1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:33:07 ID:voFCDecg

昨日の 男「あ、消しゴム落とした」 の続編になります
前作を見てない方でも分かる内容にしたつもりなので、よければ読んでください
では


―――――


真面目(どこか具合でも悪いのかしら・・・心配だわ)

真面目(後でお見舞いに・・・いえ、お見舞いに行くほど具合が悪いようには見えないわ)

真面目(功を焦ってはいけない。男君に自然と近付ける機会は必ずある。見極めるのよ・・・)

活発(男、今日は見学なんだ・・・身体大丈夫かな)

活発(声をかけに行きたいけど、もうすぐ女子組はドッジボールが始まるし・・・)

活発(ううっ、気付くの遅いよあたし!こんなんだから男に近付けないんだ!)



2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:36:06 ID:voFCDecg

先生「やぁやぁ!暇だから来ちゃったよっと!」

真面目「ッ・・・先生?他のクラスの授業はどうしたんですか?」

先生「今の時間はどこも受け持ってないよ。職員室にいてもやる事もないし、教え子の運動神経を確かめておこうかなっと」

真面目(・・・よく言うわ。男君を嗅ぎ付けてきたくせに)

先生(男君は・・・見学か。ふふっ、チャンスだ)

先生(真面目君も活発君もドッジボールを始める。不良君がサボって・・・もとい、見学しているのは気掛かりだが)

先生(孤高の不良君が男君に接触するはずがない。つまり今は私が男君を独占できる・・・!)



4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:39:06 ID:voFCDecg

男友「よお男!バスケやらないのか?」

先生(ッ・・・男友君が先に話しかけたか・・・彼がいては私が入り込める話題にならない)

先生(まぁいい・・・まだ時間はある)

男「うん。今日はちょっと体調が悪くて」

男友「そんな生理みたいな理由で見学かよ!だらしねーなぁ!」

真面目(ッ・・・男君になんて事を言うの!?この恥知らず!)

真面目友「ちょっ真面目!狙われてるよ!」



5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:42:06 ID:voFCDecg

真面目「ふっ!」

真面目友「・・・おぉ・・・凄いね真面目。あのボールを避けるなんて」

真面目「偶然よ。それよりも気を付けて。『相手』は隙あらば付け込む蛇のような女よ」

真面目友「お、おう・・・?」

活発(真面目さん凄い・・・勝てるかな、あたし)

活発(・・・ってまた弱気になってる!!ダメだよ!もっとガツガツ行かなきゃ!)

活発「活発友、ドンマイ!!次は当てていこうね!」

活発(男・・・見てて!あたし、こういう所ではやるんだから!)



6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:45:07 ID:voFCDecg

男友「―――ふぃー、1クオーターだけでも疲れるわ」

男「あははっ、お疲れ様。男友はバスケ上手いね」

男友「やめろよ!俺褒められると調子悪くなるから!・・・それはそうと」

男「ん?」

男友「女子のドッジボール見てるか?なんか迫力あるよな。特に真面目と活発はさ」

男「うん、そうだね。なんかプロの試合を見てるみたい」

男友「やっぱ女のこういう姿見るとかっこいいって思うよなぁ」



男「うん、僕もスポーツができる女の子は凄く格好良いと思う」



7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:48:06 ID:voFCDecg

ガタンッ!!

不良「―――」

真面目「・・・ッ」

真面目(そう・・・やはり、避けられないのね・・・)

活発「不良・・・さん・・・?」

活発(もしかして・・・男のを聞いたのかな・・・)

先生「・・・不良君。具合はもう大丈夫なのかなっと」

先生(・・・始まる)


不良「―――オレも出陣(で)る」



8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:51:05 ID:voFCDecg

体育教師「不良?どうしたんだ、急に」

不良「身体を動かしてぇんだ。いいだろ」

体育教師「・・・まぁ不良が授業を受けてくれるなら俺は何も言わない。皆に怪我はさせるなよ」

不良「・・・」

真面目(―――不良さんは相手陣地、か。活発さんに引け目を感じているからかしら)

活発(わわっ、不良さんが味方になっちゃった!どっ、どうしよう・・・味方を食べて強くなるタイプじゃないよね)

活発「ふ、不良さん!よろしくね!」

不良「・・・おう」



10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:54:07 ID:voFCDecg

先生(・・・不良君の身体能力は異常だ。おまけにあの野性的本能)

先生(この試合、間違いなく不良君が中心となって荒れるだろう)

先生(・・・しかし、男君は『スポーツが上手い女性に惹かれる』と言った)

先生(つまりただ暴力的に振る舞うだけでは、男君が言う女性にはならないはず)

先生(・・・駄目だ、楽観すぎる。不良君は仮にも男君に認められた女)

先生(おそらく男君は不良君の強さの本質に理解し、強く惹かれるだろう)

先生(誰かが不良君を抑えるか、違うベクトルでの『惹かれる女性』を男君に見せるか)

先生(・・・それにしても・・・いつまで男君と話しているんだ!男友君!)



