1: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 18:52:28.53 ID:5MStGpbX.net
侑ちゃんが好きでも無い男に抱かれる話とその後の話です
人を選ぶ内容なのでご注意ください
2: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 18:53:38.38 ID:5MStGpbX.net
人ひとりがギリギリ収まる大きさのソファベッド、机の上にはやや埃が被ったモニター、すっかり部屋の中にも馴染んだキーボード。ここは高咲侑の自室だった。
侑の自室には侑以外にももう一人、男がいた。
男「何度見ても、色気の無い部屋だな」
浅黒い肌に逞しい肉体を持ち、短髪で体育会系の男がいた。侑は嫌そうに男の後ろからついて行き、できるだけ音が立たないよう、ドアを後ろ手に閉めた。
男「じゃあ、ヤるぞ」
部屋に入って開口一番、適当に男は言う。
侑「きょ、今日はヤらないって言ったじゃんっ。キーボードを触らせて欲しいって」
男「んなの建前に決まってんだろ。オラッ」
侑「ちょ、やめっ……んっ」
男は強引に侑の腕を引いた。同時にもう片方の手で遠慮なく臀部を揉みしだいていく。
侑は嫌がる素振りを見せるものの、体は否応なく反応してしまっていた。
男「あ~、相変わらず肉付きがいいよな、高咲」
侑「やめっって……っ!」
侑は密着する男の胸の部分を押して抵抗する。しかし抵抗の力は弱く、侑も全力では押していなかった。
男「ったくよぉ、もう何度も抱いてんのにずっとそれだよな」
侑「本当にやめっんぁっ!」
男「ははっ。もう感じてんじゃねぇか」
下着越しに荒々しく秘裂をなぞられ、侑は体をビクつかせた。両手両足では足りないほど男に抱かれた侑の体は、雑に触れるだけでも反応してしまっていた。その証明のように、侑の目元は自覚無きまま緩んでいき、熱い吐息を吐くようになっていく。
侑「だ、だめぇ……っふぁ」
なぞられる指先は徐々に丁寧さを帯び始める。荒々しくはあるが雑ではない。的確に侑の弱い部分を刺激していく。男はすでに、侑の体を攻略する方法を習得していた。
侑「そこ……っ、よ、弱いからっあっんんんっ!んぅっあぁっ!」
男「声我慢すんなよ。ほらよ」
侑「な、なかぁ、だめ……っ」
男の太く長い指がゆっくりと蜜壺の中へと入っていく。侑の膣内は既に濡れており、男の指をぎゅうぎゅうと締め付けていた。
男の爪は綺麗に整えられていた。蜜壺の中を傷つけないように、ではない。痛みを一切与えず、快楽だけを一方的に送り込むためだ。
侑の蜜壺は、徐々にねっとりとした愛液を分泌し始める。ぐちゅぐちゅ、と遠慮の無い音が侑の部屋に響く。
侑「いっ、イクっ、イクイク……っ。やだっ、やめっいぃっ」
侑の足はいつの間にか間隔が開いており、ガニ股になって男に縋りつく体勢になっていた。男に抵抗するために弱々しく押していたはずの手は、抱擁の手へと変わっていた。
男「一丁上がり、と」
侑「んぅう、あ、んんんあああああっ!……は、はぁ、はぁ」
侑は容易く達してしまった。男には何度絶頂の快楽を教え込まれたか数知れない。教え込まれれば教え込まれるほど、絶頂へ至る道筋は容易になっていき、快楽の程度も深くなっていく感覚があった。
侑「んぁっ」
突然、男は侑の顎へと手をやる。荒々しい所作は侑を一瞬だけえずかせる。自然と侑と男の視線は交錯する形になる。
男は野生味ある表情に笑みを浮かべる。
男「もう蕩けきってんじゃねぇか。よえぇなぁ」
侑「……っ」
侑の表情は快楽によって蕩けていた。羞恥と快楽によって朱に染まる頬。侑は何とか男を睨もうと眉を上げたが、淫靡に濡れた瞳では官能的に見えるだけだった。
男「じゃあ、脱げ。自分でな」
侑「や、やだよ……。私、今日はえっちしないもん。そういう約束じゃなかったもん」
男「あぁ……もう、面倒くせぇなぁ。いいのか?俺が上原のところに行ってもよ」
侑「それは……」
男は一度、侑の幼馴染である上原歩夢に振られている。自尊心を踏みにじられた男は歩夢への攻略法を考え、まずは侑へと近づいた。
男は侑へ振られたことを相談し、侑に慰められた。自分が被害者であることを強調した男は、侑に対し無理やり体の関係を迫った。ここで侑が断ったら、歩夢の身に危険が及ぶことを暗に仄めかしながら。
抵抗した侑だったが、その毒牙が歩夢へともう一度剥くことを恐れ、一度だけ、と体を許してしまった。当然ながら、一度で終わる訳もなく、いたずらに侑の体は何度も何度も蹂躙され、体は男好みに開発され尽くされた。
そして侑も、最初は歩夢を守るためという建前で抱かれていたのが、男に教え込まれた快楽をもう一度味わいたい、という性欲が強くなっていき今に至る。
男「お前が素直になるまで、今日はずっとイかせ続けるか?」
侑の下着のクロッチ部分にもう一度手が触れられる。侑はその性的刺激で思わず目を瞑りながら体をビクつかせた。体は男の指を欲しているのか、侑の膣内は絡みつくように蠕動していた。
侑「わ、分かったよ……。んっ……」
侑は虹ヶ咲学園の制服を脱ぎ始める。体を重ねる瞬間が少しでも先送りになるよう、衣服を一枚一枚焦らすように脱いでいく。
上着が脱げると、白いキャミソールが見えた。キャミソールは豊かな双丘によって不自然な曲線を描いていた。
侑「んぅっ、って、ちょ……まだ脱いでる途中っ」
男「いいだろ、別に。俺の体なんだから好きにしてもよ」
男は適当に侑の胸を揉み始める。キャミソール越しでも侑の胸の柔らかさは十分に分かる。弾力と柔軟性、その二つが見事に調和した揉み心地だった。
