SS速報VIP:カズマ「サンタってなんだ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1356447588/1: ◆do4ng07cO. 2012/12/25(火) 23:59:49.15 ID:hcizXMd00
君島「なんだよ、いきなり。サンタさんがどうしたって?」
カズマ「かなみの奴が、『サンタさん、今年こそはプレゼントくれるかなぁ』ってぼやいてたからよ。
その『サンタ』って奴についてなにか知らねえか?」
君島「はぁ?サンタも知らないのかよ、お前。バカだね~ホント」
カズマ「歯ぁ食いしばれ、君島」
君島「待て待て待て!」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1356447588
2: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:00:51.29 ID:UmWYkzAA0
君島「サンタっていうのは、毎年、クリスマスの夜によい子達にプレゼントを配りにやってくるおっさんのことだ」ボロッ
カズマ「俺のところには来たことねーぞ」
君島「そりゃ、お前はよい子じゃなくて、甲斐庄なしのろくでなしのクズだもん。
かなみちゃんのところに来ないのもお前のせいなんじゃねーの?」
カズマ「あぁ!?」
君島「のわっ!?暴力反対...て、おい。どこ行くんだ、カズマ?」
カズマ「決まってんだろ。そのサンタって奴をボコりに行くんだよ」
君島「...はい?」
カズマ「欲しいものはこの手で奪う!それにな、そのサンタって奴の見下した態度が気に入らねえんだ」
君島「待て、カズマ。いいか、サンタってやつはな」
カズマ「んじゃ、ちょっくら行って来るぜ!」バァンバァン
君島「だから待てって!そもそもサンタなんt」
バコォォォン!
君島「あ~もう!なんであいつは話を聞かねーかなぁ!」
カズマの家
かなみ(カズ君、去年はクリスマスのこと知らなかったから一緒に過ごせなかったけど...今年は大丈夫だよね)
水守「シェリスさん、劉鳳がどこに行ったかわからないの?」
シェリス「全然。朝起きたら、もぬけの殻よ。今日はみんなでクリスマスパーティをやるって、言っておいたのに」
かなみ(でも、起きた時にはもう居なかったし...ううん、私、カズ君を信じる!)
水守「やっぱり、シェリスさんだけに任せるのは荷が重かったかしら」
シェリス「...なによ、その言いぐさ。まるで、アタシが頼りないみたいじゃない」
かなみ(そういえば、サンタさんの事も気になるなぁ)
シェリス「さりげに私と劉鳳の間に割ってはいって、NTRなんてさせないからね」
橘「子供の前で何を言ってるんですか」
シェリス「あら、居たんだ、橘」
橘「最初から居ましたよ」
水守「え?」
橘「」
かなみ「ねえ、水守さん」
水守「なにかしら、かなみちゃん」
かなみ「私って、悪い子なの?」
水・橘・シェ「「「え?」」」
かなみ「私、今まで、サンタさんが来たことないの。...だから、そう思っちゃって」
橘「ああ、そういうことか。大丈夫、かなみは悪い子なんかじゃないよ」
かなみ「ほんと?」
橘「もちろんさ。サンタが来ないから悪い子なんて、ありえない。そもそも、サンタなんt「フンっ!!」ドスッ ガハァ
かなみ「シェリスさん!?」
シェリス「ゴメンゴメン。橘のお腹の辺りにハエがいたから、つい♪」
シェリス(なに子供の夢を壊そうとしてんのよ!)グリグリ
橘(ご、ごめん!つい口がすべって...)イタタタタ
水守「かなみちゃんは、なにか欲しい物でもあるの?」
かなみ「いえ、そういうわけじゃないんですけど...」
水守「欲しい物ができたら、きっとサンタさんも来てくれるわよ」
かなみ「欲しい...もの...」
_______
カズマ(まずは、アルターの森から行ってみるか...ん?あれは...劉鳳?)
劉鳳「こんな所で何をしている、カズマ」
カズマ「あぁ?アンタこそなんでここにいるんだよ」
劉鳳「俺は、ただ見回りをしているだけだ。このような日にこそ、警戒心を強くしなければならないからな」
カズマ「へぇ、そいつはご立派なこった」
劉鳳「で、キサマは何をしているんだ?」
カズマ「俺はただ、サンタってのが気に入らねーから、ぶっ飛ばしにいくだけだ」
劉鳳「...何だと?もう一度言ってみろ」
カズマ「だから、そのサンタってのが気に入らねーから、探し出してぶっ飛ばそうと思ってよ」
劉鳳「許さんぞ、カズマ!俺はキサマを断罪する!絶影!!」バァンバァンバァン
カズマ「どわっ!?いきなり仕掛けてきやがって。...いいぜ、サンタの前にてめぇからボコってやらあ!」
君島「あの野郎、どこまでいったんだよ。今日はクリスマスパーティがあるから、かなみちゃんに何か買ってやろうって話をしてたのにこうなるかなぁ...」
ブオオオオ キキィ
「お~い、キリシマぁ」
君島「君島っすよ、クーガーさん」
クーガー「スマンスマン。ところで、カズヤと劉鳳がどこに居るか知らないか?どっか行っちまったらしいんだ」
君島「カズマなら、さっきまでいたんですけどねぇ...」
クーガー「ハハッ、相変わらずじっとしてられない奴だ。まあ、アイツの事だから、今頃劉鳳とバッタリ会ってケンカでもしてるかもなぁ」
君島「あはは、さすがにそんなことは」
ズドォォォォン! ビリビリビリ
君島「...ありましたね」
劉鳳「サンタさんには指一本触れさせん!カズマぁぁぁ!!」
カズマ「上等だぁぁぁ!抹殺のラストブリットォォォ!!」
劉鳳「俺は負けられん!この世界に生きるの子供達のためにも!そしてなにより、俺自身のためにも!剛なる拳伏龍、臥龍!!」
カズマ「こんなもんで退いてられっかぁぁぁ!!シェルブリットォォォバーストォォォ!!」
劉鳳「カズマァァァァァァ!!」
カズマ「劉鳳ォォォォォォ!!」
クーガー「落ち着けバカヤロウ共!!瞬殺のぉぉぉぉぉファイナルブリットォォォォォ!!」
クーガー「いいか、俺はこう思うんだ。確かに、ケンカも一つの文化だ。
全力でぶつかり合えば気分がよくなり互いに分かり合うこともできる。
だから俺はケンカ自体を否定したりはしない。だがそれはTPOをわきまえた上でのことだ。
場所場合時間帯目的これら全てないがしろにしその場の雰囲気だけで力を行使するのはバカ以外の何者でもない!
