1: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:10:45.39 ID:wRg+pzcJ.net
善子「……」
花丸「……」ペラッ
善子「……ねえずら丸」
花丸「なに?」ペラッ
善子「……なんか最近」
花丸「うん」
善子「ルビィの付き合いが悪い気がするんだけど」
2: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:12:06.07 ID:wRg+pzcJ.net
花丸「ルビィちゃんが?」パタン
善子「ええ…今だってほら、私とあんたの二人きりじゃない」
花丸「それってそこまで珍しいことでもないと思うけど」
善子「……まあ確かにそうかもしれないけど、でも」
花丸「でも?」
善子「……あの子、ここ最近はずっと私にべったりだったくせに」
花丸「……寂しいの?」
善子「…違うわよ」
花丸「本当に?」
善子「だから…そう、違和感よ違和感」
善子「いつもあったことが突然なくなると気になるじゃない」
花丸「それは分からなくもないずら」
善子「でしょ? それと一緒よ」
花丸「うーん、ならルビィちゃんに直接聞けばいいと思うんだけどなあ」
善子「それは…なんかやだ」
花丸「ふーん…ねえ善子ちゃん」
善子「なによ」
花丸「善子ちゃんはもう少し素直になったほうがいいと思うずら」
善子「は? 何よ急に」
花丸「善子ちゃん、たまには自分の方から気持ちを伝えてみてもいいんじゃないかなあ」
花丸「今もそうやって変なところで意固地になってるから、モヤモヤが取れないままなんだよ」
善子「随分な言いようね……まあ確かに、あんたの言ってることは正しいかもしれないけど……」
花丸「あっ、ルビィちゃんだ」
善子「どこよ教えなさい」
花丸「食いつくの早すぎるずら…ほら、あそこ」
善子「……曜さんも一緒なのね」
花丸「そうみたい、ルビィちゃん最近はずっと曜さんといるもんね」
善子「……ふーん、まあそれくらい私も知ってるけど」
花丸「でも気になるんだよね?」
善子「…………別に」
花丸「…もう、善子ちゃんまたそうやって…」
善子「うるさいわね、いいじゃないそんなの」
花丸「いいの? …本当に?」
善子「……今日の帰り、曜さんに聞いてみる」
花丸「フフッ…そっか」
善子「ええ、だから私…そろそろ行くわね」
花丸「うん、頑張ってね」
善子「…………あのさ、花丸」
花丸「なに?」
善子「…ありがと、話聞いてくれて」
花丸「どういたしましてずら」
善子「じゃあまたね」
花丸「うん、また明日」
花丸「……はぁーっ…」
花丸「ああいうときは素直なのに、本当に変なところで意地っ張りずら」
花丸「うーん、なんかちょっとだけ心配になってきたかも」
花丸「善子ちゃん、大丈夫かなあ……?」
……
…
─バス内
曜「え? 私とルビィちゃんが最近よく一緒にいる?」
善子「練習後とか特にそうじゃない、二人ですぐにどこか行って」
曜「あー確かにそうかも」
善子「……で、一体何をやってるのか気になったんだけど」
曜「ん? えーっとそうだね……お手伝い、かな?」
善子「手伝い?」
曜「うんルビィちゃんね、どうしてもやりたいことがあるらしくて」
曜「私のところに相談に来たんだ」
善子「…………そう」
曜「……」
曜「どうして私には頼ってくれないのかしら」
善子「!」
曜「って顔してるね、善子ちゃん」ニコッ
善子「…してないから」ムスッ
曜「まあまあ、そう言わないで」
曜「何か思ってることがあるなら聞くよ?」
善子「そんなのないわよ」
曜「大丈夫だよ誰にも言わないから、茶化したりもしない」
善子「……」
曜「それでも嫌だ?」
善子「……」
善子「……だって」
曜「うん?」
善子「前までずっと引っ付いてきて、何かあればすぐ私を呼んでたくせに…」
善子「なのに、今は何も言ってくれないし…今日だって」
善子「もしかしたらって、私ずっと待ってたのに…」
曜「……」
善子「身勝手よルビィは、人の気も知らないで」
曜「そうだったんだ……ねえ善子ちゃん」
善子「……なに?」
曜「……あーっと、詳しいことは言えないんだけどさ」
善子「言ってよ」
