1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 21:39:20.05 ID:2BF22lz10
―――夕方、放課後
唯「じゃ~ね~」
梓「はい、また明日」
唯「ふ~…」
唯「そういえば今日はハンバーグだった!」
唯「早く帰ろ~♪」
唯「…お?」
老婆「…」
唯(なんか凄いおばあさん…占い師?)
老婆「…お嬢ちゃん」
唯「へっ?わたし?」
老婆「そうだよ…おいで」
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 21:44:08.63 ID:2BF22lz10
唯「?」
老婆「いきなりで悪いけど、これが何かわかるかい?」
唯「ふろしき…?」
老婆「そうだよ。ふろしき。でも」
サッ
唯「鉛筆が増えた……」
老婆「そう。増えるんだよ」
唯「す、すごいねー!!」
老婆「この2本を覆って…ほら」
サッ
唯「今度は4本になった…」
唯「おばあさん凄いね~手品師?」
老婆「手品じゃないんだよ」
唯「ふぇ?」
老婆「これはね、包んだものを複製できるふろしきなんだよ」
唯「ふくせい?」
老婆「そう、複製。お嬢ちゃん、髪留め貸してごらん」
唯「?……はい」
老婆「いくよ…」
サッ
唯「おぉ~…」
老婆「すごいでしょう?」
唯「すすごいけど…なんか怖いな」
老婆「あはは、そう怯えなくていいよ」
老婆「お嬢ちゃん」
唯「?」
老婆「このふろしき、お嬢ちゃんに持っていてほしいんだ」
唯「え!?」
老婆「シーッ、これは内緒だよ」
唯「ででもなんて私に?」
老婆「普段から頑張っているご褒美だよ」
唯「頑張って……なるほど!」
老婆「そのふろしきを、世のため人のために役立ててくれ」
唯「う、うん」
老婆「ただし、そのふろしきのことは誰にも言ってはいけない。いいね?」
唯「え……うん」
老婆「誰かに言ってしまったとき、そのふろしきは消えてしまう…」
老婆「頼んだよ……」
唯「え」
唯(消えちゃった……)
唯(なんか不気味~…帰ったら憂に相談しよう)
唯(あ、誰かに話すと消えるんだっけ、やめとこ)
―――
唯(何を増やそうかなぁ)
唯「ただいまー」
憂「おかえり、お姉ちゃん♪」
憂「今日はハンバー…お姉ちゃん?」
唯「へ?」
憂「大丈夫?なんだか深刻そうな顔だよー」
唯「え?全然へーき!!早くハンバーグ~ハンバーグ~」
憂(…?)
―――
唯「ゴッツァンデス!!」
憂「お姉ちゃん食後のアイスあるよ~?」
唯「ああ、今はいいや~」トテトテトテ
憂(お姉ちゃんがアイスを放棄して自分の部屋に帰った…)
憂(なんか気になるな~)
―――
―ゆいのへや
唯「よし…なに増やそうかな」
唯「ふっふっふ~ギー太~♪」
サッ
唯(ギー太が増えた……ほんとに増えた……)
唯「ああ……」
唯「ん~~ギー太~♪」
トントントン
唯「はっ」
唯(憂にバレたらやばいよ…)
唯(とりあえずクローゼットに…ギー太2号、我慢してね)ガチャ
憂「お姉ちゃん?」
唯「ん?ん?どうかしたかい?憂や」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「え?」
憂「なんか隠してるでしょお!?」
唯「な、なんで?」
憂「だってお姉ちゃんがアイス食べないし!」
唯「ああああ!!食べるよ!食べる!思い出したよ!!」
憂(ん~…)
憂「…お姉ちゃん、私で良ければ何でも相談してね?」
唯「う、うん!ありがと~うい!」
憂「じゃ、アイス食べる?」
唯「いyうあやいうんうんうん!!」
憂「……お姉ちゃん?」
唯「もうアイス食べたくて死にそお…」
憂「…今持ってくるね」
唯「悪いね」
唯(よし、乗り切った)
―――
憂「じゃーん!」
唯「おお!はーげんだっつすとろべりー!!」
憂「お姉ちゃんのリクエストにお応えしました!」
唯「さすが~憂~~」
憂「まかせて!」
ピンポーン
憂「…あれ?誰だろ……行ってくるね」トテトテトテ
唯「うん」
唯「アイスをこぴ~~~」
サッ
唯「おほほ~」
唯「隠しておこ」ササッ
憂「ふー」
唯「誰だったの?」
憂「新聞の勧誘だったよ~」
唯「ふ~ん」
唯「じゃあいただきま~す」憂「めしあがれ~」
―――
憂「じゃお姉ちゃん、もうすぐしたらお風呂入ってね」
唯「うーい」
憂「え?」
唯「掛け声だよぉ」
憂「…もぅ……」
ガチャ
唯(ふふふ…こぴーしておいたアイスをいただくぜぇ…)
唯(やば、ちょっと溶けてるよ~)
唯(アイスうま)
―――
―翌日
憂「お姉ちゃ~んそろそろ朝だよ…って」
憂「お姉ちゃん口のまわりどうしたの…」
唯「う~い~」
唯「アイス食べすぎたぁ~~」
憂「昨日は一個しか食べてないでしょお」
唯「あ、あ、そうだったね…」
憂「お姉ちゃん寝ぼけてないで顔洗ってきて!ご飯できてるよ!」
唯「は~い」
唯(あぶな…)
――――――
―教室
唯(こぴーするって言ってもねえ…)
唯(とくに思いうかばないなぁ~)
律「よ!どうした唯」
唯「あっりっちゃん……ねぇねぇ」
律「お?」
唯「なにかコピーしたいものない?」
律「コピーねぇ……あ!あった!!」
唯「なになに!?」
律「澪のノート!!宿題やんなかったんだよ眠くて」
唯「(りっちゃんつかえな…)」
律「あ!?なんか言ったか!?」
唯「んもう…りっちゃんの役立たず…」
律「なんで!?」
唯「もういいよ…」
律「意外に傷つくな…唯に言われると」シュン
唯「あ!ムギちゃん!!」
紬「あら唯ちゃん」
唯「ねえねえ、ムギちゃんは何かコピーできるとしたら何コピーする?」
紬「う~ん…」
紬「唯ちゃん!」
唯律「えっ」
唯「私?」
紬「うん♪」
律「な、なんで?」
紬「もっと楽しくなりそうじゃない♪」ウフフ
唯「あは、あはは…」
澪「おはよ」
唯「澪ちゃん!おはよー!」
唯「ねえねえ!なんでもコピーできるとしたら、澪ちゃんだったら何コピーする?」
澪「そうだな…」
澪「>>22とか?」
髪の毛
唯「え……なんで」
澪「いや~なんか3年になって薄くなってきたというか」
澪「泣きたい……」
律「澪?気にすんなって」
紬「そうよ…全然気にならないわ」
唯「うんうん、憂もそんな感じだし全然大丈夫だよお」
澪「ほんとお?」
律紬唯「うんうん」
澪「なんか安心した…」
和「あら、あなたたち何やってんの?」
唯「あー和ちゃん」
唯「和ちゃんはなんでもコピーできるとしたら何コピーする?」
和「そうねえ…」
和「>>28かな」
現金
律「そりゃまた現金な…」
唯「お金かぁ」
澪「和は何か買いたいものでもあるのか?」
和「ええ、パソコンが欲しいわね…」
唯「へえーぱそこんかあ~」
律「ところで唯、その質問にはどういう意味があるんだ?」
唯「ううん、何でもコピーできたら何コピーするんだろうなーって」
唯「ただのもーそーだよ~」
紬「面白いわね~」
唯「でしょお~」
唯(はぁ~どうしようかな~)
唯(なんか面倒臭くなってきたなあ)
唯(取り合えずお金をコピーしてみようっと)
────────
─音楽室
唯(この1000円をコピーしよ)
サッ
唯「増えた」
唯「1000円が2000になった」
唯「この二枚をコピーすると…」
サッ
唯「4000円」
唯「更にコピー」
唯「8000円」
唯「更にコピー」
唯「16000円」
・
・
・
・
唯「うわあ…増やし過ぎちゃったかも」
唯「何円あるんだろう…覚えてないや」
唯「あははは…」
唯「…お金の風呂だあ」
バッサ バッサ
唯「増えろ~増えろ~」
バッサ バッサ
唯「おほほほほ」
ガチャ
律「うぃーす」
律「ってうおおお!?」
律「ななななんだこの札の山は…」
唯「お~お~りっちゃん、こっちにきたまえ」
律「…」
唯「ふぉ~」
律「唯!!!これはどういうことだよ!!」
唯「まあまあ、落ち着きたまえ」
律「ぬう…これ、どうやったんだよ!!」
唯「秘密だよ~」
律「く…」
律「…唯、これさ…どうする気?」
唯「どうって?」
律「これ片付けないと退部…いや廃部もありうるぞ」
唯「あっ」
律「なんでこんな意味の無いことを…」
唯「そうかな~」
律「こんなまやかしが通用するか?常識的に考えて」
唯「お札はお札でしょ?」
律「日本のお札はすごいんだぞ~偽造対策が」
律「単にコピーしただけじゃバレバレなんだよ」
唯「そっか~」
律「って分かれよ普通に」
律「でもこれよくできてるな~」
唯「でしょー!」
律「これ全部処分するだけで終わるな今日…」
澪「誰かきてるかなー」
澪「ってうわ!!なんだこれ!!!」
律「唯のやつがさ…お札コピーして遊んでんだよ…」
澪「ここんなにコピーしたのか…」
唯「えへへ」
律「しかしこれどう処分すれば…」
澪「中身が見えないゴミ袋に入れて…運ぶしかないな」
律「はぁ…」
澪「にしても随分よくできてるな~これ」
澪「唯、これ何でコピーしたんだ?」
唯「え~」
唯「ふ、コピー機で普通に」
律「ほんとかよ…」
律「はぁ…終わらない…」
唯「あっ」
サラッ
どん!
唯(やば…ふろしき落としたらまた増えちゃった)
律「これほんとに減ってんのかよー!!」
澪「集めても集めても…だな」
澪「にしても、ここまでコピーした唯の根性は一体…」
唯「えへへ、本当にごめんなさい!!」
律「分かったから手伝えー」
唯「はい!りっちゃん隊員!」
律「はぁ…」
────────
律「だいぶ減ってきたか?」
澪「うん…」
紬「楽しいねー♪」
律「はは…たのしいな…うん…」
律「…ん?なんだこれ」
澪「ふろしき?」
唯「あっ!りっちゃ」
律「へへ、唯、どろぼう!!」
どん!
澪「律?」
律1「ん?」
律2「ん?」
澪「あは」
澪「」コテッ
唯「ああ…あ…」
律1「なんだこれええええ」
律2「なんだこれええええ」
紬「まぁ!そっくり~」
紬「双子?」
律1「なわけあるかあああ!」
律2「なわけあるかあああ!」
紬「澪ちゃんそんなとこで寝ちゃ冷えるわ」
紬「これしか無いけど何か掛けておかなきゃ」
サッ
どん!
澪1「」
澪2「」
紬「な…?」
唯「ムギちゃんだめええ!!!」
唯「あっ」
スッテーン!
サラッ
どん!
紬1「なあに?」
紬2「なあに?」
唯「終わった…」
律1「おい唯」
律2「なんだよこれ…」
唯「え…」
唯「みんないっぱい…」
唯「どどどうやって消すんだろう」
唯「みんなごめん!!!」
バンッ
律1「おい逃げんなよ」
律2「どうするんだこれ…」
澪1「」
澪2「」
紬1「キャッキャ」
紬2「ウフフ」
――――――
唯「ハァハァ」タッタッタ
唯「あの時のおばあさんは……」
唯「やっぱりいない」
唯「どどどうしよお…」
唯「このまま増えたら」
唯「……あ!!」
唯「ふろしき部室に置いてきちゃった」タラタラ
唯「だめだ、もう一旦戻るしかないや」
―――――――
律「おい!」
律「なんだよ」
律「私の苗字は?」
律「田井中」
律「私の弟の名前は?」
律「聡」
律「だめか……」
紬「いい遊び相手ができたわぁ♪」
紬「ええ♪」
紬「名前はなんていうの?」
紬「紬です♪」
紬「私と同じ~♪」
澪「んっ……」
澪「んっ……」
澪「あれ?わたし何して…」
澪「あれ?わたし何して…」
澪「ん?」
澪「ん?」
澪「…」
澪「…」
澪「」コテッ
澪「」コテッ
律「なんだよ?」
律「そっちこそなんだよ!?」
律「やるかあ?」
律「にせものめ……」
律「にせものはそっちだろー!?」
律「くう……」
ガラッ
唯「みんなっ!!」
律「唯!!!」
律「唯!!!」
紬「おかえり♪」
紬「おかえり♪」
唯「う…」
唯「あのさ…」
唯「どっちがこぴーだか分かる?」
律「ああ!!こいつ」
律「当然!こいつ」
紬「分からないわねえ」
紬「私は私だから♪」
唯「んあ…やばい」
唯「どどどうしよっか、りっちゃん」
律「まずよーどうしてこうなったんだよ?」
律「なんでこんなことになったんだよ?」
唯「えっと…なんでだろう」
律「これか?」
律「このふろしきか?」
紬「まぁ…素敵」
紬「すごいわ♪」
唯「えっと、私じゃなくて」
律「ならさ、もう一回かければ元に戻るんじゃない?」
律「また覆えば元に戻るかもよ?」
唯「そ…そうかなあ」
律「ものは試しでやってみよう、ここまで来たら」
律「じゃ、そっちのわたしが覆われればいいんだな」
律「な、なんでだよ!?本物は私だろ!!」
律「はぁ?なにいってんだ」
唯「二人とも落ち着いて」
紬「なら、りっちゃん二人とも覆われればいいんじゃない?」
律「あ、それがいいかも」
唯「え…」
律「じゃあいくぞー」
律「おう!」
サッ
どどん!
律「…」
律「…」
律「…」
律「…」
紬「あらぁ…」
唯「ふ…ふえちゃった」
律「あーーーもう!!」
律「なんだこれ!!!」
律「どーすんだよ!!」
律「やばいだろ!!」
唯「これ…ばれちゃったらどうなんだろ」
澪「んん…」
澪「なんだよ…」
紬「澪ちゃんが起きたわ」
澪「…」
澪「…」
澪「ムギ、この人は…?」
澪「ムギ、これは…?」
紬「二人とも澪ちゃんよ♪」
紬「澪ちゃんよ~」
澪「ひぇーー」ガタガタ
澪「ひぇー」ガタガタ
律「うるさぁい!!」
律「そっちのわたしが一番うるさい!」
律「ちょっと黙れって」
律「あーもう!!!」
唯「元に戻す方法は…無いんだぁ……」
律「…」
律「…」
律「…」
律「…」
澪「…」
澪「…」
紬「このまんまでも…ねえ♪」
紬「ええ♪」
ガチャッ
梓「こんにちは」
律「あっあずさ」
律「よ!」
律「遅かったな!」
律「お!」
梓「」
ガチャッ
唯「あずにゃん待って~~」
梓「え!?ってえええ!?」
ガチャ
唯「こんなんなっちゃった…」
梓「ななななんで」
梓「お札が散らばってる上に」
梓「律先輩が4人澪先輩むぎ先輩が2人」
唯「あっ!そういえばお札片づけないと」
律「もう疲れた…」
律「唯やってくれ…」
律「はぁ…」
律「もういやだ…」
唯「りっちゃんつかえな…」
律「「「「なんだと!?」」」」
唯「ひぃぃ…」
梓「唯先輩!なんでこんなことになったのか……」
唯「えっとね」
律「あっ」
律「おい!!」
律「わ!!」
律「なにやってんだよ…」
澪「梓の上にふろしきが…」
ヒラッ
どん!
梓「え」
梓「え」
唯「うぅ……もういやあ…」ブワッ
律「はっはーん!仲間だな!」
梓「きゃあああ」
ガチャ
和「律ー、学祭の講堂使用許可とって…」
和「…」
律「ん?」
律「え?」
律「和?」
律「お?」
和「あなたたち…」
律「だーーー!!」
律「この際だ!!」
ヒラッ
どん!
和「ななにすんのよ」
和「なにを…」
和「…」
和「…」
和「なによこれ」
和「早く戻しなさい」
澪「さすが和…冷静だな」
澪「さすが和…」
和「ってなによこれ!!」
和「なななんで何人もいるのよ!?」
唯「和ちゃん助けて……」
和「唯!?あなたは1人なのね」
和「唯!!あなたは大丈夫なのね」
ガラッ
憂「お姉ちゃ~ん」
唯「うい!!助けて!!!」ビエーン
憂「どうしたの……」ナデナデ
和「この通りよ」
紬「あらぁ憂ちゃん」
紬「いらっしゃい♪」
憂「みなさんがいっぱい」
唯「ううぅ……私のせいで……」
憂「お姉ちゃんがやったの!?」
唯「ううん……」
律「えい!!」
サッ
どどん
澪「わあああ!!」
澪「なにすんだよ!!」
澪「りつ!!」
澪「やめろお!!」
憂「目の前で澪先輩が増えた…」
唯「こういうこと…」
憂「わたし疲れてるのかなあ…」クラクラ
律「はははは!!!」
律「面白いなー!!」
律「それそれーー!!」
ヒラッヒラッ
どどどどん
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
唯「ういーーーー!!!!!」
憂「澪先輩の群れが…」
紬「あらぁ♪」
梓「」ピクピク
和「ちょっと!!律!!やめなさい!!」
律「大丈夫だよー!夢なんだって!」
律「こんなこと起こるわけないだろ!?」
律「それそれ~」
和「ちょっと!」
ヒラッヒラッ
どどどどどどどどん
澪「もういや…」
澪「うぅ…」
澪「戻してよぉ…」
澪「やだぁ…」
澪「ママ…」
澪「ひっぐ…」
澪「りつぅ…」
澪「やめてよぉ…」
澪「ぁぁ…」
澪「お嫁にいけない…」
澪「いやぁ…」
澪「…」
澪「ああ…」
澪「なにこれぇ…」
澪「…」
澪「だめ…」
紬「ちょっと暑くなってきたわね…」ピッ
憂「満員電車状態…」
唯「うい~~」ポロポロ
憂「戻す方法は…?」
唯「分からないんだあ…」
紬「別に戻さなくてもいいじゃない♪」
澪「「「「「「「「「「「「「「「「いやだ!!」」」」」」」」」」」」」」」」
律「ははは、皆慌てすぎだぞー」
律「そうそう、夢なんだって~」
澪「「「「…」」」」
和「それでまた覆ってみたらどうかしら?」
唯「ううん、さっきやったけど増えちゃうだけだった…」
和「そう…」
澪「「「どうする?」」」
律「もう外行こうぜ!!」
澪「「「「「「やだ!」」」」」」
律「ちぇ…」
唯「もうすぐ下校時間だ…」
和「ちょっと…どうするのよあなたたち」
律「なにが?」
和「どうやって帰る気なのよ、大勢で家に入る気なの?」
紬「あらあら~大丈夫よ」
澪「むぎんちは大丈夫かもしれないけどさ…」
澪「うん…うちなんて…しかもわたしが16人も…」
律「あー楽しい夢だった!!おやすみ!!」
和「もう逃避してるわね…」
和「とりあえず…一旦生徒会に戻るわね」
和「あっそう、じゃあ私はここで待ってるわ」
和「ごめん、よろしくね」
ガチャ
和「やれやれ…」
澪「和たちのチームワークを見習うべきだな…」
澪「律たちも喧嘩してないで…って寝てる」
律「「「「zzzz…」」」」
憂「お姉ちゃん……そろそろ帰っていいかな?」
憂「お父さんとお母さん心配してるだろうし」
唯「え……う~い~~見捨てないでぇ」
憂「見捨てるわけじゃないよ?でも、このままの方が危ないし」
憂「事情を説明しておくよ」
唯「えっ」
憂「お姉ちゃんたちは泊りで練習してるって」
唯「あっ…それならいいかも」
憂「うん!じゃあ先帰ってるね」
憂「みなさん、お先に失礼します」ペコ
ガチャ
澪「憂ちゃんのおかげで凌げそうか」
和「でも…時間の問題ね」
唯「どうすればいいか考えよう!!」
唯「あずにゃんとあずにゃんも起きて~」ユサ
梓「んーっ」
梓「んー」
唯「おはよ~」
梓「あ、おはようございます」
梓「あ、おはようございます」
ぐぅ~~
唯「お腹減ったね~」
和「何か買いに行く?」
唯「うん!」
澪「「「私も!」」」
和「澪3人一緒はだめよ…」
梓「ていうか、澪先輩そんなにお金持ってるんですか?」
澪「え?」
梓「16人分の…」
澪「あ…」
澪「大丈夫だよ、ほら」
澪「ほんとだ、あったあった」
澪「500円玉」
梓「えっ」
梓「それって偽造なんじゃ…」
唯「偽造じゃないよあずにゃん、本物だよ」
梓「見た目は本物ですけど…」
澪「うう…確かに気が引けるな…」
唯「しょうがないよ澪ちゃん!生き抜くためだよ!」
澪「「う、うん…」」
紬「みんな~お菓子もまだ残りがあるわ」
唯「おお!ムギちゃんナイス!」
和「じゃあ、唯と私と澪1で買いに行ってくるよ」
梓「なら私は残ってますね」
澪「「「「「よろしくな」」」」」
唯「じゃ~ね~」
ガチャ
ガチャ
和「あら?唯と私は?」
澪「私も含めて3人で食糧買いに行った」
和「あらそう…」
和「そしたら、私家に帰るって私に伝えておいてくれる?」
澪「うん…分かった」
和「ありがとう。じゃあ頑張ってね」
澪「「「うん…」」」
ガチャ
澪「「「「はぁ…」」」」
梓「帰ってくるまで練習しましょうか…」
澪「ああ…」
梓「よっと…」
梓「あれ?私のは…?」
梓「あ…」
澪「んっと」
澪「わたし…私のベースは」
澪「私も」
澪「私のも」
梓澪「はぁ~…」
澪「…そういえばさっき律がこれで覆って…」
サッ
どん
澪「お」
澪「じゃあこれわたしが使お」
澪「私の分もお願い」
澪「私のも」
澪「…」
梓「ベースが16人…」
澪「じゃあ梓も増やすか?」
梓「えええいや遠慮しておきます」
梓「あはは…」
澪「…やっぱりやめよっか……」
梓「ですね…」
~~♪~~♪
澪「ああ…いいなあムギは」
紬「うふふ♪」
梓「BGMにいいですね…」
澪「唯たち早く帰ってこないかな」
律「「「「zzz…」」」」
ガチャ
唯「ただいま~」
和「結構買ってきたわよ」ドサッ
澪「結局500円玉使っちゃった…」
澪「おお、おかえり」
澪「あ、和、和が先に家帰ってるって」
和「ああ…そう…ありがとう」
澪「うん…」
唯「じゃあみんなで食べよ~」
澪「「「「「うん」」」」」
澪「律たちもほら、起きろ」
律「「ふぁ~あ」」
和「これからどうするか…ね」
梓「そうですね…」
梓「みんなで別々に暮らしますか?」
澪「どういうことだ?」
梓「500円玉をさっきのでいっぱい増やして、」
梓「どうにか生きていくんです」
律「これ…ほんとに夢じゃないのか…?」ツネーッ
律「痛いな…こんにゃろ」ツネ
律「うううこいつ…」
澪「「「騒ぐな」」」ゴンゴンゴン
律「「「うう…」」」
梓「こんなですし」
梓「なんだかんだで普通にいけそうですし…」
和「そうね…」
和「今ここにいるのは私含めて26人」
和「500円20枚で1万円、一人1万円支給すると520枚…」
和「ホテル借りたとしても…そう長くはもたないわね」
和「またここに戻ってくるわけにもいかないし…」
澪「う~ん…」
唯「あ!良いこと思いついたよ!」
梓「なんですか」
唯「みんなで家を建てればいいんだよ!!」
唯「そこでみんなで生活するの!!」
和「難航しそうね…」
和「まず、みんなのうちの1人は元の家に戻らなくちゃいけないのよ」
和「誰が戻るかで揉めるでしょ、こんな生活誰も望まないんだし」
唯「そっかあ」
―――――――
律「もうさー」
律「自分たちで消すしか無いんじゃない?」
澪和梓「!?」
律「もう無理だろ、いくら考えても無駄だよ」
澪「…消すってのはどういうことだよ」
律「…こういうことだよっ」ギュッ
律「ぐあああああ」
律「おい!なにやってんだよっ」
律「やめろよ!!」
律「止めんなよ……くそぉ……」
唯「やめて、お願いだからそれはやめてよ…」
澪「唯…」
唯「そんなのいや!絶対いや!!」グス
和「…まぁ…それは本当に最後の手段ね」
和「もっといい方法があるはずよ、考えましょう」
梓「そうですよ…考えるのは無駄じゃないです」
澪「律の気持ちもわからない訳ではないけど…」
律「そうだよ!大丈夫だって」
律「くぅ……」
律「どうにかなる…よな」
律「そうそう!前向きに行こう!」
―――――――
和「もうすぐ日付が変わるわね…」
唯「うぅ…」
梓「そうだ!」
梓「全て増やせばいいんですよ!!」
律「どゆこと?」
梓「学校から家から何から全部増やせばいいんです!」
梓「増えた状態が普通になればいいんですよ!!」
澪「う…う~ん……」
和「じゃあ、澪の16人に合わせるの?」
梓「う…」
律「学校15個も増やすのか?ていうか増やせんのか?まず…」
和「澪が16人もいなければ…ね」
律「うっ…」
澪「「「「「「なんかごめん…」」」」」」
和「ううん、澪は謝らなくていいのよ、増えたくて増えたわけじゃないんだから」
律「…あーーー」
律「私が悪かったよ!!ごめんな!!」
澪「そそんな言い方は無いだろ!!」
唯「やめてよぉ」
紬「二人とも…じゃないわ、みんな仲良く…ね」
律「ああ…ごめん」
律「ったくよー」
律「もういいだろ」
律「落ち着けっての」
澪「「なんか律はまとまってないな…」」
澪「「「なんだか律らしいな」」」クスクスクス
律「わけわからん…」
澪「「「「そういえば、律?」」」」
律「「な、なんだよ」」
澪「この間貸した漫画持ってきた?」
澪「この間貸した雑誌持ってきた?」
澪「この間貸したCD持ってきた?」
澪「この間貸した本持ってきた?」
梓「律先輩…」
律「ななんだよ」
梓「借りすぎです…」
律「あはは…」
―――――――
和「本気で考えないと…もう時間が無いわ」
和「2時までに決着が着かなかったら……」
和「やむを得ないわ、始めましょう」
律「でもさ、ここでやったら死体処理はどうするんだよ」
澪「「「ひぃ…」」」
紬「港で…負けたら沈めるってのはどう?」
律「ああ、それならいいなー」
澪「お、おいムギまで本気か…?」
梓「しょうがないです澪先輩、弱肉強食ですよ」
唯「え、ほほんとにやるの…」
和「しょうがないわ唯、平和に暮らすためだもの」
唯「なななにか違う方法があるよきっと」
和「ええ、2時までは待つわ」
和「それと澪、私に電話して私を呼んでもらえる?」
澪「「え…」」
和「ほら、もたもたしてないで早く」
澪「ひっ」
和「私が自分で電話するわ、携帯貸して」
澪「ひゃい…」
唯「…」
梓「大丈夫ですよ唯先輩、別に死ぬわけじゃないですし」
唯「でもお…」
梓「それに相手は自分ですから、大丈夫です」
――――――
和「そろそろ2時ね」
澪「「「ひ・・ひい」」」
律「よし…いくか」
梓「いきましょう」
唯「え、ちょっと」
梓「唯先輩、いい加減にしてください」
梓「一番強い自分が生き残るんです、自分のためでもあるんですよ」
唯「あずにゃん…?」
梓「弱者は淘汰される、これが自然界の掟なんです」
梓「弱者が保護されるような世界は破滅するんです、その内」
梓「そうに決まってます…」ブル
唯「あずにゃん…」
―――――――
―港
和「さぁ、明るくならないうちに早く始めるわよ」
律「んよし」
和「誰からやる?」
梓「は…はい!」
律「おお梓、頑張れよ」
唯「な、なにすんの?」
和「殺し合いよ」
唯「え?」
和「勝った方が生き残って負けた方は沈められる」
和「単純なルールでしょ?」
律「「「だな」」」
唯「ほんとに?」
和「冗談よ」
唯「和ちゃん……笑えないよぉ」
和「いや…冗談でもないわね」
和「別に手段は何でもいいわ、白黒つければいいの」
和「負けた方が沈められる、それだけよ」
澪「「「「うう…」」」」
律「じゃ梓、何で勝負するんだ?」
梓「「そうですね…」」
梓「かけっこ!」
梓「演奏!」
和「演奏はだめね、静かにやらないとダメだから」
梓「じゃ…かけっこで…」
唯「あずにゃん…頑張って…」
梓「「はい!」」
―――――――
紬「いちについてっ!」
梓「「…」」
紬「よ~い」
紬「どん♪」
梓「おおおおおおお」タッタッタ
梓「おおおおおお」タッタッタ
梓「やった…」
梓「…」クル
律「よし、そっちの梓くるんだ」
梓「え?あっちですよ」
梓「なに言ってんの…そっちでしょ」
紬「うふふ、もう諦めなさい」ガシッ
梓「ひっ」
紬「斎藤、縄」
斎藤「はっ」
グルグル
梓「なにすんのよ…ちょっと…やめっ」
バンッ
梓「」
梓「うわぁ~……なんか複雑な気持ち…」
紬「一丁できあがりね♪」
澪「「「「…」」」」ガタガタ
和「沈めるのはまとめてでいいわ」
律「よしっ!次は澪!」
澪「「「「ひぃ…」」」」
澪「「「ななんで律が決めるんだよー」」」
律「えー?だってなんか澪ウズウズしてるじゃ~ん」
澪「「してないって」」ブル
和「いつやっても同じよ、さあ澪、どうする?」
澪「うう…」
澪「律…一生恨むからな…」
律「な、なんでだよ…って別に死ぬってわけでもないぞ、偽物だし」
澪「じゃ、じゃあ…ポエム対k」
和「そんな時間はないわ、だめね」
澪「ひぃ…」
和「もういいわ、じゃんけんでパッパと決着つけなさい」
澪「そんな…」
和「早く」
澪「はい」
澪「「「「「「「「「「「「「「「「じゃんけんぽん!」」」」」」」」」」」」」」」」
澪「「「「「「「「「「「「「「「「あいこで…」」」」」」」」」」」」」」」」
和「キリがないわ、4人ずつでやりなさい」
澪「「「「じゃんけんぽん」」」」
・ ・ ・ ・
和「やっと最後の4人ね」
澪「「「「じゃんけんぽん」」」」
澪「やった…」
澪「あ…あああ」
澪「そんな…本物は私なのに…」
澪「うそ…」
紬「はい♪おつかれさま」
グルグル
唯「縛られた澪ちゃんが15人…」
梓「奴隷みたいですね…」
和「さ、私たちも決めるわよ」
和「「じゃんけんぽん」」
和「はい決まりね」
和「あとは任せたわ私…」
和「あなたの分も頑張るから…」
バンッ
ドボーン!!
/j^i
./ ;!
/ /__,,..
