1: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 21:28:32.76 ID:h0h99Zh1.net
注意
・コープスパーティを原作にしたSSです。
・原作のキャラは一部を除き登場予定にありません。
・残虐、残酷な表現が多く含まれてます。
・原作のネタバレが含まれます。
・キャラクターの死亡描写があります。
上記の注意事項に苦手な人はご注意下さい。
3: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 21:33:36.54 ID:h0h99Zh1.net
私たちのライブが終了して数日経った。
明日はついに歩夢がロンドンに行っちゃう日。
まぁ、留学って言ってもすぐに戻ってくるけど…………
それでも…………それでもやっぱり寂しい!
そんな時にね、ネットですごくいいおまじないを見つけたの!
侑「それがこれ!」
https://naho-saenoki.hatenadiary.org/entry/20080913/1230273752
歩夢「幸せのサチコさん?」
侑「うん!このおまじないをやったら離れてても一生絆で結ばれるんだって!いやー。トキメいちゃうよねー」
愛「へぇー!面白そう!やろうやろう!」
せつ菜「絆…良い響きですね!私もやってみたいです!」
璃奈「....」ソワソワ
しずく「うん、璃奈さんどうしたの?なんだかソワソワしてるけど」
璃奈「うん、私ね、そのおまじない知ってる。
昔ネットを調べてる時に読んだことある。」
璃奈「ただ、その時は一緒にする人もいなかったから、やったことはないけど...」
かすみ「なら今日かすみんたちでやろうよ!ね!侑先輩♪」
侑「うん!私もみんなでやりたいと思っておまじないに必要な紙も用意したんだ!」
https://i.imgur.com/C48iR0w.jpeg
エマ「離れてても結ばれてるかぁー。それってすごく素敵だね♪」
果林「そうね、私も良いおまじないだと思うわ」
ミア「……」
彼方「おやおや~、ミアちゃんってば浮かない顔してるね~」
ミア「別に、僕の国では馴染みのない文化だなって思っただけさ」
ランジュ「良いじゃない!面白そうだわ!」
栞子「ランジュ、はしゃぎすぎですよ。」
ランジュ「何言ってんのよ!栞子だって一緒にやってみたいんでしょ!」
栞子「そ、それは...まぁ...」
ランジュ「なら良いじゃない!」
歩夢「....っ」グスッ
侑「うぇ!?歩夢どうしたの?何かまずいことしちゃった...?」
歩夢「ううん、違うの...っ。」
歩夢「侑ちゃんに...そこまで大事に思ってくれてるって思うと嬉しくて...ついっ...」
侑「あ、歩夢ぅ...!!」
ギュウウウウウ!!
歩夢「わ、わあぁっ!」
侑「歩夢ううううう!やっぱり私も一緒にロンドン行くよおおおお!!」
歩夢「ちょ、ちょっと侑ちゃん!や、やめてぇえ...!」
アハハハハ
侑「...っ!ご、ごめん歩夢!さてと、それじゃあおまじないの方をやろうか!」
かすみ「そうですよぉ、お二人が互いに大切に思ってるのは十分伝わってるんですから!」
侑「あはは、ごめんごめん!」
侑「それじゃ、幸せのサチコさんのおまじない方法を教えるよ。」
侑「用意するのはこのサチコさん人形一枚だけ。ネットに型があるから切り取って使うんだ。」
侑「これの一部をみんな掴んで!」
侑「....あはは、13人でつかむとぎゅうぎゅうだね。」
侑「そしたらみんな、目を閉じて心の中でこう唱えて」
侑「『サチコさんお願いします』って」
侑「唱える回数はここにいる人数。だから13回だね!」
侑「これ重要なことだけど、絶対13回だからね!もし間違えちゃったらサチコさんが怒っちゃうらしいよ」
侑「それで唱え終わったらみんなで一斉に千切る。」
侑「それでおまじないはお終い。」
侑「それでちぎった紙をバッグとか、帽子とかに入れて大切に持ってて。それが絆の証になるから」
侑「簡単でしょ♪」
せつ菜「絆のおまじないと言ってもそう難しいものじゃないんですね。」
愛「だね!しかも紙一枚でできるなんてすごく便利!愛さんの友達みーんなとやってみようかな!」
璃奈「うん、私も浅希ちゃんとやってみたいな...」
侑「それじゃあ、みんな!おまじないやるよ!」
侑「目を閉じてー、13回サチコさんお願いしますだよ」
侑「せーのっ!」
...
.....
.......。
侑「……みんな唱えたかな?」
みんな「…」コクッ
侑「よし、それじゃあ!」
いっせーの!!
ビリィ!
侑「これでおまじないは終わり。切れ端はみんな大事に取っておいてね。」
歩夢「侑ちゃん...私のためにありがとう...この紙。ずっと大切に持ってるね」ニコッ
侑「あはは。どういたしまして。私もこの紙大切に持ってるよ」
せつ菜「それでは、皆さん!本日はそろそろ───────」
グラグラグラ‼︎‼ ︎
しずく「えっ、地震!?」
グラグラグラ‼︎‼︎ ガシャーンッ‼︎
かすみ「結構デカいよ! ってああ!かすみんBOXが!」
グラグラグラ‼︎‼︎ パリンッ
愛「うわぁ!電気が!!み、みんな!頭を守って何かに捕まって!!」
グラグラグラ‼︎‼︎ バキバキバキッ‼︎
璃奈「ッ!た、大変!!床が!」
ミア「What⁉︎いくらなんでもデカすぎるだろ!」
バキバキバキッ‼︎ グシャアアアアア‼︎‼︎
「「「「「「!!?」」」」」」
その時、私が見た光景は明らかに異様だった。
ひび割れた床...その床が崩れ落ち...床だったところは奈落とも言えるほどに真っ暗な闇が広がってる。
かすみ「きゃああああああ!!な、なんですかこれええ!?」
栞子「ッ!!皆さん!早くここからでましょう!」
ランジュ「さっきから出ようとしてるわ!!でも!開かないのよ!!ッ!!」ガチャガチャガチャ
しずく「ダメ!窓も割れません!!」
床のヒビはどんどん崩れていき、私たちの足場を奪っていく。
そして...
ズルッ
歩夢「ぁっ、あああああああああ」
歩夢が奈落へ落ちていく...
侑「歩夢ぅぅうううううう!!」
必死に歩夢へと手を伸ばして掴もうとするが....
グシャアアアアア‼︎
侑「ぁっ....」
足場をなくして私も、うんうん...私たちは奈落へと落ちていった...