曜「ごめんね、そこは見逃して」
善子「はぁーっ、仕方ないわね……で? 何よ」
曜「あのね、ルビィちゃんは善子ちゃんのこと、大好きなんだよ」
善子「…いきなり何言ってるの」
曜「だから善子ちゃんを頼らないのはそういうのじゃないってこと」
曜「好きだから、言えないことっていうのもあるんだよ」
善子「…あんまり納得できないんだけど」
曜「あははっ、かもしれないね」
曜「でもさ、信じてあげるのも大事なことなんじゃないかな」
善子「……それは」
曜「もうちょっとだけ待っててあげなよ、あと少しで終わるから……ね?」
善子「……待つわ」
曜「そっか」クス
─
曜「じゃあまたね、善子ちゃん!」
善子「ええ、また明日」
善子「……」
善子「信じる、か……」
─数日後
善子(とは言ったものの)
善子「……はぁーっ…」
善子(やっぱりやるせないわね)
花丸「まーた善子ちゃんがため息ついてるずら」
善子「何よ、悪いの?」
花丸「最近多いから気になってるだけずら」
善子「…そんなにしてないわよ」
花丸「ううん、してる」
善子「……」
花丸「別に口もきいてくれないってわけじゃないのに」
善子「…そういうのじゃないし」
花丸「…なんか、最近の善子ちゃんは別の意味で面倒くさいね」
善子「なら放っておきなさいよ」フン
花丸「嫌ずら、善子ちゃんが辛気臭いとこっちにまで不幸がうつってきそうだから」
善子「ちょっ、流石に辛辣すぎない!?」
花丸「そんなことないよ、多分」
善子「いや多分って言ってるじゃない!」
花丸「まあまあ、とにかくマルが言いたいのは気にしすぎはよくないってこと」
善子「強引にまとめに入ったし…」
花丸「え? 早く話を終わらせたほうがいいと思って」
善子「なんでよ」
花丸「だってほら、ルビィちゃん来てるし」
善子「……はい?」
花丸「あそこ」チョイチョイ
ルビィ「……」ヒョコッ
善子「わあああああああ!!!」ガタッ
花丸「慌てすぎずら」
善子「え、なに! いつから!?」
ルビィ「えーっと…ついさっきだけど…」エヘヘ
善子「そ、そうなの…」
花丸「だから気にしすぎはよくないって言ったずら、肝心なところでこうなるから」ジトー
善子「うっ……」
善子(事実そうなってしまっただけに何も言い返せない……)
ルビィ「あの、善子ちゃん」
善子「…なに?」
ルビィ「今日なんだけど、ルビィと一緒に帰ってくれる?」
ルビィ「善子ちゃんに言いたいことがあって」
善子「? ふーん…私は別にいいけど」
花丸(素直じゃないなあ…)
ルビィ「よかった…花丸ちゃんごめんね、善子ちゃん連れてっちゃって」
花丸「ううん、寧ろ連れていってくれたほうがマルも気が楽ずら」
善子「ちょっと!」
ルビィ「あはは…」
ルビィ「それじゃあまたね」
花丸「うん」
善子「…あっ、そうだ花丸」
花丸「うん?」
善子「色々ありがとね」ニコッ
花丸「……」キョトン
善子「さ、行きましょうか」
ルビィ「…そうだね」クスッ
バタン
花丸「……はぁーっ」
花丸「だから、素直になる相手間違ってるずら」フフッ
─
スタスタ
善子「……なんか」
ルビィ「え?」
善子「こうして一緒に帰るの久しぶりね」
ルビィ「そうだね、って言っても離れてたの十日くらいだと思うけど」
善子「それでもよ…というか私から離れてるって自覚はあったのね」
ルビィ「うん……まあ、それは」
善子「…別にいいけど」
ルビィ「…そっか」
善子「…………ただ」
ルビィ「ただ?」
善子「理由くらいは知りたいわね」
善子「いつも私に引っ付いていたくせに、どうしていきなり離れたの? とか」
ルビィ「…もしかして、寂しかったの?」
善子「違っ……」
(もう少し素直になったほうが─)
善子「…そうよ、ずっと…気にしてたんだからね」
ルビィ「そうだったんだ、ごめんね善子ちゃん」
善子「……」
ルビィ「でも、あの…どうしてもやりたいことがあったから」ガサゴソ
善子「私に言えないこと?」
ルビィ「うん、善子ちゃんには秘密にしておきたかったんだ」
善子「秘密って………!?」
ルビィ「プレゼントのこと、ビックリさせたかったから」
善子「ルビィ、これ…」
ルビィ「善子ちゃん前に言ってたでしょ? そろそろ生配信用の新しい衣装が欲しいって」
