SS速報VIP：パタリロ「おい！ 銀座の寿司屋！！」 ＱＢ「なんだい？」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324640131/1: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:35:32.10 ID:VufV54pu0
・百合にＢＬ何でもござれ。パタリロ！×魔法少女まどか☆マギカ＋αの誰特クロス
・パタリロ「他人の気がしませんなあ」 ほむら「誰の顔がつぶれあんまんよ！
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1322/13223/1322300494.html
の続きのようなもの
・原作からギャグをパクリまくりの駄文。キャラ崩壊、その他色々と崩壊注意
・最初の方で、映画「けいおん！」のネタバレがあるので注意
・タマネギの番号を考えるのがめんどいので、タマネギはほぼ全員『タマネギ』表記
2: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:37:59.13 ID:VufV54pu0
常春の国 マリネラ
パタリロ「退屈だ」
パタリロ「ロンドンに行ってくる」
タマネギ「またですか？ 少佐に迷惑かけたらいけないですよ」
パタリロ「誰も股に迷惑なんぞかけんわい」
タマネギ「いえ、そうではなくてですね？ バンコラン少佐に……」
パタリロ「僕は爽よりＭＯＷの方が好きだ」
タマネギ「アイスの話じゃなくてですね！ 人の邪魔になっちゃいけないですよって話です！」
パタリロ「何！？ ロンドンに陰間茶屋があるのか！」
タマネギ「どう言えばわかるんです！」
パタリロ「どう聞けばわかるんだ！」
タマネギ「またアホなことやってー」
タマネギ「人の邪魔、陰間茶屋。強引だなぁ～」
などと、アホなやり取りをやっているうちに
ロンドン
マリネラ大使館
タマネギ「おや、殿下。また帳簿の抜き打ち監査ですか？」
パタリロ「別に仕事で来たわけじゃない。退屈だから、ただなんとなく来ただけだ」
タマネギ「さいですか」
タマネギ「退屈なら仕事をしてくださいよ、宮殿の連中が嘆いてましたよ」
パタリロ「うるさい！ 仕事をするくらいなら、退屈してた方がマシだと常日頃言っとるだろーが！」
パタリロ「何か面白いことは無いのかー！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
タマネギ「マライヒさんのとこに行けばいいのに」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「留守らしいぞ」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「やれやれ、この調子じゃ、僕達の仕事も邪魔されちゃう」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「誰か殿下を追い返す良いアイディアは無いか？」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「僕に任せてくれ」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「お、良い考えがあるのか」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「殿下」
パタリロ「なんだ」
パタリロ「ジュビリー・ガーデンズ？ 今更、観覧車からロンドンの街並みを見下ろす趣味なんて無いぞ」
タマネギ「いえ、そうではなくてですね」
タマネギ「今日、あそこで日本のポップカルチャーを紹介するイベントをやってるみたいですよ」
タマネギ「日本の文化なら殿下の得意ジャンルでしょう？ 行ってみたら良い暇つぶしになるんじゃないですか？」
パタリロ「そういうことなら行ってみるか」ﾃｸﾃｸﾃｸ……
タマネギ「よくやった」
ジュビリー・ガーデンズ
パタリロ「おお、やってるなぁ」
パタリロ「あっちでは雅楽」
イギリス人「オー！ ガガク！」
パタリロ「あっちでは歌舞伎」
イギリス人「オー！ カブキ！」
パタリロ「そして向こうでは能」
イギリス人「オー！！ ノｫｫｫｫｫー！！」ｸﾞﾁｬｧｧ
パタリロ「まさに日本のポップカルチャー」ﾊﾊﾊ
パタリロ「あんなところにそばの屋台がある」
パタリロ「二八そばひとつ」
イギリス人「オー、イエー」
パタリロ「うまいうまい」ｽﾞｽﾞｽﾞｰ
パタリロ「おいくらです？」
イギリス人「シックスティーンペンス」
パタリロ「銭は細かいんだ、手を出してくんな」
イギリス人「イエース」
パタリロ「ひい、ふう、み、よ、いつ、む、なな、や……」ﾁｬﾘﾝﾁｬﾘﾝ
パタリロ「ナウ・ホワット・タイム・デイ？（今何刻でい？）」
イギリス人「ヘェ、ヨツデス」
パタリロ「いつ、む、なな、や……って、なんでやねーん！！」ﾜﾊﾊﾊﾊﾊ!
イギリス人「ＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡ」ﾊﾊﾊﾊﾊ!
マライヒ「何をやっているんだ君は」
パタリロ「おやマライヒ」
パタリロ「御山雷妃じゃないぞ。ましてやオーヤマ・ライヒなんていう馬でもない」ﾊｯﾊｯ
マライヒ「君の言うことはわからない」
パタリロ「お前こそ、こんなところで何をしているんだ。フィガロも一緒か」
フィガロ「」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ
マライヒ「こんなに天気の良い日だしね。フィガロもゲームばっかりやってちゃ体に毒だと思って」
パタリロ「相変わらずのゲームの虫か」
フィガロ「」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ
マライヒ「向こうでバンド演奏をやっててね」
マライヒ「音楽でも聞けばゲームするのをやめるかなと思って、これから連れて行くところさ」
パタリロ「バンドだー？」
マライヒ「日本から来た女の子が演奏してるんだ。さっき準備してるところを見たけど、かわいい娘達だったよ」
パタリロ「ホントお前はゲイのくせに、そういう発言をさらっとするな」
ドゲシッ！！
パタリロ「いやなに、僕はただバンコランが嫉妬するんじゃないかと心配してだな」ﾎﾞﾛｯ
パタリロ「そういえばバンコランはどうした」
マライヒ「昨日から仕事さ。内乱が起こっているＳ国ってあるだろう？」
マライヒ「そこの王子を筆頭とする王党派に、ＭＩ６が協力することになって、ホテル・アイビスで会合らしい」
パタリロ「ホテル・アイビスー？ 旅行者が使う安宿じゃないか」
マライヒ「だからこそ、重要人物が泊まってるとは考えにくいだろう？」
パタリロ「しかしＳ国王子か。美少年なのか？」
マライヒ「浮気の心配は無いよ。写真を見たけど、バンコランの好みとはかけ離れていたもの」
マライヒ「それにＳ国内戦といえば英国王室にも絡んでくる重要な仕事だ。いくらあの人でも時と場合はわきまえ……」
マライヒ「るとは限らないんだよな～～、本当にあの人だけは～～……」ｽﾞｰﾝ
─────────── … ……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
前の日 ホテル・アイビス
＼ﾕｲｾﾝﾊﾟｲ! ﾜﾀｼｿｳﾕｳﾝｼﾞｬ､ﾅｲﾃﾞｽｶﾗ!／
バンコラン「馬鹿者！ 愛に性別なんぞ関係あるか！」
部下「どうしたんです？ 突然」
バンコラン「何故か叫ばなければいけない気がしたのだ」
部下「さいで」
部下「少佐、王子が御出でになりました」
王子「少佐！ 会いたかった！」
バンコラン「よし、お前達は席を外せ。２時間は誰も部屋に入れるなよ」
部下「了解」
部下「マライヒ君には別人の写真を見せたんだって？」ﾋｿﾋｿ
部下「マライヒ君もかわいそうになぁ」ﾋｿﾋｿ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
─────────── … ……
＼ｲﾁﾆｰｻﾝｼｰｺﾞｰﾊｰﾝ!／
マライヒ「あれだよ。放課後ティータイムっていう名前のバンドだってさ」
パタリロ「ほーかごてぃーたいむ～～？」
パタリロ「放火後とかけて、ティータイムと解く」
パタリロ「その心は？」
パタリロ「どちらもコップがつきものです」
パタリロ「わかるか？ 警官とコップをかけているのだ」ﾊﾊﾊﾊﾊ
マライヒ「」ｼﾗｰ
マライヒ「君がくだらないこと言うのは勝手だけどねー」
マライヒ「せっかくだからちゃんと聞いておやりよ」
唯「もーいっかい！！」
マライヒ「へぇー結構良い曲だね」
パタリロ「ん～～？？」
マライヒ「どうしたの」
パタリロ「美しい……」
マライヒ「え？ あ、演奏終わった」
さわ子「ほら、あなた達急いで！」
梓「唯先輩やり過ぎです！」
唯「えへへ、ごめんよぉ」
律「急げ急げ！ タクシー捕まえろ！」
澪「忘れ物無いか！？」
紬「それ！ 急げ～～」
パタリロ「ああ！ ちょっと、待っておくんなまし～～！」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
マライヒ「ああ、行っちゃった……」
マライヒ「それじゃあ僕はバンコランに差し入れでも持っていってあげようかな」
フィガロ「」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ
─────────── … ……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ロンドン大使館
パタリロ「放課後ティータイムという日本のバンドのキーボーディストについて調べろ」
タマネギ「なんだなんだ、一体どうしたんだ？」
タマネギ「なんでも殿下の悪い癖がでたらしい」
タマネギ「ええ！ ちゃんとトイレで用を足さなかったのか！？」
ボカッ！
タマネギ「悪い糞じゃない！ 悪い癖だ！」ｷﾀﾅｲｷﾞｬｸﾞｦ!
タマネギ「殿下の悪い癖というと……」
タマネギ「金か」
タマネギ「今回はそっちじゃない。色恋沙汰の方だ」
タマネギ「ええ！？ ということは殿下の初恋の相手・マデリーン姫のクリソツさんが現れたってことか！」
タマネギ「えらいことになってきた」
タマネギ「マリネラ王妃になるかもしれない人を探すんだからな。真面目にやらんと」
タマネギ「殿下！ 日本の大使館から連絡です！」
パタリロ「おお！ 身元がわかったか！」
タマネギ「殿下が探している女性は、琴吹紬という人ですね。日本の桜ヶ丘高校に通っている高校生です」
タマネギ「放課後ティータイムというのは、その学校の軽音楽部が組んでるアマチュアバンドのようですね」
タマネギ「琴吹と言ったら世界的な企業じゃないか」
タマネギ「そこの奥さんが、いつもダイヤを買ってくれてるはずだぞ」
パタリロ「流星号ーー！！」
思い立ったが吉日！
パタリロはすぐ流星号で日本に飛んだ！
琴吹邸
斎藤「お帰りなさいませ、お嬢様」
紬「ただいま、斎藤」
シュイーーン……
ドギャッ！！
タマネギ「殿下ー、ちゃんとコントロールしてくださいよぉ」ｲﾀﾀ
パタリロ「馬鹿者！ 恋に減速は禁物なのだ！」
斎藤「なっ……！ なっ……！」ｱﾝｸﾞﾘ
斎藤「なんですか！ あなた達は！」
タマネギ「すみません！ 我々これこれしかじかこういう者で！」
タマネギ「紬お嬢様にお会いになれないでしょうか！」
斎藤「マ、マリネラ国王様であられましたか！」
斎藤「しかし紬お嬢様は、たった今帰宅されたところで疲れておいでです、申し訳ありませんがまた日を改めて……」
紬「いえ斎藤、お客様を応接室にお通しして」
斎藤「はっ、承知しました」
応接室
紬「ふふふ」ﾆｺﾆｺ
タマネギ「思ったよりマデリーン姫に似てないな」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「ストライクゾーンを広げたのかな」ﾋｿﾋｿ
パタリロ「こら！ 何をひそひそ話をしておるか！」
パタリロ「いやいや申し訳ない。うちの部下は教育がなっていませんで」ﾊﾊﾊ
紬「いえいえ。それで今日はどのようなご用件でしょう？」
パタリロ「おっと、その前に自己紹介がまだでしたな」
パタリロ「マリネラ国王のパタリロ・ド・マリネール８世です。どうぞよろしく」
紬「まあ！ それじゃあ、あなた達があの有名な！」
紬「裸で酢漬けになる人達なのね！」
パタリロ「そう！ 我々がフランスの漬物・マリネ裸人！」ﾀｯﾊｯﾊｯ
紬「冗談です。いつも母が、マリネラのダイヤは最高だと申しておりますわ」ﾆｺ
パタリロ「食えないお人だ」ﾊﾊﾊﾊ
タマネギ「おい、殿下が押されているぞ」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「まさか」ﾋｿﾋｿ
紬「それで、どのようなご用で？」
パタリロ「紬さん！ 昨日、ロンドンであなたを見かけて一目惚れしました！」
パタリロ「僕と結婚してマリネラ王妃になってください！」
タマネギ「殿下にしては、まともな告白じゃないか」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「これは、もしかするともしかするぞ」ﾋｿﾋｿ
紬「あー、なるほど……」
パタリロ「どうでしょう！？」
紬「……ちょっと失礼。もしもし、斎藤？ 菫を応接室によこして」
菫「お呼びでしょうか？ お嬢様」
パタリロ「これはまた、お美しいメイドさんですな」ﾊﾊﾊ
菫もパタリロの好みにどストライクだった
紬「菫、こっちにいらっしゃい」
菫「お嬢様？」
紬「陛下。お気持ちはありがたいのですが、私はマリネラ王妃になることはできません」
パタリロ「そ、それは何故です！？」
紬「何故なら――」ｽｯ
菫「お！ お嬢様！？ お客様の前です……んぐ」
ズキュゥゥゥン!!!
紬「――というわけで、男の子には興味無いの。ごめんなさい」ﾃﾍﾍﾟﾛ
菫「お、お嬢様ぁ///」ｶｧｧ
パタリロ「」ﾎﾞｰｾﾞﾝ
タマネギ「殿下？」
パタリロ「」ｼﾞｼﾂ
タマネギ「だめだこりゃ。完全に停止してる」
パタリロ好みのパツキン美少女二人が、熱いベーゼを交わすというショッキングな光景は
パタリロの精神に大きな傷跡を残したのでした
ラシャーヌ！ で同じ様なオチがありましたが、どうかお気になさらず
パタリロ「なんでこうなるのじゃーー！！」ｳﾜｰﾝ!
