしてるなって思ったんだ」
歩夢「しずくちゃんは決定力はあるけどバランスに欠ける、かすみちゃんは硬く決める分決定力に欠ける。悪いところを補いあったら最強のダブルスになれるよ」
かすみ「そうですかね……?」
しずく「歩夢さんがそう言うなら……」
歩夢「ダブルス1。エマさんとせつ菜ちゃん、ここは鉄板だね」
エマ「よろしくね、せつ菜ちゃん」
せつ菜「ガンガンフィニッシュ決めてみせますよ!」
歩夢「シングルス3は……私、上原歩夢」
栞子「……」
歩夢「勝つつもりでいくけど、穂乃果ちゃんが出てくるとなると……正直危ないかもしれない。シングルス2は愛ちゃん、シングルス1は栞子ちゃんだよ」
歩夢「もし私が負けたら……その時はよろしくね」
愛「王者音ノ木坂相手に何処まで粘れるか、って感じだけどね……なんとか楽しんでみるよ」
栞子「わ、私も頑張ります!」
栞子(流石に回ってこない気がしますけどね……)
歩夢「じゃ、じゃあ皆! 全国目指して頑張ろーっ!」
オーッ!
璃奈「もう全国行き決まってるけど」
彼方「まぁまぁ、そういう心意気の方が気合入るってもんだよ」
歩夢「打倒音ノ木坂! いくよ皆!」
ダブルス2
「音ノ木!」「音ノ木!」「音ノ木!」
「勝つのは音ノ木!」「負けるの虹学!」
しずく「凄い声援……流石強豪校ですね」
かすみ「それにしても、しず子とダブルスやる事になるなんて思いもしなかったよ、それもぶっつけ本番で!」
しずく「こっちだってかすみさんとダブルスやるなんて……想像もしてません!」
「あれ? 喧嘩してるにゃ?」
しずく「っ!」
凛「駄目だよ、ダブルスは仲良くしなきゃ。ねー、真姫ちゃん」
星空凛 一年生
真姫「そうね」
西木野真姫 一年生
凛「真姫ちゃん?」
真姫「そうね」
凛「……見たか凛と真姫ちゃんの仲良しっぷり! 奇跡のマリアージュにゃ!」
かすみ「……」
しずく「……」
凛「えっ、いや本当に何怒ってるの? まさかさっき、真姫ちゃんのお弁当勝手に食べたから?」
凛「いや、真姫ちゃんのジュース飲んだからかもしれないにゃ……それとも昨日の放課後、二郎系ラーメンでマシマシ頼んで死にかけてる真姫ちゃん煽ったから?」
真姫「全部よ」
凛「全部ならしょうがないね」
凛「よしっ! バトルに集中するにゃ!」
かすみ(しゅ、集中出来ない!)
しずく(何ですかこのダブルス……!? お笑いコンビ!?)
かすみ「というか……貴女たちも一年生なんですよね」
真姫「そうよ。そっちこそオーダー表見て驚いたわ……レギュラーに一年生が三人も入ってるなんて。補欠も兼マネージャーだし……人がいないのね」
しずく「そっちだって一年生が二人じゃないですか……」
真姫「……ま、それはそうなんだけど」
凛「凛と真姫ちゃんの場合はさぁ」
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
クチュッ!
しずく「くっ……!?」
かすみ「あぐっ!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 1-0!」
凛・真姫「「上級生から奪い取ったものだから!」」
しずく「かすみさん! ガードを硬めて!」
かすみ「っ! うんっ!」ギュッ
かすみ(腋を強く挟み込み、血流を遅くする。これで絶頂の感覚は揺らぐ……基本的なオナニーガード技の一つだ)
かすみ(今動いたのは猫の方じゃない、赤毛の方……)
かすみ(わざとらしく猫語が動き、集中を其方に向けた瞬間、赤毛が膣を優しく掻き回した……意識外からの快感に軽くイかされた、ってことかな)
かすみ「しず子! 早めに決めなきゃヤバい!」
しずく「うん!」
しずく(アイコンタクトでかすみさんと、ターゲットを合わせる。狙うはわざとらしく動く星空凛じゃない……西木野真姫です)
しずく(大抵ああして狙われやすくしている側はデコイ……むしろガードが硬く即イキを狙いにくい)
しずく(隙を見てアナルをほじれば突破は出来るだろうけれど、それならば西木野真姫を集中的に狙った方が得だ)
かすみ「……っ! やぁぁぁっ!!」クチュクチュ
真姫「っ……」ジュンッ
かすみ(かすみんはひたすら硬く、硬く相手に絶頂ダメージを与え続けるスタイル……後はしず子が)クチュクチュ
しずく「やぁぁっ!!」ギュンッ
かすみ(中指で膣内を掻き回す豪快な技でキメてくれる!!)クチュクチュ
真姫「っ! ううっ……!」
かすみ(イった!)
真姫「……なーんて、ね」
かすみ「なっ!?」
凛「真姫ちゃんばかりに集中してていいの? どんどんイくにゃ!」グチュンッ
かすみ「あぐっ! うぐうっ!?」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 2-0!」
かすみ(ガードを硬めていたのに、その上からイかされたッ……!)
かすみ(それに何故、赤毛はイかなかった!? 確かにかすみんの蓄積快感と、しず子の破滅的快感で絶頂値は閾値に達していた筈なのに!)
凛「まだまだにゃっ!」グチュンッグチュンッ
しずく「っく……耐え……うぅ!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 3-0!」
しずく「……まさか」
真姫「気付いた? 遅かったわね」
しずく「かすみちゃん、違う……私達はあの子達の手のひらの上で踊らされてたんだよ!」
かすみ「どういうこと……?」
しずく「星空凛ちゃんはガードしてなんかいない! 攻撃型の速攻オナニスト!」
しずく「そして最初に攻撃したように『見せかけた』西木野真姫ちゃんこそが、ガードナー! ガチガチにガードを硬められて……最初から攻撃なんてしてない!」
真姫「……そういうこと。私は最初から一度も」
真姫「『股を触って』はいない。ただそう見せかけただけ……強い人間ほど、わざとらしい凛の動きには集中せず私を狙いたがる」
真姫「私はただ耐えるだけ、ひたすらに……相手のオナニーをガードし続けるだけとも気付かずにね」
凛「そして集中の隙間を狙って凛が刺す! 残念だった……にゃ!」グチュンッ
かすみ「く、うっ……!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-0!」
栞子「そんな……あの二人が何も出来ずもう四回も絶頂を!?」
愛「やるね、彼女達」
歩夢「向こうも一年生であれだもんね……中々末恐ろしいなぁ」
栞子「言ってる場合ではありませんよ! 手も足も出ないなんて……!」
歩夢「確かに……相手が悪かったかもね。しずくちゃんの能力が最大限に発揮出来てない」
歩夢「音ノ木坂のダブルス2は一人一人だとそこまでの力はないのかもしれない。二人組み合わさることで凶悪なまでに力を増幅する……ダブルス特化型だね」
彼方「……うーん」
璃奈「頑張って、二人とも」
かすみ(ヤバい)
かすみ(まずいまずいまずい。後1ポイントでかすみん達が負ける……そんなの絶対に嫌だ)
かすみ(あの赤毛のガードを崩せるほどの突破力はかすみん達には無い)
かすみ(かといって……)
凛「ここにゃ!」グチュンッ
かすみ「っ!」
かすみ(ガードしてなければやられていた……っ! 猫語を狙うと、集中の隙を狙われて攻撃される! 完全に猫語を狙うと赤毛が攻撃に参戦してくるかもしれない!)クチュクチュ
かすみ(ぐ……!)クチュクチュ
しずく「……」
しずく「演じる」ボソッ
凛「ん? なにか……言ったかにゃ!」グチュンッ
しずく「そこにゃ!」グチュンッ
凛「っあ!?」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 4-1!」
真姫「ヴェェ!? ……あれは凛の『猫の目』!?」
真姫(集中力の隙間を見定めるあの技は、驚異的な動体視力と観察眼を持つ凛にしか使えないのに……!?)
凛「た……たまたまだよ! そんなわけ……!」
凛(……あれ?)
凛(向こうのコート……)
凛「かすみさん、ここから巻き返すにゃ!」
凛(なんで凛がいるの?)
かすみ「……ええ!」
かすみ(何処からどう見てもあの猫語。やっぱり恐ろしい技……というか特殊能力ですねぇ)
栞子「あれは……星空さんが二人……?」
歩夢「栞子ちゃんは見るの初めてだっけ? 屋上でやってなかったっけ、しずくちゃんの『写し身』」
桜坂しずくの家は先祖代々伝わる役者の家系である!
彼女もまた、役者になるべく幼少期から厳しい躾を両親に課されてきた!
まだ言葉も発せぬ幼子に、親が見せたのは教育テレビでもアニメでもない、女優のドキュメンタリーッ! 情○大陸! 世も末である!
しずくは次々テレビに映し出される役者達の、その言葉を、その動作を、寸分違わず真似出来るように教育され続けた!
そして彼女は!
しずく「……隙を見せたね!」グチュンッ
凛「いぐっ!」プシャッ
かすみ(相手の動きを観察し、相手になり切って技を自在に操るコピーオナニーの使い手になりました。っと)
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 4-2!」
凛「そんな……これは、これは凛の……」
凛「凛だけの、ものなのに……!」
真姫「落ち着いて、凛。オナニーはクールにやるものよ」
真姫「私達は後1ポイント取れば勝ち。相手が猿真似したところで、その有利は揺らがないわ」
凛「……そうだよね。ごめんね真姫ちゃん、頭に血が上ってたにゃ」
かすみ(……冷静になっちゃったか。あの赤毛、ガードナーだけじゃなく司令塔としても中々優秀みたいだね)
しずく(けれどここは譲れません……唯一見つけた勝機、どれだけか細い穴でも無理やりファックしてみせますよ! にゃ)
凛「らぁぁぁぁぁっ!!」グチュンッ
しずく「うぁぁぁぁぁぁっ!!」グチュンッ
かすみ(しず子だけに頼ってられない! かすみんもダメージを蓄積させて……)クチュクチュ
かすみ(っ!?)
真姫「……」クチュクチュ
かすみ「しまっ……!」
真姫「凛と争うのはいいけど……私から視線を逸らしたら駄目でしょ──?」クチュウッ
かすみ「っぐぅ……!」プシャアッ
審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂! 星空・西木野ペア 5-2!」
凛「っっっ……しゃあっ!!」
かすみ「はぁ……はぁ……」
しずく「負け、ちゃいましたか……」
スッ
真姫「凄かったわ、まさか凛の技をそのまま使われるなんて思ってもみなかった」ギュッ
しずく「……今はまだ届かない。けれど、いつか必ず……」ギュッ
ヌチャッ
かすみ(流石に試合後の握手は無理ですねぇ……)
凛(真姫ちゃん……相手も自分も愛液でびっしゃびしゃなの忘れてるにゃ……)
栞子「かすみさん、しずくさん! お疲れ様でした!」
かすみ「もう少し早く、反撃に出られたらよかったんだけどね」
しずく「り、凛さんは演じにくかったんですよ!」
しずく「いや、違いますね……私達の力が足りなかっただけです。やはり音ノ木坂は強豪ですね……」
ポンッ
しずく「! エマさん……」
エマ「大丈夫大丈夫、二人とも才能あるもん。練習重ねれば今よりずーっと強くなれるよ」
エマ「見ててよ。ダブルス1、勝ち取ってくるから」
しずく「エマさん……!」
せつ菜「強豪音ノ木坂ァァァ! 無名によるGIANT KILLINGは王道ッ!! だから二人とも安心してくださいッ!!」ゴォォォォォ
かすみ「ぐすっ……はい!!」
ダブルス1
エマ「せつ菜ちゃん、試合前から熱いよ?? 灰になっちゃうよ」
せつ菜「何言ってるんですかエマさん、灰になるのは最終話ですよ!!」ゴォォォォォ
希「うーん……うちの一年もそうだけど、ダブルスってのはお笑いコンビみたいなのが多いんかな」
東條希 三年生
ことり「そ、そんな風に言っちゃ駄目だよ希ちゃん……凛ちゃん達は汚れ芸人のおバカじゃないですっ!」
南ことり 二年生
希「そこまで言ってないんやけどね」
エマ「よろしくお願いしますね?」
希「こっちこそよろしく。お互い全国行きは決まってるとはいえ、全力尽くすやん」
せつ菜「ことりさんは同じ二年生なんですよね!!! アニメは好きですか!!!」ゴォォォォォ
ことり「アニメは嫌いじゃないけどアニメオタクは苦手かな……お店に来る人髪テラテラだし臭いし」ボソッ
せつ菜「えっ」ジュッ
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
エマ「行くよ、せつ菜ちゃん!」クチュッ
せつ菜「うおおおおおっ!! 『せつ菜☆スカーレットストーム』!!」メラメラッ
せつ菜(せつ菜☆スカーレットストームは右手の高速摩擦で指を熱し、蒸発した愛液から立ち上がる蒸気で血流を良くし快感を伝わりやすくする必殺技……!! しかし快感増幅が自分にも効果を発する諸刃の剣!!)
せつ菜(開幕から使うのはリスキーではありますがっ!! 相手が音ノ木坂となれば、無茶や無謀と笑われようと!! 使ってみせるが女道!!)
せつ菜「うおおおおっ!!」
愛「飛ばしてんねーせっつー。トバし狙いかな、飛ばしてるだけに」
栞子(何がかかってるというのだろうか)
ことり「なるほど……熱いね。飛んできた愛液がマグマみたいだよ」
ことり(単純、単純、単純。とっても分かりやすいね、勢いだけで勝ってきたタイプだ)
ことり「けど! あまりに無防備だよっ!!」ンミチュア
せつ菜「っぐ!!」
エマ(向こうの二年生はテクニカル・オナニーってところかな。相手の状況に合わせて次々と攻撃手段を変えてくる)
エマ(猪突猛進型のせつニーじゃ相性が悪いね)
エマ(その相方は……)
希「……」チュックチュッ
エマ(目立った動きはない。堅実型か……いや、それにしては……)
せつ菜「『スカーレット・ブーメラン』!!」クチュッ
栞子「あれは……絶頂ダメージを与える瞬間にわざと視線をずらした!?」
璃奈「本来ならば絶頂タイミングで視線をずらすのはNG。だって、せっかくの絶頂値が分散するから」
璃奈「けれどせつ菜さんのスカーレット・ブーメランはタイミング良く視点移動を流すことによって、相手二人にほぼ同値の絶頂値を与えることが可能」
璃奈「文字通り、ブーメランのように……!」
せつ菜(相手が素早く視界から逃れて回避したら、自分に跳ね返ってくるのが難点ですけどね!!)
ことり「きゃあっ!」プシャッ
希「んっ……くっ」プシャッ
審判「2絶頂! ポイント虹ヶ咲! 0-2!」
エマ「やったね! せつ菜ちゃん!」
せつ菜「ええ! このまま押し切りましょう!」
希「……」
エマ(そう、何とか押し切りたい……あの東條希とかいう子、時間をかけると何をしてくるか分からない!)
エマ(サポートを強めないと……!)
ことり「まだまだっ……!!」クチュクチュッ
せつ菜「っ……!!」
エマ(まずい! せつ菜ちゃんがイッちゃう!!)
エマ(絶頂の肩代わりを……!!)
希「……あ、見えた」
希「そこにあるんだ。エマ・ヴェルデの魂」ギュッ
エマ「……!?」ガクッ
せつ菜「エマさ……!? ぐうっ!!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 1-2!」
エマ(なに? 何が起こってるの?)
エマ(身体が動かない……!?)
せつ菜「エマさん!? どうしたんですか、ことりさんの追撃が来ま……うぐぅっ!!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 2-2!」
歩夢「リードが……!」
愛「なんでエマっちは動かないの!? サポートが無いとせっつーは……!」
栞子(猪突猛進のせつ菜さんと、その脇を固める補助や撹乱に特化したエマさん……この二人のコンビは難攻不落と言っても過言じゃない)
栞子(お互いがお互いの悪いところを完全に埋め合っている……逆を返すと、そのどちらかが崩れれば)
栞子(一気に穴を突かれる……!)
エマ「か……あ……!?」
せつ菜「ぐっ……希さんですね!? あなたが何かしているんでしょう!?」
せつ菜「ならばまずあなたを潰します!! 最大解放スカーレット・ストーム!!」ジュオオオッ
希「……」
希「……」ニィッ
せつ菜(なっ……? 持てる力のほとんどを注ぎ込んだ最大解放が利いていない!? 連続でアヘ顔晒してもおかしくないのに……それどころか笑って……!?)
エマ「……ひ」
エマ「ひぎぃぃぃっっ!!?」プシャァァァァァァッ!!!プシャッ!!
せつ菜「エマさん!?」
審判「む……2絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-2!」
栞子「2絶頂!? エマさんは一度しかイッていないのに!?」
歩夢「イキ値が閾値を越えて潮を噴いた場合カウントされるのが1絶頂。今のエマさんは絶頂中に更にイったから2絶頂として扱われるんだよ……!」
歩夢(けど……何故? 今のタイミングは敵の二年生も三年生もほとんど動きを見せていなかった)
歩夢(動いていたのは……せつ菜ちゃんだけだったのに)
エマ「ひっ! いぎっ! いひっ!」ビクビクッ
せつ菜「エマさん! エマさん……ッ! 返事をしてください!」
希「おー……凄い威力やん。そんなのウチに向けて撃つなんて、殺す気かな? その子が食らってくれて助かったわ」
せつ菜「な……!? これも希さんの技だと言うんですか……!?」
希「まぁ……そんなとこやね」クチュクチュ
希(ウチの技……というか能力『魂縛り』は、専用の呪符を道具として持ち込むことで発動することが出来る)
希(相手の魂の在り処を見極めリンクすることにより、自分が動けなくなる代わりに相手も動けなくなる……単純なる自己犠牲能力や)
希(その上で相手の技が自分に飛んできた場合は……リンクした相手が代わりに絶頂ダメージを負う。これが、神社でちょっとバイトする修行の末に身に付けたウチの必殺技やん!!)
希(……ま、敵さんに教えてあげる理由はないな)
せつ菜「くっ……」クチュッ
ことり「どうしたの? 勢いが……落ちてるよっ!」ンミチュアーーン
せつ菜「ぐうっ!!」
せつ菜(フルパワーでスカーレット・ストームを撃ったせいでもう右腕が……!)
せつ菜(エマさんは意識すら失っていないものの満身創痍。それにまだ……動けなくされている)
せつ菜(後1絶頂で負ける……そんなの、そんなのっ……!)
ことり「絶望に歪んだ顔してるね……? ことりね、女の子のそんな顔見るの……だーいすきですっ?」ンミチャッ
せつ菜「ぐうううっ……」
せつ菜(勝てない……勝てないんですか? 私はもう、この二人に……!)
エマ(身体が動かないっ……息が苦しい、頭がボーッとする……せつ菜ちゃんが苦しんでるのに、相棒が苦しんでるのに私は何もできないっ……!)
エマ(私を縛る三年生に攻撃したところで、それは私に跳ね返る。二年生のテクニカルなオナニーにはせつ菜ちゃんじゃ対応出来ない)
エマ(考えろ、考えろ、考えろ、考えろ!! 考えろエマ・ヴェルデお前はスイスから何をしに日本にやってきたバトルをして強い相手に勝つ為だろう考えろ考えろ考えろ考えろ勝ち筋を見つけろォォォォォッ!!!)
せつ菜「……っ」クチュクチュ
エマ「……!」
エマ(見えた。一か八かだし、か細い……あるかどうかも分からない線だけど)
エマ(勝機はまだある!)
エマ「……」チラッ
せつ菜「……!」
エマ(声は出ない。アイコンタクトだけで全てを伝えなければいけない)
エマ(シンクロなんて私達には使えない! けれど今だけは伝われ……せつ菜ちゃんに届け、私の思い!!)キッ
せつ菜「……」
せつ菜(……冗談を、といえる表情じゃないですね。けれど伝わりましたよ、エマさんの考え)
せつ菜(確かにそれはか細い糸です。けれど、私達にはそれしかありません)
せつ菜(やると決めたなら……貫くだけです!!)