ルビィ「だからルビィね、善子ちゃんに喜んでもらいたくて…それで」
ルビィ「ずっと作っていたの」
善子「……あっ」
(好きだから、言えないことっていうのも─)
ルビィ「もうちょっと時間がかかるかなって思ってたんだけど、曜さんが手伝ってくれたおかげで早く終わることが出来たんだぁ」
ルビィ「後でちゃんとお礼しなくちゃ」
善子(そっか…だから)
ルビィ「あっ、それとねお願いがあるんだけど」スッ
善子「? もう一着……?」
ルビィ「次の配信、ルビィも一緒に出たいなあって……ダメかなぁ?」
善子「……ふ、ふふっ……ルビィ、あんたって本当に」
ルビィ「え、なに、なに?」
善子「あー、やっぱり私ルビィがいないと駄目だわ」
ルビィ「……えぇ!? どうしたの急に!? いつもは鬱陶しいとかなんとか言うのに!」
善子「うるさいわね、たまにはそういう日があってもいいでしょ」
善子「ほら早く私の家行くわよ、この衣装も早く着てみたいし」
ルビィ「ルビィの作った衣装、似合うかなぁ」
善子「当然でしょ、あなたが私のために作ってくれたものなんだから」
善子「似合わないわけないわ、きっと見てくれてるみんなも絶賛するわよ」
ルビィ「……善子ちゃんってさ」
善子「なによ」
ルビィ「大事なところでルビィが一番聞きたい言葉言ってくれるから好きだなぁ」
善子「そう? 私はルビィのそういうところがいいと思うけどね」
ルビィ「そういうところって?」
善子「さあね、でも」
善子「いつかは分かるわよ」クスッ
善子(いつか、私の一番言いたい言葉を言える日が来たらね)
終わりです、ありがとうございました。
元スレ
花丸「ルビィちゃんが?」パタン
善子「ええ…今だってほら、私とあんたの二人きりじゃない」
花丸「それってそこまで珍しいことでもないと思うけど」
善子「……まあ確かにそうかもしれないけど、でも」
花丸「でも?」
3: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:12:35.16 ID:wRg+pzcJ.net
善子「……あの子、ここ最近はずっと私にべったりだったくせに」
花丸「……寂しいの?」
善子「…違うわよ」
花丸「本当に?」
善子「だから…そう、違和感よ違和感」
善子「いつもあったことが突然なくなると気になるじゃない」
4: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:13:19.76 ID:wRg+pzcJ.net
花丸「それは分からなくもないずら」
善子「でしょ? それと一緒よ」
花丸「うーん、ならルビィちゃんに直接聞けばいいと思うんだけどなあ」
善子「それは…なんかやだ」
花丸「ふーん…ねえ善子ちゃん」
善子「なによ」
5: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:14:01.36 ID:wRg+pzcJ.net
花丸「善子ちゃんはもう少し素直になったほうがいいと思うずら」
善子「は? 何よ急に」
花丸「善子ちゃん、たまには自分の方から気持ちを伝えてみてもいいんじゃないかなあ」
花丸「今もそうやって変なところで意固地になってるから、モヤモヤが取れないままなんだよ」
善子「随分な言いようね……まあ確かに、あんたの言ってることは正しいかもしれないけど……」
花丸「あっ、ルビィちゃんだ」
善子「どこよ教えなさい」
7: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:14:58.02 ID:wRg+pzcJ.net
花丸「食いつくの早すぎるずら…ほら、あそこ」
善子「……曜さんも一緒なのね」
花丸「そうみたい、ルビィちゃん最近はずっと曜さんといるもんね」
善子「……ふーん、まあそれくらい私も知ってるけど」
花丸「でも気になるんだよね?」
善子「…………別に」
花丸「…もう、善子ちゃんまたそうやって…」
8: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:15:33.14 ID:wRg+pzcJ.net
