1: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:32:32 ID:jm1x
― 女子寮・リビング ―
関裕美「初詣についてなんだけどね」
松尾千鶴「うん」
裕美「ほたるちゃんがね」
千鶴「うんうん」
裕美「行くのはやぶさかでは無いんだけど、おみくじだけは魂魄滅しようと引きたくないって」
千鶴「本当にそんな言い回しだったの?」
裕美「ちょっと脚色したよ」
千鶴「事実を正確に伝えようね」
2: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:33:10 ID:jm1x
岡崎泰葉「もうちょっと詳しく聞きたいな」
裕美「わっ!泰葉ちゃんいつの間に!?」
泰葉「5分くらい前にもうすぐ着くってメッセージしたよね?」
千鶴「やっぱり芸歴が長いとパッと消えたり現れたり出来るんだね」
泰葉「気配くらいならなんとかなるから、そう装うことも出来るよ」
裕美「驚きの事実だよ」
千鶴「まるで忍者みたいだね」
浜口あやめ「忍者の話ですか!?」(ニュッ)
泰葉「それでほたるちゃんについてなんだけど」
あやめ「違いましたか…」(スゴスゴ)
千鶴「おみくじを断固引かないって話だよね」
泰葉「何か嫌なことでもあったのかな?」
裕美「齢13にしてありとあらゆる種類の大凶を引いてきたんだって」
泰葉「大凶に種類なんてあったっけ?」
裕美「神社独自の大凶を売り出しているところで」
千鶴「独自の大凶なんて文化、初めて触れるよ」
裕美「一番ひどかった大凶は【驚邏大四凶殺】ってのだったらしいよ」
泰葉「誰も生き残れない門外不出の秘伝中の秘伝みたいだよ」
裕美「他にも【瞬獄凶】とか」
千鶴「鬼が音もなく寄ってきそうだね」
裕美「一番気が滅入ったのは【凶より辛い明日はない】だったらしいよ」
泰葉「駄洒落?」
高垣楓「今、駄洒落の話をしましたか?」(ニュッ)
千鶴「でも、その内容ならなにか良いことがありそうだね」
高垣「違いましたか…」(スゴスゴ)
裕美「翌日、落ちてきた植木鉢が避ける直前に2つに割れて避けきれなかったって」
千鶴「明日の方が酷かった」
泰葉「そんな業を背負ってたんだね…おみくじは私達だけで引こうか?」
裕美「そんな事もあろうかと聞いてみたんだけどね」
千鶴「準備がいいね」
裕美「『私の不幸のせいでみんなのおみくじ運まで悪くなっちゃうかもしれない』って」
泰葉「知ってた」
千鶴「知ってた」
泰葉「でも、これじゃほたるちゃんを初詣に連れ出すのさえ至難の業だよ」
桐野アヤ「おっ。泰葉たちじゃねーか。どうしたんだ?」
泰葉「あっ。アヤさん。どうして女子寮に?」
アヤ「こずえを迎えにな。寮を合流場所にしてたんだ」
裕美「そうなんだ。こずえちゃんならずっと前に来ててそこで…」
遊佐こずえ「すー…すー…Zzz…」
アヤ「あぁ、起きるまで待っとくか。(ナデナデ)ところで3人で何してたんだ?」
泰葉「実はかくしかじか…」
アヤ「へー。ほたるの不運はずいぶん筋金入りだな」
千鶴「そこで、どうしようかという話になってまして」
アヤ「それなら、ほたるに大凶以外を引かせれば良いんじゃないか?」
裕美「それができればなんだけど…」
こずえ「…いれないのー…」
アヤ「おっと、起こしちまったか?」
こずえ「…んーとねー…はじめからー…わるいの…いれなかったらー…?」
千鶴「あっ!なるほど…」
泰葉「最初に吉以上しか無いおみくじを引いちゃえば…」
裕美「大凶しか引いたことがないって思い出も上書きできるよ!」
