SS速報VIP:ケン「待てよクミ!」クミ「離して!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460149664/1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:07:45.43 ID:5jrY9bNL0
クミ「もっとしっかりしてよ!」
ケン「そんな事言われてもさぁ」
クミ「大学も行かないし、就活もしない……もううんざりよ!」
ケン「その内頑張るって。それよりも……なぁ?」
パンッ
ケン「痛っ!」
クミ「いい加減にして! もうアンタなんか知らない!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1460149664
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:09:23.74 ID:5jrY9bNL0
ガチャ
ケン「クミ!」
ケン「なんなんだよ……くそっ!」
クミ「ぐすっ……ぐすっ……」
クミ「何よ……あんなやつ……」
???「やあ! クミじゃないか!」
クミ「え?」
???「久しぶり!」
クミ「もしかして……トム?」
トム「HAHAHA!!」
トム「どうしたんだい? こんな夜中に女の子が一人で歩いていたら危ないよ!」
クミ「…………」
トム「その顔……良かったら話を聞くよ」
クミ「…………」コクッ
トム「そこのBARにでも行こうか」
BAR
トム「そうか……そんな事が……」
クミ「わたし……どうしたらいいのか……」
トム「……とりあえず今日はせっかく久しぶりに逢えたんだ。飲んで忘れよう」
クミ「でも……」
トム「君に涙は似合わないよ。さぁ」
クミ「うん。そうだね……ありがとうトム」
トム「…………」
─────
───
─
ケン「はぁ……煙草切れちゃったなぁ」
ケン「仕方ない。買いに行くか……」
ケン「…………」
???「あら、ケンじゃないの。奇遇ね」
ケン「メイリン」
メイリン「どうしたの? 浮かない顔をして」
ケン「別になんでもないよ」
メイリン「そうだわ! ケンの家ってこの近くよね? せっかくだから飲みましょうよ!」
ケン「え? ちょっと!」
メイリン「いいからいいから!」
ケン「おい! メイリン!」
ケン宅
メイリン「ふーん。それはアンタが悪いわよ」
ケン「俺だって何も考えてないわけじゃないよ」
メイリン「それが伝わらなきゃ意味なんてないわよ」
ケン「そんなこと言われてもさぁ」
メイリン「それにしても暑いわね……」ヌギ
ケン「メイリン! なに脱いでるんだよ!」
メイリン「少し飲みすぎちゃったかしら」
ケン「お前なぁ……」
メイリン「どうしたの? わたしの事チラチラ見ちゃって」
ケン「み、見てないし!」
メイリン「ふーん?」
メイリン「その割にはこっちは素直になってるじゃない?」
ケン「こ、これは!」
メイリン「クミの事なんて……忘れちゃいなさいよ……」
ケン「メイリン……」
メイリン「ケン……女の子に恥をかかせないでよ……」
ケン「…………」ゴクッ
メイリン「ケン……」
ケン「ごめんメイリン……俺やっぱりクミのことが……」
メイリン「…………」
ケン「ごめん……」
メイリン「ってなに本気になってるのよ! 冗談に決まってるじゃない!」
ケン「…………」
メイリン「もう! ちょっとお酒に酔っちゃただけよ! あははっ」
メイリン「ごめん! 今日はもう帰るね!」
メイリン「本当に今のはただの冗談なんだから気にしないでよね!」
メイリン「あとクミには早く謝りなさいよ! それじゃあね! 再見!」
ガチャ
ケン「はぁ……俺ってとんでもない馬鹿だな……」
ケン「ごめんメイリン……」
ケン「クミにも早く謝ろう……」
─────
───
─
一週間後
ケン「謝りたいけど繋がらないまま一週間経ってしまった……」
ケン「クミ……一体何をしてるんだ……」
トム「ハイ! ケン!」
ケン「……トム! 久しぶりじゃないか!」
トム「ああ! 本当だな!」
トム「久しぶりに会ったんだ! 一杯どうだい?」
ケン「そうだな!」
トム「HAHAHA!!」
トム「最近はどうなんだい?」
ケン「実はクミと付き合っててさ」
トム「そうなのか! おめでとう!」
ケン「でも今ケンカしててさ……一週間も連絡が付かないんだ」
トム「そうだったのか」
ケン「ああ……」
ケン「もうダメなのかな……俺たち……」
トム「そうだね。キミは新しい恋を探すべきさ」
ケン「トム?」
トム「彼女は海外の叔母のところに留学すると言っていてね」
ケン「え?」
トム「だから彼女の為にも別れるべきさ」
ケン「ど、どうしてお前がそんな事を」
トム「ちょうど一週間前かな。彼女が夜中にひとりで歩いていてね」
ケン(一週間前……あの日だ!)
