1: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:21:29.477 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「桃が居なくなってもう三年です」
シャミ子「桃、私たちは元気でやっています」
シャミ子「あなたが守った街は今も平和です」
2: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:22:18.937 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「今でも思います」
シャミ子「あの時、桃を信じなければ」
シャミ子「怖がらずに自分を信じていれば、桃を助けられたんじゃないかって」
シャミ子「桃....」
三年前
シャミ子「お願い桃、一緒に逃げましょう!」
桃「ダメだよ、あの魔族を止めなきゃ」
シャミ子「あんなの無理に決まってます!」
桃「シャミ子は早く逃げて、私は後で行くから」
シャミ子「でも一人じゃ....」
桃「シャミ子、私を信じて」
シャミ子(どうしよう....私も一緒に戦えば....でも死ぬのは怖い....)
シャミ子「あの、桃....」
桃「シャミ子行って!」
シャミ子「....はい」
シャミ子「私、怖かったんです」
シャミ子「意気地なしでごめんなさい....」
リリス「人が死んだらどうなるか?」
シャミ子「はい、気になるんです」
リリス「まだ....桃のことを気に病んどるのか」
シャミ子「......」
リリス「....死は平等だ」
シャミ子「桃は、桃の魂とかそういうものは....どこにもないんでしょうか....」
リリス「わからん。死の先に何があるなんてわからんのだ」
リリス「それこそ死んでみなければな」
リリス「一説には天国や地獄などは存在しない、あるのは無だとは言われている」
シャミ子「無ですか」
リリス「永遠の眠りだ」
シャミ子「死んだら夢を見られますか」
リリス「いや、夢などないだろうな」
シャミ子「ミカンさんこんにちは」
ミカン「こんにちはシャミ子」
シャミ子「元気でしたか?」
ミカン「ええ、久しぶりね。二年ぶりかしら」
シャミ子「......」キョロキョロ
ミカン「ウガルルなら家でお留守番よ」
ミカン「わざわざ実家にまで来たってことは、何か話したいことがあったんでしょ?」
シャミ子「はい」
シャミ子「ミカンさんは私を恨んでいませんか?」
ミカン「恨んでなんかないわ」
シャミ子「でも私が一緒に行っていればもしかしたら!」
ミカン「桃が選んだ道よ」
ミカン「桃が一人でやれると考えて、それが判断ミスだっただけ。あなたは悪くないわ」
シャミ子「ミカンさん、人が死んだらどこに行くと思いますか?」
ミカン「....そうね、天国があったらいいと思ってるわ。そのうち桃に会えるものね」
シャミ子「私もそう思いたいです」
ミカン「ええ。でもきっとそんなものはないのかも。無より酷い場所が待ってるかも」
ミカン「その時が来るまでわからないわ」
シャミ子「......」
シャミ子「リコさん、あれください」
リコ「はい!」ポン
シャミ子「ありがとうございます」
リコ「シャミ子はん、いつも言うてるけど適量の100倍や。抑えた方がいいと思うの」
シャミ子「わかってます」
リコ「いっつもわかってますやな」
シャミ子「心配なんてリコさんらしくないですね」
リコ「....今のシャミ子はん見たら桃はん悲しむよ」
シャミ子「......」バン!カランカラン
リコ「....はぁ」
桃「シャミ子!」
シャミ子「も、桃!」
桃「元気にしてた?」
シャミ子「なんでここに!?」
桃「実はこの三年間、完全に傷が回復するまで隠れてたんだ」
シャミ子「もんも....」
シャミ子「生きててよかった....早速トレーニングしましょうよ!」
桃「ええ!いきなりすぎるよ」
シャミ子「大事な日常を過ごしたいんです!行きますよ桃」タタタ
桃「ちょっと待ってよシャミ子~」
シャミ子「あ....」
シャミ子「効果切れちゃった」
シャミ子「強くて優しくて、かっこよくてかわいくて、私の王子様....」
シャミ子「もっと....」パクッ
シャミ子「あれ、白い天井。....私なんで病院に」
良子「お姉」
シャミ子「良。あの、私は今なんでここに?」
良子「家に帰ったらお姉が倒れてたんだよ」
良子「得体の知れない薬物中毒だって」
良子「身体に異常はないみたいだけど」
シャミ子「そうですか....心配かけてごめんなさい」
良子「お姉、変なもの取るのはよくない」
シャミ子「まぞくとして、悪いことを一度やってみたかっただけです。次からはやりませんよ」
シャミ子「桃....どこに居るんですか....」
シャミ子「私も死んだらわかるんですか」
シャミ子(誰か....もう一度だけでいいから、桃に会わせて....)
シャミ子(少しだけでいいから....)
桃「......」
シャミ子「あ、桃!桃~!