せつ菜「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」ボォォォォッ
栞子「せ、せつ菜さんの腕が燃え上がっている!?」
希「性懲りもなくスカーレット・ストーム!? そんなに相方ちゃん殺したいんか!?」
ことり「それとも……ことりに撃ってみる? 流して分散させてあげるよ?」
せつ菜「おぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」クチュクチュ
せつ菜(腕が軋むように悲鳴をあげる。脳が沸騰し、目の前がブレていく。鼻が熱いのは熱のせいだけじゃないだろう、血管が千々に切れて血が噴き出しているんだ)
せつ菜(それでも、腕を止めるわけにはいかない。エマさんが、あんなフラフラになりながらも見つけてくれた勝機だ。骨の一つや二つくれてやる!!)
せつ菜「『極限開放せつ菜☆スカーレットストーム』!!!」グチュウウウッ
栞子「……え」
栞子「な、なんで……なんで」
栞子「なんでエマさんを狙って技を撃ってるんですか!?」
希「っ!? やば……」
ことり「希ちゃ……!」
希「あぎぃぃっ!! いぎひっ!!」プシャッ!プシャァァァッ!!プシャシャ!
せつ菜「……エマさんの見出した道はこれです」ボタ…ボタ…
せつ菜「『東條希に技を撃てばエマ・ヴェルデが絶頂する。ならばエマ・ヴェルデに技を撃てば?』」
エマ「……ことりちゃんは一切私にダメージを与えなかった。棒立ちして、満身創痍の私に……変だよね? 意識が今にも飛びそうな人間を殺らないなんて」
エマ「だから気付いた。希ちゃんがどうやってるかは分からないけど、この技は発動した時点で、少なくとも試合中は解除できない……そうじゃないなら解除して、私を破ればいいだけだもん」
希「いぎっ、ひぎっ……!」ビクビクッビク
ことり「そ、そんな……! あの短時間で希ちゃんの魂縛りの弱点を見抜くなんて……!」
せつ菜「……ことりさん、試合中に言ってましたよね?」
せつ菜「女の子の絶望に歪んだ顔を見るのが大好きだって……なるほどなるほど」
ことり「うぐっ……」キッ
せつ菜「同感です!!」
審判「ゲームセット! ウォンバイ虹ヶ咲! ヴェルデ・優木ペア! 4-5!」
ワァァァッ!!
かすみ「凄い……あの状況から勝つなんて」
しずく「せつ菜さんの最後の技、相手を一気に三回も絶頂させてましたよ……恐ろしい」
エマ「はぁ……はぁ……」
歩夢「エマさん! 肩貸します!」
栞子「歩夢さんは次の試合の準備をしてください! 私が貸します! 彼方さんはせつ菜さんを!」
彼方「はーいよっと。せつ菜ちゃん、お疲れー」
せつ菜「決勝で良かったですよ……もう、一歩も動け、ませ……」ガクッ
彼方「あれだけ凄いオナニー技を撃ったんだからねぇ、腕も強張っちゃったでしょ。揉んであげるぜ」スリッ
彼方「……?」
彼方「……っ!?」
歩夢「え……? な、何かあったの?」
彼方「な、なんでもないぜ! 歩夢ちゃんは早く試合に行って!」
歩夢「う、うん……?」タッタッタッ
彼方「愛ちゃん、この中で一番足が早いの愛ちゃんだよね?」
愛「そうだけど……なんなのさカナちゃん、珍しく怖い顔して」
彼方「……救護班を呼んできて、運営に救急車も呼んでもらって!」
彼方「せつ菜ちゃんの腕、折れてる!」
シングルス3
歩夢(……なんだかベンチの方騒がしいけど、何かあったのかな? まさかイキすぎで脱水症状とか?)
歩夢(前もせつ菜ちゃんったら野獣先輩の真似してイキすぎて脱水症状になってたんだよね)クスッ
穂乃果「歩夢ちゃん……こっちに集中してよ! やっと巡ってきた機会なんだからさ!」
高坂穂乃果 二年生
歩夢「ご、ごめんね。チームの子が倒れちゃったから……」
穂乃果「えっ、チームの子が倒れて笑ってたの? 知らない間にサイコパスになっちゃった……?」
歩夢「そういうわけじゃなくて、淫夢ごっこを思い出して……」
穂乃果「よく分かんないや」
「ついに音ノ木坂の高坂が試合するぞ!」
「相手の虹ヶ咲ってどこだよ? 釜瀬に勝ったってマジ?」
「シングルス3は……上原歩夢? 上原?」
「いや、上原って……」
穂乃果「まぁ……バトルが始まったら嫌でも集中するよね?」
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
穂乃果「はぁっ!!」ゴオッ
歩夢(いきなり力強いオナニー・サーブを……!)
歩夢(受ける……と死んじゃう! 衝撃を横に流さなきゃ……!?)ジュッ
歩夢「あづっ……!?」
「開幕から『アマテラス』かよ! いつもは格下相手には使わないのに!?」
音ノ木モブ「高坂さんが地方大会で『アマテラス』を使うなんて……! あの上原って人、なんなんですか!?」
花陽「上原歩夢、虹ヶ咲学園二年普通学科所属。身長159cm、誕生日は3月1日で血液型はA型。最新の健康診断によるとB82、W58、H84との数字が出ています。性格は侑ちゃん大好きで他カプに流されない」クイッ
小泉花陽 一年生 マネージャー 眼鏡(最重要項目)
花陽「滾りますね……競技とは関係なく、オナニーしたいくらいです」
音ノ木モブ「う……相変わらず恐ろしいまでの調べよう」
音ノ木モブ(確かオナニーバトラーが大好きって理由で部に入ってきたのよね、この子……データ収集は趣味を兼ねてるとは言うけどストーカー染みてるわ)
音ノ木モブ「……って上原歩夢? 聞いたことがあるような……」
穂乃果「どうしたの!? 虹ヶ咲にいって……鈍っちゃった!?」グチュンッ
歩夢「そっちは随分成長したね! まだまだ私には追いつけないけどっ!!」クチュッ
「な、なんちゅうオナニーのラッシュや!」
「おいやっぱり……上原ってあの上原か?」
「中学出てから名前聞かないと思ってたけど……なんで虹ヶ咲なんて無名行ってんだよ!?」
彼方「はい……申し訳ありませんがお願いします」
救護班「救急車が来次第すぐに搬送します! この場で出来ることは精一杯やらせていただきますので!!」
彼方「……」
栞子「せつ菜さん……大丈夫でしょうか」
かすみ「大丈夫に決まってますよ! せつ菜先輩のことだから、きっと明日にはケロッとした顔で腕もくっついてます!」
愛「そうだよね……うん、きっとそうに決まってる。愛さんもそう思うよかすかすーっ!」ギュニギュニ
かすみ「ふぶぁ! ほっへひっぱららいれくらはいーっ!」
彼方「彼方ちゃんはマネージャーとしてせつ菜ちゃんの側にいるぜ。救急車にも同乗するから、歩夢ちゃんにもそう伝えておいて」
彼方「皆はもう試合に戻って……特に栞子ちゃんは、歩夢ちゃんの試合は見た方がいいぜ」
栞子「私……ですか?」
彼方「歩夢ちゃんと穂乃果ちゃん……二人の試合はきっと、得るものが多いと思うよ」
栞子(と、言われて戻ってきましたが……歩夢さんも強いとはいえ相手もかなり強いんですよね?)
栞子(試合開始から随分時間が経ちましたし、試合も終わりがけかもしれません……事情が事情だけにどうしようもないですが、応援出来ないのは悲しいですね)
璃奈「戻ってきた」
しずく「せつ菜さんは……その……」
愛「今は眠ってて救急車待ち。エマさんは多分少し休んだら戻ってくると思うよ」
愛「試合はどうなってる? ……って」
栞子「ま、まだ0-0!?」
歩夢「あはははははははははっ!! 楽しいねぇ穂乃果ちゃん!!」クチュウッ
穂乃果「本当だよ歩夢ちゃん!! やっぱり歩夢ちゃんは最高だ!!」グチュンッ
栞子「笑いながら戦ってる……!」
璃奈「お互い、常人なら10回は軽くイくほどの絶頂を受けてる。それなのに一度も絶頂してない」
しずく「かといって受け流してるわけでもない……どういうことなんですかね?」
栞子「そんなに凄い……? あれ……?」
ボヤーッ……
栞子(二人の背後に……何か影が見える……?)
栞子(気のせい、ですかね……?)
歩夢「っ……そこぉっ!!」ビシュウッ
穂乃果「んっ……!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 0-1!」
穂乃果「くぅー……一手ミスったかぁ!」
歩夢「大技狙ってたんだろうけど、右手の指先がマンコから30cmも下がってたらバレバレだよ」
穂乃果「ちぇっ!」
花陽「最初の1ポイントは歩夢さんですか。流石は四皇の一人、といったところですかね」クイッ
音ノ木モブ「四皇……やっぱり! 上原歩夢ってあの……『桃兎』上原歩夢!?」
「うぉぉぉぉぉっ! 本物の上原歩夢だあっ!」
「高坂穂乃果と上原歩夢、四皇同士の対決が見れるなんて……嬉しゅうて嬉しゅうてハッピーハッピーやんケ」
「音ノ木坂ぶっ潰せや上原ァァァッ!!」
栞子「よ、四皇……?」
璃奈「歩夢さんが通ってた『ラブライブ中学』には、四人の有名なオナニーバトラーがいたの」
璃奈「そのうちの一人が『桃兎』歩夢さん。穂乃果さんも四皇の一人で『太陽』って呼ばれてたよ」
栞子(中学の部活で二つ名が付くって創作だとよくあることですが……本当に強い人だったんですね、歩夢さん!)
穂乃果「まだまだここからァ!! 『アマテラス』!」
歩夢(熱い……! 予備動作が無い分、せつ菜ちゃんのスカーレットストームよりも厄介だね)
穂乃果(アマテラスは身体に溜め込んだ熱を放出し、相手の体力を奪うと同時に性感帯をくすぐる技……長引けば長引くほど歩夢ちゃんに不利なのは分かってると思ってたけど)
穂乃果(その上でオナニー・ラリーに乗ってくれるのは感謝しかないね。早めに終わらせてあげるよ、歩夢ちゃん!!)
穂乃果「はぁっ!!」クチュチュッ
歩夢「っ……!」
歩夢(楽しくなってやりすぎたかな……? ま、いいや)
歩夢(どうせ勝つのは……私だもん!!)クチュチュッ
歩夢「ぴょん……」クチュッ
穂乃果「っ……まずい!」
穂乃果(詠唱が始まった!!)
歩夢「ぴょん……」クチュッ
穂乃果「う……おおおおおっ!!」
穂乃果(歩夢ちゃんの強みは『兎の突進にも似た一点突破力』! その一点に関してはプロも舌を巻くほどに……! イかせて技をキャンセルさせないとマズい!!)
歩夢「ぴょんっ……!!」クチュッ
穂乃果「ぐ……間に合わ……!」
歩夢「『兎月雷々』!!」シュオッ
栞子「歩夢さんが……消えた!?」
愛「いや……」
かすみ「います……相手の後ろに!!」
栞子「相手コートに……!? 反則ではないんですか!?」
しずく「相手コートへの移動自体は反則ではないんですよ! ただメリットは無くデメリットが多いから誰もやらないだけです!」
しずく「考えてもみてください、無防備に移動なんてしようものなら一気に攻撃をされて終わりです。それに競技中意図的に相手に触れたら反則(暴力及びクンニ抑制の為)、というルールもあります! わざわざ相手コートに行く理由がないんです!」
栞子「では歩夢さんは何故相手のコートでオナニーを……!?」
しずく「それは……」
穂乃果「……」
穂乃果「……カハッ」パチパチ
プシャアッッ!!
栞子「い……イった!? 穂乃果さんが……!?」
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 0-2!」
穂乃果「く……はぁ。酷い技、だね……」ピリピリ
穂乃果「電気、でしょ?」
歩夢「正解」ニッ
穂乃果「そっちがオナニーをしているのに絶頂ダメージが来ないのは変だと思ったんだよ……自身の内にダメージを溜め込み、電気に変換したんだよね?」
穂乃果「それを足下に流し、カタパルトのように自身を発射させ……音速を超えたスピードで自分の股を擦り、私に絶頂ダメージと同時に性感帯へ電流を叩き込んだ」
歩夢「そういうこと。私も中学時代から、少しは成長してるんだよ」
上原歩夢! その特性は電気!
穂乃果「ここからは……本気だよ」
歩夢「今までも本気だったくせに」クスッ
穂乃果「『アマテラス』!!」
歩夢(また性懲りもなく……といっても、これを通されるのが一番辛いんだよね)
歩夢(太陽をもう一つ作ったようなものだよ……汗が止まらない。体力がどんどん奪われてく)
歩夢(熱に浮かされて意識がぼんやりとしてくる上に……)
穂乃果「らぁっ!!」クチュックチュッ
歩夢「っ!」ビクンッ
歩夢(意識喪失狙いじゃないのが余計厄介!!)
穂乃果「逃さないよっ!!」グチュンッ
歩夢「く……んっ!!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 1-2!」
歩夢(っ……一回イかされただけで足が震える)
歩夢(予想よりもかなり……穂乃果ちゃんが強くなってる!)
歩夢「まだ……まだぁっ!!」グチュンッ
穂乃果「キツかったら倒れても……いいんだよっ!」グチュンッ
栞子(なんて激しいオナニー・ラリー……! アマテラスの熱で蒸発した愛液が霧を作って……)
栞子(神秘性すら感じる光景です……!)
ーーー
ーー
ー
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-4!」ゼェゼェ
栞子(長い時間が経ちました。本当に、長い時間が……しかし永劫とも思える瞬間にも終わりは来るものです)
栞子(コートに立つ二人は、肩で息をしていました。手は粘つき、愛液は白く変色し、泡立ち、もう指先の感覚も無いのかもしれません)
栞子(けれど、けれど二人は──)
穂乃果「ははっ……」
歩夢「ふふっ……」
栞子(笑っていました。楽しげに、美しく、気高く……)
穂乃果(楽しいなぁ。本当に、こうして戦うのは楽しい……中学の頃に戻ったみたいだよ)
歩夢(あの頃はいつも四人で、毎日のようにバトルしてたもんね。私の方が強い、私の方が強いって……)
穂乃果(そうだよね……本当に。家族よりも、四人でいる時間の方が長かったのに──)
穂乃果『皆はもう高校決めた? 勿論音ノ木坂だよね! この辺だと一番の強豪だし!』
歩夢『……私は虹ヶ咲に行くよ』
穂乃果『虹ヶ咲……? 聞いたこともないけど……オナバト部あるの?』
歩夢『ううん、同好会レベル。機材も揃ってないみたい』
穂乃果『な、なんで!? なんでそんなところに……』
歩夢『ごめんね……侑ちゃんが音楽科のある虹ヶ咲にどうしても行きたいって……侑ちゃん、側に私がいないと駄目だから……』
穂乃果『うう……二人はどうなの? 音ノ木坂だよね!? 一緒にバトル出来るんだよね?』
『実は私……中学卒業したら静岡に引っ越すのだ。母方の実家が旅館やってて、そこで高校行きながら女将修行することになって……』
『悪いけど、私も音ノ木坂には行けない。来年度から新設される高校に来ないかって知り合いに誘われててさ』
穂乃果『そんな……じゃあ、皆と一緒にバトル出来るのは』
歩夢『中学が最後、ってことだよね……』
穂乃果『……』グスッ
穂乃果『……じゃあ、約束しよ』
『約束?』
穂乃果『高校行ってもバトルは辞めない。四人揃って全国大会で……また会おうよ』
『あはは……いいね、それ。私は一年生ばかりだからちょっと待ってもらうかもしれないけど』
『静岡の学校も強豪って聞いてるから、きっと全国行けるのだ!』
歩夢『私も……また皆と会って、戦いたい』
穂乃果『じゃ……約束』グッ
『全国大会で……』グッ
『きっとまた……!』グッ
歩夢『……私が優勝しちゃうけどね!』
穂乃果『違うよ! 私が優勝するもん!』
『私だって! 皆に勝ち越してるし!』
『総合成績なら私が一位でしょ!?』
穂乃果(永遠に続けたいよ。この瞬間を、永遠に……)
歩夢(けど、もう終わり。後1ポイントで勝敗が決まる)
歩夢(ここまで競ってくれてありがとう、穂乃果ちゃん。本当に、本当に──)
穂乃果「……」グチュンッ
歩夢「……」チュグッ
歩夢(楽しかった)
プシャアッッ
栞子「同時イき……!?」
愛「いや、オナニーバトルに引き分けはない……! 審判の判定は……!?」
審判「……!」
審判「……っ! ゲームセット! ウォンバイ……」
審判「虹ヶ咲! 上原 4-5!」
オナニーバトルの最後はいつもこうだ。
勝者は空を仰ぎ見。
敗者はうらめしそうに地面に伏す。
栞子「や……」
かすみ「やった……高坂穂乃果に勝った……!」
愛「うおおおっ!! 凄いよ歩夢!!」
穂乃果(負けたか──)
穂乃果(こっちもかなり鍛えたし、いけると思ったんだけどなぁ……やっぱり歩夢ちゃんは強いや。あー……頭クラクラする)
歩夢「あはは……ありがとう、皆……」フラフラ
歩夢「あれ……彼方ちゃんとせつ菜ちゃんは?」
ーー
ー
歩夢「……そっか。骨、折れてたんだ……私が試合に集中できるように気を使ってくれたんだね。ありがとうね」
歩夢「けど、やっぱり……何かあったらすぐに私に教えてほしいかな。一応部長なんだから……ね?」
璃奈「ごめんなさい」
歩夢「これでスコアは1-2、虹ヶ咲リード。今日は勝って、病室に地区大会優勝の旗お見舞いに持ってこう!」
オーッ!
栞子「……」
ポンッ
栞子「! ……愛さん」
愛「大丈夫だよ、しおってぃー。愛さんでキメてくるから」
栞子「っ……はい! 頑張ってください!」
シングルス2
愛(さてさて。とは言ったものの)
愛(シングルスやるのも久々なんだよね。愛さんどっちもいけるタイプだけど……)
絵里「あら……あなた、ダブルスやってなかった? 本業はシングルスなの?」
絢瀬絵里 三年生
愛「どっちもやれるんだよね、実は。それより金髪仲間だねっ! エリーって呼んでいい?」
絵里「別にいいけど。初対面の人にあだ名付けられるの、慣れてるし……」
愛「それにしても……音ノ木坂のシングルス2が知らない子だとは思わなかったよ。公式試合に出るのは初めてだよね?」
絵里「……まぁ、今までは燻ってたというか。色々あったのよ」
愛「てっきり矢澤にこ辺りがシングルス2で来ると思ってたから驚いたよ。にこっちはシングルス1とか?」
絵里「……にこと知り合い?」
愛「まぁね。試合で何度か」
絵里「……そう。残念だけど、シングルス1は海未よ」
愛「……え? にこっち出ないの?」
絵里「出ないわ。まだ部には名前があるけど……もう戻ってくることはないと思う」
絵里「……少し話しすぎたわね。お喋りはこのくらいにしましょ」
愛「そうだね。私達は言葉じゃなく……」
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
愛「バトルで語り合うべきだッ!!」クチュッ
絵里「っ……!」プシャッ
愛「……!?」
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 0-1!」
愛(小手調べ程度のスピードオナニーで1ポイント……? 余りに弱すぎる。これじゃ見習いのしおってぃーと同レベルだよ)
愛(いや──音ノ木坂のシングルス2がそんな筈ない。決して油断はするな、宮下愛。焦らず急がず最後まで、己のオナニーを貫け)
愛「ふっ……!」チュクチュク
栞子「愛さんの体勢は……まるで武道の構えのようですね」
しずく「栞子さんも武道の嗜みが?」
栞子「観る専門ですけどね。姉さんの趣味に付き合わされて……」
栞子(姉さんは武道の心得がある者に素人の振りをして近付き、不意をついて一方的にボコボコにした後肛門を見せ付けバカにするのが趣味なんですよね)
しずく「あのスタイルは伊達や酔狂でやってるわけじゃないんですよ。ちゃんと理に適っているんです」
愛(武術の構えというものは、対峙する者にとって想定以上に隙が無い。徒手空拳から武具を用いる敵まで、如何なる動きにも対応出来る最善の状態がこれだ)
愛(すり足で素早く動き、拳が来れば裁き、突き出た服を掴んで転ばせる。それをオナニーバトルに転嫁したのがこれだ)
愛(相手の送り込む絶頂ダメージを分散させ、ずっしりと落とした腰で衝撃に備える。固く締めた脇は血流を僅かに鈍らせ快感を軽減させる。視界から外れる為の移動も簡単だ)
愛(空いた右手は絶え間なく股ぐらを弄り、相手に途切れなく快感を与え続ける……これが愛さんの得意とする攻防一体のスタイル!)