11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 18:57:07 ID:voFCDecg

真面目「さて・・・そろそろ始めましょうか」

活発「あっ、うん!負けないよー!」

不良「・・・」

真面目(私達の内野は6人、それに対し向こうは3人。ボールもこちらの手にあるし、私達が有利)

真面目(・・・と言いたい所だけど、不良さんの強さは計り知れない。なら・・・ッ)

真面目「先に・・・こちらを仕留める!!」

男「ッ!あのフォームは・・・!」

先生・体育教師「まさか・・・サブマリン投法ッ!?」



12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:00:07 ID:voFCDecg

男友「説明しよう!サブマリン投法とは野球の投手フォームの一つだ!身体を極限まで沈め、ボールの発射点を下げる事で『下から上へ』という軌道を生み出せるぞ!」

体育教師「上手い!あの軌道なら『顔に当たるかもしれない』という恐怖が生まれ、ボールを取られる心配はほぼなくなる!」

―――バシィッ!

活発友「ッ!!きゃっ!・・・あー・・・」

活発「活発友!大丈夫・・・?」

活発友「うん・・・ごめんね、活発・・・でも気を付けて。真面目ちゃんすっごく強いよ」

活発「・・・うん、任せて。あの投げ方、もう覚えたから」



13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:03:05 ID:voFCDecg

真面目(よし、残るは2人。活発さんと・・・不良さん)

真面目(向こうのボールになってしまったけど・・・私達は6人よ。・・・勝てる!)

不良「・・・活発。ボール貸せ」

活発「えっ?う、うん・・・」

真面目(ッ・・・来る。狙われるのは誰・・・!?)

不良「・・・よし。行くぜェェェ・・・」

真面目友「オーバースローよ!気を付けて!」



不良「ッッッぐるァァァアアアアアアア!!」



14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:06:06 ID:voFCDecg

―――『アルマゲドン』という映画がある。
巨大な隕石が地球に接近するが、それを十数人の勇士達が破壊する事で人類を救う作品である。

「―――友―――!しっ―――て!」

・・・しかし、その勇士達ですら敵わない隕石が地球に襲い掛かるとしたら、人類はどうなるだろうか。

「―――達!大丈―――か!」

もしも『スケールが大きすぎて想像ができない』という人がいるのなら、この惨状を目の当たりにすれば思い知るだろう。

体育教師「保健委員は誰だ!彼女達をすぐ保健室へ!」

―――人間が、どれほどまでに無力なのかと言う事が。



15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:09:07 ID:voFCDecg

不良「・・・怪我はしてねぇだろ」

体育教師「・・・それはそうだが・・・いいか、これは授業だ。そこまで本気を出す事じゃないだろう」

不良「アイツ等も本気だろ。ならオレも本気でやるのがスポーツマンシップってやつじゃねぇのか」

体育教師「・・・」

真面目「ッ・・・そうよ・・・。私、は・・・本気の貴方を・・・倒さなきゃ」

真面目(まだ、頭がくらくらする・・・くっ、何をやっているの・・・私ッ)

活発「で、でも真面目さん・・・あんなボール・・・無理、だよね・・・」

真面目「はぁ・・・ふッ!!・・・よし、やれるわ。活発さんも気を抜かないで」

不良(・・・やった、誰も怪我してない!上手くできたぞ、男!ちゃんと見てるか!?)



16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:12:05 ID:voFCDecg

真面目(・・・まずいわ)

真面目(こちらの内野は私一人・・・まさか1発だけで5人も減らすとは思わなかった)

真面目(・・・いえ、不良さんは『誰にも当てていない』。衝撃波だけで私以外は皆外野まで吹き飛ばされた)

真面目(だから全員がセーフのはずだけど・・・ほとんどの人があのボールを恐れて自らアウトだと宣言した)

真面目(真面目友さんはまだアウト宣言をしていないけど、保健室に運ばれて行ったし)

真面目(真面目友さんの代理を自ら務めるような勇士などいないわ・・・。絶望的ね)

体育教師「ボールは真面目コートにやる。・・・ボールがあった体育館の壁の中は、どっちの陣地でもないからな」

真面目「ハンデ・・・ですか?・・・上等よ」



17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:15:17 ID:voFCDecg

真面目(考えていても仕方がない。とにかく投げる事に集中するのよ)

真面目「・・・不良さん。次は貴方を狙うわ」

不良「・・・来いよ」

先生(・・・相手に狙いを悟られないための作戦か?それとも・・・『覚悟』か)

真面目(集中するのよ。不良さんを倒せば楽になれる)

真面目(よし・・・行ける!!)

真面目「はぁぁぁぁぁ!!」



18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:18:06 ID:voFCDecg

活発「サブマリンだ!不良さん、前に走って!」

真面目「なっ!?」

不良「ッ!!っらァァァ!!」

・・・ぼふっ。

―――ああ、終わったのかな

活発「・・・とった、とったよ不良さん!!」

―――男君、できれば見ないで欲しいわ

不良「・・・りがと」

―――私はこれから、とても無様な姿になるから

不良「・・・おい。怪我だけはすんなよ」

―――悔しいな



不良「終わりだぁぁァアアアアアアアアア!!」



19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:21:09 ID:voFCDecg

「―――全く。そんな顔をするんじゃないよ」

・・・何・・・?

