1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 13:36:07.01 ID:T2PQlpXD0
梓「我が家も節電でクーラーつけたら怒られるし、困ったものです」
梓「憂も節電してるし、律先輩はバイト。澪先輩は親戚の所へ帰ってるんですよね」
梓「純はジャズ研の合宿だし」
梓「ムギ先輩の所にでも遊びに行こうかな」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 13:40:38.28 ID:T2PQlpXD0
ピンポーン
斎藤「中野梓様ですね、お入りください」
梓(えっ、何でわかったんだろう) ポカーン
紬「カメラがついてることを知らないのね。かわいいわー!何処の馬の骨かもわからない男性の元へお嫁に行くのにはもったいない!」
斎藤「お嬢様、声に出ております」
紬「……コホン。梓ちゃん、まだかしら~」
梓(ま、迷った……!)
梓(やっぱりお手伝いさんに迎えにきてもらえばよかったよ……)
梓(ここどこ……)
菫「あら、紬お嬢様の後輩の方ですよね」
梓「あなたは?」
菫「琴吹家に居候させていただいている者です。紬お嬢様のお部屋までご案内します」
梓「ありがとうございます!」
梓「菫さんはいつから琴吹家にいるんですか?」
菫「敬語なんて使わないでください。梓様の方が私より一つ年上ですから」
梓「と、年上?私が?嘘でしょ?」
菫「本当ですよ。私は紬お嬢様の二つ年下なので」
梓(信じられないなー、すごく大人っぽいのに)
菫「ここがお嬢様のお部屋です。私はこれで失礼します」
梓「ありがとう!」
梓(おおう、涼しい……)
紬「梓ちゃん、待ってたわよ」
梓「お邪魔してます!」
紬「梓ちゃんのことだもの、唯ちゃんの所に行くものだと思ってたわ~」
梓「いやあ、唯先輩の家は暑いんですよ。それにひきかえここは……」
紬「あらー、クーラー目当てだったのねぇ」
梓「そ、そんなことは……うん、えっと……」
紬「正直な梓ちゃんもかわいいわ~」
梓「決してクーラーだけを求めてたわけじゃないです!ムギ先輩に会いたくなって!」
紬「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」
梓「にしてもムギ先輩は節電しないんですか?」
紬「家は太陽光発電で電気を作ってるのよ。それでも照明を暗めにしたりはしてるけどね」
梓「だからシャンデリアが消えてたんですか」
紬「そうよ」
梓「あれを目印にしてたので困りました」
紬「悪いことしちゃったわねぇ」
梓「いえ、菫さんがここまで連れてきてくれたので!」
紬「そうなの?それはよかったわ。あの子、かわいいでしょう」
梓「すごい大人びてて美人でした!凛としてるっていうか」
紬「そうよねぇ……」
紬「やっぱり眉毛よねぇ!私もあんな風にしてみようかな、梓ちゃん!」
梓(ええー、一人で勝手にコンプレックスの海に潜っちゃった……)
梓「いえ、ムギ先輩は素敵です!ふわふわしてお嬢様の風格も出てて!」
紬「お嬢様、か……」
梓(あれ、もしかして地雷踏んじゃった……?)
紬「みんなそういうのよ。お嬢様、紬お嬢様、ってね」
紬「お金目当てで近づいてくる人。お金持ってるのは両親よ、私が持ってるはずないじゃない」
紬「当然何も買ってあげられないわ。そうしたら手のひら返して去って行くの」
紬「持ってるくせに出さない?何をふざけたことを言うのかしら。持ってないから出せないの!わかる?梓ちゃん!」
梓「は、はい……」
紬「しかもね、物が恐ろしいのよ。やれ自転車買ってくれだの、パソコンが欲しいだの。私はATMじゃないのよ!」
紬「それを少ししゃべっただけの人が平気で言うんだもの。そんなことしてたらグループは破滅よ!そうでしょ?」
梓「ソ、ソッスネ……」
紬「それにね、ただ儲けてるだけじゃないのよ。裏には多大な損失だってあるわ」
紬「それなのにお金お金って何よ!私の名前は琴吹紬、お金じゃないわ!」
梓「せ、先輩落ち着いて!」
梓「私、先輩に何か買ってもらおうなんて思ってませんから。他の先輩方もそうですよ」
梓(唯先輩は……あれだけど)
梓「ムギ先輩が大富豪だろうが、庶民だろうが、私はムギ先輩の後輩です!」
紬「梓ちゃん……」
梓「先輩がいなければ放課後ティータイムはなりたちません!」
梓(なりたつどころか壊滅しちゃう)
紬「……私ってば幸せ者ね。こんなに素敵な後輩を持って」
紬「ありがとう、梓ちゃん」
紬「ごめんなさいね、変なの見せちゃって。お茶でも飲みましょうか」
梓(私にはお金持ちの苦労はわからないけど、ストレス、溜まってるんだなあ……)
梓(私も親がサラリーマンじゃないからって珍しがられたりしたな……)
梓「あの、ムギ先輩。また何かあったら私に言ってください。全部理解できないけど、聞き役くらいにならなれます」
紬「梓ちゃん、私、そういうの本気にしちゃうわよ?」
梓「問題ないです。私、ムギ先輩好きですから」
紬「さっきの言葉、忘れた?」
梓「放課後ティータイムはなりたたない?それとも、聞き役になれる?」
紬「本気にする、ってところよ」
梓「ああ、あれですか」
紬「!」
紬「そ、そうよね!私の勘違いよねぇ!」
梓(ま、また始まった……?)