そうして適当に揉んでも、侑は簡単に体を反応させる。肩をビクつかせ、毛深い男の腕を何となく掴んだ。
侑「ん……は、はっ……んぅう……」
切なげな熱い吐息を何度も漏らす。侑の性感はどんどん高まっていき、体は徐々に汗ばんでいく。しかし、性感が高まれば高まるほど、甘い刺激だけでは満足できなくなっていった。
男「高咲、乳首も触って欲しいんだろ」
侑「っあぁ……そんなこと、ない、し……」
男「何言ってんだよ。自分で乳首触ってんじゃねぇか」
侑「え……あ、こ、これは違くて!」
男を掴む方とは逆の手は、いつの間にか乳首へと伸びていた。無自覚に自分で快楽を得ようとしたことが露見し、羞恥によって侑の顔が真っ赤に染まった。羞恥だけでなく、男に教え込まれた快楽に敗北したことへの情けなさも感じていた。
男「いいから早く脱げよ」
侑「……分かったって」
侑は時間を遅らせても逆効果にしかならないことを悟り、テキパキと脱いでいく。
侑「うわぁ……」
脱いだ下着からねっとりとした糸が引いているのを見て、自分の興奮度合いを知った。
侑の濡れ具合は既に知られてはいるものの、乳房と股を手で無理やり隠し、全てを脱ぎ終わった。キッ、と睨む視線は勇敢だが、その瞳にはこれから行われる性行為への期待の色も見て取れた。
男「まずはいつも通りでな」
侑「うん……」
いつも通り。
それは侑と男によるルーティンに他ならない。再び聞き返すことは無いほど、侑と男は体を重ねてしまっている。
侑は男の目の前に膝立ちとなった。男の履いているタイトなズボンのベルトの金具を外して脱がせていく。膝ほどまで脱がしたところで、閉じ込めていた男臭さが鼻の中に届き、侑の下腹部は熱を持ち始めた。
まず、侑は下着越しにも分かるほど屹立した陰茎を撫で始める。下からなぞる様に、上から降ろすように。下着は我慢汁によって薄っすら濡れていた。
男「あふっ……」
侑「君も大概弱いよね……」
男は侑の愛撫によって声を漏らした。それほど侑は男仕込みのテクニックを教え込まれていた。体の性感帯も、性技も、全ては男由来のものである。
次に、パンツ越しに侑は舌を這わせ始める。下から上になぞると、たまった涎が下着に付着した。そのまま亀頭の部分にまで舌を這わせ、亀頭を口に含んだ。
侑「はむ……んっ、んっ、んっ」
そのまま両手で睾丸をいじりつつ、頭を上下に動かしていく。
男「おおっ……。たまんねぇな高咲。だめだ。我慢できねぇ。パンツ脱がして次だ」
侑「……ん」
下着越しの亀頭から口を離し、侑は下着を下ろした。すると、男の腹に跳ね返るようにして陰茎が姿を現す。赤黒い亀頭、大きく落差のあるカリ、長く反り返った竿。男の陰茎は暴力的な見た目をしていた。
侑「相変わらず……おっきいね」
男「これが高咲の中に何度も入ってたんだぞ?」
侑「未だにちょっと……信じられないかも」
男「事実だ事実。ほら、御託はいいから次だ」
侑「分かってるって……」
侑は覚悟を決める為に一度大きく息を吐く。
侑は男の隣へと場所を移した。顔の高さを男の乳首付近にまで落とし、舌を出した。
侑「れぇろ……ちゅっ、んっ」
侑は男の乳首を舐め始める。まず乳首を舌で潰すように圧迫していく。舌先からキラキラ光る涎が乳首に付着し、それが潤滑剤となる。
それと同時に、侑は左手で男の陰茎をしごき始める。男のそれは巨根と言って不足しない長さ・太さを持っているため、侑の手は完全に回り切らない。しかしそれでも、慣れた調子で陰茎を前後に擦っていく。すでに我慢汁は駄々洩れな為、ぬちゅぬちゅ、と淫猥な音が鳴っていた。
侑「ちゅぅ……えっ、れろ……んぇろれろれろ……」
男「おぉ……やべぇわ高咲の乳首舐め……」
侑「……」
恍惚の声を漏らす男に対し、侑は悦びを感じていた。自分が男に対し性的快感を与えているという確かな自負。無意識の内に思っており、自覚すれば自己嫌悪に陥るだろう。
侑のしごく手は単純な順手だけでなく、逆手に変化したりカリの部分だけを攻める変則的な動きになっていく。そうした変則的な動きに細かく表情を変える男に対し、侑は征服感すら覚えていた。
侑「気持ちいい……?」
男「あぁ、めっちゃ気持ちいいわ」
侑「そっか……。んっちゅっ、れろ、ちゅぅう……はっ、は……」
侑はたまに乳首から口を離して亀頭部分に涎を落とし、性感を高める行為を欠かさない。これは男に教わったことではなく、自主的に考え出した行為だ。男は侑が涎を落とす度、暗い笑顔を浮かべる。
男「あぁ、クソ、イっちまう。最初は口の中だ高咲っ」
侑「ん……。あ~むっ」
侑は男の股間の前に移動し、陰茎を咥えた。侑の口内はあらかじめ唾液を溜めておいたため、男へ深い快感をもたらした。
侑「んっ、んっ、じゅるっ、んんぅ……んばっ」
規則的な前後運動。亀頭に差し掛かったところで口をすぼめて思いっきり吸いにかかる。陰茎を吸う音が下品であり、逆にそれが二人に興奮を生じさせた。
男「あぁ、イク、イク……!イクぞ高咲!」
侑「じゅるるるる、んっ、んっ……んぅぅぅうううう……っ」
男は侑の後頭部を乱暴に掴み、侑の喉の奥へと精を発射した。喉の奥の奥にまで亀頭が到達し、思わずえずく侑だったが、その動きさえも男の快楽へと変換される。男の尻は射精の快感によって不規則に痙攣し、精子を出し終わるまで侑の後頭部を小刻みに動かした。
男「……あぁ、気持ちかった」
侑「んぐ、んぐ……。ん?なんか、今日のはちょっと飲みやすかった気が……」
男「あ……?あぁ、そうか。今日のは飲みやすいかもな」
侑「……?」
男のその言葉に侑は頭を傾げた。しかし、今は鼻の奥を突く精子の饐えた臭いと、舌に残る苦味を消すので精一杯だった。何度も口の中に出されたとはいえ、未だにこの味と臭いだけは苦手だった。