千鶴「でも、おみくじなんてどうやって用意しようか…」
アヤ「そんなの適当な箱に【吉】とか【大吉】とかでも書いた紙でも入れておけばいいんだよ」
こずえ「…アヤー…あたまいいー…」
千鶴「そんなので良いのかな…?」
アヤ「良いんだって。悪い思い出を上書きするのが目的だろ?」
泰葉「そうですね…あっそうだ…それなら」
裕美「泰葉ちゃん?なにか思いついた?」
泰葉「みんなにもちょっと協力してもらおうかな?」
― しばらくして ―
千鶴「だいぶ溜まったね」
裕美「寮にいる子たちや、寮に来たみんなの分だもんね」
泰葉「どうせならちょっと趣向を凝らしたおみくじにしたかったしね」
佐藤心「おーおー☆何かおもしろそーなことしてるらしいな♪」
千鶴「心さんこんにちは」
佐藤「おーっと☆新年の挨拶だぞマユゲ♪あけおめ☆」
千鶴「もうメッセージでやったじゃないですか…今年もよろしくお願いします」
沢田麻理菜「みんなに聞いたわよ。ほたるちゃんのために手作りのおみくじを作ってるんだってね」
泰葉「麻理奈さんも!」
佐藤「はぁとたちにも~ひとくち噛ませろ☆」
千鶴「変なこと書かないでくださいね」
麻理奈「まぁ大丈夫でしょ…多分。お姉さんもいいかしら?」
裕美「うん!ありがとう!」
鷹富士茄子「明けましておめでとうございますー」
泰葉「茄子さん!」
佐藤「茄子ちゃんあけおめ☆」
茄子「みなさんに聞きましたよー。私もほたるちゃんのためにおみくじを作らせてくださいっ」
千鶴「どうぞどうぞ!」
佐藤「千鶴ちゃんの態度がぜんぜん違う…はぁとかなちい☆」
麻理奈「日頃の行いの差よ」
― 数分後 ―
麻理奈「はい。こんなんでどうかしら?」
裕美「えーっと、【大吉:仕事の波もスイスイ乗り越えていくでしょう】。麻理奈さんらしいね!」
麻理奈「こう言うので個性を出すのも楽しいわね。みんなもそうしてるんでしょ?」
泰葉「はい!どれ一つ同じ言葉がない特別なおみくじです!」
佐藤「よーし♪はぁとはこれだな☆」
千鶴「……なんですかこれ?」
佐藤「なにって【しゅが吉】だぞ☆シュガシュガスウィーティー☆な1年になるぞ☆」
裕美「具体性が欠片もない…」
茄子「こっちは【茄子吉】ですよー。もうツキまくり!モテまくり!ですよっ」
千鶴「怪しい広告みたいになってますね…」
泰葉「新年早々フリーダムですね」
麻理奈「さて、私達は行くわね」
佐藤「えー。ほたるちゃんが【しゅが吉】引くの見たいなっ☆」
麻理奈「邪魔しちゃ悪いでしょうが。置いていくわよ佐藤」
佐藤「おい待て沢田☆ぢゃ、また今度な♪」
茄子「それでは、私も行きますねー」
泰葉「…茄子さんのことだから、ほたるちゃんが心配で見ていくって言うと思ってました」
茄子「私がいたら、ほたるちゃんは私のおかげで大凶じゃないくじが引けたって勘違いしちゃうかもです」
裕美「でも、悪いくじは入ってないおみくじだし…」
茄子「ほたるちゃんにはそう説明しないんですよね?」
千鶴「そうですね…一応悪い結果も入っている扱いにしようかなと」
泰葉「私達3人が作ったくじだけ、ちょっとだけいたずらがあるようにしてます」
茄子「それなら、なおのこと私がいないほうが良いですね」
裕美「え?」
茄子「さて、友紀ちゃんと美世ちゃんもお待たせしていますので。またお仕事かレッスンの時にでも♪」
― ほたるの部屋 ―
コンコンッ
泰葉「ほたるちゃん?入るよ」
白菊ほたる「は、はい!どうぞ…」
千鶴「あっ振り袖はちゃんと着てたんだね」
ほたる「あずきさんに頼みました。おみくじさえ引かなければ大丈夫かな、と…」
裕美「そんなほたるちゃんにこれを持ってきたよ!」(ドン!)