/ `(_t_,__〕
/ '(_t_,__〕
/ {_i_,__〕
/ ノ {_i__〉
/ _,..-'"
/
~~~~~~~~
ズブズブ
和「うっ…」グス
澪「な、なんで押したんだ?」
和「自分で飛び込むって凄く勇気がいるのよ」
和「だから…」グスン
唯「和ちゃん……」
律「…よし、次は私らだな」
律「どうやって決める?」
律「澪を一番落とした人が勝ち、でどう?」
律「それでいっか」
澪「やめろぉ~」
紬「よ~い、どん♪」
律「「「「うおおおおお」」」」
ボトンッ ボトン ボストン
澪「あぁ…私が沈められていく…」
梓「ティーパーティ…」
紬「りっちゃんA、4澪ちゃん」
紬「りっちゃんB、4澪ちゃん」
紬「りっちゃんC、3澪ちゃん」
紬「りっちゃんD、4澪ちゃん」
紬「りっちゃんCが脱落、次のラウンドに進むわ」
澪「予選だったのか…」
紬「よいしょと」グルグル
梓「お疲れ様でした」ドン
律「わぁ~~…」
ボトン
梓「もう私のも落としておきますね」ドン
梓「」
ボトン
梓「ふぅ…」
和「じゃあ、私は家に帰るね」
唯「ばいば~い和ちゃん」
和「唯たちも早く片付けて帰るのよ」
唯「うん!」
澪「なんかさっきまでが嘘みたいだな…」
唯「なんか慣れてきちゃったね~」
紬「さぁ!本戦です!!みんな気を引き締めて!!」
梓「ムギ先輩のってますね…」
律「で、どうする?」
澪「もうじゃんけんで決めろよ」
律「え~~こっちは割と真剣なんだぞ!?」
律「そうそう、まだ終わってないんだから」
律「じゃんけんで決めるなんて人命軽視だー!」
唯「そうだー!そうだー!」
澪「私の命はなんだったんだよ…」
律「じゃあさ!澪を持ち上げて何分耐えられるかはどう!?」
律「澪を何分で脱がせられるかは!?」
律「澪を何分でイ…」
澪「こら!」バン
律「「「ってぇ…」」」
唯「じゃあさ、これで決めよぉ」クイクイ
律「まぁ…それでいいっか」
律「じゃあ始めるぞ」
律「イッセーノー2!」
律「やりぃ~」
律「イッセーノー0!」
・ ・ ・ ・
律「終わった…勝った…」
律「わわたしが本物なのに…」
律「そんなばかな…」
紬「はい♪」
グルグル
律(負)「ま、まってくれ!私が本物なんだって!!」
律(負)「諦めようぜ…」
律(勝)「そうだぞ!私らしくない」
律(負)「本当だって!!助けて!!澪!!」
澪「…」
唯「どう…なのかな」
梓「見た目で判断つきませんしねえ…」
唯「本物であれなんであれ、これもりっちゃんだしねえ…」
律(勝)「これとはなんだよ!!」
律(負)「本当!!本当に!!助けて…」ウルッ
律(勝)「気持ち悪いな…はやく…消えなっ!」
律(負)「澪!!澪!!!助けてくれ!!!本当だ!!」
澪「…よし」
律(負)「おぉ!?親友だもんな澪!!知ってたよ」
澪「早く消えろっ!」バンッ
律(負)「み…お……?」
律(負)「ぁ……信じてたのに……」
ボトン
ブクブク
律(勝)「なんだあいつ…気持ちわる」
唯「…」
梓「…」
澪「ああ…」
澪「じゃあな律」バン
律(負)「ああ…楽しかった……」
ボトン!
ブクブク…
律(勝)「はは…」
律(勝)「やっと片付いたな…」
唯「はぁ…なんか疲れたぁー」
澪「なんというか…夢みたいだった」
梓「そうですね…」
紬「「じゃあ、帰りましょ♪」」
唯「あれ?」
澪「そうだったな…」
梓「あ…」
律(勝)「ムギまだだったな」
紬「「え?」」
澪「ムギ…やろうか」
梓「ムギ先輩…」
紬「いや!!」
唯「えっ」
紬「せっかく出来たお友達なんだから!!」
紬「いやよ…」
紬「絶対にそんなのいや…」
斎藤「お嬢様…」
澪「ムギ…」
紬「やだぁ…」ギュウ
紬「私の大切なお友達…」ギュウ
律(勝)「…」
律(勝)「ムギ!!」
律(勝)「みんなも別れたんだ!!」
律(勝)「それに…そいつはまやかしだ!!」
梓「…」
唯「二人とも泣いてるよお…」
澪「かわいそうだな…」
紬「せっかく…できたお友達なのに…」
紬「うう…」
唯「うぅ…」グス
唯「ムギちゃん…ごめん…」ポロポロ
唯「私が…変なふろしきを持ってきたばっかりに…」ポロポロ
唯「…あのふろしきを使って…お札とかコピーしたからぁ…」ポロポロ
澪「あっ、あのお札はやっぱりふろしきで…」
唯「…うん……」ポロポロ
唯「…みんな…ごめん……」
澪「いいよ…」ナデ
キラキラ…
梓「ああっ」
澪「どうした梓」
梓「ふろしきが光って…」
澪「おお……」
紬「…え……」
紬「うふふ…ありがとう、わたし……」キラキラ
澪「片方のムギが……」
紬「楽しかったわ…ありがとう…」キラキラ
紬「待って!!行かないで!!」
紬「さようなら…」キラキラ
紬「ああ……」
澪「片方のムギが消えた…」
梓「澪先輩!海が…」
澪「光ってるな…」
律(勝)「一件落着か…」キラキラ
唯「うぅ…」グス
梓「澪先輩!!」
澪「なんだ!?うっなんだこれ…」
梓「律先輩…」
律(勝)「なんだよ!?」キラキラ
梓「律先輩…」
梓「…の、おでこも輝いてます!!!」
澪「うおっまぶし…」
律「なんなんだよ!!もう…」
紬「…もう朝だわ…」
人増殖編
完
―――夕方、放課後
唯「じゃ~ね~」
梓「はい、また明日」
唯「ふ~…」
唯「そういえば今日はハンバーグだった!」
唯「早く帰ろ~♪」
唯「…お?」
老婆「…」
唯(なんか凄いおばあさん…占い師?)
老婆「…お嬢ちゃん」
唯「へっ?わたし?」
老婆「そうだよ…おいで」
唯「?」
老婆「いきなりで悪いけど、これが何かわかるかい?」
唯「ふろしき…?」
老婆「そうだよ。ふろしき。でも」
サッ
唯「鉛筆が増えた……」
老婆「そう。増えるんだよ」
唯「す、すごいねー!!」
老婆「この2本を覆って…ほら」
サッ
唯「今度は4本になった…」
唯「おばあさん凄いね~手品師?」
老婆「手品じゃないんだよ」
唯「ふぇ?」
老婆「これはね、包んだものを複製できるふろしきなんだよ」
唯「ふくせい?」
老婆「そう、複製。コピー。お嬢ちゃん、髪留め貸してごらん」
唯「?……はい」
老婆「いくよ…」
サッ
唯「おぉ~…」
老婆「すごいでしょう?」
唯「すすごいけど…なんか怖いな」
老婆「あはは、そう怯えなくていいよ」
老婆「お嬢ちゃん」
唯「?」
老婆「このふろしき、お嬢ちゃんに持っていてほしいんだ」
唯「え!?」
老婆「シーッ、これは内緒だよ」
唯「ででもなんて私に?」
老婆「普段から頑張っているご褒美だよ」
唯「頑張って……う~ん」
老婆「そのふろしきを、世のため人のために役立ててくれ」
唯「う、うん」
老婆「ただし、そのふろしきのことは1人にしか言ってはいけない。いいね?」
唯「え……うん」
老婆「2人以上に言ってしまったとき、そのふろしきは消えてしまう…」
老婆「頼んだよ……」
唯「え」
唯(消えちゃった……)
唯(なんか不気味~…帰ったら憂に相談しよう)
唯(あ、1人だけだから…うん、やっぱり憂だよね妹だし)
―――
唯(何を増やそうかなぁ)
唯「ただいまー」
憂「おかえり、お姉ちゃん♪」
憂「今日はハンバーグだよ」
唯「ふおおお待ってました!!」
憂「うん♪早く着替えてきてね!」
唯「了解!」
唯「んあと、憂に見せたいものがあるんだ~」
唯「あとで見せるね」トテトテ
憂(…?)
―――
唯「ゴッツァンデス!!」
憂「お姉ちゃん食後のアイスあるよ~?」
唯「食べる~」
唯「あ!そうだ!うい~見てみて~」
憂「なあに?」
唯「テテテテン♪まほうのふろしき~」
憂「な~に~?手品?」
唯「見てなさいって!」
唯「ここにアイスがありま~す」
唯「これを~…はっ」
サッ
どん
唯「増えました~」
憂「えっ…すっすごい!!お姉ちゃん!!!」
唯「でしょお~」エヘヘ
憂「どうやってるのー!?」
唯「これで覆って……わん、つ、すりー!」
サッ
どん
憂「わぁ…すご~い!!」
憂「どこにアイス隠してるの!?」
唯「隠してないよ、ほんとに増えてるんだよ~」
憂「教えてよ~お姉ちゃん」
唯「教えてほしい!?」
憂「うん!!」
唯「ほんとにぃ!?」
憂「ほんとに!!」
憂(はぁ~かわいいなぁお姉ちゃん)
唯「実は、本当に増えているのです!」
憂「お姉ちゃん!」
唯「ほんとだって」
憂「もう…」
唯「ほんとのほんとだよ?」
唯「じゃあ裏側から見てみて」
憂「うん」
唯「いくよ」
サッ
どん
唯「ほら」
憂「…」
憂「お姉ちゃん…」
憂「…」ゴシゴシ
憂「夢?」
唯「夢じゃないよ!!じゃ、ういやってみ!!」
憂「こう?」
唯「うん、それで覆ってサッとひく」
憂「よし」
サッ
どん
憂「ほんとだぁ…」
唯「でしょお~」
憂「これ…なんなのかな?」
唯「?ふろしきだよ」
憂「う、うん、でも」
憂「なんでも増やせちゃうのかな?」
唯「う~ん…何でも、ねぇ」
憂「この食器も増やせちゃうかな」
唯「やってみて~」
憂「う、うん」
サッ
どん
憂「増えた…使った状態で」
唯「すごいね~」
憂「……お姉ちゃん…」
唯「なぁに?」
憂「お金も…増やせちゃうのかな…」
唯「え!?」
憂「い、いや、そこの貯金箱が目についただけだから……」
唯「……憂…てんさいかも」
唯「貸して貸して!」
憂「うん」
唯「貯金箱を覆って~」
サッ
どん
唯憂「増えた…」
唯「ふおおおおおおおおおおお!!!!!!」
唯「憂!!やったよ!!!大金持ちだよ!!!!」
憂「うん!!!」
憂「……でも、なんかバチが当たりそうかも…」
唯「あ、そうそう、たしかね、世のため人のために使えって言ってた」
憂「誰?」
唯「おばあさん」
憂「おばあさん!?」
憂「このふろしきはおばあさんから…?」
唯「そうそう、くれるって~」
憂「こんなものもらっていいのかな…」
唯「頑張ってるご褒美だって」
憂「ちょっと怖いね…」
唯「悪いことに使わなければ大丈夫だよ!」
憂「そ、そうだよね」
唯「うひょおお!!じゃあ貯金箱コピーしまくろ~~!!」
憂「…」
唯「それっそれっ」
ササッ ササッ
どん どん
唯「おほほほほ~~」
憂「…お姉ちゃん///」
唯「ふぇ?」
憂「その中…5円玉とか10円玉しか入ってないから///」
唯「おおお!!確かに!!」
ガサゴソ
唯「じゃあこの1万円札をコピーしよう!!!」
憂「うん///」
唯「さすが憂!!私の妹!!」
ササッ ササッ
・ ・ ・ ・
唯「……うい…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「これが…100万円…!!」
憂「うん…!」
唯「うい…叩いて」
憂「へっ?」
憂「これがええのんか~」ペチペチ
唯「ああん…もっとぉ~」
憂「ええのんか~」ペチペチ
唯「ああん…」
憂「お姉ちゃん」
唯「もっとぉ」
憂「もういいよお…」
唯「憂のいじわる!」
憂「そ、そんな」
憂「ええのんか~」ペチペチ
唯「あはん…」
・ ・ ・ ・ ・
唯「あ」
憂「ん…」
唯「憂、起きて!!もう朝だよぉ」
憂「はっ」
唯「寝ちゃってたね~」
憂「いけないっ!早くお弁当作らないと」
唯「いいよぉ~」
憂「え?」
唯「ほら」チラチラ
憂「あ…あ~」
唯「買っていくよ」
憂「ごめんね…」
唯「ううん、全然いいよ」
憂「パンでいい?」
唯「うん!」
唯「今日から大金持ち♪」
―――――――
―がっこう
憂「~♪」
純「おっおはよ、憂」
憂「純ちゃんおはよ~♪」
純「なんか超機嫌よさそうだね、憂」
憂「そうかな~」
純「そんなことよりさあ、知ってる?今朝のニュース」
憂「え?」
純「ラーメン屋に、『子どもたちに食べさせて~』って100万円おいてったおっさんが来たんだって!」
憂「へ~…すごいねぇ」
純「すごいよね~」
純「でもさ、そんなこと普通すると思う?その100万円実は偽札なんじゃないかって私は踏んでる」
憂「…へ、は、ははは、ありえるかも…」
純「でしょ!」
憂(すっごいヤバいかも…)
憂(そういえばお札って…)
憂「…偽札かあ~」
純「なんか怪しい中国人がいっぱい作ってるっていうじゃん!」
憂「あはは…」ガサゴソ
『1万円』
純「あっ憂なんで1万円なんて持って」
憂「純ちゃんしっ!」
純「…う、うん、どしたの?」
憂「…お姉ちゃんのお誕生日プレゼント買いに行くんだぁ…」
純「唯先輩もうすぐなの?」
憂「え?…いや、まだだけど早めにね」
純「憂は優しいな~」
憂「あはは…」
憂(番号が…あるんだ)
憂「純ちゃんごめん、ちょっとトイレ行ってくるね」
純「えっじゃあ私も~」
憂「いや!!大丈夫だよぉ~!絶対だいじょうぶ!!全然!!」
純「?…私は大丈夫じゃ」
憂「大丈夫!すぐ帰ってくるよっ!!」ダダッ
純「…?」
・ ・ ・ ・ ・
憂(私は購買で買うつもりだったから大丈夫だけど)
憂(朝お姉ちゃんは買っていくって……)
憂(お姉ちゃんがもし買ってたらお姉ちゃんと外国に……)
憂(お姉ちゃん!!買ってないで!!!)
憂「はぁはぁ」
ガラッ
唯「あっうい!」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「ちょうどよかった~~憂に言い忘れてたことがあるんだ」
憂「?」
唯「あのふろしきのことは、二人の秘密ね」コソコソ
憂「うん///わかった」
唯「じゃそーゆーことで」
律「お二人さ~ん仲好さそうだね~」
澪「はは、うらやましいな律」
律「え?聡とはそんな…」
憂「あ、お姉ちゃん!」コソ
唯「ん?」
憂「そのお札もう使った?」コソ
唯「そうそう、朝ね買うの忘れちゃったんだぁ~」
憂「良かったぁ………そ、それでね、そのお札、絶対使っちゃだめだよ!」コソ
唯「なんで?」コソ
憂「お札には番号が書いてあるから、何枚も使うとバレちゃうんだよ」コソ
唯「…ほう……じゃあ一枚だけなら大丈夫かな?」コソ
憂「あっ……そうだけど…念のためやめておかない?」コソ
唯「う~ん……でも…私今日これしか持ってない」コソ
憂「私の使って!」
唯「そしたら憂の分は」
憂「私は大丈夫だから!!」
唯「えっ」
憂「じゃ、また後でね!!」ダッ
律「唯、憂ちゃんから何のお金もらってたんだ?」
唯「いやぁ~お昼代だよぉ~」
澪「それ、憂ちゃんの財布だよな…」
唯「あはは……」
律「……憂ちゃん大変だな~こんな姉で」
・ ・ ・ ・ ・
憂「…」
純「うい、お昼は?」
憂「忘れちゃって…エヘヘ」
純「お金は?」
憂「忘れちゃった」
純「あのいちま」
憂「お金無いんだ!!アハハ…」
純「そうなんだー」ビク
梓「憂らしくない」
純「ドーナツ食べる?一口しかしてないけどあげるよ」
憂「ありがとー純ちゃん!いつかお返しするね」
純「うん!すーぱーおーるすたーぱっくね!」
憂「いいよ~♪」
純梓(まじかよ…)
唯「じゃごめん!今日は先帰るね!!」
律「うぃー」
澪「…いつもと違う感じがしたな」
律「ね!私もそう思った!なんというか遠足の前の日みたいな」
澪「すごい嬉しそうだったよな」
律「宝くじでも当たったんじゃね?」
澪「はは、まさか…。それにあの唯なら当たったらなんか言うだろ」
律「それもそうだなー。でも憂ちゃんに口止めされてるとか」
澪「でも宝くじあたったらお昼代くらい持っててよさそうだよな」
律「確かにwまあそんなこと無いってことよ!部室いこーぜー」
―平沢家
憂(社長椅子に座ってるお姉ちゃんかわいい///)
唯「さぁ…はじめようか、ういくん」チョコン
憂「はじめましょう、お姉ちゃん//」
唯「お姉ちゃんじゃないよ、社長だよぉ」
憂「しゃ、しゃちょう、今後はいかがいたしましょうか//」
唯「見たまえ憂君」ヒラッ
憂「これは…今月の携帯代金」
唯「違うよ!今月の売り上げだよぉ」
憂「……お姉ちゃん…そろそろほんとに始めようよ」
唯「うん//」
憂「じゃあお父さんの部屋に返してきてね、その椅子」
唯「終わったら~」
憂「うん。じゃあまずは…反省会!」
唯「1万円が使えなかったのは想定の範囲外でしたっ」
憂「そうだね…。お札に番号が書いてあるのすっかり忘れてたよ」
唯「普段気にしないもんね。にしても使わなくて良かったよかった」
憂「うん♪……でも、なんだかふりだしからだね」
唯「うん~まあゆっくりやろ~」
憂「この1万円札の束は捨てるとして……やっぱりお金を増やすのはやめとく?」
唯「ふっふっふ」
憂「なに?」
唯「小銭は番号が書いてないのだよ。ういくん」
憂「そういえば……。お姉ちゃんさすがっ」
唯「というわけで、500円玉を増やそう!」
憂「どこかバレそうなところは……」
唯「ないよぉ~。番号も無いしね」
憂「うん。じゃはじめよっか」
憂「あ、私持ってなかった」
憂「お姉ちゃん500円玉持ってる?」
唯「えっと……はい」
憂「ありがと♪」
憂「これを増やせば…」
唯「私たち今度こそ大金持ちだよお!!」
憂「うん!!」
唯「じゃあコピーしよおー!!」
憂「おー!!」
憂「その前に……」ジーッ
唯「どしたの?」
憂「お姉ちゃん、ここは抜かりなくいこうね」
唯「ふぇ?どういうこと?」
憂「まずはこの500円玉が本物かどうか見極めないと」
唯「え!?憂わたしが偽物渡したと……」
憂「ううん、そんなんじゃなくて、お姉ちゃんが気づかないうちに偽物もらってるかもしれないじゃん?」
唯「なるほどぉ」
憂「1万円の時も結局気づかなかったし、注意深くいかないとね」
唯「さすがぁ憂……私の妹」
憂「抜かりなく……っていうのも何だか変かなぁ」
唯「世のため人のために使うんだからね!全然悪くないよ私たち!」
憂「う、うん!そうだよね!」
唯「じゃあ憂くん、点検してくれたまえ」
憂「はい、社長」
憂「…とはいうものの、一枚だけじゃ本物か偽物か分からないんだよね」
唯「もう一枚あるよ、はい」
憂「あ、ありがとうお姉ちゃん」
唯「社長!」憂「社長」
憂「あれ…?この500円玉、周りにぎざぎざがないなぁ」
唯「どれどれ……ほんとだ」
憂「危なかったぁ……」
唯「ゴクリ……」
憂「…そもそも500円玉って周りにぎざぎざあるのかな?」
唯「えっとね……はい、もう一枚」
憂「この500円玉にもぎざぎざがない…」
唯「じゃ、このぎざぎざがあるのが偽物だな!!」
憂「…かなぁ」
憂「念のため、500円玉もう一枚確認しておこうよ」
唯「……ん~でももうないや」
憂「そっかぁ~。じゃあ明日銀行に行ってもらってこようかな」
唯「え~~~じゃあ今日はやらないの~?」
憂「うん…。牢屋に入るの嫌でしょ?お姉ちゃん」
唯「絶対嫌です……」
憂「銀行でもらうのが一番安心だと思うから…ね」
唯「うん…」
憂「じゃ、また明日にしよう?」
唯「うん!」
―次の日の夜
唯「さぁ…憂くん、れいのぶつを見せたまえ」
憂「はい社長、これです」
唯「ぬおお、ぎざぎざがあるのが本物だったか」
憂「はい、やっぱり昨日やってなくて良かったですね」
唯「さすがだよ、憂くん、私の妹」
憂「ありがとうお姉ちゃん」
唯「社長」憂「お姉ちゃん、もうやめない?社長ごっこ」
唯「くぅ…憂のいけず…」
唯「じゃ~ぱっぱとコピーしていこ~!!」
憂「お~!!」
ササッ ササッ
どん どん
・ ・ ・ ・ ・
憂「これで256枚だよ」
唯「結構……重いね」
憂「そうだね…」
唯「256枚ってことは何円かな」
憂「500×256だから…12万8000円だね」ポチ
唯「このぶたさんが12万8000円……」ジャラ
憂「じゃあ明日、これ銀行に持っていくね」
唯「なんで?」
憂「500円じゃ使いにくいからお札に交換してもらうよ」
唯「あそっか。その方が良いね確かに」
憂「ちょうどいいから6枚だけ抜いておこうかな~これで12万5000円」
唯「…でも憂さ、ちょうどいいお金だと怪しまれないかな?」
憂「それぐらいは大丈夫じゃないかなぁ…」
憂「でもそうだね…念には念を入れて」チャリン
唯「ふふふ…楽しみ~」
憂「……あ、これをコピーすれば次も楽だね」
唯「おお!確かに」
ササッ
どん
唯「ぶたさん2号……これで25万6000円?」
憂「うん!」
憂「まったく同じだと怪しまれそうだから…ちょっと傷つけておこうかな」カリ
唯「ああっぶたさん2号」
―数週間後
憂「はぁ…」
憂「やっと1000万円だね…!」
唯「うん!これで1024万円かな?」
憂「いろんな銀行回ったし貯金箱も変えたから…」
憂「完璧だよ……お姉ちゃん」
唯「うい~~ご苦労様~~」
憂「うん♪」
憂「……でも結構疲れるね…お金運ぶのって」アハハ…
唯「そぉ?」
憂「うん…でも大丈夫だよ」
唯「無理しないでね」
憂「うん、ありがとうお姉ちゃん」
唯「さぁこの1000万…なにに使おうか」
憂「お姉ちゃんが決めていいよ~」
唯「う~ん…1000万円って何ができるのかな~」
憂「そうだねぇ」
唯「あっ!!うい!!私あれやりたい!!」
憂「あれって?」
唯「えーっと」
唯「EX?だっけ」
憂「FX?」
唯「そうそれ!!」
唯「この間テレビでやってたんだよ!!FXで大金持ちになった女の人」
憂「へ~……でもお姉ちゃん、FXって何だか知ってるの?」
唯「さぁ?」
憂「……」
唯「…でもでも、パソコン使って簡単にできるんだって!!」
唯「私にもできるよ!!たぶん!」
憂「私もよく知らないんだけど…大丈夫かなぁ」
唯「試しにやってみよ~よ~」
憂「でもお姉ちゃん、FXでもし大金持ちになったとして、何したいの?」
唯「ん~~」
憂「それに、よく知らないけど大金持ちになれるのはやっぱり極少数の人だと思うよ」
唯「そうかなあ」
憂「そうだよ、多分」
唯「やっぱやめておこっかな」
憂「うん♪」
唯「そうだ!憂は何したいの?憂がほとんど銀行行ってくれたんだし、決めていいよ」
憂「えっ…そう?じゃあね……」
ぐ~~
憂「お…お姉ちゃん」
唯「あはは~お腹すいちゃった」
憂「あっ!じゃあなんか出前でも頼むのはどお?」
唯「いいね~!!私ピッツァがいい!ピッツァ!!」
憂「お姉ちゃん発音良いね…」
唯「へへ~」
―数週間後
憂「これで…大体2000万円だね」
唯「なんか増やすだけで全然使ってないね~」
憂「結構疲れる割には…あんまり増えないというか…」アハハ…
憂「贅沢いっちゃいけないけど…」
唯「…そろそろ次の段階に進む時期なんじゃないかな!?」
憂「え?」
唯「もっとガッポリ増えるやり方を探そうよ!!」
憂「う~ん…なにがあるかな~…」
唯「新聞を見て探します!」
唯「うい!!うい!!見て!!」
憂「なあにお姉ちゃん」
唯「これ!!どうかな!!?」
憂「えーっと…
『世界共通の価値観を持つ希少な実物資産・金で、
あなたの着実な資産形成を強力にバックアップ』…」
唯「そうだよ!!金だよ金!金をコピーして売ればいいんだよ!!」
憂「なるほど…」
唯「いい案じゃない!?」
憂「いいかも…」
唯「目安は…1kg350万円……金すご」
憂「でもお姉ちゃんこれ、上のほうに書いてある」
唯「『A0001』…何かの番号?」
憂「うん…多分これは1万円札と同じような番号じゃないかな」
唯「そうなると…バレる?」
憂「それ自体の価値は変わらないんだけどね…」
憂「これがきっかけでバレるかも」
唯「じゃあさ、闇取引みたいなところに持っていけばいいんじゃない!?」
憂「怖いよぉお姉ちゃん」
憂「それにこれ…
『ご売却される場合は、ご本人様を確認できる書類(運転免許証・健康保険証など)
を一緒に窓口にご提出ください。』
」
憂「これじゃあね…」
唯「学校で誰かから借りてくるよ!保険証!」
憂「絶対だめ!!」
唯「ちぇ」
憂「お姉ちゃん」
唯「ふぇ?」
憂「やる?FX」
唯「え?いいの?」
憂「この辺の銀行ほとんど廻ったし…」
憂「もう疲れちゃったから…」
唯「うい…」
憂「それにね、私そんなにお金なくてもいいし」
唯「うん…」
憂「だからお姉ちゃん好きなことしていいよ、でも」
唯「でも?」
憂「やるとしてもせめて半分の1000万円までにしてね」
―数日後
唯「準備できたー!とりあえず100万円ではじめてみるよ!!」
憂「ひゃ…ひゃくまん」
唯「うん!大丈夫大丈夫」
唯「これなくなったらもうやめる!」
憂「う、うん…」
唯「じゃあいくよぉ~」
ポチ
憂「…わぁ…すごいねお姉ちゃん…とれーだーって感じ」
唯「でしょでしょ~!」
唯「このゆーえすでぃーを…いけるまで買う」
憂「お…お姉ちゃん大丈夫?」
唯「大丈夫大丈夫、これがこの辺まで上がったら売ればいいだけだよ」
憂「お姉ちゃん…なんか赤い表示でてるけど」
唯「ればれっじ…50?」
憂「ほんとに大丈夫?」
唯「大丈夫でしょお、だってほら上がってるし」
憂(なんか不安だなぁ…)
憂「…お姉ちゃん、USDって何だか分かってる?」
唯「さぁ?」
憂「アメリカ・ドルじゃない?」
唯「おお~ドルを買ってたのか~」
唯「おっなんかすごい上がってる」
唯「ああっ!」
憂「どしたの!?」
唯「ごめん!トイレ!憂上がったら売っといて!!」タッタッタ
憂「え…え…?」
憂「すごい上がってる…成行注文?でいいのかな」ポチ
どん
+300,000
憂「どういうことだろう…」
―数週間後、平沢家
純「な~に~?」
憂「純ちゃんの要望にお応えして」
憂「はい♪」
どーん
純「スーパーオールスターパック…しかも10箱」
梓「なにこれ…」
憂「あれ?ダメ…?」
純「だめじゃないだめじゃないよ……けどさ」
梓「なんでこんなに買ったの…?」
憂「えっとね…」
――
―――――
唯「うい…」
憂「どどうしたの!?お姉ちゃん」
唯「責任をとって辞任します…」
憂「辞任!?なにを!?」
唯「お姉ちゃんを辞任します……先に生まれてきてごめんなさい」
憂「なっ何言ってんのお姉ちゃん…」
唯「う~い~~!!やっぱりだめだった…もうほとんどない…」ポロポロ
憂「うん…そうなるかな~ってちょっと思ってたよ…」
唯「…本当にごめん憂、せっかく何度も銀行に行って……とってきてくれたのに」グス
唯「一週間で失くすなんて…どう謝ったらいいか」ポロポロ
憂「…ううん、私は良かったって思うよ」
唯「…なんで?……」
憂「だって―もとはふろしきから出て私が銀行と家往復しただけで、実際は無いようなお金だし」
憂「それに一応まだ1000万円残ってるし」
憂「私もお姉ちゃんを見て、やっぱりそんなに上手く行かないなって思えたから」
憂「ふろしきで覆って私が往復しただけでそんな経験ができちゃったわけだから」
憂「これもこれで成功だよ!」
唯「うい~~ごめん…」ボロボロ
憂「よしよし」ナデナデ
―――――
――
憂「ふふっ、まあ秘密かな♪」
純「え~~、こんな買うのに何円かかると思ってんの!!」
梓「それは気になる……憂はなんでそんなに…」
憂「バイトして貯金してたから…」
憂「日頃二人への感謝の気持ちも込めてね!」
純梓「…」
純「ありえない、それはありえないぞ」
純「ラーメン屋に100万おいてくのと同じくらいありえない」
憂「そうかな?」
純「そうだよ!!あり得ないよ!!」
純「……あっ、もしかしてぇー」
憂「?」
純「偽札使ったな~!?憂!!!」
憂「えっ//」
唯憂お金持ち編 -唯FX失敗パート-
完
>>275分岐
―数週間後
唯「憂、見たまえ」
憂「なぁに?おねえちゃん……」
『損益合計:+100,000,000』
憂「損益……」
憂「いち、じゅう、ひゃく…ひゃくまん、いちおく……1億円!?」
唯「はっはっはっは」
憂「おおおねえちゃん」
唯「ついに億万長者だよ!!うい!!!」
憂「どうしてこんなことに…」
唯「嬉しくないの?憂。億万長者だよ!」
憂「まさかこうなるとは思わなかったよ…」
唯「う~い~ひどいよお~」
憂「ごめんごめんお姉ちゃん。……で、まだ続けるの?」
唯「当たり前だよ憂!!この際びるげーつ目指すよ!」
憂「ビルゲイツ?」
唯「そうそう!!ビルゲイツ!!!」
唯「それにさ、いっぱいお金があれば、お父さんももう働かなくていいし」
唯「お父さんとお母さんと憂と私で色んなところに遊びに行けるよ!!」
憂「お姉ちゃん…」
唯「好きなものも何でも買えるし~~私社長になろっかなぁ~」
憂「社長!?お姉ちゃん会社作るの?」
唯「うん!!その時は憂は社長②ね!」
憂「えっ…私はお姉ちゃんの秘書でいいよ…ってお姉ちゃん」
唯「ふぉ?」
憂「何の会社作りたいの?」
唯「何の?会社は会社だよ憂」
憂「会社ってお姉ちゃんなんだと思ってるの?」
唯「私が社長で……会議したりするの」
憂「あはは…」
―数週間後
唯「ふ~~」
憂(家に帰るとずっと8台の画面と睨めっこしてるお姉ちゃん…)
憂「お姉ちゃ~ん…お茶入ったよ」
唯「おお、ありがとうい」
憂「調子はどう?」
唯「うん順調かな~♪」
憂「あんまり無理しないでね」
唯「うん、ありがと」
・ ・ ・ ・ ・
唯「憂、私決めたよ…」
憂「何を?」
唯「私、これからは世のため人のためにこのお金を使うことにするよ」
唯「その第一歩として、学校卒業したらまずは会社を作る」
憂「お姉ちゃん…」
唯「それでね、私がでざいんした服を売る!」
憂「デザイン!?すすごいねお姉ちゃん」
唯「みてみて!これが第1作だよ」
唯「じゃん!」
『http://nagamochi.info/src/up28205.png』
憂「わぁ…」
唯「どおかな!?」
憂「うん……すごい独創的だと思う!」
唯「でしょお~~!みんな買ってくれるかなぁ~!?」
憂「うん!きっと売れるよ!!」
唯「ふふふ~早く会社作って売り出すんだぁ~」
憂「私も応援してるよ!」
唯「うん!!ありがとおうい」
―学校
律「唯、なにニタニタしてんだよ」
唯「ふふふ、りっちゃん、私のサインもらうなら今のうちだよ」
律「はぁ?何言ってんだか…」
澪「なんかあったのか?」
唯「秘密だよぉ。でも、いつかみんなにすんごいお返しするから!待っててね!!」
紬「え~なんだろ~♪」
律「はは…何考えてるんだか。期待しないで待ってるよ」
唯「期待してていいよ!」
―2年後
唯「よし…憂!!」
憂「いよいよ始まったね…お姉ちゃん」
『
社名 :株式会社てぃーたいむ
英文表記:TeaTime co.,ltd.