男「ほら、掃除しろ。余すことなくな」
侑「うん……。あ~むっ。んぅう……じゅるるる……」
男「あ~、これがたまんねぇんだよ、これがよぉ」
侑は男の表情を見ながら、口を前後に動かしていく。自然に動いた指先は、男の乳首へと向かっていく。未だに残っていた自分の唾液を器用に使い、乳首への刺激を強めていく。男は快楽によって口から涎がこぼれ始めていた。
男「あぁ、クソッ!このままだともう一回口ん中出しちまう。オラッ、本番行くぞ」
侑「んへっ……。うん。ゴムはあるんでしょ?」
男「あぁ、鞄ん中に入ってる。下手に妊娠でもされちゃ迷惑だからな」
男のその言葉に、侑は口を尖らせた。
侑「迷惑て……。そんなこと言ってると、サービスしてあげないけど」
男「あ~、わーったわーった。ゴムをするのはお前の体の為だよ。ったく……めんどくせぇ」
侑「あはっ。ほんと、そういう時だけは殊勝になるよね」
侑はここまでの流れによって、性交への気持ちを昂らせていた。乗り気では無かった情事も、今では積極性を増している。
男が鞄の中から取り出したのは極薄のコンドームだった。それを破ろうと手に掛けたが、その手を止めた。
男「っと……。んの前に今日はやりたかったことがあんだよ。高咲、使ってもいいタオルはどこだ?」
侑「え?洗面台にあるけど……」
男「りょーかい。取ってくる」
侑「タオル……?何に使うんだろう」
侑はそう言いながら、傍らにあるソファベッドへと寝転ぶ。
突然本番が中断されたことで、侑は熱を持った下腹部が切なくなる感覚を覚えた。男は洗面台へと部屋を出ていってしまったため、この疼きを解消してくれる者はいない。侑の手が自らの秘部へと向かったのは自明だろう。
侑「しょうがない……これはしょうがないことだもん……んんっ」
侑の手は的確に陰核を刺激し始める。膣内では得られない、甘く痺れるような手軽に得られる快楽。
侑「ぁっ、んぅあぁっ!んんぅ……ふぁ、ああっ」
強い快楽に視界が明滅した。しかし、快楽を貪る手は止められなかった。押して、挟んで、つまんで、様々な方法で陰核を刺激していく。
男「あ、おい。先に始めんなよな。ったく……」
侑「あ……」
部屋に戻ってきた男によって自慰行為は中断させられた。またしても疼きは収まらないまま、下腹部にはより強まった熱だけが残る。
男「おら、尻上げろ。下にタオル敷くんだよ」
侑「え、うん……。って、まさかこれ」
男「おう。ようやく気付いたか。頭の回転おせーな」
臀部の下に厚手のタオルが敷かれたことで、侑は今から起こることをイメージできた。潮吹き。未だに侑が経験していないことだ。
男「ちょっと漫画で読んでよ。やってみたくなっちまったんだよ。俺もまだ他の奴らにやらせたことはねぇが……高咲ならイケんだろ」
侑「ちょちょっ!潮吹きってさ、そう簡単にできるものじゃないんじゃないの?それに、中痛めたら……」
男「いいからヤらせろっつーの。上原んとこ行って、上原に同じこと強制させてもいいんだぞ?」
侑「ぐっ……。分かったよ……。でも痛かったらすぐ止めてよ?」
男「あぁ、分かってるよ。俺は女にゃ優しいんだ」
侑「どの口が言ってるんだよ……」
侑は観念し、上体をソファベッドの上に投げ出した。同時に、近くにあった枕を胸の前に抱いた。侑の胸中は、潮吹きという行為自体の怖さがあり、同時にこの下腹部の疼きを止めてくれるかもしれないという期待もあった。
思いっきり、乱暴でもいいからかき回して欲しい。そういった気持ちも、胸の奥底には潜んでいた。
男「それじゃあ……おう、まだまだ濡れてるな」
侑「んぁっ」
男の太くゴツゴツした指先が秘裂をなぞる。すると、やはり簡単に侑は快楽を感じてしまう。男の太い指は、次第に濡れそぼる蜜壺の中へと侵入していく。
枕を抱く侑の体は面白いように跳ねた。その反応を見て、男は嗜虐心が高まっていくのを感じた。
侑「はぁ、んっ……んむぅっ」
枕に顔を埋めるような格好になり、喘ぎ声はくぐもり始める。どうしようもなく感じてしまう表情を見られたくない一心での行動だ。
男「ここを撫でられても、まだ顔を隠す余裕があるかな?」
侑「あ〝」
男の指が触れたのは、膣内のややザラザラした場所。そこを腹部の方向に押すと、侑は強烈な快楽を感じた。脳みそに無理やり送り込まれるような快楽。
一方的で暴力的な快楽に怖さを感じる一方で、さらなる快楽を侑は欲しがっていた。
侑「だ、だめだめっ。んぅっ!そ、こ……だめ、だめぇっ!感じ……んぁあっ!すぎちゃ……っ!!」
男「ほら、トントン、トントン」
侑「ふぁぁっ!んっ、んぁあっ!あぁあああっあんっ」
規則的なリズムで何度もGスポットを攻められる。膣内からはピチャピチャ、という音からビチャビチャと、水音が次第に大きくなっていく。愛液は増え続けるばかりだが、男が望んでいるのはその上だった。
侑「あ、ぐっ……あぁっ!?んんんぅーっ!!んぐぁぅうっ!」
すでに侑の手から枕は離れ、床に転がり落ちている。侑の手は愛撫する男の腕を掴んでいる。侑は口から喘ぎ声を汚く漏らしながら、愛撫を止めるように顔を横に振り続ける。それを見て、男はむしろこのまま続ければ、いずれは潮を吹くと判断した。
侑「いっ…あ、んぐぁっ!あぅうああああ……っ!!」
侑は上体を完全に起こし、ソファベッドの縁の部分を掴んで必死に快楽に流されないよう抵抗した。しかし、膣内の刺激によって脳に送り込まれる快楽信号の前に、その抵抗は無意味であった。侑の腰は痙攣によって何度も跳ね、口からはいつの間にか糸を引く涎が流れ始めていた。
侑「はっ、はぁっ!だ、だめ……っ!わかんない!んぁっ!わ、わかんないなにか、きちゃう!きちゃうから!んんんんぅーっ!!」