ほたる「これは…箱?」
裕美「ただの箱じゃないよ!」
千鶴「私達で作ったおみくじ箱なんだ」
ほたる「おみくじ…」
泰葉「寮のみんなや、寮に寄ったみんなにも協力してもらってくじを作ったんだよ」
ほたる「えっ…それじゃ…」
千鶴「悪いくじが全く無いってことはないけど…これならほたるちゃんも引けるかなって」
ほたる「みんな…」
泰葉「今までのおみくじの思い出を塗り替えられたらなって」
ほたる「…みんな…ありがとう…」(ウルウル)
裕美「それじゃほたるちゃん…さっそく引いてみて!」
ほたる「はいっ!えっと…えいっ!」(スポン)
千鶴「あっ!」
ほたる「千鶴ちゃん?どうしたんですか?」
千鶴「あっ、あの、その…」
泰葉「と、とりあえず読んでみて欲しいな」
ほたる「は、はい…【書初めで『ほたるちゃん可愛い』って書かないと運気がしぼむ】?」
裕美「千鶴ちゃんが書いたやつだね」
千鶴「うぅ…ほたるちゃん、後で紙と筆用意するから書いてね…」
ほたる「はい♪書初めくらいなら大丈夫なはずです!」
泰葉「気を取り直して次引いてみようか♪」
ほたる「え?良いのかな…?」
裕美「神社じゃないから大丈夫だよ」
ほたる「それじゃぁ…えいっ!」(スポン)
泰葉「…あれ?」
千鶴「泰葉ちゃんの作ったくじ?」
裕美「とりあえず読んじゃって、ほたるちゃん」
ほたる「う、うん…【裕美ちゃんのおでこフラッシュで怯む。一回休み】」
裕美「……泰葉ちゃん?」
泰葉「……ちょっとした遊び心だったんだ」
裕美「遊び心で人のおでこを光源扱いするんだ」
ほたる「一回休みって…どうすれば良いのかな?」
裕美「お茶でも飲んでて」
千鶴「それだとおでこフラッシュに怯んだことに」
裕美「アァン?」
ほたる「ヒィッ…天使長様…」(トラウマ刺激)
泰葉「まぁまぁ。ほたるちゃん、次引いちゃって」
千鶴「誰のせいでこんな事になったと思ってるのかな」
ほたる「は、はい!この空気を和ませるために…えいっ!」(スポン)
裕美「あーっ!」
千鶴「あの無駄に装飾の凝ったくじは…裕美ちゃん?」
泰葉「ほたるちゃん…遠慮せずに読み上げてね」
ほたる「は、はい…えっと…」
千鶴「どうしたのほたるちゃん?」
ほたる「……【今年も私達と一緒のお仕事で大活躍しなきゃならない】」
千鶴(ホロリ)
泰葉「良いこと書いてるよね?」
裕美「そ、そうだね。ほたるちゃん。それは早くしまって…」
ほたる「【出来なかったら髪型岡崎(ヘルメット)】」
泰葉「………………………………」
千鶴「あわあわあわあわあわあわ」
裕美(プルプルプルプルプルプル)←笑いをこらえている
ほたる「あの…」
泰葉「………………………………裕美ちゃん?」
裕美「おでこフラッシュとおあいこってことで…」
泰葉「これを仕込んでた上での、あの剣幕だったんだ」
ほたる「…みんな…」
裕美「泰葉ちゃん?今ほたるちゃんが何か言おうとしてるよ!」
泰葉「裕美ちゃんへのケジメは後にするね」
ほたる「ありがとう…ありがとう…」(ポロポロ)
千鶴「ほたるちゃん…」
泰葉「私達の作ったくじは、ハズレみたいなものだったんだけどね…」
裕美「まさか3連続で引いちゃんなんて…」
ほたる「ううん…私、嬉しいよ…みんなが私のためにくじを作ってくれたことも、私の不幸で真っ先にみんなのくじを引けたことも」
千鶴「イイハナシナノカナー?」
ほたる「私、大事にするね。みんなが私のために作ってくれたくじも、みんなの私への真心こもった言葉が詰まったこの箱も」
裕美「ほたるちゃん…グスッ」
泰葉「それじゃ、ほたるちゃん」
ほたる「はい。お外の神社でおみくじを引くのはまだ怖いけど、スッキリした気持ちで初詣に行けそう…!」
千鶴「よかった!それじゃさっそく…」
ほたる「はい!みんなで初詣にお出かけしましょう!」
裕美「おでこフラッシュか…」
泰葉「髪型岡崎(ヘルメット)ね…」
(めでたしめでたし?)