タマネギ「ラシャーヌ君が伝染ったんでしょうかねぇ」
このように、パタリロの周りでは常に騒動が絶えません
しかし、ここまでは本筋には関係無く、次からが本題です
Ｔｈｉｓ ｉｓ ａ ｂｏｏｋ！！
訳：これは本だい！！
なんちゃって
常春の国 マリネラ
ＱＢ「すみませーん」
タマネギ「何！？ 貴様一体、何をやったんだ！」
ＱＢ「別に何もやってないよ。魔法少女稼業からは足を洗ったし」
タマネギ「今、謝っていたじゃないか！！」
ＱＢ「君達、客人をいつもそういう風に出迎えてるのかい？」
タマネギ「ユーモアは人生の調味料ですから」ﾊﾊﾊ
ＱＢ「わけがわからないよ」
タマネギ「調味料といえば」
タマネギ「今は三河屋さんで働いてるんですって？ マリネラには慣れました？」
ＱＢ「どうもこの国の気候の中にいると調子が狂っちゃうや」
ＱＢ「でも概ね快適だね。同僚のヴェガ星人もいい人だし」
タマネギ「それはなにより」
ＱＢ「今日はパタリロ・ド・マリネールに用があってね。呼んできてくれないかな」
タマネギ「ちょっと待っててください」
タマネギ「殿下ー！ キュゥべえさんが来ましたよー！」
パタリロ「寿司なんぞ頼んでないわい！」
タマネギ「だ、そうです」
ＱＢ「誰が銀座の老舗だい！ インキュベーターのキュゥべえだよ！」
ＱＢ「ついでに言えば、昔流行ったテレビゲームでもなければ、蛍光灯でもないよ！」
タマネギ「うわー、なんと言うか」
タマネギ「マリネラに来てまだ数ヶ月なのに、随分と染まってますね」
ＱＢ「わけがわからないよーー！！」ｳﾜｰﾝ!
パタリロ「まったく。なんなんだ騒々しい」
ＱＢ「やあやあ、今日は僕が用事があるわけじゃないんだけど、街で面白い人物を拾ってね」
ＱＢ「入っておいで！」
杏子「お邪魔しまーす」
ＱＢ「彼女が君に用があるみたいだから連れてきたんだよ」
パタリロ「誰や！」
杏子「え……」
ＱＢ「忘れたのかい？ 元魔法少女の佐倉杏子だよ」
パタリロ「誰や！」
杏子「な、なんだよ……アタシってそんなに印象薄いのか……」ｸﾞｽ
パタリロ「誰や！」
杏子「うぇ……ふぇぇん……」ｸﾞｽﾝ
パタリロ「誰や！！」
タマネギ「宇宙人と中学生相手に、笑福亭松鶴が通じると思ってるんですか」
パタリロ「通じる通じないの問題ではないのだ」ｳｰﾑ
杏子「うわーん！ そうやって皆アタシをいじめるんだー！！」
ＱＢ「真面目に話を聞いてやってくれないかな。なんかこの子ナーバスになってるから」
パタリロ「今更なんの用だ、確か同棲してたハズだろう？ あの……かねさだか、マルコメマミと一緒に」
ＱＢ「トモエだよ」
杏子「聞いてくれよー！ マミさんが……マミさんがぁぁ」
─────────── … ……
パタリロ「浮気～～？」
杏子「そうなんだ……」ｸﾞｽﾝ
パタリロ「眼力コンタクトは返してもらったはずだぞ。まどかの眼力の影響も無くしてやったし」
杏子「それが、本物の眼力に目覚めちゃったみたいで、コンタクトを外してもやりたい放題なんだよ」
パタリロ「本物の眼力だと～～？」
杏子「うん。今や、学校でマミさんの毒牙にかかってない女子はいない、っていうくらいモテモテで」
パタリロ「素質はあると思っていたが、まさかそこまでとはな」
杏子「この前だって……」
───── … ……
＿＿＿＿＿
マミホーム
杏子『マミさーん♪ この前作り方教えてもらったケーキ作ってみたよー』
マミ『zzz』ｸﾞｰｽｶ
杏子『あれ、寝てるや。ふふ、疲れてるのかな』
マミ『うーん……あら？ もうこんな時間？』
杏子『もう、寝ぼけちゃって……」
マミ『お家に帰らないと……』ﾉｿﾉｿ
杏子『え……？』
マミ『あ』
＿＿＿＿＿
───── … ……
パタリロ「どこかで聞いた話だ」
杏子「それにそれに！ この間なんて、アタシの舎弟を紹介したとき！」
───── … ……
＿＿＿＿＿＿
杏子『マミさん、紹介するよ。ゆまっていうんだ』
ゆま『はじめまして、ちとせゆまです』ﾍﾟｺﾘ
マミ『へぇーかわいいわ娘ね』
マミ『うふふ』ｼﾞｰ
杏子『ちょっとちょっとストーップ！』
杏子『マミさん！ 何、ゆまを誘惑しようとしているの！』
マミ『あら、バレた？』ｳﾌﾌﾌﾌ
＿＿＿＿＿＿
───── … ……
杏子「いくらなんでもロリコンは無いと思わない！？」
パタリロ「それで、我慢できなくなって家出してきたというわけか」
杏子「そうさ！ アタシがいなくなって困り果てれば、マミさんもアタシのありがたみがわかるだろう！？」
パタリロ「お前がいなくなると何が困るんだ？」
杏子「え？」
パタリロ「ちょっと前までホームレス中学生をやっていた小卒の居候がいなくなって、何を困ることがあるんだ？」
杏子「え……え……」ｵﾛｵﾛ
パタリロ「なんの取り柄も無く愛人を気取って家に居すわるゴクツブシがいなくなって、何を困ることがあるんだ？」
杏子「ううぇ……ふぇ……ふぇぇぇん」ｸﾞｽｸﾞｽ
ＱＢ「やめたげなよ」
タマネギ「大人気のない」
パタリロ「僕の方が年下なのだが」
パタリロ「しかし、家出した理由はわかったが、何故僕のところに来たんだ」
杏子「だって他に頼れる人がいないんだもーん！」
パタリロ「まどかや例の変態色魔がいるだろう……って」
パタリロ「そうか。あいつは今、心臓の手術でマリネラに来てるんだっけ」
杏子「うぇぇぇん、ふぇぇぇぇ」ｸﾞｽﾝｸﾞｽﾝ
パタリロ「わかったわかった。とりあえず夕飯でもごちそうするから落ち着け」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
杏子「飯！？ ホントか！？」ﾊﾟｧｧｧ
パタリロ（とりあえずなだめておいて、適当なところで追い返そう）
─────────── … ……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
マリネラ国立病院 二階の病室
まどか「ほむらちゃん、無事に手術終わっておめでとうー」
さやか「おめでとー！」
ほむら「ありがとう」
さやか「いやぁ、一時はどうなることかと思ったよ。魔法少女をやめた途端、心臓が再発するとはねぇ」
ほむら「今までは魔法でごまかしていたから」
まどか「世界一の医療を誇るマリネラで手術できて、本当に良かったね～」
ほむら「そうね……確かに幸運だったかも」
まどか「あ、リンゴ剥いてあげるよ」
ほむら「本当にありがとう。まどかが付き添いで来てくれたから、手術もがんばれたのよ」
まどか「もうー、ほむらちゃんったらー」ﾃｨﾋﾋ
ほむら「本当よ。まどかがそばにいてくれれば、あっという間に回復して、即退院だわ」
さやか「こらこら、あたしの愛の力も忘れるなよー？」
ほむら「ノーサンキューね」
さやか「なんだとー！」
まどか「ふふ、はやく元気になってね？」
さやか「じゃあ、あたしが口移しでりんご食べさせてあげるー」ﾑﾁｭｰ
まどか「だ、駄目だよ！ さやかちゃん！」
ほむら（さやかさえついてこなければ完璧だったのに）ﾎﾑｰ
ガラガラガラ
パタリロ「やあやあ」ﾃｸﾃｸ
ほむら「」
まどか「あ、パタリロ君、こんにちわー」
ほむら「ごめんなさいまどか……私、あなたとの約束を果たせない」
ほむら「この病院が私の墓場になるのよ……」ｶﾞｸｯ
まどか「ええ！？ ほむらちゃーん！」
さやか「ほむら！ ほむらー！！」
パタリロ「おいおい、皮肉が上手くなったなぁ？ え？」ﾊｯﾊｯ
ほむら「何しにきたのよ！ このつぶれあんまん！」
パタリロ「前にも言ったが、お前に言われるのは納得がいかんぞ」
ほむら「うるさいわね！ あんたの顔見てたら傷が開くわ！」
パタリロ「随分な言い草だな。人がせっかく心配して見にきてやったというのに」
ほむら「あんたに心配されるくらいなら、クラスの男子に心配された方がマシよ」
パタリロ「どういう言われようだ」
さやか「ほむら！ クラスの男子とあたしだったらどっちが好き？」
ほむら「何よ、やぶから棒に」
パタリロ「いやいや、壁から釘でんねんけど」
ほむら「粗忽の釘はもういいってば！」
パタリロ「おい」
ほむら「何よ！」
パタリロ「今のは宿替えのほうだ」
ほむら「上方落語と江戸落語の違いなんてどうでもいいわよー！！」ﾎﾑﾎﾑﾎﾑﾎﾑ!
さやか「ねえ答えてよほむらー！」
ほむら「愚問ね。勿論あなたよ、美樹さやか」
さやか「よっし！ ってことは、少なくともカリメロ君よりは上ってことだ」
パタリロ「ちょっと待たんかい」ｺﾗ
さやか「じゃあじゃあ！ まどかとあたしだったらどっちが好き！？」
ほむら「まどか」ｷﾘｯ
さやか「即答かよ！」
ほむら「当然よ。私は、まどかをマリアナ海溝より深く」
ほむら「いえ、そんな目安をつけるのもおこがましいくらいに、愛しているわ」
さやか「じゃあ、あたしのことはどう思ってるわけ！？」
ほむら「別に」
さやか「別に、って……それだけ？」
ほむら「ええ」
さやか「なんだかほむらに邪険に扱われてる気がしてたけど、あんまりだー！！」ｳﾜｰﾝ!
ほむら「今までの、私にとってのあなたの印象を考えれば、嫌ってないのが奇跡みたいなものよ」
さやか「え！？ 今嫌ってないって言った！？」
ほむら（しまった）
さやか「嫌われてない！ 嫌われてないんだ！ ならあたしにもまだワンチャンある！」ｻﾔｰ!
さやか「あたしの愛を見て！ ほむら！」ｳｵｰ!
パタリロ「愛見て？ あいみての？」
パタリロ「逢いみてのー」
ほむら「あら、和歌の心得があるの？」
パタリロ「後の心にくらぶればー」
ほむら「くらぶれば？」
パタリロ「それにつけても金の欲しさよ」
まどか「それ違うよー」ﾃｨﾋﾋ
ほむら「無様ね。あなたには和の心がまるでわかっていない」
パタリロ「ならばお前がやってみせろ」
ほむら「耳かっぽじって良く聞きなさい」
まどか「かっぽじる？」
ほむら「逢いみての」
ほむら「後の心にくらぶれば」
パタリロ「くらぶれば？」
ほむら「それにつけてもまどかの隅々まで舐めまわしてこねくりまわしてアンアン言わせたいわ」
パタリロ「十歳の子どもの前でなんて事言うんだお前は」ｵｲｺﾗ
まどか「ほむらちゃんったらー」ｳｪﾋﾋ
さやか「もーう！！」
さやか「みんなしてあたしのことを無視してー！」
さやか「あたしの愛を見てって言ってるのーー！！」
パタリロ「たかさーごーや♪ このうらぶーねに、ほをあーげーて♪」
さやか「逢いみても、高砂やも、キムラヤもアンパンも知るかーー！！」
まどか「キムラヤ？ アンパン？」
さやか「もう知らない！ ほむらの馬鹿ーー！！」ﾀﾀﾀﾀ
まどか「あっ、さやかちゃん！」
ほむら「なんて事してくれたのよ！」
パタリロ「おや、お前がさやかの為に怒るとは意外だな」
ほむら「あなたがおちょくったせいで出て行ったのに、私が馬鹿って言われたのは納得できないの」
パタリロ「さよけ」
ほむら「それより、あなた一体なんの用で来たのよ」
ほむら「まさか、本当にただ見舞いにきたわけじゃないんでしょ？」
パタリロ「問題はそこだ」
ほむら「どこよ？」ｷｮﾛｷｮﾛ
パタリロ「腕を上げたな」ﾊﾊﾊ
ほむら「あーん！ ついやってしまったわーー！！」ﾎﾑﾎﾑﾎﾑ!
パタリロ「つまり用というのはだ」
パタリロ「杏子をなんとかして欲しいのだ。お前達の仲間だろう」
まどか「杏子ちゃんがどうかしたの？」
パタリロ「実はかくかくしかじかで」
まどか「家出？」
パタリロ「そうだ」
ほむら「家出で一々海外までこられちゃ世話無いわね」
パタリロ「落ち着いてる場合じゃない。早く追い返さないと大変なことになる」
まどか「マミさん、一人で寂しがってるだろうなぁ」
パタリロ「そんなことはどうでもええわい。そうではなくてだな――」
───── … ……
＿＿＿＿＿
タマネギ『おーい！ 豚の丸焼き２匹追加だーー！！』
タマネギ『なんだって！？ もう２匹食べたじゃないか！』
タマネギ『いつもの殿下ならもう満足しているはずだろう！？』
タマネギ『それがお客のほうが殿下に負けず劣らずの大食ぶりでーー！！』ﾋｴｰﾝ!