桃「来たらダメ!」
シャミ子「え?」
桃「シャミ子はまだ来たらダメだよ!」
桃「シャミ子にはまだ先がある。未来があるんだよ!」
桃「私が守った未来を簡単に捨てないで!」
シャミ子「桃....」
シャミ子「でも私は桃が居ないと....」
桃「私はそばにいるよ。ずっと見てる、ずっと見守ってるから」
桃「だから投げやりにならないで」
桃「自分の人生を全うして、幸せになるんだよ」
桃「お願い」
シャミ子「桃、私....──も──」ザ-ザ-
桃「シャミ子!?」
シャミ子「も──し──い」ピ-ガ-ザ-
桃「シャミ子!!!」
シャミ子「うあっ!」ガバッ
シャミ子「桃、どこ....っ」
シャミ子「あ....夢....」
シャミ子「....う、ううぅ」グスッ
シャミ子「こんな世界もう嫌です」ポロポロ
シャミ子「桃に会いたい」
シャミ子「桃が居ない世界なんて意味がないです....」
シャミ子「私はずっと立派で完璧なまぞくになりたかった」
シャミ子「そして認めてもらいたかった」
シャミ子「でも今やっとわかりました」
シャミ子「あの時、既に完璧な瞬間だったんだ」
シャミ子「桃と一緒に居た、あの時の私が、完璧なまぞくだったんだ....」
シャミ子(もう終わりましょう)
シャミ子(全て終わらせて、桃に会いたい)
シャミ子「長いことお墓に来てなかったから、汚れてますね」
シャミ子「綺麗にします」フキフキ
シャミ子「ねえ桃、あなたは私にとって」
シャミ子「私は....っ....」
シャミ子「初めて会った時から....かっこいい....って」ポロポロ
シャミ子「ずっと、うぅ....私の憧れで...っ」
シャミ子「......」ゴシゴシ
シャミ子「....桃、好きです」
シャミ子「ずっと前から好きでした」
シャミ子「私はもうなにも怖くありません」
シャミ子「怖がらずに自分の信じた道を行くと決めました」
シャミ子「今、桃に会いに行きます」ザクッ
シャミ子(神様、どうか桃と一緒に居させて)ドサッ
桃(......)
シャミ子(あ、ああ、桃....!そこに居るんですね....っ!)
桃(......)ニコッ
シャミ子(桃....っ、私ずっと....寂しかったんです....っ!)
桃(......)ギュッ
シャミ子(もう離れません。ずっと一緒ですよ、桃)
桃(....おやすみ、シャミ子)ナデナデ
シャミ子(....おやすみなさい、桃)
シャミ子「....も....も......」
シャミ子「............」
シャミ子「......」
おわり
元スレ
シャミ子「今でも思います」
シャミ子「あの時、桃を信じなければ」
シャミ子「怖がらずに自分を信じていれば、桃を助けられたんじゃないかって」
シャミ子「桃....」
3: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:23:47.503 ID:CUJYOy360.net
三年前
シャミ子「お願い桃、一緒に逃げましょう!」
桃「ダメだよ、あの魔族を止めなきゃ」
シャミ子「あんなの無理に決まってます!」
桃「シャミ子は早く逃げて、私は後で行くから」
シャミ子「でも一人じゃ....」
桃「シャミ子、私を信じて」
シャミ子(どうしよう....私も一緒に戦えば....でも死ぬのは怖い....)
シャミ子「あの、桃....」
桃「シャミ子行って!」
シャミ子「....はい」
7: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:26:29.130 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「私、怖かったんです」
シャミ子「意気地なしでごめんなさい....」
13: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:29:35.869 ID:CUJYOy360.net
リリス「人が死んだらどうなるか?」
シャミ子「はい、気になるんです」
リリス「まだ....桃のことを気に病んどるのか」
シャミ子「......」
リリス「....死は平等だ」
14: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:31:44.714 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「桃は、桃の魂とかそういうものは....どこにもないんでしょうか....」
リリス「わからん。死の先に何があるなんてわからんのだ」
リリス「それこそ死んでみなければな」
リリス「一説には天国や地獄などは存在しない、あるのは無だとは言われている」
シャミ子「無ですか」
リリス「永遠の眠りだ」
シャミ子「死んだら夢を見られますか」
リリス「いや、夢などないだろうな」
15: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:32:39.643 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「ミカンさんこんにちは」
ミカン「こんにちはシャミ子」
シャミ子「元気でしたか?」
ミカン「ええ、久しぶりね。二年ぶりかしら」
シャミ子「......」キョロキョロ
ミカン「ウガルルなら家でお留守番よ」
ミカン「わざわざ実家にまで来たってことは、何か話したいことがあったんでしょ?」
シャミ子「はい」
シャミ子「ミカンさんは私を恨んでいませんか?」
18: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:34:57.381 ID:CUJYOy360.net
ミカン「恨んでなんかないわ」
シャミ子「でも私が一緒に行っていればもしかしたら!」
ミカン「桃が選んだ道よ」
ミカン「桃が一人でやれると考えて、それが判断ミスだっただけ。あなたは悪くないわ」
19: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:36:09.411 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「ミカンさん、人が死んだらどこに行くと思いますか?」
ミカン「....そうね、天国があったらいいと思ってるわ。そのうち桃に会えるものね」
シャミ子「私もそう思いたいです」
ミカン「ええ。でもきっとそんなものはないのかも。無より酷い場所が待ってるかも」
ミカン「その時が来るまでわからないわ」
シャミ子「......」
22: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:37:06.539 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「リコさん、あれください」
リコ「はい!」ポン
シャミ子「ありがとうございます」
リコ「シャミ子はん、いつも言うてるけど適量の100倍や。抑えた方がいいと思うの」