所在地 :桜が丘1-12-1
設立 :2012年11月27日
業種 :アパレルなど
資本金 :100,000,000円
従業員数:2名
代表 :平沢唯
主要株主:平沢唯(90%)、琴吹グループ(5%)
』
唯「よし!!憂、今の状況を教えて!」
憂「えっとね、今は…第1作目を作ってもらってるところだよ」
唯「ふふふ……楽しみ~」
唯「あ、憂?」
憂「なに?」
唯「色んな手続き全部やってくれてありがとお~」
憂「どういたしまして!でも私もいい勉強になったよ」
唯「今度いろいろ教えてね」
憂「うん!!でもお姉ちゃんは座ってるだけでもいいよ?」
唯「退屈だよお」
唯「なんか退屈だねえ~」
憂「お姉ちゃんは新しいデザイン考えてなよ!」
唯「お!そうしよ」
憂「あと、お姉ちゃんが寝かしてる株なんだけど」
唯「うんうん、もう面倒くさくなってやめたんだけどね」
憂「配当金がだいたい500万円/年くらいになるよ」
唯「ふーん……憂まかせたよお~その辺は」
憂「ふふふ、お姉ちゃんが頑張ったおかげだね」
唯「でしょお」
憂「シャツ売れるといいね♪」
―数週間後
唯「憂!!どお!?私のシャツ!!」
憂「えーっとね…」(う~ん…芳しくないなあ)
憂「ごめんお姉ちゃん、まだあんまりだね……」
唯「え~~……」
憂「大丈夫だよ!多分、まだみんなよく知らないんだよ、このシャツの良さが」
唯「う~~ん…そうだよねえ」
憂「宣伝いっぱいすれば売れるようになるよ!!」
唯「うん…お願いね憂」シュン
憂(ああ…お姉ちゃんの元気がない…どうにかしないと)
憂「お姉ちゃんも、けいおん部の皆さんに売り込んでみたら?」
憂「口コミも大事だっていうじゃん」
唯「おっ!確かに。さっそくみんなに渡してこよ~」
憂「うん!いってらしゃい」
唯「じゃ~ね~」
・ ・ ・ ・ ・
憂(ムギさんにもお願いして宣伝協力してもらおう…)
憂(多分これで売れるはず…でも、それでもダメだったら)
憂(…工作しかないよね…)
―喫茶店
唯「みんな久しぶりっ!」
澪「おお!唯久しぶり!」
律「久しぶりだな~。うまくいってんの?」
唯「う、うん!!そそ、澪ちゃんとりっちゃんにもプレゼント」
律「なんだこれ?」
澪「ハネムーン?」
唯「そう!!私の第1作だよ!!」
律「すごいセンスだな~しかし」
澪「これは商品?」
唯「そうだよお!何枚でもあげるから欲しかったら言ってね」
澪「はは、ありがとう」
律「でもこれ、本当に売れてんのか?」
澪「随分と突飛なデザインだもんな…てか真ん中にこれだけだし」
唯「えっ…実はあんまり」
律「だろうな…だって、こんなの自分で買おうと思うか?普通」
澪「う~ん……でもまあ唯が頑張りは伝わるよ」
唯「うう…澪ちゃんありがと」
律「あっ!私も悪いとは思ってないから!」
唯「うん…りっちゃんもありがとう…」
唯「…そっかあ…だめかなあ」シュン
―事務所
憂「どうですか…」
紬「う~ん…とりあえず広告は出してみるわね」
憂「あ、ありがとうございます」
紬「でもこのセンスが理解されるかどうか…」
憂「う~ん…シンプルで可愛くて悪くないと思うんだけどなぁ」
紬「うん、まだ判断を下すには早いわ」
憂「はい…」
紬「でも…もしの話だけど、もし今後もダメだったら早くやめた方がいいよ」
紬「唯ちゃんも憂ちゃんもなにもしなくても生活できる資産があるんだから」
紬「言っちゃあなんだけど…遊びみたいなものでしょ?」
憂「まぁ…そうなんですが…」
―数週間後
憂(言ったほうがいいかなぁ…)
唯「…憂くん、あのシャツの売り上げはどうかね」
憂「あ、はいっお姉ちゃん」唯「社長」憂「社長、」
憂「…宣伝の効果が出るまではあまり……」
唯「やはり……予想はしていたのだよ」
憂「えっ」
唯「ちょっと手を抜いた気もしたんだ、あのでざいんは」
憂「なんでよ!」
唯「えっ」
憂「私はいいと思ったのに……全然手抜きじゃないよ」
憂「お姉ちゃんの頑張りが伝わってきたよ」
唯「そ…そお?えへへ…うん、実は手を抜いてませんっ!」
憂「うん♪」
唯「…でねでね、新しいのも用意できました!!」
憂「見せて見せて!」
唯「ふふ…ちょっと待ってね」ガサゴソ
唯「はいっ!」
『http://nagamochi.info/src/up28212.png』
憂「うん…お姉ちゃんの世界って感じだね~」
唯「でしょお!今度こそ成功するよ!!」
憂「うん!!宣伝もいっぱいしておくね」
唯「ありがとね、うい」
憂「ううん、頑張ろうね!」
唯「……あ…なんか頑張ってるの憂だけだよね…」
唯「ごめんね、なにもできなくて」
憂「全然平気だよ。これがお店に並ぶのも楽しみだね~」
唯「ね」
―数週間後
憂(う~ん…宣伝もいっぱいしてるんだけどな~)
憂(なかなか伸びないなぁ)
唯「憂!?売り上げどお!?」
憂「えっ…まだ出てないよ」
唯「なんだ~…」
唯「でもね、今回は期待してていいよ!売れるよ!絶対!」
憂「えっ…うっうん!そうだよね!!」
憂(…ここまできてお姉ちゃんを悲しませるわけにはいかない)
憂(もう一つしかない)
―事務所
憂(都内にあるお店ほとんどを廻って買い占めてきた…)
憂(なんか悲しいけどしょうがないよね)
憂(それに製造費はほぼ無いから会社の収益にもなるし)
憂(あとは…ネットショップからも)
憂(amazonで1000枚注文っと)
唯「お~私のシャツがこんなに」
憂「うん!人気でいっぱい注文が来てるんだよ!!」
唯「ふっふっふ…楽しみだね」
―数週間後
憂「お姉ちゃん!!」
唯「どったの~?」
憂「すごいよ!!シャツ!!大ヒットだよ!!」
唯「ほんとに!?よっしゃあーー!!」
憂「あと、いくつかの出版社から取材申し込みが来てるけど…」
唯「取材!?やるやる!!」
憂「お姉ちゃんは受けるんだよ」
唯「受けるよ!!」
憂「あ、でもお姉ちゃん気を付けないといけないことが」
唯「なぁに?」
憂「あのふろしきのことだよ…覚えてる?」
唯「もちろん!!」
憂「あのふろしきは二人だけの///秘密…だからね!」
唯「分かってるよぉ」
憂「大丈夫だとは思うけど、いろいろ聞かれてもよく考えてから喋ってね」
唯「んも~ういは心配性だな~」
憂「お姉ちゃん…私はお姉ちゃんのことを」
唯「はいは~い」
憂「お姉ちゃん…」
唯「たからくじ!」
音楽室
梓「やっぱりムギ先輩が入れた紅茶は美味しいですね」
律「だよなー他の奴が入れてもこの味は・・・って何してんだ唯」
唯「宝くじだよー!スクラッチ!」
ムギ「宝くじとかもったいない・・・」
澪「ムギの言うとおりだ。当たるわけないんだしお金の無駄だろ」
唯「でも100万円だよ!夢は大きく持たなきゃ!」
澪「やれやれ。お茶終わったらするか」
唯「あ、500円当たった!」
練習終了
唯「ふへー、もうくたくただよ~」
澪「今日はいつになくみっちり練習できたな!」
梓「明日もこの調子で行きましょう!」
律「ち、ちょっと勘弁してくれよ~!」
ムギ「明日はもっとまったりしましょ!!」
唯「ムギちゃんの言うとおりだよ!こんなのけいおん部じゃないやい!」
澪「・・・おい」
帰り道
律「そう言えば唯宝くじ当ったのか?」
唯「うん!500円も当たっちゃったんだよ!!」
ムギ「いくら分買ったの?」
唯『えっとね~5枚だから、1000円!」
澪「じゃあ赤字じゃねーか」
唯「それでも一時の楽しみと夢が買えたからいいんだもん!」
梓「ははは。唯先輩らしいですね」
憂(取材が終わって雑誌に掲載されるようになると、お姉ちゃんのシャツが普通に売れるようになった)
憂(テレビで特集もされてブームも沸き起こってる…)
憂(こんなもんなのかなあ…)
唯「憂!新しいのできた!!」
憂「見せて~」
憂「『しめじ☆』」
唯「ふっふ~売れるよ~」
憂「そうだね…」
唯「そうだ!みんなでお金出し合って宝くじ買おうよ!」
律「おっ面白そうだな!」
唯「でねー、当たったら部費にするの!ブヒブヒ~」
澪「やめとけ、絶対後悔するから。ムギからも何か言ってやってくれよ」
ムギ「あら、楽しそうね!」
澪「ってムギまで!!梓は買わな・・・」
梓「みんなが買うなら私も買いますよ。」
澪「梓~」
唯「それじゃあ決定だね!」
唯「そういえばさ、新しい社員募集してみたんだ」
憂「えっ…いつの間に」
唯「ほら~、憂だけに働かせてると悪いから」
憂「全然そんなことないよ!?」
唯「そうやって憂は気を使ってくれるからさ…」
憂「本当に大丈夫だよ!!」
唯「ううん…私がそうしたいんだ。それにね」
憂「?」
唯「プロに任せた方が会社にとってもいいかな~って」
憂「お姉ちゃん…?」
律「どうせ買うならスクラッチはやめて夢はでっかく持とうぜ!」
唯「ドリームジャンボ3億円だね!」
律「おう!ってことは3000円いるわけだな」
梓「一人600円ですね。はい。」
澪「まあ、ゲーセン行くよりは安いし・・・ほら。」
律「よし、3000円集まったみたいだな!すみませーん!宝くじ10枚くださーい!」
宝くじ屋「どれにします?」
梓「どれでも同じですよ」
唯「じゃあこれ!一番真中のやつ!!」
宝くじ屋「ありがとうございましたー」
律「へっへっへ。これで大金持ちだな!」
澪「当たるわけないだろ!『やめときゃよかったー』って絶対後悔するぞ」
唯「えへへ~楽しみだな~」
こうして私たちは宝くじを買いました。そして澪ちゃんの言葉通り後悔することになるのです・・・
平沢家
唯「いただきま~す。モグモグ。やっぱり憂のお料理はおいしいね~」
憂「ありがとう、おねえちゃん。」
唯「そうそう。今日帰りみんなで宝くじ買ったんだー。当たったら部費にするの。ブヒブヒ~」
憂「もう食事中にブヒブヒやめてよ・・・でも、お姉ちゃんも宝くじ買ったんだね」
唯「おねえちゃん も ってことは・・・憂も買ったの?」
憂「うん。3000円で1組だけど。ちょっと節約して夢でも買おうかな~って」
唯「大丈夫だよ!憂なら絶対当たるよ~!」
憂「ありがと…ってどこからそんな自信がわくんだか、おねえちゃんは・・・」
唯「当ったーれっ!当ったーれっ!」
唯「あ、大丈夫だよ、もちろん憂をクビになんてしないからね」
憂「私はお姉ちゃんと二人で…」
唯「いや~~やっぱり二人だと限界があるでしょー」
憂「そんなこと…」
唯「あるよ!!だってさ、宣伝でも憂ひとりじゃなかったらもっと早く売れたはずじゃん」
憂「え…」
唯「そう思わない?今こんな調子だしさ」
憂「そんな…」
唯「いいよ何も言わなくても。もう社長の私が決めたんだから」
憂「お姉ちゃん…」
唯「じゃお願いしまーすトムさん」
ガチャ
トムさん「ハーイ」
唯「ハーイ、トム」
憂「外人さん…?」
唯「そうだよ憂、これからはぐろーばるな世界で戦わないといけないんだよ」
唯「高い給料でもゆうしゅうなじんざいを集めることが会社のためになるの」
憂「でもお姉ちゃん英語話せるの…?」
唯「高校行ってたんだよ?少しは話せるよ。それに通訳の人もいるし」
通訳「こんにちは」
憂「こんにちは…」
唯「じゃ、憂、その部屋で増やす仕事しておいてね」
唯「それだけやってもらえればいいから」
憂「う、うん」
唯「ありがと」
ガチャン
憂(私は何がしたかったんだっけ…)
憂(お姉ちゃんと一緒に…)
憂(思い出せないや)
憂「うぅ…」グス
―
ガチャ
唯「憂、帰ろ」
憂「お…お姉ちゃん」グス
唯「憂!?全然終わってないじゃん!!」
憂「ご…ごめんなさい」
唯「もぉ~…憂と私にしかできないんだからさぁ。しっかりしてよ」
唯「それに私は社長だからそんなことやってられないし…分かるでしょ!?」
憂「うん…ごめんね…お姉ちゃん」唯「社長!」憂「…」
唯「憂!?」
憂「社長…なんでしょ…か」グス
唯「車乗せて」
憂「はい…社長」
・ ・ ・ ・ ・
唯「ふぃ~疲れた疲れた」
憂「…」
唯「ねえ、憂?」
憂「なんでしょう…社長」
唯「…憂が今一番したいことってな~に?」
憂「…」ウル
憂「特に…ありません」
―次の日
唯「あ~今日も行かないとな~」
唯「でも正直もうトムさんに全部任せてもいいかな~」
唯「筆頭株主は私だし、どうせ会社は私のものだし」
唯「なんか面倒くさくなってきた…」
唯「そう思わない?」
憂「うーん…」
唯「あ、でも憂は行かないとだめだよ、生産止まっちゃうんだから」
憂「はい…」
唯「まあ今日も行こうかな」
唯「朝ご飯は会社でいいよ、憂も作るの面倒でしょ?」
憂「そんなこと…」
唯「いいのいいの」
―某日
梓「あ!憂!!」
憂「梓ちゃん」
梓「久しぶり!…唯先輩の会社!凄いじゃん!」
憂「う、うん…結構大きくなったよね」
梓「凄いよ!!…私もほら」
憂「『ロマンス?』…」
梓「凄い流行ってるよ!!」
憂「うん」
梓「憂はまだ唯先輩の秘書なんでしょ?知ってるよ」
憂「え、なんで」
梓「ちょうどさっき買ったんだ、ほら」
憂「週刊秋春…」
梓「唯先輩の対談が載っててね、ここ読んで」
憂「
『
―そのキーパーソンというのは
平沢「ええ、私の妹です。2人で立ち上げてここまでやって来れました。」
―妹さんは現在もご活躍中なのですか
平沢「はい。私の秘書として常にアドバイスをくれます。かけがえのない存在です。」
』
」
梓「あの唯先輩がここまで凄い人になるなんて…憂凄いよ本当に」
憂「…ん?」
梓「あ…」
『謎の資金源……てぃーたいむの女社長と暴力団の繋がり』
『……警察権力をも黙らせる琴吹財閥が主要株主の恐ろしさ』
梓「酷いよね…週刊誌って」
憂「うん…これは嘘だよ」
梓「分かってるよ…唯先輩もムギ先輩もそんな人に見えないし」
憂「うん。お姉ちゃんと暴力団なんて無縁だよ。本当に」
梓「そりゃあねえ…」
憂「…それに私が秘書だって…」
梓「え?」
憂「いや…なんでもないっ!」
店員「360円です」
店員「またお越しくださいませ」
憂「『かけがえのない存在』…」
憂(……わたしはどうすれば…)
―――――――
唯「~♪」
唯「新作できたぁ~♪」
ガチャ
社員「社長!本日出荷分ができていません」
唯「え?」
唯「たからくじ!」
唯「また憂サボってんの~?」
ガチャ
唯「…う…うい?」
社員「社長?」
唯「いない…」
唯「どこにいるの憂…」
唯「と、とりあえずトムさんにも言ってほかの在庫から回して!」
社員「は、はい!」
唯「憂がいないことなんて今まで無かったのに…」
―海
ザパーン!!
憂「はぁ…」
prrr prrr
憂(…社長から電話だ…)
憂(怒ってるよね……)
憂(電源切っとこ)
ピピッ
憂(……私はどこで間違ったんだろう…)
憂(もう家にも会社にも戻りたくないや)
ザパーン
憂「…楽になれるかなぁ……」グス
「おーい!!」
憂「?」
澪「憂ちゃん!?」
憂「あっ澪さん」
澪「こんなところでどうしたの?」
憂「いや…たまには休みをと思って」
澪「さすがの憂ちゃんでもな……休んだ方がいいよ」
憂「はい……澪さんは?」
澪「ああ、いい詞が思い浮かぶかな~と思って」
憂「なんだか素敵ですね…」
澪「そうかなぁ?この辺にはぼちぼちくるんだよ、人も少ないし、きれいだし穴場だから」
憂「ですねー」
澪「……唯はどう?」
憂「…はい、し、お姉ちゃんは毎日頑張ってます」
澪「社長?…ふふ、偉くなったんだな~…唯は」
prrr prrr
澪「お?唯からだ」
憂「!?」
憂「澪さん…お願いします…」ウル
澪「(ああ……分かったよ)」
澪「もしもし」
唯『澪ちゃん!?大変なの、憂がいなくなっちゃって…』
澪「どうしたんだよ…」
唯『憂がいなくて…私…』
澪「唯さ」
澪「憂ちゃんはどこにいると思う?」
唯『へ!?それが分かったらこんな電話』
澪「…なぁ唯、憂ちゃんをどこへやる気なんだ?」
唯『え…』
澪「よく知らないけどさ、あの憂ちゃんが消えたってよっぽどだろう?」
澪「今、唯の中では、憂ちゃんはどこにいるんだろうな?」
唯『憂は私の妹で…』
澪「で?」
唯『私は憂を思って……』
澪「ふふ、よく考えなよ社長、いや、憂ちゃんのお姉さん」
唯『澪ちゃん…?』
澪「頑張れ、唯」
ピッ
澪「こんなんでいいかな…アハハ」
憂「うぅ…」ポロポロ
憂「今すぐ帰らないと…」グス
澪「どこに?」
憂「…え…それは」
澪「…たまには…さ、憂ちゃん」
澪「とことん…ね?」
憂「うう…」
憂「お姉ちゃん…」
憂「…澪さん、本当にありがとうございましたっ!」タッタッタ
澪「姉妹愛か…いい詞が書けそうだ」
―旧事務所
ガチャ
憂「…お姉ちゃんと始めた場所」
憂「忙しかったけど…充実してたなぁ」
憂「お姉ちゃんが戻ってこなくても」
ガチャ!
唯「憂!!」
憂「社長…」
唯「憂……」
憂「社長…申しわ…」
唯「うい、もういいんだよ」
憂「え…」
唯「私はもう社長じゃないんだよ」
唯「憂のお姉ちゃんなんだ」
憂「え…お姉ちゃん?」
唯「そおだよぉ…憂のお姉ちゃん」
唯「ただの、だめなお姉ちゃん」
憂「お姉ちゃん…」
唯「憂…ごめんね、本当にごめんね」ギュ
―――
―――――――――
―数週間後
『創業者姉妹、電撃退社』
『現経営陣の巨額脱税発覚、一斉捜査へ』
『株式会社てぃーたいむ、経営破たん』
―――――――――
梓「え!?服が光って…消えてく」
梓「な、なんで!!?」
キラキラ
澪「そういうことがあったのか…」
憂「本当にありがとうございました」
澪「いやいや…これで良かったの?」
憂「はい……お姉ちゃんも、私も」
憂「今が一番幸せだなって」
唯「うい~溶ける…早く食べよお~!!」
憂「うん!!」
唯憂お金持ち編 -唯FX成功パート-
完
―――夕方、営業後
細木「じゃお疲れ様」
秘書「はい、また明日」
細木「ふ~…」
細木「今日もガッポリだったわね」
細木「早く帰ろ~♪」
細木「…お?」
老婆「…」
細木(なんか胡散臭いばあさん…占い師かしら?)
老婆「…お嬢ちゃん」
細木「へっ?わたし?」
老婆「そうだよ…おいで」
数子「?」
老婆「いきなりで悪いけど、これが何かわかるかい?」
数子「見りゃわかるわよ。ふろしきよふろしき」
老婆「そう。ふろしき。でも」
サッ
数子「鉛筆が増えた……」
老婆「そう。増えるんだよ」
数子「あんた……何考えてるの」
老婆「この2本を覆って…ほら」
サッ
どん
数子「人の話を無視するんじゃない!」ドン!
数子「あんたはね、若いころから先祖を大事にしてこなかったから」
数子「今もこうして働かなくちゃいけないの。わかる?」プルプル
老婆「手品じゃないんだよ」
数子「分かったら今すぐお墓参りに行って御覧なさい」
老婆「これはね、包んだものを複製できるふろしきなんだよ」
数子「あなたのお母さんね、泣いてる」
老婆「そう、複製。お嬢ちゃん、髪留め貸してごらん」
数子「はっ…あんたは」
老婆「えっ…数子ちゃん?」
数子「そうよ!!久しぶり!!」
老婆「お互いすっかり歳とったわねえ」
数子「懐かしいわね…」ぽ///
老婆「今あなたなにやってるの?」
数子「修行という名の贅沢三昧よww」
老婆数子「あっはっはっはっはww」
数子「ところであんたは?」
老婆「私はここで自慢のオカルトグッズを販売しているの」
数子「あくどいわね…相変わらず」
老婆「数子ちゃんも負けず劣らずじゃないww」
老婆「占いもろくにしないで先祖のせいやら名前のせいやらインチキ言ってww」
数子「しっ!!声が大きいわよ」
老婆「おいしいわよねえ…このビジネス」
数子「信じる者は救われるのよww私たちも救われるww」
老婆数子「おっほっほっほwww」
老婆「しっ…誰か来たわ」
細木「女子高生のようね…」
老婆「見てて頂戴、私のオカルト販売」
数子「おほほww」
唯「そういえば今日はハンバーグだった!」
唯「早く帰ろ~♪」
唯「…お?」
老婆「…」(ここは無言で怪しさアピールww)
唯「?」
老婆(釣れたぁ!!)
老婆「…お嬢ちゃん」
唯「へっ?わたし?」
老婆「そうだよ…おいで」
細木(wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)
老婆「いきなりで悪いけど、これが何かわかるかい?」
唯「なにこれ…?」
老婆「水晶だよ」(頭わりぃなこの小娘…)
唯「すいしょー?ってなに?」
老婆「これを見ると、あなたの運命が分かる…」
唯「うんめー?ってなに?」
老婆「…」
数子(wwwwwwwwwwww)
老婆「運命っていうのはね、あなたの未来とか過去を決めるものよ」
唯「えっ?聞こえない」
老婆「あなたの未来とか、過去を決めるものよ?」
唯「ちょっと、もっと大きな声で話してくれますか?」
老婆「運命ってのは!あなたの未来!とか過去!を決めるもの!!」
唯「あっ和ちゃん!!」
和「あら、唯、こんなところどうしたの?」
唯「ううん、なんかゴミがあっただけ」
和「なによそれw帰りましょ」
唯「うん!!」
唯「じゃそういうことで~またね、おばあさん」
老婆「…」
細木「wwwwwwwww」
老婆「あんの小娘…許さない…絶対に」
数子「だめじゃないwwwだめねえwwほんとww」
老婆「なら数子ちゃんやってごらんなさいよ!」
唯「でね~…」
細木「そこのお嬢ちゃん。いいかしら」
和「私?」
数子「いや、そちらの」
唯「私?なぁに~?」
細木「まぁ……」プルプル
唯「え、え、どうしたの…?」
数子「あなた…もうすぐ死ぬわよ」
・ ・ ・
トラックの運ちゃん「そろそろ行くか…」
・ ・ ・
唯「えっ」
和「唯、帰りましょ、インチキよ」
細木「さようなら…」
唯「え~…なんか怖い」
和「騙されないで唯、死ぬわけないわ私も一緒よ」
唯「で…でも~」
数子「別にいいのよ、行ってしまっても」
和「ちょっとやめてください。警察呼びますよ?」
警察「どうしましたか?」
唯「呼ぶ前に来た…」
和「えっ…ああこの人が怪しい話をしてきまして」
警察「ちょっとご同行願えますか」
細木「ちょ…なにすんのよアンタ…!離しなさいよ!!」
老婆「商敵一匹目陥落wwwwwざまぁwwwww」
―オカルト業界も弱肉強食なのである
―某スタジオ
唯「……死んでしまった妹に会いたくて…」ヒッグ
唯「…わたじ…なにもじてあげられなかったがら……」ボロボロ
江原「ん~…」
江原「妹さんが…見えますよ」
唯「えっ!?」
江原「妹さんは天国から……あなたを見守ってます」
唯「本当ですか!?」
江原「落ち着いて…ゆっくり息をして……」
ガラッ
憂「お姉ちゃん!!騙されないで!!」
唯「憂!?」
江原「これはいったい…?」
唯「このうそつき!!ぶたさん!!!」
憂「お姉ちゃんを騙そうなんて100年早いです!!死ね!!」
江原「な…どういうこと」
―そう、2人はインチキなオカルトから人々を救済する
オカルトバスターなのである
―とある日
律「心霊写真特集だってさwみよーぜー!!」
澪「ひぃぃ!!やめろぉーー!!」
唯「…澪ちゃん、心霊なんて嘘っぱちだよ?」サバ
澪「いや……いるって……本当にいるんだって」
紬「ええ……いると思うわ…」
唯「みんな甘いよ…いると思うからそう感じるんだよ」
律「随分と冷めてるなー唯」
唯「うん。だって本当にいないもん」
律「その自信はどっからくるんだ?」
唯「憂がそういってたもん」
律「憂ちゃんが絶対なのか…」
紬「あっ始まったわ」
澪「ひいい……消してくれぇぇ…」
『~♪~~~』←いかにもなBGM
律「うわぁ…出そうだな…」
『デンッ』
紬「きゃあああ」
律「ああああ」
澪「あああああああああ」
唯「つまんな、こじつけじゃん」
律「…」
『おわかりいただけただろうか』
梓「おわかりいただけませんでしたwwwwこじつけwwww」プップクプーw
唯「だよねだよねwwwあずにゃんも味方www」ブホホww
律「……おい」
紬「唯ちゃん…梓ちゃん……」
律「ちょっとぐらい空気読めよ」
紬「そうよ…実際にいるかいないかなんて二の次なのよ…」
澪「いるいる…本当にいるって…」
律「こういうのはなぁ…どう思ってもその場に合わせるんだよ」
唯「わたしは流されないっ!」
梓「そうですよ!マスゴミなんかに流されちゃいけませんっ!!」
『これが霊の仕業でなければ…いったい……』
梓「ADとか小道具役の仕業ですwwww」
唯「ぶwwwwwやすっちいねこの番組wwwwww」
律「……」
『…この白骨化した死体は、いったい何なのだろうか……』
梓「死体wwww事件発生wwwww唯先輩自首wwwwwww」
唯「わたしじゃないwwwwwwww」
澪「…」
澪「あはは…確かになんか言われてみれば嘘っぽいな…あはは」
唯梓「っっばああああっ!!!!!!!!!!!」
澪「ひゃあああああああああああああああああああ」
実況板の「こぴー」 心霊編
完
>>294いきます
―
憂「おばあさんからもらった、何でも増やせるふろしき…」
憂「何に使おうかな……」
ガチャ
唯「ただいまー」
憂「おかえりお姉ちゃん♪」
唯「ふぃ~…」
憂「お疲れ?」
唯「つかれたぁ~…」
憂「先お風呂入ってきちゃう?」
唯「そうする~」
・ ・ ・ ・ ・
憂「お姉ちゃんを増やしてみようかなぁ…」
憂「お姉ちゃんがいっぱい///」
http://nagamochi.info/src/up28264.jpg
ガラッ
唯「お先にー……って憂?」
憂「///」
唯「ど、どしたの?」
憂「お姉ちゃん///」
唯「え?」
憂「増やしていい…?//」
唯「よく意味が分からないし…なんで赤くなってるのかも分からないよ…」
憂「お姉ちゃんを増やしみようかなって//」
唯「憂……おいで」
憂「へ…」
唯「大丈夫?」ギュ
憂「だ、だいじょうぶ//」
唯「疲れてるんだよぉ…私があとやるから、今日は寝ていいよ」
憂「えっ…」
唯「大丈夫だから…すぐ直るよ」
憂「お姉ちゃん?」
唯「大丈夫だよぉ…憂…」ボロ
憂(なんか勘違いされてるのかなぁ…)
憂「治るって…お姉ちゃん?」
唯「熱あるんじゃない?…んーちょっと熱いかも」
憂「お姉ちゃんってば」
唯「なんだい憂や」
憂「大丈夫だから私は」
唯「そう?」
憂「うん…だから増やしていい?」
唯「…憂、早く寝なよ」
憂(もう埒があかないっ…)
憂「…お姉ちゃん、御免っ!!」
バッ
どん
唯「ふぇ?」
唯「お?」
憂「お姉ちゃんが増えた……」
唯「私にそっくり…」
唯「そっくりさんだぁ…」
唯「「憂、この子は?」」
唯「「!?」」
唯「いやいや、どーもどーも」
唯「ははは、はじめまして」
憂(すぐ仲良くなった…さすがお姉ちゃん!)
憂「じゃお姉ちゃん着替えてきてね」
唯「「はい!」」
憂「お姉ちゃんがふえたぁ~♪」フンフーン
タタタタタ
憂「お、お姉ちゃん!?ってなんで裸…」
唯「だって、着替えが一着分しかないんだもん」
憂「あっそっか…ごめんね、お姉ちゃん」
唯「いいってことよぉ♪ささ、食べようぞ」
唯「お?」
憂「あ、今すぐ用意するね!!」
憂(3人分用意しないとね…)
憂(う~ん…お姉ちゃん2人だと少し物足りないかも…)
憂(この際大家族にしちゃおっかなぁ…//)
憂(あれがあれば元に戻すこともできそうだし)
憂「おねーちゃ~ん」
唯「「なぁに~うい」」
憂「あ、ごめんね、ちょっと来て」
唯「「?」」
憂「フンッフンッ」
ササッササッササッ
どどん どどどどん どどどどどどどどん
ごめんね
憂「うっ…」ギュウ
唯「なにこれぇ…」ギュウ
唯「せま」ギュ
唯「な、なに…?」ギュ
唯「うい~…」ギュ
唯「うぉぉぉ」ギュ
唯「増えたぁ」ギュ
唯「わたしっ」ギュ
唯「つめてよぉ…」ギュ
唯「あちぃ…」ギュ
唯「あ゛~」ギュ
唯「う゛い゛~」ギュ
唯「もちょっとつめて」ギュ
唯「おみかん!」ギュ
唯「あん…」ギュ
唯「いたたぁ」ギュ
唯「きついよぉ」ギュ
唯「ぬおお」ギュ
唯「ふんっ」ギュ
唯「いたいってば」ギュ
唯「あっごめん」ギュ
唯「う゛え~…」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
・
・
・
・
憂「く、苦しい…」
ドンッ!!