即決即急即時即座即納お前達がやるべき事を即答してみろ!」
カズマ「サンタをボコる」
劉鳳「サンタさんをこいつから守る」
クーガー「このバカチン共がぁ!」ドバキィ
カズマ「ぐあっ、てめぇ...よりにもよってバカの最上級ってやつを使いやがって!」
クーガー「お前達が俺の話を聞かないからだ!」
カズマ「だから、かなみの分までサンタの所から奪ってきたらいい話だろ!?」
君島「落ち着けって、カズマ。落ち着いて俺の話を聞け」
~君島説明中~
君島「要するにサンタってのは、実在する人物じゃねーんだ」
カズマ「なにぃ!?」
劉鳳「何だと!?」
君島(なんで劉鳳まで驚いてんだ?)
君島「これは、話す順番を間違えた俺のミスでもある。だから、その点は謝る。悪かった」
カズマ「...なんか、アホらしくて怒る気もしねぇな。とっとと、かなみの所に...」
劉鳳「そんな...有り得ん!俺は確かに見たぞ、君島!」
君島「はぁ?見たって...サンタを?」
劉鳳「ああ。2年前のクリスマスの夜、おれの枕元にマグカップをおいて、窓から出ていった」
君島「そんなもん、誰かのコスプレだろ」
劉鳳「確かにあの時は寝ぼけていたが、あの体型、赤い服、背中に背負った袋は間違いなく...」
クーガー「そりゃ瓜核だ」
劉鳳「なん...だと...」
君島「まぁ、まだ時間はあるし、早くかなみちゃんへのプレゼント買いにいこーぜ」
カズマ「そういや、あいつに何買えばいいんだ?」
君島「カズマ君、そういうのは自分で考えなさい」
劉鳳「そんな...今まで信じてきたものが嘘だったなんて...」orz
クーガー「ま、人生そういう時もあるわなぁ。だから早く立て、劉鳳。シェリスやみのりさん達が待ってる」
劉鳳「水守だ。そうだな...。ああ、そうだとも!俺には立ち止まっている暇などない!」
_______
夕方
カズマの家
かなみ「遅いよ、カズ君」
カズマ「ちょっと野暮用でよ。ゴメンな、悪ィ、すまねぇ、許せ」
かなみ「そんなに謝らなくていいよ。もう準備は出来てるか。ホラ、早くぅ」グイグイ
カズマ「そんな引っ張んなくていいって!」
シェリス「劉鳳~。アタシがあの飾り付けやったの。右のよりスゴイでしょ!?」
水守「あら、ホント。とても派手で、シェリスさんの性格みたい。でも、私のもシェリスさんのとは違って質素なキレイさでしょ?」
シェリス「ウフフフフ」
水守「ウフフフフ」
劉鳳(何故か、二人の間にいるのがとても居心地が悪い...)
クーガー「俺はみのりさんのやつの方g「水守です」
クーガー「う~ん、相変わらず手厳しい」
君島「いいなぁ、あいつら...いつかはおれもあやせさんとあんな風になりてぇなあ...」ハァ
_______
君島「え~、それでは、司会を務めさせて頂きます、君島邦彦です。
まず始めに...」
ワイワイガヤガヤ
かなみ「私、カズ君の隣がいい!」
あやせ「私も、カズマの隣でいいかしら?」
シェリス「私は劉鳳の隣!」
クーガー「なら俺は、みのりさんの」
水守「私も劉鳳の隣で」
クーガー「俺が遅い?俺がスロウリィ!?そんなぁ~」
劉鳳「...サンタさん...」
橘「」キャミィ「」イチャイチャ
瓜核「スイカ切ったぞ~」
イーリャン「...スイカ、多すぎない?」
カズマ「早く食おうぜ、君島ぁ~」
君島「...はぁ、わかったよ。わかりましたよ。早く始めりゃいいんだろ?」
君島「それじゃ、いくぜぇ。せ~の!」
「「「「「「「「「「「「メリークリスマス!!」」」」」」」」」」」」
______________
夜中
コソコソ
カズマ「かなみはもう寝たか?」
君島「ああ。あんだけ騒いだし、もうこんな時間だしな。渡すなら今だぜ」
カズマ「にしても、なんでこんな回りくどいことしなきゃならねーんだ?」
君島「こういうのが、クリスマスの醍醐味なんだよ。ホラ、さっさと置いてこい」
カズマ「ヘイヘイ」
―――夢を、私は夢を見ています。
夢の中のあの人は、私に微笑みながらプレゼントを置いていってくれました
あの人はサンタさんなのでしょうか?