頭がチカついて視界を明滅させながら、侑は下腹部にこれまでに無い感覚を覚え始めていた。
侑「いぐぁっ!?ち、乳首もなんて……んぁああっ!」
男は侑の反応を見て、綺麗な桜色の乳首を抓った。テクニックなんて関係のない乱暴な触り方であったものの、今の侑にとって敏感な部分は全て快楽に変換されていく。そうして性感が最大まで高まり切ろうとする瞬間、侑の中で堰が壊れるような感覚があった。
侑「で、でちゃう!おし…んんっ!おしっこでちゃっぁああっ!でちゃうからとめて!!」
今まで感じたことの無い、暴力的で快楽とも痛痒とも言える感覚。それが、最大まで高まり切ってしまう。
侑「い、ぃいいいい……くぅっ!い……あ〝ぁ〝っ〝」
侑が今日一番腰を思い切り跳ね上げた瞬間、陰部から勢いよく潮が吹きだした。ガクガクと腰を痙攣させながら、数秒間潮吹きは止まらなかった。男が事前に用意したタオルは、水を張った洗面器に浸けたように濡れていた。また、勢いが強すぎたのか、男の顔面、上半身にまで満遍なく潮はかかった。
侑「あぁ……っ。ぁぁはっ、はっ……はぁ、はぁ……」
侑の体感時間では、潮を吹いた数秒間が途轍もなく長かった。異性に自分の痴態を全て見られてしまった羞恥。そして、潮を簡単に吹いてしまえるほど自分は開発され切ってしまったという証明。全てが悪夢ならいいのに、と心の中で思う侑だったが、それ以上に。
侑(きもち、よかった……って考える私はもう……)
すでに自分の脳は、強すぎる快楽によって壊れているのかもしれない。
男「うっほ~。すげぇなおい。潮吹きって現実でもできるんだなぁ……って、これって本当にお前の小便じゃねぇよな」
侑「し、知らないよそんなの……はぁ、もう……疲れた……」
男「おいおい、まだ本番がまだなんだぜ?倒れて貰っちゃ困る」
侑「んぃっ、だ、だから、突然乳首抓らないでよ」
男「ほら、コンドーム先輩もお前の膣内味わいたいってぬるぬるしてらぁよ」
未だ侑の体は、先ほどの強い快楽によって上手く動かせない。時折、遅れてきた電気信号によって腰がビクつくほどだった。そんな今、侑の中に男の巨根が挿入ってしまえば、その後は考えなくても分かるだろう。
なす術もない蹂躙。それが未来だ。
侑「……貸して」
男「おう。いつもみたいに口でな」
侑「分かってるよ」
そう言い、侑は自発的に男からXLサイズのコンドームを取った。
侑(早く終わらせれば、その分長く休憩できるし……)
それが侑の考えた自衛の方法だった。しかし、侑は自らの下腹部に、未だ燻ぶる熱があるのを感じていた。この熱を冷ますには、より多くの快楽を貪ることが必要だ。
より多くの快楽。それは潮吹きの時のように与えられるだけで無く、自らが積極的に動かなければ手に入らない快楽。侑の体は、これから来る蹂躙に完全に乗り気だった。
侑「ん……」
男「おぉし、ぴったりだな」
侑は口に咥えたコンドームを慣れた調子で陰茎に装着した。
男は四つん這いにになって付ける侑の腰付きを見ていた。音楽科でインドアな生活をしていてもしっかりとくびれた腰付き、その向こうにはもっちりと肉付きのいい臀部があった。見ているだけで屹立した陰茎がさらに硬度を上げていくのが分かった。この後すぐに得られる快楽を考えると、男は生唾を飲み込んだ。
侑「……イったばっかりだから、始めはあんまり激しくしないでよね」
コンドームをつけ終わった後、侑はソファベッドにごろんと仰向けに転がった。挿入し易いようにやや足を広げ、片腕で胸の下を抱くような姿勢だった。
男「あぁ、激しくしねぇよ。始めはな」
侑「……うん」
男「うし、おっぱじめんぞ」
侑「あ……んっ、ちゅっ……」
男は侑に覆い被さるような形になり、その桜色の唇に優しくキスをした。男は本番を始める前、必ずキスを挟むのを好んでいた。
侑「んぅ、あん……っ」
キスをしつつ、陰茎で侑の股を上下に擦り始めた。甘い快感が侑の脳髄に伝わった。その甘い快楽をもっと求めるように、無意識の内に侑の腰はゆっくりと動いていた。
侑「はっ、はぁっ……ちゅ……れろ、んぅちゅる……んぅ」
男の舌は侑の唇を割り、口内へと侵入し始める。侑もそれを受け入れるように口の筋肉を緩めた。互いに互いの舌を求めるように絡め合い、男は侑の口の中へと自分の唾液を送っていく。
侑「んぅ、れぇろ……んんっ!……ちゅ、ん……んぐ、んぐっ」
時折陰核を擦られる強い刺激に声を漏らしながら、侑は男の唾液を飲み込んでいた。味がどうこうの話ではなく、男の唾液を飲み込むことで侑は興奮度合いを上げていく。
侑「……ねぇ」
男「あ?もう我慢できなくなっちまったのか?」
侑「……」
言葉少なく、侑は男の陰茎を掴んで膣内の入り口へとぴったりと付けた。だが、腰を動かして中には入れなかった。それが侑の最後の抵抗……もとい建前だった。
男「分かった分かった。俺が入れるって……うおぉ……」
侑「……ん、んぅぅう……っ」
男はゆっくりと腰を沈め始めた。侑は徐々に膣内へと陰茎が入る感覚に、思わず目を瞑る。陰茎が侑の最奥へと届いた瞬間、侑は耐えきれず顎を天井へと反らす。
侑「はっはっ……やば……。今日めっちゃ感じちゃう……」
頬を朱に染めながら、切なげな吐息と共に言葉を漏らす。
男は何も言わず、緩慢な動きで腰を抜き始めた。その動きに、侑は喘ぎ声が出ないくらい快楽を感じ、熱い吐息のみを吐いた。
その反応に男は調子を良くし、段々と抽挿の動きを激しくしていく。
侑「んっんっんぅあぁっ!こ、れ……やば……っ!あぁっ!」
たんたん、と正常位の体勢で規則的な音が鳴り始めた。侑は耐えきれず大きな嬌声を出し、思わず男の背を両腕で抱き寄せた。抱き寄せて縋る場所が無ければ、処理できない快楽に溺れてしまう。
