1: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:45:17.84 ID:f3gUDavS.net
──愛の家
ポツ ポツ
歩夢「わぁ…」
歩夢「ねぇ、愛ちゃん」
愛「んー?」
歩夢「…今日は無理だと思ってたけど…見えるよ、月」
愛「…お、ほんとだ!若干だけど見えるね」
愛「雨降ってるのに珍しいなぁ」
2: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:45:50.52 ID:f3gUDavS.net
歩夢「こういうの、ことわざか何かであったよね」
愛「えーっと…雨夜の月?」
歩夢「あ、それだね。確か意味は…」
愛「そこに存在はしてるけど目には見えないもののたとえだったかな」
歩夢「滅多に起こらない事が起こる時にも使われるらしいよね」
愛「うん、でもほんと…滅多にないよね。こんな天気なのに月が見れるなんてさ」
歩夢「予報では晴れだったのに急に降り出しちゃったから…残念だったけど結果的に良かったね」
愛「あははっ、だね。奇跡だよ」
愛「お月見中止しなくて良かったよ、ほんとに」
歩夢「ふふっ…そうだね」
歩夢「正直晴れの日の方が綺麗に見れただろうけど…」
歩夢「これはこれでいいかな」
愛「ほんと?」
歩夢「うんっ、だって奇跡のお月様だもん」
歩夢「形はどうであっても…こうして愛ちゃんと見ることが出来て嬉しいな」
愛「…そっか、歩夢が喜んでくれたなら良かったよ。アタシも嬉しい!」
歩夢「誘ってくれてありがとね、愛ちゃん」
愛「えっへへ、どいたま!」
歩夢「ふふ、どいたまって古いね愛ちゃん…」
歩夢「…あ、そうだ…お団子食べる?作ってきたんだ」
愛「おっ、ほんとに!?ありがとー!」
歩夢「どいたま」ニコ
愛「…えっへへ」ニコ
愛「わぁめっちゃおいしそう!」
歩夢「愛ちゃんに食べて欲しかったから…口に合えばいいけど」
愛「えー何言ってんのー歩夢が作ったものなら絶対美味しいじゃん」
愛「ていうか作ってきてくれただけでほんとに嬉しいよ」
愛「やっぱりお月見にはお団子がつきものだもんね、月だけにね!」
歩夢「うん面白いからはやく食べて愛ちゃん」
愛「いや返しが雑!」
愛「…ん、じゃあいただきますっ」
歩夢「うん、どうぞー」
パクッ
愛「……」モグモグ
歩夢「…どうかな?」ジッ
愛「んー…」モグモグ
愛「うんっ!めっちゃおいしい!」
歩夢「ほんと?良かったぁ」
歩夢「お茶いる?」
愛「うんっ」
歩夢「はい」ズイ
愛「ありがとー」ズズッ
愛「ん…ほら歩夢も食べなよ、あーん」
歩夢「え、ええ?いいよ…恥ずかしいし…」
愛「いいじゃんいいじゃん、うちらの仲じゃん」
歩夢「う、ん…じゃあ……あーん…」パク
歩夢「……」モグモグ
愛「おいしいでしょ」
歩夢「…うん、でも…自分で言うのもなんだけどおいしい」
愛「でしょ!ほんとおいしいよ、お団子も難なく作れちゃうとかお嫁にきてほしいレベル!」
愛「ていうかきてねっ」
歩夢「あー、お団子で私の人生決まっちゃったかぁ…」
愛「まっさかー、お団子関係なくきてほしいぞー?」
歩夢「ほんとに?」
愛「ほんとにほんと!」ニコ
歩夢「…そっか、じゃあいこうかな」
愛「いつでもウェルカムだよっ」
歩夢「………」
愛「…?あれ?にやにやしてる?」
歩夢「!ぇっ、しっ…してないよ?」
愛「してたよ、嬉しそうに」
歩夢「してないもん、嬉しくないもん」
愛「そうなの?」
歩夢「……嬉しいもん」
愛「ぷっ、ふ…あはは!何それ~っ」
歩夢「むぅ…」
歩夢「……」コテン
愛「…ん?」
歩夢「…意地悪だね愛ちゃん」
愛「…えへへ、ごめんごめん」
──
シーン…
愛「あ…雨止んでるっぽい?」
歩夢「あ、うん…ぽつぽつ聞こえてたけど…急に静かだね」
愛「だね~、この雰囲気好き」
歩夢「私も好きだなぁ」
歩夢「……ね、歩夢」
歩夢「ん、なぁに?愛ちゃん」
愛「えっと、その……月、綺麗だね」
歩夢「…どっちの意味?」
愛「………どっちも」
歩夢「…そっか」
歩夢「…じゃあ月は敵だね」
愛「…ぇ、え?なんで??」