分からない。でも、とっても嬉しい気持ちになりました
...サンタさん、私には欲しいものがもうあったんですね
ほんのささやかなことでもいい。大好きな人、大切な人達と共に過ごせる時間
そんな時間がずっと続きますように
今も、これからも――――――
終わり
おまけ
劉鳳「...瓜核」
瓜核「おぉ、劉鳳。そういやあ、今年はサンタにお願いになくていいのか?」
劉鳳「そのことについて話がある」
劉鳳「あのサンタは、お前だったのか?」
瓜核「えっ?なんだよ、バレちまったのか」
劉鳳「責めるわけではないが...何故俺を騙すようなことを?」
瓜核「別に騙してたわけじゃねーよ」
劉鳳「ならば、何故?」
瓜核「隊長の頼みだったのさ」
劉鳳「隊長の?」
―――――――
2年前
瓜核「サンタ...っスか?」
ジグマール「ああ、今年のクリスマス、サンタとしてこのマグカップを劉鳳にプレゼントしてきてほしい。
なるべく劉鳳にバレないようにな」
瓜核「なんでそんなことを?」
ジグマール「......」
*********************
回想
劉鳳「隊長、市街の見回りは終わりました」
ジグマール「ご苦労。それで、なにか問題は?」
劉鳳「特にはありませんでした。ただ...」
ジグマール「ただ?」
劉鳳「道行く人が同じような赤い服や帽子を着用していたことが気になりました。アレはなんなのでしょうか」
ジグマール「?君はクリスマスを知らないのか?」
劉鳳「...はい」
ジグマール「...そうか。まあ、気にすることはない。君は今まで通りに過ごしていればいい」
劉鳳「そうですか。では、失礼します」
ウイーン プシュ
ジグマール(...思えば、あの子はアルター使い。ロクに知り合いもいなかっただろう。
それに父は忙しい身で、母もそういう行事には疎そうだったな...)
ジグマール(あの歳で、まだ一度もクリスマスプレゼントをもらったこともないのか...)
ジグマール(......)
*********************
ジグマール「私は、一度でもいいから、彼に子供としてのクリスマスを経験して貰いたいのだ。
アルター使いであることと関係なしにな。
...おかしいかな、瓜核。親でもない私がそう思うのは」
瓜核「...いいや。ちっともおかしいことなんてありませんぜ、隊長!
わかりました、俺に任せておいてください!」
ジグマール「そうか...ありがとう」
ジグマール(そうだ...劉鳳だけでなく、いつかは、これから生まれてくるアルター使いの子らも、
子供としてのクリスマスをおくれるようになるといいものだな...)
―――――――――
劉鳳「そういうことだったのか...」
瓜核「そういうワケだ、劉鳳」
劉鳳「...礼を言わせてもらおう、瓜核。ありがとう」
瓜核「よせやい、照れるぜ。それに、礼なら隊長に言ってやんな」
劉鳳「そうだな。...明日にでも、墓参りに行くとしよう」
劉鳳(隊長...俺は、あなたのようにはできないかもしれません
しかし、手段は違えど目的は同じであると思っています
アルター使いでも、一般の子らとなんら変わらないことのできる世界...
そんな世界ができるまで、どうか見守っていて下さい...)
終わり
なんかIDがコロコロ変わりますが、気にしないで下さい
おまけ2
朝
チュンチュン
かなみ「ふあ...ん~」グググ
かなみ(昨日は不思議な夢を見たなぁ。誰かがプレゼントをくれた夢...)
かなみ「とりあえず、ご飯作らないと...」バサァ
トスッ
かなみ(あれ?今何か落ちた音が...)
―――――――――――
カズマ「zzz」
かなみ「カズ君、カズ君!」ユサユサ
カズマ「んぁ?どうした、かなみぃ~?」ゴシゴシ
かなみ「サンタさん!サンタさんが来てくれたの!
ほら、プレゼントが!」
カズマ「そうか...。そりゃよかったな...」zzz
かなみ「もう、ちょっとくらい一緒に喜んでくれてもいいでしょ!」
カズマ「zzz」
かなみ「...朝ごはん」ボソッ
カズマ「え、もうそんな時間!?」ガバァ
かなみ「フフッ」クスクス
―――――――――――――
かなみ「カズ君、サンタさんがくれたリボン着けてみたけど...どうかな?」
カズマ「ん、いいんじゃねーの?いつも通りだぜ」
かなみ「カズ君...」シュン
カズマ「やっぱ、いつも通りが一番だな」
かなみ「カズ君///」パァッ
カズマ(最初は、なんでこんな回りくどいことを...とか思ったけどよ
こいつのこんな嬉しそうな顔見れるんなら...たまにはこういうのも悪くはねーかもな)
かなみ「カズ君、ご飯できたよ」ニコニコ
カズマ「おぉ。いただきま~す」
――――――――――――
君島「...なんなんだろうな、この敗北感...」
君島「ハァ...。俺もあんなふうに過ごしたいよぉ~!!」
おまけ3
クリスマスの10日前
橘「すみません、わざわざホーリー部隊の元倉庫の後片付けなんて手伝わせてしまって」
水守「いえ、いいんです。好きでやってることですから。
それにしても物が多いですね。浮き輪に雑誌に壊れたテレビに...」
橘「基本この倉庫は使われていませんでしたからね。
そういう要らないものをここに捨てにくる人もけっこういるんですよ」
水守「そうなんですか...あら?これは...」ガサガサ
『最速日記』
水守(これ多分、クーガーさんの...よね。タイトルからして間違いないわ)
橘「なにかあったんですか?」
水守「い、いえ。気のせいでした」
水守(あのクーガーさんが書いた日記...少し気になるかも...)