トム「彼女が悲しそうな顔をして歩いていたから声をかけたんだよ」
ケン「…………」
トム「そして色々悩みを打ち明けられたんだよ」
トム「キミの事や、留学の事をね」
ケン「…………」
トム「だから言ってやったのさ。キミなんかよりいい男はいっぱいいるってね」
ケン「……トム!」
トム「あとは簡単だったよ。彼女も酔っ払っていたしね」
トム「ベッドの上の彼女はとっても積極的だったね。激しく腰を振っちゃってさ! 最高だったよ!」
ケン「トム!!!! てめぇ!!!!」
ドゴッ‼︎ ガシャーン‼︎
トム「ははっ、痛いじゃないか……」
ケン「うるせえ!!」
トム「キミにはもう関係ない事だろう」
ケン「関係ないわけあるか!!」
トム「キミはまだ彼女の事が好きなのかい?」
ケン「当たり前だろ!!」
トム「ならなぜ探し出してでも話をしなかったんだい?」
ケン「!?」
トム「彼女の家なり、大学なりにでも行けば良かったじゃないか」
ケン「そ、それは……」
トム「まぁ、彼女も悩んでたみたいだから仕方ないと言えば仕方ないんだが」
ケン「…………」
トム「留学が決まってからは、怠惰しているキミが心配だったんだろう。だからキミにしっかりして欲しかったんだよ」
ケン「でも……!」
トム「今のキミに留学を打ち明けるなら、黙って行こうとしたんだね」
トム「でもまだ間に合うさ」
ケン「え?」
トム「キミはこんなにも彼女を愛しているんだろう。それにキミも心を入れ替えたならきっと伝わるさ」
ケン「トム……」
トム「あと、さっき彼女の名誉を傷つけてしまったね。謝っておいてくれ」
ケン「どういうことだ?」
トム「ベッドの件は全部嘘さ。まぁ、誘ったのは本当だが、どうもやっぱりキミのことが好きみたいでね。振られちゃったよ」
─
───
─────
トム『クミ。彼のことなんか忘れて僕のところへおいでよ』
クミ『……ごめんなさいトム。それでも私は彼が好きなの。裏切れないわ』
トム『でも黙って留学するんだろう?』
クミ『彼ならいつか追いかけて来てくれるって信じているから』
トム『クミ……』
クミ『相談に乗ってくれてありがとうトム! 』
─────
───
─
トム「ははっ、とんだピエロだよ」
ケン「トム……」
トム「さぁ、早く追いかけなよ! まだフライトには間に合うはずだよ!」
ケン「ああ! ありがとう! 俺行くよ!」
トム「ケン! これを使いなよ!」ヒュン
ケン「…………」パシッ
トム「表のバイクのキーさ! まさか走って行く気だったのかい?」
ケン「何から何までありがとう! トム!」
トム「僕たちは親友だろ? さぁ、急ぐんだ!」
ケン「ああ!」
トム「頑張れよケン」
ブオオオン‼︎
ケン(間に合ってくれ! クミ!)