唯「わぁ!」
唯「出れたぁ」
唯「」
唯「」
・
・
・
・
唯「「「「「わ~」」」」」トタタタタ
憂「ぷはっ…」
憂「増やしすぎちゃったかなぁ…」
唯「「「「「「「うい!」」」」」」」
憂「うっ……な、なぁに?お姉ちゃん…たち」
唯「「「「「ちょっと汗かいたからも一回お風呂入ってくる」」」」」
憂「えっ」
唯「「着替えだしといてー」」
憂「お姉ちゃん、たち、そんないっぺんにははいれないよぉ」
唯「「「「「「「「「あ、そっか」」」」」」」」」
憂「とりあえず……2人ずつくらい並んでね」
唯「「「「「「「「「「うん」」」」」」」」」」
ぞろぞろぞろ……
『2時間待ち』
憂「ちょっと大変なことになっちゃったかも…」
唯「「「「うい~!!着替えがない!!」」」」
憂「えっうそ…」
唯「「「「「「持ってきて~!」」」」」」
憂「は、は~い」
憂「あっ、服コピーしておこう」
ササッササッ
どどん…
憂「よし…これで足りるよね」
憂「お姉ちゃん、ここおいとくね」
唯「「「「「ありがと~」」」」」
憂「うん//」
―AM 2:00
憂「お…お姉ちゃん」
唯「「「「「「「「「「「「「「「「寝よぉ~うい」」」」」」」」」」」」」」」」
憂「自分の部屋は…」
唯「ごめんね憂、もう満員になっちゃった」
唯「もう入りきらないんだぁ…」
憂「あっお姉ちゃん謝ることないよ…いいよ、寝よ?」
唯「「「「「「ありがとぉ~」」」」」」スリスリ
憂(し、幸せだけど…ちょっと暑いかなぁ…)
憂「お姉ちゃん仲良しだね~」
唯「私だもん!仲悪いわけないよぉ…ねぇ?」
唯「「「うん」」」
憂「よかった…」
―次の日
憂(おね…ちゃんにもみくちゃにされた…)ボロ
唯「んっ…」ギュウ
唯「ふわぁ~」ギュ
唯「んほぉギュ」
唯「あ゛~」ギュウ
唯「ふぃ~…」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
憂「ゴクリ…」
憂「この先…どうしよぉ」
憂(とりあえずもう洗い物してる暇はないから…)
憂(どんどんコピーして、使い終わったものは捨てよう…それしかないよね)
憂(朝ご飯作らなきゃ…)
ピンポーン
憂(こんな時に…)
トタトタ
憂「はぁーい…」(って廊下もお姉ちゃんで埋まってる…)
憂(なかなか進めない…)ギュウギュウ
ガチャ
憂「あっおばあちゃん」
とみ「あら、憂ちゃ…」
とみ「」コテッ
憂「おっおばあちゃん!?」
とみ「」(唯ちゃんがぎっしり…)
憂「た、たいへん…救急車……あっ」
憂(これバレたらお姉ちゃんたち連れて行かれちゃうかも…)
―――
―――――――
唯「「「う~い~~~~!!」」」
憂「お、お姉ちゃん!!」
警察「ほら、さっさと来なさいっ」グイッ
唯「「「「「「う~~~い~~~~助けてぇ~…」」」」」」ゾロゾロ
憂「おねえちゃああああん!!」
・
・
・
―――――――
―――
憂「それだけはだめ…」
憂「おばあちゃん…ごめんなさい」ボロ
ザクッ ザクッ
憂「埋めちゃった…」
唯「ういー!!」
憂「はーい!いま行くねー」
唯「「「「「憂~学校どうしよお」」」」」
憂「そ、そうだね…」
憂「交代で行く…?」
唯「「「おぉ!?いいかも」」」
憂「で、でもけいおん部の皆さんには…」
唯「「「「あ~…部活には行きたいな」」」」
憂「どうする?」
唯「「じゃんけんで決めようかなぁ」」
憂「うん♪」
憂「行こ~お姉ちゃん」
唯「「「「「「「「「「うん!」」」」」」」」」」
憂「お、お姉ちゃん?ジャンケンは」
唯「みんな部活出たいっていうからさぁ~…」
唯「みんなで行くことになりました」
憂「えっ…だ、だめだよ」
唯「なんでぇ~」
憂「だ、だってお姉ちゃんの大群が歩いてるのはおかしいでしょお?」
唯「なんで?」
憂「なんでって…」
憂「お姉ちゃんは一人だから…」
唯「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「1人じゃないよ!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
憂「ま、まぁ今はそうなんだけどさ」
憂「でも…ほら、学校行っても一人分の席しかないし…」
憂「みんな驚いちゃうでしょ?」
憂「それに怪しいと思われてお巡りさんに連れて行かれるかも…」
唯「それはやだぁ…」
憂「うん…だからお家にいて?」
唯「「「「ん~~・・・」」」」
唯「じゃあさ、一人ずつ部室に行くのはどお?」
憂「う、う~ん……帰りはどうするの?」
唯「あっ」
憂「今日は大人しくお家にいて?ね?」
唯「「うん…」」
唯「じゃあ誰がいく?」
唯「はいはいっ!私がいく」
唯「え~私が行きたい」
唯「私だよぉ~」
唯「私の方がいいよぉ」
唯「…廊下の方で何話してんのかな?」
唯「なんだろうねぇ……」
唯「私学校行きたい…」
唯「私も行きたい!」
唯「う~~~い~~~~!!」
憂(リビングの方のお姉ちゃんかな?)
憂「な~~~~に~~~~~~?」
唯「がっこうに、いきた~~~~い!!」
憂「でぇ……またか」アハハ・・・
憂「そっちのお姉ちゃん、リビングの方のお姉ちゃんとも話して決めてくれる?」
唯「いいよぉ~~……ちょっとどいて~」んしょ
唯「う~~~~~~い~~~~~~~~!!」
憂「な~~~~~~に~~~~~~~~~?」
唯「がっこ~~~~にいきた~~~~~~い!!」
憂(お台所のお姉ちゃんかな?)
唯「う~~~~~~~~~~~~い~~~~~~~~~~~~~~~」
憂(すっかりギリギリの時間になっちゃったよぉ…)
純「おっ!憂、珍しいね」
憂「そっそお?」
純「憂が時間ぎりぎりなんて滅多にないじゃん」
憂「そうかなぁ」
純「また唯先輩?」
憂「えへへ……いろいろあってね」
純「憂は偉いねぇ…姉の世話をてきぱきと…」
憂「ううん…好きでやってるから…」
純「あはは、そうだったね」
憂「えへへ…」
純「…!?」
純「…」ゴシゴシ
憂「どうしたの?純ちゃん」
純「いや…な、なんでもないよ」
純(今、なんか廊下に唯先輩が5人くらいいた気が……私疲れてんのかな)
憂「なんか隠してるでしょぉ」
純「いや、全然」
憂「ほんとお?」
唯「やっほーりっちゃん」
律「おーっす……ん?」
唯「どしたの?」
律「唯、トイレ早くないか?」
唯「え?私今来たんだよ」
律「あれ?ははっそうだっけ~」
唯「りっちゃん大丈夫~?」
律「ごめんごめん、昨日遅かったからさ~」
ガチャ
唯「やっほ~」
律「おーっす」
唯「おーっすりっちゃん」
唯「あっやば…」
律「お?」
律「なんだよ…もしかして憂ちゃん?」
唯「えへへ…バレちゃったぁ」
ガチャ
唯「やっほ~」
律「…」
ガチャ
憂「お姉ちゃん!!」
憂「ご、ごめんなさいっ!」
憂「なんで来たの!!帰るよ!!」グイッ
唯「「「え~~~やだぁ~~」」」ズルズル
憂「お邪魔しましたっ」ペコ
ガチャ
律「…」
ガチャ
唯「ふ~~ただいまぁ」
律「お、おかえり」
律(はは……無かった…何も無かったんだ…)
憂「どうしてきたの~」
唯「だって暇だったし~…」
憂「…と、とりあえず髪型とか変えて誤魔化しとかないと」
唯「え~~いいよぉこのままで」
憂「よよよくないよ!」
唯「「しょうがないなぁ」」
憂(髪留めとったお姉ちゃんもかっこいいかも…)
唯「ん?」
憂「ななんでもない//」
ガチャ
憂「ただいまぁ」
唯「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おかえり~!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
憂「ただいま……すごいなぁ」
唯「何が?」
憂「どこ見てもお姉ちゃんがいるからさぁ……」
唯「う~い~~お腹すいた~~」
憂「あっ…ごめん!!今すぐ作るね」
唯「うぃ~」
憂「え?」
唯「掛け声だよぉ」
憂「ご飯準備できたけど…どうしよっかなぁ」
唯「また並んで順番でいいよ」
憂「そうするしかないよね……後ろの方のお姉ちゃんごめんね」
唯「う~~い~~~~ま~~だ~~~~~?」
憂「ごめんね~~~~待ってね~~~」
唯「は~~~~い」
憂「なんかかわいそうだなぁ…」
ピーンポーン
憂「こんな時に誰だろ…」
憂「と、とりあえず1階のお姉ちゃんたちは2階に避難しないと」
ピーンポーン
憂「た、たいへん……お姉ちゃんたち早く…!」ギュギュウ
唯「狭いよぉ~…」
憂「ごめんね、すぐ終わるから…お願いっ」
唯「う、うん…」
ピーンポーン
憂「は~~い、今でま~~す」
唯「苦しい…」ギュウギュウ
唯「もっとそっちいってよぉ…」ギュギュウ
唯「ちょっとつめてよぉ」ギュウ
憂(誰だろ…)そぉ~っと
憂(け、けいさつ…!?)
憂(おばあちゃんのことかな……)
憂「は、はぃ…」ガチャ
男「平沢さんのお宅ですね。わたくしこういう者です」
『警察手帳』
憂「…はい」
警A「となり家の一文字とみさんのご親戚から連絡がとれないと通報がありまして」
警A「お話をお伺いしたいのですが……お父さんかお母さんはいるかな?」
憂「えっと…今は出張で両親とも家にはいなくて」
警A「いつぐらいからどこへ?」
憂「えっと…3か月ほど前からシンガポールに」
警B「今は一人で家にいるのかな?」
憂「いえ…おね、姉と二人で生活してます」
警A「ふむ……」
警A「今の時点では何とも言えないんだがね、とみさんの行方が分からないんだよ」
憂「えっ…」
警B「どこかで行き倒れてしまったのか…」
警A「そう、事件に巻き込まれたのかもしれない」
憂「そんな…」
警A「となりのおばあちゃんとはよく付き合いがあったんだよね?」
憂「えっ…はい、小さいころから」
警B「何か知っていることは…ないかな?おばあちゃんの様子とか」
憂「う~ん…よく覚えてないです、分かりません」
警A「そうか…」
警B「…じゃあ、お姉ちゃん呼んでもらえるかな?」
憂「えっ…」
警A(…)
憂「は、はい…今呼んできます」トタタッ
警A「どう思う?両親が3か月前から海外だからなぁ」
警B「こんな女子高生がね…まさかとは思う」
警A「でも最後の目撃証言はこの家に向かう途中なんだよな」
警B「でもなぁ…小さいころからの付き合いだって話だし」
警A「…俺さ、姉呼んだときの反応に違和感あったんだけど」
警B「そうか…?まぁ姉の反応も見てからまた…」
警A「うん」
警B「遅いな…」
憂(どどどうしよぉ…)
憂「おねぇちゃ~ん……うっ」ガチャ
唯「「「なぁ~に~…」」」グダー
憂「ご、ごめんね、もすぐ終わるから」
憂「そこのお姉ちゃん、ちょっと来て」
唯「わたしっ?」
憂「うん…ちょっとお話があるんだけど」
唯「そういえばさ、おばあちゃんどうなったの?」
憂「うっ……」
憂「…お姉ちゃん、今刑事の人が来てるんだけどね」
唯「けいじ?なんで?」
憂「理由はあとで話すから…」
憂「お願いだから、昨日はおばあちゃん見なかったってことにしてくれる?」ウルウル
唯「えっ…どうして」
憂「あとで話すからっ!!お願い」
「憂さ~ん?大丈夫ですか~?」
憂「はいっ!!今行きます!!」
憂「お姉ちゃん、お願いだから…」
唯「ふ~ん…分かった」
憂「ありがとぉ…」
唯「じゃ行こー」
憂「うん…」
唯「おおっ!この人がけいじ…」
警A「はは、こんにちは」
唯「こんにちはっ!」ゞ
警B「えっと、お姉さんの唯さん?」
憂「はい」
唯「はいっ!唯でありますっ」ゞ
警A「面白いお姉さんだね…ハハ」
憂「そ、そうですか?エヘヘ」
警A「早速で悪いんだけどね」
警A「となりの家に住んでるおばあちゃんのこと、何か知ってる?」
唯「おばあちゃん?知ってます!!」
憂「えっ」
警A(…)
警B「どんなことでもいいから教えてくれないかな」
唯「ん~っと…よく煮物作って持ってきてくれるんだぁ」
唯「あとお羊羹もくれたり…優しいおばあちゃんですっ」
警A「なるほど…。一番最近で唯さんの家にいらしたのはいつだったかな?」
唯「私の家?みんなの家だよ!ね、憂」
憂「あ…そ、そうだね」ビクッ
警A「そうだね…。お父さんお母さん唯さんと憂さんの家、で、いつだったか覚えてるかな?」
唯「えっとね…」(憂「お願いだから、昨日はおばあちゃん見なかったってことにしてくれる?」ウル)
唯「覚えてないや……でも、結構前だった気がする」
警A「なるほど。」
警B「ちなみに、お父さんとお母さんはどれくらい前から出張に行ってるの?」
憂「…」
唯「えっ…ん~と…」
唯「確か3か月くらい前だっけ?憂」
憂「うん」
唯「そお」
警A「うんうん…分かった」
警A「じゃあまた何かあったら連絡するね」
憂「はいっ」
唯「お疲れ様です」ゞ
警B「はーい。協力ありがとうね」
憂「いえ…」
唯「さよなら~」ゞ
警A「さようなら」
ガチャ
憂「ふぅ…」
唯「終わったね」
憂「うん…大丈夫かなぁ」
唯「大丈夫だって!憂も私も何も悪いことしてないじゃん!」
憂「あはは…」(お姉ちゃん分かってないのかな?)
ドドドドドド
憂「なにごと!?」
唯「ういういうい」
唯「ういういういうい」
憂「な…なにお姉ちゃん…そんな囲まないで」
唯「「「ご飯…」」」
憂「あっ」
唯「「はやくぅ~」」
憂「うん」
憂「ところでお姉ちゃん全部で何人いるのかな」
唯「えっとねー…いち、に、さん、し…」
・ ・ ・ ・ ・
唯「…256人だったー!」
憂「ぶふっ」
唯「う、うい?大丈夫?」
憂「…そんなにいたんだね…今すぐ用意するね」
唯「「「「はーい」」」」
唯「ご飯用意してるからまってね~」
唯「は~い」
―数日後
警A「やはり…あいつらの他にはいない」
警B「驚きましたが…そうみたいですね」
警A「よし!いくぞ」
・ ・ ・ ・ ・
憂「ふ~~ふろしき干しておかないと」
バサッバサッ
唯「「「う~い~♪」」」ギュ
憂「ちょっとお姉ちゃん今やめて//」
唯「「「「やめな~い」」」」
憂「お姉ちゃん…重い///」
唯「「「「「ふっふっふ」」」」」
憂「く、苦しい…」
唯「わぁ…なんかまた増えた」
憂「えぇ!?」
憂「ってふろしきがないっ!」
唯「闘牛士~」キャッキャ
唯「ンモーッ」キャッキャ
唯「おぉ~~増える増える」
ミシミシミシ
憂「…」
唯「憂、家大丈夫かな?」
憂「お姉ちゃん…」
憂「お姉ちゃん!!もうやめて!!」
唯「わぁ~」キャッキャ
唯「モーッ」
憂「聞こえてない……あぁ…止めさせようにも身動きが」ギュウギュウ
ピーンポーン
憂「誰か来た…」
憂「そこのお姉ちゃん、開けてきて」
唯「ん~…もう廊下が埋まってて玄関までいけないよお」
憂「う…どうしよお~」グス
警A「ほら!!開けなさい!!!」
「キャッキャ」
「あづぃ~~」
警B「なんかすごいいっぱいいるみたいですが」
警A「何かのパーティか?にしてもなんで開けないんだ」
・ ・ ・ ・ ・
憂「ああ…息苦しい…」ギュウ
唯「う~~~い~~~~行ってくるね~~~~~」
憂「だめぇ…」
唯「「「「私も行く!!」」」」
唯「じゃあみんなでいこー!!」
唯
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
ガチャ
警A「お、開いたな…」
ドドドドドドドドドド
唯「「「「「久しぶりの外だ~~~!!!」」」」」ドドドドドド
バンッ
警A「ぐおっ…」ボン
警B「な、なんだこれぇ!!」
唯「「「「「「「「待ってー!!」」」」」」」」ドドドドドド
警A「早く…」
警B「こちらB!人の群れに襲われてる!早く応援を」
・ ・ ・ ・ ・
ピーポーピーポー
ガヤガヤ
憂「あっ…何してたんだろ私」
ガヤガヤ
憂「……なにごと…?」んしょ
憂「!!!」
警『大人しく投降しなさい』
唯「憂と私は悪くないもん!!」
唯「「「「「そーだー!そーだー!」」」」」ブーブー
憂「な、なにが起きてんの…」
唯「あ!憂司令官」
憂「へ!?」
唯「敵がせめてきました!早く逃げましょう」
憂「敵って警察!?」
唯「うん!私たちを無実の罪で逮捕しようとしてます」
憂「な、なんでお姉ちゃんこんなことに」
唯「いいから!!もうすぐ鉄球でこの家も壊されちゃう!!逃げないと!!」
憂「!!…でもどうやって」
唯「ふふ…私たちは無限にいるんだよ?」
憂「もう戻れないんだね…」
唯「いけー!!」
警察50人 vs 2048人の唯
唯「おせおせー!」
警「なっなんだぁ」
唯「今だよ憂!!真ん中に」
憂「う、うん」
警「やつらが動いたぞ!!道路を封鎖しろ!!」
唯「増やせ増やせ~♪」
憂「きゃああ!!お姉ちゃんが撃たれる!」
唯「ライオットシールド増やしたから大丈夫だよ」
ドドドドドドドド
憂「これどこに向かってるの…?お姉ちゃん」
唯「どこって…国会議事堂だよ」
憂「な、なんでっ!?」
唯「そーりだいじんにお願いして、憂を王様にしてもらうの」
憂「え!?」
唯「そして平和な国を作るんだよ」
憂「……もう付いていけないよぉ…」
唯「大丈夫!私たちがもっていくよ!!」
ワー
ワー
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯 ワー
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯憂唯唯唯唯唯唯 ワー
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
―数か月後
憂「今日から新しい日本を宣言します」
唯「おー!!」
唯「ういー!!」
唯「やったぁ!!」
唯「ふぉおお!」
―
唯はゴキブリのような繁殖力で瞬く間に日本中を埋め尽くし、
日本を手中に収めることに成功しました。
唯はその後10億人まで人口を伸ばしましたが、
ろくに働かなかったので、日本は衰退の一途を辿りました。
唯「う~い~…寝る場所がないよぉ」
憂「うぅ……もう土地がないんだよ…ごめんねお姉ちゃん」
唯「ならさ!外国に行けばいいんだよ!!」
憂「あっそれもそうだね」
唯「じゃ準備してくるね」
寝る場所と食べ物を求めて、5億人の唯はイナゴのごとく移動を始めました。
憂「みんな許してくれるかなぁ…」
憂「許してくれなくても…お姉ちゃんならどうにかなるよね」
唯「いくぞー!」
唯「「「「「「おー!!」」」」」」
唯たちは大量にコピーしたボートに乗り込み、フロンティア精神で、
北は樺太、南は台湾、そして朝鮮半島へと漕ぎ出だしました。
陸地に着くころには、2億唯しか残っていませんでしたが、
圧倒的な繁殖力で数年後には各地で自らの王朝を樹立しました。
憂「とりあえず東アジアは領土になったけど…」
憂「でもお姉ちゃん働かないから食糧賄えるかなぁ…」
憂「他の人にもっと働いてもらわないと!!」
王国内では、一家庭につき5人の唯の世話をすることが義務付けられました。
また、唯類憐みの令が発布され唯をぞんざいに扱った家には厳しい処罰が下されました。
唯「う~い~~きむちのところで私の写真が燃やされてるよぉ」
憂「えっ」
唯の扱いは法により定められ、肌に触れたり、息を吹きかけたものは
断罪されるなどという神聖不可侵な存在として厳密に保護されていました。
唯「邪魔だから出てけって…うぅ…」グス
憂「お姉ちゃん……なんでこんなことに」グス
憂「とりあえず鎮圧して下さい」
和「はっ」
憂は、唯が全世界に広がることで全人類に幸福がもたらされると信じていました。
しかし、唯5人の負担は重く、生活が成り立たなくなった民衆により唯排斥運動が
盛んに行われるようになっていました。
憂「お姉ちゃんが恨まれるなんて…絶対あってはならないよ…」
憂「そうだ!アイスの5人分無償配布をしよう」
憂の施策は一時的な功を奏したものの、唯排斥運動は収まりませんでした。
唯「う~い~~…みんなに嫌われるよぉ…」
憂「なんで……」
その場に定着し、フロンティア精神を失い、以前の体たらくを取り戻した唯は
満足に抵抗することもできず、散々な扱いを受けることもありました。
唯「アイスぅ~…」
男「てめぇに食わすアイスなんてねえんだよ!!この穀潰しが!」ボカ
唯「うぅ…ひどい……」
男「さっさと出てけ!」
唯「うっ…うう」グス
唯は征服者といえども高校三年生の女子生徒。
荒くれ者に対抗する術は持ち合わせてはいませんでした。
憂「お姉ちゃんがみんなから尊敬されるようなことです」
梓「ギター教室を開くとか?」
澪「演奏会を開くとか…」
律「唯が尊敬される要素ねぇ」
紬「う~ん…」
度重なる会議でも、有効な解決策を見出すことはできませんでした。
―みんな自分の生活に精一杯だから、お姉ちゃんを愛でる余裕がないのかも
そう考えた憂は、直々に王国内の視察を始めました。
女「唯ちゃんの扱い方が分からなくて…」
男「唯ちゃん5人は出費が…」
男「法律が厳しすぎて…扱いにくい」
女「唯ちゃんのおかげで笑顔が戻りました」
憂が各地を視察すると、いくつかの問題点が分かってきました。
まず、このままでは唯族が滅亡するのは時間の問題であるため、
憂の分身を家に置くことを条件に結婚を許可しました。
また、2唯につき1人の憂分身を養育係として派遣し、
憂の分身による監視を条件に唯に触れてよいとする規制緩和も行いました。
増殖をはじめた憂によって、経済状態は以前のレベルまで回復しました。
唯の到来によって自給自足経済へと退行した地方も、憂の派遣によって
もとの様相を取り戻すに至ったのでした。
憂「ふぅ…やっと一息ついたね、お姉ちゃん」
唯「そうだね~」
唯「でも、よく考えるとわたし何の役にもたってないよね…?」
憂「そんなことないよ!お姉ちゃんがいるだけでみんな幸せだし」
唯「そうかなぁ~///」
憂「それに王国ができたのもお姉ちゃんのおかげだし」
こうして、唯を媒介にした王国は全世界に広がりました。
やがてこの王国は統一され、国境、人種、言語、宗教の壁が無くなり、
人々が自由に往来して自由に交流し、自由に経済活動のできる
人類史上初の世界政府として歴史に名を刻み、真に平和な世の中が訪れました。
唯「これからも、みんな仲良く暮らせるといいね~」
憂「うん♪」
めでたしめでたし
―唯憂王国編
完
元スレ
唯「?」
老婆「いきなりで悪いけど、これが何かわかるかい?」
唯「ふろしき…?」
老婆「そうだよ。ふろしき。でも」
サッ
唯「鉛筆が増えた……」
老婆「そう。増えるんだよ」
唯「す、すごいねー!!」
老婆「この2本を覆って…ほら」
サッ
唯「今度は4本になった…」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 21:48:10.86 ID:2BF22lz10
唯「おばあさん凄いね~手品師?」
老婆「手品じゃないんだよ」
唯「ふぇ?」
老婆「これはね、包んだものを複製できるふろしきなんだよ」
唯「ふくせい?」
老婆「そう、複製。お嬢ちゃん、髪留め貸してごらん」
唯「?……はい」
老婆「いくよ…」
サッ
唯「おぉ~…」
老婆「すごいでしょう?」
唯「すすごいけど…なんか怖いな」
老婆「あはは、そう怯えなくていいよ」
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 21:55:55.74 ID:2BF22lz10
老婆「お嬢ちゃん」
唯「?」
老婆「このふろしき、お嬢ちゃんに持っていてほしいんだ」
唯「え!?」
老婆「シーッ、これは内緒だよ」
唯「ででもなんて私に?」
老婆「普段から頑張っているご褒美だよ」
唯「頑張って……なるほど!」
老婆「そのふろしきを、世のため人のために役立ててくれ」
唯「う、うん」
老婆「ただし、そのふろしきのことは誰にも言ってはいけない。いいね?」
唯「え……うん」
老婆「誰かに言ってしまったとき、そのふろしきは消えてしまう…」
老婆「頼んだよ……」
唯「え」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:02:12.56 ID:2BF22lz10
唯(消えちゃった……)
唯(なんか不気味~…帰ったら憂に相談しよう)
唯(あ、誰かに話すと消えるんだっけ、やめとこ)
―――
唯(何を増やそうかなぁ)
唯「ただいまー」
憂「おかえり、お姉ちゃん♪」
憂「今日はハンバー…お姉ちゃん?」
唯「へ?」
憂「大丈夫?なんだか深刻そうな顔だよー」
唯「え?全然へーき!!早くハンバーグ~ハンバーグ~」
憂(…?)
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:06:54.01 ID:2BF22lz10
―――
唯「ゴッツァンデス!!」
憂「お姉ちゃん食後のアイスあるよ~?」
唯「ああ、今はいいや~」トテトテトテ
憂(お姉ちゃんがアイスを放棄して自分の部屋に帰った…)
憂(なんか気になるな~)
―――
―ゆいのへや
唯「よし…なに増やそうかな」
唯「ふっふっふ~ギー太~♪」
サッ
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:11:26.43 ID:2BF22lz10
唯(ギー太が増えた……ほんとに増えた……)
唯「ああ……」
唯「ん~~ギー太~♪」
トントントン
唯「はっ」
唯(憂にバレたらやばいよ…)
唯(とりあえずクローゼットに…ギー太2号、我慢してね)ガチャ
憂「お姉ちゃん?」
唯「ん?ん?どうかしたかい?憂や」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「え?」
憂「なんか隠してるでしょお!?」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:17:03.62 ID:2BF22lz10
唯「な、なんで?」
憂「だってお姉ちゃんがアイス食べないし!」
唯「ああああ!!食べるよ!食べる!思い出したよ!!」
憂(ん~…)
憂「…お姉ちゃん、私で良ければ何でも相談してね?」
唯「う、うん!ありがと~うい!」
憂「じゃ、アイス食べる?」
唯「いyうあやいうんうんうん!!」
憂「……お姉ちゃん?」
唯「もうアイス食べたくて死にそお…」
憂「…今持ってくるね」
唯「悪いね」
唯(よし、乗り切った)
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:21:49.21 ID:2BF22lz10
―――
憂「じゃーん!」
唯「おお!はーげんだっつすとろべりー!!」
憂「お姉ちゃんのリクエストにお応えしました!」
唯「さすが~憂~~」
憂「まかせて!」
ピンポーン
憂「…あれ?誰だろ……行ってくるね」トテトテトテ
唯「うん」
唯「アイスをこぴ~~~」
サッ
唯「おほほ~」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:25:18.68 ID:2BF22lz10
唯「隠しておこ」ササッ
憂「ふー」
唯「誰だったの?」
憂「新聞の勧誘だったよ~」
唯「ふ~ん」
唯「じゃあいただきま~す」憂「めしあがれ~」
―――
憂「じゃお姉ちゃん、もうすぐしたらお風呂入ってね」
唯「うーい」
憂「え?」
唯「掛け声だよぉ」
憂「…もぅ……」
ガチャ
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:31:35.86 ID:2BF22lz10
唯(ふふふ…こぴーしておいたアイスをいただくぜぇ…)
唯(やば、ちょっと溶けてるよ~)
唯(アイスうま)
―――
―翌日
憂「お姉ちゃ~んそろそろ朝だよ…って」
憂「お姉ちゃん口のまわりどうしたの…」
唯「う~い~」
唯「アイス食べすぎたぁ~~」
憂「昨日は一個しか食べてないでしょお」
唯「あ、あ、そうだったね…」
憂「お姉ちゃん寝ぼけてないで顔洗ってきて!ご飯できてるよ!」
唯「は~い」
唯(あぶな…)
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:40:16.00 ID:2BF22lz10
――――――
―教室
唯(こぴーするって言ってもねえ…)
唯(とくに思いうかばないなぁ~)
律「よ!どうした唯」
唯「あっりっちゃん……ねぇねぇ」
律「お?」
唯「なにかコピーしたいものない?」
律「コピーねぇ……あ!あった!!」
唯「なになに!?」
律「澪のノート!!宿題やんなかったんだよ眠くて」
唯「(りっちゃんつかえな…)」
律「あ!?なんか言ったか!?」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:44:53.14 ID:2BF22lz10
唯「んもう…りっちゃんの役立たず…」
律「なんで!?」
唯「もういいよ…」
律「意外に傷つくな…唯に言われると」シュン
唯「あ!ムギちゃん!!」
紬「あら唯ちゃん」
唯「ねえねえ、ムギちゃんは何かコピーできるとしたら何コピーする?」
紬「う~ん…」
紬「唯ちゃん!」
唯律「えっ」
唯「私?」
紬「うん♪」
律「な、なんで?」
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:54:02.76 ID:2BF22lz10
紬「もっと楽しくなりそうじゃない♪」ウフフ
唯「あは、あはは…」
澪「おはよ」
唯「澪ちゃん!おはよー!」
唯「ねえねえ!なんでもコピーできるとしたら、澪ちゃんだったら何コピーする?」
澪「そうだな…」
澪「>>22とか?」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 22:55:42.31 ID:9uZdS/ML0
髪の毛
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:00:56.32 ID:2BF22lz10
唯「え……なんで」
澪「いや~なんか3年になって薄くなってきたというか」
澪「泣きたい……」
律「澪?気にすんなって」
紬「そうよ…全然気にならないわ」
唯「うんうん、憂もそんな感じだし全然大丈夫だよお」
澪「ほんとお?」
律紬唯「うんうん」
澪「なんか安心した…」
和「あら、あなたたち何やってんの?」
唯「あー和ちゃん」
唯「和ちゃんはなんでもコピーできるとしたら何コピーする?」
和「そうねえ…」
和「>>28かな」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:02:47.38 ID:Oi6aht650
現金
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:09:13.92 ID:2BF22lz10
律「そりゃまた現金な…」
唯「お金かぁ」
澪「和は何か買いたいものでもあるのか?」
和「ええ、パソコンが欲しいわね…」
唯「へえーぱそこんかあ~」
律「ところで唯、その質問にはどういう意味があるんだ?」
唯「ううん、何でもコピーできたら何コピーするんだろうなーって」
唯「ただのもーそーだよ~」
紬「面白いわね~」
唯「でしょお~」
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:19:15.62 ID:2BF22lz10
唯(はぁ~どうしようかな~)
唯(なんか面倒臭くなってきたなあ)
唯(取り合えずお金をコピーしてみようっと)
────────
─音楽室
唯(この1000円をコピーしよ)
サッ
唯「増えた」
唯「1000円が2000になった」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:21:27.43 ID:2BF22lz10
唯「この二枚をコピーすると…」
サッ
唯「4000円」
唯「更にコピー」
唯「8000円」
唯「更にコピー」
唯「16000円」
・
・
・
・
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:24:43.10 ID:2BF22lz10
唯「うわあ…増やし過ぎちゃったかも」
唯「何円あるんだろう…覚えてないや」
唯「あははは…」
唯「…お金の風呂だあ」
バッサ バッサ
唯「増えろ~増えろ~」
バッサ バッサ
唯「おほほほほ」
ガチャ
律「うぃーす」
律「ってうおおお!?」
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:29:15.90 ID:2BF22lz10
律「ななななんだこの札の山は…」
唯「お~お~りっちゃん、こっちにきたまえ」
律「…」
唯「ふぉ~」
律「唯!!!これはどういうことだよ!!」
唯「まあまあ、落ち着きたまえ」
律「ぬう…これ、どうやったんだよ!!」
唯「秘密だよ~」
律「く…」
律「…唯、これさ…どうする気?」
唯「どうって?」
律「これ片付けないと退部…いや廃部もありうるぞ」
唯「あっ」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:33:54.86 ID:2BF22lz10
律「なんでこんな意味の無いことを…」
唯「そうかな~」
律「こんなまやかしが通用するか?常識的に考えて」
唯「お札はお札でしょ?」
律「日本のお札はすごいんだぞ~偽造対策が」
律「単にコピーしただけじゃバレバレなんだよ」
唯「そっか~」
律「って分かれよ普通に」
律「でもこれよくできてるな~」
唯「でしょー!」
律「これ全部処分するだけで終わるな今日…」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:40:27.15 ID:2BF22lz10
澪「誰かきてるかなー」
澪「ってうわ!!なんだこれ!!!」
律「唯のやつがさ…お札コピーして遊んでんだよ…」
澪「ここんなにコピーしたのか…」
唯「えへへ」
律「しかしこれどう処分すれば…」
澪「中身が見えないゴミ袋に入れて…運ぶしかないな」
律「はぁ…」
澪「にしても随分よくできてるな~これ」
澪「唯、これ何でコピーしたんだ?」
唯「え~」
唯「ふ、コピー機で普通に」
律「ほんとかよ…」
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:46:14.60 ID:2BF22lz10
律「はぁ…終わらない…」
唯「あっ」
サラッ
どん!