絵里「っ……流石に大会を勝ち残ってきただけはあるわね」
愛「そっちこそ、奥の手があるんだよね? 早く見せてよ……それで大会を勝ち残れるわけないことくらい、私にだって分かる」
絵里「そうね……じゃあ」
絵里「イかせてもらうわっ!」グチュンッ
愛「……」
愛「それが何か……ふぐぅぅっ!?」プシャッ!プシャッアッ!
審判「2絶頂! ポイント音ノ木坂! 2-1!」
愛(な……何をされたの!? いきなり全身にとんでもない快感が走って……二回もイかされた!)
愛(大技!? いや、そんな……なんのモーションも見えはしなかった! ただ股を触っただけっ……! そんなもので二回もイかされる愛さんじゃない!)
愛(ガードは崩れていないのに……!)
栞子「愛さん……ッ!? 何をしているんですか!?」
かすみ「そ、そうですよぉ!! なんでそんな……!」
愛「何を、って……!」
絵里「バラされる前に……もう一回!」グチュンッ
愛「何をも何も愛さん……はぁぁっ!!」プシャッ!プシャァァァッ!
審判「2絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-1!」
愛(おい……なんで……愛さんがイかされてる? エリーが大技を使ったようには見えなかったのに……!)
歩夢「なんで一方的に攻撃されてるの!? そんなの愛ちゃんらしくないよ!」
愛(一方的に攻撃……? どういうこと? 私はずっと攻撃の手を止めてはいないのに……)
璃奈「愛さん、止まってる」
愛(りなりー……?)
璃奈「愛さんだけ、時間が止まってるみたいに」
愛(時間が……止まってるみたいに?)
絵里「……そういうこと」
絵里「私は時間を止めることが出来るの。凄いでしょ?」
愛「ははっ……時間停止能力? 9割は偽物だって言われてるあれ?」
愛(いや、おかしい。『時間停止能力』なんてものがこの世にあるわけがない。そもそも時間停止なら、なんで皆からは愛さんだけが止まったように見えてるの?)
愛(糸口は見えない……カウントは4-1。次にあの能力を使われたら終わる)
絵里「色々考えてるんでしょうけど……無理よ?」
絵里「私のこの技に弱点は無い。仮に仕組みに気付いたとしても……もう手遅れよ」
愛(……何が起こってるの? 愛さんだけが動けない、快感は一気に来る……)
愛(分からない……! もう、真正面からねじ伏せるしか……!)クチュックチュッ
絵里「あっ……ん!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 4-2!」
愛(幸い相手は防御が尋常じゃなく弱い! ここは畳み掛けて、あの技を使われる前に終わらせる!)クチュッグチュグッ
絵里「くうっ……!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 4-3!」
栞子「凄い巻き返しです! これなら……!」
絵里「……残念ね。ここまでよ」
愛「……」
璃奈「また……止まった」
栞子「なんで止まるんですか……なんで動かないんですか! 愛さん!」
しずく「っ……演じる!」キィィン
しずく「今彼女に『写し身』して能力の正体を探ります……!」キィィン
璃奈「また、やられちゃう……」
しずく「……っ!? 分かりました、技の正体が……!」
かすみ「一体何なの!?」
しずく「彼女の性技は『時間停止』ではありません……もっと単純な『催眠』です!」
栞子「催眠……?」
「相手を意のままに操る能力、ってことよ」
栞子(知らない声が、背後から響きました。思わず振り返ったそこには、すらりとした身のこなしの大人びた女性が立っていました)
栞子「あの……あなたは?」
「あぁ、会うのは初めてね。本当は試合だけは見に来る予定だったんだけど、モデルの仕事が長引いて……」
果林「朝香果林。幽霊部員の三年生よ」
朝香果林 三年生
栞子「あなたが例の……! それで……催眠ってどういうことなんですか?」
果林「寸分違わず瞬き、呼吸、動きを合わせることによって相手の脳と同調し、命令を送り込む。この場合は身体が動けなくなり、時間が飛んだように感じる、かしら」
果林「モデルの世界にもよくいるのよ。他人に見られる職業をしている人間は、逆に相手の動作を観察していることが多い……そこから同調催眠に目覚める子が多いの」
栞子「同調催眠……」
果林「きっとあの子も、人に見られるような何かをやっていたんじゃないかしら。背筋が真っ直ぐなところとバランスを見るに……バレエか何かかしら?」
果林「そこで彼女は、催眠に目覚めた。……ま、ほとんどは弱い催眠程度で、あそこまで強力に使える子はそうはいないわね」
絵里「正解よ……!」
絵里(バレエの道は大成することはなかった。私には才能が無かったし、それでも突き進むほどの思いもありはしなかった)
絵里(けれどその副産物で、こうして私は戦えてる。音ノ木坂のレギュラーとして地位を得ている!)
「催眠って……卑怯じゃないのか?」
「皆真面目にやってるのに……!」
「寝惚けたことを抜かすなァ! どんな手を使っても勝ちゃあいいんだよォォォ!」
にこ『絵里……後は頼んだわよ』
絵里(にこに頼まれたのよ、後は任せるって……だから私は、どんな手を使ってでも!)
絵里(例え卑怯と呼ばれてでも、この力を使って相手を屈服させてみせる!!)
絵里「相手は……凍り付いたように動かない。そして」クチュチュッ
愛「……っあ」プシャッ
絵里「気付いた時には全てが終わっている。これが私の……『氷の牢獄』よ」
審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂! 絢瀬 5-3!」
栞子「あ……」
栞子(愛さんが負けた──)
栞子(つまり、つまりそれは……私のバトルが、この地方大会決勝の勝敗を分けるということに……!)
栞子「……っ」ガタガタ
栞子(震えが止まらない……皆、死力を尽くして頑張って、骨を折ってまで闘いぬいたその結末を、私が……?)
栞子(余りに重い──押しつぶされそうなほどに──)
愛「負けちゃった……ごめんね、しおってぃー」
栞子「そ、そんなこと……!」
栞子(愛さんは精一杯戦ってくれた……謝る必要なんて何もないのに)
栞子(申し訳なさそうに謝らせてしまった。私は今、どんな顔をしているのだろう)
歩夢「……大丈夫だよ、栞子ちゃん」
栞子「……歩夢さん」
かすみ「そうですよ! しお子だって頑張ってきたじゃないですか!」
しずく「二十キロ走も体力残して完走できるようになりましたしね」
璃奈「基本はちゃんと出来てる。大丈夫」
果林「……エマから話は聞いてるわ。根性のある新人が入ってきたって。ところでエマはどこ?」
歩夢「救護室にいるよ」
果林「えっ!? ちょ、ちょっと見てくるわ!」ダッ
歩夢「こほん。だからね、安心してよ」
歩夢「オナニーバトルをする上で一番大事なのは……楽しむことだよ」
栞子「……っ」
栞子「はい! 虹ヶ咲学園一年、三船栞子! 精一杯やってきます!!」
シングルス1
海未「まさか一年生が相手とは……園田海未と申します、宜しくお願い致します」ペコッ
園田海未 二年生
栞子「い、一年生の三船栞子です。此方こそよろしくお願いします!」ペコッ
栞子(……なんだろう、海未さんのあのウェア)
栞子(下半身に何も付けてないのは当たり前だからともかく……胸の部分が切り取られて、おっぱいが丸見えになってる……?)
海未「何故私の乳首をジッと見つめてるんですか!? 破廉恥です!!」
栞子「えっ、も、申し訳ありません」
栞子(オナニーバトルに参加しながら、乳首を見られて恥ずかしがるって……変わった人ですね)
栞子(それに……道具を持ち込んでる? あれは……弓でしょうか。矢はありませんが、一体何に……)
海未「泣いても笑ってもこれで終わり……良いバトルにしましょう」
栞子「はい!」
栞子(いい人そうですね。ことりさんや真姫さんとぶつかってたら泣いてたかもしれません)
栞子(よしっ! 私も全身全霊で……!)
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
海未「『ラブアローシュート』!」パチィンッ
栞子(な──速攻!? けど胸もマンコも触ってない! 弓を引いて弾いただけ!? 何の意味が──)
栞子「っ!?」ビクンッビクンッビクンッ
栞子「あっひぎっ!?」プシャッ!プシャァァ!プシャッ!
審判「3絶頂! ポイント音ノ木坂! 3-0!」
かすみ「しお子!」
栞子(両方の乳首とクリトリスに信じられないほどの快感が……ッ! まさか……!)
海未「……」
栞子(あの弓の弦で、乳首とクリトリスを弾いた!? だからこそのおっぱい丸出しウェア……!)
海未「園田流三点撃『ラブアローシュート』……得意な技ではありますが、まさかこれだけで三度も絶頂に達するとは思いませんでした」
海未「……っ」グチュンッ
栞子「が……あっ!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-0!」
しずく「もうセットポイントに……!」
海未「技でも何でもない、単純な破廉恥で潮を噴いてしまう……ガードも分散も何も出来ていない」
海未「あなたはっ……何故この場に立っているのですかっ……」フルフル
栞子「……!」
海未「ダブルス1を見て、私は感動したんです。優木せつ菜……彼女の心意気からは、モノノフの志を感じました」
海未「腕が上がらず、骨は折れ……それでも勝つ為に思いを込める。素晴らしい試合でした……っ!」
海未「穂乃果だって、歩夢だって……あんな熱と疲労の中、最後まで健闘を称えあった!」
海未「それなのに……っ! あなたは、何を信じてこの決勝の、シングルス1の舞台に立っているんですかっ……!!」
栞子「私は……」
栞子(海未さんの怒りは最もだ。私はこの場所に立つべき人間じゃない)
栞子(ほんの少し前にオナニーバトルを初めて、周りの皆に連れられてここまで来ただけの……何の思いも、志もない人間です)
栞子(きっと海未さんは闘いたかったんです。この決勝の場で、チームの勝利を全力で争う強者と……)
栞子(その神聖な舞台を、土足で踏み荒らした素人が私だ──)
海未「っ……」
海未「……無礼な振る舞いをしてしまい、申し訳ありません。これで、終わらせます……」スッ
かすみ「しお子! ガードして!」
愛「ラブアローシュートが来る!」
栞子『私にオナニーバトルの適性があるかどうか、試してみたいです!』
栞子『自分だけのオナニー道を見つけてみたいんです』
栞子(私は……オナニーバトルの適性が……)
スパァンッ!
海未「『ラブアローシュート』!」
栞子(私は──)
栞子「ッ……!!!」グッ
海未「なっ……!」
海未(耐えた……!? ろくにガードも知らない栞子が、ラブアローシュートを!?)
栞子「私は……もう、そんなことどうだっていいんです!」
栞子「適性とか、才能とか、志とか……そんなことは! 私はオナニーバトルがやりたい! だからここに立って、あなたと闘っているんです!!」グチュウウウッ
海未「っ……!」ビリッ
海未(雰囲気が変わった……!? それにこの、荒々しいまでに破廉恥な快楽は……ッ!)
栞子「うぁぁぁぁぁぁっ!!」グチュグチュ
海未(型もスタイルもない、獣のようなオナニー。しかし、それが……それこそがオナニー本来の姿なのかもしれません)
海未(型にはまらず自由で、野生的なそれこそが……)
海未(しかし──)
海未「まだ、青い」クチュチュッ
栞子「か……はっ!」ビクンッ
海未「全国までにもう少し……基礎を固めてください。そうすれば──」グッチュグッ
栞子「……!」プシャッ
海未「化けるかもしれませんね……」
審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂! 園田 5-0!」
栞子「はぁ……はぁ……」
栞子「ぅあ……」グスッ
栞子(勝てなかった……皆が繋いでくれたのに。必死に……必死にここまでやってきたのに……)
栞子(私はこんなにも無様に……!)
海未「……大変、申し訳ありませんでした」
栞子「うみ、さん……」
海未「あなたはこの場に立つべきではない、と言ったこと……撤回します。志など無いと言っていましたが……あなたの真っ直ぐな思いは、初心を思い返させてくれました」
海未「……いい、バトルでした」スッ
栞子「……! はい……!」スッ
ヌチャッ
地方大会Aブロック
優勝 音ノ木坂学院
準優勝 虹ヶ咲学園
ーーー
ーー
ー
歩夢「みんな、お疲れ様だったね」
歩夢「せつ菜ちゃんの病室にはまた明日お見舞いに行くとして……今日は解散しよっか」
愛「そうだね。打ち上げは皆揃ってからやりたいし!」
エマ「彼方ちゃん、今日はまだ家に帰らなくても大丈夫?」
彼方「大丈夫だよー。何かあった?」
エマ「救護室で目が覚めた時、隣のベッドに東條さんがいて……少し話したんだ」
エマ「東條さん、目覚めてすぐに『せつ菜ちゃんの技を忘れないうちに、別のコートで練習する』って言ってた」
エマ「あんな強烈な快感を食らったばかりなのに……私はまだまだ甘いんだなって思ったよ。だから、練習付き合ってもらえないかな、って」
彼方「……そういうことなら全然いいよー。彼方ちゃんがたーっぷりお相手してあげるんだぜー」
果林「もう……無茶しちゃ駄目よ?」
かすみ「かすみんは新作コスメ見に行きたいなー。しず子としお子も行くでしょ?」
栞子「私は……遠慮しておきます。今日は真っ直ぐ帰りたい気分なので」
しずく「そうですか……? では、今日はここで……」
栞子「……」トボトボ
栞子(海未さんは良いバトルだったと言ってくれたけど、今日の私は全然駄目だったとしか思えません)
栞子(全国大会まで1ヶ月半ほどの猶予しかない……もっともっと強くならなければ……)
不良A「あれー? お嬢さん一人?」
不良B「僕たちとデートしない?」
栞子「!?」
栞子(考え込んでいた私は、声をかけられるまで気付きませんでした……自分が裏路地を歩いていることに。そして、二十人ほどの不良に囲まれていることに……!)
栞子「す、すみません……通してください」
不良C「なになに? 冷たいなー」
不良D「もういいよ面倒くさい、拉致ってヤっちゃいますか? ヤッちゃいましょうよ」
栞子「ひっ……!」
栞子(嫌だ……怖い。誰か……誰か助けて……)
「何してんの、あんた達」
栞子(声が、聞こえました。不良達が邪魔で姿を見ることが出来ませんが、女性の声だということだけははっきりと分かりました)
不良A「あん? 誰よお姉さん?」
不良B「もしかしてお姉さんも俺らとヤりたいとか?」
「ヤりたい? あーそうそう、殺りたい殺りたい。今日は死ぬほどイラついてんの」
栞子(シュルシュルと衣擦れの音が聞こえる。服を脱いでいる……いや、下だけを? まさか、世に聞く露出狂……!?)
不良E「……なに、お姉さんオナニーバトルでもやるつもり?」
不良F「二十人相手に一人でオナニーバトル? 死ぬ気じゃん?」
「御託はいいから。まさかビビってるってわけじゃないわよねぇ?」
不良A「……上等じゃん? 無様にアクメキメた後に、輪してやんよォ!」シコシコッ
不良A「あ……が……」ビュクビュク
不良B「馬鹿な……一人相手に……一度もイかせられず全滅なんて……」ドビュッ
「大丈夫? この辺バカが彷徨いてるから、さっさと帰った方がいいわよ」
栞子(何もなかったかのように、バトルなんて起こらなかったかのように。目の前の、小柄なツインテールの少女は言いました。中学生でしょうか……歳下に助けられるなんて)
栞子「は、はい……助かりました」
「そのバンド……あんたもオナニーバトラー? なら。あれぐらい一人で切り抜けなさいよ……オナニーバトルは男の方が弱いんだから」
「ま、いいや。さっさと帰りなさい」
栞子「待ってください!」
「……ん? あによ」
栞子(素人とはいえ二十人を同時に相手し、一度もイかず勝利を収める……この人も間違いなく、歩夢さんクラスのオナニー力の持ち主です……)
栞子(私は強くなりたい、強くなるしかない……! 貪欲に、無理矢理にでも……!)
栞子「私に……オナニーバトルを教えてください!」
ーーー
ーー
ー
歩夢「……あ、もしもし。久しぶり」
『久しぶり。そっちも今日大会だったんだよね? どうだった?』
歩夢「音ノ木坂に負けた。全国行きのチケットは貰ったけどね」
『やっぱり学校数が多いところはいいなぁ! 東京だけで四校でしょ? 羨ましい話なのだ』
歩夢「……そんなこと言って。そっちも全国出てくるんでしょ?」
千歌『当たり前だよ。全試合5-0でストレートだったのだ』
四皇『哄笑』 高海千歌 二年生
歩夢「かのんちゃんもBブロックの方で勝ち上がった、って言ってたから……二年ぶりに揃うね」
千歌『来た来た、電話。一年生と二年生だけで、創立二年目でUTX打ち破ったって偉そうに言ってたよ』
歩夢「あはは……じゃあ、また全国で」
千歌『うん……また、全国で』ピッ
歩夢「全国かぁ……」
ーー
審判『ゲームセット! ウォンバイ函館聖泉女子!』
聖良『悪いですが……北海道最強の座は渡しませんよ』
理亞『オナニーバトルを舐めないで!』キッ
ーー
悠奈『ぱー! 神津島も出ることが出来るなんて思わなかったよ!』
摩央『21世紀枠ってのが気に入らないけどね……』
ーー
ツバサ『……今回は敗北を喫したわ』
ツバサ『ただ、二度目の敗北は許されない! 私達はUTX! 最強であり続けなければいけないの!』
英玲奈『あぁ……もう負けたりはしない』
あんじゅ『分かってるわよぉ。オナニーバトルで生徒を集めているのに、私達が負ければ学校の名が落ちる……下手をすれば廃校なんだからぁ』
ーー
かのん『……全国か。一年も待たせちゃったな』
可可『すみれ、全国ではもっと頑張るデス』
すみれ『私は毎回勝ってるでしょ!? 唯一負けたのだって、オニナッツが「マンカスチーズの匂いが致しますのー」とか言って相手にクンニした反則負けで……』
千砂都『はいはい、とにかく練習だよ練習ー。まずは丸を作ってね』
恋『私達は新参者ですからね、精一杯努力しなければいけません!』
ーー
歩夢「きっと強い人が多いんだろうなぁ……」
歩夢「ふふっ、楽しみだなぁ……!」
そして舞台は全国へ──。
完
元スレ
ーーー
ーー
ー
栞子(その日は良い事なんて一つも無かった。テストはケアレスミスで満点を逃し、体育の授業では転んで恥をかき)
栞子(その上……)
酔っ払い「あれぇ……お姉ちゃんいいおっぱいしてるねぇ! いいおっぱいをしている女はねぇ、いい女だよぉ!?」
栞子「離れてください……大声出しますよ」
栞子(帰り道では酔っ払いに絡まれる)
酔っ払い「大声を出すのはいけない。婦女子が出していいのは嬌声だけだ」
栞子「嬌声も路上で出してはいけませんよ!?」
栞子(ああ、もう。恥ずかしいけど大声を出すしかありません。そう思って、大きく息を吸い込んだところで)
「あの……その子、嫌がってると思います」
栞子(背後から、そんな声が聞こえました)
3: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 22:53:15.82 ID:gH7FCdPu.net
酔っ払い「あぁん!?」
栞子(私と酔っ払いが振り向いたのはほぼ同時でした。酔っ払いは怒りを込めて、私は救いの祈りを込めて)
栞子(そこにいたのは、私とさほど年の変わらぬ少女でした。どう見ても酔っ払いに対抗できる人材とは思えない上、どことなく小動物のような雰囲気すらある)
「嫌がってる……よね?」
栞子「は、はい……嫌です。酒臭いですし、気持ち悪いです……」
酔っ払い「ふ、ふざけやがって……! 女性に絡むようなお前はこの世に存在する適性がありません、くたばれだと!?」
栞子(そこまでは言ってない)
「酔ってるからって女の子にくだ巻いちゃ駄目ですよ。ほら、こっちに……」
酔っ払い「許さねぇ!」
栞子「……っ!?」
5: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 22:53:57.01 ID:gH7FCdPu.net
栞子(酔っ払いの腕がグッと引かれ、次の瞬間には硬く握られた拳が眼前へと迫っていた。武道を歩む者ならば皆最初に其れを習う、謂わば正拳突きだ)
栞子(腕力だけで振られたものではない。足の捌き方が絶妙で、力の移動が上手い。腰を回して打っている)
栞子(顔に向かうそれを庇おうとし、気付く──違和感。右腕は顔面を狙っている、では左腕は何処だ)
栞子(心の臓を守る為に胸に付ける者、腹の横で握る者は多いが──その何方にも左手は存在していない。左手は右手のデコイに隠されるように、腹へと向かっていた)
栞子(山突きと呼ばれている技だ。顔を殴られそうになれば、自然人間は其方へと集中する。そうしてガードもされていない緩んだ腹に、左手で突きを打ち込む)
栞子(しかし、気付いたところで両方を守る術は無い。最早両の拳を受け止めるだけの時間は私には残されていない、やってくる痛みに怯えて私は目を塞ぐ)
「……やぁっ!!」
酔っ払い「がぁっ!?」
6: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 22:54:29.98 ID:gH7FCdPu.net
栞子(予想した痛みは、顔面にも腹部にもやっては来なかった。代わりに聞こえてきたのは威勢のいい叫び声と、酔っ払いの悲鳴)
栞子「え……?」
栞子(目を開ける。二つの玉が飛んでいた)
栞子(少女は下腹部を露出し、酔っ払いもまた履いていたズボンが裂け破れ、チンチンと金玉を露出していました。その赤黒いことといったら!)