ブオオオン‼︎
警官「そこのバイク! 止まりなさい!」
ケン「しまった! だけど止まれるかよ!」
ファンファン
警官「そこのバイク! 早く止まるんだ!」
ケン「あと少しで空港だ! 飛ばすぜ!」
空港
ケン「はぁ……はぁ……クミ!」
警官「待ちなさい!」
ケン「くっ……ここまでか……」
警官「うわっ!」
ケン「え? 警官が吹っ飛んだ! いったい何が!」
???「…………」
ケン「き、君は!」
ケン「ムカミ!!!!」
ムカミ「Hello,Ken!!」
ケン「こんばんはムカミ。そして今のはムカミの柔道か!」
ムカミ「Jambo!!」
ケン「え? ここは任せて行けって?」
ムカミ「Habari!!」
ケン「ああ! わかったよムカミ! ありがとう!」
警官「ま、待ちなさ──うわっ!」
ムカミ「Mombasa!! Nairobi is big!!」
アナウンス「間も無くNY行きの便の搭乗時間となります。チケットをご確認のうえ──」
クミ「…………」
クミ「ケン……元気でね……」
ケン「クミ!!!!!!」
クミ「え? ケン! どうして……」
ケン「どうしたもこうしたもあるか!」
クミ「でもまさか……こんなに早く!」
ケン「クミ……」
クミ「ケン……」
ケン「ごめんクミ! 俺ちゃんとするから!」
クミ「いえ、私こそ黙って行こうとしてごめんなさい!」
ケン「いや、そもそも俺が悪いんだ! ちゃんと勉強して、それから実家のパン屋を継ぐよ!」
クミ「ケン!」
ケン「俺……クミに相応しい男になるから!」
クミ「うん……うん……」
ケン「クミ……好きだ!」
クミ「私もよケン!」
I hope life treats you kind
And I hope you have all you ever dreamed of
And I wish you joy and happiness
But above all this
I wish you love
And I
Will always love you
I will always love you
I will always love you
I will always love you
I will always love you
I will
I will always love you
You, darling, I love you
I'll always
I'll always love you
─────
───
─
BAR
トム「…………」
メイリン「あら、トムじゃない」
トム「メイリン……」
メイリン「あなたも損な役回りね」
トム「クミが幸せなら、それでいいさ」
メイリン「ふふっ、そうね」
トム「キミだってケンのことが……」
メイリン「…………」
メイリン「じゃあ振られたもの同士、飲みましょうよ」
トム「そうだね」
メイリン「乾杯」
トム「乾杯」
終わり
ガチャ
ケン「クミ!」
ケン「なんなんだよ……くそっ!」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:13:33.40 ID:5jrY9bNL0
クミ「ぐすっ……ぐすっ……」
クミ「何よ……あんなやつ……」
???「やあ! クミじゃないか!」
クミ「え?」
???「久しぶり!」
クミ「もしかして……トム?」
トム「HAHAHA!!」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:15:58.86 ID:5jrY9bNL0
トム「どうしたんだい? こんな夜中に女の子が一人で歩いていたら危ないよ!」
クミ「…………」
トム「その顔……良かったら話を聞くよ」
クミ「…………」コクッ
トム「そこのBARにでも行こうか」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:19:56.25 ID:5jrY9bNL0
BAR
トム「そうか……そんな事が……」
クミ「わたし……どうしたらいいのか……」
トム「……とりあえず今日はせっかく久しぶりに逢えたんだ。飲んで忘れよう」
クミ「でも……」
トム「君に涙は似合わないよ。さぁ」
クミ「うん。そうだね……ありがとうトム」
トム「…………」
─────
───
─
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:21:01.31 ID:5jrY9bNL0
ケン「はぁ……煙草切れちゃったなぁ」
ケン「仕方ない。買いに行くか……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:25:01.64 ID:5jrY9bNL0
ケン「…………」
???「あら、ケンじゃないの。奇遇ね」
ケン「メイリン」
メイリン「どうしたの? 浮かない顔をして」
ケン「別になんでもないよ」
メイリン「そうだわ! ケンの家ってこの近くよね? せっかくだから飲みましょうよ!」
ケン「え? ちょっと!」
メイリン「いいからいいから!」
ケン「おい! メイリン!」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:26:45.67 ID:5jrY9bNL0
ケン宅
メイリン「ふーん。それはアンタが悪いわよ」
ケン「俺だって何も考えてないわけじゃないよ」
メイリン「それが伝わらなきゃ意味なんてないわよ」
ケン「そんなこと言われてもさぁ」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:29:32.95 ID:5jrY9bNL0
メイリン「それにしても暑いわね……」ヌギ
ケン「メイリン! なに脱いでるんだよ!」
メイリン「少し飲みすぎちゃったかしら」
ケン「お前なぁ……」
メイリン「どうしたの? わたしの事チラチラ見ちゃって」
ケン「み、見てないし!」
メイリン「ふーん?」
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:32:05.11 ID:5jrY9bNL0
メイリン「その割にはこっちは素直になってるじゃない?」
ケン「こ、これは!」
メイリン「クミの事なんて……忘れちゃいなさいよ……」
ケン「メイリン……」
メイリン「ケン……女の子に恥をかかせないでよ……」
ケン「…………」ゴクッ
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:34:21.27 ID:5jrY9bNL0
メイリン「ケン……」
ケン「ごめんメイリン……俺やっぱりクミのことが……」
メイリン「…………」
ケン「ごめん……」
メイリン「ってなに本気になってるのよ! 冗談に決まってるじゃない!」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:39:12.36 ID:5jrY9bNL0