唯(やば…ふろしき落としたらまた増えちゃった)
律「これほんとに減ってんのかよー!!」
澪「集めても集めても…だな」
澪「にしても、ここまでコピーした唯の根性は一体…」
唯「えへへ、本当にごめんなさい!!」
律「分かったから手伝えー」
唯「はい!りっちゃん隊員!」
律「はぁ…」
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:49:54.55 ID:2BF22lz10
────────
律「だいぶ減ってきたか?」
澪「うん…」
紬「楽しいねー♪」
律「はは…たのしいな…うん…」
律「…ん?なんだこれ」
澪「ふろしき?」
唯「あっ!りっちゃ」
律「へへ、唯、どろぼう!!」
どん!
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:54:32.87 ID:2BF22lz10
澪「律?」
律1「ん?」
律2「ん?」
澪「あは」
澪「」コテッ
唯「ああ…あ…」
律1「なんだこれええええ」
律2「なんだこれええええ」
紬「まぁ!そっくり~」
紬「双子?」
律1「なわけあるかあああ!」
律2「なわけあるかあああ!」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/08(日) 23:57:39.65 ID:2BF22lz10
紬「澪ちゃんそんなとこで寝ちゃ冷えるわ」
紬「これしか無いけど何か掛けておかなきゃ」
サッ
どん!
澪1「」
澪2「」
紬「な…?」
唯「ムギちゃんだめええ!!!」
唯「あっ」
スッテーン!
サラッ
どん!
紬1「なあに?」
紬2「なあに?」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 00:02:12.77 ID:2BF22lz10
唯「終わった…」
律1「おい唯」
律2「なんだよこれ…」
唯「え…」
唯「みんないっぱい…」
唯「どどどうやって消すんだろう」
唯「みんなごめん!!!」
バンッ
律1「おい逃げんなよ」
律2「どうするんだこれ…」
澪1「」
澪2「」
紬1「キャッキャ」
紬2「ウフフ」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:03:18.72 ID:ow3tRZEp0
――――――
唯「ハァハァ」タッタッタ
唯「あの時のおばあさんは……」
唯「やっぱりいない」
唯「どどどうしよお…」
唯「このまま増えたら」
唯「……あ!!」
唯「ふろしき部室に置いてきちゃった」タラタラ
唯「だめだ、もう一旦戻るしかないや」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:06:23.50 ID:ow3tRZEp0
―――――――
律「おい!」
律「なんだよ」
律「私の苗字は?」
律「田井中」
律「私の弟の名前は?」
律「聡」
律「だめか……」
紬「いい遊び相手ができたわぁ♪」
紬「ええ♪」
紬「名前はなんていうの?」
紬「紬です♪」
紬「私と同じ~♪」
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:09:16.40 ID:ow3tRZEp0
澪「んっ……」
澪「んっ……」
澪「あれ?わたし何して…」
澪「あれ?わたし何して…」
澪「ん?」
澪「ん?」
澪「…」
澪「…」
澪「」コテッ
澪「」コテッ
律「なんだよ?」
律「そっちこそなんだよ!?」
律「やるかあ?」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:13:10.04 ID:ow3tRZEp0
律「にせものめ……」
律「にせものはそっちだろー!?」
律「くう……」
ガラッ
唯「みんなっ!!」
律「唯!!!」
律「唯!!!」
紬「おかえり♪」
紬「おかえり♪」
唯「う…」
唯「あのさ…」
唯「どっちがこぴーだか分かる?」
律「ああ!!こいつ」
律「当然!こいつ」
紬「分からないわねえ」
紬「私は私だから♪」
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:18:48.75 ID:ow3tRZEp0
唯「んあ…やばい」
唯「どどどうしよっか、りっちゃん」
律「まずよーどうしてこうなったんだよ?」
律「なんでこんなことになったんだよ?」
唯「えっと…なんでだろう」
律「これか?」
律「このふろしきか?」
紬「まぁ…素敵」
紬「すごいわ♪」
唯「えっと、私じゃなくて」
律「ならさ、もう一回かければ元に戻るんじゃない?」
律「また覆えば元に戻るかもよ?」
唯「そ…そうかなあ」
律「ものは試しでやってみよう、ここまで来たら」
律「じゃ、そっちのわたしが覆われればいいんだな」
律「な、なんでだよ!?本物は私だろ!!」
律「はぁ?なにいってんだ」
唯「二人とも落ち着いて」
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:22:29.78 ID:ow3tRZEp0
紬「なら、りっちゃん二人とも覆われればいいんじゃない?」
律「あ、それがいいかも」
唯「え…」
律「じゃあいくぞー」
律「おう!」
サッ
どどん!
律「…」
律「…」
律「…」
律「…」
紬「あらぁ…」
唯「ふ…ふえちゃった」
律「あーーーもう!!」
律「なんだこれ!!!」
律「どーすんだよ!!」
律「やばいだろ!!」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:27:39.72 ID:ow3tRZEp0
唯「これ…ばれちゃったらどうなんだろ」
澪「んん…」
澪「なんだよ…」
紬「澪ちゃんが起きたわ」
澪「…」
澪「…」
澪「ムギ、この人は…?」
澪「ムギ、これは…?」
紬「二人とも澪ちゃんよ♪」
紬「澪ちゃんよ~」
澪「ひぇーー」ガタガタ
澪「ひぇー」ガタガタ
律「うるさぁい!!」
律「そっちのわたしが一番うるさい!」
律「ちょっと黙れって」
律「あーもう!!!」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:31:19.08 ID:ow3tRZEp0
唯「元に戻す方法は…無いんだぁ……」
律「…」
律「…」
律「…」
律「…」
澪「…」
澪「…」
紬「このまんまでも…ねえ♪」
紬「ええ♪」
ガチャッ
梓「こんにちは」
律「あっあずさ」
律「よ!」
律「遅かったな!」
律「お!」
梓「」
ガチャッ
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:36:18.35 ID:ow3tRZEp0
唯「あずにゃん待って~~」
梓「え!?ってえええ!?」
ガチャ
唯「こんなんなっちゃった…」
梓「ななななんで」
梓「お札が散らばってる上に」
梓「律先輩が4人澪先輩むぎ先輩が2人」
唯「あっ!そういえばお札片づけないと」
律「もう疲れた…」
律「唯やってくれ…」
律「はぁ…」
律「もういやだ…」
唯「りっちゃんつかえな…」
律「「「「なんだと!?」」」」
唯「ひぃぃ…」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:40:08.70 ID:ow3tRZEp0
梓「唯先輩!なんでこんなことになったのか……」
唯「えっとね」
律「あっ」
律「おい!!」
律「わ!!」
律「なにやってんだよ…」
澪「梓の上にふろしきが…」
ヒラッ
どん!
梓「え」
梓「え」
唯「うぅ……もういやあ…」ブワッ
律「はっはーん!仲間だな!」
梓「きゃあああ」
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:43:33.84 ID:ow3tRZEp0
ガチャ
和「律ー、学祭の講堂使用許可とって…」
和「…」
律「ん?」
律「え?」
律「和?」
律「お?」
和「あなたたち…」
律「だーーー!!」
律「この際だ!!」
ヒラッ
どん!
和「ななにすんのよ」
和「なにを…」
和「…」
和「…」
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:47:08.35 ID:ow3tRZEp0
和「なによこれ」
和「早く戻しなさい」
澪「さすが和…冷静だな」
澪「さすが和…」
和「ってなによこれ!!」
和「なななんで何人もいるのよ!?」
唯「和ちゃん助けて……」
和「唯!?あなたは1人なのね」
和「唯!!あなたは大丈夫なのね」
ガラッ
憂「お姉ちゃ~ん」
唯「うい!!助けて!!!」ビエーン
憂「どうしたの……」ナデナデ
和「この通りよ」
紬「あらぁ憂ちゃん」
紬「いらっしゃい♪」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:52:11.86 ID:ow3tRZEp0
憂「みなさんがいっぱい」
唯「ううぅ……私のせいで……」
憂「お姉ちゃんがやったの!?」
唯「ううん……」
律「えい!!」
サッ
どどん
澪「わあああ!!」
澪「なにすんだよ!!」
澪「りつ!!」
澪「やめろお!!」
憂「目の前で澪先輩が増えた…」
唯「こういうこと…」
憂「わたし疲れてるのかなあ…」クラクラ
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 09:54:55.19 ID:ow3tRZEp0
律「はははは!!!」
律「面白いなー!!」
律「それそれーー!!」
ヒラッヒラッ
どどどどん
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
澪「…」
唯「ういーーーー!!!!!」
憂「澪先輩の群れが…」
紬「あらぁ♪」
梓「」ピクピク
和「ちょっと!!律!!やめなさい!!」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 10:00:09.56 ID:ow3tRZEp0
律「大丈夫だよー!夢なんだって!」
律「こんなこと起こるわけないだろ!?」
律「それそれ~」
和「ちょっと!」
ヒラッヒラッ
どどどどどどどどん
澪「もういや…」
澪「うぅ…」
澪「戻してよぉ…」
澪「やだぁ…」
澪「ママ…」
澪「ひっぐ…」
澪「りつぅ…」
澪「やめてよぉ…」
澪「ぁぁ…」
澪「お嫁にいけない…」
澪「いやぁ…」
澪「…」
澪「ああ…」
澪「なにこれぇ…」
澪「…」
澪「だめ…」
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 10:08:14.88 ID:ow3tRZEp0
紬「ちょっと暑くなってきたわね…」ピッ
憂「満員電車状態…」
唯「うい~~」ポロポロ
憂「戻す方法は…?」
唯「分からないんだあ…」
紬「別に戻さなくてもいいじゃない♪」
澪「「「「「「「「「「「「「「「「いやだ!!」」」」」」」」」」」」」」」」
律「ははは、皆慌てすぎだぞー」
律「そうそう、夢なんだって~」
澪「「「「…」」」」
和「それでまた覆ってみたらどうかしら?」
唯「ううん、さっきやったけど増えちゃうだけだった…」
和「そう…」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 10:16:09.97 ID:ow3tRZEp0
澪「「「どうする?」」」
律「もう外行こうぜ!!」
澪「「「「「「やだ!」」」」」」
律「ちぇ…」
唯「もうすぐ下校時間だ…」
和「ちょっと…どうするのよあなたたち」
律「なにが?」
和「どうやって帰る気なのよ、大勢で家に入る気なの?」
紬「あらあら~大丈夫よ」
澪「むぎんちは大丈夫かもしれないけどさ…」
澪「うん…うちなんて…しかもわたしが16人も…」
律「あー楽しい夢だった!!おやすみ!!」
和「もう逃避してるわね…」
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 10:38:35.91 ID:ow3tRZEp0
和「とりあえず…一旦生徒会に戻るわね」
和「あっそう、じゃあ私はここで待ってるわ」
和「ごめん、よろしくね」
ガチャ
和「やれやれ…」
澪「和たちのチームワークを見習うべきだな…」
澪「律たちも喧嘩してないで…って寝てる」
律「「「「zzzz…」」」」
憂「お姉ちゃん……そろそろ帰っていいかな?」
憂「お父さんとお母さん心配してるだろうし」
唯「え……う~い~~見捨てないでぇ」
憂「見捨てるわけじゃないよ?でも、このままの方が危ないし」
憂「事情を説明しておくよ」
唯「えっ」
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 10:43:05.50 ID:ow3tRZEp0
憂「お姉ちゃんたちは泊りで練習してるって」
唯「あっ…それならいいかも」
憂「うん!じゃあ先帰ってるね」
憂「みなさん、お先に失礼します」ペコ
ガチャ
澪「憂ちゃんのおかげで凌げそうか」
和「でも…時間の問題ね」
唯「どうすればいいか考えよう!!」
唯「あずにゃんとあずにゃんも起きて~」ユサ
梓「んーっ」
梓「んー」
唯「おはよ~」
梓「あ、おはようございます」
梓「あ、おはようございます」
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 10:49:04.74 ID:ow3tRZEp0
ぐぅ~~
唯「お腹減ったね~」
和「何か買いに行く?」
唯「うん!」
澪「「「私も!」」」
和「澪3人一緒はだめよ…」
梓「ていうか、澪先輩そんなにお金持ってるんですか?」
澪「え?」
梓「16人分の…」
澪「あ…」
澪「大丈夫だよ、ほら」
澪「ほんとだ、あったあった」
澪「500円玉」
梓「えっ」
100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 10:54:00.00 ID:ow3tRZEp0
梓「それって偽造なんじゃ…」
唯「偽造じゃないよあずにゃん、本物だよ」
梓「見た目は本物ですけど…」
澪「うう…確かに気が引けるな…」
唯「しょうがないよ澪ちゃん!生き抜くためだよ!」
澪「「う、うん…」」
紬「みんな~お菓子もまだ残りがあるわ」
唯「おお!ムギちゃんナイス!」
和「じゃあ、唯と私と澪1で買いに行ってくるよ」
梓「なら私は残ってますね」
澪「「「「「よろしくな」」」」」
唯「じゃ~ね~」
ガチャ
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 10:57:47.89 ID:ow3tRZEp0
ガチャ
和「あら?唯と私は?」
澪「私も含めて3人で食糧買いに行った」
和「あらそう…」
和「そしたら、私家に帰るって私に伝えておいてくれる?」
澪「うん…分かった」
和「ありがとう。じゃあ頑張ってね」
澪「「「うん…」」」
ガチャ
澪「「「「はぁ…」」」」
梓「帰ってくるまで練習しましょうか…」
澪「ああ…」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:01:28.11 ID:ow3tRZEp0
梓「よっと…」
梓「あれ?私のは…?」
梓「あ…」
澪「んっと」
澪「わたし…私のベースは」
澪「私も」
澪「私のも」
梓澪「はぁ~…」
澪「…そういえばさっき律がこれで覆って…」
サッ
どん
澪「お」
澪「じゃあこれわたしが使お」
澪「私の分もお願い」
澪「私のも」
澪「…」
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:06:02.21 ID:ow3tRZEp0
梓「ベースが16人…」
澪「じゃあ梓も増やすか?」
梓「えええいや遠慮しておきます」
梓「あはは…」
澪「…やっぱりやめよっか……」
梓「ですね…」
~~♪~~♪
澪「ああ…いいなあムギは」
紬「うふふ♪」
梓「BGMにいいですね…」
澪「唯たち早く帰ってこないかな」
律「「「「zzz…」」」」
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:09:52.80 ID:ow3tRZEp0
ガチャ
唯「ただいま~」
和「結構買ってきたわよ」ドサッ
澪「結局500円玉使っちゃった…」
澪「おお、おかえり」
澪「あ、和、和が先に家帰ってるって」
和「ああ…そう…ありがとう」
澪「うん…」
唯「じゃあみんなで食べよ~」
澪「「「「「うん」」」」」
澪「律たちもほら、起きろ」
律「「ふぁ~あ」」
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:15:59.21 ID:ow3tRZEp0
和「これからどうするか…ね」
梓「そうですね…」
梓「みんなで別々に暮らしますか?」
澪「どういうことだ?」
梓「500円玉をさっきのでいっぱい増やして、」
梓「どうにか生きていくんです」
律「これ…ほんとに夢じゃないのか…?」ツネーッ
律「痛いな…こんにゃろ」ツネ
律「うううこいつ…」
澪「「「騒ぐな」」」ゴンゴンゴン
律「「「うう…」」」
梓「こんなですし」
梓「なんだかんだで普通にいけそうですし…」
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:31:43.03 ID:ow3tRZEp0
和「そうね…」
和「今ここにいるのは私含めて26人」
和「500円20枚で1万円、一人1万円支給すると520枚…」
和「ホテル借りたとしても…そう長くはもたないわね」
和「またここに戻ってくるわけにもいかないし…」
澪「う~ん…」
唯「あ!良いこと思いついたよ!」
梓「なんですか」
唯「みんなで家を建てればいいんだよ!!」
唯「そこでみんなで生活するの!!」
和「難航しそうね…」
和「まず、みんなのうちの1人は元の家に戻らなくちゃいけないのよ」
和「誰が戻るかで揉めるでしょ、こんな生活誰も望まないんだし」
唯「そっかあ」
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:38:12.26 ID:ow3tRZEp0
―――――――
律「もうさー」
律「自分たちで消すしか無いんじゃない?」
澪和梓「!?」
律「もう無理だろ、いくら考えても無駄だよ」
澪「…消すってのはどういうことだよ」
律「…こういうことだよっ」ギュッ
律「ぐあああああ」
律「おい!なにやってんだよっ」
律「やめろよ!!」
律「止めんなよ……くそぉ……」
唯「やめて、お願いだからそれはやめてよ…」
澪「唯…」
唯「そんなのいや!絶対いや!!」グス
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:43:40.92 ID:ow3tRZEp0
和「…まぁ…それは本当に最後の手段ね」
和「もっといい方法があるはずよ、考えましょう」
梓「そうですよ…考えるのは無駄じゃないです」
澪「律の気持ちもわからない訳ではないけど…」
律「そうだよ!大丈夫だって」
律「くぅ……」
律「どうにかなる…よな」
律「そうそう!前向きに行こう!」
―――――――
和「もうすぐ日付が変わるわね…」
唯「うぅ…」
梓「そうだ!」
梓「全て増やせばいいんですよ!!」
律「どゆこと?」
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:49:48.69 ID:ow3tRZEp0
梓「学校から家から何から全部増やせばいいんです!」
梓「増えた状態が普通になればいいんですよ!!」
澪「う…う~ん……」
和「じゃあ、澪の16人に合わせるの?」
梓「う…」
律「学校15個も増やすのか?ていうか増やせんのか?まず…」
和「澪が16人もいなければ…ね」
律「うっ…」
澪「「「「「「なんかごめん…」」」」」」
和「ううん、澪は謝らなくていいのよ、増えたくて増えたわけじゃないんだから」
律「…あーーー」
律「私が悪かったよ!!ごめんな!!」
澪「そそんな言い方は無いだろ!!」
唯「やめてよぉ」
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 11:59:30.69 ID:ow3tRZEp0
紬「二人とも…じゃないわ、みんな仲良く…ね」
律「ああ…ごめん」
律「ったくよー」
律「もういいだろ」
律「落ち着けっての」
澪「「なんか律はまとまってないな…」」
澪「「「なんだか律らしいな」」」クスクスクス
律「わけわからん…」
澪「「「「そういえば、律?」」」」
律「「な、なんだよ」」
澪「この間貸した漫画持ってきた?」
澪「この間貸した雑誌持ってきた?」
澪「この間貸したCD持ってきた?」
澪「この間貸した本持ってきた?」
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 15:14:22.65 ID:ow3tRZEp0
梓「律先輩…」
律「ななんだよ」
梓「借りすぎです…」
律「あはは…」
―――――――
和「本気で考えないと…もう時間が無いわ」
和「2時までに決着が着かなかったら……」
和「やむを得ないわ、始めましょう」
律「でもさ、ここでやったら死体処理はどうするんだよ」
澪「「「ひぃ…」」」
紬「港で…負けたら沈めるってのはどう?」
律「ああ、それならいいなー」
澪「お、おいムギまで本気か…?」
梓「しょうがないです澪先輩、弱肉強食ですよ」
132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 15:18:23.79 ID:ow3tRZEp0
唯「え、ほほんとにやるの…」
和「しょうがないわ唯、平和に暮らすためだもの」
唯「なななにか違う方法があるよきっと」
和「ええ、2時までは待つわ」
和「それと澪、私に電話して私を呼んでもらえる?」
澪「「え…」」
和「ほら、もたもたしてないで早く」
澪「ひっ」
和「私が自分で電話するわ、携帯貸して」
澪「ひゃい…」
唯「…」
梓「大丈夫ですよ唯先輩、別に死ぬわけじゃないですし」
唯「でもお…」
梓「それに相手は自分ですから、大丈夫です」
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 15:26:33.48 ID:ow3tRZEp0
――――――
和「そろそろ2時ね」
澪「「「ひ・・ひい」」」
律「よし…いくか」
梓「いきましょう」
唯「え、ちょっと」
梓「唯先輩、いい加減にしてください」
梓「一番強い自分が生き残るんです、自分のためでもあるんですよ」
唯「あずにゃん…?」
梓「弱者は淘汰される、これが自然界の掟なんです」
梓「弱者が保護されるような世界は破滅するんです、その内」
梓「そうに決まってます…」ブル
唯「あずにゃん…」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 15:30:45.52 ID:ow3tRZEp0
―――――――
―港
和「さぁ、明るくならないうちに早く始めるわよ」
律「んよし」
和「誰からやる?」
梓「は…はい!」
律「おお梓、頑張れよ」
唯「な、なにすんの?」
和「殺し合いよ」
唯「え?」
和「勝った方が生き残って負けた方は沈められる」
和「単純なルールでしょ?」
律「「「だな」」」
唯「ほんとに?」
136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 15:35:37.17 ID:ow3tRZEp0
和「冗談よ」
唯「和ちゃん……笑えないよぉ」
和「いや…冗談でもないわね」
和「別に手段は何でもいいわ、白黒つければいいの」
和「負けた方が沈められる、それだけよ」
澪「「「「うう…」」」」
律「じゃ梓、何で勝負するんだ?」
梓「「そうですね…」」
梓「かけっこ!」
梓「演奏!」
和「演奏はだめね、静かにやらないとダメだから」
梓「じゃ…かけっこで…」
唯「あずにゃん…頑張って…」
梓「「はい!」」
138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 15:40:16.47 ID:ow3tRZEp0
―――――――
紬「いちについてっ!」
梓「「…」」
紬「よ~い」
紬「どん♪」
梓「おおおおおおお」タッタッタ
梓「おおおおおお」タッタッタ
梓「やった…」
梓「…」クル
律「よし、そっちの梓くるんだ」
梓「え?あっちですよ」
梓「なに言ってんの…そっちでしょ」
139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 15:45:02.20 ID:ow3tRZEp0
紬「うふふ、もう諦めなさい」ガシッ
梓「ひっ」
紬「斎藤、縄」
斎藤「はっ」
グルグル
梓「なにすんのよ…ちょっと…やめっ」
バンッ
梓「」
梓「うわぁ~……なんか複雑な気持ち…」
紬「一丁できあがりね♪」
澪「「「「…」」」」ガタガタ
和「沈めるのはまとめてでいいわ」
律「よしっ!次は澪!」
澪「「「「ひぃ…」」」」
141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 15:55:58.98 ID:ow3tRZEp0
澪「「「ななんで律が決めるんだよー」」」
律「えー?だってなんか澪ウズウズしてるじゃ~ん」
澪「「してないって」」ブル
和「いつやっても同じよ、さあ澪、どうする?」
澪「うう…」
澪「律…一生恨むからな…」
律「な、なんでだよ…って別に死ぬってわけでもないぞ、偽物だし」
澪「じゃ、じゃあ…ポエム対k」
和「そんな時間はないわ、だめね」
澪「ひぃ…」
和「もういいわ、じゃんけんでパッパと決着つけなさい」
澪「そんな…」
和「早く」
澪「はい」
142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:01:24.61 ID:ow3tRZEp0
澪「「「「「「「「「「「「「「「「じゃんけんぽん!」」」」」」」」」」」」」」」」
澪「「「「「「「「「「「「「「「「あいこで…」」」」」」」」」」」」」」」」
和「キリがないわ、4人ずつでやりなさい」
澪「「「「じゃんけんぽん」」」」
・ ・ ・ ・
和「やっと最後の4人ね」
澪「「「「じゃんけんぽん」」」」
澪「やった…」
澪「あ…あああ」
澪「そんな…本物は私なのに…」
澪「うそ…」
紬「はい♪おつかれさま」
グルグル
唯「縛られた澪ちゃんが15人…」
梓「奴隷みたいですね…」
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:11:50.10 ID:ow3tRZEp0
和「さ、私たちも決めるわよ」
和「「じゃんけんぽん」」
和「はい決まりね」
和「あとは任せたわ私…」
和「あなたの分も頑張るから…」
バンッ
ドボーン!!
/j^i
./ ;!
/ /__,,..
/ `(_t_,__〕
/ '(_t_,__〕
/ {_i_,__〕
/ ノ {_i__〉
/ _,..-'"
/
~~~~~~~~
ズブズブ
和「うっ…」グス
澪「な、なんで押したんだ?」
145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:17:49.32 ID:ow3tRZEp0
和「自分で飛び込むって凄く勇気がいるのよ」
和「だから…」グスン
唯「和ちゃん……」
律「…よし、次は私らだな」
律「どうやって決める?」
律「澪を一番落とした人が勝ち、でどう?」
律「それでいっか」
澪「やめろぉ~」
紬「よ~い、どん♪」
律「「「「うおおおおお」」」」
ボトンッ ボトン ボストン
澪「あぁ…私が沈められていく…」
梓「ティーパーティ…」
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:22:43.31 ID:ow3tRZEp0
紬「りっちゃんA、4澪ちゃん」
紬「りっちゃんB、4澪ちゃん」
紬「りっちゃんC、3澪ちゃん」
紬「りっちゃんD、4澪ちゃん」
紬「りっちゃんCが脱落、次のラウンドに進むわ」
澪「予選だったのか…」
紬「よいしょと」グルグル
梓「お疲れ様でした」ドン
律「わぁ~~…」
ボトン
梓「もう私のも落としておきますね」ドン
梓「」
ボトン
梓「ふぅ…」
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:30:37.64 ID:ow3tRZEp0
和「じゃあ、私は家に帰るね」
唯「ばいば~い和ちゃん」
和「唯たちも早く片付けて帰るのよ」
唯「うん!」
澪「なんかさっきまでが嘘みたいだな…」
唯「なんか慣れてきちゃったね~」
紬「さぁ!本戦です!!みんな気を引き締めて!!」
梓「ムギ先輩のってますね…」
律「で、どうする?」
澪「もうじゃんけんで決めろよ」
律「え~~こっちは割と真剣なんだぞ!?」
律「そうそう、まだ終わってないんだから」
律「じゃんけんで決めるなんて人命軽視だー!」
唯「そうだー!そうだー!」
澪「私の命はなんだったんだよ…」
155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:37:06.11 ID:ow3tRZEp0
律「じゃあさ!澪を持ち上げて何分耐えられるかはどう!?」
律「澪を何分で脱がせられるかは!?」
律「澪を何分でイ…」
澪「こら!」バン
律「「「ってぇ…」」」
唯「じゃあさ、これで決めよぉ」クイクイ
律「まぁ…それでいいっか」
律「じゃあ始めるぞ」
律「イッセーノー2!」
律「やりぃ~」
律「イッセーノー0!」
・ ・ ・ ・
律「終わった…勝った…」
律「わわたしが本物なのに…」
律「そんなばかな…」
紬「はい♪」
グルグル
158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:42:10.26 ID:ow3tRZEp0
律(負)「ま、まってくれ!私が本物なんだって!!」
律(負)「諦めようぜ…」
律(勝)「そうだぞ!私らしくない」
律(負)「本当だって!!助けて!!澪!!」
澪「…」
唯「どう…なのかな」
梓「見た目で判断つきませんしねえ…」
唯「本物であれなんであれ、これもりっちゃんだしねえ…」
律(勝)「これとはなんだよ!!」
律(負)「本当!!本当に!!助けて…」ウルッ
律(勝)「気持ち悪いな…はやく…消えなっ!」
律(負)「澪!!澪!!!助けてくれ!!!本当だ!!」
澪「…よし」
律(負)「おぉ!?親友だもんな澪!!知ってたよ」
澪「早く消えろっ!」バンッ
159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:46:46.89 ID:ow3tRZEp0
律(負)「み…お……?」
律(負)「ぁ……信じてたのに……」
ボトン
ブクブク
律(勝)「なんだあいつ…気持ちわる」
唯「…」
梓「…」
澪「ああ…」
澪「じゃあな律」バン
律(負)「ああ…楽しかった……」
ボトン!