紬「私だって唯ちゃんも澪ちゃんもりっちゃんも大好きだもの!」
紬「梓ちゃんが私のこと好きだっていうのもそれよね!その、愛してる的な意味じゃないわよね!」
紬「私ったらなんて恥ずかしい!梓ちゃんは普通の女の子だもの、道を踏み外したりしないわ!」
紬「さあ、素敵な男性を探しに行ってらっしゃい!」
紬「飛び立つのよ、中野梓!」
梓「ちょ、待ってくださいよ」
紬「梓ちゃんはGPSがなくても飛べるわ!」
紬「あなたのエンジンは一流だもの!」
紬「風を、風を拾うのよ!」
梓「落ち着いてください!!」 ガシャン
紬「あ、ご、ごめんなさい……」
梓「落ち着いてくれたらそれでいいですから」
梓「私の話も聞いてください、ね?」
梓「私、ムギ先輩が好きですよ。他の先輩方も好きです」
梓「でも、ムギ先輩は特別。ええ、愛してるんです。私が言ったら何だか安っぽいですけど」
梓「最初は女子校の雰囲気に流されてるのかと思いましたけど」
梓「違うんです、好きなんですよ、ムギ先輩が」
梓「でも、私たちは同性じゃないですか」
梓「ムギ先輩はお嬢様だし、いつかどこかの若社長と結婚するんだろうと思って黙ってたのに」
梓「何でムギ先輩から言っちゃうんですか……!」
梓「空気読めないというか、自由奔放というか……」
梓「ムギ先輩は私とは一緒になれないじゃないですか……。だから黙っていた私の努力も台無しですよ」
梓「わかります?目の前にいるのにどうにもならない気持ち」
梓「同性だし、先輩後輩でどうにもならないんですよ。わかってもらえますか?」
紬「梓ちゃん、取り乱さないで。落ち着いて」
梓「さっきのムギ先輩、こんな風だったんですよ。もう暴走しないでくださいね」
梓「あ、今言ったことは全部本当です。でも、私はムギ先輩の人生を壊したくはありません」
梓「だから、忘れてください。私は中野梓、ムギ先輩の後輩です」
紬「そんなの嫌よ」
紬「梓ちゃんを私のものにするためなら日本の法律くらい、変えてみせるわ」
梓「無理だと思いますけど」
紬「ど、どうにかするわ。何だったらアメリカにでも行っちゃえばいいもの」
紬「だから、忘れろだなんていわないで。私の気持ちも受け取って」
梓「先輩は後悔しませんか?琴吹家はどうするんです?」
紬「後悔なんてしない。好きな人のためなら琴吹の名を捨ててもいいもの」
梓「……ハァ。そんなこと言われたら断れないじゃないですか」
紬「梓ちゃん、それって……」
梓「ムギ先輩、これからは恋人として先輩と接しますから」
梓「そのつもりでいてくださいね」
おわり
元スレ
ピンポーン
斎藤「中野梓様ですね、お入りください」
梓(えっ、何でわかったんだろう) ポカーン
紬「カメラがついてることを知らないのね。かわいいわー!何処の馬の骨かもわからない男性の元へお嫁に行くのにはもったいない!」
斎藤「お嬢様、声に出ております」
紬「……コホン。梓ちゃん、まだかしら~」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 13:44:08.21 ID:T2PQlpXD0
梓(ま、迷った……!)