ケン「…………」
メイリン「もう! ちょっとお酒に酔っちゃただけよ! あははっ」
メイリン「ごめん! 今日はもう帰るね!」
メイリン「本当に今のはただの冗談なんだから気にしないでよね!」
メイリン「あとクミには早く謝りなさいよ! それじゃあね! 再見!」
ガチャ
ケン「はぁ……俺ってとんでもない馬鹿だな……」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:40:55.33 ID:5jrY9bNL0
ケン「ごめんメイリン……」
ケン「クミにも早く謝ろう……」
─────
───
─
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:43:02.14 ID:5jrY9bNL0
一週間後
ケン「謝りたいけど繋がらないまま一週間経ってしまった……」
ケン「クミ……一体何をしてるんだ……」
トム「ハイ! ケン!」
ケン「……トム! 久しぶりじゃないか!」
トム「ああ! 本当だな!」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:44:45.00 ID:5jrY9bNL0
トム「久しぶりに会ったんだ! 一杯どうだい?」
ケン「そうだな!」
トム「HAHAHA!!」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:46:34.84 ID:5jrY9bNL0
トム「最近はどうなんだい?」
ケン「実はクミと付き合っててさ」
トム「そうなのか! おめでとう!」
ケン「でも今ケンカしててさ……一週間も連絡が付かないんだ」
トム「そうだったのか」
ケン「ああ……」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:52:39.30 ID:5jrY9bNL0
ケン「もうダメなのかな……俺たち……」
トム「そうだね。キミは新しい恋を探すべきさ」
ケン「トム?」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:54:52.68 ID:5jrY9bNL0
トム「彼女は海外の叔母のところに留学すると言っていてね」
ケン「え?」
トム「だから彼女の為にも別れるべきさ」
ケン「ど、どうしてお前がそんな事を」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 06:56:52.70 ID:5jrY9bNL0
トム「ちょうど一週間前かな。彼女が夜中にひとりで歩いていてね」
ケン(一週間前……あの日だ!)
トム「彼女が悲しそうな顔をして歩いていたから声をかけたんだよ」
ケン「…………」
トム「そして色々悩みを打ち明けられたんだよ」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:01:54.38 ID:5jrY9bNL0
トム「キミの事や、留学の事をね」
ケン「…………」
トム「だから言ってやったのさ。キミなんかよりいい男はいっぱいいるってね」
ケン「……トム!」
トム「あとは簡単だったよ。彼女も酔っ払っていたしね」
トム「ベッドの上の彼女はとっても積極的だったね。激しく腰を振っちゃってさ! 最高だったよ!」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:06:11.84 ID:5jrY9bNL0
ケン「トム!!!! てめぇ!!!!」
ドゴッ‼︎ ガシャーン‼︎
トム「ははっ、痛いじゃないか……」
ケン「うるせえ!!」
トム「キミにはもう関係ない事だろう」
ケン「関係ないわけあるか!!」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:08:14.21 ID:5jrY9bNL0
トム「キミはまだ彼女の事が好きなのかい?」
ケン「当たり前だろ!!」
トム「ならなぜ探し出してでも話をしなかったんだい?」
ケン「!?」
トム「彼女の家なり、大学なりにでも行けば良かったじゃないか」
ケン「そ、それは……」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:12:49.62 ID:5jrY9bNL0
トム「まぁ、彼女も悩んでたみたいだから仕方ないと言えば仕方ないんだが」
ケン「…………」
トム「留学が決まってからは、怠惰しているキミが心配だったんだろう。だからキミにしっかりして欲しかったんだよ」
ケン「でも……!」
トム「今のキミに留学を打ち明けるなら、黙って行こうとしたんだね」
24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:17:29.47 ID:5jrY9bNL0
トム「でもまだ間に合うさ」
ケン「え?」
トム「キミはこんなにも彼女を愛しているんだろう。それにキミも心を入れ替えたならきっと伝わるさ」
ケン「トム……」
トム「あと、さっき彼女の名誉を傷つけてしまったね。謝っておいてくれ」
ケン「どういうことだ?」
トム「ベッドの件は全部嘘さ。まぁ、誘ったのは本当だが、どうもやっぱりキミのことが好きみたいでね。振られちゃったよ」
25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:22:00.50 ID:5jrY9bNL0
─
───
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トム『クミ。彼のことなんか忘れて僕のところへおいでよ』
クミ『……ごめんなさいトム。それでも私は彼が好きなの。裏切れないわ』
トム『でも黙って留学するんだろう?』
クミ『彼ならいつか追いかけて来てくれるって信じているから』
トム『クミ……』
クミ『相談に乗ってくれてありがとうトム! 』
27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:27:15.07 ID:5jrY9bNL0
─────
───
─
トム「ははっ、とんだピエロだよ」
ケン「トム……」
トム「さぁ、早く追いかけなよ! まだフライトには間に合うはずだよ!」
ケン「ああ! ありがとう! 俺行くよ!」
トム「ケン! これを使いなよ!」ヒュン
ケン「…………」パシッ
トム「表のバイクのキーさ! まさか走って行く気だったのかい?」
ケン「何から何までありがとう! トム!」
トム「僕たちは親友だろ? さぁ、急ぐんだ!」
ケン「ああ!」
トム「頑張れよケン」
28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:28:41.55 ID:5jrY9bNL0
ブオオオン‼︎
ケン(間に合ってくれ! クミ!)