タマネギ『食材が足りないぞ！ 物資の調達に行ったトラックはまだ帰ってこないのかーー！！』
＿＿＿＿＿＿
───── … ……
パタリロ「――というように、毎食修羅場なのだ」
まどか「タマネギさん達大変そうだねー」
パタリロ「タマネギはどうでもいいが、このままじゃ食費がかさんで仕方が無いんだ」
ほむら「そうよね、あなたってそういう奴よね」
パタリロ「とにかく、あいつを追い返したいのだ。お前達説得してくれないか」
ほむら「そんなの、力ずくで適当に追い返せばいいじゃない。なんでわざわざ私達に頼むのよ」
パタリロ「そう思うのが畜生の浅ましさ」ﾊｯﾊｯﾊｯ
グサッ！
ほむら「今度くだらないこと言ったら、この果物ナイフを刺すわよ」
パタリロ「もう刺してるじゃないか！！」ｲﾃﾃ
まどか「ほむらちゃん落ち着いてー」
パタリロ「まったく……とにかくだ」
パタリロ「最初は無理やり追い出そうと思ったのだが、僕だって恋人の浮気に悩む子羊を叩き出す程、冷血漢ではない」
パタリロ「だから穏便な手段を求めて、わざわざここにやってきたのだ」
ほむら「お断りよ」
パタリロ「気のせいか？」
パタリロ「今、断るって聞こえたような」ﾊｯﾊｯﾊｯ
ほむら「気のせいじゃないわ」
パタリロ「何故だ！ お前達仲間じゃないのか！」
ほむら「だからこそよ」
ほむら「人の色恋沙汰に口を出すと、ろくな事にならないもの」
パタリロ「ほう。病院の二階に厄介、合わせて十階の身分の分際で断れると思っているのか？」
まどか「二階に厄介？ あ、八階ってこと？ ホント落語ネタ好きだね～」ｳｪﾋﾋ
ほむら「何が言いたいのよ」
パタリロ「お前の手術代・入院費を出してやったのは、僕だということを忘れるなよ」ﾌｯﾌｯﾌｯ
ほむら「……知り合いの知り合いに弁護士がいるの」
ほむら「私に万一のことがあれば、ある資料をマスコミに公開するように頼んであるわ」
パタリロ「ある資料とは？」
ほむら「あなたの指紋がついたケースに入ったゆるゆり菌のサンプルよ」
ほむら「一国の王が海外に危険な細菌を持ち込んだことが明るみに出れば、あなたの世間的なイメージは地に落ちるわ」
ほむら「そうなると、この国の基幹産業の売り上げはどうなるのでしょうね」
パタリロ「ハッハッハッ！ 水臭いことを！」
パタリロ「友人が病気で困ってるなら、医療費を出してやるくらい当然じゃないか」ﾊｯﾊｯﾊｯ
パタリロ「どれ、ここはひとつ友人として、桜餡子の悩みを取り除いてやろう」ﾀｯﾊｯﾊｯ
まどか「ほむらちゃん、今言ったことって本当？」ﾋｿﾋｿ
ほむら「ただのハッタリよ。でも、この手は当分使えるわね」ﾋｿﾋｿ
───── … ……
＿＿＿＿＿＿
マリネラ宮殿
タマネギ「それで結局帰ってきたわけか」
タマネギ「なんの為に病院に行ったんだかわからないな」
タマネギ「殿下は今何してるんだ？」
タマネギ「なんでも新しい発明品を造っているとか」
パタリロ「ふう。あとは磁石をセットすれば完成だ」
パタリロ「おーい！ 誰か磁石を持ってこーい！」
タマネギ「はいどうぞ」っＣＤ
パタリロ「なんだこれは」
タマネギ「え？ 今、殿下が仰ったじゃないですか」
タマネギ「しじゃくを持ってこいって」
ボカッ！！
パタリロ「誰が桂枝雀大全を持ってこいと言った！！ 磁石だ磁石！！」
パタリロ「もういい！ 自分で持ってくる！」ｶﾁｬｶﾁｬ
パタリロ「よし、これで完成だ。ふっふっふっ……」
パタリロ「久しぶりに発明パタちゃんの面目躍如だー！！」ﾄﾞﾄﾞｰﾝ!
杏子「発明パタちゃん？」
タマネギ「殿下は発明の天才なんですよ」
タマネギ「ワルプルギスの夜みたいにね」
杏子「ワルプルギスの夜みたい？」
タマネギ「そうそう、忘れた頃にやってくる」
タマネギ「天災」
パタリロ「なんとでも言えー！ 今の僕には何を言っても効かんわーい！」ﾜﾊﾊﾊ
タマネギ「久しぶりだからって舞い上がっちゃって」
パタリロ「というわけで、これが僕の発明した簡易魔法少女変身装置！ その名も……」ｻﾞｻﾞｰﾝ!
パタリロ「『そうゆうジェム』ーー！！」ﾊｸｾﾝｼｬﾊﾆｯﾎﾟﾝｲﾁ!
杏子「どういうジェムだって？」
パタリロ「そうゆうジェムだ」
杏子「ふーん？ それでそれがなんだって言うのさ」
パタリロ「この高度なシャレを理解できなかったらしい」
タマネギ「理解できなくて幸せだと思いますよ」
ボカッ！
パタリロ「つまりだ。これはその名の通り、魔法少女に変身できる機械だ」
パタリロ「ちょっとやってみろ」
杏子「どれどれ」ﾍﾝｼﾝ!
杏子「おおー！ やっぱこれだよ！ この槍が無いとしっくりこねぇ！」ｼｬｷｰﾝ!
パタリロ「元々は、感情エネルギーを研究していて造ったものなのだがな」
パタリロ「人間は誰でも普段から喜怒哀楽で感情を表し、少量のエネルギーを発生しているのだ」
パタリロ「第二次性徴期の少女が希望から絶望に落ちるときには、天文学的エネルギーを発生するようだが」
パタリロ「この装置はそんな巨大なエネルギーを必要とはしない。人間の普段の感情から発生するエネルギーで動くのだ」
パタリロ「簡易と銘打ってあるが、魔法少女としての性能は本物となんら遜色はない」
パタリロ「人間を遥かに超える運動能力も与えてくれるし、絶対に怪我しないように身体の強度を高めてくれる」
パタリロ「元祖魔法少女はそこらへんの設定が色々ブラックだったが、この装置はちゃんと人道に配慮しているのだ」
パタリロ「勿論、魂をソウルジェムとして加工したり、穢れが溜まって魔女になるなんてことも無い」
杏子「ふーん。なんだかよくわからないけど、すごいな」
杏子「で？ これでどうしろっていうのさ」
パタリロ「問題はそこだ」
杏子「うん」
パタリロ「そこだ」
杏子「うん？」
パタリロ「だから、そこだ」
杏子「わかったって」
パタリロ「わからんやつだなーー！ 問題はそこだと言っとるだろーがー！！」
タマネギ「いい加減諦めたらどうです」
パタリロ「このギャグには特別思い入れがあるのだ」ｳｰﾑ
杏子「それでなんだっていうのさ？」
パタリロ「この装置のすごいところは、その者個人に眠る固有魔法も引き出してくれるところなのだ」
パタリロ「つまりだ。君は昔、幻惑を操る魔法を使えたのだろう？」
杏子「え？ ああ……うん……ぅぅ……」
杏子「うわぁーーん！！ 親父ー！！ お袋ー！！ モモー！！」ｳﾜｰﾝ!
パタリロ「わー！ わー！ 悪かった！ 昔を思い出させて悪かった！」
杏子「悪ぃ……取り乱した」ｸﾞｽﾝ
パタリロ（やりにくいな）
パタリロ「だからだ。その幻術を使って、巴マミにショック療法を敢行してやろうというのだ」
杏子「ショック療法？」
パタリロ「余談だが、魔女が今はどうなったか知っているか？」
杏子「そういえば知らないや」
パタリロ「魔法少女システムの解体に伴い、全ての魔女も魂を浄化され、行き着くべき所に却っていったのだが」
パタリロ「とにかく、魔女はいなくなり、平和な世界が訪れたのだ」
杏子「ふーん。それで？」
パタリロ「魔法少女は今や命を賭ける必要はなくなった」
パタリロ「巴マミの今の行動も、その平穏がいつまでも続くと思い込んでいる故のことだと考えられる」
パタリロ「世の中平和なのだから、いつでも相手できる恋人は放ってほいて浮気に精を出してる、というわけだ」
杏子「なんだよそれ、ひどい！」
パタリロ「逆に言えば、一番愛されているということなのだがな」
パタリロ「だがその平穏が、突如崩されるとしたら？」
杏子「え？」
パタリロ「いつでも相手できると思っていた恋人が突如自分の前から消えてしまう……」
パタリロ「そんなショッキングな出来事を、幻術を使って体験させてやれば、巴マミの浮気癖も鳴りを潜めるのではないか？」
杏子「幻術でぇ？ そんなに上手くいくかなあ？」
パタリロ「迫真の演技は、ときに本物の出来事の様にインパクトを与えるものだ」
パタリロ「オーソン・ウェルズの火星人襲来騒動を知っているか？」
杏子「ローソン食えるず？ からあげクンならチーズが好きかな、アタシは」
パタリロ「おじさん、つまらないジョークを言う娘は好きじゃないなぁ」
タマネギ「わお、自分のことは思い切り棚に上げてるぞ」
ボカッ！
パタリロ「つまりだ」
パタリロ「１９３０年代に起きたことなのだが、オーソン・ウェルズという俳優が、ラジオで火星人が攻めてくるという劇を放送したのだ」
杏子「火星人～？」
パタリロ「しかし、あまりに迫真の演技で行ったものだから、付近の住民がそれを信じて大騒ぎになったという事件だ」
杏子「ふーん。それがなんだっていうのさ」
パタリロ「つまり、それくらい必死でやれば、嘘の出来事でもマミの浮気性を消し去るくらいのショックを与えてやれるということだ」
パタリロ「お前が本気でマミのことをなんとかしたいと思ってるのなら、どうだ？ やってみるか？」
杏子「そうか……よし！ やってみる！」
パタリロ「よし。それでは具体的な手筈なのだが」
パタリロ「魔女の代わりに、魔獣という存在が出現したことにする」
杏子「まじゅう？」
パタリロ「そうだ。魔女が消えた為に、発散されなくなった世の呪いが具現化し、人々を襲う怪物となったのだ」
パタリロ「多種多様で女性的だった魔女に対し、魔獣は画一的で男性的」
パタリロ「そしてその内部に負の感情エネルギーを内包していて云々かんぬん――」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ
タマネギ「よくそんな適当な設定が次々と出てきますね」
パタリロ「――かくかくしかじかで、巴マミの目の前でまるまるうまうま、というようにやればだな――」
杏子「ええー！？ そんなことしてホントに大丈夫か？」
パタリロ「こういうのは思い切りが大事なのだ」
杏子「よーし！ 作戦開始だー！」ｴｲｴｲｵｰ!
日本 見滝原
マミ「佐倉さんは一体どこに行ってしまったのかしら……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ
マミ「でも佐倉さんがいないから、家に女の子を連れ込み放題ね！」
マミ「こんな気持ちで浮気するなんて初めて！ もう何も怖くない！」ﾃﾚｯﾃｰ
パタリロ「くぉら！」ﾄﾞｹﾞｼ!
マミ「痛い！ 何をするの！？」
パタリロ「おのれという奴は～～。全く反省しとらんな！」
マミ「あら？ あなたカリメロ君じゃない」
パタリロ「ちょっと待て！ 最近のＪＣは一体どうなっているんだ！」
４４号「殿下、殿下、おさえて」
マミ「国に帰ったんじゃなかったの？」
パタリロ「杏子の奴が、家出だとか言ってうちに転がり込んできたから、説得して連れてきてやったんだ！」
マミ「まあ……帰ってこないと思ったらそんな遠くまで行ってたのね」
マミ「そちらの方は？」
パタリロ「僕の部下の霊感青年だ」
４４号「殿下のお付きで来ましたタマネギ４４号と申します」
マミ「素敵な殿方……でもごめんなさい。私の瞳には女の子しか写っていないの」
マミ「ふふ……私ったら罪な女ね」
パタリロ「いっぺん絞め殺したろうか」
４４号「まあまあ」
マミ「そういえば肝心の佐倉さんの姿が見えないけど……」
パタリロ「あれ？ さっきまでそこにいたのだが」
４４号「殿下、怪しい妖気を感じます！（棒）」
パタリロ「何！？ もしかするとそいつが杏子を連れ去ったのかもしれない！！（迫真）」
マミ「ええ！？」
４４号「妖気はそっちの路地から発せられています（棒）」
パタリロ「よし！ 行くぞ！」ｼｭﾀ!
マミ「佐倉さん！」
４４号（この為だけに連れてこられるんだもんな～～非番だったのに……）ﾎﾝﾄﾆﾓｳ
路地裏
魔獣「ウォー」ﾄﾞｰﾝ
杏子「うわぁーー！！」
マミ「佐倉さん！！」
杏子「マミさん！？ 危ない！ 逃げて！」
魔獣「ウォー」ﾌﾞﾝ!
杏子「ぐわぁっ！」
マミ「ああ！？」
魔獣の攻撃が杏子を貫く！
もちろんこれは、杏子が見せた幻覚だった
しかし、杏子がまた幻術を使えるようになったことを知らないマミは、これをまともに信じたのだ！
マミ「佐倉さん！ 佐倉さぁん！！」
杏子「うぐぐ……」ﾊﾞﾀｯ
マミ「佐倉さん！？ いやあああああ！」
パタリロ「４４号！」
４４号「破ッ！！」ﾋﾞｰﾑ!
