1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:08:00.714 ID:Kl5ZT46+0.net
山崎「あ、ああ~!?なんだアンタ・・・人が良い感じで飯食ってる時に・・・」ガタッ
サンシャイン「それは皆で使うソースだ・・・」ズオオ
山崎「ウ、ウオッ・・・(なんだこのオッサン・・・尋常じゃないほどデカイっ・・・!)」
サンシャイン「一度口にしたものを付けちゃあ汚いだろ・・・?」
山崎「あ、ああ・・・そうです・・・そうだな・・・」
利根川「座れ山崎・・・まぁ、その男の言う通りだ。次から気をつけろ」
山崎「は・・・はいっ・・・」
利根川(この男・・・知り尽くしているっ・・・串カツ屋をっ・・・!)
7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:14:03.578 ID:Kl5ZT46+0.net
利根川(こういった席では一言一句が上司としての人望に繋がるっ・・・
部下が得も知れぬ巨漢に言い負かされ、何もしないとあっては人望もクソもないっ・・・)
山崎「・・・」モグ・・・モグ・・・
利根川(チッ・・・山崎もさっきの迫力に圧されたのか食に覇気がないっ・・・
このまま帰したとあっては今取り掛かっているプロジェクトにも支障を出すおそれがある・・・)
山崎「あっ、二度漬けするとこだったっ・・・」ビクッ
利根川(仕方がない・・・ここは一肌脱いでやるか・・・数多の食を経験してきたこのワシがっ・・・)
利根川(とは言え、言葉だけが手段ではない・・・「伝える」と言うのは
様々な動作でも行うことが出来るっ・・・この場で選ぶべき動作はズバリ食っ・・・!
ワシの食を見せることで再び山崎の食に覇気をつけてやるとするかっ・・・!)
山崎「・・・・・」
利根川「あー・・・良いかな?注文・・・」
主人「ヘイ、どうぞ!」
利根川「・・・レンコン・・・二つっ・・・!」
山崎「えっ・・・」
サンシャイン「ほう・・・」
利根川(くくくっ・・・熱い内に食べるレンコンの串カツは絶品っ・・・
まだ若い山崎は串カツ=肉と思うだろうが・・・ところがどっこい野菜もまた主役っ・・・!
想定外のところから美味いものが飛び込んでくれば・・・自ずと胃袋も唸るというものっ・・・!)
サンシャイン「フォッフォッフォッ・・・じゃあワシも同じものを貰うとするか・・・」
利根川「な・・・何っ・・・!?」
主人「あいよっレンコンもう一本!」
利根川(こっ、こいつっ・・・ワシと同じものを選ぶだとっ・・・!?
見損なったぞ・・・他の客の注文に便乗するなど、通として最低の行いっ・・・!)
山崎「あのオッサンもレンコンを・・・利根川先生、レンコンってそんなに美味いんですかねっ・・・!」
利根川「!?」
利根川(なっ・・・あれほど憂鬱になっていた山崎が興味をもっただとっ・・・!?
ワシの時は「何故そんなものを」といった反応だったくせにっ・・・!)ギリ・・・ギリ・・・
利根川(いや落ち着けっ・・・元々山崎には目の前で喰ってみせることで興味をもたせることが目的だったのだ・・・
ワシが狙っていたのはズバリギャップッ・・・!響きの貧相さと実際の旨さのギャップによる二段攻撃で
山崎の食に覇気をもたせることが目的だった・・・だがっ・・・
あの男はあえてワシの後に続くことで食わせずに与えたのだっ・・・ギャップなどではない・・・「説得力」によって・・・!)
主人「あいよっ、そっちの上司の方と兄ちゃんに2本と・・・そっちのでっかいおやっさんに一本っ・・・」
山崎「おおっ・・・来た来たっ・・・!」
利根川(やはり喰わずとも戻っている・・・覇気っ・・!
山崎は元気を取り戻したが・・・このままではワシの立場がないっ・・・
少なくともこの「串カツ屋」という場に置いてコイツの中での立場はあの男の方がワシより上っ・・・)
山崎「ほふっ・・・ほふっ・・・うまっ・・・!」
利根川(取り戻さねばなるまい・・・たった一瞬とは言え失った
ワシの「立場」っ・・・!)モグ・・・モグ・・・
利根川(一度肉以外の串カツを味わった以上、もう変化球は通じまいっ・・・
ここはチェンジ・・・狙いを・・・王道に戻すっ・・・
ワシと同じものを食えば至福が待っていると再度思わせるのだっ・・・!)