善子「うるさいわね、いいじゃないそんなの」
花丸「いいの? …本当に?」
善子「……今日の帰り、曜さんに聞いてみる」
花丸「フフッ…そっか」
善子「ええ、だから私…そろそろ行くわね」
花丸「うん、頑張ってね」
10: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:19:40.14 ID:wRg+pzcJ.net
善子「…………あのさ、花丸」
花丸「なに?」
善子「…ありがと、話聞いてくれて」
花丸「どういたしましてずら」
善子「じゃあまたね」
花丸「うん、また明日」
11: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:20:48.21 ID:wRg+pzcJ.net
花丸「……はぁーっ…」
花丸「ああいうときは素直なのに、本当に変なところで意地っ張りずら」
花丸「うーん、なんかちょっとだけ心配になってきたかも」
花丸「善子ちゃん、大丈夫かなあ……?」
……
…
13: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:23:52.01 ID:wRg+pzcJ.net
─バス内
曜「え? 私とルビィちゃんが最近よく一緒にいる?」
善子「練習後とか特にそうじゃない、二人ですぐにどこか行って」
曜「あー確かにそうかも」
善子「……で、一体何をやってるのか気になったんだけど」
曜「ん? えーっとそうだね……お手伝い、かな?」
14: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:26:06.10 ID:wRg+pzcJ.net
善子「手伝い?」
曜「うんルビィちゃんね、どうしてもやりたいことがあるらしくて」
曜「私のところに相談に来たんだ」
善子「…………そう」
曜「……」
15: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:27:02.81 ID:wRg+pzcJ.net
曜「どうして私には頼ってくれないのかしら」
善子「!」
曜「って顔してるね、善子ちゃん」ニコッ
善子「…してないから」ムスッ
曜「まあまあ、そう言わないで」
16: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:28:01.79 ID:wRg+pzcJ.net
曜「何か思ってることがあるなら聞くよ?」
善子「そんなのないわよ」
曜「大丈夫だよ誰にも言わないから、茶化したりもしない」
善子「……」
曜「それでも嫌だ?」
善子「……」
17: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:29:05.24 ID:wRg+pzcJ.net
善子「……だって」
曜「うん?」
善子「前までずっと引っ付いてきて、何かあればすぐ私を呼んでたくせに…」
善子「なのに、今は何も言ってくれないし…今日だって」
善子「もしかしたらって、私ずっと待ってたのに…」
曜「……」
善子「身勝手よルビィは、人の気も知らないで」
18: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:29:41.56 ID:wRg+pzcJ.net
曜「そうだったんだ……ねえ善子ちゃん」
善子「……なに?」
曜「……あーっと、詳しいことは言えないんだけどさ」
善子「言ってよ」
曜「ごめんね、そこは見逃して」
善子「はぁーっ、仕方ないわね……で? 何よ」
19: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:30:27.44 ID:wRg+pzcJ.net
曜「あのね、ルビィちゃんは善子ちゃんのこと、大好きなんだよ」
善子「…いきなり何言ってるの」
曜「だから善子ちゃんを頼らないのはそういうのじゃないってこと」
曜「好きだから、言えないことっていうのもあるんだよ」
善子「…あんまり納得できないんだけど」
曜「あははっ、かもしれないね」