魔獣「グワァァァ」ｼｭｩｩｩ
マミ「そんな……佐倉さん……杏子……」
マミ「あな……」
パタリロ「あな？ 穴があったら入りたい？」
マミ「あなた一人では逝かせない！ 私もすぐに逝くわ！」ﾀﾀﾀﾀﾀﾀ
パタリロ「わーー！ 車に飛び込む気だ！ ４４号止めろ！」
４４号「落ち着いてください！！」ｶﾞｼｯ!
マミ「放して！ 死ぬしかないじゃない！」
マミ「私は、ちゃんとあの娘を愛してあげられなかった！ 何も伝えないまま逝ってしまった！！」ｸﾞｽﾝｸﾞｽﾝ
パタリロ「薬が効き過ぎた！ おい！ ネタばらしだ！」
杏子「マミさん……」ﾋｮｺｯ
マミ「杏子！？ そんなどうして！」
パタリロ「実は、これこれかくかくしかじかというわけなんだ！！」
マミ「幻覚……？」
杏子「ごめんマミさん……ちょっと懲らしめてやろうと思っただけなんだ……」
マミ「……良かった」
杏子「え？」
マミ「良かった！！」ｶﾞﾊﾞｯ
杏子「うぇ！？ マミさん？」
マミ「うわあああん！ ごべん、ごべんねぇ！ もう放さないからぁぁぁぁ！」ｷﾞｭｩｩ
杏子「マミさん……」
４４号「上手くいったみたいですね」
パタリロ「そうだな」
魔獣「……」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ
パタリロ「おい、上手くいったと言っただろう。もう魔獣の幻覚を出す必要なないぞ」ﾊﾊﾊ
杏子「え？ アタシは何もしてないぞ？」
４４号「殿下！ 何かおかしいです！」
パタリロ「おかしきゃ笑え」ﾊﾊﾊ
４４号「殿下ー！ 笑ってる場合じゃありません！ これは本物ですよ！」
パタリロ「何ーー！？」
魔獣「うぉぉぉぉ～」ｳｶﾞｰ
杏子「おい！ どういうことだよ！」
パタリロ「わからん！ あまりに設定を凝り過ぎたせいで具現化してしまったのかもしれん！」
杏子「そんなことあるわけ……うわぁ！ 攻撃してきた！」
魔獣「うぉぉぉぉぉ」ﾋﾟｶｰ
ドカァーン！！
杏子「うわぁぁ！」
パタリロ「４４号！ やっつけろ！」
４４号「やってますけど数が多すぎますー！！」ﾋﾞｰﾑ!
魔獣「うがぁぁぁ」ﾋﾟｶｰ!
マミ「え……？」
杏子「マミさん危ない！」
パタリロ「４４号！！」
４４号「間に合いませーん！！」
絶対絶命だと思われたそのとき！！
杏子「必殺！ ロッソ・ファンタズマ！！」ｼｭﾋﾟｰﾝ!
杏子の、幻術を利用し分身する必殺技『ロッソ・ファンタズマ』が炸裂！
マミを助け、魔獣達もあっというまに蹴散らしたのだった！
魔獣「ぎゃぁぁぁぁぁ！！」ｼｭｩｩｩ
パタリロ「ひえ！ ひえ！ ひえええええ！」
４４号「あれ？ 魔獣が消えた後に何か落ちてますよ」
杏子「マミさん！ 大丈夫！？」
マミ「佐倉さん……！ いえ、杏子！」
杏子「何？ マミさん」
マミ「私が考えた技名、まだ使ってくれてたのね！ 嬉しい！」
杏子「え？ ああ～うん、まあ……」
マミ「もっともっと必殺技を考えてあげる！」
杏子「ええ～～？ う～ん……」
マミ「これからはずっと一緒よ！」ｷﾞｭｩ
パタリロ「いやっはっはっはっ！ 良かった良かった！」
パタリロ「後は若い者同士よろしくやるといい」ﾊｯﾊｯﾊｯ
杏子「なんかしっくりこないな～～、でも」
杏子「ま、いっか」ﾆﾊﾟｧ
と、ここで終われば綺麗にハッピーエンドなのですが
数日後
マリネラ宮殿
タマネギ「何をしているんです？ 殿下」
パタリロ「先日の事件のデータをマザーコンピューターにインプットしてるんだ」
タマネギ「ああ、幻覚だと思ったら本物の怪物が現れたってやつですか」
まどか「マミさんと杏子ちゃんが上手くいったみたいで良かったよぉ」ﾃｨﾋﾋ
ほむら「私たちも上手くやりましょう、まどか」ﾎﾑﾎﾑ
パタリロ「ちょっと待て。何故お前達がここにいる」
ほむら「別にいいじゃない」
パタリロ「まったく……おお、答えがでたぞ」
コンピューター「先日現レタ怪物ハ、９７％の確率デ、殿下ガ仰ッタ魔獣トイウ存在デス」
パタリロ「なんだと！？ 魔獣は僕が考えた架空の存在だぞ！」
コンピューター「元々、魔女ノ存在ガ世ノ中ニ蔓延スル負ノ感情ノ、ハケ口ニナッテイタノデス」
コンピューター「ソレガ存在シナクナッタ為ニ、コノ世ノ鬱憤ガ溜マッテ、自然発生的ニ魔獣トイウ形デ現レタノデス」
コンピューター「殿下ガ作ッタ設定ハ、偶然似通ッタノデショウ」
パタリロ「なんだと！ それじゃ、魔獣はこれからも現れ続けるというのか！」
コンピューター「シカリ」
コンピューター「尚、魔獣ガ落トシタキューブ状の物体ニハ、高密度ノ感情エネルギーガ内包サレテオリ、エントロピー問題ノ解決ニ役立ツト思ワレル」
ほむら「さしずめ、魔獣が落とすグリーフシードってところね」
パタリロ「落ち着いている場合か！ これはドエライ事だぞ！！」
パタリロ「おい！ 銀座の寿司屋！！」
ＱＢ「なんだい？」ﾋｮｺ
パタリロ「また魔法少女システムを再開してくれ！！」
ＱＢ「なんだい？ やぶから棒に」
パタリロ「いや！ 魔獣からグリーフシードなんだ！」
ＱＢ「はあ？」
まどか「パタリロ君、同じようなギャグを繰り返し使ってると落ち目になるよー？」ｳｪﾋﾋﾋ
パタリロ「実はこれこれしかじかで、大変なことになったんだ！」
パタリロ「だから魔法少女システムを再開してくれ！」
ＱＢ「嫌だよ」
パタリロ「そうかそうか、快く引き受けてくれるか……って」ﾊｯﾊｯﾊｯ
パタリロ「嫌だと！？ 何故だ！？」
ＱＢ「あたりまえだろう？ 僕達の魔法少女システムを非人道的だといってやめさせたのは、君達じゃないか」
ほむら「そうよ。またこいつの魔法少女システムに頼るだなんて、許されるはずがないでしょう」
ＱＢ「それに、最近始めた商売が思った以上に楽しくてね」
ＱＢ「余計なことにかまけている暇は無いよ。魔獣が落とすグリーフシードの回収くらいなら協力するけど」
パタリロ「商売だと！？ 何を言っている！」
タマネギ「あれ？ 殿下、ご存知無いんですか？」
タマネギ「最近オープンした『マリネラ銀座・印九兵衛太』っていうお寿司屋さんが、すごく人気なんですよ」
パタリロ「なんだと！？」
タマネギ「僕達の給料じゃ滅多に行けませんけどね」
ＱＢ「君に寿司屋寿司屋って言われているうちに、なんだかその気になってしまってね」
ＱＢ「マリネラ漁港の皆さんに、『僕と契約して寿司のネタを卸してよ！』って言ったら快く引き受けてもらえたんだ」
ＱＢ「あ、これ特上十貫セット。良かったら食べてみてよ」ｻｯ
ほむら「あら、美味しい」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
まどか「今度お店に行くよー」ﾃｨﾋﾋ
ＱＢ「タマネギさん達も是非来てね。安くしておくよ！」
タマネギ「すみませんね」
パタリロ「くぉらーー！ 何を仲良くやっておるかーー！」
パタリロ「これからも魔獣が世界中に出現するんだぞ！ 魔法少女がいないなら、どうすればいいんだ！」
ＱＢ「そこはほら、君の作った装置があるじゃないか」
ほむら「そうよ。魔法少女がいなくなったのは、元はといえばあなたの責任なのだから、あなたがなんとかしなさいよ」
ＱＢ「またイチから魔法少女を勧誘していけば良いんじゃないかな」
パタリロ「」
必要になるであろう、大量のそうゆうジェムの生産費用と、新たに魔法少女を勧誘する手間を考えたパタリロは固まってしまいました
しかし放っておけば世界は大変なことになり、商売どころの騒ぎではなくなってしまうので
仕方なくパタリロはこう叫びながら、今日も世界を飛びまわっています
パタリロ「僕と契約して魔法少女になってくれ！！」
おしまい♪
───── … ……
＿＿＿＿＿＿
インド ニューデリー
さやか「勢いでインドまで来てしまったさやかちゃんでした」
ラシャーヌ「誰に説明してるんです」
さやか「いやね、お気になさらず」
さやか「それにしてもラシャーヌ君には感謝してますよ～」
さやか「行き倒れていたあたしを泊めていただいちゃってぇ」
ラシャーヌ「こんなに美しい女性が一人で泣いているのを放ってはおけませんよ」
さやか「もう！ ラシャーヌ君ったらお上手なんだからー！」
ラシャーヌ「」ﾎﾟｯ
おじ様「ぐぬぬ……ラシャーヌがまた見知らぬ女を連れ込んでいる……」
おじ様「ラシャーヌ！ そんなどこの馬の骨とも知れぬ女なんぞ放っておいて、わたしの愛を受け止めてくれ！！」
ラシャーヌ「中年は黙ってなさい」
おじ様「うがーー！！ わたしはまだ若いんだーー！！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
さやか「面白い人だね」ｹﾗｹﾗ
ラシャーヌ（言おう。この気持ちを）
ラシャーヌ「あの！ さやかさん！」
さやか「ん？ 何かな？」
ラシャーヌ「好きです！ 付き合ってください！」
さやか「え？ あー……」
さやか「ごめんね、あたし他に好きな人がいるんだ」
さやか「それじゃあ、そろそろマリネラに戻るよ。お世話になったね、ありがとう！」ﾊﾞｲﾊﾞｰｲ
ラシャーヌ「」ｶﾞｰﾝ
ラシャーヌ「そんな……！ そんな……！ 今度こそいけると思ったのに！」
ラシャーヌ「あ……あ……」
ラシャーヌ「あーーーーーーい！！」ｳﾜｰﾝ!
おじ様「うがーーーー！！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
恋愛格差
下には下が
いるようです
今度こそおしまい♪
以上です
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました！
前よりクォリティは下がったかもしれませんが、楽しんで頂けたら幸いです
元スレ
常春の国 マリネラ
パタリロ「退屈だ」
パタリロ「ロンドンに行ってくる」
タマネギ「またですか？ 少佐に迷惑かけたらいけないですよ」
パタリロ「誰も股に迷惑なんぞかけんわい」
タマネギ「いえ、そうではなくてですね？ バンコラン少佐に……」
パタリロ「僕は爽よりＭＯＷの方が好きだ」
3: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:39:03.95 ID:VufV54pu0
タマネギ「アイスの話じゃなくてですね！ 人の邪魔になっちゃいけないですよって話です！」
パタリロ「何！？ ロンドンに陰間茶屋があるのか！」
タマネギ「どう言えばわかるんです！」
パタリロ「どう聞けばわかるんだ！」
タマネギ「またアホなことやってー」
タマネギ「人の邪魔、陰間茶屋。強引だなぁ～」
などと、アホなやり取りをやっているうちに
4: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:40:11.63 ID:VufV54pu0
ロンドン
マリネラ大使館
タマネギ「おや、殿下。また帳簿の抜き打ち監査ですか？」
パタリロ「別に仕事で来たわけじゃない。退屈だから、ただなんとなく来ただけだ」
タマネギ「さいですか」
タマネギ「退屈なら仕事をしてくださいよ、宮殿の連中が嘆いてましたよ」
パタリロ「うるさい！ 仕事をするくらいなら、退屈してた方がマシだと常日頃言っとるだろーが！」
パタリロ「何か面白いことは無いのかー！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
5: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:41:41.17 ID:VufV54pu0
タマネギ「マライヒさんのとこに行けばいいのに」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「留守らしいぞ」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「やれやれ、この調子じゃ、僕達の仕事も邪魔されちゃう」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「誰か殿下を追い返す良いアイディアは無いか？」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「僕に任せてくれ」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「お、良い考えがあるのか」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「殿下」
パタリロ「なんだ」
6: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:43:35.00 ID:VufV54pu0
パタリロ「ジュビリー・ガーデンズ？ 今更、観覧車からロンドンの街並みを見下ろす趣味なんて無いぞ」
タマネギ「いえ、そうではなくてですね」
タマネギ「今日、あそこで日本のポップカルチャーを紹介するイベントをやってるみたいですよ」
タマネギ「日本の文化なら殿下の得意ジャンルでしょう？ 行ってみたら良い暇つぶしになるんじゃないですか？」
パタリロ「そういうことなら行ってみるか」ﾃｸﾃｸﾃｸ……
タマネギ「よくやった」
7: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:44:42.30 ID:VufV54pu0
ジュビリー・ガーデンズ
パタリロ「おお、やってるなぁ」
パタリロ「あっちでは雅楽」
イギリス人「オー！ ガガク！」
パタリロ「あっちでは歌舞伎」
イギリス人「オー！ カブキ！」
パタリロ「そして向こうでは能」
イギリス人「オー！！ ノｫｫｫｫｫー！！」ｸﾞﾁｬｧｧ
パタリロ「まさに日本のポップカルチャー」ﾊﾊﾊ
8: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:46:10.77 ID:VufV54pu0
パタリロ「あんなところにそばの屋台がある」
パタリロ「二八そばひとつ」
イギリス人「オー、イエー」
パタリロ「うまいうまい」ｽﾞｽﾞｽﾞｰ
パタリロ「おいくらです？」
イギリス人「シックスティーンペンス」
パタリロ「銭は細かいんだ、手を出してくんな」
イギリス人「イエース」
9: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:47:21.95 ID:VufV54pu0
パタリロ「ひい、ふう、み、よ、いつ、む、なな、や……」ﾁｬﾘﾝﾁｬﾘﾝ
パタリロ「ナウ・ホワット・タイム・デイ？（今何刻でい？）」
イギリス人「ヘェ、ヨツデス」
パタリロ「いつ、む、なな、や……って、なんでやねーん！！」ﾜﾊﾊﾊﾊﾊ!