利根川「あー・・・豚串とうずら串を一つずつっ・・・!」
利根川(まずは普通のメニューから・・・いきなり「いかにも美味そうなもの」に入ると
逆効果になる可能性も高いっ・・・ここは素朴に行くっ・・・更に上手く行けば
「レンコンを食べた後に肉を食うと旨くなる」という豆知識めいた錯覚をさせることも可能っ・・・!)
山崎「・・・」じゅるっ
山崎「あ、俺も同じのっ・・・!」
主人「へい、豚串とうずら串っ!」
利根川(くくくっ・・・来た来た・・・待ったぞその反応・・・!)
トプッ・・・はぐっ・・・
山崎「熱っ・・・美味っ・・・」はぐ・・・はぐ・・・
サンシャイン「・・・・」
利根川(くくくっ・・・見たか名も知らぬ巨漢よ・・・
串カツ屋という一点に関しては貴様の方が上手だったかも知れぬが・・・
人心掌握という点に関してはワシのほうが遥かに上よっ・・・)
サンシャイン「・・・」スッ
利根川(くくくっ・・・!爪楊枝を出しおった・・・!歯の掃除をして
このまま逃げるか・・・あ~・・・?)
サンシャイン「フフフ・・・」プスッ
山崎「え・・・あれって・・・キャベツですかね?」
利根川「フフフ、たまに居るのだ・・・金がなくなったり、はたまた胃袋が限界を超えたものの
その余韻・・・串カツ屋の余韻をまだ味わいたいばかりに水や無料のキャベツなどで
長居しようとするクズがっ・・・」
山崎「はぁ・・・そういうもんなんですかね・・・」ガブッ
利根川(くくくっ・・・もはやこの勝負は決まり・・・)
利根川っ・・・勝利を確信・・・!カツを楽しむ自分たちっ・・・その傍らでキャベツをつまむ男っ・・・
どちらが立場的に上かは明白っ・・・!
利根川(さてワシもゆっくりとお好みのカツを楽し・・・)
サンシャイン「・・・カツばっかり喰ってちゃ胸焼けを起こして体に悪いぜ」
利根川「!?」
山崎「えっ・・・?」
利根川(なっ・・・なにィっ・・・!?)
驚嘆っ・・・!利根川、言葉を失うっ・・・
完全に下したと思った男からの一言っ・・・!
「言動」を武器にしてきた利根川にとってこの場での言葉、行動は
一言一句が正にジャブ、ストレートの一発っ・・・!
例えるならマットに下した男から急襲されたようなものっ・・・!
利根川「ど、どういうことだっ!カツばかり食べていては体に悪・・・あっ・・・!」
利根川、気付くっ・・・!
自分が男の言葉の真意を・・・「知りたがっている」ということにっ・・・
利根川(い、いかんっ・・・!自ら立場を悪くしてどうするっ・・・!
この場は相手を上回るためには「知っていなければならん」状況っ・・・!
それなのに、聞いてしまったっ・・・!「どういう意味だ」とっ・・・!)ざわ・・・ざわ・・・
サンシャイン「フフ・・・こうやって間・・・間にキャベツをつまむんだ。
そうすればキャベツの成分が胸焼けを防いでくれる・・・」
山崎「おおっ・・・」
サンシャイン「キャベツ以外の野菜じゃその効果はないそうだ・・・
・・・誰が最初に発見したか知らねえが、すげえ知恵だよな・・・」
山崎「っ・・・!」
利根川「っ・・・!」
利根川(ぐっ・・・なんだ今の感覚はっ・・・!
感動するような、どこか切ない・・・いや、哀愁が漂うような・・・
そう、例えるなら「卒業式の後の、最後に見ることになる自分の教室っ・・・」それに似た感覚だっ・・・!)
山崎「・・・」ぷすっ
利根川「!」
山崎「・・・」パリッ・・・
利根川(・・・ふふふ、そうか山崎・・・お前も感じたか・・・
この男の放つ哀愁のオーラ・・・それが持たせる説得力・・・
くくくっ・・・敵わんな・・・)
サンシャイン「ふふ・・・あんたらも普段は紙とタバコの匂いのするオフィスで過ごしているんだろう?