栞子「ち、チンチンが射精を!?」
栞子(そして何より、男は吹き飛びながら射精をしていた。白濁した液体がコンクリートを汚し黒いシミを付ける)
酔っ払い「ぐ、あ……?」ビュルルッ
「虹ヶ咲の子だよね? 今のうちに逃げよっ!」
栞子(パンツを履き直しながら、少女は言いました。男は何が起こったか分からないと言いたげに射精していた)
7: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 22:55:00.80 ID:gH7FCdPu.net
「怖いよね……あの辺あんな人が出るんだ」
栞子(走って逃げながら、誰に言うでもなく少女が呟く。規則正しく手足を動かしながらも、私の頭の中は混乱に満ちていました)
栞子(何故酔っ払いは吹き飛んだ? 何故射精していた? この少女は何故パンツを脱いでいた?)
栞子(……と、考えたところで。まだお礼を言っていないことに気付きました)
栞子「あ、あの! 助けていただき、ありがとうございます! 本当に怖くて……」
「そうだよねぇ、酔っ払いは怖いよね。もうあのルートは通らない方がいいかもね」
栞子「虹ヶ咲学園の先輩ですよね? 私は一年生の三船栞子と申します。お名前は……」
「私? 私の名前は……」
歩夢「上原歩夢。虹ヶ咲学園オナニーバトル同好会所属の二年生だよ」
10: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 22:59:21.89 ID:gH7FCdPu.net
栞子「お、オナニーバトル?」
歩夢「あれ? オナニーバトル知らないの?」
栞子「聞いたこともないです……有名なのですか?」
歩夢「全世界で流行ってるスポーツだし、女子高生は皆一度は嗜んだことがあるって言ってもいいくるいだよ?」
歩夢「逆説的に言えばオナニーバトルをしたことがないと女子高生とは言えないよ」
栞子「そんな……!」
栞子(知らない間にそんなものが流行っていたなんて……このままでは姉さんに笑われてしまいます。姉さんは私を嘲笑うときいつも肛門を見せつける)
栞子(完璧主義の私は早速オナニーバトル同好会見学の約束を取り付け、歩夢さんと連絡先を交換した。明日の放課後が楽しみです)
11: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:00:13.71 ID:gH7FCdPu.net
ーーー
ーー
ー
栞子「まだかな……あ、歩夢さん!」
歩夢「ごめんごめん栞子ちゃん、ちょっと待たせちゃったかな?」
歩夢「幼馴染の子がメッセージを既読スルーしてね。むっと来たから1500件メッセージ送ったの」
栞子「なるほど、怖いですね」
栞子「それでオナニーバトル同好会は……」
歩夢「案内するね、こっちだよ!」
12: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:00:59.45 ID:gH7FCdPu.net
栞子(辿り着いたオナニーバトル同好会の同好会室は、思っていたような性的な雰囲気は無く普通の教室だった)
栞子(流しそうめん同好会やBB先輩劇場同好会などと比べると、むしろ普通すぎて拍子抜けしたくらいです)
栞子「あの、ここでオナニーバトルを?」
歩夢「ここは着替えとかミーティングがメインかな。競技練習は屋上や体育館でやることが多いよ」
栞子「競技練習……ところで、そもそもオナニーバトルとはどういったものなのですか? 未だに字面から想像が出来ないのですが」
歩夢「ああ、そっか。まずはそこからだもんね」
歩夢「ホワイトボードで説明してもいいけど……多分見てもらった方が早いんじゃないかな? もう皆集まってるだろうし」
14: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:02:20.32 ID:gH7FCdPu.net
歩夢「ちょっと待っててね……っと」
栞子(言いながら歩夢さんは制服を脱ぎ出す。艶めかしい引き締まった身体に、思わず私は目を逸らした。フェロモンでも出ているのか、顔が赤くなってしまう)
栞子(酔っ払いもいいおっぱいしてる女はいい女と言っていましたが、確かにこれはいいおっぱい。虹ヶ咲史編纂同好会に頼んで、虹ヶ咲史に加えてもらいたいほどのおっぱいです)
歩夢「あはは、女同士なんだから照れなくてもいいのに。栞子ちゃんも体操服持ってたら着替えて?」
栞子「は、はい……持ってます、丁度体育があったので」
栞子(汗で湿った体操服に再度身体を通すのは嫌だったが、歩夢さんに言われては仕方ない)
栞子「くんくん……それほど匂いは無い」
栞子(不快臭もしないから大丈夫だとは思いますが……もしストレッチに参加して、と言われて密着することになったら気まずい)
17: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:04:09.34 ID:gH7FCdPu.net
栞子(体操服に着替えた後、歩夢さん──何故か彼女はブルマを履いていた──が向かったのは、果たして屋上だった)
栞子(今日の体育館は『スラ○ダンクの名シーンを再現してインスタにあげる同好会』が使用していますし、屋上しかないとは思っていたんです)
愛「歩夢ーっ! 遅かったじゃん! あれ、そっちの子は……」
栞子「あ、私は……」
愛「三船栞子ちゃんだっけ、一年生の。確か入学式で挨拶したよね、入学試験を主席で突破したとかなんとかで!」
栞子「は、はい!」
栞子(まさか覚えている人がいるなんて……あんな挨拶、誰も聞いていないと思ってたのに)
愛「ステーキ奢ってあげよっか。しゅせーきだけに、なんちゃって!」
栞子「は?」
18: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:06:32.16 ID:gH7FCdPu.net
愛「私は宮下愛、よろしくねしおってぃー!」
栞子「し、しおってぃ? あの……」
歩夢「愛ちゃん、栞子ちゃんはオナニーバトルの見学に来たんだよ」
愛「そうなの? オナニーバトルはとっても楽しいよ! 楽しんでってくれたらいいな!」
栞子(見学とかオナニーバトルとか以前に、私が何をしに来たかも分かっていない状況であだ名を……? まさかこれが世に聞く『根明ギャル』ですか?)
かすみ「あれ、しお子?」
栞子「かすみさん? 何故ここに……まさかあなたも?」
栞子(同級生の中須かすみさんです。彼女は体操服を着ていたので、まさか、なんて言う必要はありませんでした)
かすみ「そういうしお子こそ。オナニーバトルとか興味ないと思ってたのに」
19: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:08:23.73 ID:gH7FCdPu.net
栞子「興味があるかないかは別として、知りたくて来たんです。オナニーバトルとは何なのですか?」
かすみ「えっ!? しお子、オナニーバトル知らないの!?」
かすみ「歩夢先輩が連れてきたんですよねぇ……? 今は即戦力が欲しいのに、なんで素人を……?」
歩夢「いやー……あはは。ちょっとした縁でね」
栞子「昨日、酔っ払いに絡まれているところを助けてもらったんです。助けて、というか、酔っ払いが射精したというか……」
かすみ「歩夢先輩、また路上でバトルしたんですかぁ!?」
栞子(路上でバトル……?)
歩夢「し、仕方なかったんだよ。酔っ払いが栞子ちゃんを殴ろうとしたから咄嗟に……」
かすみ「慣れてない人とバトルすると危険なんですからね、もう……」
21: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:10:20.16 ID:gH7FCdPu.net
栞子「もしかして、昨日の男性が射精していたのはオナニーバトルをしたからなんですか?」
歩夢「正確には私が強制的にバトルに引き込んだ、ってのが正しいかな。……あ!」
栞子(不意に歩夢さんが大きな声を出して、屋上の真ん中を指差しました。示された先を見て、私は)
栞子(息を呑みました)
しずく「はぁ……はぁ……!」クチュクチュ
せつ菜「うぉぉぉぉぉっ! 負けませんよっ!」クチュクチュ
栞子(屋上の真ん中では、マンコを露出した二人の女子生徒が一心不乱に己の股をこすり上げていました)
栞子「こ、これは……?」
歩夢「せつ菜ちゃんとしずくちゃんのバトルだよ! 同好会の中でもハイレベルな二人だから、きっと見応えあると思うよ!」
22: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:12:10.85 ID:gH7FCdPu.net
栞子「は、ハイレベルと言われましても……」
しずく「くっ……このままでは……」
せつ菜「切り札は早めに切っておくべきでしたね……『せつ菜☆スカーレットストーム』!」クチュクチュ
栞子(瞬間、せつ菜と呼ばれた少女の右腕が赤いオーラに包まれる。あれは炎……?)
しずく「……いえ、それを待っていたんですよ! 演じる! 『せつ菜☆スカーレットストーム』!」
栞子(ほぼ同時にしずくさんの腕も赤いオーラに包まれました。奇しくも同じ技……? いや、違う。クリトリスを弾く指のスピードも、穴を刺激する指使いも全て同じ……!?)
愛「おっ、前の会内バトルより腕上げたね。前は50パーもコピー出来たらいい方だったのに」
かすみ「しずくさんの実家は女優をやってるらしいですからねぇ。あの構えが自然体なんですよ」
23: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:13:44.57 ID:gH7FCdPu.net
栞子「しかしオナニーをしているだけにしか見えませんが……どこがバトルなのですか? 美しさを競う、バレエのようなものなのですか……?」
かすみ「えっ!? そこから!?」
歩夢「ご、ごめんね。説明するの忘れてたね」
栞子(私が変な奴扱いされていますね……全世界で流行っているスポーツを知らないのですから、仕方ないかもしれませんが。野球ってどうプレイするの、と言われたら私も困惑しますし)
歩夢「えっとね、二人が腕に巻いてるバンドが見えるかな」
栞子「ええっと……はい。黒いバンドを巻いています」
歩夢「あの黒いバンドの中には、オナニーバトル用のチップが入ってるんだ。あれを手首に巻いてオナニーすると、自分がオナニーで得た快感がバトル相手に移動するの」
栞子「い、移動?」
24: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:15:38.09 ID:gH7FCdPu.net
歩夢「えっと……つまりこういうこと」
栞子(言うなり、歩夢さんは手を股にやる。その手首には黒いバンドが巻かれていて──)
栞子(──青、だった。私は青い空を見ていた。頭の中がクラクラとする、肉体が内側から掻き回されたようで、上手く身体を動かす事ができない)
栞子(誰かが私を覗き込んで心配そうに何か言っている。向こうで怒られているのは歩夢さんだろうか、かすみさんのぎゃあぎゃあと怒鳴る声が鼓膜を揺らす)
栞子(体操服がビチョビチョに濡れている。漏らしたのだろうか)
栞子(いや、これが──そうか。この掌にあるものが──絶頂か。私は無様にも屋上でアヘ顔を晒してイっている)
歩夢「ごめんね……ま、まさかこんなことになるとは……」
かすみ「歩夢さんは強すぎるんですよ! いつも言ってるじゃないですかぁ!!」
栞子(だから昨日、酔っ払いが吹っ飛んだんですか。納得すると同時に、私の意識は途切れました)
26: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:16:55.56 ID:gH7FCdPu.net
栞子「……んかぁっ!?」
栞子(目覚めると、私は日陰に寝かされていました。身体には心地よい快感の余韻が残っていました。汗やイキ汁は拭いてくれたのでしょう、体操服も新しい誰かのものになっています)
歩夢「あ……目、覚めたんだね。ごめんね……」
栞子「歩夢さん……?」
歩夢「知ってもらおうと思って焦って……思わずコネクトしちゃったんだ。こんなことになると思わなかった、って言えば言い訳になるかもしれないけど……」
歩夢「ごめんね、オナニーバトル……嫌いになっちゃったよね……」
栞子(歩夢さんの横顔はとても寂しそうに見えました。確かに……あれほどの強烈な力を見せられて、怯えていないと言えば嘘になります)
栞子(けれど、けれど私は)
28: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:18:48.61 ID:gH7FCdPu.net
栞子「歩夢さん……」
歩夢「……うん」
栞子「入部届、用意してください。正式にオナニーバトル同好会に入部します」
歩夢「うん、そうだよね……って、え!?」
栞子「オナニーバトル同好会に入る、と言ったんです」
栞子(私は、思ってしまったんです)
栞子(この人を……上原歩夢を倒したいと。私を無様に床に這いつくばらせたこの人を、アヘ顔でイキ狂わせてみたいと!)
歩夢「し……栞子ちゃーんっ!」ギュッ
栞子「わわっ!? 歩夢さん!?」
29: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:20:41.23 ID:gH7FCdPu.net
栞子(抱き着かれました……恥ずかしいです)
栞子(しかし、こんな強い人がいるということは虹ヶ咲はきっと強豪……どんな努力をしてでもレギュラーの座を勝ち取ってみせます!)
栞子(待っててください、歩夢さん!)
歩夢「ありがとうね……栞子ちゃん! これで……これで……」
栞子「これで……?」
歩夢「無事、フルメンバーで夏の地方大会に出ることが出来るよ!」
栞子「……」
栞子「……」
栞子「……」
栞子「えっ?」
31: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:22:00.74 ID:gH7FCdPu.net
ーーー
ーー
ー
歩夢「それじゃ改めまして……入部おめでとう栞子ちゃん!」パーンッ
かすみ「何はともあれ公式戦に出ることが出来そうでよかったですねぇ」パーンッ
栞子「あ、あはは……」
歩夢「一先ずは自己紹介かな? 私は上原歩夢、オナニーバトル同好会の部長だよ。一年生から順番に自己紹介してもらっていいかな?」
二年生 上原歩夢
かすみ「クラス同じだけど……かすみんは中須かすみ。かすみんって呼んでね」
一年生 中須かすみ
璃奈「私は天王寺璃奈、一年生。競技者じゃなくてマネージャー」
一年生 天王寺璃奈 マネージャー
しずく「同じく一年生の桜坂しずくです! このオナニーバトル同好会と演劇部を兼部してます」
一年生 桜坂しずく
32: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:26:11.45 ID:gH7FCdPu.net
愛「愛さんは二年の宮下愛! ってさっきも自己紹介したよね、しおってぃー! これからは同じバトラーとしてよろしくね!」
二年生 宮下愛
せつ菜「二年の優木せつ菜です!! これからよろしくお願いしますね、栞子さん!!」
栞子「……あれ? 何処かで会ったことあります……よね? 顔に見覚えがあるような……」
せつ菜「き、気のせいですよ!!!」
二年生 優木せつ菜
エマ「私はエマ・ヴェルデ。三年生だよ。スイスからオナニーバトルをする為に留学してきたんだ」
三年生 エマ・ヴェルデ
彼方「同じく三年の彼方ちゃんだぜー。家の事情で今はマネージャーやってるけど、元競技者だから質問あったら何でも聞いてねー」
三年生 近江彼方 マネージャー
栞子「三船栞子、一年生です。よろしくお願いします……三年生がいるのに、部長は歩夢さんなんですね」
歩夢「あはは……自分で言うのも恥ずかしいけど、一番強い選手が部長やるべきだって言われちゃって」
歩夢「本当はあと一人三年生がいるんだけど、幽霊部員なんだ。オナニーは肌に悪いし、モデルをしてるから裸を見せたくないって……仕方ないんだけどね」
34: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:28:08.11 ID:gH7FCdPu.net
彼方「いやー、けど良かったよ。栞子ちゃん入らなかったら彼方ちゃんが選手登録しなきゃならなかったからね」
せつ菜「彼方さんはご家庭のこともありますし、全国大会に毎日出るというのは無理ですしね!! 地方大会勝ったところで棄権です!!」
栞子「えっと、もう一人の……璃奈さんが出るというのは駄目なんですか?」
璃奈「私はルール違反だから」
栞子「ルール違反?」
璃奈「不感症」
栞子「あっ……なるほど。失礼なことを聞いてしまいました……」
璃奈「いいよ。裏方として愛さん達の役に立てるから、楽しい」
栞子「けれど……大丈夫なんでしょうか? 私はオナニーバトルのこともろくに知らないのに、大会なんて」
35: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:30:05.59 ID:gH7FCdPu.net
歩夢「じゃあ、栞子ちゃんに詳しく説明しよっか。大まかには分かってくれたよね?」
栞子「バンドを嵌めて、オナニー技術を駆使して相手をイかせる競技ということは分かりました」
しずく「そうです、そうです。試合では先に相手とバンドで繋がり──競技用語でコネクトと言います──五回イかせた選手の勝ちなんですよ」
しずく「コネクトするターゲットは視線で捉えている相手に定まります」
栞子「五回、ですか……」
栞子(一度イっただけでも失神するほどの快感が身を襲ったというのに、それが五回も……中々ヘビーな競技ですね)
エマ「試合はダブルス2、ダブルス1、シングルス3、シングルス2、シングルス1と分けられてるんだ。先に三本先取したチームの勝ち!」
栞子「……? テニスの話ですか?」
エマ「オナニーバトルの話だよ?」
エマ「ダブルスとシングルスがあるんだよ、オナニーにも!」
栞子「そういうものですか……納得しました!」
36: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:32:33.82 ID:gH7FCdPu.net
愛「ダブルスが二組、シングルスが三人の計七人がチームになるんだ。マネージャーが二人で、幽霊部員が一人いるでしょ? だからしおってぃーが入って丁度なわけ」
かすみ「道具の持ち込み、使用は自由。後は特に難しいルールもなくて、イかせた方の勝ち」
栞子「意外と簡単なんですね、オナニーバトル」
かすみ「そう見える?」
栞子(……いや、違う。難しいルールがないということは、逆に言えば『どんな勝ち筋もある』ということだ)
栞子(単純故に難しい。むしろ詰めれば詰めるほど奥深いスポーツなのでは……?)