そしてこれが
私たち13人が揃う最後の瞬間だった。
「「「「「キャアアアアアアアアアアァァァァ....」」」」」ヒュゥゥゥ
Prologue END
◾の手記
1
◾たちがてんじん小学校にきて、1日経った。
周りは◾んじゃってる人がいっぱいいてとても怖い。
でも、◾◾◾◾の前ではそんなことは言えない。すごくふるえてる。せっかく一緒になれたんだから◾◾◾◾を怖がらせないように、いつもみたいに元気に振るまえばきっと◾◾◾◾も笑ってくれるよね。いつもの◾らしく...いつもの◾らしく。
テンション上がるにゃー!!
歩夢『ねぇ、侑ちゃん。』
侑『うん、どうしたの歩夢?』
歩夢『私ね...侑ちゃんのことを...』
歩夢『ううん、やっぱなんでもない!』
侑『ええ!そこまで言ってそれはないよ~!」
歩夢『も~、本当になんでもないってば!』
...
.....
頭に声が響く...
誰か、私を呼んでる...?
聞き覚えのある声。いつも一緒にいて...それで...
歩夢「侑ちゃん!!!」
侑「───っ!!」ガバッ
侑「歩夢…………」
歩夢「ゆう…ちゃ…ん…!!」ガシッ
歩夢「よかっ…良かった…!全然起きなかったから…!」
侑「……心配かけさせちゃってごめんね。」
……………
侑「もう大丈夫?」
歩夢「うん、大丈夫……ありがとう侑ちゃん」
侑「気にしないで。それより、ずっと気になってたんだけど...ここって虹ヶ咲じゃないよね...」
周りはさっきまでいた同好会の部室ではなく、とても古い小学校の教室みたいな部屋になっていた。
床の一部は腐っていて、穴が空いてる。
歩夢「うん...気づいたらここで気絶してたみたい...
私たち以外誰もいないし...すごく不気味...」
歩夢の言う通り、異様なほど不気味で君の悪い気配が常に背後に付き纏ってる気配を感じる...
侑「と、とにかくここが何処だか。調べないと..!」
そう思い、辺りを見渡してみる。
──────────────────────────────────────────
【黒板】
侑「何これ...」
歩夢「気分悪くなるね....」
黒板を見てみると、小学生が描いたような落書きがされていた。
だけど、落書きの内容は小さい子供たちが大人を刃物で刺してるような絵でとても趣味がいいものじゃない...
侑「あまり見ないようにしよう」
歩夢「そうだね...うん?」
歩夢は黒板から目を逸らしたとき何か見つけたのか黒板の横にあるものを見てる。
歩夢「侑ちゃん、これ...」
歩夢がそう言い指を刺したものはプリントだった。
【天神小連絡通紙】
侑「天神小...?って、天神小学校!?」
歩夢「ゆ、侑ちゃん知ってるの...?」
侑「天神小学校はサチコさんが通ってた学校だよ!」
歩夢「サチコさんって...さっき私たちがやった...?」
侑「う、うん...でもおかしいよ!だって天神小学校って取り壊された学校だよ!?な、なんで私たちそんなところにいるの....?」
歩夢「ッ...!」
明らかに異常な状況に置かれた私たちは事態の理解が追いつかず、
自然と言葉が減っていった。
5分...10分とし時間が過ぎていった
なんで天神小学校にいるのか。みんなは何処にいるのか。
そんな考えが頭の中から離れず、次第に身体が震えてきた。
侑(駄目!このまま何もしないでいるなんて出来ない!)
侑「ねえ、歩夢..ここが何処だか分からないけど外に出てみない?」
歩夢「外?」
侑「そう、このまま教室で何もしないでいるよりここを出る道を探した方がいいと思うんだ。」
歩夢「そう、だね...みんなも探さなきゃ行けないし。ここでぼぉっとするわけには行かないよね!」
歩夢も今のままでは駄目だと考え、私たちは教室の外に出ることにした。
【廊下】
廊下を出てすぐに気づく。
歩夢「ねえ、侑ちゃん...」
床の至る所に血の乾いた跡がある。
一つや二つじゃない。床や壁、天井にまで血の跡が付いてる。
侑「...っ。行こう歩夢」テクテク
だけど、気にしては駄目...
今は一刻も早くこの異常な学校の出口を見つけて安堵したい。
そう思いながら先へ進む。
青い魂や、赤い魂。耳元から聞こえる子供の笑う声。
それらを全て見ないふり聞こえないふりして玄関を探していた。
侑「───ぁ、あった...出口だよ歩夢!!」
歩夢「よ、良かったぁ...」
階段を降りて進むとやっと出口を見つけた。
今まで張り詰めた緊張がようやく溶けたように心が安堵する。
だけど、そんなのはただのまやかしだった...
ガチャガチャ
侑「あれ?」
ガチャガチャガチャガチャ
侑「な、なんで!?玄関の鍵なら開けてるはずなのに!?」
歩夢「侑ちゃん!こっちの方も開かないよ!」ガチャガチャ
鍵を開けたはずなのに玄関は全く開く気配がなかった。
ガラスのところを思いっきり蹴ってもまるでコンクリートを蹴るようにびくともしない。
侑(ッ..!な、なんでよ...!)ゲシッゲシッ
折角見つけた出口だったのに全くの無意味だったことが受け入れられず、
私はガラスを何度も蹴る。
何度も。何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
歩夢「ね、ねぇ侑ちゃん。他のところを探してみよ!
もしかしたら他のところなら開くかも知れないから...
...だからもうやめてッ!」
────ッ!
侑「あ、あれ?私は何を...?痛ッ!」
気づいたら私の足から痛みが
侑(あ、足が痛い...ッ!私、さっきまで何を..!)
歩夢「大丈夫!?足を見せて!...っ」
靴を脱いで足を見てみると、足の爪が割れていてそこから血が流れてた。さらに親指は骨折もしたのか、変な方向に指が曲がってる。
侑「ッ!!ッッ!!」ジンジン
意識し始めたら痛みがさらに増してきた。
侑(ヤバい...本当に痛い...っ!)
歩夢「酷い怪我っ...侑ちゃん...っおぶるから捕まって!」
侑「ごめんっ..!休めるところまで...お願い...ッ」
歩夢「うん!さっき歩いてる時、保健室があったからそこまで我慢して!」
歩夢は私をおぶりながら来た道を戻る。
侑(歩夢。いつのまにか私より力持ちだね。)
...