ブクブク…
律(勝)「はは…」
161: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 16:55:21.45 ID:ow3tRZEp0
律(勝)「やっと片付いたな…」
唯「はぁ…なんか疲れたぁー」
澪「なんというか…夢みたいだった」
梓「そうですね…」
紬「「じゃあ、帰りましょ♪」」
唯「あれ?」
澪「そうだったな…」
梓「あ…」
律(勝)「ムギまだだったな」
紬「「え?」」
澪「ムギ…やろうか」
梓「ムギ先輩…」
紬「いや!!」
唯「えっ」
163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 17:00:59.42 ID:ow3tRZEp0
紬「せっかく出来たお友達なんだから!!」
紬「いやよ…」
紬「絶対にそんなのいや…」
斎藤「お嬢様…」
澪「ムギ…」
紬「やだぁ…」ギュウ
紬「私の大切なお友達…」ギュウ
律(勝)「…」
律(勝)「ムギ!!」
律(勝)「みんなも別れたんだ!!」
律(勝)「それに…そいつはまやかしだ!!」
梓「…」
唯「二人とも泣いてるよお…」
澪「かわいそうだな…」
165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 17:09:13.27 ID:ow3tRZEp0
紬「せっかく…できたお友達なのに…」
紬「うう…」
唯「うぅ…」グス
唯「ムギちゃん…ごめん…」ポロポロ
唯「私が…変なふろしきを持ってきたばっかりに…」ポロポロ
唯「…あのふろしきを使って…お札とかコピーしたからぁ…」ポロポロ
澪「あっ、あのお札はやっぱりふろしきで…」
唯「…うん……」ポロポロ
唯「…みんな…ごめん……」
澪「いいよ…」ナデ
キラキラ…
梓「ああっ」
澪「どうした梓」
167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 17:14:12.79 ID:ow3tRZEp0
梓「ふろしきが光って…」
澪「おお……」
紬「…え……」
紬「うふふ…ありがとう、わたし……」キラキラ
澪「片方のムギが……」
紬「楽しかったわ…ありがとう…」キラキラ
紬「待って!!行かないで!!」
紬「さようなら…」キラキラ
紬「ああ……」
澪「片方のムギが消えた…」
梓「澪先輩!海が…」
澪「光ってるな…」
律(勝)「一件落着か…」キラキラ
171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 17:19:42.70 ID:ow3tRZEp0
唯「うぅ…」グス
梓「澪先輩!!」
澪「なんだ!?うっなんだこれ…」
梓「律先輩…」
律(勝)「なんだよ!?」キラキラ
梓「律先輩…」
梓「…の、おでこも輝いてます!!!」
澪「うおっまぶし…」
律「なんなんだよ!!もう…」
紬「…もう朝だわ…」
人増殖編
完
181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:17:48.61 ID:ow3tRZEp0
―――夕方、放課後
唯「じゃ~ね~」
梓「はい、また明日」
唯「ふ~…」
唯「そういえば今日はハンバーグだった!」
唯「早く帰ろ~♪」
唯「…お?」
老婆「…」
唯(なんか凄いおばあさん…占い師?)
老婆「…お嬢ちゃん」
唯「へっ?わたし?」
老婆「そうだよ…おいで」
183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:23:01.80 ID:ow3tRZEp0
唯「?」
老婆「いきなりで悪いけど、これが何かわかるかい?」
唯「ふろしき…?」
老婆「そうだよ。ふろしき。でも」
サッ
唯「鉛筆が増えた……」
老婆「そう。増えるんだよ」
唯「す、すごいねー!!」
老婆「この2本を覆って…ほら」
サッ
唯「今度は4本になった…」
185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:23:58.12 ID:ow3tRZEp0
唯「おばあさん凄いね~手品師?」
老婆「手品じゃないんだよ」
唯「ふぇ?」
老婆「これはね、包んだものを複製できるふろしきなんだよ」
唯「ふくせい?」
老婆「そう、複製。コピー。お嬢ちゃん、髪留め貸してごらん」
唯「?……はい」
老婆「いくよ…」
サッ
唯「おぉ~…」
老婆「すごいでしょう?」
唯「すすごいけど…なんか怖いな」
老婆「あはは、そう怯えなくていいよ」
186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:27:14.34 ID:ow3tRZEp0
老婆「お嬢ちゃん」
唯「?」
老婆「このふろしき、お嬢ちゃんに持っていてほしいんだ」
唯「え!?」
老婆「シーッ、これは内緒だよ」
唯「ででもなんて私に?」
老婆「普段から頑張っているご褒美だよ」
唯「頑張って……う~ん」
老婆「そのふろしきを、世のため人のために役立ててくれ」
唯「う、うん」
老婆「ただし、そのふろしきのことは1人にしか言ってはいけない。いいね?」
唯「え……うん」
老婆「2人以上に言ってしまったとき、そのふろしきは消えてしまう…」
老婆「頼んだよ……」
唯「え」
187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:30:12.60 ID:ow3tRZEp0
唯(消えちゃった……)
唯(なんか不気味~…帰ったら憂に相談しよう)
唯(あ、1人だけだから…うん、やっぱり憂だよね妹だし)
―――
唯(何を増やそうかなぁ)
唯「ただいまー」
憂「おかえり、お姉ちゃん♪」
憂「今日はハンバーグだよ」
唯「ふおおお待ってました!!」
憂「うん♪早く着替えてきてね!」
唯「了解!」
唯「んあと、憂に見せたいものがあるんだ~」
唯「あとで見せるね」トテトテ
憂(…?)
188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:33:19.27 ID:ow3tRZEp0
―――
唯「ゴッツァンデス!!」
憂「お姉ちゃん食後のアイスあるよ~?」
唯「食べる~」
唯「あ!そうだ!うい~見てみて~」
憂「なあに?」
唯「テテテテン♪まほうのふろしき~」
憂「な~に~?手品?」
唯「見てなさいって!」
唯「ここにアイスがありま~す」
唯「これを~…はっ」
サッ
どん
唯「増えました~」
190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:37:46.85 ID:ow3tRZEp0
憂「えっ…すっすごい!!お姉ちゃん!!!」
唯「でしょお~」エヘヘ
憂「どうやってるのー!?」
唯「これで覆って……わん、つ、すりー!」
サッ
どん
憂「わぁ…すご~い!!」
憂「どこにアイス隠してるの!?」
唯「隠してないよ、ほんとに増えてるんだよ~」
憂「教えてよ~お姉ちゃん」
唯「教えてほしい!?」
憂「うん!!」
唯「ほんとにぃ!?」
憂「ほんとに!!」
憂(はぁ~かわいいなぁお姉ちゃん)
191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:39:47.25 ID:ow3tRZEp0
唯「実は、本当に増えているのです!」
憂「お姉ちゃん!」
唯「ほんとだって」
憂「もう…」
唯「ほんとのほんとだよ?」
唯「じゃあ裏側から見てみて」
憂「うん」
唯「いくよ」
サッ
どん
唯「ほら」
憂「…」
憂「お姉ちゃん…」
193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:42:30.57 ID:ow3tRZEp0
憂「…」ゴシゴシ
憂「夢?」
唯「夢じゃないよ!!じゃ、ういやってみ!!」
憂「こう?」
唯「うん、それで覆ってサッとひく」
憂「よし」
サッ
どん
憂「ほんとだぁ…」
唯「でしょお~」
憂「これ…なんなのかな?」
唯「?ふろしきだよ」
憂「う、うん、でも」
憂「なんでも増やせちゃうのかな?」
194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 18:47:03.40 ID:ow3tRZEp0
唯「う~ん…何でも、ねぇ」
憂「この食器も増やせちゃうかな」
唯「やってみて~」
憂「う、うん」
サッ
どん
憂「増えた…使った状態で」
唯「すごいね~」
憂「……お姉ちゃん…」
唯「なぁに?」
憂「お金も…増やせちゃうのかな…」
唯「え!?」
憂「い、いや、そこの貯金箱が目についただけだから……」
唯「……憂…てんさいかも」
200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:09:50.34 ID:ow3tRZEp0
唯「貸して貸して!」
憂「うん」
唯「貯金箱を覆って~」
サッ
どん
唯憂「増えた…」
唯「ふおおおおおおおおおおお!!!!!!」
唯「憂!!やったよ!!!大金持ちだよ!!!!」
憂「うん!!!」
憂「……でも、なんかバチが当たりそうかも…」
唯「あ、そうそう、たしかね、世のため人のために使えって言ってた」
憂「誰?」
唯「おばあさん」
憂「おばあさん!?」
202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:13:59.56 ID:ow3tRZEp0
憂「このふろしきはおばあさんから…?」
唯「そうそう、くれるって~」
憂「こんなものもらっていいのかな…」
唯「頑張ってるご褒美だって」
憂「ちょっと怖いね…」
唯「悪いことに使わなければ大丈夫だよ!」
憂「そ、そうだよね」
唯「うひょおお!!じゃあ貯金箱コピーしまくろ~~!!」
憂「…」
唯「それっそれっ」
ササッ ササッ
どん どん
唯「おほほほほ~~」
憂「…お姉ちゃん///」
唯「ふぇ?」
203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:18:29.05 ID:ow3tRZEp0
憂「その中…5円玉とか10円玉しか入ってないから///」
唯「おおお!!確かに!!」
ガサゴソ
唯「じゃあこの1万円札をコピーしよう!!!」
憂「うん///」
唯「さすが憂!!私の妹!!」
ササッ ササッ
・ ・ ・ ・
唯「……うい…」
憂「お姉ちゃん…」
唯「これが…100万円…!!」
憂「うん…!」
唯「うい…叩いて」
憂「へっ?」
206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:21:59.89 ID:ow3tRZEp0
憂「これがええのんか~」ペチペチ
唯「ああん…もっとぉ~」
憂「ええのんか~」ペチペチ
唯「ああん…」
憂「お姉ちゃん」
唯「もっとぉ」
憂「もういいよお…」
唯「憂のいじわる!」
憂「そ、そんな」
憂「ええのんか~」ペチペチ
唯「あはん…」
・ ・ ・ ・ ・
唯「あ」
憂「ん…」
207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:25:12.67 ID:ow3tRZEp0
唯「憂、起きて!!もう朝だよぉ」
憂「はっ」
唯「寝ちゃってたね~」
憂「いけないっ!早くお弁当作らないと」
唯「いいよぉ~」
憂「え?」
唯「ほら」チラチラ
憂「あ…あ~」
唯「買っていくよ」
憂「ごめんね…」
唯「ううん、全然いいよ」
憂「パンでいい?」
唯「うん!」
唯「今日から大金持ち♪」
208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:31:25.61 ID:ow3tRZEp0
―――――――
―がっこう
憂「~♪」
純「おっおはよ、憂」
憂「純ちゃんおはよ~♪」
純「なんか超機嫌よさそうだね、憂」
憂「そうかな~」
純「そんなことよりさあ、知ってる?今朝のニュース」
憂「え?」
純「ラーメン屋に、『子どもたちに食べさせて~』って100万円おいてったおっさんが来たんだって!」
憂「へ~…すごいねぇ」
純「すごいよね~」
純「でもさ、そんなこと普通すると思う?その100万円実は偽札なんじゃないかって私は踏んでる」
憂「…へ、は、ははは、ありえるかも…」
純「でしょ!」
209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:36:12.77 ID:ow3tRZEp0
憂(すっごいヤバいかも…)
憂(そういえばお札って…)
憂「…偽札かあ~」
純「なんか怪しい中国人がいっぱい作ってるっていうじゃん!」
憂「あはは…」ガサゴソ
『1万円』
純「あっ憂なんで1万円なんて持って」
憂「純ちゃんしっ!」
純「…う、うん、どしたの?」
憂「…お姉ちゃんのお誕生日プレゼント買いに行くんだぁ…」
純「唯先輩もうすぐなの?」
憂「え?…いや、まだだけど早めにね」
純「憂は優しいな~」
憂「あはは…」
憂(番号が…あるんだ)
210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:40:44.46 ID:ow3tRZEp0
憂「純ちゃんごめん、ちょっとトイレ行ってくるね」
純「えっじゃあ私も~」
憂「いや!!大丈夫だよぉ~!絶対だいじょうぶ!!全然!!」
純「?…私は大丈夫じゃ」
憂「大丈夫!すぐ帰ってくるよっ!!」ダダッ
純「…?」
・ ・ ・ ・ ・
憂(私は購買で買うつもりだったから大丈夫だけど)
憂(朝お姉ちゃんは買っていくって……)
憂(お姉ちゃんがもし買ってたらお姉ちゃんと外国に……)
憂(お姉ちゃん!!買ってないで!!!)
憂「はぁはぁ」
ガラッ
216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:52:52.01 ID:ow3tRZEp0
唯「あっうい!」
憂「お姉ちゃん!!」
唯「ちょうどよかった~~憂に言い忘れてたことがあるんだ」
憂「?」
唯「あのふろしきのことは、二人の秘密ね」コソコソ
憂「うん///わかった」
唯「じゃそーゆーことで」
律「お二人さ~ん仲好さそうだね~」
澪「はは、うらやましいな律」
律「え?聡とはそんな…」
憂「あ、お姉ちゃん!」コソ
唯「ん?」
憂「そのお札もう使った?」コソ
唯「そうそう、朝ね買うの忘れちゃったんだぁ~」
憂「良かったぁ………そ、それでね、そのお札、絶対使っちゃだめだよ!」コソ
218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 19:59:36.99 ID:ow3tRZEp0
唯「なんで?」コソ
憂「お札には番号が書いてあるから、何枚も使うとバレちゃうんだよ」コソ
唯「…ほう……じゃあ一枚だけなら大丈夫かな?」コソ
憂「あっ……そうだけど…念のためやめておかない?」コソ
唯「う~ん……でも…私今日これしか持ってない」コソ
憂「私の使って!」
唯「そしたら憂の分は」
憂「私は大丈夫だから!!」
唯「えっ」
憂「じゃ、また後でね!!」ダッ
律「唯、憂ちゃんから何のお金もらってたんだ?」
唯「いやぁ~お昼代だよぉ~」
澪「それ、憂ちゃんの財布だよな…」
唯「あはは……」
律「……憂ちゃん大変だな~こんな姉で」
219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 20:06:58.82 ID:ow3tRZEp0
・ ・ ・ ・ ・
憂「…」
純「うい、お昼は?」
憂「忘れちゃって…エヘヘ」
純「お金は?」
憂「忘れちゃった」
純「あのいちま」
憂「お金無いんだ!!アハハ…」
純「そうなんだー」ビク
梓「憂らしくない」
純「ドーナツ食べる?一口しかしてないけどあげるよ」
憂「ありがとー純ちゃん!いつかお返しするね」
純「うん!すーぱーおーるすたーぱっくね!」
憂「いいよ~♪」
純梓(まじかよ…)
222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 20:57:26.92 ID:ow3tRZEp0
唯「じゃごめん!今日は先帰るね!!」
律「うぃー」
澪「…いつもと違う感じがしたな」
律「ね!私もそう思った!なんというか遠足の前の日みたいな」
澪「すごい嬉しそうだったよな」
律「宝くじでも当たったんじゃね?」
澪「はは、まさか…。それにあの唯なら当たったらなんか言うだろ」
律「それもそうだなー。でも憂ちゃんに口止めされてるとか」
澪「でも宝くじあたったらお昼代くらい持っててよさそうだよな」
律「確かにwまあそんなこと無いってことよ!部室いこーぜー」
225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 21:18:08.84 ID:ow3tRZEp0
―平沢家
憂(社長椅子に座ってるお姉ちゃんかわいい///)
唯「さぁ…はじめようか、ういくん」チョコン
憂「はじめましょう、お姉ちゃん//」
唯「お姉ちゃんじゃないよ、社長だよぉ」
憂「しゃ、しゃちょう、今後はいかがいたしましょうか//」
唯「見たまえ憂君」ヒラッ
憂「これは…今月の携帯代金」
唯「違うよ!今月の売り上げだよぉ」
憂「……お姉ちゃん…そろそろほんとに始めようよ」
唯「うん//」
227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 21:24:43.02 ID:ow3tRZEp0
憂「じゃあお父さんの部屋に返してきてね、その椅子」
唯「終わったら~」
憂「うん。じゃあまずは…反省会!」
唯「1万円が使えなかったのは想定の範囲外でしたっ」
憂「そうだね…。お札に番号が書いてあるのすっかり忘れてたよ」
唯「普段気にしないもんね。にしても使わなくて良かったよかった」
憂「うん♪……でも、なんだかふりだしからだね」
唯「うん~まあゆっくりやろ~」
憂「この1万円札の束は捨てるとして……やっぱりお金を増やすのはやめとく?」
229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 21:30:01.45 ID:ow3tRZEp0
唯「ふっふっふ」
憂「なに?」
唯「小銭は番号が書いてないのだよ。ういくん」
憂「そういえば……。お姉ちゃんさすがっ」
唯「というわけで、500円玉を増やそう!」
憂「どこかバレそうなところは……」
唯「ないよぉ~。番号も無いしね」
憂「うん。じゃはじめよっか」
230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 21:37:35.51 ID:ow3tRZEp0
憂「あ、私持ってなかった」
憂「お姉ちゃん500円玉持ってる?」
唯「えっと……はい」
憂「ありがと♪」
憂「これを増やせば…」
唯「私たち今度こそ大金持ちだよお!!」
憂「うん!!」
唯「じゃあコピーしよおー!!」
憂「おー!!」
231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 21:41:26.11 ID:ow3tRZEp0
憂「その前に……」ジーッ
唯「どしたの?」
憂「お姉ちゃん、ここは抜かりなくいこうね」
唯「ふぇ?どういうこと?」
憂「まずはこの500円玉が本物かどうか見極めないと」
唯「え!?憂わたしが偽物渡したと……」
憂「ううん、そんなんじゃなくて、お姉ちゃんが気づかないうちに偽物もらってるかもしれないじゃん?」
唯「なるほどぉ」
憂「1万円の時も結局気づかなかったし、注意深くいかないとね」
唯「さすがぁ憂……私の妹」
232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 21:46:03.11 ID:ow3tRZEp0
憂「抜かりなく……っていうのも何だか変かなぁ」
唯「世のため人のために使うんだからね!全然悪くないよ私たち!」
憂「う、うん!そうだよね!」
唯「じゃあ憂くん、点検してくれたまえ」
憂「はい、社長」
憂「…とはいうものの、一枚だけじゃ本物か偽物か分からないんだよね」
唯「もう一枚あるよ、はい」
憂「あ、ありがとうお姉ちゃん」
唯「社長!」憂「社長」
234: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 21:52:26.27 ID:ow3tRZEp0
憂「あれ…?この500円玉、周りにぎざぎざがないなぁ」
唯「どれどれ……ほんとだ」
憂「危なかったぁ……」
唯「ゴクリ……」
憂「…そもそも500円玉って周りにぎざぎざあるのかな?」
唯「えっとね……はい、もう一枚」
憂「この500円玉にもぎざぎざがない…」
唯「じゃ、このぎざぎざがあるのが偽物だな!!」
憂「…かなぁ」
238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 21:57:51.07 ID:ow3tRZEp0
憂「念のため、500円玉もう一枚確認しておこうよ」
唯「……ん~でももうないや」
憂「そっかぁ~。じゃあ明日銀行に行ってもらってこようかな」
唯「え~~~じゃあ今日はやらないの~?」
憂「うん…。牢屋に入るの嫌でしょ?お姉ちゃん」
唯「絶対嫌です……」
憂「銀行でもらうのが一番安心だと思うから…ね」
唯「うん…」
憂「じゃ、また明日にしよう?」
唯「うん!」
240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:10:14.52 ID:ow3tRZEp0
―次の日の夜
唯「さぁ…憂くん、れいのぶつを見せたまえ」
憂「はい社長、これです」
唯「ぬおお、ぎざぎざがあるのが本物だったか」
憂「はい、やっぱり昨日やってなくて良かったですね」
唯「さすがだよ、憂くん、私の妹」
憂「ありがとうお姉ちゃん」
唯「社長」憂「お姉ちゃん、もうやめない?社長ごっこ」
唯「くぅ…憂のいけず…」
245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:15:08.54 ID:ow3tRZEp0
唯「じゃ~ぱっぱとコピーしていこ~!!」
憂「お~!!」
ササッ ササッ
どん どん
・ ・ ・ ・ ・
憂「これで256枚だよ」
唯「結構……重いね」
憂「そうだね…」
246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:20:35.03 ID:ow3tRZEp0
唯「256枚ってことは何円かな」
憂「500×256だから…12万8000円だね」ポチ
唯「このぶたさんが12万8000円……」ジャラ
憂「じゃあ明日、これ銀行に持っていくね」
唯「なんで?」
憂「500円じゃ使いにくいからお札に交換してもらうよ」
唯「あそっか。その方が良いね確かに」
憂「ちょうどいいから6枚だけ抜いておこうかな~これで12万5000円」
唯「…でも憂さ、ちょうどいいお金だと怪しまれないかな?」
憂「それぐらいは大丈夫じゃないかなぁ…」
憂「でもそうだね…念には念を入れて」チャリン
247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:25:28.00 ID:ow3tRZEp0
唯「ふふふ…楽しみ~」
憂「……あ、これをコピーすれば次も楽だね」
唯「おお!確かに」
ササッ
どん
唯「ぶたさん2号……これで25万6000円?」
憂「うん!」
憂「まったく同じだと怪しまれそうだから…ちょっと傷つけておこうかな」カリ
唯「ああっぶたさん2号」
248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:31:03.90 ID:ow3tRZEp0
―数週間後
憂「はぁ…」
憂「やっと1000万円だね…!」
唯「うん!これで1024万円かな?」
憂「いろんな銀行回ったし貯金箱も変えたから…」
憂「完璧だよ……お姉ちゃん」
唯「うい~~ご苦労様~~」
憂「うん♪」
憂「……でも結構疲れるね…お金運ぶのって」アハハ…
249: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:34:44.00 ID:ow3tRZEp0
唯「そぉ?」
憂「うん…でも大丈夫だよ」
唯「無理しないでね」
憂「うん、ありがとうお姉ちゃん」
唯「さぁこの1000万…なにに使おうか」
憂「お姉ちゃんが決めていいよ~」
唯「う~ん…1000万円って何ができるのかな~」
憂「そうだねぇ」
253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:41:45.19 ID:ow3tRZEp0
唯「あっ!!うい!!私あれやりたい!!」
憂「あれって?」
唯「えーっと」
唯「EX?だっけ」
憂「FX?」
唯「そうそれ!!」
唯「この間テレビでやってたんだよ!!FXで大金持ちになった女の人」
憂「へ~……でもお姉ちゃん、FXって何だか知ってるの?」
唯「さぁ?」
憂「……」
254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:49:20.43 ID:ow3tRZEp0
唯「…でもでも、パソコン使って簡単にできるんだって!!」
唯「私にもできるよ!!たぶん!」
憂「私もよく知らないんだけど…大丈夫かなぁ」
唯「試しにやってみよ~よ~」
憂「でもお姉ちゃん、FXでもし大金持ちになったとして、何したいの?」
唯「ん~~」
憂「それに、よく知らないけど大金持ちになれるのはやっぱり極少数の人だと思うよ」
唯「そうかなあ」
憂「そうだよ、多分」
唯「やっぱやめておこっかな」
憂「うん♪」
255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 22:54:12.68 ID:ow3tRZEp0
唯「そうだ!憂は何したいの?憂がほとんど銀行行ってくれたんだし、決めていいよ」
憂「えっ…そう?じゃあね……」
ぐ~~
憂「お…お姉ちゃん」
唯「あはは~お腹すいちゃった」
憂「あっ!じゃあなんか出前でも頼むのはどお?」
唯「いいね~!!私ピッツァがいい!ピッツァ!!」
憂「お姉ちゃん発音良いね…」
唯「へへ~」
256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 23:02:49.23 ID:ow3tRZEp0
―数週間後
憂「これで…大体2000万円だね」
唯「なんか増やすだけで全然使ってないね~」
憂「結構疲れる割には…あんまり増えないというか…」アハハ…
憂「贅沢いっちゃいけないけど…」
唯「…そろそろ次の段階に進む時期なんじゃないかな!?」
憂「え?」
唯「もっとガッポリ増えるやり方を探そうよ!!」
憂「う~ん…なにがあるかな~…」
唯「新聞を見て探します!」
257: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 23:12:49.29 ID:ow3tRZEp0
唯「うい!!うい!!見て!!」
憂「なあにお姉ちゃん」
唯「これ!!どうかな!!?」
憂「えーっと…
『世界共通の価値観を持つ希少な実物資産・金で、
あなたの着実な資産形成を強力にバックアップ』…」
唯「そうだよ!!金だよ金!金をコピーして売ればいいんだよ!!」
憂「なるほど…」
唯「いい案じゃない!?」
260: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 23:35:29.62 ID:ow3tRZEp0
憂「いいかも…」
唯「目安は…1kg350万円……金すご」
憂「でもお姉ちゃんこれ、上のほうに書いてある」
唯「『A0001』…何かの番号?」
憂「うん…多分これは1万円札と同じような番号じゃないかな」
唯「そうなると…バレる?」
憂「それ自体の価値は変わらないんだけどね…」
憂「これがきっかけでバレるかも」
唯「じゃあさ、闇取引みたいなところに持っていけばいいんじゃない!?」
憂「怖いよぉお姉ちゃん」
267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 23:53:01.40 ID:ow3tRZEp0
憂「それにこれ…
『ご売却される場合は、ご本人様を確認できる書類(運転免許証・健康保険証など)
を一緒に窓口にご提出ください。』
」
憂「これじゃあね…」
唯「学校で誰かから借りてくるよ!保険証!」
憂「絶対だめ!!」
唯「ちぇ」
憂「お姉ちゃん」
唯「ふぇ?」
憂「やる?FX」
270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/09(月) 23:57:27.26 ID:ow3tRZEp0
唯「え?いいの?」
憂「この辺の銀行ほとんど廻ったし…」
憂「もう疲れちゃったから…」
唯「うい…」
憂「それにね、私そんなにお金なくてもいいし」
唯「うん…」
憂「だからお姉ちゃん好きなことしていいよ、でも」
唯「でも?」
憂「やるとしてもせめて半分の1000万円までにしてね」
272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 00:01:27.18 ID:Y3iM8UUz0
―数日後
唯「準備できたー!とりあえず100万円ではじめてみるよ!!」
憂「ひゃ…ひゃくまん」
唯「うん!大丈夫大丈夫」
唯「これなくなったらもうやめる!」
憂「う、うん…」
唯「じゃあいくよぉ~」
ポチ
憂「…わぁ…すごいねお姉ちゃん…とれーだーって感じ」
唯「でしょでしょ~!」
273: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 00:17:31.52 ID:Y3iM8UUz0
唯「このゆーえすでぃーを…いけるまで買う」
憂「お…お姉ちゃん大丈夫?」
唯「大丈夫大丈夫、これがこの辺まで上がったら売ればいいだけだよ」
憂「お姉ちゃん…なんか赤い表示でてるけど」
唯「ればれっじ…50?」
憂「ほんとに大丈夫?」
唯「大丈夫でしょお、だってほら上がってるし」
憂(なんか不安だなぁ…)
憂「…お姉ちゃん、USDって何だか分かってる?」
唯「さぁ?」
憂「アメリカ・ドルじゃない?」
唯「おお~ドルを買ってたのか~」
275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 00:23:56.00 ID:Y3iM8UUz0
唯「おっなんかすごい上がってる」
唯「ああっ!」
憂「どしたの!?」
唯「ごめん!トイレ!憂上がったら売っといて!!」タッタッタ
憂「え…え…?」
憂「すごい上がってる…成行注文?でいいのかな」ポチ
どん
+300,000
憂「どういうことだろう…」
276: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 00:39:47.14 ID:Y3iM8UUz0
―数週間後、平沢家
純「な~に~?」
憂「純ちゃんの要望にお応えして」
憂「はい♪」
どーん
純「スーパーオールスターパック…しかも10箱」
梓「なにこれ…」
憂「あれ?ダメ…?」
純「だめじゃないだめじゃないよ……けどさ」
梓「なんでこんなに買ったの…?」
284: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 00:57:29.92 ID:Y3iM8UUz0
憂「えっとね…」
――
―――――
唯「うい…」
憂「どどうしたの!?お姉ちゃん」
唯「責任をとって辞任します…」
憂「辞任!?なにを!?」
唯「お姉ちゃんを辞任します……先に生まれてきてごめんなさい」
憂「なっ何言ってんのお姉ちゃん…」
286: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 01:06:34.16 ID:Y3iM8UUz0
唯「う~い~~!!やっぱりだめだった…もうほとんどない…」ポロポロ
憂「うん…そうなるかな~ってちょっと思ってたよ…」
唯「…本当にごめん憂、せっかく何度も銀行に行って……とってきてくれたのに」グス
唯「一週間で失くすなんて…どう謝ったらいいか」ポロポロ
憂「…ううん、私は良かったって思うよ」
唯「…なんで?……」
憂「だって―もとはふろしきから出て私が銀行と家往復しただけで、実際は無いようなお金だし」
憂「それに一応まだ1000万円残ってるし」
憂「私もお姉ちゃんを見て、やっぱりそんなに上手く行かないなって思えたから」
憂「ふろしきで覆って私が往復しただけでそんな経験ができちゃったわけだから」
憂「これもこれで成功だよ!」
唯「うい~~ごめん…」ボロボロ
憂「よしよし」ナデナデ
287: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 01:11:04.17 ID:Y3iM8UUz0
―――――
――
憂「ふふっ、まあ秘密かな♪」
純「え~~、こんな買うのに何円かかると思ってんの!!」
梓「それは気になる……憂はなんでそんなに…」
憂「バイトして貯金してたから…」
憂「日頃二人への感謝の気持ちも込めてね!」
純梓「…」
純「ありえない、それはありえないぞ」
純「ラーメン屋に100万おいてくのと同じくらいありえない」
憂「そうかな?」
288: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 01:15:49.92 ID:Y3iM8UUz0
純「そうだよ!!あり得ないよ!!」
純「……あっ、もしかしてぇー」
憂「?」
純「偽札使ったな~!?憂!!!」
憂「えっ//」
唯憂お金持ち編 -唯FX失敗パート-
完
312: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 10:01:49.00 ID:Y3iM8UUz0
>>275分岐
―数週間後
唯「憂、見たまえ」
憂「なぁに?おねえちゃん……」
『損益合計:+100,000,000』
憂「損益……」
憂「いち、じゅう、ひゃく…ひゃくまん、いちおく……1億円!?」
唯「はっはっはっは」
憂「おおおねえちゃん」
唯「ついに億万長者だよ!!うい!!!」
314: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 10:09:32.92 ID:Y3iM8UUz0
憂「どうしてこんなことに…」
唯「嬉しくないの?憂。億万長者だよ!」
憂「まさかこうなるとは思わなかったよ…」
唯「う~い~ひどいよお~」
憂「ごめんごめんお姉ちゃん。……で、まだ続けるの?」
唯「当たり前だよ憂!!この際びるげーつ目指すよ!」
憂「ビルゲイツ?」
唯「そうそう!!ビルゲイツ!!!」
唯「それにさ、いっぱいお金があれば、お父さんももう働かなくていいし」
唯「お父さんとお母さんと憂と私で色んなところに遊びに行けるよ!!」
憂「お姉ちゃん…」
315: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 10:15:52.35 ID:Y3iM8UUz0
唯「好きなものも何でも買えるし~~私社長になろっかなぁ~」
憂「社長!?お姉ちゃん会社作るの?」
唯「うん!!その時は憂は社長②ね!」
憂「えっ…私はお姉ちゃんの秘書でいいよ…ってお姉ちゃん」
唯「ふぉ?」
憂「何の会社作りたいの?」
唯「何の?会社は会社だよ憂」
憂「会社ってお姉ちゃんなんだと思ってるの?」
唯「私が社長で……会議したりするの」
憂「あはは…」
316: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 10:23:00.48 ID:Y3iM8UUz0
―数週間後
唯「ふ~~」
憂(家に帰るとずっと8台の画面と睨めっこしてるお姉ちゃん…)
憂「お姉ちゃ~ん…お茶入ったよ」
唯「おお、ありがとうい」
憂「調子はどう?」
唯「うん順調かな~♪」
憂「あんまり無理しないでね」
唯「うん、ありがと」
317: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 10:28:00.86 ID:Y3iM8UUz0
・ ・ ・ ・ ・
唯「憂、私決めたよ…」
憂「何を?」
唯「私、これからは世のため人のためにこのお金を使うことにするよ」
唯「その第一歩として、学校卒業したらまずは会社を作る」
憂「お姉ちゃん…」
唯「それでね、私がでざいんした服を売る!」
憂「デザイン!?すすごいねお姉ちゃん」
唯「みてみて!これが第1作だよ」
319: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 10:52:35.73 ID:Y3iM8UUz0
唯「じゃん!」
『http://nagamochi.info/src/up28205.png』
憂「わぁ…」
唯「どおかな!?」
憂「うん……すごい独創的だと思う!」
唯「でしょお~~!みんな買ってくれるかなぁ~!?」
憂「うん!きっと売れるよ!!」
唯「ふふふ~早く会社作って売り出すんだぁ~」
憂「私も応援してるよ!」
唯「うん!!ありがとおうい」
320: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 10:56:38.33 ID:Y3iM8UUz0
―学校
律「唯、なにニタニタしてんだよ」
唯「ふふふ、りっちゃん、私のサインもらうなら今のうちだよ」
律「はぁ?何言ってんだか…」
澪「なんかあったのか?」
唯「秘密だよぉ。でも、いつかみんなにすんごいお返しするから!待っててね!!」
紬「え~なんだろ~♪」
律「はは…何考えてるんだか。期待しないで待ってるよ」
唯「期待してていいよ!」
326: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 11:18:55.78 ID:Y3iM8UUz0
―2年後
唯「よし…憂!!」
憂「いよいよ始まったね…お姉ちゃん」
『
社名 :株式会社てぃーたいむ
英文表記:TeaTime co.,ltd.