串カツを食べてる時くらい、その立場を忘れて普通の話をしてもいいんじゃないか?」
山崎「は、はいっ・・・!」
利根川「くくく・・・」ぷすっ
サンシャイン「ふふ・・・」にや
利根川(くくく・・・毒を食らわば皿まで・・・最後まで乗ってやるか・・・この男の口車に・・・)パリッ・・・
利根川・サンシャイン「くくく・・・注文、良いかな?」
END
元スレ
利根川(こういった席では一言一句が上司としての人望に繋がるっ・・・
部下が得も知れぬ巨漢に言い負かされ、何もしないとあっては人望もクソもないっ・・・)
山崎「・・・」モグ・・・モグ・・・
利根川(チッ・・・山崎もさっきの迫力に圧されたのか食に覇気がないっ・・・
このまま帰したとあっては今取り掛かっているプロジェクトにも支障を出すおそれがある・・・)
山崎「あっ、二度漬けするとこだったっ・・・」ビクッ
利根川(仕方がない・・・ここは一肌脱いでやるか・・・数多の食を経験してきたこのワシがっ・・・)
8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:20:40.413 ID:Kl5ZT46+0.net
利根川(とは言え、言葉だけが手段ではない・・・「伝える」と言うのは
様々な動作でも行うことが出来るっ・・・この場で選ぶべき動作はズバリ食っ・・・!
ワシの食を見せることで再び山崎の食に覇気をつけてやるとするかっ・・・!)
山崎「・・・・・」
利根川「あー・・・良いかな?注文・・・」
主人「ヘイ、どうぞ!」
利根川「・・・レンコン・・・二つっ・・・!」
山崎「えっ・・・」
サンシャイン「ほう・・・」
利根川(くくくっ・・・熱い内に食べるレンコンの串カツは絶品っ・・・
まだ若い山崎は串カツ=肉と思うだろうが・・・ところがどっこい野菜もまた主役っ・・・!
想定外のところから美味いものが飛び込んでくれば・・・自ずと胃袋も唸るというものっ・・・!)
10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:28:16.896 ID:Kl5ZT46+0.net
サンシャイン「フォッフォッフォッ・・・じゃあワシも同じものを貰うとするか・・・」
利根川「な・・・何っ・・・!?」
主人「あいよっレンコンもう一本!」
利根川(こっ、こいつっ・・・ワシと同じものを選ぶだとっ・・・!?
見損なったぞ・・・他の客の注文に便乗するなど、通として最低の行いっ・・・!)
山崎「あのオッサンもレンコンを・・・利根川先生、レンコンってそんなに美味いんですかねっ・・・!」
利根川「!?」
利根川(なっ・・・あれほど憂鬱になっていた山崎が興味をもっただとっ・・・!?
ワシの時は「何故そんなものを」といった反応だったくせにっ・・・!)ギリ・・・ギリ・・・
利根川(いや落ち着けっ・・・元々山崎には目の前で喰ってみせることで興味をもたせることが目的だったのだ・・・
ワシが狙っていたのはズバリギャップッ・・・!響きの貧相さと実際の旨さのギャップによる二段攻撃で
山崎の食に覇気をもたせることが目的だった・・・だがっ・・・
あの男はあえてワシの後に続くことで食わせずに与えたのだっ・・・ギャップなどではない・・・「説得力」によって・・・!)
11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:32:57.281 ID:Kl5ZT46+0.net
主人「あいよっ、そっちの上司の方と兄ちゃんに2本と・・・そっちのでっかいおやっさんに一本っ・・・」
山崎「おおっ・・・来た来たっ・・・!」
利根川(やはり喰わずとも戻っている・・・覇気っ・・!
山崎は元気を取り戻したが・・・このままではワシの立場がないっ・・・
少なくともこの「串カツ屋」という場に置いてコイツの中での立場はあの男の方がワシより上っ・・・)
山崎「ほふっ・・・ほふっ・・・うまっ・・・!」
利根川(取り戻さねばなるまい・・・たった一瞬とは言え失った
ワシの「立場」っ・・・!)モグ・・・モグ・・・
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:40:08.904 ID:Kl5ZT46+0.net
利根川(一度肉以外の串カツを味わった以上、もう変化球は通じまいっ・・・
ここはチェンジ・・・狙いを・・・王道に戻すっ・・・
ワシと同じものを食えば至福が待っていると再度思わせるのだっ・・・!)
利根川「あー・・・豚串とうずら串を一つずつっ・・・!」
利根川(まずは普通のメニューから・・・いきなり「いかにも美味そうなもの」に入ると
逆効果になる可能性も高いっ・・・ここは素朴に行くっ・・・更に上手く行けば
「レンコンを食べた後に肉を食うと旨くなる」という豆知識めいた錯覚をさせることも可能っ・・・!)
山崎「・・・」じゅるっ
山崎「あ、俺も同じのっ・・・!」
主人「へい、豚串とうずら串っ!」
利根川(くくくっ・・・来た来た・・・待ったぞその反応・・・!)