.....
【保健室】
保健室について歩夢が応急手当をしてくれた。
応急手当と言っても保健室には手当に使えそうなものは殆ど無く、
歩夢が包帯代わりに自分の制服をハサミで切って傷口を圧迫してくれた。
歩夢「うん、これで一応応急手当は出来たよ」
侑「ごめんね歩夢。制服...帰ったら必ず弁償するから」
歩夢「気にしないで、それより傷の方は大丈夫?」
侑「全然!歩夢のおかげでこれっぽっちも痛く────ッ!!」ズキズキッ
歩夢「全然大丈夫じゃないよ!侑ちゃんしばらく安静にしてて。」
侑「うん...」
歩夢「それにしても、懐かしいね。」
侑「懐かしいって?」
歩夢「覚えてる?幼稚園の頃、私が転んで怪我したときに侑ちゃんが私をおんぶして怪我の手当をしてくれたんだよ?」ニコッ
侑「うん、覚えてるよ。結局私じゃ手当の仕方が全然分からなくて、お母さんにやってもらったんだけどね」アハハ
歩夢「うん、でも私すごく嬉しかったんだ。痛くて辛かった時に私を助けてくれて...」
侑「そっか、それなら今日のヒーローは歩夢だね。」
歩夢「っ//も、もう...そうやってすぐに...」
侑(なんだろう、少し前まではしていたような会話なのに、凄く懐かしく感じる...)
侑(歩夢とはこれからも、こんな風に過ごしていきたいな...)
侑「ねぇ、歩夢...」
歩夢「うん、どうしたの侑ちゃん」
侑「私たち、これからもずっと友達でいようね。」
歩夢「...もう、何言ってるの侑ちゃん。そんなの当たり前だよ」
侑「あはは、そうだね。それに私たちは絆で結ばれてるからね。この紙で...」
歩夢「うん...」ガサゴソ
歩夢「あれ....?」
侑「歩夢...どうしたの?」
歩夢「ないっ!おまじないの紙が無くなってる!」ガサゴソ
歩夢「あっ、侑ちゃんをおぶったときにもしかしたら...っ」
侑「あ、歩夢...?」
歩夢「ごめんね侑ちゃん!少し玄関戻ってみる!すぐ戻るからじっとしてて!」ガララ
侑「あっ─────」
妹の手記
5
お姉ちゃんたちとこの学校にきてから何日たったんだろう
食べるもの、のむものが全然ない...おなかすいちゃった...
おねえちゃんが私をたべてっていった。
できないって言ったらあたまをなでてくれた。
だいじょうぶ。◾◾◾にはおねえちゃんがいるもん。
9
おねえちゃんかたい。でもいっぱい
14
まだたくさんのこってる!まだだいじょうぶ!
15
吐き出した。おなかにあるものぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ
◾◾◾が今まであたべていたものがおねえちゃんだったなんてやだ!こわいよだれかきてたすけて
30
ごめんね。おねえちゃん。
以下空白
侑(行っちゃった...)
侑(歩夢...早く戻ってこないかな...)
歩夢が出て言ってすぐに保健室は静寂に包まれる。
侑(足の怪我...なんとかならないかな....)
足の怪我を気にして私は布団に潜る。
迂闊だった。
ここが何処だかまだ理解できていなかったんだ...
ネぇ おねエちゃん アソぼ?
侑(ッ!!?)
突如耳元から小さい子供みたいな声が聞こえる?
ううん...耳元からだけじゃない。
この保健室の至る所から...聞こえる...聴こえる...!
子供の笑い声が!!
アハハハ!!! イヒヒヒヒヒ!!
アハアハハハアアハハハハアアアアハハハ!!
侑「い、いや、いやああああ!!!」
侑(ヤバい...!ここはヤバい!!早くはやくでないと!!──────ッ!」
一目散に保健室から出ようと思った私は扉が黒い糸のようなものでみっしり縛られていたことに気づく...
https://i.imgur.com/stBOjjD.jpeg
侑(これ...糸じゃない...人の髪だ!!こんなにいっぱい...!)
ハやくニげないト おねエちゃん シンジャウよ?
アハハアハハハハハハ!!!
侑(...ッ!!!!)ブチブチブヂヂ‼︎
必死で髪をちぎる。はやくここから出ないと不味いことになっちゃう。はやく早くハヤク!!
....オネえちゃンなんかつマんない。もうイイや。バイバイ
侑(...ッ!)
侑「いやああああああああぁぁぁぁぁああ!!!!」
────────────────────────
【玄関】
歩夢「あ、良かったぁ...」
玄関に戻るとおまじないの切れ端を見つけることが出来た。
これがないとなぜだか異様に不安になってしまう。
これからは落とさないように大切に持っていないと...
歩夢(早く保健室に戻らなきゃ、侑ちゃんを待たせちゃう)
ドオオオオオン!!!!
歩夢(!?)グラグラ
2階から強く何かを叩きつけるような音が聞こえた。
校舎が軽く揺れるほど強い衝撃に思わず身体を伏せる。
歩夢(な、なに...なんの音?)
一体なんの音か私は音がなった方へ歩みを進める。
【2階】
テクテクテク
歩夢(何をやってるんだろう...早く侑ちゃんのところへ戻らないといけないのに...)
そう、頭の中で理解しても身体が言うことを聞いてくれない。
頭がズキズキする...痛い...っ
私の考えとは裏腹に音がなる方へドンドン進んでいく。
一歩一歩と進み、あと一歩先へ進んだ曲がり角...そこに何かがある...
歩夢「....」ゴクンッ
嫌な汗が止まらない
歩夢「...ッ!頭がいた、い..ッ」ズキズキ
この先は見てはいけない。見たら後悔する...
そんな警告のような頭痛が頭にヒビく...
だけど、まるで操られたかのように、私は一歩、前へ────────
歩夢「────────ッ!!」
曲がったところにあるのは壁だった。
壁には血が付いていた....
...血だけじゃない...そこには肉が、臓器が壁にべっちゃりとくっついていた....まるで、粘土を粘土板に思いっきり叩きつけたような...
歩夢「ひっ....ぁ...ぁぁ...」
ぼちゃっと壁から床に落ちた...ぐちゃぐちゃになった足なことを理解した...してしまった。
歩夢「あ...ああっ...ああああ!!」
あまりの惨状に思わず足を滑らす...違う...気づいたら血が足元まで流れていてそれで転んだんだ...