元スレ
岡崎泰葉「もうちょっと詳しく聞きたいな」
裕美「わっ!泰葉ちゃんいつの間に!?」
泰葉「5分くらい前にもうすぐ着くってメッセージしたよね?」
千鶴「やっぱり芸歴が長いとパッと消えたり現れたり出来るんだね」
泰葉「気配くらいならなんとかなるから、そう装うことも出来るよ」
裕美「驚きの事実だよ」
千鶴「まるで忍者みたいだね」
浜口あやめ「忍者の話ですか!?」(ニュッ)
泰葉「それでほたるちゃんについてなんだけど」
あやめ「違いましたか…」(スゴスゴ)
3: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:33:29 ID:jm1x
千鶴「おみくじを断固引かないって話だよね」
泰葉「何か嫌なことでもあったのかな?」
裕美「齢13にしてありとあらゆる種類の大凶を引いてきたんだって」
泰葉「大凶に種類なんてあったっけ?」
裕美「神社独自の大凶を売り出しているところで」
千鶴「独自の大凶なんて文化、初めて触れるよ」
裕美「一番ひどかった大凶は【驚邏大四凶殺】ってのだったらしいよ」
泰葉「誰も生き残れない門外不出の秘伝中の秘伝みたいだよ」
4: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:33:45 ID:jm1x
裕美「他にも【瞬獄凶】とか」
千鶴「鬼が音もなく寄ってきそうだね」
裕美「一番気が滅入ったのは【凶より辛い明日はない】だったらしいよ」
泰葉「駄洒落?」
高垣楓「今、駄洒落の話をしましたか?」(ニュッ)
千鶴「でも、その内容ならなにか良いことがありそうだね」
高垣「違いましたか…」(スゴスゴ)
5: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:34:07 ID:jm1x
裕美「翌日、落ちてきた植木鉢が避ける直前に2つに割れて避けきれなかったって」
千鶴「明日の方が酷かった」
泰葉「そんな業を背負ってたんだね…おみくじは私達だけで引こうか?」
裕美「そんな事もあろうかと聞いてみたんだけどね」
千鶴「準備がいいね」
裕美「『私の不幸のせいでみんなのおみくじ運まで悪くなっちゃうかもしれない』って」
泰葉「知ってた」
千鶴「知ってた」
6: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:34:25 ID:jm1x
泰葉「でも、これじゃほたるちゃんを初詣に連れ出すのさえ至難の業だよ」
桐野アヤ「おっ。泰葉たちじゃねーか。どうしたんだ?」
泰葉「あっ。アヤさん。どうして女子寮に?」
アヤ「こずえを迎えにな。寮を合流場所にしてたんだ」
裕美「そうなんだ。こずえちゃんならずっと前に来ててそこで…」
遊佐こずえ「すー…すー…Zzz…」
アヤ「あぁ、起きるまで待っとくか。(ナデナデ)ところで3人で何してたんだ?」
泰葉「実はかくしかじか…」
アヤ「へー。ほたるの不運はずいぶん筋金入りだな」
7: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:34:46 ID:jm1x
千鶴「そこで、どうしようかという話になってまして」
アヤ「それなら、ほたるに大凶以外を引かせれば良いんじゃないか?」
裕美「それができればなんだけど…」
こずえ「…いれないのー…」
アヤ「おっと、起こしちまったか?」
こずえ「…んーとねー…はじめからー…わるいの…いれなかったらー…?」
8: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:35:09 ID:jm1x
千鶴「あっ!なるほど…」
泰葉「最初に吉以上しか無いおみくじを引いちゃえば…」
裕美「大凶しか引いたことがないって思い出も上書きできるよ!」
千鶴「でも、おみくじなんてどうやって用意しようか…」
アヤ「そんなの適当な箱に【吉】とか【大吉】とかでも書いた紙でも入れておけばいいんだよ」
こずえ「…アヤー…あたまいいー…」
千鶴「そんなので良いのかな…?」
アヤ「良いんだって。悪い思い出を上書きするのが目的だろ?」
泰葉「そうですね…あっそうだ…それなら」
裕美「泰葉ちゃん?なにか思いついた?」
泰葉「みんなにもちょっと協力してもらおうかな?」