侑の豊かな双丘は、男と密着したことでぐにゃりと形を変えた。何度も抽挿される腰の動きにより、形を歪ませながらも胸は波を打っていた。
男「締め付けすぎだろッ!もっと緩めろっての!」
侑「あっ、ふぁぁあっ!そ、んなこと……あぁんっ!言ったって……んんぅ!」
キツく締め上げる侑の膣内は、男の陰茎に休む間を与えない。この互いが互いの快楽を貪るような動きは、先ほどの唾液の交換に似ていた。
侑「弱いとこばっか……っ!やめっんぁあんっ!だめっだめっ!い……いくいくっ!」
侑はそのまま弓なりに腰を浮かせ、絶頂へと至る。ビクビクと腰を痙攣させる侑だったが、男は打ち付ける腰の動きを止めずに続けた。
侑「あがっ!?い、今!イったっ!あぁっ!んんんぅうああっ!!イったって!!やだやだっ!やめっ……んんんぅうううっ!?」
絶頂を迎えた後、さらなる抽挿によって侑はもう一度達した。男の背に回した手は爪が食い込むほど強くなったが、男はそのくらいの痛みを無視した。
侑「いぐぁ……っ!んんぅうああっ、はっ、はぁぅうぁっ!あっうぅぅううぁあっ!?」
もうこれ以上絶頂を迎えれば壊れてしまう、と感じながらも、侑は自ら腰を動かしていた。膣の奥のポルチオをより刺激するように、自分の気持ちのいい場所を的確に抉るように、陰茎の動きを誘導していた。
男「あぁ……くそっ。もう射精すぞ!!」
侑「んっ、んぁあっ!あぁんっ……!だ、射精して……っ!んんんぅう……っ!」
男「うっ、ぐぅ……」
男は尻を不規則にビクつかせ、子種を出し始める。
男「ふっ、ぐっ、うおぉ……」
侑「……んっんんぅうっ、ぁあっ」
侑は最後の一滴まで搾り取るように、腰を揺らす動きをやめなかった。その動きでもう一度、侑は軽い絶頂へと至った。
紅潮した頬、切なげに漏らされる熱い吐息、ビクつく動きだけで与えられてしまう強い快感。侑は完全に、出来上がっていた。
男「ふぅ……それじゃあ、抜くぞ」
侑「ん……。んはぁ……っ」
全てを引き抜かれた瞬間、侑はひときわ大きく体を弓なりに反らした。侑は片腕を両目を隠すように覆い、絶頂の余韻に浸っていた。
侑(や、やばい……。今日はほんとに感じやす過ぎてる……。ほんとに今日壊れちゃうかも……)
男「ふぅ……んじゃ、続けて二回戦行くぞ」
侑「ちょ、ちょっとだめ……。休ませて……」
男「新しい奴装着するまでは休んでていいぞー、って……マジか」
侑「……?」
男はコンドームをくるくると結んでゴミ箱に放り込んだ後、鞄の中を見て困惑していた。
上手く働かない頭であっても、侑は男が何に困っているのか分かった。
侑「まさか……無い、とか言わないよね」
男「そのまさかだよ。あ~、くそ、さっき使いすぎちったかぁ……」
男は眉を顰め、これからのことで悩んでいた。
侑は勿論、継続しない一択しか考えていない。考えていないはずだったが、終わりを告げる言葉を吐けずにいた。まだ、もう少しだけ、もうちょっとだけ、快楽が欲しいと、心が叫んでいたからだ。
侑「どうするの?さすがに生は……赤ちゃんできちゃうかもしれないし」
男「……ははっ。ヤらないって選択肢は無いんだな高咲。変態じゃんか」
侑「な……!そんなことないもん!もう帰ってよバカ!」
男「いてっ。枕投げんなよな、ったく……」
侑は羞恥によって顔を紅潮させた。そして顔を見られないよう、体操座りになって膝に顔を埋めた。
しかしその仕草が、男の劣情を煽った。
男「……はは。そそるなぁおい」
男は体操座りした侑の股の部分を見て呟いた。体操座りしている侑だったが、膝のところで八の字を描くように足は開いていたため、股の秘裂が丸見えだった。たまにヒクヒクと動く膣の入り口は、未だに陰茎を迎える準備は万端であり、テラテラと光っていた。
やや硬さを失っていた男の陰茎は次第に硬度を取り戻していき、簡単に天井を向いた。
男「なあ、高咲。絶対に外に出すからよ……。な?」
侑「外に出すって……」
男は体操座りする侑の傍へと腰掛け、左手を股へと伸ばした。残った右手は大きな乳房をぐにぐにと歪ませるのに使った。
侑「んぅ……ちょっと……。外に出すって言ったって、生で挿入しただけでも……ぁあっ」
男は秘裂を小さい円を描くように愛撫し、時折陰核を柔らかく刺激していく。抵抗の意志を見せる侑の言葉だったが、言葉尻はだんだんと弱くなっていく。
イケる、男はそう判断した。
侑「カウパーだけでも……って、ちょっ!足、開かないで!だ、だめだって!」
男「いいから」
侑「いいからじゃないって!妊娠してもいいの!?」
男「……」
男はもう一度侑の正面へと座り、閉じた足を開き始める。当然侑は抵抗したが、その力は弱く簡単に開き切ってしまう。
侑にはいくらでも抵抗の方法はあった。男の胸を思い切り押して抵抗することもできた。男の頬を張り上げる抵抗の仕方もあった。しかし、そのどれも選択しなかった。
男「な、体験したくないか?生の快感って奴をよ」
侑「生の快感って……。でも赤ちゃんができ──」
男「子供どうとか関係ねぇよ。生の快楽を味わいたくないのかって俺は聞いてんだ。本当は体験したいんだろ?」
侑「うぅ……んんっ……」
侑はペチペチと膣の入り口を硬く屹立した肉棒で叩かれた。
生で感じられる快楽。それは男に何度も抱かれてから頭で考えたことはあった。しかしこれ以上思考を進めることは危険だと判断し、早々に思考を打ち切っていた考えだった。しかし、考えたことがあるということは、ヤりたいという結論まではいかなくとも、期待と好奇心があることの証左でもあった。
男「ほら、挿入れるぞ?嫌なら全力で抵抗しろ」