ぶにゅっ...と床についた手には変な感触が付く。
駄目...手元を見ては...見ちゃ...ッ
歩夢「いやああああああああッッ!!」
歩夢(やだっ!!怖い!気持ちわるい!!動いて!!早く動いてよぉ!)
恐怖で足がすくみ、この場から離れることができない!
そんな私の足に何かが転がってきた。
コロ....コロ...と転がるそれと私は【眼】があった。
歩夢「ぃ...ぁ...」
歩夢「っわあああああああああああ!!!」ッッダ‼︎
さっきまで動かなかった身体は急に言うことをききだして私は一目散に逃げ出した。
1秒でも早くこの場から離れてしまいたかった...
全力でその場から離れる私を眼がじっと見つめているような気がした。
....
......
歩夢「はぁ...はぁ...ッ!ゲホッ!ゴホッ...!ゔええっ!」ビチャチャ
今まで見たことないグロテスクな光景を生で目撃して、私は思わず吐き出した....
歩夢「ひぐっ...!もう、限界...!お願いっ!ここから出して!」
精神に限界が来てしまい、私は叫び声をあげる
だけど、帰ってくる返事はなく、私の心臓の音のみが聴こえる...
歩夢「そう、だ...侑ちゃん...侑ちゃんのところに戻らなきゃ...」フラフラ
【保健室】
歩夢「え...」
保健室に戻ると、そこに侑ちゃんがいない。
歩夢「侑ちゃん!何処!?何処にいるの!!?ゲホッゴホッ!」
廊下に出て声をあげる。さっきの悲鳴をあげたからか、喉が痛い...でも、そんなことは今どうでもいい!
歩夢「侑ちゃん!!返事して!!侑ちゃん!!」
喉が千切れるほど声を出して呼ぶ。
だけど、返事は来ない...
おネえちゃン おネえちゃン さガしものノばショおしえテあげルよ
歩夢「ッ!?」
背後を振り返ると赤い服を着ている長い髪の子供がいた。
明らかに、普通の子供じゃないのはすぐに気づいた。
赤い服の子供「保険室にいタおねエちゃんは女子トイレにいルよ?イヒヒヒヒ」
少女の声は目の前にいるのに、耳元から聞こえてくる。
赤い服の少女「早く向かわなイと 手遅れになっちゃウかもね!!!アハハハハハハアハハ!!!」
歩夢「────ッ!!」ダッ?
私は急いで女子トイレへ向かう。少女のいうことは嘘か真実かなんて気にしていられない。
今はすぐに侑ちゃんに会いたい。その一心で私の身体は動いた。
歩夢(侑ちゃん!侑ちゃん!!)
...
......
【二階女子トイレ】
歩夢「はぁ...!はぁ!」
私は、子供が話していた女子トイレの扉の前までついた。
歩夢「侑ちゃん!侑ちゃんいるの!?」
声をあげると、女子トイレのほうから声が聞こえた。
「んんんっ!?んんんんんんんんんんッ!!んんんんんんんんん!!」
歩夢「侑ちゃん!!?」
歩夢(聞こえる...侑ちゃんの声だ!!)
間違いなく、侑ちゃんの声が扉の奥から聞こえた。
でも、その声はまるで口をふさがれたようなこもった声だった。
歩夢「侑ちゃん!何が起きてるの!!まってて今開けるね!!」
侑「んんんんんッ!!んんんんんん!!」
私は急いで扉を開けようとした。しかし....
ガタガタガタガタ
歩夢「っ!!」
歩夢(この扉...かたい...ッ!でも、全力で開けられないことは無い...っ!)
歩夢「うううううわあああああああああああ!!!!」
ガラガラガラ!!
歩夢「侑ちゃ────────.....は?」
私の目の前には侑ちゃんがいた。
でも違う。侑ちゃんの脚。侑ちゃんの身体はあるのに...首から上がない
歩夢「え?」
目の前の身体はバタンっと倒れる。
ドクドク...ドクドクと溢れる音....
歩夢「ぁ....うそ....」
ゴロゴロと足元に転がる。
ゴロ...ゴロ...と転がるそれと私は【眼】があった。
侑「────」
歩夢「ぁ...ぁあ....あああああああああああああああ!!!!」
歩夢「嘘ッ!!!嘘嘘嘘ッ!!こんなの嘘だあぁ!!!」
歩夢「なんで!!どうして!!」
歩夢「うあああああああああああああああああ!!!!」
オキテルジタイガワカラナイ
歩夢「返事してぇ...返事してよおおお!!侑ちゃん!!」
今までずっと一緒にいた。幼馴染が
私の大好きな人の首が斬れてるなんて。耐え斬れなかった。信じれなかった
ヒハハハハハハ!!!!
イヒヒッ!!ギャハハハハハ!!
アハハハハハハハ!!アーッハハハハハハハ!!!
capture1 END
以上でcapture1については終了となります。
以下はお知らせです。
このスレは以上で完結となります。
既プレイの方は察しがついてたと思いますが、
capture1については原作の流れに近い形で動かしていました。
(侑、歩夢の関係性が原作に近しいと感じたため)
しかし、capture2以降については原作に近い関係性が大きく減るためオリジナル展開がcapture1と比べて多くなり、構成がほとんど出来上がっていません。
そのため、次の更新は構成が出来上がりましたら
新しいスレで投下しようと考えています。
元スレ
私たちのライブが終了して数日経った。
明日はついに歩夢がロンドンに行っちゃう日。
まぁ、留学って言ってもすぐに戻ってくるけど…………
それでも…………それでもやっぱり寂しい!
そんな時にね、ネットですごくいいおまじないを見つけたの!