20: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:31:08.19 ID:wRg+pzcJ.net
曜「でもさ、信じてあげるのも大事なことなんじゃないかな」
善子「……それは」
曜「もうちょっとだけ待っててあげなよ、あと少しで終わるから……ね?」
善子「……待つわ」
曜「そっか」クス
21: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:31:53.12 ID:wRg+pzcJ.net
─
曜「じゃあまたね、善子ちゃん!」
善子「ええ、また明日」
善子「……」
善子「信じる、か……」
22: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:32:35.20 ID:wRg+pzcJ.net
─数日後
善子(とは言ったものの)
善子「……はぁーっ…」
善子(やっぱりやるせないわね)
花丸「まーた善子ちゃんがため息ついてるずら」
善子「何よ、悪いの?」
花丸「最近多いから気になってるだけずら」
善子「…そんなにしてないわよ」
花丸「ううん、してる」
23: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:33:27.51 ID:wRg+pzcJ.net
善子「……」
花丸「別に口もきいてくれないってわけじゃないのに」
善子「…そういうのじゃないし」
花丸「…なんか、最近の善子ちゃんは別の意味で面倒くさいね」
善子「なら放っておきなさいよ」フン
花丸「嫌ずら、善子ちゃんが辛気臭いとこっちにまで不幸がうつってきそうだから」
善子「ちょっ、流石に辛辣すぎない!?」
花丸「そんなことないよ、多分」
善子「いや多分って言ってるじゃない!」
24: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:34:06.00 ID:wRg+pzcJ.net
花丸「まあまあ、とにかくマルが言いたいのは気にしすぎはよくないってこと」
善子「強引にまとめに入ったし…」
花丸「え? 早く話を終わらせたほうがいいと思って」
善子「なんでよ」
花丸「だってほら、ルビィちゃん来てるし」
善子「……はい?」
花丸「あそこ」チョイチョイ
ルビィ「……」ヒョコッ
25: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:35:15.87 ID:wRg+pzcJ.net
善子「わあああああああ!!!」ガタッ
花丸「慌てすぎずら」
善子「え、なに! いつから!?」
ルビィ「えーっと…ついさっきだけど…」エヘヘ
善子「そ、そうなの…」
花丸「だから気にしすぎはよくないって言ったずら、肝心なところでこうなるから」ジトー
善子「うっ……」
善子(事実そうなってしまっただけに何も言い返せない……)
26: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:35:53.61 ID:wRg+pzcJ.net
ルビィ「あの、善子ちゃん」
善子「…なに?」
ルビィ「今日なんだけど、ルビィと一緒に帰ってくれる?」
ルビィ「善子ちゃんに言いたいことがあって」
善子「? ふーん…私は別にいいけど」
花丸(素直じゃないなあ…)
ルビィ「よかった…花丸ちゃんごめんね、善子ちゃん連れてっちゃって」
花丸「ううん、寧ろ連れていってくれたほうがマルも気が楽ずら」
善子「ちょっと!」
ルビィ「あはは…」
27: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:36:36.55 ID:wRg+pzcJ.net
ルビィ「それじゃあまたね」
花丸「うん」
善子「…あっ、そうだ花丸」
花丸「うん?」
善子「色々ありがとね」ニコッ
28: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:37:52.78 ID:wRg+pzcJ.net
花丸「……」キョトン