「真面目友君の代理だよ。すぐに代われれば良かったんだけどね」

・・・何を、言っているの・・・?

「君は『アルマゲドン』という映画を知っているかい?」

・・・ええ

「あの映画ではね、ある男が命を諦めるんだ。でもね・・・父が、その男を救う」

・・・良い、話よね



先生「―――私も、教え子を救いたいと思ってね」



20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:24:05 ID:voFCDecg

不良「・・・ンだ、テメェ・・・」

先生「・・・不良君。君は強すぎる」

不良「なんで、いるんだよ・・・」

先生「君は『私』では勝てない。私は先生だから」

活発「せん・・・せい・・・?」

先生「でも・・・駄目だなっと。君に勝とうとするのなら」

不良「なんでボール持ってんだよォォォ!!」

先生「―――私は、『女』になってしまう」



21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:27:06 ID:voFCDecg

不良「おい体育教師!部外者が乱入してんぞ!」

体育教師「先生は真面目友の代理だ。彼女は不良のボールが当たっていない・・・つまりセーフだったからな」

不良「ッ・・・!!」

先生「真面目君、しっかりしなさい。まだ負けてないよ」

真面目「・・・先生・・・ふふっ、考えたわね」

先生「おおっと、バレたか。最高に格好良いシチュエーションだったからね」

真面目「ええ、悔しいわ・・・でも、助かった。私はまだ戦える」

真面目(そうよ。私はまだ・・・勝てる!!)



22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:30:06 ID:voFCDecg

活発「ふ、不良さん・・・どうしよう・・・?」

不良「・・・焦んなよ。さっき良いアドバイスしたじゃねぇか」

活発「そっ、それは偶然・・・」

不良「偶然でも勝ちてぇだろ!テメェの・・・テメェの力が必要なんだよ!!」

活発「ッ・・・!!うん・・・うん!!」

真面目「・・・良い、コンビね」

先生「そうだね。でもこれ以上、『あの不良君』を男君に見せる訳にはいかないなっと」



23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:33:07 ID:voFCDecg

先生「じゃあ・・・行こうかッ!!」

真面目(ボールを高く放り投げた!?何を・・・ッ)

活発「不良さん!スパイクだよ!!」

不良「スパ・・・はぁ!?」

先生「ッッッと!!」

―――不良の元へ新たな隕石が落ちる。
暴力的に襲い掛かる災厄ではなく、杭を打ち込むような『攻撃』として。

活発「不良さぁぁぁん!!」



体育教師「―――活発、アウト!!」



24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:36:06 ID:voFCDecg

活発「・・・えへへ」

不良「笑ってんじゃねぇよ!なんで庇ってんだよ!!」

活発「だって・・・私じゃ無理だし・・・さ。不良さんならあの二人に勝てるかな・・・って」

不良「・・・ッ」

活発(男に良い格好できなかったのは残念だけど・・・やっぱり、勝ちたいもんね)

不良「・・・お前は」

活発「・・・え?」

不良「その・・・なんだ。・・・オレの、さ」

活発「な、何・・・?」

不良「や、やっぱりヤメだ!!待ってろよ!ぜってぇアイツ等ぶっ倒す!!」



25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:39:07 ID:voFCDecg

先生「―――不良君。楽しかったよ」

不良「・・・るせぇ」

先生「君が実は優しい子だという事も分かった。活発君とも友達になれたみたいだしね」

不良「・・・ッ」

真面目「でも酷な事を言うけど、私達だって勝たなければならないの」

不良「・・・知ってる」

先生・真面目「そう。なら・・・その『暴力』で、私達を倒してみなさい!!」



26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:42:06 ID:voFCDecg

オレさ、男と出会って良かったわ

男はさ、今よりもすっげーバカだったオレに『そのままの君が良い』って言ってくれてさ

それでさ、チカラの使い方?ってやつを教えてくれたよな

昔は全然分かんなかったけど、今はちょっとだけ分かる気がするぜ

なんかさ、すげえ嬉しいんだ

活発がオレにチカラを貸してくれたこと、オレを守ってくれたこと

ははっ、すげえな男

・・・やべえ、また気持ちが溢れてきちまった

大好きだぜ



27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:45:12 ID:voFCDecg

不良「・・・オレは」

先生「・・・?」

不良「こんな、暴力女だけど」

真面目(ッ・・・ボールを高く放り投げた?先生と同じスパイク・・・!)

不良「それでも、認めてくれる奴がいたから」

先生「ッ真面目君、違う!!あの『拳』は・・・ッ!!」



不良「どこまでもッ・・・愛してるんだァァァアアアアアアアアアアアアア!!」





男友「男、ごめんな。保健委員じゃないのに、女子達を運ぶの手伝ってもらって」

男「ううん、気にしないで」



28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/08/18(土) 19:47:04 ID:voFCDecg

以上です
読んで頂いた方、ありがとうございます


元スレ
SS深夜VIP:真面目(男君、今日の体育は見学なのね)