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:46:02.202 ID:Kl5ZT46+0.net
トプッ・・・はぐっ・・・
山崎「熱っ・・・美味っ・・・」はぐ・・・はぐ・・・
サンシャイン「・・・・」
利根川(くくくっ・・・見たか名も知らぬ巨漢よ・・・
串カツ屋という一点に関しては貴様の方が上手だったかも知れぬが・・・
人心掌握という点に関してはワシのほうが遥かに上よっ・・・)
サンシャイン「・・・」スッ
利根川(くくくっ・・・!爪楊枝を出しおった・・・!歯の掃除をして
このまま逃げるか・・・あ~・・・?)
サンシャイン「フフフ・・・」プスッ
山崎「え・・・あれって・・・キャベツですかね?」
利根川「フフフ、たまに居るのだ・・・金がなくなったり、はたまた胃袋が限界を超えたものの
その余韻・・・串カツ屋の余韻をまだ味わいたいばかりに水や無料のキャベツなどで
長居しようとするクズがっ・・・」
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:54:57.497 ID:Kl5ZT46+0.net
山崎「はぁ・・・そういうもんなんですかね・・・」ガブッ
利根川(くくくっ・・・もはやこの勝負は決まり・・・)
利根川っ・・・勝利を確信・・・!カツを楽しむ自分たちっ・・・その傍らでキャベツをつまむ男っ・・・
どちらが立場的に上かは明白っ・・・!
利根川(さてワシもゆっくりとお好みのカツを楽し・・・)
サンシャイン「・・・カツばっかり喰ってちゃ胸焼けを起こして体に悪いぜ」
利根川「!?」
山崎「えっ・・・?」
利根川(なっ・・・なにィっ・・・!?)
驚嘆っ・・・!利根川、言葉を失うっ・・・
完全に下したと思った男からの一言っ・・・!
「言動」を武器にしてきた利根川にとってこの場での言葉、行動は
一言一句が正にジャブ、ストレートの一発っ・・・!
例えるならマットに下した男から急襲されたようなものっ・・・!
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 21:59:37.799 ID:Kl5ZT46+0.net
利根川「ど、どういうことだっ!カツばかり食べていては体に悪・・・あっ・・・!」
利根川、気付くっ・・・!
自分が男の言葉の真意を・・・「知りたがっている」ということにっ・・・
利根川(い、いかんっ・・・!自ら立場を悪くしてどうするっ・・・!
この場は相手を上回るためには「知っていなければならん」状況っ・・・!
それなのに、聞いてしまったっ・・・!「どういう意味だ」とっ・・・!)ざわ・・・ざわ・・・
サンシャイン「フフ・・・こうやって間・・・間にキャベツをつまむんだ。
そうすればキャベツの成分が胸焼けを防いでくれる・・・」
山崎「おおっ・・・」
サンシャイン「キャベツ以外の野菜じゃその効果はないそうだ・・・
・・・誰が最初に発見したか知らねえが、すげえ知恵だよな・・・」
山崎「っ・・・!」
利根川「っ・・・!」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 22:04:28.898 ID:Kl5ZT46+0.net
利根川(ぐっ・・・なんだ今の感覚はっ・・・!
感動するような、どこか切ない・・・いや、哀愁が漂うような・・・
そう、例えるなら「卒業式の後の、最後に見ることになる自分の教室っ・・・」それに似た感覚だっ・・・!)
山崎「・・・」ぷすっ
利根川「!」
山崎「・・・」パリッ・・・
利根川(・・・ふふふ、そうか山崎・・・お前も感じたか・・・
この男の放つ哀愁のオーラ・・・それが持たせる説得力・・・
くくくっ・・・敵わんな・・・)
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/31(木) 22:11:42.021 ID:Kl5ZT46+0.net
サンシャイン「ふふ・・・あんたらも普段は紙とタバコの匂いのするオフィスで過ごしているんだろう?
串カツを食べてる時くらい、その立場を忘れて普通の話をしてもいいんじゃないか?」
山崎「は、はいっ・・・!」
利根川「くくく・・・」ぷすっ
サンシャイン「ふふ・・・」にや
利根川(くくく・・・毒を食らわば皿まで・・・最後まで乗ってやるか・・・この男の口車に・・・)パリッ・・・
利根川・サンシャイン「くくく・・・注文、良いかな?」
END
利根川「ククク…美味かろう、この串かつ屋っ…!」 山崎「ハイ!特にこのソースが最高!」サンシャイン「やめなソースの二度漬けは」