善子「さ、行きましょうか」
ルビィ「…そうだね」クスッ
バタン
花丸「……はぁーっ」
花丸「だから、素直になる相手間違ってるずら」フフッ
29: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:38:57.74 ID:wRg+pzcJ.net
─
スタスタ
善子「……なんか」
ルビィ「え?」
善子「こうして一緒に帰るの久しぶりね」
ルビィ「そうだね、って言っても離れてたの十日くらいだと思うけど」
善子「それでもよ…というか私から離れてるって自覚はあったのね」
ルビィ「うん……まあ、それは」
善子「…別にいいけど」
30: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:39:32.11 ID:wRg+pzcJ.net
ルビィ「…そっか」
善子「…………ただ」
ルビィ「ただ?」
善子「理由くらいは知りたいわね」
善子「いつも私に引っ付いていたくせに、どうしていきなり離れたの? とか」
ルビィ「…もしかして、寂しかったの?」
善子「違っ……」
(もう少し素直になったほうが─)
善子「…そうよ、ずっと…気にしてたんだからね」
31: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:40:06.49 ID:wRg+pzcJ.net
ルビィ「そうだったんだ、ごめんね善子ちゃん」
善子「……」
ルビィ「でも、あの…どうしてもやりたいことがあったから」ガサゴソ
善子「私に言えないこと?」
ルビィ「うん、善子ちゃんには秘密にしておきたかったんだ」
善子「秘密って………!?」
ルビィ「プレゼントのこと、ビックリさせたかったから」
32: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:40:44.22 ID:wRg+pzcJ.net
善子「ルビィ、これ…」
ルビィ「善子ちゃん前に言ってたでしょ? そろそろ生配信用の新しい衣装が欲しいって」
ルビィ「だからルビィね、善子ちゃんに喜んでもらいたくて…それで」
ルビィ「ずっと作っていたの」
善子「……あっ」
(好きだから、言えないことっていうのも─)
ルビィ「もうちょっと時間がかかるかなって思ってたんだけど、曜さんが手伝ってくれたおかげで早く終わることが出来たんだぁ」
ルビィ「後でちゃんとお礼しなくちゃ」
善子(そっか…だから)
33: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:42:00.54 ID:wRg+pzcJ.net
ルビィ「あっ、それとねお願いがあるんだけど」スッ
善子「? もう一着……?」
ルビィ「次の配信、ルビィも一緒に出たいなあって……ダメかなぁ?」
善子「……ふ、ふふっ……ルビィ、あんたって本当に」
ルビィ「え、なに、なに?」
善子「あー、やっぱり私ルビィがいないと駄目だわ」
ルビィ「……えぇ!? どうしたの急に!? いつもは鬱陶しいとかなんとか言うのに!」
善子「うるさいわね、たまにはそういう日があってもいいでしょ」
善子「ほら早く私の家行くわよ、この衣装も早く着てみたいし」
34: 名無しで叶える物語 2022/12/03(土) 19:42:52.86 ID:wRg+pzcJ.net
ルビィ「ルビィの作った衣装、似合うかなぁ」
善子「当然でしょ、あなたが私のために作ってくれたものなんだから」
善子「似合わないわけないわ、きっと見てくれてるみんなも絶賛するわよ」
ルビィ「……善子ちゃんってさ」
善子「なによ」
ルビィ「大事なところでルビィが一番聞きたい言葉言ってくれるから好きだなぁ」
善子「そう? 私はルビィのそういうところがいいと思うけどね」
ルビィ「そういうところって?」
善子「さあね、でも」
善子「いつかは分かるわよ」クスッ
善子(いつか、私の一番言いたい言葉を言える日が来たらね)
35: 家 2022/12/03(土) 19:43:35.88 ID:wRg+pzcJ.net
終わりです、ありがとうございました。
善子「素直になりたい」