1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:13:05.00 ID:PuVj3Gw30.net
最近はヨーロッパの品を多く仕入れていたが……こういう地域の食器なども悪くない。
とりあえず今日はいろんな店の品を見て回る程度にしようと思っていたが……ついつい夢中になってしまった。
おかげで、少し歩きすぎたせいだろうか……随分と腹が減ってしまっている。
時間も良い頃だし、そろそろどこかで昼飯を済ませよう。
店員「なあ、そこのダンディなお方! 観光かい?」
ん?
店員「どうだい? お粥! 香港に来たんなら、点心かお粥食べとかないと損だよ!」
お粥か……そういえば、香港だとお粥を主食に食べると聞いたことがあるな……。
昼飯前にお粥というのも妙な感じだが……腹が減って仕方がない今の腹には丁度いい。
五郎「あの……お粥っていうのどんなのが……」
店員「そうだなぁ……やっぱり定番は皮蛋痩肉粥かな? ピータンと豚肉を使ったお粥だよ」
五郎「じゃあ、それを一つ……」
2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:14:26.67 ID:PuVj3Gw30.net
注文をした後、改めて辺りを見渡してみた。
中々賑やかで良い場所だ。通行人を眺めてみれば、観光客だろうか、外国人も多い。
まあ……この場合、日本人である俺も外国人の一人になるわけか。
店員「はい、お待ちどうさま」
お。来た来た。
┌──濃厚な味のピータン
|
皮蛋痩肉粥――脂身の少ない豚肉。お腹に優しそう
|
└小さく浮かべられたネギが可愛らしい
五郎「いただきます……」
五郎「ズッ」
五郎「もぐ もぐ」
うん、うまい。
この感じは……生姜だ。生姜が効いている。
この生姜の感じに加えて脂身の少ない豚肉……食前に入れるのには丁度いい。
ピータンは……ん、いい塩味。それでいてピータン自体が濃厚だ。
アレだなぁ……お粥というと味が薄いけどお腹に溜まる的なイメージがあったけど……。
これはお腹にすっきり収まって……それでいて味は決して薄くない。主食ってのが頷ける。
店員「そうだ、お客さん! ホットコーラもあるけど、どうだい?」
五郎「ホットコーラ……?」
飲んだことのない料理だ……美味いのだろうか? 炭酸が飛んでいってしまってそうだ……。
というか……お粥にコーラというのもどうなんだろう。
五郎「……」
まあいい。物は試しだ。
五郎「じゃあ……一つください」
店員「あいよ!」
ホットコーラ――その名の通りホットのコーラ。結構熱い
|
└スライスされた生姜とレモンが浮かんでいる
これがホットコーラかぁ……。
どれどれ……。
五郎「ごくり」
ほう!
これまた生姜が効いている。温めたため甘味が強くなっているが、レモンの酸味と合わさって丁度いい感じだ。
飲み物というより漢方というか薬というか……まるで違う飲み物のようだ。
生姜のおかげか、お粥の後に飲むのもマズくない。うんうん、いいじゃないか、こういうのも。
店員「そこのデカい兄ちゃん! アンタら観光客かい?」
おっと、店の人が違う客を見つけ、対応を始めてしまった……。
お粥も食べ終えたし、そろそろ本格的に昼食を取る場所を決めるか。
さて、どうしよう。
そういえば……滝山が前に言っていた香港の料理店……。
確か印をつけた地図まで持たされたっけ……。
たしか鞄の底の方に……ああ、あった。この地図の切れ端だ。
お、丁度この近くじゃないか。
これは神様がその店に行けと言っているな。
神様のお言葉なら仕方がない。そこへ向かおう。
五郎「ええと……『水宝酒家』……」
五郎「お……ここか」
五郎「一人です……はい」
店員に人数を言い、案内された席へ。
いい雰囲気の店だ。
しかし客は一人だけ……しかもどこか妙な髪型の西洋人だ……。
今、あっちではああいう髪型が流行っているのだろうか……?
まあいい……とにかく何か注文しよう。
とりあえず主食だというお粥を一品と……魚……あと貝も欲しいな。
……?……田雛?
確かこれは……。
五郎「……」
……うん、ちょっとした挑戦的な感じで注文してみよう。
五郎「すみませーん」
皮蛋牛肉粥――さっきの粥の牛肉版と言ったところか
梅子明炉鳥魚――魚の煮物。ほんのりと香る梅り
煮貝子――貝を煮た料理。何貝だろう?