侑「それがこれ!」
https://naho-saenoki.hatenadiary.org/entry/20080913/1230273752
歩夢「幸せのサチコさん?」
侑「うん!このおまじないをやったら離れてても一生絆で結ばれるんだって!いやー。トキメいちゃうよねー」
愛「へぇー!面白そう!やろうやろう!」
せつ菜「絆…良い響きですね!私もやってみたいです!」
84: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 21:44:14.95 ID:EqNQ+YmN.net
璃奈「....」ソワソワ
しずく「うん、璃奈さんどうしたの?なんだかソワソワしてるけど」
璃奈「うん、私ね、そのおまじない知ってる。
昔ネットを調べてる時に読んだことある。」
璃奈「ただ、その時は一緒にする人もいなかったから、やったことはないけど...」
かすみ「なら今日かすみんたちでやろうよ!ね!侑先輩♪」
侑「うん!私もみんなでやりたいと思っておまじないに必要な紙も用意したんだ!」
https://i.imgur.com/C48iR0w.jpeg
6: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 21:44:07.01 ID:h0h99Zh1.net
エマ「離れてても結ばれてるかぁー。それってすごく素敵だね♪」
果林「そうね、私も良いおまじないだと思うわ」
ミア「……」
彼方「おやおや~、ミアちゃんってば浮かない顔してるね~」
ミア「別に、僕の国では馴染みのない文化だなって思っただけさ」
ランジュ「良いじゃない!面白そうだわ!」
栞子「ランジュ、はしゃぎすぎですよ。」
ランジュ「何言ってんのよ!栞子だって一緒にやってみたいんでしょ!」
栞子「そ、それは...まぁ...」
ランジュ「なら良いじゃない!」
8: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 21:48:39.92 ID:h0h99Zh1.net
歩夢「....っ」グスッ
侑「うぇ!?歩夢どうしたの?何かまずいことしちゃった...?」
歩夢「ううん、違うの...っ。」
歩夢「侑ちゃんに...そこまで大事に思ってくれてるって思うと嬉しくて...ついっ...」
侑「あ、歩夢ぅ...!!」
ギュウウウウウ!!
歩夢「わ、わあぁっ!」
侑「歩夢ううううう!やっぱり私も一緒にロンドン行くよおおおお!!」
歩夢「ちょ、ちょっと侑ちゃん!や、やめてぇえ...!」
アハハハハ
10: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 21:54:16.05 ID:h0h99Zh1.net
侑「...っ!ご、ごめん歩夢!さてと、それじゃあおまじないの方をやろうか!」
かすみ「そうですよぉ、お二人が互いに大切に思ってるのは十分伝わってるんですから!」
侑「あはは、ごめんごめん!」
侑「それじゃ、幸せのサチコさんのおまじない方法を教えるよ。」
侑「用意するのはこのサチコさん人形一枚だけ。ネットに型があるから切り取って使うんだ。」
侑「これの一部をみんな掴んで!」
侑「....あはは、13人でつかむとぎゅうぎゅうだね。」
侑「そしたらみんな、目を閉じて心の中でこう唱えて」
侑「『サチコさんお願いします』って」
侑「唱える回数はここにいる人数。だから13回だね!」
侑「これ重要なことだけど、絶対13回だからね!もし間違えちゃったらサチコさんが怒っちゃうらしいよ」
侑「それで唱え終わったらみんなで一斉に千切る。」
侑「それでおまじないはお終い。」
侑「それでちぎった紙をバッグとか、帽子とかに入れて大切に持ってて。それが絆の証になるから」
侑「簡単でしょ♪」
11: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 22:00:03.83 ID:h0h99Zh1.net
せつ菜「絆のおまじないと言ってもそう難しいものじゃないんですね。」
愛「だね!しかも紙一枚でできるなんてすごく便利!愛さんの友達みーんなとやってみようかな!」
璃奈「うん、私も浅希ちゃんとやってみたいな...」
侑「それじゃあ、みんな!おまじないやるよ!」
侑「目を閉じてー、13回サチコさんお願いしますだよ」
侑「せーのっ!」
12: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 22:00:57.13 ID:h0h99Zh1.net
...
.....
.......。
13: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 22:01:32.64 ID:h0h99Zh1.net
侑「……みんな唱えたかな?」
みんな「…」コクッ
侑「よし、それじゃあ!」
いっせーの!!
ビリィ!
15: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 22:08:07.40 ID:h0h99Zh1.net
侑「これでおまじないは終わり。切れ端はみんな大事に取っておいてね。」
歩夢「侑ちゃん...私のためにありがとう...この紙。ずっと大切に持ってるね」ニコッ
侑「あはは。どういたしまして。私もこの紙大切に持ってるよ」
せつ菜「それでは、皆さん!本日はそろそろ───────」
19: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 22:18:09.32 ID:h0h99Zh1.net
グラグラグラ‼︎‼ ︎
しずく「えっ、地震!?」
グラグラグラ‼︎‼︎ ガシャーンッ‼︎
かすみ「結構デカいよ! ってああ!かすみんBOXが!」
グラグラグラ‼︎‼︎ パリンッ
愛「うわぁ!電気が!!み、みんな!頭を守って何かに捕まって!!」
グラグラグラ‼︎‼︎ バキバキバキッ‼︎
璃奈「ッ!た、大変!!床が!」
ミア「What⁉︎いくらなんでもデカすぎるだろ!」
20: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 22:19:58.22 ID:h0h99Zh1.net
バキバキバキッ‼︎ グシャアアアアア‼︎‼︎
「「「「「「!!?」」」」」」
その時、私が見た光景は明らかに異様だった。
ひび割れた床...その床が崩れ落ち...床だったところは奈落とも言えるほどに真っ暗な闇が広がってる。
かすみ「きゃああああああ!!な、なんですかこれええ!?」
栞子「ッ!!皆さん!早くここからでましょう!」
ランジュ「さっきから出ようとしてるわ!!でも!開かないのよ!!ッ!!」ガチャガチャガチャ
しずく「ダメ!窓も割れません!!」
床のヒビはどんどん崩れていき、私たちの足場を奪っていく。
そして...
ズルッ
歩夢「ぁっ、あああああああああ」
歩夢が奈落へ落ちていく...
侑「歩夢ぅぅうううううう!!」
必死に歩夢へと手を伸ばして掴もうとするが....
グシャアアアアア‼︎
侑「ぁっ....」
足場をなくして私も、うんうん...私たちは奈落へと落ちていった...
そしてこれが
私たち13人が揃う最後の瞬間だった。
「「「「「キャアアアアアアアアアアァァァァ....」」」」」ヒュゥゥゥ
22: 名無しで叶える物語 2022/09/26(月) 22:20:19.85 ID:h0h99Zh1.net
Prologue END
35: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 10:14:07.75 ID:Ea/rK9iM.net
◾の手記
1
◾たちがてんじん小学校にきて、1日経った。
周りは◾んじゃってる人がいっぱいいてとても怖い。
でも、◾◾◾◾の前ではそんなことは言えない。すごくふるえてる。せっかく一緒になれたんだから◾◾◾◾を怖がらせないように、いつもみたいに元気に振るまえばきっと◾◾◾◾も笑ってくれるよね。いつもの◾らしく...いつもの◾らしく。
テンション上がるにゃー!!