所在地 :桜が丘1-12-1
設立 :2012年11月27日
業種 :アパレルなど
資本金 :100,000,000円
従業員数:2名
代表 :平沢唯
主要株主:平沢唯(90%)、琴吹グループ(5%)
』
327: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 11:23:48.85 ID:Y3iM8UUz0
唯「よし!!憂、今の状況を教えて!」
憂「えっとね、今は…第1作目を作ってもらってるところだよ」
唯「ふふふ……楽しみ~」
唯「あ、憂?」
憂「なに?」
唯「色んな手続き全部やってくれてありがとお~」
憂「どういたしまして!でも私もいい勉強になったよ」
唯「今度いろいろ教えてね」
憂「うん!!でもお姉ちゃんは座ってるだけでもいいよ?」
唯「退屈だよお」
328: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 11:33:13.27 ID:Y3iM8UUz0
唯「なんか退屈だねえ~」
憂「お姉ちゃんは新しいデザイン考えてなよ!」
唯「お!そうしよ」
憂「あと、お姉ちゃんが寝かしてる株なんだけど」
唯「うんうん、もう面倒くさくなってやめたんだけどね」
憂「配当金がだいたい500万円/年くらいになるよ」
唯「ふーん……憂まかせたよお~その辺は」
憂「ふふふ、お姉ちゃんが頑張ったおかげだね」
唯「でしょお」
憂「シャツ売れるといいね♪」
329: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 11:38:19.09 ID:Y3iM8UUz0
―数週間後
唯「憂!!どお!?私のシャツ!!」
憂「えーっとね…」(う~ん…芳しくないなあ)
憂「ごめんお姉ちゃん、まだあんまりだね……」
唯「え~~……」
憂「大丈夫だよ!多分、まだみんなよく知らないんだよ、このシャツの良さが」
唯「う~~ん…そうだよねえ」
憂「宣伝いっぱいすれば売れるようになるよ!!」
唯「うん…お願いね憂」シュン
憂(ああ…お姉ちゃんの元気がない…どうにかしないと)
331: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 11:42:25.89 ID:Y3iM8UUz0
憂「お姉ちゃんも、けいおん部の皆さんに売り込んでみたら?」
憂「口コミも大事だっていうじゃん」
唯「おっ!確かに。さっそくみんなに渡してこよ~」
憂「うん!いってらしゃい」
唯「じゃ~ね~」
・ ・ ・ ・ ・
憂(ムギさんにもお願いして宣伝協力してもらおう…)
憂(多分これで売れるはず…でも、それでもダメだったら)
憂(…工作しかないよね…)
333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 11:46:22.07 ID:Y3iM8UUz0
―喫茶店
唯「みんな久しぶりっ!」
澪「おお!唯久しぶり!」
律「久しぶりだな~。うまくいってんの?」
唯「う、うん!!そそ、澪ちゃんとりっちゃんにもプレゼント」
律「なんだこれ?」
澪「ハネムーン?」
唯「そう!!私の第1作だよ!!」
律「すごいセンスだな~しかし」
澪「これは商品?」
唯「そうだよお!何枚でもあげるから欲しかったら言ってね」
334: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 11:53:01.90 ID:Y3iM8UUz0
澪「はは、ありがとう」
律「でもこれ、本当に売れてんのか?」
澪「随分と突飛なデザインだもんな…てか真ん中にこれだけだし」
唯「えっ…実はあんまり」
律「だろうな…だって、こんなの自分で買おうと思うか?普通」
澪「う~ん……でもまあ唯が頑張りは伝わるよ」
唯「うう…澪ちゃんありがと」
律「あっ!私も悪いとは思ってないから!」
唯「うん…りっちゃんもありがとう…」
唯「…そっかあ…だめかなあ」シュン
336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 11:58:46.95 ID:Y3iM8UUz0
―事務所
憂「どうですか…」
紬「う~ん…とりあえず広告は出してみるわね」
憂「あ、ありがとうございます」
紬「でもこのセンスが理解されるかどうか…」
憂「う~ん…シンプルで可愛くて悪くないと思うんだけどなぁ」
紬「うん、まだ判断を下すには早いわ」
憂「はい…」
紬「でも…もしの話だけど、もし今後もダメだったら早くやめた方がいいよ」
紬「唯ちゃんも憂ちゃんもなにもしなくても生活できる資産があるんだから」
紬「言っちゃあなんだけど…遊びみたいなものでしょ?」
憂「まぁ…そうなんですが…」
338: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 12:45:26.49 ID:Y3iM8UUz0
―数週間後
憂(言ったほうがいいかなぁ…)
唯「…憂くん、あのシャツの売り上げはどうかね」
憂「あ、はいっお姉ちゃん」唯「社長」憂「社長、」
憂「…宣伝の効果が出るまではあまり……」
唯「やはり……予想はしていたのだよ」
憂「えっ」
唯「ちょっと手を抜いた気もしたんだ、あのでざいんは」
憂「なんでよ!」
唯「えっ」
339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 12:50:23.28 ID:Y3iM8UUz0
憂「私はいいと思ったのに……全然手抜きじゃないよ」
憂「お姉ちゃんの頑張りが伝わってきたよ」
唯「そ…そお?えへへ…うん、実は手を抜いてませんっ!」
憂「うん♪」
唯「…でねでね、新しいのも用意できました!!」
憂「見せて見せて!」
唯「ふふ…ちょっと待ってね」ガサゴソ
唯「はいっ!」
『http://nagamochi.info/src/up28212.png』
341: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 12:53:55.27 ID:Y3iM8UUz0
憂「うん…お姉ちゃんの世界って感じだね~」
唯「でしょお!今度こそ成功するよ!!」
憂「うん!!宣伝もいっぱいしておくね」
唯「ありがとね、うい」
憂「ううん、頑張ろうね!」
唯「……あ…なんか頑張ってるの憂だけだよね…」
唯「ごめんね、なにもできなくて」
憂「全然平気だよ。これがお店に並ぶのも楽しみだね~」
唯「ね」
343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 12:58:24.74 ID:Y3iM8UUz0
―数週間後
憂(う~ん…宣伝もいっぱいしてるんだけどな~)
憂(なかなか伸びないなぁ)
唯「憂!?売り上げどお!?」
憂「えっ…まだ出てないよ」
唯「なんだ~…」
唯「でもね、今回は期待してていいよ!売れるよ!絶対!」
憂「えっ…うっうん!そうだよね!!」
憂(…ここまできてお姉ちゃんを悲しませるわけにはいかない)
憂(もう一つしかない)
344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 13:05:26.50 ID:Y3iM8UUz0
―事務所
憂(都内にあるお店ほとんどを廻って買い占めてきた…)
憂(なんか悲しいけどしょうがないよね)
憂(それに製造費はほぼ無いから会社の収益にもなるし)
憂(あとは…ネットショップからも)
憂(amazonで1000枚注文っと)
唯「お~私のシャツがこんなに」
憂「うん!人気でいっぱい注文が来てるんだよ!!」
唯「ふっふっふ…楽しみだね」
345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 13:09:43.52 ID:Y3iM8UUz0
―数週間後
憂「お姉ちゃん!!」
唯「どったの~?」
憂「すごいよ!!シャツ!!大ヒットだよ!!」
唯「ほんとに!?よっしゃあーー!!」
憂「あと、いくつかの出版社から取材申し込みが来てるけど…」
唯「取材!?やるやる!!」
憂「お姉ちゃんは受けるんだよ」
唯「受けるよ!!」
憂「あ、でもお姉ちゃん気を付けないといけないことが」
346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 13:13:07.11 ID:Y3iM8UUz0
唯「なぁに?」
憂「あのふろしきのことだよ…覚えてる?」
唯「もちろん!!」
憂「あのふろしきは二人だけの///秘密…だからね!」
唯「分かってるよぉ」
憂「大丈夫だとは思うけど、いろいろ聞かれてもよく考えてから喋ってね」
唯「んも~ういは心配性だな~」
憂「お姉ちゃん…私はお姉ちゃんのことを」
唯「はいは~い」
憂「お姉ちゃん…」
349: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 13:47:09.74 ID:pILkRiM4O
唯「たからくじ!」
350: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 13:53:01.56 ID:pILkRiM4O
音楽室
梓「やっぱりムギ先輩が入れた紅茶は美味しいですね」
律「だよなー他の奴が入れてもこの味は・・・って何してんだ唯」
唯「宝くじだよー!スクラッチ!」
ムギ「宝くじとかもったいない・・・」
澪「ムギの言うとおりだ。当たるわけないんだしお金の無駄だろ」
唯「でも100万円だよ!夢は大きく持たなきゃ!」
澪「やれやれ。お茶終わったらするか」
唯「あ、500円当たった!」
351: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 13:56:02.58 ID:pILkRiM4O
練習終了
唯「ふへー、もうくたくただよ~」
澪「今日はいつになくみっちり練習できたな!」
梓「明日もこの調子で行きましょう!」
律「ち、ちょっと勘弁してくれよ~!」
ムギ「明日はもっとまったりしましょ!!」
唯「ムギちゃんの言うとおりだよ!こんなのけいおん部じゃないやい!」
澪「・・・おい」
353: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:02:57.53 ID:pILkRiM4O
帰り道
律「そう言えば唯宝くじ当ったのか?」
唯「うん!500円も当たっちゃったんだよ!!」
ムギ「いくら分買ったの?」
唯『えっとね~5枚だから、1000円!」
澪「じゃあ赤字じゃねーか」
唯「それでも一時の楽しみと夢が買えたからいいんだもん!」
梓「ははは。唯先輩らしいですね」
362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:23:43.39 ID:Y3iM8UUz0
憂(取材が終わって雑誌に掲載されるようになると、お姉ちゃんのシャツが普通に売れるようになった)
憂(テレビで特集もされてブームも沸き起こってる…)
憂(こんなもんなのかなあ…)
唯「憂!新しいのできた!!」
憂「見せて~」
憂「『しめじ☆』」
唯「ふっふ~売れるよ~」
憂「そうだね…」
363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:27:14.05 ID:pILkRiM4O
唯「そうだ!みんなでお金出し合って宝くじ買おうよ!」
律「おっ面白そうだな!」
唯「でねー、当たったら部費にするの!ブヒブヒ~」
澪「やめとけ、絶対後悔するから。ムギからも何か言ってやってくれよ」
ムギ「あら、楽しそうね!」
澪「ってムギまで!!梓は買わな・・・」
梓「みんなが買うなら私も買いますよ。」
澪「梓~」
唯「それじゃあ決定だね!」
364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:27:59.50 ID:Y3iM8UUz0
唯「そういえばさ、新しい社員募集してみたんだ」
憂「えっ…いつの間に」
唯「ほら~、憂だけに働かせてると悪いから」
憂「全然そんなことないよ!?」
唯「そうやって憂は気を使ってくれるからさ…」
憂「本当に大丈夫だよ!!」
唯「ううん…私がそうしたいんだ。それにね」
憂「?」
唯「プロに任せた方が会社にとってもいいかな~って」
憂「お姉ちゃん…?」
365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:29:12.91 ID:pILkRiM4O
律「どうせ買うならスクラッチはやめて夢はでっかく持とうぜ!」
唯「ドリームジャンボ3億円だね!」
律「おう!ってことは3000円いるわけだな」
梓「一人600円ですね。はい。」
澪「まあ、ゲーセン行くよりは安いし・・・ほら。」
律「よし、3000円集まったみたいだな!すみませーん!宝くじ10枚くださーい!」
367: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:30:30.33 ID:pILkRiM4O
宝くじ屋「どれにします?」
梓「どれでも同じですよ」
唯「じゃあこれ!一番真中のやつ!!」
宝くじ屋「ありがとうございましたー」
律「へっへっへ。これで大金持ちだな!」
澪「当たるわけないだろ!『やめときゃよかったー』って絶対後悔するぞ」
唯「えへへ~楽しみだな~」
こうして私たちは宝くじを買いました。そして澪ちゃんの言葉通り後悔することになるのです・・・
368: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:31:17.50 ID:pILkRiM4O
平沢家
唯「いただきま~す。モグモグ。やっぱり憂のお料理はおいしいね~」
憂「ありがとう、おねえちゃん。」
唯「そうそう。今日帰りみんなで宝くじ買ったんだー。当たったら部費にするの。ブヒブヒ~」
憂「もう食事中にブヒブヒやめてよ・・・でも、お姉ちゃんも宝くじ買ったんだね」
唯「おねえちゃん も ってことは・・・憂も買ったの?」
憂「うん。3000円で1組だけど。ちょっと節約して夢でも買おうかな~って」
唯「大丈夫だよ!憂なら絶対当たるよ~!」
憂「ありがと…ってどこからそんな自信がわくんだか、おねえちゃんは・・・」
唯「当ったーれっ!当ったーれっ!」
372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:44:43.54 ID:Y3iM8UUz0
唯「あ、大丈夫だよ、もちろん憂をクビになんてしないからね」
憂「私はお姉ちゃんと二人で…」
唯「いや~~やっぱり二人だと限界があるでしょー」
憂「そんなこと…」
唯「あるよ!!だってさ、宣伝でも憂ひとりじゃなかったらもっと早く売れたはずじゃん」
憂「え…」
唯「そう思わない?今こんな調子だしさ」
憂「そんな…」
唯「いいよ何も言わなくても。もう社長の私が決めたんだから」
憂「お姉ちゃん…」
唯「じゃお願いしまーすトムさん」
374: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:51:35.64 ID:Y3iM8UUz0
ガチャ
トムさん「ハーイ」
唯「ハーイ、トム」
憂「外人さん…?」
唯「そうだよ憂、これからはぐろーばるな世界で戦わないといけないんだよ」
唯「高い給料でもゆうしゅうなじんざいを集めることが会社のためになるの」
憂「でもお姉ちゃん英語話せるの…?」
唯「高校行ってたんだよ?少しは話せるよ。それに通訳の人もいるし」
通訳「こんにちは」
憂「こんにちは…」
375: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 14:55:55.02 ID:Y3iM8UUz0
唯「じゃ、憂、その部屋で増やす仕事しておいてね」
唯「それだけやってもらえればいいから」
憂「う、うん」
唯「ありがと」
ガチャン
憂(私は何がしたかったんだっけ…)
憂(お姉ちゃんと一緒に…)
憂(思い出せないや)
憂「うぅ…」グス
377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:01:27.84 ID:Y3iM8UUz0
―
ガチャ
唯「憂、帰ろ」
憂「お…お姉ちゃん」グス
唯「憂!?全然終わってないじゃん!!」
憂「ご…ごめんなさい」
唯「もぉ~…憂と私にしかできないんだからさぁ。しっかりしてよ」
唯「それに私は社長だからそんなことやってられないし…分かるでしょ!?」
憂「うん…ごめんね…お姉ちゃん」唯「社長!」憂「…」
唯「憂!?」
憂「社長…なんでしょ…か」グス
378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:04:37.19 ID:Y3iM8UUz0
唯「車乗せて」
憂「はい…社長」
・ ・ ・ ・ ・
唯「ふぃ~疲れた疲れた」
憂「…」
唯「ねえ、憂?」
憂「なんでしょう…社長」
唯「…憂が今一番したいことってな~に?」
憂「…」ウル
憂「特に…ありません」
379: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:09:17.91 ID:Y3iM8UUz0
―次の日
唯「あ~今日も行かないとな~」
唯「でも正直もうトムさんに全部任せてもいいかな~」
唯「筆頭株主は私だし、どうせ会社は私のものだし」
唯「なんか面倒くさくなってきた…」
唯「そう思わない?」
憂「うーん…」
唯「あ、でも憂は行かないとだめだよ、生産止まっちゃうんだから」
憂「はい…」
唯「まあ今日も行こうかな」
唯「朝ご飯は会社でいいよ、憂も作るの面倒でしょ?」
憂「そんなこと…」
唯「いいのいいの」
380: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:15:59.70 ID:Y3iM8UUz0
―某日
梓「あ!憂!!」
憂「梓ちゃん」
梓「久しぶり!…唯先輩の会社!凄いじゃん!」
憂「う、うん…結構大きくなったよね」
梓「凄いよ!!…私もほら」
憂「『ロマンス?』…」
梓「凄い流行ってるよ!!」
憂「うん」
梓「憂はまだ唯先輩の秘書なんでしょ?知ってるよ」
憂「え、なんで」
381: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:23:09.47 ID:Y3iM8UUz0
梓「ちょうどさっき買ったんだ、ほら」
憂「週刊秋春…」
梓「唯先輩の対談が載っててね、ここ読んで」
憂「
『
―そのキーパーソンというのは
平沢「ええ、私の妹です。2人で立ち上げてここまでやって来れました。」
―妹さんは現在もご活躍中なのですか
平沢「はい。私の秘書として常にアドバイスをくれます。かけがえのない存在です。」
』
」
梓「あの唯先輩がここまで凄い人になるなんて…憂凄いよ本当に」
382: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:28:15.00 ID:Y3iM8UUz0
憂「…ん?」
梓「あ…」
『謎の資金源……てぃーたいむの女社長と暴力団の繋がり』
『……警察権力をも黙らせる琴吹財閥が主要株主の恐ろしさ』
梓「酷いよね…週刊誌って」
憂「うん…これは嘘だよ」
梓「分かってるよ…唯先輩もムギ先輩もそんな人に見えないし」
憂「うん。お姉ちゃんと暴力団なんて無縁だよ。本当に」
梓「そりゃあねえ…」
憂「…それに私が秘書だって…」
梓「え?」
憂「いや…なんでもないっ!」
383: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:38:45.84 ID:Y3iM8UUz0
店員「360円です」
店員「またお越しくださいませ」
憂「『かけがえのない存在』…」
憂(……わたしはどうすれば…)
―――――――
唯「~♪」
唯「新作できたぁ~♪」
ガチャ
社員「社長!本日出荷分ができていません」
唯「え?」
384: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:39:51.01 ID:pILkRiM4O
唯「たからくじ!」
385: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:42:23.97 ID:Y3iM8UUz0
唯「また憂サボってんの~?」
ガチャ
唯「…う…うい?」
社員「社長?」
唯「いない…」
唯「どこにいるの憂…」
唯「と、とりあえずトムさんにも言ってほかの在庫から回して!」
社員「は、はい!」
唯「憂がいないことなんて今まで無かったのに…」
386: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:52:34.53 ID:Y3iM8UUz0
―海
ザパーン!!
憂「はぁ…」
prrr prrr
憂(…社長から電話だ…)
憂(怒ってるよね……)
憂(電源切っとこ)
ピピッ
憂(……私はどこで間違ったんだろう…)
387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 15:54:42.84 ID:Y3iM8UUz0
憂(もう家にも会社にも戻りたくないや)
ザパーン
憂「…楽になれるかなぁ……」グス
「おーい!!」
憂「?」
澪「憂ちゃん!?」
憂「あっ澪さん」
澪「こんなところでどうしたの?」
388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 16:00:44.36 ID:Y3iM8UUz0
憂「いや…たまには休みをと思って」
澪「さすがの憂ちゃんでもな……休んだ方がいいよ」
憂「はい……澪さんは?」
澪「ああ、いい詞が思い浮かぶかな~と思って」
憂「なんだか素敵ですね…」
澪「そうかなぁ?この辺にはぼちぼちくるんだよ、人も少ないし、きれいだし穴場だから」
憂「ですねー」
澪「……唯はどう?」
憂「…はい、し、お姉ちゃんは毎日頑張ってます」
澪「社長?…ふふ、偉くなったんだな~…唯は」
389: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 16:03:47.75 ID:Y3iM8UUz0
prrr prrr
澪「お?唯からだ」
憂「!?」
憂「澪さん…お願いします…」ウル
澪「(ああ……分かったよ)」
澪「もしもし」
唯『澪ちゃん!?大変なの、憂がいなくなっちゃって…』
澪「どうしたんだよ…」
唯『憂がいなくて…私…』
澪「唯さ」
390: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 16:14:59.73 ID:Y3iM8UUz0
澪「憂ちゃんはどこにいると思う?」
唯『へ!?それが分かったらこんな電話』
澪「…なぁ唯、憂ちゃんをどこへやる気なんだ?」
唯『え…』
澪「よく知らないけどさ、あの憂ちゃんが消えたってよっぽどだろう?」
澪「今、唯の中では、憂ちゃんはどこにいるんだろうな?」
唯『憂は私の妹で…』
澪「で?」
唯『私は憂を思って……』
澪「ふふ、よく考えなよ社長、いや、憂ちゃんのお姉さん」
唯『澪ちゃん…?』
澪「頑張れ、唯」
ピッ
391: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 16:20:56.61 ID:Y3iM8UUz0
澪「こんなんでいいかな…アハハ」
憂「うぅ…」ポロポロ
憂「今すぐ帰らないと…」グス
澪「どこに?」
憂「…え…それは」
澪「…たまには…さ、憂ちゃん」
澪「とことん…ね?」
憂「うう…」
憂「お姉ちゃん…」
憂「…澪さん、本当にありがとうございましたっ!」タッタッタ
澪「姉妹愛か…いい詞が書けそうだ」
392: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 16:25:09.60 ID:Y3iM8UUz0
―旧事務所
ガチャ
憂「…お姉ちゃんと始めた場所」
憂「忙しかったけど…充実してたなぁ」
憂「お姉ちゃんが戻ってこなくても」
ガチャ!
唯「憂!!」
憂「社長…」
393: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 16:27:25.42 ID:Y3iM8UUz0
唯「憂……」
憂「社長…申しわ…」
唯「うい、もういいんだよ」
憂「え…」
唯「私はもう社長じゃないんだよ」
唯「憂のお姉ちゃんなんだ」
憂「え…お姉ちゃん?」
唯「そおだよぉ…憂のお姉ちゃん」
唯「ただの、だめなお姉ちゃん」
395: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 16:37:16.70 ID:Y3iM8UUz0
憂「お姉ちゃん…」
唯「憂…ごめんね、本当にごめんね」ギュ
―――
―――――――――
―数週間後
『創業者姉妹、電撃退社』
『現経営陣の巨額脱税発覚、一斉捜査へ』
『株式会社てぃーたいむ、経営破たん』
―――――――――
梓「え!?服が光って…消えてく」
梓「な、なんで!!?」
キラキラ
397: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 16:41:47.55 ID:Y3iM8UUz0
澪「そういうことがあったのか…」
憂「本当にありがとうございました」
澪「いやいや…これで良かったの?」
憂「はい……お姉ちゃんも、私も」
憂「今が一番幸せだなって」
唯「うい~溶ける…早く食べよお~!!」
憂「うん!!」
唯憂お金持ち編 -唯FX成功パート-
完
413: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 20:35:21.58 ID:Y3iM8UUz0
―――夕方、営業後
細木「じゃお疲れ様」
秘書「はい、また明日」
細木「ふ~…」
細木「今日もガッポリだったわね」
細木「早く帰ろ~♪」
細木「…お?」
老婆「…」
細木(なんか胡散臭いばあさん…占い師かしら?)
老婆「…お嬢ちゃん」
細木「へっ?わたし?」
老婆「そうだよ…おいで」
416: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 20:37:45.64 ID:Y3iM8UUz0
数子「?」
老婆「いきなりで悪いけど、これが何かわかるかい?」
数子「見りゃわかるわよ。ふろしきよふろしき」
老婆「そう。ふろしき。でも」
サッ
数子「鉛筆が増えた……」
老婆「そう。増えるんだよ」
数子「あんた……何考えてるの」
老婆「この2本を覆って…ほら」
サッ
どん
数子「人の話を無視するんじゃない!」ドン!
419: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 20:42:15.49 ID:Y3iM8UUz0
数子「あんたはね、若いころから先祖を大事にしてこなかったから」
数子「今もこうして働かなくちゃいけないの。わかる?」プルプル
老婆「手品じゃないんだよ」
数子「分かったら今すぐお墓参りに行って御覧なさい」
老婆「これはね、包んだものを複製できるふろしきなんだよ」
数子「あなたのお母さんね、泣いてる」
老婆「そう、複製。お嬢ちゃん、髪留め貸してごらん」
数子「はっ…あんたは」
老婆「えっ…数子ちゃん?」
数子「そうよ!!久しぶり!!」
老婆「お互いすっかり歳とったわねえ」
数子「懐かしいわね…」ぽ///
424: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 20:48:21.66 ID:Y3iM8UUz0
老婆「今あなたなにやってるの?」
数子「修行という名の贅沢三昧よww」
老婆数子「あっはっはっはっはww」
数子「ところであんたは?」
老婆「私はここで自慢のオカルトグッズを販売しているの」
数子「あくどいわね…相変わらず」
老婆「数子ちゃんも負けず劣らずじゃないww」
老婆「占いもろくにしないで先祖のせいやら名前のせいやらインチキ言ってww」
数子「しっ!!声が大きいわよ」
老婆「おいしいわよねえ…このビジネス」
数子「信じる者は救われるのよww私たちも救われるww」
老婆数子「おっほっほっほwww」
426: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 20:53:12.58 ID:Y3iM8UUz0
老婆「しっ…誰か来たわ」
細木「女子高生のようね…」
老婆「見てて頂戴、私のオカルト販売」
数子「おほほww」
唯「そういえば今日はハンバーグだった!」
唯「早く帰ろ~♪」
唯「…お?」
老婆「…」(ここは無言で怪しさアピールww)
唯「?」
老婆(釣れたぁ!!)
老婆「…お嬢ちゃん」
唯「へっ?わたし?」
老婆「そうだよ…おいで」
細木(wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)
430: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 20:56:29.18 ID:Y3iM8UUz0
老婆「いきなりで悪いけど、これが何かわかるかい?」
唯「なにこれ…?」
老婆「水晶だよ」(頭わりぃなこの小娘…)
唯「すいしょー?ってなに?」
老婆「これを見ると、あなたの運命が分かる…」
唯「うんめー?ってなに?」
老婆「…」
数子(wwwwwwwwwwww)
老婆「運命っていうのはね、あなたの未来とか過去を決めるものよ」
唯「えっ?聞こえない」
老婆「あなたの未来とか、過去を決めるものよ?」
唯「ちょっと、もっと大きな声で話してくれますか?」
431: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:02:09.35 ID:Y3iM8UUz0
老婆「運命ってのは!あなたの未来!とか過去!を決めるもの!!」
唯「あっ和ちゃん!!」
和「あら、唯、こんなところどうしたの?」
唯「ううん、なんかゴミがあっただけ」
和「なによそれw帰りましょ」
唯「うん!!」
唯「じゃそういうことで~またね、おばあさん」
老婆「…」
細木「wwwwwwwww」
老婆「あんの小娘…許さない…絶対に」
数子「だめじゃないwwwだめねえwwほんとww」
老婆「なら数子ちゃんやってごらんなさいよ!」
432: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:05:33.76 ID:Y3iM8UUz0
唯「でね~…」
細木「そこのお嬢ちゃん。いいかしら」
和「私?」
数子「いや、そちらの」
唯「私?なぁに~?」
細木「まぁ……」プルプル
唯「え、え、どうしたの…?」
数子「あなた…もうすぐ死ぬわよ」
・ ・ ・
トラックの運ちゃん「そろそろ行くか…」
・ ・ ・
唯「えっ」
和「唯、帰りましょ、インチキよ」
細木「さようなら…」
433: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:09:11.70 ID:Y3iM8UUz0
唯「え~…なんか怖い」
和「騙されないで唯、死ぬわけないわ私も一緒よ」
唯「で…でも~」
数子「別にいいのよ、行ってしまっても」
和「ちょっとやめてください。警察呼びますよ?」
警察「どうしましたか?」
唯「呼ぶ前に来た…」
和「えっ…ああこの人が怪しい話をしてきまして」
警察「ちょっとご同行願えますか」
細木「ちょ…なにすんのよアンタ…!離しなさいよ!!」
老婆「商敵一匹目陥落wwwwwざまぁwwwww」
―オカルト業界も弱肉強食なのである
435: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:12:18.45 ID:Y3iM8UUz0
―某スタジオ
唯「……死んでしまった妹に会いたくて…」ヒッグ
唯「…わたじ…なにもじてあげられなかったがら……」ボロボロ
江原「ん~…」
江原「妹さんが…見えますよ」
唯「えっ!?」
江原「妹さんは天国から……あなたを見守ってます」
唯「本当ですか!?」
江原「落ち着いて…ゆっくり息をして……」
ガラッ
憂「お姉ちゃん!!騙されないで!!」
唯「憂!?」
436: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:13:48.78 ID:Y3iM8UUz0
江原「これはいったい…?」
唯「このうそつき!!ぶたさん!!!」
憂「お姉ちゃんを騙そうなんて100年早いです!!死ね!!」
江原「な…どういうこと」
―そう、2人はインチキなオカルトから人々を救済する
オカルトバスターなのである
438: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:17:18.42 ID:Y3iM8UUz0
―とある日
律「心霊写真特集だってさwみよーぜー!!」
澪「ひぃぃ!!やめろぉーー!!」
唯「…澪ちゃん、心霊なんて嘘っぱちだよ?」サバ
澪「いや……いるって……本当にいるんだって」
紬「ええ……いると思うわ…」
唯「みんな甘いよ…いると思うからそう感じるんだよ」
律「随分と冷めてるなー唯」
唯「うん。だって本当にいないもん」
律「その自信はどっからくるんだ?」
唯「憂がそういってたもん」
440: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:20:06.96 ID:Y3iM8UUz0
律「憂ちゃんが絶対なのか…」
紬「あっ始まったわ」
澪「ひいい……消してくれぇぇ…」
『~♪~~~』←いかにもなBGM
律「うわぁ…出そうだな…」
『デンッ』
紬「きゃあああ」
律「ああああ」
澪「あああああああああ」
唯「つまんな、こじつけじゃん」
律「…」
442: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:23:52.11 ID:Y3iM8UUz0
『おわかりいただけただろうか』
梓「おわかりいただけませんでしたwwwwこじつけwwww」プップクプーw
唯「だよねだよねwwwあずにゃんも味方www」ブホホww
律「……おい」
紬「唯ちゃん…梓ちゃん……」
律「ちょっとぐらい空気読めよ」
紬「そうよ…実際にいるかいないかなんて二の次なのよ…」
澪「いるいる…本当にいるって…」
律「こういうのはなぁ…どう思ってもその場に合わせるんだよ」
唯「わたしは流されないっ!」
梓「そうですよ!マスゴミなんかに流されちゃいけませんっ!!」
443: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:28:48.54 ID:Y3iM8UUz0
『これが霊の仕業でなければ…いったい……』
梓「ADとか小道具役の仕業ですwwww」
唯「ぶwwwwwやすっちいねこの番組wwwwww」
律「……」
『…この白骨化した死体は、いったい何なのだろうか……』
梓「死体wwww事件発生wwwww唯先輩自首wwwwwww」
唯「わたしじゃないwwwwwwww」
澪「…」
澪「あはは…確かになんか言われてみれば嘘っぽいな…あはは」
唯梓「っっばああああっ!!!!!!!!!!!」
澪「ひゃあああああああああああああああああああ」
445: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 21:30:38.11 ID:Y3iM8UUz0
実況板の「こぴー」 心霊編
完
450: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 22:07:05.41 ID:Y3iM8UUz0
>>294いきます
―
憂「おばあさんからもらった、何でも増やせるふろしき…」
憂「何に使おうかな……」
ガチャ
唯「ただいまー」
憂「おかえりお姉ちゃん♪」
唯「ふぃ~…」
憂「お疲れ?」
455: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 22:17:25.75 ID:Y3iM8UUz0
唯「つかれたぁ~…」
憂「先お風呂入ってきちゃう?」
唯「そうする~」
・ ・ ・ ・ ・
憂「お姉ちゃんを増やしてみようかなぁ…」
憂「お姉ちゃんがいっぱい///」
http://nagamochi.info/src/up28264.jpg
456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 22:20:03.12 ID:Y3iM8UUz0
ガラッ
唯「お先にー……って憂?」
憂「///」
唯「ど、どしたの?」
憂「お姉ちゃん///」
唯「え?」
憂「増やしていい…?//」
唯「よく意味が分からないし…なんで赤くなってるのかも分からないよ…」
憂「お姉ちゃんを増やしみようかなって//」
457: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 22:23:48.83 ID:Y3iM8UUz0
唯「憂……おいで」
憂「へ…」
唯「大丈夫?」ギュ
憂「だ、だいじょうぶ//」
唯「疲れてるんだよぉ…私があとやるから、今日は寝ていいよ」
憂「えっ…」
唯「大丈夫だから…すぐ直るよ」
憂「お姉ちゃん?」
唯「大丈夫だよぉ…憂…」ボロ
憂(なんか勘違いされてるのかなぁ…)
458: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 22:26:58.50 ID:Y3iM8UUz0
憂「治るって…お姉ちゃん?」
唯「熱あるんじゃない?…んーちょっと熱いかも」
憂「お姉ちゃんってば」
唯「なんだい憂や」
憂「大丈夫だから私は」
唯「そう?」
憂「うん…だから増やしていい?」
唯「…憂、早く寝なよ」
憂(もう埒があかないっ…)
憂「…お姉ちゃん、御免っ!!」
バッ
460: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 22:30:36.37 ID:Y3iM8UUz0
どん
唯「ふぇ?」
唯「お?」
憂「お姉ちゃんが増えた……」
唯「私にそっくり…」
唯「そっくりさんだぁ…」
唯「「憂、この子は?」」
唯「「!?」」
唯「いやいや、どーもどーも」
唯「ははは、はじめまして」
憂(すぐ仲良くなった…さすがお姉ちゃん!)