火考 田雛――蛙の丸焼き。随分と思い切った挑戦をしてしまった
五郎「うわぁ、これはまた……」
まず目を奪われるのが、やはりこの蛙か。
田雛が蛙を表すことは知っていたが、まさかここまで露骨に蛙とは……。
……これは後に回そう。まずはお粥だ。
五郎「ズル」
本日二回目のお粥。これも生姜が効いている。先ほどのお粥よりも強めだ。
五郎「うんうん、うまいうまい」
魚はどうだろう。
これは……梅だ。梅の味と香りがする。
それでいて身はふっくらとしていて脂も乗っていて……その脂は梅で丁度よく中和されて……。
ああ、うまい。こりゃあうまいぞ。
五郎「さて……蛙か……」
……。
五郎「……この人参、可愛いな。星の形だ」
なんて付け合せの人参に言っても、蛙からは逃げられないか。
まあ焦ることはない。まだ貝だって食べてないんだ。先に貝に行こうじゃないか。
五郎「ん……」
うん、うまい。
うまい……が……煮物か……。
よく考えれば、魚介類の煮物で魚と貝がダブってしまった。
どちらかを焼くか蒸すかした料理にするべきだったか……。
五郎「……」
そして……蛙かぁ……。
思い切った注文をしてしまったもんだ……。
せめて……この蛙がもう少し蛙じゃなければなぁ……。
……。
ええい、食ってしまえ!
五郎「あぐ」
……ん?
うまい!
見た目はアレだが……うまい! うまいぞ!
今日注文した料理の中でも一番うまいかもしれない。
噂には聞いていたが、蛙の肉ってのは鶏肉に近い味だ。それでいて、淡白……違う、上品な味。
そうか……こういうのを上品な味って言うのか……。
しかし上品でいて……焼かれた蛙の肉の表面はパリっと仕上がっていて……これはワイルドにガツンと来る味がある。
うまい。
五郎「……見た目で肉を判断しちゃいけないなぁ……うん」
アヴ「ジョースターさん! 危ないッ!」
五郎「ん?」
ジョセフ「スタンドだッ!」
料理に夢中で気付かなかったが、客が増え、しかも何か騒ぎが起きている。
それもさっきお粥の店で見かけた客と……さっきの奇妙な髪型の男だ。
アヴドゥル「マジシャンズ・レッド!」
マジシャンズ……?
何を騒いでいるのだろう。
それにしても……急に店の中が暑くなってきた気がする。
ポルナレフ「俺のスタンドは戦車のカードを持つシルバー・チャリオッツ!」
五郎「……」
ポルナレフ「モハメド・アヴドゥル……始末して欲しいのは貴様からのようだな……」
五郎「……」
ポルナレフ「そのテーブルに火時計を作った! 火が12時を燃やすまでに……」
五郎「……」
ポルナレフ「貴様を殺s」
バン!
五郎「人の食べてる前で」
五郎「そんなに騒がなくたっていいでしょう」
ポルナレフ「えっ」
五郎「今日はものすごくお腹が減っているはずなのに……見てください」
五郎「これしか喉を通らなかった!」
花京院(ほとんど完食してるように見えますが……)
ポルナレフ「何だァ? 何の文句があるのか知らねえがな」
ポルナレフ「今こっちは大事な話をしている最中なんだ! 引っ込んでろ!」
五郎「……あなたは客の気持ちを全然まるでわかっていない!」
五郎「モノを食べるときはね、誰にも邪魔されず自由で」
五郎「なんというか救われてなきゃあダメなんだ」
五郎「独りで静かで豊かで……」
アヴドゥル(……突然何を言い出すんだこの客は……)
ジョセフ(まさかこいつも新手のスタンド使い……では……ないだろうな……?)