――――――――――――――――
水守(あんなところに捨ててあったんだから、読んでもいい...はずよね。本人に直接聞くのは恥ずかしいし)
水守「え~っと」ペラ
『俺はこう思うんだ。日記というものは、己を高めるためのものだと。
どんなに素晴らしいといわれる人間でも、失敗することはいくらでもある。
ならもう二度と同じ轍を踏まないようにその失敗を永久保存しておけばいい。
さらに自ら文章化することによって普段は気にも留めないことに新しく気付けるかもしれない。
そしてそれは記憶が鮮明なうちに行わなければ意味をなさない!
そう、この世の理は即ち速さだ。物事を早く成し遂げれば十ぶ』
ペラッ
―――――――――――――
○年12月25日
『カズヤの奴はどうせクリスマスを経験したことがないだろうと、俺はプレゼントの一つでも渡してやろうと思ったんだ。
ただ、俺にも金銭的余裕があるわけじゃあないので、俺はリンゴを何個か奴の枕元に置いておいた。
今日の朝俺が「よう、サンタの奴は来てくれたか?」と声をかけようとしたら、奴はその前に
「朝飯はいらねーぜ、もう食ったからな」とかぬかしやがった
どうやら奴は、リンゴはどっかから落ちてきたものだと思ったらしい。
よくよく考えたらあいつはクリスマスの存在自体知らなくてもおかしいことではなかった。
わざわざサンタの事とか説明するのも面倒だった俺は「そうか」と普通に返してこの話は終わった。
まぁ、今回は俺の観察力が足りなかったってことだな』
水守「カズマさんらしいわね」クスクス
―――――――――――――
○年10月28日
『ハロウィンに乗じてマジで女性にイタズラしようとした奴らがいたので、俺は最速でその女性のもとへ参上したのさ。
なんせ俺はグッドスピードだからな。
奴らは俺に向かって何か言おうとしてきたんだが、俺は会話もせずに奴らを蹴り飛ばして女性を助けることに成功したのさ。
そしたら彼女は俺に惚れてしまったらしくてな。なんと俺は彼女と付き合うことになったのだ!
アルターも使わずにこの結果になれるとは、やはり速さは偉大だ!』
水守「まぁ...///」
――――――――――――――
○年12月24日
『彼女は突然別れ話を持ち掛けてきた。どうやら俺がアルター使いだとバレてしまったらしい』
水守「えっ」
『まあ、いずれはこうなる事は分かっていたが...よりにもよってこんな日になぁ...。
やっぱり、俺達アルター使いには、クリスマスなんざ似合わないってことかもしれねえなぁ』
水守「......」
―――――――――――――――
クリスマスパーティ解散後
クーガー「俺にこれを?」
水守「はい」
クーガー「しかし、コレを貰う理由が...」
水守「クリスマスプレゼントを貰うのに理由がいりますか?」ニコッ
クーガー「!...そうですね。では素直にお礼をいいましょう。ありがとうございます、みのりさん」
水守「水守です!」
クーガー「あ~っ、すみませぇん!それではゴキゲンようっ!」ハハハッ
ブロロロロロ...
―――――――――――――――
水守の部屋
水守「あら?机の上になにかが置いてあるわ」ヒョイ
『メリークリスマス!みのりさん!家の鍵はしっかり掛けておいた方がいいですよ』
水守「水守です!...これは本のようね。一体なんの...」ガサガサ
『意中の相手はこれでメロメロ!必勝、恋愛マニュアル』
水守「も、もう、クーガーさんったら!あら?もう一冊あるわ」
『最速日記』
水守「クーガーさぁぁぁぁぁん!!」
―――――――――――――――
クーガー「いやぁ、まさかあの日、なんとなく、昔失くした日記を探していたら、偶々彼女が俺の日記を見ていたなんてね。
にしても...」スッ
水守『クリスマスとか関係なく、寂しくなったら、いつでも来てくださいね。
劉鳳とは違うけれど、あなたも私にとってかけがえのない人ですから』
クーガー「まさか、サングラスと一緒にこんな手紙まで添えてくれるなんてなぁ...。
また日記でもつけるとするかな」
終わり
元スレ
君島「サンタっていうのは、毎年、クリスマスの夜によい子達にプレゼントを配りにやってくるおっさんのことだ」ボロッ
カズマ「俺のところには来たことねーぞ」
君島「そりゃ、お前はよい子じゃなくて、甲斐庄なしのろくでなしのクズだもん。
かなみちゃんのところに来ないのもお前のせいなんじゃねーの?」
カズマ「あぁ!?」
君島「のわっ!?暴力反対...て、おい。どこ行くんだ、カズマ?」
カズマ「決まってんだろ。そのサンタって奴をボコりに行くんだよ」
君島「...はい?」
カズマ「欲しいものはこの手で奪う!それにな、そのサンタって奴の見下した態度が気に入らねえんだ」
君島「待て、カズマ。いいか、サンタってやつはな」
カズマ「んじゃ、ちょっくら行って来るぜ!」バァンバァン
君島「だから待てって!そもそもサンタなんt」
バコォォォン!