イギリス人「ＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡＨＡ」ﾊﾊﾊﾊﾊ!
マライヒ「何をやっているんだ君は」
10: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:48:40.53 ID:VufV54pu0
パタリロ「おやマライヒ」
パタリロ「御山雷妃じゃないぞ。ましてやオーヤマ・ライヒなんていう馬でもない」ﾊｯﾊｯ
マライヒ「君の言うことはわからない」
パタリロ「お前こそ、こんなところで何をしているんだ。フィガロも一緒か」
フィガロ「」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ
マライヒ「こんなに天気の良い日だしね。フィガロもゲームばっかりやってちゃ体に毒だと思って」
パタリロ「相変わらずのゲームの虫か」
フィガロ「」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ
11: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:50:09.57 ID:VufV54pu0
マライヒ「向こうでバンド演奏をやっててね」
マライヒ「音楽でも聞けばゲームするのをやめるかなと思って、これから連れて行くところさ」
パタリロ「バンドだー？」
マライヒ「日本から来た女の子が演奏してるんだ。さっき準備してるところを見たけど、かわいい娘達だったよ」
パタリロ「ホントお前はゲイのくせに、そういう発言をさらっとするな」
ドゲシッ！！
パタリロ「いやなに、僕はただバンコランが嫉妬するんじゃないかと心配してだな」ﾎﾞﾛｯ
パタリロ「そういえばバンコランはどうした」
12: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:52:02.83 ID:VufV54pu0
マライヒ「昨日から仕事さ。内乱が起こっているＳ国ってあるだろう？」
マライヒ「そこの王子を筆頭とする王党派に、ＭＩ６が協力することになって、ホテル・アイビスで会合らしい」
パタリロ「ホテル・アイビスー？ 旅行者が使う安宿じゃないか」
マライヒ「だからこそ、重要人物が泊まってるとは考えにくいだろう？」
パタリロ「しかしＳ国王子か。美少年なのか？」
マライヒ「浮気の心配は無いよ。写真を見たけど、バンコランの好みとはかけ離れていたもの」
マライヒ「それにＳ国内戦といえば英国王室にも絡んでくる重要な仕事だ。いくらあの人でも時と場合はわきまえ……」
マライヒ「るとは限らないんだよな～～、本当にあの人だけは～～……」ｽﾞｰﾝ
─────────── … ……
13: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:53:40.25 ID:VufV54pu0
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
前の日 ホテル・アイビス
＼ﾕｲｾﾝﾊﾟｲ! ﾜﾀｼｿｳﾕｳﾝｼﾞｬ､ﾅｲﾃﾞｽｶﾗ!／
バンコラン「馬鹿者！ 愛に性別なんぞ関係あるか！」
部下「どうしたんです？ 突然」
バンコラン「何故か叫ばなければいけない気がしたのだ」
部下「さいで」
部下「少佐、王子が御出でになりました」
王子「少佐！ 会いたかった！」
バンコラン「よし、お前達は席を外せ。２時間は誰も部屋に入れるなよ」
部下「了解」
部下「マライヒ君には別人の写真を見せたんだって？」ﾋｿﾋｿ
部下「マライヒ君もかわいそうになぁ」ﾋｿﾋｿ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
14: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:55:15.45 ID:VufV54pu0
─────────── … ……
＼ｲﾁﾆｰｻﾝｼｰｺﾞｰﾊｰﾝ!／
マライヒ「あれだよ。放課後ティータイムっていう名前のバンドだってさ」
パタリロ「ほーかごてぃーたいむ～～？」
パタリロ「放火後とかけて、ティータイムと解く」
パタリロ「その心は？」
パタリロ「どちらもコップがつきものです」
パタリロ「わかるか？ 警官とコップをかけているのだ」ﾊﾊﾊﾊﾊ
マライヒ「」ｼﾗｰ
マライヒ「君がくだらないこと言うのは勝手だけどねー」
15: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:56:37.24 ID:VufV54pu0
マライヒ「せっかくだからちゃんと聞いておやりよ」
唯「もーいっかい！！」
マライヒ「へぇー結構良い曲だね」
パタリロ「ん～～？？」
マライヒ「どうしたの」
パタリロ「美しい……」
マライヒ「え？ あ、演奏終わった」
16: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:57:31.31 ID:VufV54pu0
さわ子「ほら、あなた達急いで！」
梓「唯先輩やり過ぎです！」
唯「えへへ、ごめんよぉ」
律「急げ急げ！ タクシー捕まえろ！」
澪「忘れ物無いか！？」
紬「それ！ 急げ～～」
17: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 20:58:45.71 ID:VufV54pu0
パタリロ「ああ！ ちょっと、待っておくんなまし～～！」ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ
マライヒ「ああ、行っちゃった……」
マライヒ「それじゃあ僕はバンコランに差し入れでも持っていってあげようかな」
フィガロ「」ﾋﾟｺﾋﾟｺﾋﾟｺ
─────────── … ……
18: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:00:04.12 ID:VufV54pu0
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ロンドン大使館
パタリロ「放課後ティータイムという日本のバンドのキーボーディストについて調べろ」
タマネギ「なんだなんだ、一体どうしたんだ？」
タマネギ「なんでも殿下の悪い癖がでたらしい」
タマネギ「ええ！ ちゃんとトイレで用を足さなかったのか！？」
ボカッ！
タマネギ「悪い糞じゃない！ 悪い癖だ！」ｷﾀﾅｲｷﾞｬｸﾞｦ!
19: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:02:21.35 ID:VufV54pu0
タマネギ「殿下の悪い癖というと……」
タマネギ「金か」
タマネギ「今回はそっちじゃない。色恋沙汰の方だ」
タマネギ「ええ！？ ということは殿下の初恋の相手・マデリーン姫のクリソツさんが現れたってことか！」
タマネギ「えらいことになってきた」
タマネギ「マリネラ王妃になるかもしれない人を探すんだからな。真面目にやらんと」
タマネギ「殿下！ 日本の大使館から連絡です！」
パタリロ「おお！ 身元がわかったか！」
20: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:04:37.42 ID:VufV54pu0
タマネギ「殿下が探している女性は、琴吹紬という人ですね。日本の桜ヶ丘高校に通っている高校生です」
タマネギ「放課後ティータイムというのは、その学校の軽音楽部が組んでるアマチュアバンドのようですね」
タマネギ「琴吹と言ったら世界的な企業じゃないか」
タマネギ「そこの奥さんが、いつもダイヤを買ってくれてるはずだぞ」
パタリロ「流星号ーー！！」
21: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:05:18.83 ID:VufV54pu0
思い立ったが吉日！
パタリロはすぐ流星号で日本に飛んだ！
22: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:06:47.69 ID:VufV54pu0
琴吹邸
斎藤「お帰りなさいませ、お嬢様」
紬「ただいま、斎藤」
シュイーーン……
ドギャッ！！
タマネギ「殿下ー、ちゃんとコントロールしてくださいよぉ」ｲﾀﾀ
パタリロ「馬鹿者！ 恋に減速は禁物なのだ！」
斎藤「なっ……！ なっ……！」ｱﾝｸﾞﾘ
23: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:08:20.36 ID:VufV54pu0
斎藤「なんですか！ あなた達は！」
タマネギ「すみません！ 我々これこれしかじかこういう者で！」
タマネギ「紬お嬢様にお会いになれないでしょうか！」
斎藤「マ、マリネラ国王様であられましたか！」
斎藤「しかし紬お嬢様は、たった今帰宅されたところで疲れておいでです、申し訳ありませんがまた日を改めて……」
紬「いえ斎藤、お客様を応接室にお通しして」
斎藤「はっ、承知しました」
24: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:10:54.15 ID:VufV54pu0
応接室
紬「ふふふ」ﾆｺﾆｺ
タマネギ「思ったよりマデリーン姫に似てないな」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「ストライクゾーンを広げたのかな」ﾋｿﾋｿ
パタリロ「こら！ 何をひそひそ話をしておるか！」
パタリロ「いやいや申し訳ない。うちの部下は教育がなっていませんで」ﾊﾊﾊ
紬「いえいえ。それで今日はどのようなご用件でしょう？」
25: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:12:42.81 ID:VufV54pu0
パタリロ「おっと、その前に自己紹介がまだでしたな」
パタリロ「マリネラ国王のパタリロ・ド・マリネール８世です。どうぞよろしく」
紬「まあ！ それじゃあ、あなた達があの有名な！」
紬「裸で酢漬けになる人達なのね！」
パタリロ「そう！ 我々がフランスの漬物・マリネ裸人！」ﾀｯﾊｯﾊｯ
紬「冗談です。いつも母が、マリネラのダイヤは最高だと申しておりますわ」ﾆｺ
26: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:13:50.86 ID:VufV54pu0
パタリロ「食えないお人だ」ﾊﾊﾊﾊ
タマネギ「おい、殿下が押されているぞ」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「まさか」ﾋｿﾋｿ
紬「それで、どのようなご用で？」
パタリロ「紬さん！ 昨日、ロンドンであなたを見かけて一目惚れしました！」
パタリロ「僕と結婚してマリネラ王妃になってください！」
27: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:14:42.60 ID:VufV54pu0
タマネギ「殿下にしては、まともな告白じゃないか」ﾋｿﾋｿ
タマネギ「これは、もしかするともしかするぞ」ﾋｿﾋｿ
紬「あー、なるほど……」
パタリロ「どうでしょう！？」
紬「……ちょっと失礼。もしもし、斎藤？ 菫を応接室によこして」
28: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:16:12.52 ID:VufV54pu0
菫「お呼びでしょうか？ お嬢様」
パタリロ「これはまた、お美しいメイドさんですな」ﾊﾊﾊ
菫もパタリロの好みにどストライクだった
紬「菫、こっちにいらっしゃい」
菫「お嬢様？」
紬「陛下。お気持ちはありがたいのですが、私はマリネラ王妃になることはできません」
パタリロ「そ、それは何故です！？」
29: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:17:19.81 ID:VufV54pu0
紬「何故なら――」ｽｯ
菫「お！ お嬢様！？ お客様の前です……んぐ」
ズキュゥゥゥン!!!
紬「――というわけで、男の子には興味無いの。ごめんなさい」ﾃﾍﾍﾟﾛ
菫「お、お嬢様ぁ///」ｶｧｧ
30: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:17:58.61 ID:VufV54pu0
パタリロ「」ﾎﾞｰｾﾞﾝ
タマネギ「殿下？」
パタリロ「」ｼﾞｼﾂ
タマネギ「だめだこりゃ。完全に停止してる」
31: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:20:13.60 ID:VufV54pu0
パタリロ好みのパツキン美少女二人が、熱いベーゼを交わすというショッキングな光景は
パタリロの精神に大きな傷跡を残したのでした
ラシャーヌ！ で同じ様なオチがありましたが、どうかお気になさらず
パタリロ「なんでこうなるのじゃーー！！」ｳﾜｰﾝ!
タマネギ「ラシャーヌ君が伝染ったんでしょうかねぇ」
32: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:21:07.57 ID:VufV54pu0
このように、パタリロの周りでは常に騒動が絶えません
しかし、ここまでは本筋には関係無く、次からが本題です
33: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/23(金) 21:22:14.41 ID:VufV54pu0
Ｔｈｉｓ ｉｓ ａ ｂｏｏｋ！！
訳：これは本だい！！
なんちゃって
40: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:04:05.47 ID:aQMk4iE80
常春の国 マリネラ
ＱＢ「すみませーん」
タマネギ「何！？ 貴様一体、何をやったんだ！」
ＱＢ「別に何もやってないよ。魔法少女稼業からは足を洗ったし」
タマネギ「今、謝っていたじゃないか！！」
ＱＢ「君達、客人をいつもそういう風に出迎えてるのかい？」
タマネギ「ユーモアは人生の調味料ですから」ﾊﾊﾊ
ＱＢ「わけがわからないよ」
41: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:05:26.64 ID:aQMk4iE80
タマネギ「調味料といえば」
タマネギ「今は三河屋さんで働いてるんですって？ マリネラには慣れました？」
ＱＢ「どうもこの国の気候の中にいると調子が狂っちゃうや」
ＱＢ「でも概ね快適だね。同僚のヴェガ星人もいい人だし」
タマネギ「それはなにより」
ＱＢ「今日はパタリロ・ド・マリネールに用があってね。呼んできてくれないかな」
タマネギ「ちょっと待っててください」
タマネギ「殿下ー！ キュゥべえさんが来ましたよー！」
42: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:07:06.67 ID:aQMk4iE80
パタリロ「寿司なんぞ頼んでないわい！」
タマネギ「だ、そうです」
ＱＢ「誰が銀座の老舗だい！ インキュベーターのキュゥべえだよ！」
ＱＢ「ついでに言えば、昔流行ったテレビゲームでもなければ、蛍光灯でもないよ！」
タマネギ「うわー、なんと言うか」
43: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:08:53.61 ID:aQMk4iE80
タマネギ「マリネラに来てまだ数ヶ月なのに、随分と染まってますね」
ＱＢ「わけがわからないよーー！！」ｳﾜｰﾝ!