歩夢「奪われた気持ちになるから」
愛「う、ん…?ん?アタシが…?」
歩夢「そう、愛ちゃんが」
愛「…月に?」
歩夢「うん」
愛「…すごい独占欲」
歩夢「えへへ」
歩夢「それから、私の本当に欲しい言葉もだよ」
愛「え?」
歩夢「だって、それは愛ちゃんの言葉じゃないもん」
歩夢「…私が好きになった太陽は、いつだって…どこでだって真っ直ぐだったよ」
歩夢「だから…伝えたいことがあるなら…他の誰のでもない、愛ちゃんの言葉でお願いします」ニコ
愛「ぅ…だよね、愛さん完璧にヘタれちゃってたかも」
歩夢「愛ちゃんってこういうことになるとヘタれちゃうもんね」
愛「あぅ…否めないのが悔しい…」
歩夢「愛ちゃんからそういうの聞いたことないし」
愛「いや…いや…そんなことないよ…あったよ確か…うん」
歩夢「照れ隠しにダジャレでオチ付けるパターンはカウントしないよ?」
歩夢「オチ付くと私が落ち着かないもん」
愛「!ぷっ…はっ!ちょっ、急にうまいこと言わないでよ…っ!」
愛「て、ていうか歩夢の方こそ意地悪じゃん…」
歩夢「意地悪じゃないよ、ちゃんと聞きたいもん」
愛「ぅっ…んんー…まぁ、そうだよね…愛さんのダジャレ無しだったら言ったことないかも」
愛「ていうか…言えたことないや」
歩夢「そうだよ、たまにはストレートに言って欲しいな」
歩夢「当然、真心込めてね」
愛「そ、それはもちろん…いつだって真心込めてるからねっ」
歩夢「うん、知ってるよ」
愛「…お、おっけ…じゃあ、ちゃんと伝えます…」
愛「………」
歩夢「……」
歩夢「やっぱり恥ずかしい?」
愛「…スーパーウルトラハイパーミラクル恥ずかしい」
歩夢「ふっ…何それ」クスッ
歩夢「やっぱり愛ちゃんも羞恥心とかあるんだね」
愛「いや失礼なっ、全然あるよ」
歩夢「ふふ、愛ちゃんも女の子だもんね~」グリグリ
愛「んにゃあちょっとー!肩くすぐったいよっ」
歩夢「えへへ」
愛「…もぉ、楽しそうだね歩夢」
歩夢「恥ずかしそうな愛ちゃんを見れることってそんなにないからね」
愛「やっぱり意地悪じゃんかー」
歩夢「ふふ、否めないかも」
愛「敵わないなぁ、歩夢には」
歩夢「…それはこっちのセリフでもあるよ」ボソ
愛「ん?」
歩夢「……じゃあ、愛ちゃんが言えないなら、私から言おっか?」
歩夢「私もスーパーウルトラハイパーミラクルグレートエクセレント恥ずかしいけど…」
愛「おいおい軽々とアタシの上いくな」
愛「…いや、今回は愛さんから言いたい。言わせてくださいっ」
歩夢「…うん、じゃあ待ってるね」
愛「…手、握っていい?」
歩夢「…ぎゅーがいいな」
愛「え?」
歩夢「…多分、そっちの方が言いやすいよね?」
愛「そうかもだけど…いいの?」
歩夢「うん、というか…耳元で聞けたらすごく幸せだなぁって思っちゃった」
歩夢「だから、ぎゅーがいいな」
愛「……」
歩夢「…はい、愛ちゃんっ」スッ
愛「ぉ…じゃ…じゃあ、お邪魔します」ギュッ
歩夢「ん、どうぞ」ギュウ
愛「………」
歩夢「……やっぱり細いね、愛ちゃん」
愛「歩夢こそ…ていうか、これはこれでちょっと恥ずかしいね」
歩夢「ふふ…でも安心するよね、大好きな匂いがする」
愛「なんか…大胆なんだかそうじゃないんだか分かんないよね、歩夢って」
歩夢「お互い様だよね」
愛「……あっはは、確かに」
歩夢「愛ちゃんってこういうことになると弱っちゃうから…自然とこっちが大胆になっちゃうのかな」
愛「…やば、そのメカニズム」
歩夢「えへへ…」
愛「………」
愛「……こほん」
愛「……ね、歩夢」
歩夢「…なぁに?愛ちゃん」
愛「あのね」
歩夢「うん」
愛「…アタシね、歩夢のこと…愛してるよ」
歩夢「……うん」
歩夢「私も、愛してるよ。愛ちゃんのこと」
シーン
歩夢「……」
愛「…っ…」ギュゥゥッ
歩夢「……ん…ぁ、愛ちゃん…?」
愛「やばい、離したくなくなっちゃった」
歩夢「っ……そうだね」
歩夢「でも、今の愛ちゃんの顔…見てみたいかな」
愛「いや…余計離したくないやつじゃん」
歩夢「…ふふっ。ちょっとね…愛ちゃんが告白してくれた時の事、思い出しちゃったんだ」
歩夢「すごく必死に…真っ赤な顔で気持ちを真っ直ぐに伝えてくれて…」