侑「だ、だめだって……や、やぁあ……」
腰を深く沈みこませる男に対し、侑は軽く胸を押すだけの弱々しい抵抗を見せた。
何も阻むことの無い生の陰茎は、徐々に侑の膣内へと侵入していく。
侑「ん……っ!?はっ、はぁぁああんっ」
最初は赤黒く太い亀頭が侵入を果たし、竿の部分がそれに追従していく。
侑の体はこれまでに無い反応をし、腰を浅く浮かせ、腹部の浅い部分を若干痙攣させた。
生の感触が余りにも気持ちよかった、というだけでは無かった。
本当は挿入してはいけなかった生の肉棒。本当は全力で抵抗して絶対に侵入を許してはいけなかったこと。その最後の防波堤を破ったのが、自らの下卑た性的欲求という証拠が、侑の脳内を今までにない興奮状態へと誘っていた。
侑「ひぅうっ、あっあぁあっ!!んぅぅううう……っ!!」
生の肉棒は侑の最奥にまで到達した。その瞬間、侑は思い切り顎を反らし、容易く絶頂を迎えてしまった。生の肉棒という身体的な上位の快楽、理性が性欲という本能に敗北したという証拠。精神と身体が限界まで高まり、侑は絶頂してしまった。
男「おいおい、簡単にイキすぎだろ。まだまだこれからだ、ぞ……っ!」
侑「あっ、あっ、あぁっ!んっんぅう!?あ、だめこれっ!カリがぁっ!んはぁああっ!?」
挿入れられた陰茎が抜く動きをすると、暴力的なまでに落差のあるカリが侑の膣内を抉っていく。Gスポットを的確になぞる動きに、侑は何度も軽い絶頂を感じてしまう。
侑「あっ、んぐぅ……っ!はっ、はぅううああっ!あっあっあぁああ……っ!!」
男「オラッ、こっからだ!!」
侑「ひいぃああっ!?そ、それ!んんぅうううう!!だめなとこまで入っちゃっ!んぅううああっ!ふ、深すぎっ!だめだめだめだめ!届いちゃいけないとこ!!んぁあああっ!!」
男は侑に覆いかぶさりながら、足を爪先立ちにした。すると、男の腰の角度が大きくなり、肉棒は膣内のより深いところへと届き始める。一層侑の嬌声は激しくなり、男の腰の動きもまた激しくなる。
じゅぷんっ、じゅぱんっ、と腰を打ち付ける音と粘膜の水音が叩かれる官能的な音。その音が男の興奮を一層引き立て、腰の動きを加速させていく。
侑「あっ、うぅん、ぁっ!?んぐう……っ!あぁあ!?ちょ、ぁあっ!?お、おっぱい、今っ、び、敏感だからぁっ!ひぅぃいいっ」
男は上体を起こし、侑の波打つ双丘を荒々しく掴む。腰を打ち付ける度に前後に揺れる二つの乳は、見ているだけで興奮を覚えた。腰の動きを止めないまま、ぐにぐにと揉んだり、思い切り乳首を抓ったり、最後は乳首に吸い付いた。
侑「す、吸うのやぁっ!んんぅうっ。な、膣内も乳首も、気持ちよすぎちゃうっ!あぁあああっ!またい……くっ!!」
ビクビクっと侑はまたしても絶頂した。生で挿入されてからもう幾度目か分からない絶頂だった。膣内も乳首も感度は最大限まで上昇し、絶頂の深さも大きくなっていく。
男「くはっ、やっぱ高咲最高だぜっ!胸もでけぇし中の具合もたまんねぇしよぉ!感度もたけえセックス人間じゃねぇか!」
侑「あっ、あっ、んぅあっ!んっ、んぁう……っ!」
男「こんな姿、上原が見たらどう思うんだろうなぁ!?おい!」
侑「ひぁぅうっ!!」
男は思い切り乳首をつまんだ。それと同時に、歩夢の名前が出たことで侑の膣内はビクビクと蠕動した。
男「おぁ?上原の名前出した途端、めっちゃ締め付けるじゃねぇか。なんだよ、おい。どういうことだぁ?」
侑「ふぁ、んぅうう……っ。んはっ、あぁぁああっ!?」
侑は上手くまとまらない意識の中、不思議に感じていた。歩夢の名前が出された瞬間、膣内がギュッと収縮したのだ。また、脳内はより強い興奮を体の各所に送り始めていたことにも気づく。
侑(な、なんで私こんな興奮してるの……!?)
侑「あっあぁぁあんっ!ふぁぁああっ!んんんんぅう……っ!?」
男「おいおい、まさかお前、上原のこと好きなのか!?おい!!」
侑「ひぃんっ、あ、歩夢のっこと……っ!?んむぅうぁあっ!」
男「おいおいっ。マジかよ高咲お前ェ!オラッ、もっと上原の名前呼びながらイケよ!おいっ!」
侑は快楽の渦に呑み込まれながらも、心中では愕然としていた。自分は幼馴染である歩夢のことを考えながら性交に及ぶと背徳的な快楽を得てしまうこと。それが証明されてしまったのだ。また、どうやらその背徳感に正体は、歩夢へ親友以上の気持ちを抱いているからに他ならないこと。
その大切な気持ちを、侑は男によって自覚させられた。
男「言えっ!ほら!歩夢って叫びながらイケよオラッ!!」
侑「んんぅううああっ!はっ、はぅぁあっ!あ……あゆ、むぅうっ!」
男「そうだよオイッ!」
侑「あゆ、あゆ……むぅっ!あゆむぅっ!きもち、きもちいぃいいよぉっ!あゆむぅっ!」
歩夢の名前を呼ぶたびに、侑の興奮と快楽は大きくなっていった。それと同時に、侑の中にあった犯してはいけない禁忌の何かが侵されていく感覚があった。しかしそれさえも背徳の快楽へのスパイスとなり、甘く刺激的な快楽の材料となった。
そして侑は男の首に手を回し、口づけをし始める。
侑「ん、んぅう、ちゅぅ…ちゅる、はゆ、はゆ、む……んんぅうううっ!?」
男は侑からの積極的なキスによって興奮を高め、腰の動きをさらに激しくしていく。パンパン、という腰を打ち付ける音から、バツン!バツン!という膣の最奥が壊れてしまいかねない暴力的な音となった。
二人の上半身は一切の隙間が無いくらい密着していた。侑は頭が快楽によって壊れないよう、首に回した腕により力を籠める。
侑の口からはどちらのものか分からない涎が糸を引き、首元へと垂れた。
男「あぁああああっ!高咲!!イクぞ……!!」