梓(やっぱりお手伝いさんに迎えにきてもらえばよかったよ……)
梓(ここどこ……)
菫「あら、紬お嬢様の後輩の方ですよね」
梓「あなたは?」
菫「琴吹家に居候させていただいている者です。紬お嬢様のお部屋までご案内します」
梓「ありがとうございます!」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 13:48:15.46 ID:T2PQlpXD0
梓「菫さんはいつから琴吹家にいるんですか?」
菫「敬語なんて使わないでください。梓様の方が私より一つ年上ですから」
梓「と、年上?私が?嘘でしょ?」
菫「本当ですよ。私は紬お嬢様の二つ年下なので」
梓(信じられないなー、すごく大人っぽいのに)
菫「ここがお嬢様のお部屋です。私はこれで失礼します」
梓「ありがとう!」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 13:51:49.07 ID:T2PQlpXD0
梓(おおう、涼しい……)
紬「梓ちゃん、待ってたわよ」
梓「お邪魔してます!」
紬「梓ちゃんのことだもの、唯ちゃんの所に行くものだと思ってたわ~」
梓「いやあ、唯先輩の家は暑いんですよ。それにひきかえここは……」
紬「あらー、クーラー目当てだったのねぇ」
梓「そ、そんなことは……うん、えっと……」
紬「正直な梓ちゃんもかわいいわ~」
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 13:54:57.70 ID:T2PQlpXD0
梓「決してクーラーだけを求めてたわけじゃないです!ムギ先輩に会いたくなって!」
紬「嬉しいこと言ってくれるじゃないの」
梓「にしてもムギ先輩は節電しないんですか?」
紬「家は太陽光発電で電気を作ってるのよ。それでも照明を暗めにしたりはしてるけどね」
梓「だからシャンデリアが消えてたんですか」
紬「そうよ」
梓「あれを目印にしてたので困りました」
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 13:57:15.75 ID:T2PQlpXD0
紬「悪いことしちゃったわねぇ」
梓「いえ、菫さんがここまで連れてきてくれたので!」
紬「そうなの?それはよかったわ。あの子、かわいいでしょう」
梓「すごい大人びてて美人でした!凛としてるっていうか」
紬「そうよねぇ……」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 14:01:34.74 ID:T2PQlpXD0
紬「やっぱり眉毛よねぇ!私もあんな風にしてみようかな、梓ちゃん!」
梓(ええー、一人で勝手にコンプレックスの海に潜っちゃった……)
梓「いえ、ムギ先輩は素敵です!ふわふわしてお嬢様の風格も出てて!」
紬「お嬢様、か……」
梓(あれ、もしかして地雷踏んじゃった……?)
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 14:04:27.85 ID:T2PQlpXD0
紬「みんなそういうのよ。お嬢様、紬お嬢様、ってね」
紬「お金目当てで近づいてくる人。お金持ってるのは両親よ、私が持ってるはずないじゃない」
紬「当然何も買ってあげられないわ。そうしたら手のひら返して去って行くの」
紬「持ってるくせに出さない?何をふざけたことを言うのかしら。持ってないから出せないの!わかる?梓ちゃん!」
梓「は、はい……」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 14:12:08.88 ID:T2PQlpXD0
紬「しかもね、物が恐ろしいのよ。やれ自転車買ってくれだの、パソコンが欲しいだの。私はATMじゃないのよ!」
紬「それを少ししゃべっただけの人が平気で言うんだもの。そんなことしてたらグループは破滅よ!そうでしょ?」
梓「ソ、ソッスネ……」
紬「それにね、ただ儲けてるだけじゃないのよ。裏には多大な損失だってあるわ」
紬「それなのにお金お金って何よ!私の名前は琴吹紬、お金じゃないわ!」
梓「せ、先輩落ち着いて!」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 14:28:45.26 ID:T2PQlpXD0
梓「私、先輩に何か買ってもらおうなんて思ってませんから。他の先輩方もそうですよ」
梓(唯先輩は……あれだけど)
梓「ムギ先輩が大富豪だろうが、庶民だろうが、私はムギ先輩の後輩です!」
紬「梓ちゃん……」
梓「先輩がいなければ放課後ティータイムはなりたちません!」
梓(なりたつどころか壊滅しちゃう)
紬「……私ってば幸せ者ね。こんなに素敵な後輩を持って」
紬「ありがとう、梓ちゃん」
28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 14:34:54.31 ID:T2PQlpXD0
紬「ごめんなさいね、変なの見せちゃって。お茶でも飲みましょうか」
梓(私にはお金持ちの苦労はわからないけど、ストレス、溜まってるんだなあ……)
梓(私も親がサラリーマンじゃないからって珍しがられたりしたな……)
梓「あの、ムギ先輩。また何かあったら私に言ってください。全部理解できないけど、聞き役くらいにならなれます」
紬「梓ちゃん、私、そういうの本気にしちゃうわよ?」
梓「問題ないです。私、ムギ先輩好きですから」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 14:49:38.85 ID:T2PQlpXD0
紬「さっきの言葉、忘れた?」
梓「放課後ティータイムはなりたたない?それとも、聞き役になれる?」
紬「本気にする、ってところよ」
梓「ああ、あれですか」
紬「!」
紬「そ、そうよね!私の勘違いよねぇ!」
梓(ま、また始まった……?)