歩夢「あんな顔する愛ちゃんが、私にはすごく新鮮で、伝わる気持ちも含めて嬉しくなったんだ」
歩夢「きっと滅多に見れないよね、愛ちゃんの…あんなに真っ赤な顔」
愛「……」
歩夢「…今、そんな顔してそうだなぁって思ったから」
愛「……歩夢だってそうでしょ?」
歩夢「…そうだね、実はすごく顔が熱くて…顔合わせるのがちょっと恥ずかしいよ」
歩夢「だから私も結構余裕ない…けど…それでも、愛ちゃんの顔が見たい」
愛「…分かった」
その囁くような一言を最後に、隙間なく密着した二人の身体が離れていく
余韻がある分、少し名残惜しくも感じる…
でも、次の瞬間に現れた愛ちゃんの…月灯りに照らされた真っ赤な顔を見て自然と笑みがこぼれた
歩夢「…ふふっ、やっぱり」
愛「むっ…歩夢だって…」
少しむくれた愛ちゃんの顔…そんな表情を見るのも新鮮で…
でも、指摘したら流石に怒っちゃうかな
こつん…と、額を合わせて
愛ちゃんの頬に触れる
歩夢「…ありがとね、愛ちゃん」
愛「ん…うん?」
歩夢「こうしてお月見出来て…」
歩夢「こうして月の下で愛ちゃんに見つめてもらえて」
歩夢「この上なく幸せだよ」
愛「…それは、愛さんもだよ」
歩夢「うん、知ってる」
愛「あっはは、めっちゃお見通しじゃん」
歩夢「ふふっ…」
歩夢「…滅多にないよ、こんな夜に愛ちゃんを独占出来ちゃうの」
歩夢「それから、滅多に見れない愛ちゃんの色んな表情も見れたし」
愛「えー…そんな大袈裟なもんじゃないよ?」
歩夢「そんなことないよ、私にとっては特別だもん」
歩夢「きっと忘れられない日になると思う」
愛「…ふふ、まぁ…愛さんも忘れられそうにないなぁ。歩夢を独占出来たし、雨夜の月も見れたしね」
歩夢「そうだね、雨夜の月…それに…」
愛「……うん?なになに歩夢…そんなじっと見て…」
歩夢「ふふっ、やっぱりなんでもないっ」ギュウ
愛「ぇ、えぇ?なになに!すごい気になるじゃんっ」
…それに、月夜に太陽も見れたから
END
元スレ
歩夢「こういうの、ことわざか何かであったよね」
愛「えーっと…雨夜の月?」
歩夢「あ、それだね。確か意味は…」
愛「そこに存在はしてるけど目には見えないもののたとえだったかな」
歩夢「滅多に起こらない事が起こる時にも使われるらしいよね」
愛「うん、でもほんと…滅多にないよね。こんな天気なのに月が見れるなんてさ」
歩夢「予報では晴れだったのに急に降り出しちゃったから…残念だったけど結果的に良かったね」
4: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:46:31.88 ID:f3gUDavS.net
愛「あははっ、だね。奇跡だよ」
愛「お月見中止しなくて良かったよ、ほんとに」
歩夢「ふふっ…そうだね」
歩夢「正直晴れの日の方が綺麗に見れただろうけど…」
歩夢「これはこれでいいかな」
愛「ほんと?」
歩夢「うんっ、だって奇跡のお月様だもん」
歩夢「形はどうであっても…こうして愛ちゃんと見ることが出来て嬉しいな」
愛「…そっか、歩夢が喜んでくれたなら良かったよ。アタシも嬉しい!」
6: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:47:21.09 ID:f3gUDavS.net
歩夢「誘ってくれてありがとね、愛ちゃん」
愛「えっへへ、どいたま!」
歩夢「ふふ、どいたまって古いね愛ちゃん…」
歩夢「…あ、そうだ…お団子食べる?作ってきたんだ」
愛「おっ、ほんとに!?ありがとー!」
歩夢「どいたま」ニコ
愛「…えっへへ」ニコ
7: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:48:05.32 ID:f3gUDavS.net
愛「わぁめっちゃおいしそう!」
歩夢「愛ちゃんに食べて欲しかったから…口に合えばいいけど」
愛「えー何言ってんのー歩夢が作ったものなら絶対美味しいじゃん」
愛「ていうか作ってきてくれただけでほんとに嬉しいよ」
愛「やっぱりお月見にはお団子がつきものだもんね、月だけにね!」