君島「あ~もう!なんであいつは話を聞かねーかなぁ!」
3: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:02:01.48 ID:UmWYkzAA0
カズマの家
かなみ(カズ君、去年はクリスマスのこと知らなかったから一緒に過ごせなかったけど...今年は大丈夫だよね)
水守「シェリスさん、劉鳳がどこに行ったかわからないの?」
シェリス「全然。朝起きたら、もぬけの殻よ。今日はみんなでクリスマスパーティをやるって、言っておいたのに」
かなみ(でも、起きた時にはもう居なかったし...ううん、私、カズ君を信じる!)
水守「やっぱり、シェリスさんだけに任せるのは荷が重かったかしら」
シェリス「...なによ、その言いぐさ。まるで、アタシが頼りないみたいじゃない」
かなみ(そういえば、サンタさんの事も気になるなぁ)
シェリス「さりげに私と劉鳳の間に割ってはいって、NTRなんてさせないからね」
橘「子供の前で何を言ってるんですか」
シェリス「あら、居たんだ、橘」
橘「最初から居ましたよ」
水守「え?」
橘「」
4: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:02:53.02 ID:UmWYkzAA0
かなみ「ねえ、水守さん」
水守「なにかしら、かなみちゃん」
かなみ「私って、悪い子なの?」
水・橘・シェ「「「え?」」」
かなみ「私、今まで、サンタさんが来たことないの。...だから、そう思っちゃって」
橘「ああ、そういうことか。大丈夫、かなみは悪い子なんかじゃないよ」
かなみ「ほんと?」
橘「もちろんさ。サンタが来ないから悪い子なんて、ありえない。そもそも、サンタなんt「フンっ!!」ドスッ ガハァ
かなみ「シェリスさん!?」
シェリス「ゴメンゴメン。橘のお腹の辺りにハエがいたから、つい♪」
シェリス(なに子供の夢を壊そうとしてんのよ!)グリグリ
橘(ご、ごめん!つい口がすべって...)イタタタタ
水守「かなみちゃんは、なにか欲しい物でもあるの?」
かなみ「いえ、そういうわけじゃないんですけど...」
水守「欲しい物ができたら、きっとサンタさんも来てくれるわよ」
かなみ「欲しい...もの...」
5: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:03:32.36 ID:UmWYkzAA0
_______
カズマ(まずは、アルターの森から行ってみるか...ん?あれは...劉鳳?)
劉鳳「こんな所で何をしている、カズマ」
カズマ「あぁ?アンタこそなんでここにいるんだよ」
劉鳳「俺は、ただ見回りをしているだけだ。このような日にこそ、警戒心を強くしなければならないからな」
カズマ「へぇ、そいつはご立派なこった」
劉鳳「で、キサマは何をしているんだ?」
カズマ「俺はただ、サンタってのが気に入らねーから、ぶっ飛ばしにいくだけだ」
劉鳳「...何だと?もう一度言ってみろ」
カズマ「だから、そのサンタってのが気に入らねーから、探し出してぶっ飛ばそうと思ってよ」
劉鳳「許さんぞ、カズマ!俺はキサマを断罪する!絶影!!」バァンバァンバァン
カズマ「どわっ!?いきなり仕掛けてきやがって。...いいぜ、サンタの前にてめぇからボコってやらあ!」
6: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:04:04.08 ID:UmWYkzAA0
君島「あの野郎、どこまでいったんだよ。今日はクリスマスパーティがあるから、かなみちゃんに何か買ってやろうって話をしてたのにこうなるかなぁ...」
ブオオオオ キキィ
「お~い、キリシマぁ」
君島「君島っすよ、クーガーさん」
クーガー「スマンスマン。ところで、カズヤと劉鳳がどこに居るか知らないか?どっか行っちまったらしいんだ」
君島「カズマなら、さっきまでいたんですけどねぇ...」
クーガー「ハハッ、相変わらずじっとしてられない奴だ。まあ、アイツの事だから、今頃劉鳳とバッタリ会ってケンカでもしてるかもなぁ」
君島「あはは、さすがにそんなことは」
ズドォォォォン! ビリビリビリ
君島「...ありましたね」
7: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:04:45.51 ID:UmWYkzAA0
劉鳳「サンタさんには指一本触れさせん!カズマぁぁぁ!!」
カズマ「上等だぁぁぁ!抹殺のラストブリットォォォ!!」
劉鳳「俺は負けられん!この世界に生きるの子供達のためにも!そしてなにより、俺自身のためにも!剛なる拳伏龍、臥龍!!」
カズマ「こんなもんで退いてられっかぁぁぁ!!シェルブリットォォォバーストォォォ!!」
劉鳳「カズマァァァァァァ!!」
カズマ「劉鳳ォォォォォォ!!」
クーガー「落ち着けバカヤロウ共!!瞬殺のぉぉぉぉぉファイナルブリットォォォォォ!!」
8: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:07:09.52 ID:UmWYkzAA0
クーガー「いいか、俺はこう思うんだ。確かに、ケンカも一つの文化だ。
全力でぶつかり合えば気分がよくなり互いに分かり合うこともできる。
だから俺はケンカ自体を否定したりはしない。だがそれはTPOをわきまえた上でのことだ。
場所場合時間帯目的これら全てないがしろにしその場の雰囲気だけで力を行使するのはバカ以外の何者でもない!