36: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 10:19:48.18 ID:Ea/rK9iM.net
歩夢『ねぇ、侑ちゃん。』
侑『うん、どうしたの歩夢?』
歩夢『私ね...侑ちゃんのことを...』
歩夢『ううん、やっぱなんでもない!』
侑『ええ!そこまで言ってそれはないよ~!」
歩夢『も~、本当になんでもないってば!』
39: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 12:52:23.38 ID:Ea/rK9iM.net
...
.....
頭に声が響く...
誰か、私を呼んでる...?
聞き覚えのある声。いつも一緒にいて...それで...
歩夢「侑ちゃん!!!」
侑「───っ!!」ガバッ
侑「歩夢…………」
歩夢「ゆう…ちゃ…ん…!!」ガシッ
歩夢「よかっ…良かった…!全然起きなかったから…!」
侑「……心配かけさせちゃってごめんね。」
41: 名無しで叶える物語(茸) [ここ壊れてます] .net
……………
侑「もう大丈夫?」
歩夢「うん、大丈夫……ありがとう侑ちゃん」
侑「気にしないで。それより、ずっと気になってたんだけど...ここって虹ヶ咲じゃないよね...」
周りはさっきまでいた同好会の部室ではなく、とても古い小学校の教室みたいな部屋になっていた。
床の一部は腐っていて、穴が空いてる。
歩夢「うん...気づいたらここで気絶してたみたい...
私たち以外誰もいないし...すごく不気味...」
歩夢の言う通り、異様なほど不気味で君の悪い気配が常に背後に付き纏ってる気配を感じる...
侑「と、とにかくここが何処だか。調べないと..!」
そう思い、辺りを見渡してみる。
──────────────────────────────────────────
42: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 17:55:04.16 ID:Ea/rK9iM.net
【黒板】
侑「何これ...」
歩夢「気分悪くなるね....」
黒板を見てみると、小学生が描いたような落書きがされていた。
だけど、落書きの内容は小さい子供たちが大人を刃物で刺してるような絵でとても趣味がいいものじゃない...
侑「あまり見ないようにしよう」
歩夢「そうだね...うん?」
歩夢は黒板から目を逸らしたとき何か見つけたのか黒板の横にあるものを見てる。
歩夢「侑ちゃん、これ...」
歩夢がそう言い指を刺したものはプリントだった。
【天神小連絡通紙】
侑「天神小...?って、天神小学校!?」
歩夢「ゆ、侑ちゃん知ってるの...?」
侑「天神小学校はサチコさんが通ってた学校だよ!」
歩夢「サチコさんって...さっき私たちがやった...?」
侑「う、うん...でもおかしいよ!だって天神小学校って取り壊された学校だよ!?な、なんで私たちそんなところにいるの....?」
歩夢「ッ...!」
明らかに異常な状況に置かれた私たちは事態の理解が追いつかず、
自然と言葉が減っていった。
43: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 18:32:53.12 ID:Ea/rK9iM.net
5分...10分とし時間が過ぎていった
なんで天神小学校にいるのか。みんなは何処にいるのか。
そんな考えが頭の中から離れず、次第に身体が震えてきた。
侑(駄目!このまま何もしないでいるなんて出来ない!)
侑「ねえ、歩夢..ここが何処だか分からないけど外に出てみない?」
歩夢「外?」
侑「そう、このまま教室で何もしないでいるよりここを出る道を探した方がいいと思うんだ。」
歩夢「そう、だね...みんなも探さなきゃ行けないし。ここでぼぉっとするわけには行かないよね!」
歩夢も今のままでは駄目だと考え、私たちは教室の外に出ることにした。
46: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 20:15:56.91 ID:Ea/rK9iM.net
【廊下】
廊下を出てすぐに気づく。
歩夢「ねえ、侑ちゃん...」
床の至る所に血の乾いた跡がある。
一つや二つじゃない。床や壁、天井にまで血の跡が付いてる。
侑「...っ。行こう歩夢」テクテク
だけど、気にしては駄目...
今は一刻も早くこの異常な学校の出口を見つけて安堵したい。
そう思いながら先へ進む。
青い魂や、赤い魂。耳元から聞こえる子供の笑う声。
それらを全て見ないふり聞こえないふりして玄関を探していた。
47: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 20:58:26.23 ID:Ea/rK9iM.net
侑「───ぁ、あった...出口だよ歩夢!!」
歩夢「よ、良かったぁ...」
階段を降りて進むとやっと出口を見つけた。
今まで張り詰めた緊張がようやく溶けたように心が安堵する。
だけど、そんなのはただのまやかしだった...
ガチャガチャ
侑「あれ?」
ガチャガチャガチャガチャ
侑「な、なんで!?玄関の鍵なら開けてるはずなのに!?」
歩夢「侑ちゃん!こっちの方も開かないよ!」ガチャガチャ
鍵を開けたはずなのに玄関は全く開く気配がなかった。
ガラスのところを思いっきり蹴ってもまるでコンクリートを蹴るようにびくともしない。
侑(ッ..!な、なんでよ...!)ゲシッゲシッ
折角見つけた出口だったのに全くの無意味だったことが受け入れられず、
私はガラスを何度も蹴る。
何度も。何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
49: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 21:17:37.10 ID:Rygf5dnp.net
歩夢「ね、ねぇ侑ちゃん。他のところを探してみよ!
もしかしたら他のところなら開くかも知れないから...
...だからもうやめてッ!」
────ッ!
侑「あ、あれ?私は何を...?痛ッ!」
気づいたら私の足から痛みが
侑(あ、足が痛い...ッ!私、さっきまで何を..!)
歩夢「大丈夫!?足を見せて!...っ」
靴を脱いで足を見てみると、足の爪が割れていてそこから血が流れてた。さらに親指は骨折もしたのか、変な方向に指が曲がってる。
52: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 21:42:56.22 ID:Rygf5dnp.net
侑「ッ!!ッッ!!」ジンジン
意識し始めたら痛みがさらに増してきた。
侑(ヤバい...本当に痛い...っ!)
歩夢「酷い怪我っ...侑ちゃん...っおぶるから捕まって!」
侑「ごめんっ..!休めるところまで...お願い...ッ」
歩夢「うん!さっき歩いてる時、保健室があったからそこまで我慢して!」
歩夢は私をおぶりながら来た道を戻る。
侑(歩夢。いつのまにか私より力持ちだね。)
...
.....