歩夢「うん面白いからはやく食べて愛ちゃん」
愛「いや返しが雑!」
8: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:48:50.70 ID:f3gUDavS.net
愛「…ん、じゃあいただきますっ」
歩夢「うん、どうぞー」
パクッ
愛「……」モグモグ
歩夢「…どうかな?」ジッ
愛「んー…」モグモグ
愛「うんっ!めっちゃおいしい!」
歩夢「ほんと?良かったぁ」
歩夢「お茶いる?」
愛「うんっ」
9: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:49:35.91 ID:f3gUDavS.net
歩夢「はい」ズイ
愛「ありがとー」ズズッ
愛「ん…ほら歩夢も食べなよ、あーん」
歩夢「え、ええ?いいよ…恥ずかしいし…」
愛「いいじゃんいいじゃん、うちらの仲じゃん」
歩夢「う、ん…じゃあ……あーん…」パク
歩夢「……」モグモグ
愛「おいしいでしょ」
10: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:50:14.44 ID:f3gUDavS.net
歩夢「…うん、でも…自分で言うのもなんだけどおいしい」
愛「でしょ!ほんとおいしいよ、お団子も難なく作れちゃうとかお嫁にきてほしいレベル!」
愛「ていうかきてねっ」
歩夢「あー、お団子で私の人生決まっちゃったかぁ…」
愛「まっさかー、お団子関係なくきてほしいぞー?」
歩夢「ほんとに?」
愛「ほんとにほんと!」ニコ
歩夢「…そっか、じゃあいこうかな」
11: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:50:57.26 ID:f3gUDavS.net
愛「いつでもウェルカムだよっ」
歩夢「………」
愛「…?あれ?にやにやしてる?」
歩夢「!ぇっ、しっ…してないよ?」
愛「してたよ、嬉しそうに」
歩夢「してないもん、嬉しくないもん」
愛「そうなの?」
歩夢「……嬉しいもん」
12: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:51:38.36 ID:f3gUDavS.net
愛「ぷっ、ふ…あはは!何それ~っ」
歩夢「むぅ…」
歩夢「……」コテン
愛「…ん?」
歩夢「…意地悪だね愛ちゃん」
愛「…えへへ、ごめんごめん」
13: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:52:50.99 ID:f3gUDavS.net
──
シーン…
愛「あ…雨止んでるっぽい?」
歩夢「あ、うん…ぽつぽつ聞こえてたけど…急に静かだね」
愛「だね~、この雰囲気好き」
歩夢「私も好きだなぁ」
歩夢「……ね、歩夢」
歩夢「ん、なぁに?愛ちゃん」
愛「えっと、その……月、綺麗だね」
14: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:53:30.16 ID:f3gUDavS.net
歩夢「…どっちの意味?」
愛「………どっちも」
歩夢「…そっか」
歩夢「…じゃあ月は敵だね」
愛「…ぇ、え?なんで??」
歩夢「奪われた気持ちになるから」
愛「う、ん…?ん?アタシが…?」
歩夢「そう、愛ちゃんが」
愛「…月に?」
16: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:54:17.88 ID:f3gUDavS.net
歩夢「うん」
愛「…すごい独占欲」
歩夢「えへへ」
歩夢「それから、私の本当に欲しい言葉もだよ」
愛「え?」
歩夢「だって、それは愛ちゃんの言葉じゃないもん」
歩夢「…私が好きになった太陽は、いつだって…どこでだって真っ直ぐだったよ」
歩夢「だから…伝えたいことがあるなら…他の誰のでもない、愛ちゃんの言葉でお願いします」ニコ