9: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:35:49 ID:jm1x
― しばらくして ―
千鶴「だいぶ溜まったね」
裕美「寮にいる子たちや、寮に来たみんなの分だもんね」
泰葉「どうせならちょっと趣向を凝らしたおみくじにしたかったしね」
佐藤心「おーおー☆何かおもしろそーなことしてるらしいな♪」
千鶴「心さんこんにちは」
佐藤「おーっと☆新年の挨拶だぞマユゲ♪あけおめ☆」
千鶴「もうメッセージでやったじゃないですか…今年もよろしくお願いします」
10: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:36:05 ID:jm1x
沢田麻理菜「みんなに聞いたわよ。ほたるちゃんのために手作りのおみくじを作ってるんだってね」
泰葉「麻理奈さんも!」
佐藤「はぁとたちにも~ひとくち噛ませろ☆」
千鶴「変なこと書かないでくださいね」
麻理奈「まぁ大丈夫でしょ…多分。お姉さんもいいかしら?」
裕美「うん!ありがとう!」
11: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:36:20 ID:jm1x
鷹富士茄子「明けましておめでとうございますー」
泰葉「茄子さん!」
佐藤「茄子ちゃんあけおめ☆」
茄子「みなさんに聞きましたよー。私もほたるちゃんのためにおみくじを作らせてくださいっ」
千鶴「どうぞどうぞ!」
佐藤「千鶴ちゃんの態度がぜんぜん違う…はぁとかなちい☆」
麻理奈「日頃の行いの差よ」
12: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:36:36 ID:jm1x
― 数分後 ―
麻理奈「はい。こんなんでどうかしら?」
裕美「えーっと、【大吉:仕事の波もスイスイ乗り越えていくでしょう】。麻理奈さんらしいね!」
麻理奈「こう言うので個性を出すのも楽しいわね。みんなもそうしてるんでしょ?」
泰葉「はい!どれ一つ同じ言葉がない特別なおみくじです!」
佐藤「よーし♪はぁとはこれだな☆」
千鶴「……なんですかこれ?」
13: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:36:57 ID:jm1x
佐藤「なにって【しゅが吉】だぞ☆シュガシュガスウィーティー☆な1年になるぞ☆」
裕美「具体性が欠片もない…」
茄子「こっちは【茄子吉】ですよー。もうツキまくり!モテまくり!ですよっ」
千鶴「怪しい広告みたいになってますね…」
泰葉「新年早々フリーダムですね」
麻理奈「さて、私達は行くわね」
佐藤「えー。ほたるちゃんが【しゅが吉】引くの見たいなっ☆」
麻理奈「邪魔しちゃ悪いでしょうが。置いていくわよ佐藤」
佐藤「おい待て沢田☆ぢゃ、また今度な♪」
14: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:37:25 ID:jm1x
茄子「それでは、私も行きますねー」
泰葉「…茄子さんのことだから、ほたるちゃんが心配で見ていくって言うと思ってました」
茄子「私がいたら、ほたるちゃんは私のおかげで大凶じゃないくじが引けたって勘違いしちゃうかもです」
裕美「でも、悪いくじは入ってないおみくじだし…」
茄子「ほたるちゃんにはそう説明しないんですよね?」
千鶴「そうですね…一応悪い結果も入っている扱いにしようかなと」
泰葉「私達3人が作ったくじだけ、ちょっとだけいたずらがあるようにしてます」
茄子「それなら、なおのこと私がいないほうが良いですね」
裕美「え?」
茄子「さて、友紀ちゃんと美世ちゃんもお待たせしていますので。またお仕事かレッスンの時にでも♪」
15: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:37:42 ID:jm1x
― ほたるの部屋 ―
コンコンッ
泰葉「ほたるちゃん?入るよ」
白菊ほたる「は、はい!どうぞ…」
千鶴「あっ振り袖はちゃんと着てたんだね」
ほたる「あずきさんに頼みました。おみくじさえ引かなければ大丈夫かな、と…」
16: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:38:10 ID:jm1x
裕美「そんなほたるちゃんにこれを持ってきたよ!」(ドン!)