即決即急即時即座即納お前達がやるべき事を即答してみろ!」
カズマ「サンタをボコる」
劉鳳「サンタさんをこいつから守る」
クーガー「このバカチン共がぁ!」ドバキィ
カズマ「ぐあっ、てめぇ...よりにもよってバカの最上級ってやつを使いやがって!」
クーガー「お前達が俺の話を聞かないからだ!」
カズマ「だから、かなみの分までサンタの所から奪ってきたらいい話だろ!?」
君島「落ち着けって、カズマ。落ち着いて俺の話を聞け」
9: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:07:50.19 ID:UmWYkzAA0
~君島説明中~
君島「要するにサンタってのは、実在する人物じゃねーんだ」
カズマ「なにぃ!?」
劉鳳「何だと!?」
君島(なんで劉鳳まで驚いてんだ?)
君島「これは、話す順番を間違えた俺のミスでもある。だから、その点は謝る。悪かった」
カズマ「...なんか、アホらしくて怒る気もしねぇな。とっとと、かなみの所に...」
劉鳳「そんな...有り得ん!俺は確かに見たぞ、君島!」
君島「はぁ?見たって...サンタを?」
劉鳳「ああ。2年前のクリスマスの夜、おれの枕元にマグカップをおいて、窓から出ていった」
君島「そんなもん、誰かのコスプレだろ」
劉鳳「確かにあの時は寝ぼけていたが、あの体型、赤い服、背中に背負った袋は間違いなく...」
クーガー「そりゃ瓜核だ」
劉鳳「なん...だと...」
10: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:08:48.10 ID:UmWYkzAA0
君島「まぁ、まだ時間はあるし、早くかなみちゃんへのプレゼント買いにいこーぜ」
カズマ「そういや、あいつに何買えばいいんだ?」
君島「カズマ君、そういうのは自分で考えなさい」
劉鳳「そんな...今まで信じてきたものが嘘だったなんて...」orz
クーガー「ま、人生そういう時もあるわなぁ。だから早く立て、劉鳳。シェリスやみのりさん達が待ってる」
劉鳳「水守だ。そうだな...。ああ、そうだとも!俺には立ち止まっている暇などない!」
11: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:11:06.17 ID:UmWYkzAA0
_______
夕方
カズマの家
かなみ「遅いよ、カズ君」
カズマ「ちょっと野暮用でよ。ゴメンな、悪ィ、すまねぇ、許せ」
かなみ「そんなに謝らなくていいよ。もう準備は出来てるか。ホラ、早くぅ」グイグイ
カズマ「そんな引っ張んなくていいって!」
シェリス「劉鳳~。アタシがあの飾り付けやったの。右のよりスゴイでしょ!?」
水守「あら、ホント。とても派手で、シェリスさんの性格みたい。でも、私のもシェリスさんのとは違って質素なキレイさでしょ?」
シェリス「ウフフフフ」
水守「ウフフフフ」
劉鳳(何故か、二人の間にいるのがとても居心地が悪い...)
クーガー「俺はみのりさんのやつの方g「水守です」
クーガー「う~ん、相変わらず手厳しい」
君島「いいなぁ、あいつら...いつかはおれもあやせさんとあんな風になりてぇなあ...」ハァ
12: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:12:23.10 ID:UmWYkzAA0
_______
君島「え~、それでは、司会を務めさせて頂きます、君島邦彦です。
まず始めに...」
ワイワイガヤガヤ
かなみ「私、カズ君の隣がいい!」
あやせ「私も、カズマの隣でいいかしら?」
シェリス「私は劉鳳の隣!」
クーガー「なら俺は、みのりさんの」
水守「私も劉鳳の隣で」
クーガー「俺が遅い?俺がスロウリィ!?そんなぁ~」
劉鳳「...サンタさん...」
橘「」キャミィ「」イチャイチャ
瓜核「スイカ切ったぞ~」
イーリャン「...スイカ、多すぎない?」
カズマ「早く食おうぜ、君島ぁ~」
14: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:13:01.63 ID:UmWYkzAA0
君島「...はぁ、わかったよ。わかりましたよ。早く始めりゃいいんだろ?」
君島「それじゃ、いくぜぇ。せ~の!」
「「「「「「「「「「「「メリークリスマス!!」」」」」」」」」」」」
15: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:13:52.03 ID:UmWYkzAA0
______________
夜中
コソコソ
カズマ「かなみはもう寝たか?」
君島「ああ。あんだけ騒いだし、もうこんな時間だしな。渡すなら今だぜ」
カズマ「にしても、なんでこんな回りくどいことしなきゃならねーんだ?」
君島「こういうのが、クリスマスの醍醐味なんだよ。ホラ、さっさと置いてこい」
カズマ「ヘイヘイ」
16: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:14:39.46 ID:UmWYkzAA0
―――夢を、私は夢を見ています。
夢の中のあの人は、私に微笑みながらプレゼントを置いていってくれました
あの人はサンタさんなのでしょうか?