17: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:54:52.25 ID:f3gUDavS.net
愛「ぅ…だよね、愛さん完璧にヘタれちゃってたかも」
歩夢「愛ちゃんってこういうことになるとヘタれちゃうもんね」
愛「あぅ…否めないのが悔しい…」
歩夢「愛ちゃんからそういうの聞いたことないし」
愛「いや…いや…そんなことないよ…あったよ確か…うん」
歩夢「照れ隠しにダジャレでオチ付けるパターンはカウントしないよ?」
歩夢「オチ付くと私が落ち着かないもん」
18: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:55:34.11 ID:f3gUDavS.net
愛「!ぷっ…はっ!ちょっ、急にうまいこと言わないでよ…っ!」
愛「て、ていうか歩夢の方こそ意地悪じゃん…」
歩夢「意地悪じゃないよ、ちゃんと聞きたいもん」
愛「ぅっ…んんー…まぁ、そうだよね…愛さんのダジャレ無しだったら言ったことないかも」
愛「ていうか…言えたことないや」
歩夢「そうだよ、たまにはストレートに言って欲しいな」
歩夢「当然、真心込めてね」
愛「そ、それはもちろん…いつだって真心込めてるからねっ」
歩夢「うん、知ってるよ」
19: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:56:11.94 ID:f3gUDavS.net
愛「…お、おっけ…じゃあ、ちゃんと伝えます…」
愛「………」
歩夢「……」
歩夢「やっぱり恥ずかしい?」
愛「…スーパーウルトラハイパーミラクル恥ずかしい」
歩夢「ふっ…何それ」クスッ
歩夢「やっぱり愛ちゃんも羞恥心とかあるんだね」
愛「いや失礼なっ、全然あるよ」
歩夢「ふふ、愛ちゃんも女の子だもんね~」グリグリ
20: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:56:42.48 ID:f3gUDavS.net
愛「んにゃあちょっとー!肩くすぐったいよっ」
歩夢「えへへ」
愛「…もぉ、楽しそうだね歩夢」
歩夢「恥ずかしそうな愛ちゃんを見れることってそんなにないからね」
愛「やっぱり意地悪じゃんかー」
歩夢「ふふ、否めないかも」
愛「敵わないなぁ、歩夢には」
歩夢「…それはこっちのセリフでもあるよ」ボソ
愛「ん?」
21: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:57:18.06 ID:f3gUDavS.net
歩夢「……じゃあ、愛ちゃんが言えないなら、私から言おっか?」
歩夢「私もスーパーウルトラハイパーミラクルグレートエクセレント恥ずかしいけど…」
愛「おいおい軽々とアタシの上いくな」
愛「…いや、今回は愛さんから言いたい。言わせてくださいっ」
歩夢「…うん、じゃあ待ってるね」
愛「…手、握っていい?」
歩夢「…ぎゅーがいいな」
愛「え?」
歩夢「…多分、そっちの方が言いやすいよね?」
愛「そうかもだけど…いいの?」
22: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:57:51.20 ID:f3gUDavS.net
歩夢「うん、というか…耳元で聞けたらすごく幸せだなぁって思っちゃった」
歩夢「だから、ぎゅーがいいな」
愛「……」
歩夢「…はい、愛ちゃんっ」スッ
愛「ぉ…じゃ…じゃあ、お邪魔します」ギュッ
歩夢「ん、どうぞ」ギュウ
愛「………」
歩夢「……やっぱり細いね、愛ちゃん」
愛「歩夢こそ…ていうか、これはこれでちょっと恥ずかしいね」
歩夢「ふふ…でも安心するよね、大好きな匂いがする」
23: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:58:19.42 ID:f3gUDavS.net
愛「なんか…大胆なんだかそうじゃないんだか分かんないよね、歩夢って」
歩夢「お互い様だよね」
愛「……あっはは、確かに」
歩夢「愛ちゃんってこういうことになると弱っちゃうから…自然とこっちが大胆になっちゃうのかな」