侑「んんぅぁ……っ!?はっ、はぁんっ、んぅうあっ!だ、だめっ!な、膣内は、だ、だめだって……っ!あかちゃ、んぅぅっ!でき……っんんぅうっ」
男の肉棒は侑の膣内で不気味にビクついていく。侑はコンドーム越しにではあるが、この肉棒の動きを知っていた。もうすぐ射精するという合図であることを、何度も体を重ねたことで理解していた。
男「お、おぉおおおおっ!受け取れ高咲ィ!!」
侑「んっ、はっ、はぅああっ!!あぁん、んんんぅううぁあああああ……っ!?」
男は肉棒を侑の最奥に押し込みながら果てた。侑もまた、初めて感じる発射された精子が膣の奥を叩く感覚に深い絶頂を迎えた。
顎を反らし、絶頂に耐えるように思い切り噛みしめられた唇からは、男のものか侑のものか分からない涎が糸を引いて落ちた。
侑「はっ、はぁっ、はぁぁ……んっ、ちゅっ……」
二人は同様に荒い息を吐きながら、絶頂の余韻に浸っていた。その余韻に浸るよう、侑は自ら男の唇にキスをし、ゆっくりと、緩慢に、舌を侵入させていった。強い絶頂の後の、ピロートークのようなディープキスは、言い知れない甘い快感をもたらした。
侑「んぅ……。はぁ……きもち、よかったぁ……」
その長いディープキスが終わった後、侑は大きく嘆息を吐いた。
途端に力が上手く入らなくなった侑は、倒れ込むようにしてベッドソファに寝転がった。
侑「はぁ、はぁ……うぅ……さい、てーだよ、私……」
快楽が徐々に落ち着きを取り戻し始めた頃、侑は酷い自己嫌悪に陥っていた。生を許してしまったこと、生の膣内射精を許してしまったこと、そして何より、上原歩夢のことを性的欲求のための材料にしたことだった。
今の表情を男に見られないよう、侑は片腕で両目を隠した。その時、腕に水のような感触があった。これが快楽によって生じた潤みなのか、それとも罪悪感によって生じた涙だったのか、侑は考えたくも無かった。
男「おほっ、おいおい……。エロすぎんだろ。垂れてやがる……」
侑「ぁあ……っ!?ちょっと……。まだ敏感なんだか、らぁ……っ!んん……っ」
男は無遠慮に侑の秘所を弄り始めた。すると、侑の膣内から白濁の液体が流れ始める。スライムのように粘着力のある精液は、侑の秘所へとこびりついた。
上体を起こしてその光景を見ると、侑は吐きそうなほどの嫌悪感を覚えると同時にどうしようもなく興奮も覚えていた。
侑(あぁ、もう……。もう、もう……っ!)
その時、男の鞄からスマホのバイブレーションの音が鳴った。
男「なんだよ、ったく……。お、いいじゃんいいじゃん」
男はスマホの画面に気を良くし、にたりと笑う。
男「高咲、これ見てみな」
侑「なに……ちょっと今疲れすぎて……え?なに、これ……」
男の差し出したスマホに映っていたのは、歩夢が知らない二人の男の肉棒を咥えている映像だった。
歩夢『んっ、んっんぅう……』
男の後輩A『ちょっと上原さん。俺の方も舐めてくださいよぉ~』
歩夢『んはっ……。分かってる……。あ~……んぅむ、んんぅ……』
男の後輩A『うはっ、めっちゃ気持ち~。やべぇなこれ。って、動画撮ってんのかよ。後で俺にも送ってくれよな』
歩夢『えっ!?ちょ、撮影はやめて!!今すぐ消して!!』
男の後輩B『うるせぇなぁ……黙れよっ!俺たちの言うこと聞かねぇと、あの人から何されっか分かんねぇだろ?』
歩夢『痛っ……』
男の後輩B『ほら、さっさと続きやれよ』
歩夢『……うっ、ぐす、うぅ……。んっ、んぅう……っ』
スマホに映る歩夢は、涙を流しながら二つの肉棒に対しフェラをしていた。嫌々ながらではあるものの、そのフェラの動きは手慣れたものであり、すぐに初めてでは無いことが分かった。
侑「なに、これ……」
男「俺の後輩に童貞が一人いたからよ。折角だから貸してやったんだ。ついでに3Pの初体験もやってやろうって思ってな。ここに来る前、実は上原のマンコをほぐすために一回抱いてきたんだよ」
侑「……違うよっ!!何やってるんだよっ!!歩夢にこんな……っ!!」
一瞬で侑は怒髪天を衝いた。目が眩むほどの怒気が頭の中を支配し、男の両目を射殺さんばかりに睨んだ。
侑「私が君の相手をするから、歩夢には手出ししないって約束だったじゃん!それがなんでこんなことになってるんだよ!!」
男「あ~……うるせぇなぁ、ったく。んな約束律儀に守るわけねぇだろが。バカかお前?」
侑「……嘘。嘘だ……」
侑は頭を抱えた。男が律儀に約束を守る訳がない。そんなこと、少し頭を働かせれば分かることだった。しかし自分は、自分の肉体的快楽を優先し、歩夢のことを守った気でいながら何も守れていなかった。そんな自らの愚かさに、侑は打ちひしがれていた。
歩夢への想いを自覚した今日。最愛の幼馴染に対し、自分の愚かさが原因で体を汚させてしまった。侑の自己嫌悪はより強いものとなっていく。それと同時に、侑はとある最悪の考えが頭に浮かんだ。
侑「ねぇ……歩夢が君に抱かれたのって……」
この考えが真実ははずが無い。真実であって欲しくない。侑の脳内は拒絶の感情で席巻されていく。
それに対し、男は事も無げに口を開いた。
男「お前のハメ撮りをチラつかせたら、簡単に股を開いてくれたよ。ははっ、幼馴染なんだっけか?お前ら。とーとい友情だよなぁ……。くははははははっ」
全て、自分のせいだった。男が歩夢に対し強姦した訳ではなかった。強姦では無く、自分の何も考えていない、目先の欲求に目が眩んだ愚かさによって、歩夢は体を許してしまった。侑は顔を俯かせ、瞳に涙を浮かべ始めた。
男「おいおい。泣くなよ……ったく。面倒くせぇなぁ。まぁいいや。泣いてる女を犯すってのも、また乙なもんだろ」
男は侑の股を開くために、両足に手を触れた。
侑「……っ」