29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:29:41.07 ID:5jrY9bNL0
ブオオオン‼︎
警官「そこのバイク! 止まりなさい!」
ケン「しまった! だけど止まれるかよ!」
30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:31:22.00 ID:5jrY9bNL0
ファンファン
警官「そこのバイク! 早く止まるんだ!」
ケン「あと少しで空港だ! 飛ばすぜ!」
31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:33:14.89 ID:5jrY9bNL0
空港
ケン「はぁ……はぁ……クミ!」
警官「待ちなさい!」
ケン「くっ……ここまでか……」
警官「うわっ!」
ケン「え? 警官が吹っ飛んだ! いったい何が!」
32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:36:40.37 ID:5jrY9bNL0
???「…………」
ケン「き、君は!」
ケン「ムカミ!!!!」
ムカミ「Hello,Ken!!」
33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:41:57.42 ID:5jrY9bNL0
ケン「こんばんはムカミ。そして今のはムカミの柔道か!」
ムカミ「Jambo!!」
ケン「え? ここは任せて行けって?」
ムカミ「Habari!!」
ケン「ああ! わかったよムカミ! ありがとう!」
警官「ま、待ちなさ──うわっ!」
ムカミ「Mombasa!! Nairobi is big!!」
34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:45:00.58 ID:5jrY9bNL0
アナウンス「間も無くNY行きの便の搭乗時間となります。チケットをご確認のうえ──」
クミ「…………」
クミ「ケン……元気でね……」
35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:46:47.88 ID:5jrY9bNL0
ケン「クミ!!!!!!」
クミ「え? ケン! どうして……」
ケン「どうしたもこうしたもあるか!」
クミ「でもまさか……こんなに早く!」
36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:49:16.18 ID:5jrY9bNL0
ケン「クミ……」
クミ「ケン……」
ケン「ごめんクミ! 俺ちゃんとするから!」
クミ「いえ、私こそ黙って行こうとしてごめんなさい!」
ケン「いや、そもそも俺が悪いんだ! ちゃんと勉強して、それから実家のパン屋を継ぐよ!」
クミ「ケン!」
38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:56:26.70 ID:5jrY9bNL0
ケン「俺……クミに相応しい男になるから!」
クミ「うん……うん……」
ケン「クミ……好きだ!」
クミ「私もよケン!」
I hope life treats you kind
And I hope you have all you ever dreamed of
And I wish you joy and happiness
But above all this
I wish you love
39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:57:16.24 ID:5jrY9bNL0
And I
Will always love you
I will always love you
40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 07:59:23.17 ID:5jrY9bNL0
I will always love you
I will always love you
I will always love you
I will
I will always love you
You, darling, I love you
I'll always
I'll always love you
─────
───
─
41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 08:01:09.30 ID:5jrY9bNL0
BAR
トム「…………」
メイリン「あら、トムじゃない」
トム「メイリン……」
メイリン「あなたも損な役回りね」
トム「クミが幸せなら、それでいいさ」
メイリン「ふふっ、そうね」
42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 08:03:03.83 ID:5jrY9bNL0
トム「キミだってケンのことが……」
メイリン「…………」
メイリン「じゃあ振られたもの同士、飲みましょうよ」
トム「そうだね」
メイリン「乾杯」
トム「乾杯」
終わり
44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/04/09(土) 08:30:36.80 ID:5jrY9bNL0
元スレSS速報VIP:ケン「待てよクミ!」クミ「離して!」