彼方「ま、難しいことは考えなくていいぜ。地方大会までに基本を覚えるくらいで」
栞子「基本……! 練習ですね!」
栞子(何はともあれ。ここから私のオナニーバトル道が始まるんです! 私にオナニーバトルの適性があるかどうか、見極めさせてもらいますよ!)
37: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:35:58.05 ID:gH7FCdPu.net
オイッチニー
サンシー
オイッチニー
サンシー
イーチニー
イッチニーサンシー
栞子(……と意気込んだのに。最初は何をやるのかと思いきや、体力を付けるための走り込みでした)
栞子(というかオナニーバトルでもやるんですね、基礎練)
かすみ「当たり前でしょ、オナニーバトルは体力使うんだから」
栞子「かすみさん」
かすみ「かすみん。しお子も歩夢さんにイかされて分かってるでしょ、体力が無いと一発でノックダウンされちゃうって」
かすみ「意識が飛んだらカウントなんて関係なく、その場で負けなんだから。オナニーバトルであれなんであれ体力が基本だよ」
栞子「分かりました……」
栞子(しかし随分長い間走っていますが……いつ頃終わるんでしょうか。汗が止まりません)
栞子(他の皆は何故こんなに涼しい顔をしているのでしょうか……)
38: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:38:23.35 ID:gH7FCdPu.net
歩夢「栞子ちゃん大丈夫? キツいなら少し休む?」タッタッタッ
栞子「だ、大丈夫です……」
栞子(わざわざ速度を下げて私のことを見に来てくれるなんて……歩夢さん達に迷惑はかけられません。もう三キロ近く走ってるんだから、そろそろ終わりでしょうし)
歩夢「けど後十七キロはあるよ? アップのランニングは二十キロだから」
栞子「にじゅ!?」
栞子(す、涼しい顔をしてる筈です! 後六倍近く走るなんて!)
歩夢「厳しいなら休んでいいから、ね?」
栞子「……分かりました。お気遣いありがとうございます」
39: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:40:49.49 ID:gH7FCdPu.net
栞子(……とは言われたものの)
栞子(この同好会で一番オナニーに遅れているのは私です。二十キロ走れと言われたら二十キロ走る他に追い付く方法はありません)
かすみ「ふぅ……よし、二十キロ! ふぇーんエマせんぱーい、かすみん疲れちゃいましたよー!」ギュッ
エマ「あらあら、かすみちゃんったら甘えん坊さん。三年生になったらこれに加えて、両手両足に合わせて八十キログラムの重りを付けるんだよ」
かすみ「ふぇぇ……かすみんのかわいいボディがムキムキマッスルになっちゃいますよぉ」
歩夢「ふぅー……栞子ちゃんは?」タッタッタッ
かすみ「後方につけてたかすみんの、遥か後ろを走ってて……十キロ越えた辺りで見えなくなっちゃいました」
彼方「流石に新人に二十キロ走は無茶だよ。経験者のかすみちゃんやしずくちゃんでもヒーヒー言ってたのに」
しずく「流石に毎日走ってるから慣れましたけどね」
41: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:42:09.89 ID:gH7FCdPu.net
歩夢「迎えに行ってあげたほうがいいかな……?」
愛「んー……歩夢が優しいのはいいことだけど、それはやめたほうがいいかも」
愛「しおってぃー、先輩の練習時間を減らしちゃったって傷付きそうだし。それに何だかんだ根性ある子だと思うから、時間はかかっても走ってくるよ」
せつ菜「そうです!! きっとアイシの雪光くんのように!!! それに根性があれば東京マラソンだってぶっちぎりの一位取れるって千春くんの舎弟も言ってました!」ゴーッ
歩夢「根性って……今日入ったばかりなのに、分かるの?」
エマ「分かるよ。だって栞子ちゃんは歩夢ちゃんにイかされたんだよね?」
エマ「初めてが歩夢ちゃんで、それでも立ち上がってくる子が根性無いわけないよ」
歩夢「けど、何処かで倒れたりしてたら……」
璃奈「大丈夫」
42: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:44:19.94 ID:gH7FCdPu.net
歩夢「それは……?」
璃奈「押すと三船栞子の現在地を表示するボタン」
璃奈「虹ヶ咲のすぐ側まで来てる。ゆっくりだけど、動いてる」
愛「ちなみにこっちの機械は?」
璃奈「インスタントデスゲーム体験装置」
愛「壊せこんな物」ガシャンドカン
栞子「……」ゼーゼー
歩夢「栞子ちゃん……」
栞子「っは……おく、れました……二十キロ、完走です……」ゼーゼー
栞子「つぎ、の、れんしゅうは……」バタッ
歩夢「栞子ちゃん!!」
43: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:48:21.45 ID:gH7FCdPu.net
栞子「……」スースー
彼方「限界迎えて眠っちゃったみたいだねぇ」
かすみ「初めての二十キロ走ですからねぇ。走り切れただけ御の字ですよ」
せつ菜「タフという言葉は栞子さんの為にありますね!!」
歩夢「栞子ちゃん……頑張ったね」ナデナデ
彼方「頑張ったのはいいけど、実際問題どうする? 基本技覚えても栞子ちゃんじゃ体力が足りないよ」
彼方「地方大会……来週だぜ? メンバー登録はギリギリ間に合ったけど……」
歩夢「……」
44: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:50:48.67 ID:gH7FCdPu.net
ーーー
ーー
ー
地方大会当日
栞子(つ、ついに来ました! 公式戦!)
栞子(まさか一週間で試合に出ることになるとは思いませんでしたが……ひたすら頑張るだけです!)ムフー
愛「ほら、歩夢気合い入れて気合い!」
歩夢「き、気合い? えっと……四回勝てば全国大会! 皆、頑張ろうね!」
オーッ!
栞子「四回ということは、出場校は十六校ですか?」
彼方「そ。まぁこの地方は学校多いから、一日で終わらせる為に別の場所でも試合やってるんだけどね」
彼方「後、歩夢ちゃんは四回って言ったけど正しくは三回ね。上位二校が全国出場だから、準決勝勝った時点で全国行きのチケット貰いー」
栞子「緊張してるんですかね、歩夢さん……」
彼方「じゃないかな。先輩が抜けて人数足りなくなったし、試合は去年の夏ぶりだから」
栞子(ほぼ一年ブランクあるじゃないですか!)
45: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:53:25.48 ID:gH7FCdPu.net
璃奈「試合表貰ってきた」
栞子「ええと、一回戦の相手は……釜瀬高校ですか」
彼方「ありゃ。釜瀬引いちゃったか……音ノ木坂と負犬が向こうのブロックなのは幸いだけど」
栞子「負犬? 音ノ木坂?」
彼方「全国常連のオナニーバトルトップ高校だよ。このブロックだとほぼ毎年、釜瀬、負犬、音ノ木坂のどこか二校が全国行ってる」
栞子「強いところなんですね……」
璃奈「釜瀬高校の八楽礼ヤク選手はとんでもない。プロ顔負け」
栞子「かませ高校のやられやく……一回戦からそんなところと当たるなんて!」
46: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:54:23.91 ID:gH7FCdPu.net
歩夢「相手は釜瀬かぁ……よし、オーダー発表するよ」
歩夢「まずダブルス2、愛ちゃんとかすみちゃん」
愛「よーし! まずは一勝貰おうね、かすかす!」
かすみ「かすみんですぅ! エマ先輩が良かったのにぃ……」
歩夢「続いてダブルス1、エマさんとせつ菜ちゃん!」
エマ「うん、精一杯頑張るね」
せつ菜「うおおおおっ! 燃えてきましたっ!!」
栞子(ダブルスでは呼ばれませんでしたね……ということは、現状一番弱い私はシングルス3でしょうか)
栞子(全国常連の相手に何処までやれるか……)
歩夢「シングルス3、上原歩夢!」
栞子「……え?」
47: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:56:34.71 ID:gH7FCdPu.net
歩夢「続いてシングルス2、しずくちゃん!」
しずく「私がシングルス2ですか。ということは……」
歩夢「シングルス1、栞子ちゃん! 以上だよ、何か質問は?」
栞子「ま、待ってください! 何故私が大将なのですか!?」
栞子「シングルス1は一番強い選手が入るべきでは……!」
歩夢「……釜瀬以外だったら栞子ちゃんに、ダブルスでもシングルスでも入ってもらって経験積んでもらいたかったんだけどね」
歩夢「オナニーバトルは三本取った時点で試合終了なの。釜瀬の八楽礼ヤクには私でも勝てるか分からない……ダブルス二本とシングルス一本できっちり終わらせるしかない」
歩夢「もしダブルスか私が落ちた場合はしずくちゃんがトドメを刺してくれるし、ね。だから今回は、栞子ちゃんがシングルス1」
栞子「それは……」
48: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:58:07.27 ID:gH7FCdPu.net
栞子(ほんの少し、ずるい気がしました。けれどそれが戦略ならば仕方がないのかもしれません)
栞子「……分かりました。私がシングルス1ですね」
歩夢「ごめんね、二回戦は試合出来るようにオーダーするから」
ーー
ー
釜瀬ベンチ
ヤク「虹ヶ咲……聞いたこともないね」
釜瀬モブ「こんな無名校、私達の……ヤク部長の敵じゃありませんよ!」
ヤク「はっ……私まで回ってくるといいけどね」
ヤク「三ゲームで勝ち続けたら、音ノ木とやる前に身体が鈍っちまうよ」
49: 名無しで叶える物語 2022/05/17(火) 23:59:56.26 ID:gH7FCdPu.net
ーー
ー
愛「ここで……っ!」クチュクチュ
かすみ「愛先輩、今です!」
栞子(自由に動く愛さんと、一見愛さんのリズムに乗るように見えて硬く膣イキを決めるかすみさん……敵としては厄介でしょうね)
5-1 虹ヶ咲ダブルス2勝利
せつ菜「うおおおおおっ! 『せつ菜☆スカーレットストーム』!」ギュオオオッ
エマ「最高潮の瞬間に……ぶつけるっ!」クチュッ
栞子(せつ菜さんは初日に見た、赤く燃え上がるオーラの技……あれは高速で動かすことによる摩擦で熱を発生させているとか。エマさんのサポートも絶妙ですね……)
5-3 虹ヶ咲ダブルス1勝利
「遅れちゃった……一回戦どうなってる? おー、三本取ってるか流石釜瀬……」
「あれ、釜瀬じゃなくて虹ヶ咲……? どこ、それ……?」
『なんということでしょうか! 大波乱です! 虹ヶ咲、シングルス3で試合を終わらせました! 全国常連釜瀬高校、まさかまさかの一回戦敗退!』
歩夢「ふぅ……ありがとうございました!」
釜瀬モブ「あり、がとう……ござい、ました……」
ヤク「……」
釜瀬モブ「ヤク部長……ごめん、なさい……」
釜瀬モブ「部長の最後の夏なのに……せ、先輩を試合に出すことも、わ、わたし……」ポロポロ
ヤク「……」スゥゥゥゥ
ヤク「そんな落ち込んだ顔見せるんじゃないよ、あんた達!!」
釜瀬モブ「!」
ヤク「この雪辱を、この悲しみを忘れるな! 私達は釜瀬! 最強の釜瀬だ! 来年こそは……きっと、全国に返り咲いてみせなっ!!」
50: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:02:11.03 ID:1wPFiQd2.net
釜瀬モブ「……っはい! ぶ、部長どこに……?」
ヤク「喉が乾いたのさ。飲み物買ってくるから、あんた達は二回戦の場所取りでもしてな」
栞子「まさか本当にシングルス3で終わらせてしまうとは……」
歩夢「作戦、バッチリ決まったね。かすみちゃんが結構怪しかったけど……」
かすみ「愛先輩が悪いんですよぉ! 私は右側の人狙うって言ったのに、合わせに来てくれないし!」
愛「愛さんは楽しい方にイくだけだもん。愛さんの戦法をもっと愛してよー」
エマ「やっぱりせつ菜ちゃんみたいにパワータイプだと、合わせやすくていいね」
栞子「……ううっ」ブルッ
栞子「と、トイレ行ってきます。緊張が解けたら一気に来ました……!」
彼方「トイレはそこ曲がってすぐだよー」
栞子「は、はい!」ダッ
51: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:03:58.27 ID:1wPFiQd2.net
栞子「ふぅ……」ジョボボボ
栞子(それにしても……八楽礼ヤク選手、凄い気迫でしたね。最後の夏ですか……それなのに、涙も見せず後輩を激励して)
栞子(せめて試合をさせてあげたかった。勝手な話ですが、そう思います……)
「う……」
栞子「!?」
栞子(この声……釜瀬のヤク選手?)
ヤク「ううぅっ……ヴぅぅ……」ポロポロ
ヤク「うぁぁぁっ……あぁぁ……」ポロポロ
栞子「っ……」ダッ
栞子(ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさい。本当にごめんなさい。涙が出ない筈ないんです、悔しくないわけがないんです)
栞子(私がもっと強ければ、私がもっと鍛えていれば、私がもっとオナニーバトルを早く始めていれば……私なんかがシングルス1に来ることはなかったんです)
栞子(そうすれば、釜瀬高校もシングルス1まで回ったかもしれません。歩夢さんとヤク選手が熱い戦いを繰り広げて、勝っても負けても最高の思い出になったかもしれないのに)
栞子(せめて、試合をすることは出来たかもしれないのに──)
栞子「私は……無力です……」ポロポロ
53: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:04:59.70 ID:1wPFiQd2.net
栞子(その後も二回戦のメス豚高校、準決勝のオメ毛大学付属を打ち破り虹ヶ咲は勝ち進み全国への切符を手にしました)
栞子(私はその両方にそれぞれダブルス2、シングルス3で出場しましたが)
栞子「……」
栞子(結果はどちらも惨敗でした)
栞子(ダブルスではせつ菜さんの足を引っ張り2-5で破れ、シングルスでは相手をイかせることもできず0-5で負けました)
栞子「私……オナニーバトルの適性が無いんでしょうか」
彼方「初めてならそんなもんだぜ。彼方ちゃんも最初の一勝をあげるまでに随分時間がかかったしね」
彼方「全国までは時間がある。負けていった高校に恥じないように鍛え上げればいいんだよー」
ヤク『ヴぅぅ……あぁぁ……』ポロポロ
栞子「……はい」
56: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:08:55.14 ID:1wPFiQd2.net
決勝
歩夢「……地方大会決勝だね。正直、ここまで来れるなんて思ってなかったよ」
せつ菜「私は案外いけると思ってましたよ!! 競技をしたこともない新入部員が大会直前に入るのは、勝ちフラグですから!!!」
歩夢「あはは……じゃあオーダーを発表するね。ダブルスが」
「歩夢ちゃん」
歩夢「……!」
栞子(……音ノ木坂のウェア? 試合直前に一体……?)
歩夢「穂乃果ちゃん……久しぶりだね」
穂乃果「去年は虹ヶ咲が一回戦で負けちゃったから、話もろくに出来なかったしね。勝ち上がってくるの待ってたんだよ!」
栞子(歩夢さんの知り合い……?)
穂乃果「私、シングルス3だよ」
歩夢「え……?」
穂乃果「やろうよ、バトル。ずっとずっとずっと……待ってたんだから」
歩夢「……」
57: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:13:04.49 ID:1wPFiQd2.net
穂乃果「じゃあ、歩夢ちゃん。また試合で!」タッ
歩夢「あ……もう! 穂乃果ちゃん、いっつも自分勝手なんだから!」
栞子「……知り合い、なんですか?」
歩夢「あはは……中学が同じなんだ」
かすみ「あぁ、しお子は最近オナニーバトル知ったくらいだもんね。歩夢先輩のことも知らないか」
栞子「どういう意味です?」
かすみ「色々あるってこと」
歩夢「コホン……気を取り直してオーダー発表するよ」
歩夢「まずダブルス2、しずくちゃんとかすみちゃん」
かすみ「しず子と!?」
しずく「ダブルスですか!?」
58: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:14:09.79 ID:1wPFiQd2.net
歩夢「二人の動きを見てたんだけどね、しずくちゃんは試合だとシングルスよりもダブルス向きのオナニーをしてるなって思ったんだ」
歩夢「しずくちゃんは決定力はあるけどバランスに欠ける、かすみちゃんは硬く決める分決定力に欠ける。悪いところを補いあったら最強のダブルスになれるよ」
かすみ「そうですかね……?」
しずく「歩夢さんがそう言うなら……」
歩夢「ダブルス1。エマさんとせつ菜ちゃん、ここは鉄板だね」
エマ「よろしくね、せつ菜ちゃん」
せつ菜「ガンガンフィニッシュ決めてみせますよ!」
歩夢「シングルス3は……私、上原歩夢」
栞子「……」
歩夢「勝つつもりでいくけど、穂乃果ちゃんが出てくるとなると……正直危ないかもしれない。シングルス2は愛ちゃん、シングルス1は栞子ちゃんだよ」
歩夢「もし私が負けたら……その時はよろしくね」
59: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:15:12.38 ID:1wPFiQd2.net
愛「王者音ノ木坂相手に何処まで粘れるか、って感じだけどね……なんとか楽しんでみるよ」
栞子「わ、私も頑張ります!」
栞子(流石に回ってこない気がしますけどね……)
歩夢「じゃ、じゃあ皆! 全国目指して頑張ろーっ!」
オーッ!
璃奈「もう全国行き決まってるけど」
彼方「まぁまぁ、そういう心意気の方が気合入るってもんだよ」
歩夢「打倒音ノ木坂! いくよ皆!」
60: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:17:11.90 ID:1wPFiQd2.net
ダブルス2
「音ノ木!」「音ノ木!」「音ノ木!」
「勝つのは音ノ木!」「負けるの虹学!」
しずく「凄い声援……流石強豪校ですね」
かすみ「それにしても、しず子とダブルスやる事になるなんて思いもしなかったよ、それもぶっつけ本番で!」
しずく「こっちだってかすみさんとダブルスやるなんて……想像もしてません!」
「あれ? 喧嘩してるにゃ?」
しずく「っ!」
凛「駄目だよ、ダブルスは仲良くしなきゃ。ねー、真姫ちゃん」
星空凛 一年生
真姫「そうね」
西木野真姫 一年生
凛「真姫ちゃん?」
真姫「そうね」
凛「……見たか凛と真姫ちゃんの仲良しっぷり! 奇跡のマリアージュにゃ!」
かすみ「……」
しずく「……」
61: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:18:36.81 ID:1wPFiQd2.net
凛「えっ、いや本当に何怒ってるの? まさかさっき、真姫ちゃんのお弁当勝手に食べたから?」
凛「いや、真姫ちゃんのジュース飲んだからかもしれないにゃ……それとも昨日の放課後、二郎系ラーメンでマシマシ頼んで死にかけてる真姫ちゃん煽ったから?」
真姫「全部よ」
凛「全部ならしょうがないね」
凛「よしっ! バトルに集中するにゃ!」
かすみ(しゅ、集中出来ない!)
しずく(何ですかこのダブルス……!? お笑いコンビ!?)
かすみ「というか……貴女たちも一年生なんですよね」
真姫「そうよ。そっちこそオーダー表見て驚いたわ……レギュラーに一年生が三人も入ってるなんて。補欠も兼マネージャーだし……人がいないのね」
62: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:19:39.41 ID:1wPFiQd2.net
しずく「そっちだって一年生が二人じゃないですか……」
真姫「……ま、それはそうなんだけど」
凛「凛と真姫ちゃんの場合はさぁ」
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
クチュッ!