分からない。でも、とっても嬉しい気持ちになりました
...サンタさん、私には欲しいものがもうあったんですね
ほんのささやかなことでもいい。大好きな人、大切な人達と共に過ごせる時間
そんな時間がずっと続きますように
今も、これからも――――――
終わり
17: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:15:18.28 ID:UmWYkzAA0
おまけ
劉鳳「...瓜核」
瓜核「おぉ、劉鳳。そういやあ、今年はサンタにお願いになくていいのか?」
劉鳳「そのことについて話がある」
18: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:16:49.17 ID:UmWYkzAA0
劉鳳「あのサンタは、お前だったのか?」
瓜核「えっ?なんだよ、バレちまったのか」
劉鳳「責めるわけではないが...何故俺を騙すようなことを?」
瓜核「別に騙してたわけじゃねーよ」
劉鳳「ならば、何故?」
瓜核「隊長の頼みだったのさ」
劉鳳「隊長の?」
19: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:17:28.84 ID:UmWYkzAA0
―――――――
2年前
瓜核「サンタ...っスか?」
ジグマール「ああ、今年のクリスマス、サンタとしてこのマグカップを劉鳳にプレゼントしてきてほしい。
なるべく劉鳳にバレないようにな」
瓜核「なんでそんなことを?」
ジグマール「......」
20: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:23:28.93 ID:UmWYkzAA0
*********************
回想
劉鳳「隊長、市街の見回りは終わりました」
ジグマール「ご苦労。それで、なにか問題は?」
劉鳳「特にはありませんでした。ただ...」
ジグマール「ただ?」
劉鳳「道行く人が同じような赤い服や帽子を着用していたことが気になりました。アレはなんなのでしょうか」
ジグマール「?君はクリスマスを知らないのか?」
劉鳳「...はい」
ジグマール「...そうか。まあ、気にすることはない。君は今まで通りに過ごしていればいい」
劉鳳「そうですか。では、失礼します」
ウイーン プシュ
21: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:29:58.20 ID:UmWYkzAA0
ジグマール(...思えば、あの子はアルター使い。ロクに知り合いもいなかっただろう。
それに父は忙しい身で、母もそういう行事には疎そうだったな...)
ジグマール(あの歳で、まだ一度もクリスマスプレゼントをもらったこともないのか...)
ジグマール(......)
22: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:43:13.63 ID:UmWYkzAA0
*********************
ジグマール「私は、一度でもいいから、彼に子供としてのクリスマスを経験して貰いたいのだ。
アルター使いであることと関係なしにな。
...おかしいかな、瓜核。親でもない私がそう思うのは」
瓜核「...いいや。ちっともおかしいことなんてありませんぜ、隊長!
わかりました、俺に任せておいてください!」
ジグマール「そうか...ありがとう」
ジグマール(そうだ...劉鳳だけでなく、いつかは、これから生まれてくるアルター使いの子らも、
子供としてのクリスマスをおくれるようになるといいものだな...)
23: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 00:54:36.61 ID:UmWYkzAA0
―――――――――
劉鳳「そういうことだったのか...」
瓜核「そういうワケだ、劉鳳」
劉鳳「...礼を言わせてもらおう、瓜核。ありがとう」
瓜核「よせやい、照れるぜ。それに、礼なら隊長に言ってやんな」
劉鳳「そうだな。...明日にでも、墓参りに行くとしよう」
劉鳳(隊長...俺は、あなたのようにはできないかもしれません
しかし、手段は違えど目的は同じであると思っています
アルター使いでも、一般の子らとなんら変わらないことのできる世界...
そんな世界ができるまで、どうか見守っていて下さい...)
終わり
30: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:29:25.42 ID:d1+rJsKd0
なんかIDがコロコロ変わりますが、気にしないで下さい
おまけ2
朝
チュンチュン
かなみ「ふあ...ん~」グググ
かなみ(昨日は不思議な夢を見たなぁ。誰かがプレゼントをくれた夢...)
かなみ「とりあえず、ご飯作らないと...」バサァ
トスッ
かなみ(あれ?今何か落ちた音が...)
31: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:30:04.61 ID:d1+rJsKd0
―――――――――――
カズマ「zzz」
かなみ「カズ君、カズ君!」ユサユサ
カズマ「んぁ?どうした、かなみぃ~?」ゴシゴシ
かなみ「サンタさん!サンタさんが来てくれたの!
ほら、プレゼントが!」
カズマ「そうか...。そりゃよかったな...」zzz
かなみ「もう、ちょっとくらい一緒に喜んでくれてもいいでしょ!」
カズマ「zzz」
かなみ「...朝ごはん」ボソッ
カズマ「え、もうそんな時間!?」ガバァ
かなみ「フフッ」クスクス
32: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:31:33.25 ID:d1+rJsKd0
―――――――――――――
かなみ「カズ君、サンタさんがくれたリボン着けてみたけど...どうかな?」
カズマ「ん、いいんじゃねーの?いつも通りだぜ」
かなみ「カズ君...」シュン
カズマ「やっぱ、いつも通りが一番だな」
かなみ「カズ君///」パァッ
カズマ(最初は、なんでこんな回りくどいことを...とか思ったけどよ
こいつのこんな嬉しそうな顔見れるんなら...たまにはこういうのも悪くはねーかもな)
かなみ「カズ君、ご飯できたよ」ニコニコ
カズマ「おぉ。いただきま~す」
――――――――――――
君島「...なんなんだろうな、この敗北感...」
君島「ハァ...。俺もあんなふうに過ごしたいよぉ~!!」
33: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:33:10.31 ID:d1+rJsKd0
おまけ3
クリスマスの10日前
橘「すみません、わざわざホーリー部隊の元倉庫の後片付けなんて手伝わせてしまって」
水守「いえ、いいんです。好きでやってることですから。
それにしても物が多いですね。浮き輪に雑誌に壊れたテレビに...」
橘「基本この倉庫は使われていませんでしたからね。
そういう要らないものをここに捨てにくる人もけっこういるんですよ」
水守「そうなんですか...あら?これは...」ガサガサ
『最速日記』
34: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:33:47.30 ID:d1+rJsKd0
水守(これ多分、クーガーさんの...よね。タイトルからして間違いないわ)
橘「なにかあったんですか?」
水守「い、いえ。気のせいでした」
水守(あのクーガーさんが書いた日記...少し気になるかも...)