パタリロ「まったく。なんなんだ騒々しい」
ＱＢ「やあやあ、今日は僕が用事があるわけじゃないんだけど、街で面白い人物を拾ってね」
ＱＢ「入っておいで！」
杏子「お邪魔しまーす」
ＱＢ「彼女が君に用があるみたいだから連れてきたんだよ」
パタリロ「誰や！」
杏子「え……」
44: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:10:18.03 ID:aQMk4iE80
ＱＢ「忘れたのかい？ 元魔法少女の佐倉杏子だよ」
パタリロ「誰や！」
杏子「な、なんだよ……アタシってそんなに印象薄いのか……」ｸﾞｽ
パタリロ「誰や！」
杏子「うぇ……ふぇぇん……」ｸﾞｽﾝ
パタリロ「誰や！！」
45: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:11:25.70 ID:aQMk4iE80
タマネギ「宇宙人と中学生相手に、笑福亭松鶴が通じると思ってるんですか」
パタリロ「通じる通じないの問題ではないのだ」ｳｰﾑ
杏子「うわーん！ そうやって皆アタシをいじめるんだー！！」
ＱＢ「真面目に話を聞いてやってくれないかな。なんかこの子ナーバスになってるから」
パタリロ「今更なんの用だ、確か同棲してたハズだろう？ あの……かねさだか、マルコメマミと一緒に」
ＱＢ「トモエだよ」
46: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:12:29.08 ID:aQMk4iE80
杏子「聞いてくれよー！ マミさんが……マミさんがぁぁ」
─────────── … ……
パタリロ「浮気～～？」
杏子「そうなんだ……」ｸﾞｽﾝ
パタリロ「眼力コンタクトは返してもらったはずだぞ。まどかの眼力の影響も無くしてやったし」
47: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:14:11.99 ID:aQMk4iE80
杏子「それが、本物の眼力に目覚めちゃったみたいで、コンタクトを外してもやりたい放題なんだよ」
パタリロ「本物の眼力だと～～？」
杏子「うん。今や、学校でマミさんの毒牙にかかってない女子はいない、っていうくらいモテモテで」
パタリロ「素質はあると思っていたが、まさかそこまでとはな」
杏子「この前だって……」
───── … ……
48: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:14:56.70 ID:aQMk4iE80
＿＿＿＿＿
マミホーム
杏子『マミさーん♪ この前作り方教えてもらったケーキ作ってみたよー』
マミ『zzz』ｸﾞｰｽｶ
杏子『あれ、寝てるや。ふふ、疲れてるのかな』
マミ『うーん……あら？ もうこんな時間？』
杏子『もう、寝ぼけちゃって……」
マミ『お家に帰らないと……』ﾉｿﾉｿ
杏子『え……？』
マミ『あ』
＿＿＿＿＿
49: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:15:29.89 ID:aQMk4iE80
───── … ……
パタリロ「どこかで聞いた話だ」
杏子「それにそれに！ この間なんて、アタシの舎弟を紹介したとき！」
───── … ……
50: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:16:59.68 ID:aQMk4iE80
＿＿＿＿＿＿
杏子『マミさん、紹介するよ。ゆまっていうんだ』
ゆま『はじめまして、ちとせゆまです』ﾍﾟｺﾘ
マミ『へぇーかわいいわ娘ね』
マミ『うふふ』ｼﾞｰ
杏子『ちょっとちょっとストーップ！』
杏子『マミさん！ 何、ゆまを誘惑しようとしているの！』
マミ『あら、バレた？』ｳﾌﾌﾌﾌ
＿＿＿＿＿＿
51: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:18:42.60 ID:aQMk4iE80
───── … ……
杏子「いくらなんでもロリコンは無いと思わない！？」
パタリロ「それで、我慢できなくなって家出してきたというわけか」
杏子「そうさ！ アタシがいなくなって困り果てれば、マミさんもアタシのありがたみがわかるだろう！？」
パタリロ「お前がいなくなると何が困るんだ？」
杏子「え？」
52: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:19:41.92 ID:aQMk4iE80
パタリロ「ちょっと前までホームレス中学生をやっていた小卒の居候がいなくなって、何を困ることがあるんだ？」
杏子「え……え……」ｵﾛｵﾛ
パタリロ「なんの取り柄も無く愛人を気取って家に居すわるゴクツブシがいなくなって、何を困ることがあるんだ？」
杏子「ううぇ……ふぇ……ふぇぇぇん」ｸﾞｽｸﾞｽ
ＱＢ「やめたげなよ」
タマネギ「大人気のない」
パタリロ「僕の方が年下なのだが」
53: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:20:59.68 ID:aQMk4iE80
パタリロ「しかし、家出した理由はわかったが、何故僕のところに来たんだ」
杏子「だって他に頼れる人がいないんだもーん！」
パタリロ「まどかや例の変態色魔がいるだろう……って」
パタリロ「そうか。あいつは今、心臓の手術でマリネラに来てるんだっけ」
54: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:22:00.52 ID:aQMk4iE80
杏子「うぇぇぇん、ふぇぇぇぇ」ｸﾞｽﾝｸﾞｽﾝ
パタリロ「わかったわかった。とりあえず夕飯でもごちそうするから落ち着け」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
杏子「飯！？ ホントか！？」ﾊﾟｧｧｧ
パタリロ（とりあえずなだめておいて、適当なところで追い返そう）
─────────── … ……
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
55: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:23:48.31 ID:aQMk4iE80
マリネラ国立病院 二階の病室
まどか「ほむらちゃん、無事に手術終わっておめでとうー」
さやか「おめでとー！」
ほむら「ありがとう」
さやか「いやぁ、一時はどうなることかと思ったよ。魔法少女をやめた途端、心臓が再発するとはねぇ」
ほむら「今までは魔法でごまかしていたから」
まどか「世界一の医療を誇るマリネラで手術できて、本当に良かったね～」
ほむら「そうね……確かに幸運だったかも」
56: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:25:19.35 ID:aQMk4iE80
まどか「あ、リンゴ剥いてあげるよ」
ほむら「本当にありがとう。まどかが付き添いで来てくれたから、手術もがんばれたのよ」
まどか「もうー、ほむらちゃんったらー」ﾃｨﾋﾋ
ほむら「本当よ。まどかがそばにいてくれれば、あっという間に回復して、即退院だわ」
さやか「こらこら、あたしの愛の力も忘れるなよー？」
ほむら「ノーサンキューね」
さやか「なんだとー！」
57: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:26:46.42 ID:aQMk4iE80
まどか「ふふ、はやく元気になってね？」
さやか「じゃあ、あたしが口移しでりんご食べさせてあげるー」ﾑﾁｭｰ
まどか「だ、駄目だよ！ さやかちゃん！」
ほむら（さやかさえついてこなければ完璧だったのに）ﾎﾑｰ
ガラガラガラ
パタリロ「やあやあ」ﾃｸﾃｸ
ほむら「」
58: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:27:18.12 ID:aQMk4iE80
まどか「あ、パタリロ君、こんにちわー」
ほむら「ごめんなさいまどか……私、あなたとの約束を果たせない」
ほむら「この病院が私の墓場になるのよ……」ｶﾞｸｯ
まどか「ええ！？ ほむらちゃーん！」
さやか「ほむら！ ほむらー！！」
パタリロ「おいおい、皮肉が上手くなったなぁ？ え？」ﾊｯﾊｯ
59: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:28:16.03 ID:aQMk4iE80
ほむら「何しにきたのよ！ このつぶれあんまん！」
パタリロ「前にも言ったが、お前に言われるのは納得がいかんぞ」
ほむら「うるさいわね！ あんたの顔見てたら傷が開くわ！」
パタリロ「随分な言い草だな。人がせっかく心配して見にきてやったというのに」
ほむら「あんたに心配されるくらいなら、クラスの男子に心配された方がマシよ」
パタリロ「どういう言われようだ」
60: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:29:02.58 ID:aQMk4iE80
さやか「ほむら！ クラスの男子とあたしだったらどっちが好き？」
ほむら「何よ、やぶから棒に」
パタリロ「いやいや、壁から釘でんねんけど」
ほむら「粗忽の釘はもういいってば！」
パタリロ「おい」
ほむら「何よ！」
61: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:30:16.96 ID:aQMk4iE80
パタリロ「今のは宿替えのほうだ」
ほむら「上方落語と江戸落語の違いなんてどうでもいいわよー！！」ﾎﾑﾎﾑﾎﾑﾎﾑ!
さやか「ねえ答えてよほむらー！」
ほむら「愚問ね。勿論あなたよ、美樹さやか」
さやか「よっし！ ってことは、少なくともカリメロ君よりは上ってことだ」
パタリロ「ちょっと待たんかい」ｺﾗ
62: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:31:10.61 ID:aQMk4iE80
さやか「じゃあじゃあ！ まどかとあたしだったらどっちが好き！？」
ほむら「まどか」ｷﾘｯ
さやか「即答かよ！」
ほむら「当然よ。私は、まどかをマリアナ海溝より深く」
ほむら「いえ、そんな目安をつけるのもおこがましいくらいに、愛しているわ」
さやか「じゃあ、あたしのことはどう思ってるわけ！？」
ほむら「別に」
さやか「別に、って……それだけ？」
ほむら「ええ」
63: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:32:09.51 ID:aQMk4iE80
さやか「なんだかほむらに邪険に扱われてる気がしてたけど、あんまりだー！！」ｳﾜｰﾝ!
ほむら「今までの、私にとってのあなたの印象を考えれば、嫌ってないのが奇跡みたいなものよ」
さやか「え！？ 今嫌ってないって言った！？」
ほむら（しまった）
さやか「嫌われてない！ 嫌われてないんだ！ ならあたしにもまだワンチャンある！」ｻﾔｰ!
さやか「あたしの愛を見て！ ほむら！」ｳｵｰ!
64: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:32:52.20 ID:aQMk4iE80
パタリロ「愛見て？ あいみての？」
パタリロ「逢いみてのー」
ほむら「あら、和歌の心得があるの？」
パタリロ「後の心にくらぶればー」
ほむら「くらぶれば？」
65: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:33:39.03 ID:aQMk4iE80
パタリロ「それにつけても金の欲しさよ」
まどか「それ違うよー」ﾃｨﾋﾋ
ほむら「無様ね。あなたには和の心がまるでわかっていない」
パタリロ「ならばお前がやってみせろ」
ほむら「耳かっぽじって良く聞きなさい」
まどか「かっぽじる？」
66: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:35:15.81 ID:aQMk4iE80
ほむら「逢いみての」
ほむら「後の心にくらぶれば」
パタリロ「くらぶれば？」
ほむら「それにつけてもまどかの隅々まで舐めまわしてこねくりまわしてアンアン言わせたいわ」
パタリロ「十歳の子どもの前でなんて事言うんだお前は」ｵｲｺﾗ
まどか「ほむらちゃんったらー」ｳｪﾋﾋ
さやか「もーう！！」
67: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:36:21.55 ID:aQMk4iE80
さやか「みんなしてあたしのことを無視してー！」
さやか「あたしの愛を見てって言ってるのーー！！」
パタリロ「たかさーごーや♪ このうらぶーねに、ほをあーげーて♪」
さやか「逢いみても、高砂やも、キムラヤもアンパンも知るかーー！！」
まどか「キムラヤ？ アンパン？」
さやか「もう知らない！ ほむらの馬鹿ーー！！」ﾀﾀﾀﾀ
まどか「あっ、さやかちゃん！」
ほむら「なんて事してくれたのよ！」
68: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:37:20.85 ID:aQMk4iE80
パタリロ「おや、お前がさやかの為に怒るとは意外だな」
ほむら「あなたがおちょくったせいで出て行ったのに、私が馬鹿って言われたのは納得できないの」
パタリロ「さよけ」
ほむら「それより、あなた一体なんの用で来たのよ」
ほむら「まさか、本当にただ見舞いにきたわけじゃないんでしょ？」
69: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:38:20.72 ID:aQMk4iE80
パタリロ「問題はそこだ」
ほむら「どこよ？」ｷｮﾛｷｮﾛ
パタリロ「腕を上げたな」ﾊﾊﾊ
ほむら「あーん！ ついやってしまったわーー！！」ﾎﾑﾎﾑﾎﾑ!
パタリロ「つまり用というのはだ」
パタリロ「杏子をなんとかして欲しいのだ。お前達の仲間だろう」
まどか「杏子ちゃんがどうかしたの？」
70: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:39:30.13 ID:aQMk4iE80
パタリロ「実はかくかくしかじかで」
まどか「家出？」
パタリロ「そうだ」
ほむら「家出で一々海外までこられちゃ世話無いわね」
パタリロ「落ち着いてる場合じゃない。早く追い返さないと大変なことになる」
まどか「マミさん、一人で寂しがってるだろうなぁ」
パタリロ「そんなことはどうでもええわい。そうではなくてだな――」
───── … ……
71: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:40:11.09 ID:aQMk4iE80
＿＿＿＿＿
タマネギ『おーい！ 豚の丸焼き２匹追加だーー！！』
タマネギ『なんだって！？ もう２匹食べたじゃないか！』
タマネギ『いつもの殿下ならもう満足しているはずだろう！？』
タマネギ『それがお客のほうが殿下に負けず劣らずの大食ぶりでーー！！』ﾋｴｰﾝ!