しずく「くっ……!?」
かすみ「あぐっ!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 1-0!」
凛・真姫「「上級生から奪い取ったものだから!」」
63: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:21:13.55 ID:1wPFiQd2.net
しずく「かすみさん! ガードを硬めて!」
かすみ「っ! うんっ!」ギュッ
かすみ(腋を強く挟み込み、血流を遅くする。これで絶頂の感覚は揺らぐ……基本的なオナニーガード技の一つだ)
かすみ(今動いたのは猫の方じゃない、赤毛の方……)
かすみ(わざとらしく猫語が動き、集中を其方に向けた瞬間、赤毛が膣を優しく掻き回した……意識外からの快感に軽くイかされた、ってことかな)
かすみ「しず子! 早めに決めなきゃヤバい!」
しずく「うん!」
しずく(アイコンタクトでかすみさんと、ターゲットを合わせる。狙うはわざとらしく動く星空凛じゃない……西木野真姫です)
しずく(大抵ああして狙われやすくしている側はデコイ……むしろガードが硬く即イキを狙いにくい)
しずく(隙を見てアナルをほじれば突破は出来るだろうけれど、それならば西木野真姫を集中的に狙った方が得だ)
64: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:22:17 ID:1wPFiQd2.net
かすみ「……っ! やぁぁぁっ!!」クチュクチュ
真姫「っ……」ジュンッ
かすみ(かすみんはひたすら硬く、硬く相手に絶頂ダメージを与え続けるスタイル……後はしず子が)クチュクチュ
しずく「やぁぁっ!!」ギュンッ
かすみ(中指で膣内を掻き回す豪快な技でキメてくれる!!)クチュクチュ
真姫「っ! ううっ……!」
かすみ(イった!)
真姫「……なーんて、ね」
かすみ「なっ!?」
凛「真姫ちゃんばかりに集中してていいの? どんどんイくにゃ!」グチュンッ
かすみ「あぐっ! うぐうっ!?」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 2-0!」
かすみ(ガードを硬めていたのに、その上からイかされたッ……!)
かすみ(それに何故、赤毛はイかなかった!? 確かにかすみんの蓄積快感と、しず子の破滅的快感で絶頂値は閾値に達していた筈なのに!)
凛「まだまだにゃっ!」グチュンッグチュンッ
しずく「っく……耐え……うぅ!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 3-0!」
しずく「……まさか」
真姫「気付いた? 遅かったわね」
しずく「かすみちゃん、違う……私達はあの子達の手のひらの上で踊らされてたんだよ!」
65: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:23:34 ID:1wPFiQd2.net
かすみ「どういうこと……?」
しずく「星空凛ちゃんはガードしてなんかいない! 攻撃型の速攻オナニスト!」
しずく「そして最初に攻撃したように『見せかけた』西木野真姫ちゃんこそが、ガードナー! ガチガチにガードを硬められて……最初から攻撃なんてしてない!」
真姫「……そういうこと。私は最初から一度も」
真姫「『股を触って』はいない。ただそう見せかけただけ……強い人間ほど、わざとらしい凛の動きには集中せず私を狙いたがる」
真姫「私はただ耐えるだけ、ひたすらに……相手のオナニーをガードし続けるだけとも気付かずにね」
凛「そして集中の隙間を狙って凛が刺す! 残念だった……にゃ!」グチュンッ
かすみ「く、うっ……!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-0!」
66: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:24:43 ID:1wPFiQd2.net
栞子「そんな……あの二人が何も出来ずもう四回も絶頂を!?」
愛「やるね、彼女達」
歩夢「向こうも一年生であれだもんね……中々末恐ろしいなぁ」
栞子「言ってる場合ではありませんよ! 手も足も出ないなんて……!」
歩夢「確かに……相手が悪かったかもね。しずくちゃんの能力が最大限に発揮出来てない」
歩夢「音ノ木坂のダブルス2は一人一人だとそこまでの力はないのかもしれない。二人組み合わさることで凶悪なまでに力を増幅する……ダブルス特化型だね」
彼方「……うーん」
璃奈「頑張って、二人とも」
67: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:25:33 ID:1wPFiQd2.net
かすみ(ヤバい)
かすみ(まずいまずいまずい。後1ポイントでかすみん達が負ける……そんなの絶対に嫌だ)
かすみ(あの赤毛のガードを崩せるほどの突破力はかすみん達には無い)
かすみ(かといって……)
凛「ここにゃ!」グチュンッ
かすみ「っ!」
かすみ(ガードしてなければやられていた……っ! 猫語を狙うと、集中の隙を狙われて攻撃される! 完全に猫語を狙うと赤毛が攻撃に参戦してくるかもしれない!)クチュクチュ
かすみ(ぐ……!)クチュクチュ
しずく「……」
しずく「演じる」ボソッ
68: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:26:18 ID:1wPFiQd2.net
凛「ん? なにか……言ったかにゃ!」グチュンッ
しずく「そこにゃ!」グチュンッ
凛「っあ!?」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 4-1!」
真姫「ヴェェ!? ……あれは凛の『猫の目』!?」
真姫(集中力の隙間を見定めるあの技は、驚異的な動体視力と観察眼を持つ凛にしか使えないのに……!?)
凛「た……たまたまだよ! そんなわけ……!」
凛(……あれ?)
凛(向こうのコート……)
凛「かすみさん、ここから巻き返すにゃ!」
凛(なんで凛がいるの?)
69: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:28:09 ID:1wPFiQd2.net
かすみ「……ええ!」
かすみ(何処からどう見てもあの猫語。やっぱり恐ろしい技……というか特殊能力ですねぇ)
栞子「あれは……星空さんが二人……?」
歩夢「栞子ちゃんは見るの初めてだっけ? 屋上でやってなかったっけ、しずくちゃんの『写し身』」
桜坂しずくの家は先祖代々伝わる役者の家系である!
彼女もまた、役者になるべく幼少期から厳しい躾を両親に課されてきた!
まだ言葉も発せぬ幼子に、親が見せたのは教育テレビでもアニメでもない、女優のドキュメンタリーッ! 情○大陸! 世も末である!
しずくは次々テレビに映し出される役者達の、その言葉を、その動作を、寸分違わず真似出来るように教育され続けた!
そして彼女は!
しずく「……隙を見せたね!」グチュンッ
凛「いぐっ!」プシャッ
かすみ(相手の動きを観察し、相手になり切って技を自在に操るコピーオナニーの使い手になりました。っと)
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 4-2!」
70: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:33:34 ID:1wPFiQd2.net
凛「そんな……これは、これは凛の……」
凛「凛だけの、ものなのに……!」
真姫「落ち着いて、凛。オナニーはクールにやるものよ」
真姫「私達は後1ポイント取れば勝ち。相手が猿真似したところで、その有利は揺らがないわ」
凛「……そうだよね。ごめんね真姫ちゃん、頭に血が上ってたにゃ」
かすみ(……冷静になっちゃったか。あの赤毛、ガードナーだけじゃなく司令塔としても中々優秀みたいだね)
しずく(けれどここは譲れません……唯一見つけた勝機、どれだけか細い穴でも無理やりファックしてみせますよ! にゃ)
凛「らぁぁぁぁぁっ!!」グチュンッ
しずく「うぁぁぁぁぁぁっ!!」グチュンッ
72: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:36:02 ID:1wPFiQd2.net
かすみ(しず子だけに頼ってられない! かすみんもダメージを蓄積させて……)クチュクチュ
かすみ(っ!?)
真姫「……」クチュクチュ
かすみ「しまっ……!」
真姫「凛と争うのはいいけど……私から視線を逸らしたら駄目でしょ──?」クチュウッ
かすみ「っぐぅ……!」プシャアッ
審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂! 星空・西木野ペア 5-2!」
凛「っっっ……しゃあっ!!」
かすみ「はぁ……はぁ……」
しずく「負け、ちゃいましたか……」
スッ
真姫「凄かったわ、まさか凛の技をそのまま使われるなんて思ってもみなかった」ギュッ
しずく「……今はまだ届かない。けれど、いつか必ず……」ギュッ
ヌチャッ
かすみ(流石に試合後の握手は無理ですねぇ……)
凛(真姫ちゃん……相手も自分も愛液でびっしゃびしゃなの忘れてるにゃ……)
73: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:37:32 ID:1wPFiQd2.net
栞子「かすみさん、しずくさん! お疲れ様でした!」
かすみ「もう少し早く、反撃に出られたらよかったんだけどね」
しずく「り、凛さんは演じにくかったんですよ!」
しずく「いや、違いますね……私達の力が足りなかっただけです。やはり音ノ木坂は強豪ですね……」
ポンッ
しずく「! エマさん……」
エマ「大丈夫大丈夫、二人とも才能あるもん。練習重ねれば今よりずーっと強くなれるよ」
エマ「見ててよ。ダブルス1、勝ち取ってくるから」
しずく「エマさん……!」
せつ菜「強豪音ノ木坂ァァァ! 無名によるGIANT KILLINGは王道ッ!! だから二人とも安心してくださいッ!!」ゴォォォォォ
かすみ「ぐすっ……はい!!」
74: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:40:15 ID:1wPFiQd2.net
ダブルス1
エマ「せつ菜ちゃん、試合前から熱いよ?? 灰になっちゃうよ」
せつ菜「何言ってるんですかエマさん、灰になるのは最終話ですよ!!」ゴォォォォォ
希「うーん……うちの一年もそうだけど、ダブルスってのはお笑いコンビみたいなのが多いんかな」
東條希 三年生
ことり「そ、そんな風に言っちゃ駄目だよ希ちゃん……凛ちゃん達は汚れ芸人のおバカじゃないですっ!」
南ことり 二年生
希「そこまで言ってないんやけどね」
エマ「よろしくお願いしますね?」
希「こっちこそよろしく。お互い全国行きは決まってるとはいえ、全力尽くすやん」
せつ菜「ことりさんは同じ二年生なんですよね!!! アニメは好きですか!!!」ゴォォォォォ
ことり「アニメは嫌いじゃないけどアニメオタクは苦手かな……お店に来る人髪テラテラだし臭いし」ボソッ
せつ菜「えっ」ジュッ
75: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:42:21 ID:1wPFiQd2.net
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
エマ「行くよ、せつ菜ちゃん!」クチュッ
せつ菜「うおおおおおっ!! 『せつ菜☆スカーレットストーム』!!」メラメラッ
せつ菜(せつ菜☆スカーレットストームは右手の高速摩擦で指を熱し、蒸発した愛液から立ち上がる蒸気で血流を良くし快感を伝わりやすくする必殺技……!! しかし快感増幅が自分にも効果を発する諸刃の剣!!)
せつ菜(開幕から使うのはリスキーではありますがっ!! 相手が音ノ木坂となれば、無茶や無謀と笑われようと!! 使ってみせるが女道!!)
せつ菜「うおおおおっ!!」
愛「飛ばしてんねーせっつー。トバし狙いかな、飛ばしてるだけに」
栞子(何がかかってるというのだろうか)
ことり「なるほど……熱いね。飛んできた愛液がマグマみたいだよ」
ことり(単純、単純、単純。とっても分かりやすいね、勢いだけで勝ってきたタイプだ)
ことり「けど! あまりに無防備だよっ!!」ンミチュア
せつ菜「っぐ!!」
77: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:43:15 ID:1wPFiQd2.net
エマ(向こうの二年生はテクニカル・オナニーってところかな。相手の状況に合わせて次々と攻撃手段を変えてくる)
エマ(猪突猛進型のせつニーじゃ相性が悪いね)
エマ(その相方は……)
希「……」チュックチュッ
エマ(目立った動きはない。堅実型か……いや、それにしては……)
せつ菜「『スカーレット・ブーメラン』!!」クチュッ
栞子「あれは……絶頂ダメージを与える瞬間にわざと視線をずらした!?」
璃奈「本来ならば絶頂タイミングで視線をずらすのはNG。だって、せっかくの絶頂値が分散するから」
璃奈「けれどせつ菜さんのスカーレット・ブーメランはタイミング良く視点移動を流すことによって、相手二人にほぼ同値の絶頂値を与えることが可能」
璃奈「文字通り、ブーメランのように……!」
せつ菜(相手が素早く視界から逃れて回避したら、自分に跳ね返ってくるのが難点ですけどね!!)
78: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:43:53 ID:1wPFiQd2.net
ことり「きゃあっ!」プシャッ
希「んっ……くっ」プシャッ
審判「2絶頂! ポイント虹ヶ咲! 0-2!」
エマ「やったね! せつ菜ちゃん!」
せつ菜「ええ! このまま押し切りましょう!」
希「……」
エマ(そう、何とか押し切りたい……あの東條希とかいう子、時間をかけると何をしてくるか分からない!)
エマ(サポートを強めないと……!)
ことり「まだまだっ……!!」クチュクチュッ
せつ菜「っ……!!」
エマ(まずい! せつ菜ちゃんがイッちゃう!!)
エマ(絶頂の肩代わりを……!!)
希「……あ、見えた」
80: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:48:14 ID:1wPFiQd2.net
希「そこにあるんだ。エマ・ヴェルデの魂」ギュッ
エマ「……!?」ガクッ
せつ菜「エマさ……!? ぐうっ!!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 1-2!」
エマ(なに? 何が起こってるの?)
エマ(身体が動かない……!?)
せつ菜「エマさん!? どうしたんですか、ことりさんの追撃が来ま……うぐぅっ!!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 2-2!」
歩夢「リードが……!」
愛「なんでエマっちは動かないの!? サポートが無いとせっつーは……!」
81: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:49:07 ID:1wPFiQd2.net
栞子(猪突猛進のせつ菜さんと、その脇を固める補助や撹乱に特化したエマさん……この二人のコンビは難攻不落と言っても過言じゃない)
栞子(お互いがお互いの悪いところを完全に埋め合っている……逆を返すと、そのどちらかが崩れれば)
栞子(一気に穴を突かれる……!)
エマ「か……あ……!?」
せつ菜「ぐっ……希さんですね!? あなたが何かしているんでしょう!?」
せつ菜「ならばまずあなたを潰します!! 最大解放スカーレット・ストーム!!」ジュオオオッ
希「……」
希「……」ニィッ
せつ菜(なっ……? 持てる力のほとんどを注ぎ込んだ最大解放が利いていない!? 連続でアヘ顔晒してもおかしくないのに……それどころか笑って……!?)
エマ「……ひ」
エマ「ひぎぃぃぃっっ!!?」プシャァァァァァァッ!!!プシャッ!!
せつ菜「エマさん!?」
審判「む……2絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-2!」
82: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:50:37 ID:1wPFiQd2.net
栞子「2絶頂!? エマさんは一度しかイッていないのに!?」
歩夢「イキ値が閾値を越えて潮を噴いた場合カウントされるのが1絶頂。今のエマさんは絶頂中に更にイったから2絶頂として扱われるんだよ……!」
歩夢(けど……何故? 今のタイミングは敵の二年生も三年生もほとんど動きを見せていなかった)
歩夢(動いていたのは……せつ菜ちゃんだけだったのに)
エマ「ひっ! いぎっ! いひっ!」ビクビクッ
せつ菜「エマさん! エマさん……ッ! 返事をしてください!」
希「おー……凄い威力やん。そんなのウチに向けて撃つなんて、殺す気かな? その子が食らってくれて助かったわ」
せつ菜「な……!? これも希さんの技だと言うんですか……!?」
希「まぁ……そんなとこやね」クチュクチュ
83: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:51:36 ID:1wPFiQd2.net
希(ウチの技……というか能力『魂縛り』は、専用の呪符を道具として持ち込むことで発動することが出来る)
希(相手の魂の在り処を見極めリンクすることにより、自分が動けなくなる代わりに相手も動けなくなる……単純なる自己犠牲能力や)
希(その上で相手の技が自分に飛んできた場合は……リンクした相手が代わりに絶頂ダメージを負う。これが、神社でちょっとバイトする修行の末に身に付けたウチの必殺技やん!!)
希(……ま、敵さんに教えてあげる理由はないな)
せつ菜「くっ……」クチュッ
ことり「どうしたの? 勢いが……落ちてるよっ!」ンミチュアーーン
せつ菜「ぐうっ!!」
せつ菜(フルパワーでスカーレット・ストームを撃ったせいでもう右腕が……!)
せつ菜(エマさんは意識すら失っていないものの満身創痍。それにまだ……動けなくされている)
せつ菜(後1絶頂で負ける……そんなの、そんなのっ……!)
ことり「絶望に歪んだ顔してるね……? ことりね、女の子のそんな顔見るの……だーいすきですっ?」ンミチャッ
せつ菜「ぐうううっ……」
84: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:52:19 ID:1wPFiQd2.net
せつ菜(勝てない……勝てないんですか? 私はもう、この二人に……!)
エマ(身体が動かないっ……息が苦しい、頭がボーッとする……せつ菜ちゃんが苦しんでるのに、相棒が苦しんでるのに私は何もできないっ……!)
エマ(私を縛る三年生に攻撃したところで、それは私に跳ね返る。二年生のテクニカルなオナニーにはせつ菜ちゃんじゃ対応出来ない)
エマ(考えろ、考えろ、考えろ、考えろ!! 考えろエマ・ヴェルデお前はスイスから何をしに日本にやってきたバトルをして強い相手に勝つ為だろう考えろ考えろ考えろ考えろ勝ち筋を見つけろォォォォォッ!!!)
せつ菜「……っ」クチュクチュ
エマ「……!」
エマ(見えた。一か八かだし、か細い……あるかどうかも分からない線だけど)
エマ(勝機はまだある!)
エマ「……」チラッ
せつ菜「……!」
86: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:54:11 ID:1wPFiQd2.net
エマ(声は出ない。アイコンタクトだけで全てを伝えなければいけない)
エマ(シンクロなんて私達には使えない! けれど今だけは伝われ……せつ菜ちゃんに届け、私の思い!!)キッ
せつ菜「……」
せつ菜(……冗談を、といえる表情じゃないですね。けれど伝わりましたよ、エマさんの考え)
せつ菜(確かにそれはか細い糸です。けれど、私達にはそれしかありません)
せつ菜(やると決めたなら……貫くだけです!!)
せつ菜「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」ボォォォォッ
栞子「せ、せつ菜さんの腕が燃え上がっている!?」
希「性懲りもなくスカーレット・ストーム!? そんなに相方ちゃん殺したいんか!?」
ことり「それとも……ことりに撃ってみる? 流して分散させてあげるよ?」
87: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:55:36 ID:1wPFiQd2.net
せつ菜「おぉぉぉぉぉぉぉっっ!!!」クチュクチュ
せつ菜(腕が軋むように悲鳴をあげる。脳が沸騰し、目の前がブレていく。鼻が熱いのは熱のせいだけじゃないだろう、血管が千々に切れて血が噴き出しているんだ)
せつ菜(それでも、腕を止めるわけにはいかない。エマさんが、あんなフラフラになりながらも見つけてくれた勝機だ。骨の一つや二つくれてやる!!)
せつ菜「『極限開放せつ菜☆スカーレットストーム』!!!」グチュウウウッ
栞子「……え」
栞子「な、なんで……なんで」
栞子「なんでエマさんを狙って技を撃ってるんですか!?」
88: 名無しで叶える物語(鮒寿司) 2022/05/18(水) 00:57:27 ID:1wPFiQd2.net
希「っ!? やば……」
ことり「希ちゃ……!」
希「あぎぃぃっ!! いぎひっ!!」プシャッ!プシャァァァッ!!プシャシャ!
せつ菜「……エマさんの見出した道はこれです」ボタ…ボタ…
せつ菜「『東條希に技を撃てばエマ・ヴェルデが絶頂する。ならばエマ・ヴェルデに技を撃てば?』」
エマ「……ことりちゃんは一切私にダメージを与えなかった。棒立ちして、満身創痍の私に……変だよね? 意識が今にも飛びそうな人間を殺らないなんて」
エマ「だから気付いた。希ちゃんがどうやってるかは分からないけど、この技は発動した時点で、少なくとも試合中は解除できない……そうじゃないなら解除して、私を破ればいいだけだもん」
希「いぎっ、ひぎっ……!」ビクビクッビク
ことり「そ、そんな……! あの短時間で希ちゃんの魂縛りの弱点を見抜くなんて……!」
90: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:58:07.20 ID:1wPFiQd2.net
せつ菜「……ことりさん、試合中に言ってましたよね?」
せつ菜「女の子の絶望に歪んだ顔を見るのが大好きだって……なるほどなるほど」
ことり「うぐっ……」キッ
せつ菜「同感です!!」
審判「ゲームセット! ウォンバイ虹ヶ咲! ヴェルデ・優木ペア! 4-5!」
ワァァァッ!!