シャミ子「わかってます」
リコ「いっつもわかってますやな」
シャミ子「心配なんてリコさんらしくないですね」
リコ「....今のシャミ子はん見たら桃はん悲しむよ」
シャミ子「......」バン!カランカラン
リコ「....はぁ」
23: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:38:26.737 ID:CUJYOy360.net
桃「シャミ子!」
シャミ子「も、桃!」
桃「元気にしてた?」
シャミ子「なんでここに!?」
桃「実はこの三年間、完全に傷が回復するまで隠れてたんだ」
シャミ子「もんも....」
シャミ子「生きててよかった....早速トレーニングしましょうよ!」
桃「ええ!いきなりすぎるよ」
シャミ子「大事な日常を過ごしたいんです!行きますよ桃」タタタ
桃「ちょっと待ってよシャミ子~」
24: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:40:16.606 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「あ....」
シャミ子「効果切れちゃった」
シャミ子「強くて優しくて、かっこよくてかわいくて、私の王子様....」
シャミ子「もっと....」パクッ
26: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:41:38.728 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「あれ、白い天井。....私なんで病院に」
良子「お姉」
シャミ子「良。あの、私は今なんでここに?」
良子「家に帰ったらお姉が倒れてたんだよ」
良子「得体の知れない薬物中毒だって」
良子「身体に異常はないみたいだけど」
シャミ子「そうですか....心配かけてごめんなさい」
良子「お姉、変なもの取るのはよくない」
シャミ子「まぞくとして、悪いことを一度やってみたかっただけです。次からはやりませんよ」
29: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:42:45.865 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「桃....どこに居るんですか....」
シャミ子「私も死んだらわかるんですか」
シャミ子(誰か....もう一度だけでいいから、桃に会わせて....)
シャミ子(少しだけでいいから....)
32: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:44:13.065 ID:CUJYOy360.net
桃「......」
シャミ子「あ、桃!桃~!
桃「来たらダメ!」
シャミ子「え?」
桃「シャミ子はまだ来たらダメだよ!」
桃「シャミ子にはまだ先がある。未来があるんだよ!」
桃「私が守った未来を簡単に捨てないで!」
シャミ子「桃....」
34: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:45:24.496 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「でも私は桃が居ないと....」
桃「私はそばにいるよ。ずっと見てる、ずっと見守ってるから」
桃「だから投げやりにならないで」
桃「自分の人生を全うして、幸せになるんだよ」
桃「お願い」
シャミ子「桃、私....──も──」ザ-ザ-
桃「シャミ子!?」
シャミ子「も──し──い」ピ-ガ-ザ-
桃「シャミ子!!!」
36: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:47:23.794 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「うあっ!」ガバッ
シャミ子「桃、どこ....っ」
シャミ子「あ....夢....」
シャミ子「....う、ううぅ」グスッ
シャミ子「こんな世界もう嫌です」ポロポロ
シャミ子「桃に会いたい」
シャミ子「桃が居ない世界なんて意味がないです....」
38: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:48:44.363 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「私はずっと立派で完璧なまぞくになりたかった」
シャミ子「そして認めてもらいたかった」
シャミ子「でも今やっとわかりました」
シャミ子「あの時、既に完璧な瞬間だったんだ」
シャミ子「桃と一緒に居た、あの時の私が、完璧なまぞくだったんだ....」
シャミ子(もう終わりましょう)
シャミ子(全て終わらせて、桃に会いたい)
41: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:49:38.771 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「長いことお墓に来てなかったから、汚れてますね」
シャミ子「綺麗にします」フキフキ
シャミ子「ねえ桃、あなたは私にとって」
シャミ子「私は....っ....」
シャミ子「初めて会った時から....かっこいい....って」ポロポロ
シャミ子「ずっと、うぅ....私の憧れで...っ」
42: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:51:20.009 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「......」ゴシゴシ
シャミ子「....桃、好きです」
シャミ子「ずっと前から好きでした」
シャミ子「私はもうなにも怖くありません」
シャミ子「怖がらずに自分の信じた道を行くと決めました」
43: 以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/18(月) 00:52:52.943 ID:CUJYOy360.net
シャミ子「今、桃に会いに行きます」ザクッ
シャミ子(神様、どうか桃と一緒に居させて)ドサッ
桃(......)
シャミ子(あ、ああ、桃....!そこに居るんですね....っ!)
桃(......)ニコッ
シャミ子(桃....っ、私ずっと....寂しかったんです....っ!)
桃(......)ギュッ
シャミ子(もう離れません。ずっと一緒ですよ、桃)
桃(....おやすみ、シャミ子)ナデナデ
シャミ子(....おやすみなさい、桃)
シャミ子「....も....も......」
シャミ子「............」
シャミ子「......」
おわり
シャミ子「桃を信じなければよかった」