タマネギ『食材が足りないぞ！ 物資の調達に行ったトラックはまだ帰ってこないのかーー！！』
＿＿＿＿＿＿
72: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:41:56.06 ID:aQMk4iE80
───── … ……
パタリロ「――というように、毎食修羅場なのだ」
まどか「タマネギさん達大変そうだねー」
パタリロ「タマネギはどうでもいいが、このままじゃ食費がかさんで仕方が無いんだ」
ほむら「そうよね、あなたってそういう奴よね」
パタリロ「とにかく、あいつを追い返したいのだ。お前達説得してくれないか」
ほむら「そんなの、力ずくで適当に追い返せばいいじゃない。なんでわざわざ私達に頼むのよ」
パタリロ「そう思うのが畜生の浅ましさ」ﾊｯﾊｯﾊｯ
グサッ！
73: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:42:40.31 ID:aQMk4iE80
ほむら「今度くだらないこと言ったら、この果物ナイフを刺すわよ」
パタリロ「もう刺してるじゃないか！！」ｲﾃﾃ
まどか「ほむらちゃん落ち着いてー」
パタリロ「まったく……とにかくだ」
パタリロ「最初は無理やり追い出そうと思ったのだが、僕だって恋人の浮気に悩む子羊を叩き出す程、冷血漢ではない」
パタリロ「だから穏便な手段を求めて、わざわざここにやってきたのだ」
ほむら「お断りよ」
74: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:45:02.14 ID:aQMk4iE80
パタリロ「気のせいか？」
パタリロ「今、断るって聞こえたような」ﾊｯﾊｯﾊｯ
ほむら「気のせいじゃないわ」
パタリロ「何故だ！ お前達仲間じゃないのか！」
ほむら「だからこそよ」
ほむら「人の色恋沙汰に口を出すと、ろくな事にならないもの」
パタリロ「ほう。病院の二階に厄介、合わせて十階の身分の分際で断れると思っているのか？」
まどか「二階に厄介？ あ、八階ってこと？ ホント落語ネタ好きだね～」ｳｪﾋﾋ
ほむら「何が言いたいのよ」
75: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:45:58.89 ID:aQMk4iE80
パタリロ「お前の手術代・入院費を出してやったのは、僕だということを忘れるなよ」ﾌｯﾌｯﾌｯ
ほむら「……知り合いの知り合いに弁護士がいるの」
ほむら「私に万一のことがあれば、ある資料をマスコミに公開するように頼んであるわ」
パタリロ「ある資料とは？」
ほむら「あなたの指紋がついたケースに入ったゆるゆり菌のサンプルよ」
ほむら「一国の王が海外に危険な細菌を持ち込んだことが明るみに出れば、あなたの世間的なイメージは地に落ちるわ」
ほむら「そうなると、この国の基幹産業の売り上げはどうなるのでしょうね」
76: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:47:04.54 ID:aQMk4iE80
パタリロ「ハッハッハッ！ 水臭いことを！」
パタリロ「友人が病気で困ってるなら、医療費を出してやるくらい当然じゃないか」ﾊｯﾊｯﾊｯ
パタリロ「どれ、ここはひとつ友人として、桜餡子の悩みを取り除いてやろう」ﾀｯﾊｯﾊｯ
まどか「ほむらちゃん、今言ったことって本当？」ﾋｿﾋｿ
ほむら「ただのハッタリよ。でも、この手は当分使えるわね」ﾋｿﾋｿ
───── … ……
＿＿＿＿＿＿
77: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:47:58.70 ID:aQMk4iE80
マリネラ宮殿
タマネギ「それで結局帰ってきたわけか」
タマネギ「なんの為に病院に行ったんだかわからないな」
タマネギ「殿下は今何してるんだ？」
タマネギ「なんでも新しい発明品を造っているとか」
78: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:49:29.93 ID:aQMk4iE80
パタリロ「ふう。あとは磁石をセットすれば完成だ」
パタリロ「おーい！ 誰か磁石を持ってこーい！」
タマネギ「はいどうぞ」っＣＤ
パタリロ「なんだこれは」
タマネギ「え？ 今、殿下が仰ったじゃないですか」
タマネギ「しじゃくを持ってこいって」
ボカッ！！
パタリロ「誰が桂枝雀大全を持ってこいと言った！！ 磁石だ磁石！！」
パタリロ「もういい！ 自分で持ってくる！」ｶﾁｬｶﾁｬ
79: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:50:32.87 ID:aQMk4iE80
パタリロ「よし、これで完成だ。ふっふっふっ……」
パタリロ「久しぶりに発明パタちゃんの面目躍如だー！！」ﾄﾞﾄﾞｰﾝ!
杏子「発明パタちゃん？」
タマネギ「殿下は発明の天才なんですよ」
タマネギ「ワルプルギスの夜みたいにね」
杏子「ワルプルギスの夜みたい？」
タマネギ「そうそう、忘れた頃にやってくる」
タマネギ「天災」
80: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:51:42.38 ID:aQMk4iE80
パタリロ「なんとでも言えー！ 今の僕には何を言っても効かんわーい！」ﾜﾊﾊﾊ
タマネギ「久しぶりだからって舞い上がっちゃって」
パタリロ「というわけで、これが僕の発明した簡易魔法少女変身装置！ その名も……」ｻﾞｻﾞｰﾝ!
パタリロ「『そうゆうジェム』ーー！！」ﾊｸｾﾝｼｬﾊﾆｯﾎﾟﾝｲﾁ!
81: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:52:39.79 ID:aQMk4iE80
杏子「どういうジェムだって？」
パタリロ「そうゆうジェムだ」
杏子「ふーん？ それでそれがなんだって言うのさ」
パタリロ「この高度なシャレを理解できなかったらしい」
タマネギ「理解できなくて幸せだと思いますよ」
ボカッ！
82: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:54:02.70 ID:aQMk4iE80
パタリロ「つまりだ。これはその名の通り、魔法少女に変身できる機械だ」
パタリロ「ちょっとやってみろ」
杏子「どれどれ」ﾍﾝｼﾝ!
杏子「おおー！ やっぱこれだよ！ この槍が無いとしっくりこねぇ！」ｼｬｷｰﾝ!
パタリロ「元々は、感情エネルギーを研究していて造ったものなのだがな」
83: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:54:39.41 ID:aQMk4iE80
パタリロ「人間は誰でも普段から喜怒哀楽で感情を表し、少量のエネルギーを発生しているのだ」
パタリロ「第二次性徴期の少女が希望から絶望に落ちるときには、天文学的エネルギーを発生するようだが」
パタリロ「この装置はそんな巨大なエネルギーを必要とはしない。人間の普段の感情から発生するエネルギーで動くのだ」
パタリロ「簡易と銘打ってあるが、魔法少女としての性能は本物となんら遜色はない」
84: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:55:35.93 ID:aQMk4iE80
パタリロ「人間を遥かに超える運動能力も与えてくれるし、絶対に怪我しないように身体の強度を高めてくれる」
パタリロ「元祖魔法少女はそこらへんの設定が色々ブラックだったが、この装置はちゃんと人道に配慮しているのだ」
パタリロ「勿論、魂をソウルジェムとして加工したり、穢れが溜まって魔女になるなんてことも無い」
杏子「ふーん。なんだかよくわからないけど、すごいな」
杏子「で？ これでどうしろっていうのさ」
パタリロ「問題はそこだ」
杏子「うん」
85: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:56:52.20 ID:aQMk4iE80
パタリロ「そこだ」
杏子「うん？」
パタリロ「だから、そこだ」
杏子「わかったって」
パタリロ「わからんやつだなーー！ 問題はそこだと言っとるだろーがー！！」
タマネギ「いい加減諦めたらどうです」
パタリロ「このギャグには特別思い入れがあるのだ」ｳｰﾑ
86: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:57:33.73 ID:aQMk4iE80
杏子「それでなんだっていうのさ？」
パタリロ「この装置のすごいところは、その者個人に眠る固有魔法も引き出してくれるところなのだ」
パタリロ「つまりだ。君は昔、幻惑を操る魔法を使えたのだろう？」
杏子「え？ ああ……うん……ぅぅ……」
87: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 20:58:19.37 ID:aQMk4iE80
杏子「うわぁーーん！！ 親父ー！！ お袋ー！！ モモー！！」ｳﾜｰﾝ!
パタリロ「わー！ わー！ 悪かった！ 昔を思い出させて悪かった！」
杏子「悪ぃ……取り乱した」ｸﾞｽﾝ
パタリロ（やりにくいな）
パタリロ「だからだ。その幻術を使って、巴マミにショック療法を敢行してやろうというのだ」
杏子「ショック療法？」
88: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:00:45.16 ID:aQMk4iE80
パタリロ「余談だが、魔女が今はどうなったか知っているか？」
杏子「そういえば知らないや」
パタリロ「魔法少女システムの解体に伴い、全ての魔女も魂を浄化され、行き着くべき所に却っていったのだが」
パタリロ「とにかく、魔女はいなくなり、平和な世界が訪れたのだ」
杏子「ふーん。それで？」
89: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:02:17.35 ID:aQMk4iE80
パタリロ「魔法少女は今や命を賭ける必要はなくなった」
パタリロ「巴マミの今の行動も、その平穏がいつまでも続くと思い込んでいる故のことだと考えられる」
パタリロ「世の中平和なのだから、いつでも相手できる恋人は放ってほいて浮気に精を出してる、というわけだ」
杏子「なんだよそれ、ひどい！」
パタリロ「逆に言えば、一番愛されているということなのだがな」
パタリロ「だがその平穏が、突如崩されるとしたら？」
杏子「え？」
90: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:03:08.42 ID:aQMk4iE80
パタリロ「いつでも相手できると思っていた恋人が突如自分の前から消えてしまう……」
パタリロ「そんなショッキングな出来事を、幻術を使って体験させてやれば、巴マミの浮気癖も鳴りを潜めるのではないか？」
杏子「幻術でぇ？ そんなに上手くいくかなあ？」
パタリロ「迫真の演技は、ときに本物の出来事の様にインパクトを与えるものだ」
パタリロ「オーソン・ウェルズの火星人襲来騒動を知っているか？」
91: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:03:59.15 ID:aQMk4iE80
杏子「ローソン食えるず？ からあげクンならチーズが好きかな、アタシは」
パタリロ「おじさん、つまらないジョークを言う娘は好きじゃないなぁ」
タマネギ「わお、自分のことは思い切り棚に上げてるぞ」
ボカッ！
パタリロ「つまりだ」
92: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:04:54.89 ID:aQMk4iE80
パタリロ「１９３０年代に起きたことなのだが、オーソン・ウェルズという俳優が、ラジオで火星人が攻めてくるという劇を放送したのだ」
杏子「火星人～？」
パタリロ「しかし、あまりに迫真の演技で行ったものだから、付近の住民がそれを信じて大騒ぎになったという事件だ」
杏子「ふーん。それがなんだっていうのさ」
パタリロ「つまり、それくらい必死でやれば、嘘の出来事でもマミの浮気性を消し去るくらいのショックを与えてやれるということだ」
パタリロ「お前が本気でマミのことをなんとかしたいと思ってるのなら、どうだ？ やってみるか？」
93: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:06:26.08 ID:aQMk4iE80
杏子「そうか……よし！ やってみる！」
パタリロ「よし。それでは具体的な手筈なのだが」
パタリロ「魔女の代わりに、魔獣という存在が出現したことにする」
杏子「まじゅう？」
パタリロ「そうだ。魔女が消えた為に、発散されなくなった世の呪いが具現化し、人々を襲う怪物となったのだ」
94: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:07:20.95 ID:aQMk4iE80
パタリロ「多種多様で女性的だった魔女に対し、魔獣は画一的で男性的」
パタリロ「そしてその内部に負の感情エネルギーを内包していて云々かんぬん――」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ
タマネギ「よくそんな適当な設定が次々と出てきますね」
パタリロ「――かくかくしかじかで、巴マミの目の前でまるまるうまうま、というようにやればだな――」
杏子「ええー！？ そんなことしてホントに大丈夫か？」
パタリロ「こういうのは思い切りが大事なのだ」
杏子「よーし！ 作戦開始だー！」ｴｲｴｲｵｰ!
95: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:08:33.53 ID:aQMk4iE80
日本 見滝原
マミ「佐倉さんは一体どこに行ってしまったのかしら……」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ
マミ「でも佐倉さんがいないから、家に女の子を連れ込み放題ね！」
マミ「こんな気持ちで浮気するなんて初めて！ もう何も怖くない！」ﾃﾚｯﾃｰ
パタリロ「くぉら！」ﾄﾞｹﾞｼ!
マミ「痛い！ 何をするの！？」
96: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:10:31.89 ID:aQMk4iE80
パタリロ「おのれという奴は～～。全く反省しとらんな！」
マミ「あら？ あなたカリメロ君じゃない」
パタリロ「ちょっと待て！ 最近のＪＣは一体どうなっているんだ！」
４４号「殿下、殿下、おさえて」
マミ「国に帰ったんじゃなかったの？」
パタリロ「杏子の奴が、家出だとか言ってうちに転がり込んできたから、説得して連れてきてやったんだ！」
97: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:11:20.59 ID:aQMk4iE80
マミ「まあ……帰ってこないと思ったらそんな遠くまで行ってたのね」
マミ「そちらの方は？」
パタリロ「僕の部下の霊感青年だ」
４４号「殿下のお付きで来ましたタマネギ４４号と申します」
マミ「素敵な殿方……でもごめんなさい。私の瞳には女の子しか写っていないの」
マミ「ふふ……私ったら罪な女ね」
98: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:12:14.75 ID:aQMk4iE80
パタリロ「いっぺん絞め殺したろうか」
４４号「まあまあ」
マミ「そういえば肝心の佐倉さんの姿が見えないけど……」
パタリロ「あれ？ さっきまでそこにいたのだが」
４４号「殿下、怪しい妖気を感じます！（棒）」
99: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:13:24.45 ID:aQMk4iE80
パタリロ「何！？ もしかするとそいつが杏子を連れ去ったのかもしれない！！（迫真）」
マミ「ええ！？」
４４号「妖気はそっちの路地から発せられています（棒）」
パタリロ「よし！ 行くぞ！」ｼｭﾀ!