ポルナレフ「何をわけのわからないことを言ってやがる」
ポルナレフ「あっち行ってろ! 今はお前なんかに構ってる暇はない!」
ポルナレフ「どけ!」ドン
五郎「!」バッ
ギュッ
ポルナレフ「がああああ!」
ポルナレフ「痛っイイ」
ポルナレフ「お……折れるう~」
花京院「あ……やめろ! それ以上はいけない!」
五郎「……」
五郎「はぁ」
あいつあの目……。
五郎「香港か……」
変わった国だった……。
承太郎「……」
承太郎「何だあのオッサンは」
おわり
元スレ
注文をした後、改めて辺りを見渡してみた。
中々賑やかで良い場所だ。通行人を眺めてみれば、観光客だろうか、外国人も多い。
まあ……この場合、日本人である俺も外国人の一人になるわけか。
店員「はい、お待ちどうさま」
お。来た来た。
┌──濃厚な味のピータン
|
皮蛋痩肉粥――脂身の少ない豚肉。お腹に優しそう
|
└小さく浮かべられたネギが可愛らしい
4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:16:28.80 ID:PuVj3Gw30.net
五郎「いただきます……」
五郎「ズッ」
五郎「もぐ もぐ」
うん、うまい。
この感じは……生姜だ。生姜が効いている。
この生姜の感じに加えて脂身の少ない豚肉……食前に入れるのには丁度いい。
ピータンは……ん、いい塩味。それでいてピータン自体が濃厚だ。
アレだなぁ……お粥というと味が薄いけどお腹に溜まる的なイメージがあったけど……。
これはお腹にすっきり収まって……それでいて味は決して薄くない。主食ってのが頷ける。
6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:18:24.60 ID:PuVj3Gw30.net
店員「そうだ、お客さん! ホットコーラもあるけど、どうだい?」
五郎「ホットコーラ……?」
飲んだことのない料理だ……美味いのだろうか? 炭酸が飛んでいってしまってそうだ……。
というか……お粥にコーラというのもどうなんだろう。
五郎「……」
まあいい。物は試しだ。
五郎「じゃあ……一つください」
店員「あいよ!」
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:19:45.73 ID:PuVj3Gw30.net
ホットコーラ――その名の通りホットのコーラ。結構熱い
|
└スライスされた生姜とレモンが浮かんでいる
これがホットコーラかぁ……。
どれどれ……。
五郎「ごくり」
ほう!
これまた生姜が効いている。温めたため甘味が強くなっているが、レモンの酸味と合わさって丁度いい感じだ。
飲み物というより漢方というか薬というか……まるで違う飲み物のようだ。
生姜のおかげか、お粥の後に飲むのもマズくない。うんうん、いいじゃないか、こういうのも。
店員「そこのデカい兄ちゃん! アンタら観光客かい?」
おっと、店の人が違う客を見つけ、対応を始めてしまった……。
お粥も食べ終えたし、そろそろ本格的に昼食を取る場所を決めるか。
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:21:45.93 ID:PuVj3Gw30.net
さて、どうしよう。
そういえば……滝山が前に言っていた香港の料理店……。
確か印をつけた地図まで持たされたっけ……。
たしか鞄の底の方に……ああ、あった。この地図の切れ端だ。
お、丁度この近くじゃないか。
これは神様がその店に行けと言っているな。
神様のお言葉なら仕方がない。そこへ向かおう。
五郎「ええと……『水宝酒家』……」
五郎「お……ここか」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:25:51.69 ID:PuVj3Gw30.net
五郎「一人です……はい」
店員に人数を言い、案内された席へ。
いい雰囲気の店だ。
しかし客は一人だけ……しかもどこか妙な髪型の西洋人だ……。
今、あっちではああいう髪型が流行っているのだろうか……?
まあいい……とにかく何か注文しよう。
とりあえず主食だというお粥を一品と……魚……あと貝も欲しいな。
……?……田雛?
確かこれは……。
五郎「……」
……うん、ちょっとした挑戦的な感じで注文してみよう。
五郎「すみませーん」
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:28:53.24 ID:PuVj3Gw30.net
皮蛋牛肉粥――さっきの粥の牛肉版と言ったところか
梅子明炉鳥魚――魚の煮物。ほんのりと香る梅り
煮貝子――貝を煮た料理。何貝だろう?