愛「…やば、そのメカニズム」
歩夢「えへへ…」
愛「………」
愛「……こほん」
愛「……ね、歩夢」
歩夢「…なぁに?愛ちゃん」
24: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:59:01.75 ID:f3gUDavS.net
愛「あのね」
歩夢「うん」
愛「…アタシね、歩夢のこと…愛してるよ」
歩夢「……うん」
歩夢「私も、愛してるよ。愛ちゃんのこと」
シーン
歩夢「……」
愛「…っ…」ギュゥゥッ
歩夢「……ん…ぁ、愛ちゃん…?」
愛「やばい、離したくなくなっちゃった」
歩夢「っ……そうだね」
歩夢「でも、今の愛ちゃんの顔…見てみたいかな」
愛「いや…余計離したくないやつじゃん」
25: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 22:59:44.53 ID:f3gUDavS.net
歩夢「…ふふっ。ちょっとね…愛ちゃんが告白してくれた時の事、思い出しちゃったんだ」
歩夢「すごく必死に…真っ赤な顔で気持ちを真っ直ぐに伝えてくれて…」
歩夢「あんな顔する愛ちゃんが、私にはすごく新鮮で、伝わる気持ちも含めて嬉しくなったんだ」
歩夢「きっと滅多に見れないよね、愛ちゃんの…あんなに真っ赤な顔」
愛「……」
歩夢「…今、そんな顔してそうだなぁって思ったから」
愛「……歩夢だってそうでしょ?」
歩夢「…そうだね、実はすごく顔が熱くて…顔合わせるのがちょっと恥ずかしいよ」
歩夢「だから私も結構余裕ない…けど…それでも、愛ちゃんの顔が見たい」
愛「…分かった」
26: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 23:00:19.42 ID:f3gUDavS.net
その囁くような一言を最後に、隙間なく密着した二人の身体が離れていく
余韻がある分、少し名残惜しくも感じる…
でも、次の瞬間に現れた愛ちゃんの…月灯りに照らされた真っ赤な顔を見て自然と笑みがこぼれた
歩夢「…ふふっ、やっぱり」
愛「むっ…歩夢だって…」
27: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 23:00:52.10 ID:f3gUDavS.net
少しむくれた愛ちゃんの顔…そんな表情を見るのも新鮮で…
でも、指摘したら流石に怒っちゃうかな
こつん…と、額を合わせて
愛ちゃんの頬に触れる
歩夢「…ありがとね、愛ちゃん」
愛「ん…うん?」
歩夢「こうしてお月見出来て…」
歩夢「こうして月の下で愛ちゃんに見つめてもらえて」
歩夢「この上なく幸せだよ」
28: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 23:02:21.65 ID:f3gUDavS.net
愛「…それは、愛さんもだよ」
歩夢「うん、知ってる」
愛「あっはは、めっちゃお見通しじゃん」
歩夢「ふふっ…」
歩夢「…滅多にないよ、こんな夜に愛ちゃんを独占出来ちゃうの」
歩夢「それから、滅多に見れない愛ちゃんの色んな表情も見れたし」
29: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 23:03:13.79 ID:f3gUDavS.net
愛「えー…そんな大袈裟なもんじゃないよ?」
歩夢「そんなことないよ、私にとっては特別だもん」
歩夢「きっと忘れられない日になると思う」
愛「…ふふ、まぁ…愛さんも忘れられそうにないなぁ。歩夢を独占出来たし、雨夜の月も見れたしね」
歩夢「そうだね、雨夜の月…それに…」
愛「……うん?なになに歩夢…そんなじっと見て…」
歩夢「ふふっ、やっぱりなんでもないっ」ギュウ
愛「ぇ、えぇ?なになに!すごい気になるじゃんっ」
…それに、月夜に太陽も見れたから
30: 名無しで叶える物語 2022/12/31(土) 23:03:27.02 ID:f3gUDavS.net
END
歩夢「雨夜の月」