かすみ「凄い……あの状況から勝つなんて」
しずく「せつ菜さんの最後の技、相手を一気に三回も絶頂させてましたよ……恐ろしい」
エマ「はぁ……はぁ……」
歩夢「エマさん! 肩貸します!」
栞子「歩夢さんは次の試合の準備をしてください! 私が貸します! 彼方さんはせつ菜さんを!」
彼方「はーいよっと。せつ菜ちゃん、お疲れー」
せつ菜「決勝で良かったですよ……もう、一歩も動け、ませ……」ガクッ
91: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 00:59:20.86 ID:1wPFiQd2.net
彼方「あれだけ凄いオナニー技を撃ったんだからねぇ、腕も強張っちゃったでしょ。揉んであげるぜ」スリッ
彼方「……?」
彼方「……っ!?」
歩夢「え……? な、何かあったの?」
彼方「な、なんでもないぜ! 歩夢ちゃんは早く試合に行って!」
歩夢「う、うん……?」タッタッタッ
彼方「愛ちゃん、この中で一番足が早いの愛ちゃんだよね?」
愛「そうだけど……なんなのさカナちゃん、珍しく怖い顔して」
彼方「……救護班を呼んできて、運営に救急車も呼んでもらって!」
彼方「せつ菜ちゃんの腕、折れてる!」
92: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:00:28.60 ID:1wPFiQd2.net
シングルス3
歩夢(……なんだかベンチの方騒がしいけど、何かあったのかな? まさかイキすぎで脱水症状とか?)
歩夢(前もせつ菜ちゃんったら野獣先輩の真似してイキすぎて脱水症状になってたんだよね)クスッ
穂乃果「歩夢ちゃん……こっちに集中してよ! やっと巡ってきた機会なんだからさ!」
高坂穂乃果 二年生
歩夢「ご、ごめんね。チームの子が倒れちゃったから……」
穂乃果「えっ、チームの子が倒れて笑ってたの? 知らない間にサイコパスになっちゃった……?」
歩夢「そういうわけじゃなくて、淫夢ごっこを思い出して……」
穂乃果「よく分かんないや」
93: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:01:46.91 ID:1wPFiQd2.net
「ついに音ノ木坂の高坂が試合するぞ!」
「相手の虹ヶ咲ってどこだよ? 釜瀬に勝ったってマジ?」
「シングルス3は……上原歩夢? 上原?」
「いや、上原って……」
穂乃果「まぁ……バトルが始まったら嫌でも集中するよね?」
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
穂乃果「はぁっ!!」ゴオッ
歩夢(いきなり力強いオナニー・サーブを……!)
歩夢(受ける……と死んじゃう! 衝撃を横に流さなきゃ……!?)ジュッ
歩夢「あづっ……!?」
「開幕から『アマテラス』かよ! いつもは格下相手には使わないのに!?」
音ノ木モブ「高坂さんが地方大会で『アマテラス』を使うなんて……! あの上原って人、なんなんですか!?」
94: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:03:10.06 ID:1wPFiQd2.net
花陽「上原歩夢、虹ヶ咲学園二年普通学科所属。身長159cm、誕生日は3月1日で血液型はA型。最新の健康診断によるとB82、W58、H84との数字が出ています。性格は侑ちゃん大好きで他カプに流されない」クイッ
小泉花陽 一年生 マネージャー 眼鏡(最重要項目)
花陽「滾りますね……競技とは関係なく、オナニーしたいくらいです」
音ノ木モブ「う……相変わらず恐ろしいまでの調べよう」
音ノ木モブ(確かオナニーバトラーが大好きって理由で部に入ってきたのよね、この子……データ収集は趣味を兼ねてるとは言うけどストーカー染みてるわ)
音ノ木モブ「……って上原歩夢? 聞いたことがあるような……」
穂乃果「どうしたの!? 虹ヶ咲にいって……鈍っちゃった!?」グチュンッ
歩夢「そっちは随分成長したね! まだまだ私には追いつけないけどっ!!」クチュッ
95: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:04:42.50 ID:1wPFiQd2.net
「な、なんちゅうオナニーのラッシュや!」
「おいやっぱり……上原ってあの上原か?」
「中学出てから名前聞かないと思ってたけど……なんで虹ヶ咲なんて無名行ってんだよ!?」
彼方「はい……申し訳ありませんがお願いします」
救護班「救急車が来次第すぐに搬送します! この場で出来ることは精一杯やらせていただきますので!!」
彼方「……」
栞子「せつ菜さん……大丈夫でしょうか」
かすみ「大丈夫に決まってますよ! せつ菜先輩のことだから、きっと明日にはケロッとした顔で腕もくっついてます!」
愛「そうだよね……うん、きっとそうに決まってる。愛さんもそう思うよかすかすーっ!」ギュニギュニ
かすみ「ふぶぁ! ほっへひっぱららいれくらはいーっ!」
彼方「彼方ちゃんはマネージャーとしてせつ菜ちゃんの側にいるぜ。救急車にも同乗するから、歩夢ちゃんにもそう伝えておいて」
彼方「皆はもう試合に戻って……特に栞子ちゃんは、歩夢ちゃんの試合は見た方がいいぜ」
栞子「私……ですか?」
96: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:05:52.26 ID:1wPFiQd2.net
彼方「歩夢ちゃんと穂乃果ちゃん……二人の試合はきっと、得るものが多いと思うよ」
栞子(と、言われて戻ってきましたが……歩夢さんも強いとはいえ相手もかなり強いんですよね?)
栞子(試合開始から随分時間が経ちましたし、試合も終わりがけかもしれません……事情が事情だけにどうしようもないですが、応援出来ないのは悲しいですね)
璃奈「戻ってきた」
しずく「せつ菜さんは……その……」
愛「今は眠ってて救急車待ち。エマさんは多分少し休んだら戻ってくると思うよ」
愛「試合はどうなってる? ……って」
栞子「ま、まだ0-0!?」
97: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:08:00.16 ID:1wPFiQd2.net
歩夢「あはははははははははっ!! 楽しいねぇ穂乃果ちゃん!!」クチュウッ
穂乃果「本当だよ歩夢ちゃん!! やっぱり歩夢ちゃんは最高だ!!」グチュンッ
栞子「笑いながら戦ってる……!」
璃奈「お互い、常人なら10回は軽くイくほどの絶頂を受けてる。それなのに一度も絶頂してない」
しずく「かといって受け流してるわけでもない……どういうことなんですかね?」
栞子「そんなに凄い……? あれ……?」
ボヤーッ……
栞子(二人の背後に……何か影が見える……?)
栞子(気のせい、ですかね……?)
歩夢「っ……そこぉっ!!」ビシュウッ
穂乃果「んっ……!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 0-1!」
98: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:08:32.74 ID:1wPFiQd2.net
穂乃果「くぅー……一手ミスったかぁ!」
歩夢「大技狙ってたんだろうけど、右手の指先がマンコから30cmも下がってたらバレバレだよ」
穂乃果「ちぇっ!」
花陽「最初の1ポイントは歩夢さんですか。流石は四皇の一人、といったところですかね」クイッ
音ノ木モブ「四皇……やっぱり! 上原歩夢ってあの……『桃兎』上原歩夢!?」
「うぉぉぉぉぉっ! 本物の上原歩夢だあっ!」
「高坂穂乃果と上原歩夢、四皇同士の対決が見れるなんて……嬉しゅうて嬉しゅうてハッピーハッピーやんケ」
「音ノ木坂ぶっ潰せや上原ァァァッ!!」
栞子「よ、四皇……?」
璃奈「歩夢さんが通ってた『ラブライブ中学』には、四人の有名なオナニーバトラーがいたの」
璃奈「そのうちの一人が『桃兎』歩夢さん。穂乃果さんも四皇の一人で『太陽』って呼ばれてたよ」
栞子(中学の部活で二つ名が付くって創作だとよくあることですが……本当に強い人だったんですね、歩夢さん!)
99: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:10:15.83 ID:1wPFiQd2.net
穂乃果「まだまだここからァ!! 『アマテラス』!」
歩夢(熱い……! 予備動作が無い分、せつ菜ちゃんのスカーレットストームよりも厄介だね)
穂乃果(アマテラスは身体に溜め込んだ熱を放出し、相手の体力を奪うと同時に性感帯をくすぐる技……長引けば長引くほど歩夢ちゃんに不利なのは分かってると思ってたけど)
穂乃果(その上でオナニー・ラリーに乗ってくれるのは感謝しかないね。早めに終わらせてあげるよ、歩夢ちゃん!!)
穂乃果「はぁっ!!」クチュチュッ
歩夢「っ……!」
歩夢(楽しくなってやりすぎたかな……? ま、いいや)
歩夢(どうせ勝つのは……私だもん!!)クチュチュッ
100: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:10:56.48 ID:1wPFiQd2.net
歩夢「ぴょん……」クチュッ
穂乃果「っ……まずい!」
穂乃果(詠唱が始まった!!)
歩夢「ぴょん……」クチュッ
穂乃果「う……おおおおおっ!!」
穂乃果(歩夢ちゃんの強みは『兎の突進にも似た一点突破力』! その一点に関してはプロも舌を巻くほどに……! イかせて技をキャンセルさせないとマズい!!)
歩夢「ぴょんっ……!!」クチュッ
穂乃果「ぐ……間に合わ……!」
歩夢「『兎月雷々』!!」シュオッ
栞子「歩夢さんが……消えた!?」
101: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:11:56.17 ID:1wPFiQd2.net
愛「いや……」
かすみ「います……相手の後ろに!!」
栞子「相手コートに……!? 反則ではないんですか!?」
しずく「相手コートへの移動自体は反則ではないんですよ! ただメリットは無くデメリットが多いから誰もやらないだけです!」
しずく「考えてもみてください、無防備に移動なんてしようものなら一気に攻撃をされて終わりです。それに競技中意図的に相手に触れたら反則(暴力及びクンニ抑制の為)、というルールもあります! わざわざ相手コートに行く理由がないんです!」
栞子「では歩夢さんは何故相手のコートでオナニーを……!?」
しずく「それは……」
穂乃果「……」
穂乃果「……カハッ」パチパチ
プシャアッッ!!
栞子「い……イった!? 穂乃果さんが……!?」
102: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:13:09.75 ID:1wPFiQd2.net
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 0-2!」
穂乃果「く……はぁ。酷い技、だね……」ピリピリ
穂乃果「電気、でしょ?」
歩夢「正解」ニッ
穂乃果「そっちがオナニーをしているのに絶頂ダメージが来ないのは変だと思ったんだよ……自身の内にダメージを溜め込み、電気に変換したんだよね?」
穂乃果「それを足下に流し、カタパルトのように自身を発射させ……音速を超えたスピードで自分の股を擦り、私に絶頂ダメージと同時に性感帯へ電流を叩き込んだ」
歩夢「そういうこと。私も中学時代から、少しは成長してるんだよ」
上原歩夢! その特性は電気!
穂乃果「ここからは……本気だよ」
歩夢「今までも本気だったくせに」クスッ
103: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:14:34.61 ID:1wPFiQd2.net
穂乃果「『アマテラス』!!」
歩夢(また性懲りもなく……といっても、これを通されるのが一番辛いんだよね)
歩夢(太陽をもう一つ作ったようなものだよ……汗が止まらない。体力がどんどん奪われてく)
歩夢(熱に浮かされて意識がぼんやりとしてくる上に……)
穂乃果「らぁっ!!」クチュックチュッ
歩夢「っ!」ビクンッ
歩夢(意識喪失狙いじゃないのが余計厄介!!)
穂乃果「逃さないよっ!!」グチュンッ
歩夢「く……んっ!!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 1-2!」
104: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:15:30.24 ID:1wPFiQd2.net
歩夢(っ……一回イかされただけで足が震える)
歩夢(予想よりもかなり……穂乃果ちゃんが強くなってる!)
歩夢「まだ……まだぁっ!!」グチュンッ
穂乃果「キツかったら倒れても……いいんだよっ!」グチュンッ
栞子(なんて激しいオナニー・ラリー……! アマテラスの熱で蒸発した愛液が霧を作って……)
栞子(神秘性すら感じる光景です……!)
ーーー
ーー
ー
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-4!」ゼェゼェ
栞子(長い時間が経ちました。本当に、長い時間が……しかし永劫とも思える瞬間にも終わりは来るものです)
栞子(コートに立つ二人は、肩で息をしていました。手は粘つき、愛液は白く変色し、泡立ち、もう指先の感覚も無いのかもしれません)
栞子(けれど、けれど二人は──)
穂乃果「ははっ……」
歩夢「ふふっ……」
栞子(笑っていました。楽しげに、美しく、気高く……)
105: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:16:59.12 ID:1wPFiQd2.net
穂乃果(楽しいなぁ。本当に、こうして戦うのは楽しい……中学の頃に戻ったみたいだよ)
歩夢(あの頃はいつも四人で、毎日のようにバトルしてたもんね。私の方が強い、私の方が強いって……)
穂乃果(そうだよね……本当に。家族よりも、四人でいる時間の方が長かったのに──)
穂乃果『皆はもう高校決めた? 勿論音ノ木坂だよね! この辺だと一番の強豪だし!』
歩夢『……私は虹ヶ咲に行くよ』
穂乃果『虹ヶ咲……? 聞いたこともないけど……オナバト部あるの?』
歩夢『ううん、同好会レベル。機材も揃ってないみたい』
穂乃果『な、なんで!? なんでそんなところに……』
歩夢『ごめんね……侑ちゃんが音楽科のある虹ヶ咲にどうしても行きたいって……侑ちゃん、側に私がいないと駄目だから……』
106: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:17:58.72 ID:1wPFiQd2.net
穂乃果『うう……二人はどうなの? 音ノ木坂だよね!? 一緒にバトル出来るんだよね?』
『実は私……中学卒業したら静岡に引っ越すのだ。母方の実家が旅館やってて、そこで高校行きながら女将修行することになって……』
『悪いけど、私も音ノ木坂には行けない。来年度から新設される高校に来ないかって知り合いに誘われててさ』
穂乃果『そんな……じゃあ、皆と一緒にバトル出来るのは』
歩夢『中学が最後、ってことだよね……』
穂乃果『……』グスッ
穂乃果『……じゃあ、約束しよ』
『約束?』
穂乃果『高校行ってもバトルは辞めない。四人揃って全国大会で……また会おうよ』
『あはは……いいね、それ。私は一年生ばかりだからちょっと待ってもらうかもしれないけど』
108: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:19:30.87 ID:1wPFiQd2.net
『静岡の学校も強豪って聞いてるから、きっと全国行けるのだ!』
歩夢『私も……また皆と会って、戦いたい』
穂乃果『じゃ……約束』グッ
『全国大会で……』グッ
『きっとまた……!』グッ
歩夢『……私が優勝しちゃうけどね!』
穂乃果『違うよ! 私が優勝するもん!』
『私だって! 皆に勝ち越してるし!』
『総合成績なら私が一位でしょ!?』
109: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:26:04.87 ID:1wPFiQd2.net
穂乃果(永遠に続けたいよ。この瞬間を、永遠に……)
歩夢(けど、もう終わり。後1ポイントで勝敗が決まる)
歩夢(ここまで競ってくれてありがとう、穂乃果ちゃん。本当に、本当に──)
穂乃果「……」グチュンッ
歩夢「……」チュグッ
歩夢(楽しかった)
プシャアッッ
栞子「同時イき……!?」
愛「いや、オナニーバトルに引き分けはない……! 審判の判定は……!?」
110: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:28:03.37 ID:1wPFiQd2.net
審判「……!」
審判「……っ! ゲームセット! ウォンバイ……」
審判「虹ヶ咲! 上原 4-5!」
オナニーバトルの最後はいつもこうだ。
勝者は空を仰ぎ見。
敗者はうらめしそうに地面に伏す。
栞子「や……」
かすみ「やった……高坂穂乃果に勝った……!」
愛「うおおおっ!! 凄いよ歩夢!!」
穂乃果(負けたか──)
穂乃果(こっちもかなり鍛えたし、いけると思ったんだけどなぁ……やっぱり歩夢ちゃんは強いや。あー……頭クラクラする)
歩夢「あはは……ありがとう、皆……」フラフラ
歩夢「あれ……彼方ちゃんとせつ菜ちゃんは?」
111: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:29:25.07 ID:1wPFiQd2.net
ーー
ー
歩夢「……そっか。骨、折れてたんだ……私が試合に集中できるように気を使ってくれたんだね。ありがとうね」
歩夢「けど、やっぱり……何かあったらすぐに私に教えてほしいかな。一応部長なんだから……ね?」
璃奈「ごめんなさい」
歩夢「これでスコアは1-2、虹ヶ咲リード。今日は勝って、病室に地区大会優勝の旗お見舞いに持ってこう!」
オーッ!
栞子「……」
ポンッ
栞子「! ……愛さん」
愛「大丈夫だよ、しおってぃー。愛さんでキメてくるから」
栞子「っ……はい! 頑張ってください!」
112: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:30:46.99 ID:1wPFiQd2.net
シングルス2
愛(さてさて。とは言ったものの)
愛(シングルスやるのも久々なんだよね。愛さんどっちもいけるタイプだけど……)
絵里「あら……あなた、ダブルスやってなかった? 本業はシングルスなの?」
絢瀬絵里 三年生
愛「どっちもやれるんだよね、実は。それより金髪仲間だねっ! エリーって呼んでいい?」
絵里「別にいいけど。初対面の人にあだ名付けられるの、慣れてるし……」
愛「それにしても……音ノ木坂のシングルス2が知らない子だとは思わなかったよ。公式試合に出るのは初めてだよね?」
絵里「……まぁ、今までは燻ってたというか。色々あったのよ」
113: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:32:08.30 ID:1wPFiQd2.net
愛「てっきり矢澤にこ辺りがシングルス2で来ると思ってたから驚いたよ。にこっちはシングルス1とか?」
絵里「……にこと知り合い?」
愛「まぁね。試合で何度か」
絵里「……そう。残念だけど、シングルス1は海未よ」
愛「……え? にこっち出ないの?」
絵里「出ないわ。まだ部には名前があるけど……もう戻ってくることはないと思う」
絵里「……少し話しすぎたわね。お喋りはこのくらいにしましょ」
愛「そうだね。私達は言葉じゃなく……」
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
愛「バトルで語り合うべきだッ!!」クチュッ
114: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:33:31.20 ID:1wPFiQd2.net
絵里「っ……!」プシャッ
愛「……!?」
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 0-1!」
愛(小手調べ程度のスピードオナニーで1ポイント……? 余りに弱すぎる。これじゃ見習いのしおってぃーと同レベルだよ)
愛(いや──音ノ木坂のシングルス2がそんな筈ない。決して油断はするな、宮下愛。焦らず急がず最後まで、己のオナニーを貫け)
愛「ふっ……!」チュクチュク
栞子「愛さんの体勢は……まるで武道の構えのようですね」
しずく「栞子さんも武道の嗜みが?」
栞子「観る専門ですけどね。姉さんの趣味に付き合わされて……」
栞子(姉さんは武道の心得がある者に素人の振りをして近付き、不意をついて一方的にボコボコにした後肛門を見せ付けバカにするのが趣味なんですよね)
しずく「あのスタイルは伊達や酔狂でやってるわけじゃないんですよ。ちゃんと理に適っているんです」
115: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:35:09.79 ID:1wPFiQd2.net
愛(武術の構えというものは、対峙する者にとって想定以上に隙が無い。徒手空拳から武具を用いる敵まで、如何なる動きにも対応出来る最善の状態がこれだ)
愛(すり足で素早く動き、拳が来れば裁き、突き出た服を掴んで転ばせる。それをオナニーバトルに転嫁したのがこれだ)
愛(相手の送り込む絶頂ダメージを分散させ、ずっしりと落とした腰で衝撃に備える。固く締めた脇は血流を僅かに鈍らせ快感を軽減させる。視界から外れる為の移動も簡単だ)
愛(空いた右手は絶え間なく股ぐらを弄り、相手に途切れなく快感を与え続ける……これが愛さんの得意とする攻防一体のスタイル!)