マミ「佐倉さん！」
４４号（この為だけに連れてこられるんだもんな～～非番だったのに……）ﾎﾝﾄﾆﾓｳ
100: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:14:20.32 ID:aQMk4iE80
路地裏
魔獣「ウォー」ﾄﾞｰﾝ
杏子「うわぁーー！！」
マミ「佐倉さん！！」
杏子「マミさん！？ 危ない！ 逃げて！」
魔獣「ウォー」ﾌﾞﾝ!
杏子「ぐわぁっ！」
マミ「ああ！？」
101: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:14:56.57 ID:aQMk4iE80
魔獣の攻撃が杏子を貫く！
もちろんこれは、杏子が見せた幻覚だった
しかし、杏子がまた幻術を使えるようになったことを知らないマミは、これをまともに信じたのだ！
102: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:15:41.59 ID:aQMk4iE80
マミ「佐倉さん！ 佐倉さぁん！！」
杏子「うぐぐ……」ﾊﾞﾀｯ
マミ「佐倉さん！？ いやあああああ！」
パタリロ「４４号！」
４４号「破ッ！！」ﾋﾞｰﾑ!
魔獣「グワァァァ」ｼｭｩｩｩ
103: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:16:51.90 ID:aQMk4iE80
マミ「そんな……佐倉さん……杏子……」
マミ「あな……」
パタリロ「あな？ 穴があったら入りたい？」
マミ「あなた一人では逝かせない！ 私もすぐに逝くわ！」ﾀﾀﾀﾀﾀﾀ
パタリロ「わーー！ 車に飛び込む気だ！ ４４号止めろ！」
４４号「落ち着いてください！！」ｶﾞｼｯ!
マミ「放して！ 死ぬしかないじゃない！」
104: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:17:43.05 ID:aQMk4iE80
マミ「私は、ちゃんとあの娘を愛してあげられなかった！ 何も伝えないまま逝ってしまった！！」ｸﾞｽﾝｸﾞｽﾝ
パタリロ「薬が効き過ぎた！ おい！ ネタばらしだ！」
杏子「マミさん……」ﾋｮｺｯ
マミ「杏子！？ そんなどうして！」
パタリロ「実は、これこれかくかくしかじかというわけなんだ！！」
マミ「幻覚……？」
105: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:18:19.86 ID:aQMk4iE80
杏子「ごめんマミさん……ちょっと懲らしめてやろうと思っただけなんだ……」
マミ「……良かった」
杏子「え？」
マミ「良かった！！」ｶﾞﾊﾞｯ
杏子「うぇ！？ マミさん？」
マミ「うわあああん！ ごべん、ごべんねぇ！ もう放さないからぁぁぁぁ！」ｷﾞｭｩｩ
杏子「マミさん……」
106: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:19:27.51 ID:aQMk4iE80
４４号「上手くいったみたいですね」
パタリロ「そうだな」
魔獣「……」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ
パタリロ「おい、上手くいったと言っただろう。もう魔獣の幻覚を出す必要なないぞ」ﾊﾊﾊ
杏子「え？ アタシは何もしてないぞ？」
４４号「殿下！ 何かおかしいです！」
パタリロ「おかしきゃ笑え」ﾊﾊﾊ
107: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:20:52.47 ID:aQMk4iE80
４４号「殿下ー！ 笑ってる場合じゃありません！ これは本物ですよ！」
パタリロ「何ーー！？」
魔獣「うぉぉぉぉ～」ｳｶﾞｰ
杏子「おい！ どういうことだよ！」
パタリロ「わからん！ あまりに設定を凝り過ぎたせいで具現化してしまったのかもしれん！」
杏子「そんなことあるわけ……うわぁ！ 攻撃してきた！」
魔獣「うぉぉぉぉぉ」ﾋﾟｶｰ
ドカァーン！！
杏子「うわぁぁ！」
108: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:21:46.78 ID:aQMk4iE80
パタリロ「４４号！ やっつけろ！」
４４号「やってますけど数が多すぎますー！！」ﾋﾞｰﾑ!
魔獣「うがぁぁぁ」ﾋﾟｶｰ!
マミ「え……？」
杏子「マミさん危ない！」
パタリロ「４４号！！」
４４号「間に合いませーん！！」
109: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:22:24.71 ID:aQMk4iE80
絶対絶命だと思われたそのとき！！
110: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:23:05.90 ID:aQMk4iE80
杏子「必殺！ ロッソ・ファンタズマ！！」ｼｭﾋﾟｰﾝ!
杏子の、幻術を利用し分身する必殺技『ロッソ・ファンタズマ』が炸裂！
マミを助け、魔獣達もあっというまに蹴散らしたのだった！
111: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:24:11.71 ID:aQMk4iE80
魔獣「ぎゃぁぁぁぁぁ！！」ｼｭｩｩｩ
パタリロ「ひえ！ ひえ！ ひえええええ！」
４４号「あれ？ 魔獣が消えた後に何か落ちてますよ」
杏子「マミさん！ 大丈夫！？」
マミ「佐倉さん……！ いえ、杏子！」
杏子「何？ マミさん」
112: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:25:01.06 ID:aQMk4iE80
マミ「私が考えた技名、まだ使ってくれてたのね！ 嬉しい！」
杏子「え？ ああ～うん、まあ……」
マミ「もっともっと必殺技を考えてあげる！」
杏子「ええ～～？ う～ん……」
マミ「これからはずっと一緒よ！」ｷﾞｭｩ
113: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:25:59.96 ID:aQMk4iE80
パタリロ「いやっはっはっはっ！ 良かった良かった！」
パタリロ「後は若い者同士よろしくやるといい」ﾊｯﾊｯﾊｯ
杏子「なんかしっくりこないな～～、でも」
杏子「ま、いっか」ﾆﾊﾟｧ
と、ここで終われば綺麗にハッピーエンドなのですが
114: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:26:53.21 ID:aQMk4iE80
数日後
マリネラ宮殿
タマネギ「何をしているんです？ 殿下」
パタリロ「先日の事件のデータをマザーコンピューターにインプットしてるんだ」
タマネギ「ああ、幻覚だと思ったら本物の怪物が現れたってやつですか」
まどか「マミさんと杏子ちゃんが上手くいったみたいで良かったよぉ」ﾃｨﾋﾋ
ほむら「私たちも上手くやりましょう、まどか」ﾎﾑﾎﾑ
パタリロ「ちょっと待て。何故お前達がここにいる」
115: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:27:43.04 ID:aQMk4iE80
ほむら「別にいいじゃない」
パタリロ「まったく……おお、答えがでたぞ」
コンピューター「先日現レタ怪物ハ、９７％の確率デ、殿下ガ仰ッタ魔獣トイウ存在デス」
パタリロ「なんだと！？ 魔獣は僕が考えた架空の存在だぞ！」
コンピューター「元々、魔女ノ存在ガ世ノ中ニ蔓延スル負ノ感情ノ、ハケ口ニナッテイタノデス」
116: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:28:52.58 ID:aQMk4iE80
コンピューター「ソレガ存在シナクナッタ為ニ、コノ世ノ鬱憤ガ溜マッテ、自然発生的ニ魔獣トイウ形デ現レタノデス」
コンピューター「殿下ガ作ッタ設定ハ、偶然似通ッタノデショウ」
パタリロ「なんだと！ それじゃ、魔獣はこれからも現れ続けるというのか！」
コンピューター「シカリ」
コンピューター「尚、魔獣ガ落トシタキューブ状の物体ニハ、高密度ノ感情エネルギーガ内包サレテオリ、エントロピー問題ノ解決ニ役立ツト思ワレル」
ほむら「さしずめ、魔獣が落とすグリーフシードってところね」
117: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:30:05.94 ID:aQMk4iE80
パタリロ「落ち着いている場合か！ これはドエライ事だぞ！！」
パタリロ「おい！ 銀座の寿司屋！！」
ＱＢ「なんだい？」ﾋｮｺ
パタリロ「また魔法少女システムを再開してくれ！！」
ＱＢ「なんだい？ やぶから棒に」
パタリロ「いや！ 魔獣からグリーフシードなんだ！」
ＱＢ「はあ？」
118: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:31:04.75 ID:aQMk4iE80
まどか「パタリロ君、同じようなギャグを繰り返し使ってると落ち目になるよー？」ｳｪﾋﾋﾋ
パタリロ「実はこれこれしかじかで、大変なことになったんだ！」
パタリロ「だから魔法少女システムを再開してくれ！」
ＱＢ「嫌だよ」
パタリロ「そうかそうか、快く引き受けてくれるか……って」ﾊｯﾊｯﾊｯ
パタリロ「嫌だと！？ 何故だ！？」
119: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:32:29.71 ID:aQMk4iE80
ＱＢ「あたりまえだろう？ 僕達の魔法少女システムを非人道的だといってやめさせたのは、君達じゃないか」
ほむら「そうよ。またこいつの魔法少女システムに頼るだなんて、許されるはずがないでしょう」
ＱＢ「それに、最近始めた商売が思った以上に楽しくてね」
ＱＢ「余計なことにかまけている暇は無いよ。魔獣が落とすグリーフシードの回収くらいなら協力するけど」
パタリロ「商売だと！？ 何を言っている！」
120: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:34:29.03 ID:aQMk4iE80
タマネギ「あれ？ 殿下、ご存知無いんですか？」
タマネギ「最近オープンした『マリネラ銀座・印九兵衛太』っていうお寿司屋さんが、すごく人気なんですよ」
パタリロ「なんだと！？」
タマネギ「僕達の給料じゃ滅多に行けませんけどね」
ＱＢ「君に寿司屋寿司屋って言われているうちに、なんだかその気になってしまってね」
ＱＢ「マリネラ漁港の皆さんに、『僕と契約して寿司のネタを卸してよ！』って言ったら快く引き受けてもらえたんだ」
121: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:35:12.33 ID:aQMk4iE80
ＱＢ「あ、これ特上十貫セット。良かったら食べてみてよ」ｻｯ
ほむら「あら、美味しい」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
まどか「今度お店に行くよー」ﾃｨﾋﾋ
ＱＢ「タマネギさん達も是非来てね。安くしておくよ！」
タマネギ「すみませんね」
パタリロ「くぉらーー！ 何を仲良くやっておるかーー！」
122: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:36:22.20 ID:aQMk4iE80
パタリロ「これからも魔獣が世界中に出現するんだぞ！ 魔法少女がいないなら、どうすればいいんだ！」
ＱＢ「そこはほら、君の作った装置があるじゃないか」
ほむら「そうよ。魔法少女がいなくなったのは、元はといえばあなたの責任なのだから、あなたがなんとかしなさいよ」
ＱＢ「またイチから魔法少女を勧誘していけば良いんじゃないかな」
パタリロ「」
123: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:38:03.32 ID:aQMk4iE80
必要になるであろう、大量のそうゆうジェムの生産費用と、新たに魔法少女を勧誘する手間を考えたパタリロは固まってしまいました
しかし放っておけば世界は大変なことになり、商売どころの騒ぎではなくなってしまうので
仕方なくパタリロはこう叫びながら、今日も世界を飛びまわっています
パタリロ「僕と契約して魔法少女になってくれ！！」
おしまい♪
───── … ……
124: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:38:56.49 ID:aQMk4iE80
＿＿＿＿＿＿
インド ニューデリー
さやか「勢いでインドまで来てしまったさやかちゃんでした」
ラシャーヌ「誰に説明してるんです」
さやか「いやね、お気になさらず」
さやか「それにしてもラシャーヌ君には感謝してますよ～」
さやか「行き倒れていたあたしを泊めていただいちゃってぇ」
ラシャーヌ「こんなに美しい女性が一人で泣いているのを放ってはおけませんよ」
さやか「もう！ ラシャーヌ君ったらお上手なんだからー！」
ラシャーヌ「」ﾎﾟｯ
125: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:39:54.28 ID:aQMk4iE80
おじ様「ぐぬぬ……ラシャーヌがまた見知らぬ女を連れ込んでいる……」
おじ様「ラシャーヌ！ そんなどこの馬の骨とも知れぬ女なんぞ放っておいて、わたしの愛を受け止めてくれ！！」
ラシャーヌ「中年は黙ってなさい」
おじ様「うがーー！！ わたしはまだ若いんだーー！！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
さやか「面白い人だね」ｹﾗｹﾗ
ラシャーヌ（言おう。この気持ちを）
ラシャーヌ「あの！ さやかさん！」
さやか「ん？ 何かな？」
126: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:41:20.63 ID:aQMk4iE80
ラシャーヌ「好きです！ 付き合ってください！」
さやか「え？ あー……」
さやか「ごめんね、あたし他に好きな人がいるんだ」
さやか「それじゃあ、そろそろマリネラに戻るよ。お世話になったね、ありがとう！」ﾊﾞｲﾊﾞｰｲ
ラシャーヌ「」ｶﾞｰﾝ
ラシャーヌ「そんな……！ そんな……！ 今度こそいけると思ったのに！」
ラシャーヌ「あ……あ……」
ラシャーヌ「あーーーーーーい！！」ｳﾜｰﾝ!
おじ様「うがーーーー！！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
恋愛格差
下には下が
いるようです
今度こそおしまい♪
127: SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b) 2011/12/24(土) 21:46:45.33 ID:aQMk4iE80
以上です
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました！
前よりクォリティは下がったかもしれませんが、楽しんで頂けたら幸いです
SS速報VIP：パタリロ「おい！ 銀座の寿司屋！！」 ＱＢ「なんだい？」