憂「じゃお姉ちゃん着替えてきてね」
唯「「はい!」」
461: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 22:34:05.68 ID:Y3iM8UUz0
憂「お姉ちゃんがふえたぁ~♪」フンフーン
タタタタタ
憂「お、お姉ちゃん!?ってなんで裸…」
唯「だって、着替えが一着分しかないんだもん」
憂「あっそっか…ごめんね、お姉ちゃん」
唯「いいってことよぉ♪ささ、食べようぞ」
唯「お?」
憂「あ、今すぐ用意するね!!」
憂(3人分用意しないとね…)
462: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 22:37:39.29 ID:Y3iM8UUz0
憂(う~ん…お姉ちゃん2人だと少し物足りないかも…)
憂(この際大家族にしちゃおっかなぁ…//)
憂(あれがあれば元に戻すこともできそうだし)
憂「おねーちゃ~ん」
唯「「なぁに~うい」」
憂「あ、ごめんね、ちょっと来て」
唯「「?」」
憂「フンッフンッ」
ササッササッササッ
どどん どどどどん どどどどどどどどん
463: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/10(火) 23:02:29.79 ID:Y3iM8UUz0
ごめんね
478: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 05:54:22.55 ID:yO0HOUnz0
憂「うっ…」ギュウ
唯「なにこれぇ…」ギュウ
唯「せま」ギュ
唯「な、なに…?」ギュ
唯「うい~…」ギュ
唯「うぉぉぉ」ギュ
唯「増えたぁ」ギュ
唯「わたしっ」ギュ
唯「つめてよぉ…」ギュ
唯「あちぃ…」ギュ
唯「あ゛~」ギュ
唯「う゛い゛~」ギュ
唯「もちょっとつめて」ギュ
唯「おみかん!」ギュ
唯「あん…」ギュ
唯「いたたぁ」ギュ
唯「きついよぉ」ギュ
唯「ぬおお」ギュ
唯「ふんっ」ギュ
唯「いたいってば」ギュ
唯「あっごめん」ギュ
唯「う゛え~…」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
唯「」ギュ
479: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 05:56:22.76 ID:yO0HOUnz0
・
・
・
・
憂「く、苦しい…」
ドンッ!!
唯「わぁ!」
唯「出れたぁ」
唯「」
唯「」
・
・
・
・
唯「「「「「わ~」」」」」トタタタタ
480: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 06:00:14.42 ID:yO0HOUnz0
憂「ぷはっ…」
憂「増やしすぎちゃったかなぁ…」
唯「「「「「「「うい!」」」」」」」
憂「うっ……な、なぁに?お姉ちゃん…たち」
唯「「「「「ちょっと汗かいたからも一回お風呂入ってくる」」」」」
憂「えっ」
唯「「着替えだしといてー」」
憂「お姉ちゃん、たち、そんないっぺんにははいれないよぉ」
唯「「「「「「「「「あ、そっか」」」」」」」」」
憂「とりあえず……2人ずつくらい並んでね」
唯「「「「「「「「「「うん」」」」」」」」」」
ぞろぞろぞろ……
『2時間待ち』
481: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 06:03:12.16 ID:yO0HOUnz0
憂「ちょっと大変なことになっちゃったかも…」
唯「「「「うい~!!着替えがない!!」」」」
憂「えっうそ…」
唯「「「「「「持ってきて~!」」」」」」
憂「は、は~い」
憂「あっ、服コピーしておこう」
ササッササッ
どどん…
憂「よし…これで足りるよね」
憂「お姉ちゃん、ここおいとくね」
唯「「「「「ありがと~」」」」」
憂「うん//」
482: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 06:09:33.41 ID:yO0HOUnz0
―AM 2:00
憂「お…お姉ちゃん」
唯「「「「「「「「「「「「「「「「寝よぉ~うい」」」」」」」」」」」」」」」」
憂「自分の部屋は…」
唯「ごめんね憂、もう満員になっちゃった」
唯「もう入りきらないんだぁ…」
憂「あっお姉ちゃん謝ることないよ…いいよ、寝よ?」
唯「「「「「「ありがとぉ~」」」」」」スリスリ
憂(し、幸せだけど…ちょっと暑いかなぁ…)
憂「お姉ちゃん仲良しだね~」
唯「私だもん!仲悪いわけないよぉ…ねぇ?」
唯「「「うん」」」
憂「よかった…」
483: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 06:12:18.94 ID:yO0HOUnz0
―次の日
憂(おね…ちゃんにもみくちゃにされた…)ボロ
唯「んっ…」ギュウ
唯「ふわぁ~」ギュ
唯「んほぉギュ」
唯「あ゛~」ギュウ
唯「ふぃ~…」
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
憂「ゴクリ…」
憂「この先…どうしよぉ」
484: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 06:15:17.63 ID:yO0HOUnz0
憂(とりあえずもう洗い物してる暇はないから…)
憂(どんどんコピーして、使い終わったものは捨てよう…それしかないよね)
憂(朝ご飯作らなきゃ…)
ピンポーン
憂(こんな時に…)
トタトタ
憂「はぁーい…」(って廊下もお姉ちゃんで埋まってる…)
憂(なかなか進めない…)ギュウギュウ
ガチャ
憂「あっおばあちゃん」
とみ「あら、憂ちゃ…」
とみ「」コテッ
485: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 06:18:54.93 ID:yO0HOUnz0
憂「おっおばあちゃん!?」
とみ「」(唯ちゃんがぎっしり…)
憂「た、たいへん…救急車……あっ」
憂(これバレたらお姉ちゃんたち連れて行かれちゃうかも…)
―――
―――――――
唯「「「う~い~~~~!!」」」
憂「お、お姉ちゃん!!」
警察「ほら、さっさと来なさいっ」グイッ
唯「「「「「「う~~~い~~~~助けてぇ~…」」」」」」ゾロゾロ
憂「おねえちゃああああん!!」
・
・
・
―――――――
―――
憂「それだけはだめ…」
486: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 06:23:17.32 ID:yO0HOUnz0
憂「おばあちゃん…ごめんなさい」ボロ
ザクッ ザクッ
憂「埋めちゃった…」
唯「ういー!!」
憂「はーい!いま行くねー」
488: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 07:01:39.44 ID:yO0HOUnz0
唯「「「「「憂~学校どうしよお」」」」」
憂「そ、そうだね…」
憂「交代で行く…?」
唯「「「おぉ!?いいかも」」」
憂「で、でもけいおん部の皆さんには…」
唯「「「「あ~…部活には行きたいな」」」」
憂「どうする?」
唯「「じゃんけんで決めようかなぁ」」
憂「うん♪」
489: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 07:18:25.02 ID:yO0HOUnz0
憂「行こ~お姉ちゃん」
唯「「「「「「「「「「うん!」」」」」」」」」」
憂「お、お姉ちゃん?ジャンケンは」
唯「みんな部活出たいっていうからさぁ~…」
唯「みんなで行くことになりました」
憂「えっ…だ、だめだよ」
唯「なんでぇ~」
憂「だ、だってお姉ちゃんの大群が歩いてるのはおかしいでしょお?」
唯「なんで?」
憂「なんでって…」
495: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 08:56:14.04 ID:yO0HOUnz0
憂「お姉ちゃんは一人だから…」
唯「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「1人じゃないよ!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
憂「ま、まぁ今はそうなんだけどさ」
憂「でも…ほら、学校行っても一人分の席しかないし…」
憂「みんな驚いちゃうでしょ?」
憂「それに怪しいと思われてお巡りさんに連れて行かれるかも…」
唯「それはやだぁ…」
憂「うん…だからお家にいて?」
唯「「「「ん~~・・・」」」」
497: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 09:01:11.21 ID:yO0HOUnz0
唯「じゃあさ、一人ずつ部室に行くのはどお?」
憂「う、う~ん……帰りはどうするの?」
唯「あっ」
憂「今日は大人しくお家にいて?ね?」
唯「「うん…」」
唯「じゃあ誰がいく?」
唯「はいはいっ!私がいく」
唯「え~私が行きたい」
唯「私だよぉ~」
唯「私の方がいいよぉ」
唯「…廊下の方で何話してんのかな?」
唯「なんだろうねぇ……」
唯「私学校行きたい…」
唯「私も行きたい!」
499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 09:06:01.57 ID:yO0HOUnz0
唯「う~~~い~~~~!!」
憂(リビングの方のお姉ちゃんかな?)
憂「な~~~~に~~~~~~?」
唯「がっこうに、いきた~~~~い!!」
憂「でぇ……またか」アハハ・・・
憂「そっちのお姉ちゃん、リビングの方のお姉ちゃんとも話して決めてくれる?」
唯「いいよぉ~~……ちょっとどいて~」んしょ
唯「う~~~~~~い~~~~~~~~!!」
憂「な~~~~~~に~~~~~~~~~?」
唯「がっこ~~~~にいきた~~~~~~い!!」
憂(お台所のお姉ちゃんかな?)
唯「う~~~~~~~~~~~~い~~~~~~~~~~~~~~~」
500: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 09:10:04.74 ID:yO0HOUnz0
憂(すっかりギリギリの時間になっちゃったよぉ…)
純「おっ!憂、珍しいね」
憂「そっそお?」
純「憂が時間ぎりぎりなんて滅多にないじゃん」
憂「そうかなぁ」
純「また唯先輩?」
憂「えへへ……いろいろあってね」
純「憂は偉いねぇ…姉の世話をてきぱきと…」
憂「ううん…好きでやってるから…」
501: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 09:13:14.45 ID:yO0HOUnz0
純「あはは、そうだったね」
憂「えへへ…」
純「…!?」
純「…」ゴシゴシ
憂「どうしたの?純ちゃん」
純「いや…な、なんでもないよ」
純(今、なんか廊下に唯先輩が5人くらいいた気が……私疲れてんのかな)
憂「なんか隠してるでしょぉ」
純「いや、全然」
憂「ほんとお?」
517: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 15:06:41.30 ID:yO0HOUnz0
唯「やっほーりっちゃん」
律「おーっす……ん?」
唯「どしたの?」
律「唯、トイレ早くないか?」
唯「え?私今来たんだよ」
律「あれ?ははっそうだっけ~」
唯「りっちゃん大丈夫~?」
律「ごめんごめん、昨日遅かったからさ~」
ガチャ
唯「やっほ~」
518: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 15:08:51.73 ID:yO0HOUnz0
律「おーっす」
唯「おーっすりっちゃん」
唯「あっやば…」
律「お?」
律「なんだよ…もしかして憂ちゃん?」
唯「えへへ…バレちゃったぁ」
ガチャ
唯「やっほ~」
律「…」
ガチャ
憂「お姉ちゃん!!」
520: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 15:12:52.60 ID:yO0HOUnz0
憂「ご、ごめんなさいっ!」
憂「なんで来たの!!帰るよ!!」グイッ
唯「「「え~~~やだぁ~~」」」ズルズル
憂「お邪魔しましたっ」ペコ
ガチャ
律「…」
ガチャ
唯「ふ~~ただいまぁ」
律「お、おかえり」
律(はは……無かった…何も無かったんだ…)
521: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 15:15:58.46 ID:yO0HOUnz0
憂「どうしてきたの~」
唯「だって暇だったし~…」
憂「…と、とりあえず髪型とか変えて誤魔化しとかないと」
唯「え~~いいよぉこのままで」
憂「よよよくないよ!」
唯「「しょうがないなぁ」」
憂(髪留めとったお姉ちゃんもかっこいいかも…)
唯「ん?」
憂「ななんでもない//」
522: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 15:18:05.40 ID:yO0HOUnz0
ガチャ
憂「ただいまぁ」
唯「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おかえり~!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
憂「ただいま……すごいなぁ」
唯「何が?」
憂「どこ見てもお姉ちゃんがいるからさぁ……」
唯「う~い~~お腹すいた~~」
憂「あっ…ごめん!!今すぐ作るね」
唯「うぃ~」
憂「え?」
唯「掛け声だよぉ」
530: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 18:44:43.08 ID:gg161iBXO
憂「ご飯準備できたけど…どうしよっかなぁ」
唯「また並んで順番でいいよ」
憂「そうするしかないよね……後ろの方のお姉ちゃんごめんね」
唯「う~~い~~~~ま~~だ~~~~~?」
憂「ごめんね~~~~待ってね~~~」
唯「は~~~~い」
憂「なんかかわいそうだなぁ…」
ピーンポーン
憂「こんな時に誰だろ…」
531: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 18:49:19.45 ID:gg161iBXO
憂「と、とりあえず1階のお姉ちゃんたちは2階に避難しないと」
ピーンポーン
憂「た、たいへん……お姉ちゃんたち早く…!」ギュギュウ
唯「狭いよぉ~…」
憂「ごめんね、すぐ終わるから…お願いっ」
唯「う、うん…」
ピーンポーン
憂「は~~い、今でま~~す」
唯「苦しい…」ギュウギュウ
唯「もっとそっちいってよぉ…」ギュギュウ
唯「ちょっとつめてよぉ」ギュウ
533: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 18:54:22.86 ID:gg161iBXO
憂(誰だろ…)そぉ~っと
憂(け、けいさつ…!?)
憂(おばあちゃんのことかな……)
憂「は、はぃ…」ガチャ
男「平沢さんのお宅ですね。わたくしこういう者です」
『警察手帳』
憂「…はい」
警A「となり家の一文字とみさんのご親戚から連絡がとれないと通報がありまして」
警A「お話をお伺いしたいのですが……お父さんかお母さんはいるかな?」
534: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 18:59:22.08 ID:gg161iBXO
憂「えっと…今は出張で両親とも家にはいなくて」
警A「いつぐらいからどこへ?」
憂「えっと…3か月ほど前からシンガポールに」
警B「今は一人で家にいるのかな?」
憂「いえ…おね、姉と二人で生活してます」
警A「ふむ……」
警A「今の時点では何とも言えないんだがね、とみさんの行方が分からないんだよ」
憂「えっ…」
警B「どこかで行き倒れてしまったのか…」
警A「そう、事件に巻き込まれたのかもしれない」
憂「そんな…」
535: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 19:04:22.83 ID:gg161iBXO
警A「となりのおばあちゃんとはよく付き合いがあったんだよね?」
憂「えっ…はい、小さいころから」
警B「何か知っていることは…ないかな?おばあちゃんの様子とか」
憂「う~ん…よく覚えてないです、分かりません」
警A「そうか…」
警B「…じゃあ、お姉ちゃん呼んでもらえるかな?」
憂「えっ…」
警A(…)
憂「は、はい…今呼んできます」トタタッ
536: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 19:09:22.72 ID:gg161iBXO
警A「どう思う?両親が3か月前から海外だからなぁ」
警B「こんな女子高生がね…まさかとは思う」
警A「でも最後の目撃証言はこの家に向かう途中なんだよな」
警B「でもなぁ…小さいころからの付き合いだって話だし」
警A「…俺さ、姉呼んだときの反応に違和感あったんだけど」
警B「そうか…?まぁ姉の反応も見てからまた…」
警A「うん」
警B「遅いな…」
537: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 19:14:23.16 ID:gg161iBXO
憂(どどどうしよぉ…)
憂「おねぇちゃ~ん……うっ」ガチャ
唯「「「なぁ~に~…」」」グダー
憂「ご、ごめんね、もすぐ終わるから」
憂「そこのお姉ちゃん、ちょっと来て」
唯「わたしっ?」
憂「うん…ちょっとお話があるんだけど」
唯「そういえばさ、おばあちゃんどうなったの?」
憂「うっ……」
憂「…お姉ちゃん、今刑事の人が来てるんだけどね」
唯「けいじ?なんで?」
538: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 19:19:23.18 ID:gg161iBXO
憂「理由はあとで話すから…」
憂「お願いだから、昨日はおばあちゃん見なかったってことにしてくれる?」ウルウル
唯「えっ…どうして」
憂「あとで話すからっ!!お願い」
「憂さ~ん?大丈夫ですか~?」
憂「はいっ!!今行きます!!」
憂「お姉ちゃん、お願いだから…」
唯「ふ~ん…分かった」
憂「ありがとぉ…」
唯「じゃ行こー」
憂「うん…」
540: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 19:22:36.18 ID:gg161iBXO
唯「おおっ!この人がけいじ…」
警A「はは、こんにちは」
唯「こんにちはっ!」ゞ
警B「えっと、お姉さんの唯さん?」
憂「はい」
唯「はいっ!唯でありますっ」ゞ
警A「面白いお姉さんだね…ハハ」
憂「そ、そうですか?エヘヘ」
警A「早速で悪いんだけどね」
541: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 19:24:04.74 ID:gg161iBXO
警A「となりの家に住んでるおばあちゃんのこと、何か知ってる?」
唯「おばあちゃん?知ってます!!」
憂「えっ」
警A(…)
警B「どんなことでもいいから教えてくれないかな」
唯「ん~っと…よく煮物作って持ってきてくれるんだぁ」
唯「あとお羊羹もくれたり…優しいおばあちゃんですっ」
警A「なるほど…。一番最近で唯さんの家にいらしたのはいつだったかな?」
唯「私の家?みんなの家だよ!ね、憂」
憂「あ…そ、そうだね」ビクッ
542: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 19:30:03.78 ID:gg161iBXO
警A「そうだね…。お父さんお母さん唯さんと憂さんの家、で、いつだったか覚えてるかな?」
唯「えっとね…」(憂「お願いだから、昨日はおばあちゃん見なかったってことにしてくれる?」ウル)
唯「覚えてないや……でも、結構前だった気がする」
警A「なるほど。」
警B「ちなみに、お父さんとお母さんはどれくらい前から出張に行ってるの?」
憂「…」
唯「えっ…ん~と…」
唯「確か3か月くらい前だっけ?憂」
憂「うん」
唯「そお」
警A「うんうん…分かった」
543: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 19:31:34.92 ID:gg161iBXO
警A「じゃあまた何かあったら連絡するね」
憂「はいっ」
唯「お疲れ様です」ゞ
警B「はーい。協力ありがとうね」
憂「いえ…」
唯「さよなら~」ゞ
警A「さようなら」
ガチャ
憂「ふぅ…」
548: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 21:35:39.52 ID:gg161iBXO
唯「終わったね」
憂「うん…大丈夫かなぁ」
唯「大丈夫だって!憂も私も何も悪いことしてないじゃん!」
憂「あはは…」(お姉ちゃん分かってないのかな?)
ドドドドドド
憂「なにごと!?」
唯「ういういうい」
唯「ういういういうい」
憂「な…なにお姉ちゃん…そんな囲まないで」
唯「「「ご飯…」」」
憂「あっ」
549: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 21:42:08.95 ID:gg161iBXO
唯「「はやくぅ~」」
憂「うん」
憂「ところでお姉ちゃん全部で何人いるのかな」
唯「えっとねー…いち、に、さん、し…」
・ ・ ・ ・ ・
唯「…256人だったー!」
憂「ぶふっ」
唯「う、うい?大丈夫?」
憂「…そんなにいたんだね…今すぐ用意するね」
唯「「「「はーい」」」」
唯「ご飯用意してるからまってね~」
唯「は~い」
550: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 21:49:33.29 ID:gg161iBXO
―数日後
警A「やはり…あいつらの他にはいない」
警B「驚きましたが…そうみたいですね」
警A「よし!いくぞ」
・ ・ ・ ・ ・
憂「ふ~~ふろしき干しておかないと」
バサッバサッ
唯「「「う~い~♪」」」ギュ
憂「ちょっとお姉ちゃん今やめて//」
唯「「「「やめな~い」」」」
憂「お姉ちゃん…重い///」
唯「「「「「ふっふっふ」」」」」
551: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 21:55:30.16 ID:gg161iBXO
憂「く、苦しい…」
唯「わぁ…なんかまた増えた」
憂「えぇ!?」
憂「ってふろしきがないっ!」
唯「闘牛士~」キャッキャ
唯「ンモーッ」キャッキャ
唯「おぉ~~増える増える」
ミシミシミシ
憂「…」
唯「憂、家大丈夫かな?」
憂「お姉ちゃん…」
552: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 21:57:01.28 ID:gg161iBXO
憂「お姉ちゃん!!もうやめて!!」
唯「わぁ~」キャッキャ
唯「モーッ」
憂「聞こえてない……あぁ…止めさせようにも身動きが」ギュウギュウ
ピーンポーン
憂「誰か来た…」
憂「そこのお姉ちゃん、開けてきて」
唯「ん~…もう廊下が埋まってて玄関までいけないよお」
憂「う…どうしよお~」グス
554: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:03:46.23 ID:gg161iBXO
警A「ほら!!開けなさい!!!」
「キャッキャ」
「あづぃ~~」
警B「なんかすごいいっぱいいるみたいですが」
警A「何かのパーティか?にしてもなんで開けないんだ」
・ ・ ・ ・ ・
憂「ああ…息苦しい…」ギュウ
唯「う~~~い~~~~行ってくるね~~~~~」
憂「だめぇ…」
唯「「「「私も行く!!」」」」
唯「じゃあみんなでいこー!!」
唯
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
556: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:08:17.41 ID:gg161iBXO
ガチャ
警A「お、開いたな…」
ドドドドドドドドドド
唯「「「「「久しぶりの外だ~~~!!!」」」」」ドドドドドド
バンッ
警A「ぐおっ…」ボン
警B「な、なんだこれぇ!!」
唯「「「「「「「「待ってー!!」」」」」」」」ドドドドドド
警A「早く…」
警B「こちらB!人の群れに襲われてる!早く応援を」
557: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:13:42.33 ID:gg161iBXO
・ ・ ・ ・ ・
ピーポーピーポー
ガヤガヤ
憂「あっ…何してたんだろ私」
ガヤガヤ
憂「……なにごと…?」んしょ
憂「!!!」
警『大人しく投降しなさい』
唯「憂と私は悪くないもん!!」
唯「「「「「そーだー!そーだー!」」」」」ブーブー
憂「な、なにが起きてんの…」
558: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:18:27.34 ID:gg161iBXO
唯「あ!憂司令官」
憂「へ!?」
唯「敵がせめてきました!早く逃げましょう」
憂「敵って警察!?」
唯「うん!私たちを無実の罪で逮捕しようとしてます」
憂「な、なんでお姉ちゃんこんなことに」
唯「いいから!!もうすぐ鉄球でこの家も壊されちゃう!!逃げないと!!」
憂「!!…でもどうやって」
唯「ふふ…私たちは無限にいるんだよ?」
憂「もう戻れないんだね…」
559: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:23:09.14 ID:gg161iBXO
唯「いけー!!」
警察50人 vs 2048人の唯
唯「おせおせー!」
警「なっなんだぁ」
唯「今だよ憂!!真ん中に」
憂「う、うん」
警「やつらが動いたぞ!!道路を封鎖しろ!!」
唯「増やせ増やせ~♪」
憂「きゃああ!!お姉ちゃんが撃たれる!」
唯「ライオットシールド増やしたから大丈夫だよ」
561: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:27:11.44 ID:gg161iBXO
ドドドドドドドド
憂「これどこに向かってるの…?お姉ちゃん」
唯「どこって…国会議事堂だよ」
憂「な、なんでっ!?」
唯「そーりだいじんにお願いして、憂を王様にしてもらうの」
憂「え!?」
唯「そして平和な国を作るんだよ」
憂「……もう付いていけないよぉ…」
唯「大丈夫!私たちがもっていくよ!!」
ワー
ワー
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯 ワー
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯憂唯唯唯唯唯唯 ワー
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯唯
562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:31:46.28 ID:gg161iBXO
―数か月後
憂「今日から新しい日本を宣言します」
唯「おー!!」
唯「ういー!!」
唯「やったぁ!!」
唯「ふぉおお!」
―
唯はゴキブリのような繁殖力で瞬く間に日本中を埋め尽くし、
日本を手中に収めることに成功しました。
唯はその後10億人まで人口を伸ばしましたが、
ろくに働かなかったので、日本は衰退の一途を辿りました。
564: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:34:09.21 ID:gg161iBXO
唯「う~い~…寝る場所がないよぉ」
憂「うぅ……もう土地がないんだよ…ごめんねお姉ちゃん」
唯「ならさ!外国に行けばいいんだよ!!」
憂「あっそれもそうだね」
唯「じゃ準備してくるね」
寝る場所と食べ物を求めて、5億人の唯はイナゴのごとく移動を始めました。
憂「みんな許してくれるかなぁ…」
憂「許してくれなくても…お姉ちゃんならどうにかなるよね」
566: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/11(水) 22:40:20.87 ID:gg161iBXO
唯「いくぞー!」
唯「「「「「「おー!!」」」」」」
唯たちは大量にコピーしたボートに乗り込み、フロンティア精神で、
北は樺太、南は台湾、そして朝鮮半島へと漕ぎ出だしました。
陸地に着くころには、2億唯しか残っていませんでしたが、
圧倒的な繁殖力で数年後には各地で自らの王朝を樹立しました。
憂「とりあえず東アジアは領土になったけど…」
憂「でもお姉ちゃん働かないから食糧賄えるかなぁ…」
憂「他の人にもっと働いてもらわないと!!」
王国内では、一家庭につき5人の唯の世話をすることが義務付けられました。
また、唯類憐みの令が発布され唯をぞんざいに扱った家には厳しい処罰が下されました。
577: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 00:22:48.97 ID:ae+S11TfO
唯「う~い~~きむちのところで私の写真が燃やされてるよぉ」
憂「えっ」
唯の扱いは法により定められ、肌に触れたり、息を吹きかけたものは
断罪されるなどという神聖不可侵な存在として厳密に保護されていました。
唯「邪魔だから出てけって…うぅ…」グス
憂「お姉ちゃん……なんでこんなことに」グス
憂「とりあえず鎮圧して下さい」
和「はっ」
憂は、唯が全世界に広がることで全人類に幸福がもたらされると信じていました。
しかし、唯5人の負担は重く、生活が成り立たなくなった民衆により唯排斥運動が
盛んに行われるようになっていました。
憂「お姉ちゃんが恨まれるなんて…絶対あってはならないよ…」
憂「そうだ!アイスの5人分無償配布をしよう」
578: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 00:31:34.99 ID:ae+S11TfO
憂の施策は一時的な功を奏したものの、唯排斥運動は収まりませんでした。
唯「う~い~~…みんなに嫌われるよぉ…」
憂「なんで……」
その場に定着し、フロンティア精神を失い、以前の体たらくを取り戻した唯は
満足に抵抗することもできず、散々な扱いを受けることもありました。
唯「アイスぅ~…」
男「てめぇに食わすアイスなんてねえんだよ!!この穀潰しが!」ボカ
唯「うぅ…ひどい……」
男「さっさと出てけ!」
唯「うっ…うう」グス
唯は征服者といえども高校三年生の女子生徒。
荒くれ者に対抗する術は持ち合わせてはいませんでした。
579: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 00:36:46.31 ID:ae+S11TfO
憂「お姉ちゃんがみんなから尊敬されるようなことです」
梓「ギター教室を開くとか?」
澪「演奏会を開くとか…」
律「唯が尊敬される要素ねぇ」
紬「う~ん…」
度重なる会議でも、有効な解決策を見出すことはできませんでした。
―みんな自分の生活に精一杯だから、お姉ちゃんを愛でる余裕がないのかも
そう考えた憂は、直々に王国内の視察を始めました。
581: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 00:43:42.85 ID:ae+S11TfO
女「唯ちゃんの扱い方が分からなくて…」
男「唯ちゃん5人は出費が…」
男「法律が厳しすぎて…扱いにくい」
女「唯ちゃんのおかげで笑顔が戻りました」
憂が各地を視察すると、いくつかの問題点が分かってきました。
まず、このままでは唯族が滅亡するのは時間の問題であるため、
憂の分身を家に置くことを条件に結婚を許可しました。
また、2唯につき1人の憂分身を養育係として派遣し、
憂の分身による監視を条件に唯に触れてよいとする規制緩和も行いました。
583: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 00:54:25.44 ID:ae+S11TfO
増殖をはじめた憂によって、経済状態は以前のレベルまで回復しました。
唯の到来によって自給自足経済へと退行した地方も、憂の派遣によって
もとの様相を取り戻すに至ったのでした。
憂「ふぅ…やっと一息ついたね、お姉ちゃん」
唯「そうだね~」
唯「でも、よく考えるとわたし何の役にもたってないよね…?」
憂「そんなことないよ!お姉ちゃんがいるだけでみんな幸せだし」
唯「そうかなぁ~///」
憂「それに王国ができたのもお姉ちゃんのおかげだし」
584: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/08/12(木) 01:00:47.47 ID:ae+S11TfO
こうして、唯を媒介にした王国は全世界に広がりました。
やがてこの王国は統一され、国境、人種、言語、宗教の壁が無くなり、
人々が自由に往来して自由に交流し、自由に経済活動のできる
人類史上初の世界政府として歴史に名を刻み、真に平和な世の中が訪れました。
唯「これからも、みんな仲良く暮らせるといいね~」
憂「うん♪」
めでたしめでたし
―唯憂王国編
完
唯「こぴー?」