54: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 22:17:27.06 ID:Rygf5dnp.net
【保健室】
保健室について歩夢が応急手当をしてくれた。
応急手当と言っても保健室には手当に使えそうなものは殆ど無く、
歩夢が包帯代わりに自分の制服をハサミで切って傷口を圧迫してくれた。
歩夢「うん、これで一応応急手当は出来たよ」
侑「ごめんね歩夢。制服...帰ったら必ず弁償するから」
歩夢「気にしないで、それより傷の方は大丈夫?」
侑「全然!歩夢のおかげでこれっぽっちも痛く────ッ!!」ズキズキッ
歩夢「全然大丈夫じゃないよ!侑ちゃんしばらく安静にしてて。」
侑「うん...」
55: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 22:30:32.08 ID:Rygf5dnp.net
歩夢「それにしても、懐かしいね。」
侑「懐かしいって?」
歩夢「覚えてる?幼稚園の頃、私が転んで怪我したときに侑ちゃんが私をおんぶして怪我の手当をしてくれたんだよ?」ニコッ
侑「うん、覚えてるよ。結局私じゃ手当の仕方が全然分からなくて、お母さんにやってもらったんだけどね」アハハ
歩夢「うん、でも私すごく嬉しかったんだ。痛くて辛かった時に私を助けてくれて...」
侑「そっか、それなら今日のヒーローは歩夢だね。」
歩夢「っ//も、もう...そうやってすぐに...」
侑(なんだろう、少し前まではしていたような会話なのに、凄く懐かしく感じる...)
56: 名無しで叶える物語 2022/09/27(火) 22:44:26.81 ID:Rygf5dnp.net
侑(歩夢とはこれからも、こんな風に過ごしていきたいな...)
侑「ねぇ、歩夢...」
歩夢「うん、どうしたの侑ちゃん」
侑「私たち、これからもずっと友達でいようね。」
歩夢「...もう、何言ってるの侑ちゃん。そんなの当たり前だよ」
侑「あはは、そうだね。それに私たちは絆で結ばれてるからね。この紙で...」
歩夢「うん...」ガサゴソ
歩夢「あれ....?」
侑「歩夢...どうしたの?」
歩夢「ないっ!おまじないの紙が無くなってる!」ガサゴソ
歩夢「あっ、侑ちゃんをおぶったときにもしかしたら...っ」
侑「あ、歩夢...?」
歩夢「ごめんね侑ちゃん!少し玄関戻ってみる!すぐ戻るからじっとしてて!」ガララ
侑「あっ─────」
61: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 04:50:11.46 ID:L2zxVk9k.net
妹の手記
5
お姉ちゃんたちとこの学校にきてから何日たったんだろう
食べるもの、のむものが全然ない...おなかすいちゃった...
おねえちゃんが私をたべてっていった。
できないって言ったらあたまをなでてくれた。
だいじょうぶ。◾◾◾にはおねえちゃんがいるもん。
9
おねえちゃんかたい。でもいっぱい
14
まだたくさんのこってる!まだだいじょうぶ!
15
吐き出した。おなかにあるものぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ
◾◾◾が今まであたべていたものがおねえちゃんだったなんてやだ!こわいよだれかきてたすけて
30
ごめんね。おねえちゃん。
以下空白
63: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 09:20:32.68 ID:lJv7dmoL.net
侑(行っちゃった...)
侑(歩夢...早く戻ってこないかな...)
歩夢が出て言ってすぐに保健室は静寂に包まれる。
侑(足の怪我...なんとかならないかな....)
足の怪我を気にして私は布団に潜る。
迂闊だった。
ここが何処だかまだ理解できていなかったんだ...
64: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 09:32:55.39 ID:lJv7dmoL.net
ネぇ おねエちゃん アソぼ?
侑(ッ!!?)
突如耳元から小さい子供みたいな声が聞こえる?
ううん...耳元からだけじゃない。
この保健室の至る所から...聞こえる...聴こえる...!
子供の笑い声が!!
アハハハ!!! イヒヒヒヒヒ!!
アハアハハハアアハハハハアアアアハハハ!!
侑「い、いや、いやああああ!!!」
侑(ヤバい...!ここはヤバい!!早くはやくでないと!!──────ッ!」
一目散に保健室から出ようと思った私は扉が黒い糸のようなものでみっしり縛られていたことに気づく...
https://i.imgur.com/stBOjjD.jpeg
侑(これ...糸じゃない...人の髪だ!!こんなにいっぱい...!)
ハやくニげないト おねエちゃん シンジャウよ?
アハハアハハハハハハ!!!
66: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 10:17:20.97 ID:lJv7dmoL.net
侑(...ッ!!!!)ブチブチブヂヂ‼︎
必死で髪をちぎる。はやくここから出ないと不味いことになっちゃう。はやく早くハヤク!!
....オネえちゃンなんかつマんない。もうイイや。バイバイ
侑(...ッ!)
侑「いやああああああああぁぁぁぁぁああ!!!!」
67: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 12:35:51.25 ID:BvpACtD9.net
────────────────────────
【玄関】
歩夢「あ、良かったぁ...」
玄関に戻るとおまじないの切れ端を見つけることが出来た。
これがないとなぜだか異様に不安になってしまう。
これからは落とさないように大切に持っていないと...
歩夢(早く保健室に戻らなきゃ、侑ちゃんを待たせちゃう)
ドオオオオオン!!!!
歩夢(!?)グラグラ
2階から強く何かを叩きつけるような音が聞こえた。
校舎が軽く揺れるほど強い衝撃に思わず身体を伏せる。
歩夢(な、なに...なんの音?)
一体なんの音か私は音がなった方へ歩みを進める。
69: 名無しで叶える物語(茸) [ここ壊れてます] .net
【2階】
テクテクテク
歩夢(何をやってるんだろう...早く侑ちゃんのところへ戻らないといけないのに...)
そう、頭の中で理解しても身体が言うことを聞いてくれない。
頭がズキズキする...痛い...っ
私の考えとは裏腹に音がなる方へドンドン進んでいく。
一歩一歩と進み、あと一歩先へ進んだ曲がり角...そこに何かがある...
歩夢「....」ゴクンッ
嫌な汗が止まらない
歩夢「...ッ!頭がいた、い..ッ」ズキズキ
この先は見てはいけない。見たら後悔する...
そんな警告のような頭痛が頭にヒビく...
だけど、まるで操られたかのように、私は一歩、前へ────────
70: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 18:59:11.84 ID:m2Q44qLx.net
歩夢「────────ッ!!」
曲がったところにあるのは壁だった。
壁には血が付いていた....