火考 田雛――蛙の丸焼き。随分と思い切った挑戦をしてしまった
五郎「うわぁ、これはまた……」
まず目を奪われるのが、やはりこの蛙か。
田雛が蛙を表すことは知っていたが、まさかここまで露骨に蛙とは……。
……これは後に回そう。まずはお粥だ。
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:31:04.22 ID:PuVj3Gw30.net
五郎「ズル」
本日二回目のお粥。これも生姜が効いている。先ほどのお粥よりも強めだ。
五郎「うんうん、うまいうまい」
魚はどうだろう。
これは……梅だ。梅の味と香りがする。
それでいて身はふっくらとしていて脂も乗っていて……その脂は梅で丁度よく中和されて……。
ああ、うまい。こりゃあうまいぞ。
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:33:05.00 ID:PuVj3Gw30.net
五郎「さて……蛙か……」
……。
五郎「……この人参、可愛いな。星の形だ」
なんて付け合せの人参に言っても、蛙からは逃げられないか。
まあ焦ることはない。まだ貝だって食べてないんだ。先に貝に行こうじゃないか。
五郎「ん……」
うん、うまい。
うまい……が……煮物か……。
よく考えれば、魚介類の煮物で魚と貝がダブってしまった。
どちらかを焼くか蒸すかした料理にするべきだったか……。
五郎「……」
そして……蛙かぁ……。
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:36:07.43 ID:PuVj3Gw30.net
思い切った注文をしてしまったもんだ……。
せめて……この蛙がもう少し蛙じゃなければなぁ……。
……。
ええい、食ってしまえ!
五郎「あぐ」
……ん?
うまい!
見た目はアレだが……うまい! うまいぞ!
今日注文した料理の中でも一番うまいかもしれない。
噂には聞いていたが、蛙の肉ってのは鶏肉に近い味だ。それでいて、淡白……違う、上品な味。
そうか……こういうのを上品な味って言うのか……。
しかし上品でいて……焼かれた蛙の肉の表面はパリっと仕上がっていて……これはワイルドにガツンと来る味がある。
うまい。
五郎「……見た目で肉を判断しちゃいけないなぁ……うん」
24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:38:28.32 ID:PuVj3Gw30.net
アヴ「ジョースターさん! 危ないッ!」
五郎「ん?」
ジョセフ「スタンドだッ!」
料理に夢中で気付かなかったが、客が増え、しかも何か騒ぎが起きている。
それもさっきお粥の店で見かけた客と……さっきの奇妙な髪型の男だ。
アヴドゥル「マジシャンズ・レッド!」
マジシャンズ……?
何を騒いでいるのだろう。
それにしても……急に店の中が暑くなってきた気がする。
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:40:35.68 ID:PuVj3Gw30.net
ポルナレフ「俺のスタンドは戦車のカードを持つシルバー・チャリオッツ!」
五郎「……」
ポルナレフ「モハメド・アヴドゥル……始末して欲しいのは貴様からのようだな……」
五郎「……」
ポルナレフ「そのテーブルに火時計を作った! 火が12時を燃やすまでに……」
五郎「……」
ポルナレフ「貴様を殺s」
バン!
五郎「人の食べてる前で」
五郎「そんなに騒がなくたっていいでしょう」
ポルナレフ「えっ」
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:42:19.86 ID:PuVj3Gw30.net
五郎「今日はものすごくお腹が減っているはずなのに……見てください」
五郎「これしか喉を通らなかった!」
花京院(ほとんど完食してるように見えますが……)
ポルナレフ「何だァ? 何の文句があるのか知らねえがな」
ポルナレフ「今こっちは大事な話をしている最中なんだ! 引っ込んでろ!」
五郎「……あなたは客の気持ちを全然まるでわかっていない!」
五郎「モノを食べるときはね、誰にも邪魔されず自由で」
五郎「なんというか救われてなきゃあダメなんだ」
五郎「独りで静かで豊かで……」
アヴドゥル(……突然何を言い出すんだこの客は……)
ジョセフ(まさかこいつも新手のスタンド使い……では……ないだろうな……?)
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:44:29.25 ID:PuVj3Gw30.net
ポルナレフ「何をわけのわからないことを言ってやがる」
ポルナレフ「あっち行ってろ! 今はお前なんかに構ってる暇はない!」
ポルナレフ「どけ!」ドン
五郎「!」バッ
ギュッ
ポルナレフ「がああああ!」
ポルナレフ「痛っイイ」
ポルナレフ「お……折れるう~」
花京院「あ……やめろ! それ以上はいけない!」
五郎「……」
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/07/27(日) 23:45:02.12 ID:PuVj3Gw30.net
五郎「はぁ」
あいつあの目……。
五郎「香港か……」
変わった国だった……。
承太郎「……」
承太郎「何だあのオッサンは」
おわり
井之頭五郎「香港か……」承太郎「何だあのオッサンは」