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 14:52:24.70 ID:T2PQlpXD0
紬「私だって唯ちゃんも澪ちゃんもりっちゃんも大好きだもの!」
紬「梓ちゃんが私のこと好きだっていうのもそれよね!その、愛してる的な意味じゃないわよね!」
紬「私ったらなんて恥ずかしい!梓ちゃんは普通の女の子だもの、道を踏み外したりしないわ!」
紬「さあ、素敵な男性を探しに行ってらっしゃい!」
紬「飛び立つのよ、中野梓!」
梓「ちょ、待ってくださいよ」
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 14:56:08.72 ID:T2PQlpXD0
紬「梓ちゃんはGPSがなくても飛べるわ!」
紬「あなたのエンジンは一流だもの!」
紬「風を、風を拾うのよ!」
梓「落ち着いてください!!」 ガシャン
紬「あ、ご、ごめんなさい……」
梓「落ち着いてくれたらそれでいいですから」
梓「私の話も聞いてください、ね?」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 15:01:52.63 ID:T2PQlpXD0
梓「私、ムギ先輩が好きですよ。他の先輩方も好きです」
梓「でも、ムギ先輩は特別。ええ、愛してるんです。私が言ったら何だか安っぽいですけど」
梓「最初は女子校の雰囲気に流されてるのかと思いましたけど」
梓「違うんです、好きなんですよ、ムギ先輩が」
梓「でも、私たちは同性じゃないですか」
梓「ムギ先輩はお嬢様だし、いつかどこかの若社長と結婚するんだろうと思って黙ってたのに」
梓「何でムギ先輩から言っちゃうんですか……!」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 15:19:15.05 ID:T2PQlpXD0
梓「空気読めないというか、自由奔放というか……」
梓「ムギ先輩は私とは一緒になれないじゃないですか……。だから黙っていた私の努力も台無しですよ」
梓「わかります?目の前にいるのにどうにもならない気持ち」
梓「同性だし、先輩後輩でどうにもならないんですよ。わかってもらえますか?」
紬「梓ちゃん、取り乱さないで。落ち着いて」
梓「さっきのムギ先輩、こんな風だったんですよ。もう暴走しないでくださいね」
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 15:22:34.04 ID:T2PQlpXD0
梓「あ、今言ったことは全部本当です。でも、私はムギ先輩の人生を壊したくはありません」
梓「だから、忘れてください。私は中野梓、ムギ先輩の後輩です」
紬「そんなの嫌よ」
紬「梓ちゃんを私のものにするためなら日本の法律くらい、変えてみせるわ」
梓「無理だと思いますけど」
紬「ど、どうにかするわ。何だったらアメリカにでも行っちゃえばいいもの」
紬「だから、忘れろだなんていわないで。私の気持ちも受け取って」
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/26(金) 15:25:54.76 ID:T2PQlpXD0
梓「先輩は後悔しませんか?琴吹家はどうするんです?」
紬「後悔なんてしない。好きな人のためなら琴吹の名を捨ててもいいもの」
梓「……ハァ。そんなこと言われたら断れないじゃないですか」
紬「梓ちゃん、それって……」
梓「ムギ先輩、これからは恋人として先輩と接しますから」
梓「そのつもりでいてくださいね」
おわり
梓「暑すぎワロエナイ」