...血だけじゃない...そこには肉が、臓器が壁にべっちゃりとくっついていた....まるで、粘土を粘土板に思いっきり叩きつけたような...
歩夢「ひっ....ぁ...ぁぁ...」
ぼちゃっと壁から床に落ちた...ぐちゃぐちゃになった足なことを理解した...してしまった。
歩夢「あ...ああっ...ああああ!!」
あまりの惨状に思わず足を滑らす...違う...気づいたら血が足元まで流れていてそれで転んだんだ...
ぶにゅっ...と床についた手には変な感触が付く。
駄目...手元を見ては...見ちゃ...ッ
71: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 19:06:17.38 ID:m2Q44qLx.net
歩夢「いやああああああああッッ!!」
歩夢(やだっ!!怖い!気持ちわるい!!動いて!!早く動いてよぉ!)
恐怖で足がすくみ、この場から離れることができない!
そんな私の足に何かが転がってきた。
コロ....コロ...と転がるそれと私は【眼】があった。
歩夢「ぃ...ぁ...」
歩夢「っわあああああああああああ!!!」ッッダ‼︎
さっきまで動かなかった身体は急に言うことをききだして私は一目散に逃げ出した。
1秒でも早くこの場から離れてしまいたかった...
全力でその場から離れる私を眼がじっと見つめているような気がした。
....
......
72: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 19:23:52.36 ID:m2Q44qLx.net
歩夢「はぁ...はぁ...ッ!ゲホッ!ゴホッ...!ゔええっ!」ビチャチャ
今まで見たことないグロテスクな光景を生で目撃して、私は思わず吐き出した....
歩夢「ひぐっ...!もう、限界...!お願いっ!ここから出して!」
精神に限界が来てしまい、私は叫び声をあげる
だけど、帰ってくる返事はなく、私の心臓の音のみが聴こえる...
歩夢「そう、だ...侑ちゃん...侑ちゃんのところに戻らなきゃ...」フラフラ
74: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 20:22:38.65 ID:L2zxVk9k.net
【保健室】
歩夢「え...」
保健室に戻ると、そこに侑ちゃんがいない。
歩夢「侑ちゃん!何処!?何処にいるの!!?ゲホッゴホッ!」
廊下に出て声をあげる。さっきの悲鳴をあげたからか、喉が痛い...でも、そんなことは今どうでもいい!
歩夢「侑ちゃん!!返事して!!侑ちゃん!!」
喉が千切れるほど声を出して呼ぶ。
だけど、返事は来ない...
76: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 20:50:57.23 ID:L2zxVk9k.net
おネえちゃン おネえちゃン さガしものノばショおしえテあげルよ
歩夢「ッ!?」
背後を振り返ると赤い服を着ている長い髪の子供がいた。
明らかに、普通の子供じゃないのはすぐに気づいた。
赤い服の子供「保険室にいタおねエちゃんは女子トイレにいルよ?イヒヒヒヒ」
少女の声は目の前にいるのに、耳元から聞こえてくる。
赤い服の少女「早く向かわなイと 手遅れになっちゃウかもね!!!アハハハハハハアハハ!!!」
歩夢「────ッ!!」ダッ?
私は急いで女子トイレへ向かう。少女のいうことは嘘か真実かなんて気にしていられない。
今はすぐに侑ちゃんに会いたい。その一心で私の身体は動いた。
歩夢(侑ちゃん!侑ちゃん!!)
...
......
77: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 21:02:29.54 ID:L2zxVk9k.net
【二階女子トイレ】
歩夢「はぁ...!はぁ!」
私は、子供が話していた女子トイレの扉の前までついた。
歩夢「侑ちゃん!侑ちゃんいるの!?」
声をあげると、女子トイレのほうから声が聞こえた。
「んんんっ!?んんんんんんんんんんッ!!んんんんんんんんん!!」
歩夢「侑ちゃん!!?」
歩夢(聞こえる...侑ちゃんの声だ!!)
間違いなく、侑ちゃんの声が扉の奥から聞こえた。
でも、その声はまるで口をふさがれたようなこもった声だった。
歩夢「侑ちゃん!何が起きてるの!!まってて今開けるね!!」
侑「んんんんんッ!!んんんんんん!!」
私は急いで扉を開けようとした。しかし....
ガタガタガタガタ
歩夢「っ!!」
歩夢(この扉...かたい...ッ!でも、全力で開けられないことは無い...っ!)
歩夢「うううううわあああああああああああ!!!!」
ガラガラガラ!!
79: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 21:21:56.02 ID:L2zxVk9k.net
歩夢「侑ちゃ────────.....は?」
私の目の前には侑ちゃんがいた。
でも違う。侑ちゃんの脚。侑ちゃんの身体はあるのに...首から上がない
歩夢「え?」
目の前の身体はバタンっと倒れる。
ドクドク...ドクドクと溢れる音....
歩夢「ぁ....うそ....」
ゴロゴロと足元に転がる。
ゴロ...ゴロ...と転がるそれと私は【眼】があった。
81: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 21:30:39.20 ID:L2zxVk9k.net
侑「────」
歩夢「ぁ...ぁあ....あああああああああああああああ!!!!」
歩夢「嘘ッ!!!嘘嘘嘘ッ!!こんなの嘘だあぁ!!!」
歩夢「なんで!!どうして!!」
歩夢「うあああああああああああああああああ!!!!」
オキテルジタイガワカラナイ
歩夢「返事してぇ...返事してよおおお!!侑ちゃん!!」
今までずっと一緒にいた。幼馴染が
私の大好きな人の首が斬れてるなんて。耐え斬れなかった。信じれなかった
ヒハハハハハハ!!!!
イヒヒッ!!ギャハハハハハ!!
アハハハハハハハ!!アーッハハハハハハハ!!!
82: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 21:31:39.97 ID:L2zxVk9k.net
capture1 END
83: 名無しで叶える物語 2022/09/28(水) 21:42:46.71 ID:EqNQ+YmN.net
以上でcapture1については終了となります。
以下はお知らせです。
このスレは以上で完結となります。
既プレイの方は察しがついてたと思いますが、
capture1については原作の流れに近い形で動かしていました。
(侑、歩夢の関係性が原作に近しいと感じたため)
しかし、capture2以降については原作に近い関係性が大きく減るためオリジナル展開がcapture1と比べて多くなり、構成がほとんど出来上がっていません。
そのため、次の更新は構成が出来上がりましたら
新しいスレで投下しようと考えています。
侑「天神小学校?」歩夢「ここは何処なの!?」