絵里「っ……流石に大会を勝ち残ってきただけはあるわね」
愛「そっちこそ、奥の手があるんだよね? 早く見せてよ……それで大会を勝ち残れるわけないことくらい、私にだって分かる」
絵里「そうね……じゃあ」
絵里「イかせてもらうわっ!」グチュンッ
116: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:35:51.80 ID:1wPFiQd2.net
愛「……」
愛「それが何か……ふぐぅぅっ!?」プシャッ!プシャッアッ!
審判「2絶頂! ポイント音ノ木坂! 2-1!」
愛(な……何をされたの!? いきなり全身にとんでもない快感が走って……二回もイかされた!)
愛(大技!? いや、そんな……なんのモーションも見えはしなかった! ただ股を触っただけっ……! そんなもので二回もイかされる愛さんじゃない!)
愛(ガードは崩れていないのに……!)
栞子「愛さん……ッ!? 何をしているんですか!?」
かすみ「そ、そうですよぉ!! なんでそんな……!」
愛「何を、って……!」
絵里「バラされる前に……もう一回!」グチュンッ
117: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:36:31.57 ID:1wPFiQd2.net
愛「何をも何も愛さん……はぁぁっ!!」プシャッ!プシャァァァッ!
審判「2絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-1!」
愛(おい……なんで……愛さんがイかされてる? エリーが大技を使ったようには見えなかったのに……!)
歩夢「なんで一方的に攻撃されてるの!? そんなの愛ちゃんらしくないよ!」
愛(一方的に攻撃……? どういうこと? 私はずっと攻撃の手を止めてはいないのに……)
璃奈「愛さん、止まってる」
愛(りなりー……?)
璃奈「愛さんだけ、時間が止まってるみたいに」
愛(時間が……止まってるみたいに?)
絵里「……そういうこと」
118: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:37:24.73 ID:1wPFiQd2.net
絵里「私は時間を止めることが出来るの。凄いでしょ?」
愛「ははっ……時間停止能力? 9割は偽物だって言われてるあれ?」
愛(いや、おかしい。『時間停止能力』なんてものがこの世にあるわけがない。そもそも時間停止なら、なんで皆からは愛さんだけが止まったように見えてるの?)
愛(糸口は見えない……カウントは4-1。次にあの能力を使われたら終わる)
絵里「色々考えてるんでしょうけど……無理よ?」
絵里「私のこの技に弱点は無い。仮に仕組みに気付いたとしても……もう手遅れよ」
愛(……何が起こってるの? 愛さんだけが動けない、快感は一気に来る……)
愛(分からない……! もう、真正面からねじ伏せるしか……!)クチュックチュッ
絵里「あっ……ん!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 4-2!」
119: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:38:23.91 ID:1wPFiQd2.net
愛(幸い相手は防御が尋常じゃなく弱い! ここは畳み掛けて、あの技を使われる前に終わらせる!)クチュッグチュグッ
絵里「くうっ……!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント虹ヶ咲! 4-3!」
栞子「凄い巻き返しです! これなら……!」
絵里「……残念ね。ここまでよ」
愛「……」
璃奈「また……止まった」
栞子「なんで止まるんですか……なんで動かないんですか! 愛さん!」
120: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:39:38.69 ID:1wPFiQd2.net
しずく「っ……演じる!」キィィン
しずく「今彼女に『写し身』して能力の正体を探ります……!」キィィン
璃奈「また、やられちゃう……」
しずく「……っ!? 分かりました、技の正体が……!」
かすみ「一体何なの!?」
しずく「彼女の性技は『時間停止』ではありません……もっと単純な『催眠』です!」
栞子「催眠……?」
121: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:40:11.64 ID:1wPFiQd2.net
「相手を意のままに操る能力、ってことよ」
栞子(知らない声が、背後から響きました。思わず振り返ったそこには、すらりとした身のこなしの大人びた女性が立っていました)
栞子「あの……あなたは?」
「あぁ、会うのは初めてね。本当は試合だけは見に来る予定だったんだけど、モデルの仕事が長引いて……」
果林「朝香果林。幽霊部員の三年生よ」
朝香果林 三年生
栞子「あなたが例の……! それで……催眠ってどういうことなんですか?」
果林「寸分違わず瞬き、呼吸、動きを合わせることによって相手の脳と同調し、命令を送り込む。この場合は身体が動けなくなり、時間が飛んだように感じる、かしら」
果林「モデルの世界にもよくいるのよ。他人に見られる職業をしている人間は、逆に相手の動作を観察していることが多い……そこから同調催眠に目覚める子が多いの」
122: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:41:48.15 ID:1wPFiQd2.net
栞子「同調催眠……」
果林「きっとあの子も、人に見られるような何かをやっていたんじゃないかしら。背筋が真っ直ぐなところとバランスを見るに……バレエか何かかしら?」
果林「そこで彼女は、催眠に目覚めた。……ま、ほとんどは弱い催眠程度で、あそこまで強力に使える子はそうはいないわね」
絵里「正解よ……!」
絵里(バレエの道は大成することはなかった。私には才能が無かったし、それでも突き進むほどの思いもありはしなかった)
絵里(けれどその副産物で、こうして私は戦えてる。音ノ木坂のレギュラーとして地位を得ている!)
「催眠って……卑怯じゃないのか?」
「皆真面目にやってるのに……!」
「寝惚けたことを抜かすなァ! どんな手を使っても勝ちゃあいいんだよォォォ!」
にこ『絵里……後は頼んだわよ』
絵里(にこに頼まれたのよ、後は任せるって……だから私は、どんな手を使ってでも!)
絵里(例え卑怯と呼ばれてでも、この力を使って相手を屈服させてみせる!!)
123: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:43:49.19 ID:1wPFiQd2.net
絵里「相手は……凍り付いたように動かない。そして」クチュチュッ
愛「……っあ」プシャッ
絵里「気付いた時には全てが終わっている。これが私の……『氷の牢獄』よ」
審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂! 絢瀬 5-3!」
栞子「あ……」
栞子(愛さんが負けた──)
栞子(つまり、つまりそれは……私のバトルが、この地方大会決勝の勝敗を分けるということに……!)
栞子「……っ」ガタガタ
栞子(震えが止まらない……皆、死力を尽くして頑張って、骨を折ってまで闘いぬいたその結末を、私が……?)
栞子(余りに重い──押しつぶされそうなほどに──)
124: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:45:43.55 ID:1wPFiQd2.net
愛「負けちゃった……ごめんね、しおってぃー」
栞子「そ、そんなこと……!」
栞子(愛さんは精一杯戦ってくれた……謝る必要なんて何もないのに)
栞子(申し訳なさそうに謝らせてしまった。私は今、どんな顔をしているのだろう)
歩夢「……大丈夫だよ、栞子ちゃん」
栞子「……歩夢さん」
かすみ「そうですよ! しお子だって頑張ってきたじゃないですか!」
しずく「二十キロ走も体力残して完走できるようになりましたしね」
125: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:46:36.69 ID:1wPFiQd2.net
璃奈「基本はちゃんと出来てる。大丈夫」
果林「……エマから話は聞いてるわ。根性のある新人が入ってきたって。ところでエマはどこ?」
歩夢「救護室にいるよ」
果林「えっ!? ちょ、ちょっと見てくるわ!」ダッ
歩夢「こほん。だからね、安心してよ」
歩夢「オナニーバトルをする上で一番大事なのは……楽しむことだよ」
栞子「……っ」
栞子「はい! 虹ヶ咲学園一年、三船栞子! 精一杯やってきます!!」
126: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:47:35.11 ID:1wPFiQd2.net
シングルス1
海未「まさか一年生が相手とは……園田海未と申します、宜しくお願い致します」ペコッ
園田海未 二年生
栞子「い、一年生の三船栞子です。此方こそよろしくお願いします!」ペコッ
栞子(……なんだろう、海未さんのあのウェア)
栞子(下半身に何も付けてないのは当たり前だからともかく……胸の部分が切り取られて、おっぱいが丸見えになってる……?)
海未「何故私の乳首をジッと見つめてるんですか!? 破廉恥です!!」
栞子「えっ、も、申し訳ありません」
栞子(オナニーバトルに参加しながら、乳首を見られて恥ずかしがるって……変わった人ですね)
栞子(それに……道具を持ち込んでる? あれは……弓でしょうか。矢はありませんが、一体何に……)
127: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:48:38.80 ID:1wPFiQd2.net
海未「泣いても笑ってもこれで終わり……良いバトルにしましょう」
栞子「はい!」
栞子(いい人そうですね。ことりさんや真姫さんとぶつかってたら泣いてたかもしれません)
栞子(よしっ! 私も全身全霊で……!)
ザ・ベストオブワンセットマッチ
オナニーバトルプレイ!
海未「『ラブアローシュート』!」パチィンッ
栞子(な──速攻!? けど胸もマンコも触ってない! 弓を引いて弾いただけ!? 何の意味が──)
栞子「っ!?」ビクンッビクンッビクンッ
栞子「あっひぎっ!?」プシャッ!プシャァァ!プシャッ!
審判「3絶頂! ポイント音ノ木坂! 3-0!」
128: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:50:13.70 ID:1wPFiQd2.net
かすみ「しお子!」
栞子(両方の乳首とクリトリスに信じられないほどの快感が……ッ! まさか……!)
海未「……」
栞子(あの弓の弦で、乳首とクリトリスを弾いた!? だからこそのおっぱい丸出しウェア……!)
海未「園田流三点撃『ラブアローシュート』……得意な技ではありますが、まさかこれだけで三度も絶頂に達するとは思いませんでした」
海未「……っ」グチュンッ
栞子「が……あっ!」プシャッ
審判「1絶頂! ポイント音ノ木坂! 4-0!」
しずく「もうセットポイントに……!」
129: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:52:17.23 ID:1wPFiQd2.net
海未「技でも何でもない、単純な破廉恥で潮を噴いてしまう……ガードも分散も何も出来ていない」
海未「あなたはっ……何故この場に立っているのですかっ……」フルフル
栞子「……!」
海未「ダブルス1を見て、私は感動したんです。優木せつ菜……彼女の心意気からは、モノノフの志を感じました」
海未「腕が上がらず、骨は折れ……それでも勝つ為に思いを込める。素晴らしい試合でした……っ!」
海未「穂乃果だって、歩夢だって……あんな熱と疲労の中、最後まで健闘を称えあった!」
海未「それなのに……っ! あなたは、何を信じてこの決勝の、シングルス1の舞台に立っているんですかっ……!!」
栞子「私は……」
130: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:53:02.43 ID:1wPFiQd2.net
栞子(海未さんの怒りは最もだ。私はこの場所に立つべき人間じゃない)
栞子(ほんの少し前にオナニーバトルを初めて、周りの皆に連れられてここまで来ただけの……何の思いも、志もない人間です)
栞子(きっと海未さんは闘いたかったんです。この決勝の場で、チームの勝利を全力で争う強者と……)
栞子(その神聖な舞台を、土足で踏み荒らした素人が私だ──)
海未「っ……」
海未「……無礼な振る舞いをしてしまい、申し訳ありません。これで、終わらせます……」スッ
かすみ「しお子! ガードして!」
愛「ラブアローシュートが来る!」
栞子『私にオナニーバトルの適性があるかどうか、試してみたいです!』
栞子『自分だけのオナニー道を見つけてみたいんです』
栞子(私は……オナニーバトルの適性が……)
132: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:54:04.36 ID:1wPFiQd2.net
スパァンッ!
海未「『ラブアローシュート』!」
栞子(私は──)
栞子「ッ……!!!」グッ
海未「なっ……!」
海未(耐えた……!? ろくにガードも知らない栞子が、ラブアローシュートを!?)
栞子「私は……もう、そんなことどうだっていいんです!」
栞子「適性とか、才能とか、志とか……そんなことは! 私はオナニーバトルがやりたい! だからここに立って、あなたと闘っているんです!!」グチュウウウッ
海未「っ……!」ビリッ
海未(雰囲気が変わった……!? それにこの、荒々しいまでに破廉恥な快楽は……ッ!)
134: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:55:35.05 ID:1wPFiQd2.net
栞子「うぁぁぁぁぁぁっ!!」グチュグチュ
海未(型もスタイルもない、獣のようなオナニー。しかし、それが……それこそがオナニー本来の姿なのかもしれません)
海未(型にはまらず自由で、野生的なそれこそが……)
海未(しかし──)
海未「まだ、青い」クチュチュッ
栞子「か……はっ!」ビクンッ
海未「全国までにもう少し……基礎を固めてください。そうすれば──」グッチュグッ
栞子「……!」プシャッ
海未「化けるかもしれませんね……」
審判「ゲームセット! ウォンバイ音ノ木坂! 園田 5-0!」
135: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:56:27.28 ID:1wPFiQd2.net
栞子「はぁ……はぁ……」
栞子「ぅあ……」グスッ
栞子(勝てなかった……皆が繋いでくれたのに。必死に……必死にここまでやってきたのに……)
栞子(私はこんなにも無様に……!)
海未「……大変、申し訳ありませんでした」
栞子「うみ、さん……」
海未「あなたはこの場に立つべきではない、と言ったこと……撤回します。志など無いと言っていましたが……あなたの真っ直ぐな思いは、初心を思い返させてくれました」
海未「……いい、バトルでした」スッ
栞子「……! はい……!」スッ
ヌチャッ
地方大会Aブロック
優勝 音ノ木坂学院
準優勝 虹ヶ咲学園
136: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:57:32.64 ID:1wPFiQd2.net
ーーー
ーー
ー
歩夢「みんな、お疲れ様だったね」
歩夢「せつ菜ちゃんの病室にはまた明日お見舞いに行くとして……今日は解散しよっか」
愛「そうだね。打ち上げは皆揃ってからやりたいし!」
エマ「彼方ちゃん、今日はまだ家に帰らなくても大丈夫?」
彼方「大丈夫だよー。何かあった?」
エマ「救護室で目が覚めた時、隣のベッドに東條さんがいて……少し話したんだ」
エマ「東條さん、目覚めてすぐに『せつ菜ちゃんの技を忘れないうちに、別のコートで練習する』って言ってた」
エマ「あんな強烈な快感を食らったばかりなのに……私はまだまだ甘いんだなって思ったよ。だから、練習付き合ってもらえないかな、って」
彼方「……そういうことなら全然いいよー。彼方ちゃんがたーっぷりお相手してあげるんだぜー」
果林「もう……無茶しちゃ駄目よ?」
137: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:58:11.38 ID:1wPFiQd2.net
かすみ「かすみんは新作コスメ見に行きたいなー。しず子としお子も行くでしょ?」
栞子「私は……遠慮しておきます。今日は真っ直ぐ帰りたい気分なので」
しずく「そうですか……? では、今日はここで……」
栞子「……」トボトボ
栞子(海未さんは良いバトルだったと言ってくれたけど、今日の私は全然駄目だったとしか思えません)
栞子(全国大会まで1ヶ月半ほどの猶予しかない……もっともっと強くならなければ……)
不良A「あれー? お嬢さん一人?」
不良B「僕たちとデートしない?」
栞子「!?」
栞子(考え込んでいた私は、声をかけられるまで気付きませんでした……自分が裏路地を歩いていることに。そして、二十人ほどの不良に囲まれていることに……!)
138: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 01:59:54.09 ID:1wPFiQd2.net
栞子「す、すみません……通してください」
不良C「なになに? 冷たいなー」
不良D「もういいよ面倒くさい、拉致ってヤっちゃいますか? ヤッちゃいましょうよ」
栞子「ひっ……!」
栞子(嫌だ……怖い。誰か……誰か助けて……)
「何してんの、あんた達」
栞子(声が、聞こえました。不良達が邪魔で姿を見ることが出来ませんが、女性の声だということだけははっきりと分かりました)
不良A「あん? 誰よお姉さん?」
不良B「もしかしてお姉さんも俺らとヤりたいとか?」
「ヤりたい? あーそうそう、殺りたい殺りたい。今日は死ぬほどイラついてんの」
栞子(シュルシュルと衣擦れの音が聞こえる。服を脱いでいる……いや、下だけを? まさか、世に聞く露出狂……!?)
139: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 02:00:29.44 ID:1wPFiQd2.net
不良E「……なに、お姉さんオナニーバトルでもやるつもり?」
不良F「二十人相手に一人でオナニーバトル? 死ぬ気じゃん?」
「御託はいいから。まさかビビってるってわけじゃないわよねぇ?」
不良A「……上等じゃん? 無様にアクメキメた後に、輪してやんよォ!」シコシコッ
不良A「あ……が……」ビュクビュク
不良B「馬鹿な……一人相手に……一度もイかせられず全滅なんて……」ドビュッ
「大丈夫? この辺バカが彷徨いてるから、さっさと帰った方がいいわよ」
栞子(何もなかったかのように、バトルなんて起こらなかったかのように。目の前の、小柄なツインテールの少女は言いました。中学生でしょうか……歳下に助けられるなんて)
栞子「は、はい……助かりました」
「そのバンド……あんたもオナニーバトラー? なら。あれぐらい一人で切り抜けなさいよ……オナニーバトルは男の方が弱いんだから」
140: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 02:01:45.35 ID:1wPFiQd2.net
「ま、いいや。さっさと帰りなさい」
栞子「待ってください!」
「……ん? あによ」
栞子(素人とはいえ二十人を同時に相手し、一度もイかず勝利を収める……この人も間違いなく、歩夢さんクラスのオナニー力の持ち主です……)
栞子(私は強くなりたい、強くなるしかない……! 貪欲に、無理矢理にでも……!)
栞子「私に……オナニーバトルを教えてください!」
ーーー
ーー
ー
歩夢「……あ、もしもし。久しぶり」
『久しぶり。そっちも今日大会だったんだよね? どうだった?』
歩夢「音ノ木坂に負けた。全国行きのチケットは貰ったけどね」
『やっぱり学校数が多いところはいいなぁ! 東京だけで四校でしょ? 羨ましい話なのだ』
歩夢「……そんなこと言って。そっちも全国出てくるんでしょ?」
141: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 02:02:19.90 ID:1wPFiQd2.net
千歌『当たり前だよ。全試合5-0でストレートだったのだ』
四皇『哄笑』 高海千歌 二年生
歩夢「かのんちゃんもBブロックの方で勝ち上がった、って言ってたから……二年ぶりに揃うね」
千歌『来た来た、電話。一年生と二年生だけで、創立二年目でUTX打ち破ったって偉そうに言ってたよ』
歩夢「あはは……じゃあ、また全国で」
千歌『うん……また、全国で』ピッ
歩夢「全国かぁ……」
142: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 02:03:17.95 ID:1wPFiQd2.net
ーー
審判『ゲームセット! ウォンバイ函館聖泉女子!』
聖良『悪いですが……北海道最強の座は渡しませんよ』
理亞『オナニーバトルを舐めないで!』キッ
ーー
悠奈『ぱー! 神津島も出ることが出来るなんて思わなかったよ!』
摩央『21世紀枠ってのが気に入らないけどね……』
ーー
ツバサ『……今回は敗北を喫したわ』
ツバサ『ただ、二度目の敗北は許されない! 私達はUTX! 最強であり続けなければいけないの!』
英玲奈『あぁ……もう負けたりはしない』
あんじゅ『分かってるわよぉ。オナニーバトルで生徒を集めているのに、私達が負ければ学校の名が落ちる……下手をすれば廃校なんだからぁ』
143: 名無しで叶える物語 2022/05/18(水) 02:04:11.66 ID:1wPFiQd2.net
ーー
かのん『……全国か。一年も待たせちゃったな』
可可『すみれ、全国ではもっと頑張るデス』
すみれ『私は毎回勝ってるでしょ!? 唯一負けたのだって、オニナッツが「マンカスチーズの匂いが致しますのー」とか言って相手にクンニした反則負けで……』
千砂都『はいはい、とにかく練習だよ練習ー。まずは丸を作ってね』
恋『私達は新参者ですからね、精一杯努力しなければいけません!』
ーー
歩夢「きっと強い人が多いんだろうなぁ……」
歩夢「ふふっ、楽しみだなぁ……!」
そして舞台は全国へ──。
完
栞子「オナニーバトル、ですか」