ほたる「これは…箱?」
裕美「ただの箱じゃないよ!」
千鶴「私達で作ったおみくじ箱なんだ」
ほたる「おみくじ…」
泰葉「寮のみんなや、寮に寄ったみんなにも協力してもらってくじを作ったんだよ」
ほたる「えっ…それじゃ…」
千鶴「悪いくじが全く無いってことはないけど…これならほたるちゃんも引けるかなって」
ほたる「みんな…」
泰葉「今までのおみくじの思い出を塗り替えられたらなって」
ほたる「…みんな…ありがとう…」(ウルウル)
17: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:38:27 ID:jm1x
裕美「それじゃほたるちゃん…さっそく引いてみて!」
ほたる「はいっ!えっと…えいっ!」(スポン)
千鶴「あっ!」
ほたる「千鶴ちゃん?どうしたんですか?」
千鶴「あっ、あの、その…」
泰葉「と、とりあえず読んでみて欲しいな」
ほたる「は、はい…【書初めで『ほたるちゃん可愛い』って書かないと運気がしぼむ】?」
裕美「千鶴ちゃんが書いたやつだね」
千鶴「うぅ…ほたるちゃん、後で紙と筆用意するから書いてね…」
ほたる「はい♪書初めくらいなら大丈夫なはずです!」
18: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 22:38:46 ID:jm1x
泰葉「気を取り直して次引いてみようか♪」
ほたる「え?良いのかな…?」
裕美「神社じゃないから大丈夫だよ」
ほたる「それじゃぁ…えいっ!」(スポン)
泰葉「…あれ?」
千鶴「泰葉ちゃんの作ったくじ?」
裕美「とりあえず読んじゃって、ほたるちゃん」
ほたる「う、うん…【裕美ちゃんのおでこフラッシュで怯む。一回休み】」
19: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 23:46:30 ID:w0m0
裕美「……泰葉ちゃん?」
泰葉「……ちょっとした遊び心だったんだ」
裕美「遊び心で人のおでこを光源扱いするんだ」
ほたる「一回休みって…どうすれば良いのかな?」
裕美「お茶でも飲んでて」
千鶴「それだとおでこフラッシュに怯んだことに」
裕美「アァン?」
ほたる「ヒィッ…天使長様…」(トラウマ刺激)
20: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 23:47:12 ID:w0m0
泰葉「まぁまぁ。ほたるちゃん、次引いちゃって」
千鶴「誰のせいでこんな事になったと思ってるのかな」
ほたる「は、はい!この空気を和ませるために…えいっ!」(スポン)
裕美「あーっ!」
千鶴「あの無駄に装飾の凝ったくじは…裕美ちゃん?」
泰葉「ほたるちゃん…遠慮せずに読み上げてね」
21: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 23:47:48 ID:w0m0
ほたる「は、はい…えっと…」
千鶴「どうしたのほたるちゃん?」
ほたる「……【今年も私達と一緒のお仕事で大活躍しなきゃならない】」
千鶴(ホロリ)
泰葉「良いこと書いてるよね?」
裕美「そ、そうだね。ほたるちゃん。それは早くしまって…」
22: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 23:48:27 ID:w0m0
ほたる「【出来なかったら髪型岡崎(ヘルメット)】」
泰葉「………………………………」
千鶴「あわあわあわあわあわあわ」
裕美(プルプルプルプルプルプル)←笑いをこらえている
ほたる「あの…」
泰葉「………………………………裕美ちゃん?」
23: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 23:48:54 ID:w0m0
裕美「おでこフラッシュとおあいこってことで…」
泰葉「これを仕込んでた上での、あの剣幕だったんだ」
ほたる「…みんな…」
裕美「泰葉ちゃん?今ほたるちゃんが何か言おうとしてるよ!」
泰葉「裕美ちゃんへのケジメは後にするね」
ほたる「ありがとう…ありがとう…」(ポロポロ)
千鶴「ほたるちゃん…」
24: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 23:49:42 ID:w0m0
泰葉「私達の作ったくじは、ハズレみたいなものだったんだけどね…」
裕美「まさか3連続で引いちゃんなんて…」
ほたる「ううん…私、嬉しいよ…みんなが私のためにくじを作ってくれたことも、私の不幸で真っ先にみんなのくじを引けたことも」
千鶴「イイハナシナノカナー?」
ほたる「私、大事にするね。みんなが私のために作ってくれたくじも、みんなの私への真心こもった言葉が詰まったこの箱も」
裕美「ほたるちゃん…グスッ」
25: ◆xMUmPABXRw 23/01/15(日) 23:50:12 ID:w0m0
泰葉「それじゃ、ほたるちゃん」
ほたる「はい。お外の神社でおみくじを引くのはまだ怖いけど、スッキリした気持ちで初詣に行けそう…!」
千鶴「よかった!それじゃさっそく…」
ほたる「はい!みんなで初詣にお出かけしましょう!」
裕美「おでこフラッシュか…」
泰葉「髪型岡崎(ヘルメット)ね…」
(めでたしめでたし?)
【デレマス】白菊ほたると友情おみくじ【GBNS】