35: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:35:00.70 ID:d1+rJsKd0
――――――――――――――――
水守(あんなところに捨ててあったんだから、読んでもいい...はずよね。本人に直接聞くのは恥ずかしいし)
水守「え~っと」ペラ
『俺はこう思うんだ。日記というものは、己を高めるためのものだと。
どんなに素晴らしいといわれる人間でも、失敗することはいくらでもある。
ならもう二度と同じ轍を踏まないようにその失敗を永久保存しておけばいい。
さらに自ら文章化することによって普段は気にも留めないことに新しく気付けるかもしれない。
そしてそれは記憶が鮮明なうちに行わなければ意味をなさない!
そう、この世の理は即ち速さだ。物事を早く成し遂げれば十ぶ』
ペラッ
36: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:36:31.04 ID:d1+rJsKd0
―――――――――――――
○年12月25日
『カズヤの奴はどうせクリスマスを経験したことがないだろうと、俺はプレゼントの一つでも渡してやろうと思ったんだ。
ただ、俺にも金銭的余裕があるわけじゃあないので、俺はリンゴを何個か奴の枕元に置いておいた。
今日の朝俺が「よう、サンタの奴は来てくれたか?」と声をかけようとしたら、奴はその前に
「朝飯はいらねーぜ、もう食ったからな」とかぬかしやがった
どうやら奴は、リンゴはどっかから落ちてきたものだと思ったらしい。
よくよく考えたらあいつはクリスマスの存在自体知らなくてもおかしいことではなかった。
わざわざサンタの事とか説明するのも面倒だった俺は「そうか」と普通に返してこの話は終わった。
まぁ、今回は俺の観察力が足りなかったってことだな』
水守「カズマさんらしいわね」クスクス
37: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:37:36.17 ID:d1+rJsKd0
―――――――――――――
○年10月28日
『ハロウィンに乗じてマジで女性にイタズラしようとした奴らがいたので、俺は最速でその女性のもとへ参上したのさ。
なんせ俺はグッドスピードだからな。
奴らは俺に向かって何か言おうとしてきたんだが、俺は会話もせずに奴らを蹴り飛ばして女性を助けることに成功したのさ。
そしたら彼女は俺に惚れてしまったらしくてな。なんと俺は彼女と付き合うことになったのだ!
アルターも使わずにこの結果になれるとは、やはり速さは偉大だ!』
水守「まぁ...///」
38: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:39:00.72 ID:d1+rJsKd0
――――――――――――――
○年12月24日
『彼女は突然別れ話を持ち掛けてきた。どうやら俺がアルター使いだとバレてしまったらしい』
水守「えっ」
『まあ、いずれはこうなる事は分かっていたが...よりにもよってこんな日になぁ...。
やっぱり、俺達アルター使いには、クリスマスなんざ似合わないってことかもしれねえなぁ』
水守「......」
39: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:40:38.92 ID:d1+rJsKd0
―――――――――――――――
クリスマスパーティ解散後
クーガー「俺にこれを?」
水守「はい」
クーガー「しかし、コレを貰う理由が...」
水守「クリスマスプレゼントを貰うのに理由がいりますか?」ニコッ
クーガー「!...そうですね。では素直にお礼をいいましょう。ありがとうございます、みのりさん」
水守「水守です!」
クーガー「あ~っ、すみませぇん!それではゴキゲンようっ!」ハハハッ
ブロロロロロ...
40: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:41:53.74 ID:d1+rJsKd0
―――――――――――――――
水守の部屋
水守「あら?机の上になにかが置いてあるわ」ヒョイ
『メリークリスマス!みのりさん!家の鍵はしっかり掛けておいた方がいいですよ』
水守「水守です!...これは本のようね。一体なんの...」ガサガサ
『意中の相手はこれでメロメロ!必勝、恋愛マニュアル』
水守「も、もう、クーガーさんったら!あら?もう一冊あるわ」
『最速日記』
水守「クーガーさぁぁぁぁぁん!!」
41: ◆do4ng07cO. 2012/12/26(水) 10:44:00.25 ID:d1+rJsKd0
―――――――――――――――
クーガー「いやぁ、まさかあの日、なんとなく、昔失くした日記を探していたら、偶々彼女が俺の日記を見ていたなんてね。
にしても...」スッ
水守『クリスマスとか関係なく、寂しくなったら、いつでも来てくださいね。
劉鳳とは違うけれど、あなたも私にとってかけがえのない人ですから』
クーガー「まさか、サングラスと一緒にこんな手紙まで添えてくれるなんてなぁ...。
また日記でもつけるとするかな」
終わり
SS速報VIP:カズマ「サンタってなんだ?」