侑はそれに対し、全力で抵抗を始めた。今までで一番の抵抗、拒絶の意志だった。
抵抗する動きをしていくと、侑の中にあった自己嫌悪・罪悪感はだんだん小さくなっていき、その代わり男に対する赫怒が蘇った。
──この男に、もう一度なんて抱かれてなるものか。気付くのが遅すぎたけれど、まだ取り返すがつく。取り返して見せる。
侑はそう決意を固めた。
そのための一歩として、侑は全力で考えを巡らせた。この男に対し友好な手立ては何か。自分たちに近づかせないようにするにはどうすればいいのか。
その時、侑の脳裏には先ほど見たばかりのスマホの映像が流れた。歩夢の頬を叩いてフェラを続行させた男の後輩。あの後輩は、男と気質が似ていた。それなら……と、侑は抵抗の仕方を変え始めた。
侑「離して、よっ!!やだやだっ!!」
男「ぐぅあっ、おまっ、クソッ!さっさと俺に抱かれろカスがッ!!」
侑は男の胸や両肩を押すような抵抗では無く、男の顔面を狙った。瞼付近、鼻の穴、歯茎など、手や指で触られると拒絶感をもよおす部位。そこを的確に狙っていくと、男は分かりやすく逆上し始めた。
男「いっつ……。クソォッ!!」
そんな時、偶然侑の爪が男の眼球を軽く突いた。粘膜を急に触られると、男は分かりやすく後ろへと仰け反った。
自分よりも遥かに力の無い女が、自分に対して仰け反るような攻撃を加えた、加えられた。その事実は男のプライドを強く刺激し、硬く固めた拳を引いた。
男「ふざけんじゃねぇぞカスがァ!!!!」
侑「あぐっ……」
男の太い腕から繰り出されたテレフォンパンチは、侑の頬を思い切り打ち抜いた。
首の上から頭が吹っ飛ぶような錯覚を覚えるほどの衝撃を受けたが、これは侑の期待通りの動きだった。侑は何とか意識を保ったまま、大袈裟にソファベッドの下の床へと転がった。
男「あ……。クソッ!お前が悪いんだからな!お前が抵抗してくるから悪いんだ!正当防衛だよバカがッ!!クソッ!!」
侑は弱々しく立ち上がる演技をしながら、出てくる涙を抑制しなかった。その光景を見た男は自分のやったことに怯み、いそいそと帰り支度を始めた。
男「お前……その怪我が治るまで登校すんなよ?登校しやがったら、上原を地獄の底に落としてやるからな?覚えとけ」
それだけを言い残し、男は侑の部屋から出ていった。
すると、嬌声と怒号が飛び交っていたとは思えないほどの静寂が、部屋を包み始めた。
侑「はっ……地獄の底……?歩夢にとっちゃ、今が地獄だよ……」
卑下するような声音になりながら、侑はぽつりと独り言ちる。
そして、疲労困憊の体を無理やり動かして立ち上がった。すると、股の間から男の精液が垂れ始め、嫌悪感が首元からせり上がって、部屋の中で吐いた。
侑「はっ、はっ、はっ……。ははっ、私って本当にバカだよ……」
男に縋りつき、自分からキスをせがみ、腰を動かして快楽を貪る愚かな自分。それを思い出すと更なる嘔吐をもよおしそうだったが、何とか気力だけで押さえた。気を抜くと滂沱の涙が流れそうになったが、自分にそんな涙を流す資格は無い、とそれも封じ込めた。
侑「絶対に……もう二度と、歩夢を汚させない……っ!」
──
それからの日々は、私にとって八つ当たり、若しくは憂さ晴らしの日々だった。歩夢が傷物になってしまったのは、男が悪と断じられるかもしれない。けれど、そもそも私が男に対して憐憫の情を抱き、体を許してしまったことから端を発しているとも言える。つまり、一概に誰が悪であるとか、善であるとか、そういうことは言えない。
だからこそ、私が男に対して行った報復とは、八つ当たりであった。男に思い切り殴られた頬は痛々しい傷痕を残し、包帯さえ巻かなかったため教室ではちょっとした騒ぎになった。そこから教師に呼び出され、事情を聞かれる流れは実に自然であっただろう。
私は一から百まで全て、被害者として体験を語った。男の教師もその場には居合わせたが、私は全て詳らかに、深刻な風に話した。教師の面々は事が事であったことや、余り事を荒立てたく無い様子だったが、私は警察に告発する予定だった。私の本気度を知った教師はやがて、重い腰を上げて協力的になってくれた。
その後も私は色々と手を尽くした。男のあらゆる個人情報を調べ上げ、拡散力だけはあるゴシップ系インフルエンサーに情報を流した。それは全て、社会的に殺す為だ。私と歩夢が被害者であることは秘匿するよう情報操作はしたが、完全に情報封鎖はできず多少は漏れた。男の個人情報を流すということは、多少は私の方も漏れるのは致し方の無い犠牲だった。
男とその取り巻き、歩夢に対し暴行を行っていた動画も証拠として挙げられ、私が後ででっち上げた被害者日記も証拠の一部となり、男たちは警察に捕まった。不幸中の幸いだったのは、男には余罪があった。私の告発によって芋づる式に情報提供が促進されたのは不幸中の幸いだった。私の胸中は、暗い喜びに満たされた。
その間、音楽科の勉強や同好会の活動に割く暇などある訳も無く、学園生活の数か月を八つ当たりだけに使った。
そして現在、ようやく私の考え付く限りの八つ当たりは終わり、男との日々から新たな一歩を踏み出せるようになった。
そう、踏み出せるようになったのだ。しかし、私は二の足を踏んでしまっている。理由は簡単だ。私が八つ当たりの活動に精を出している時、歩夢をほったらかしにしていたからだ。とはいえ、それは歩夢をこれ以上汚させない為に必要なことでもあった。
今でも克明に思い出せる覚悟を決めた夜。私はすぐに歩夢の家へと走った。歩夢の家の鍵はすでに開いていて、中には裸で布団にくるまる歩夢だけがいた。恐らく、男の後輩たちは男に連れられて退散したのだろう。
歩夢は胡乱な目つきで私を見ると、矢庭に顔を歪ませた。
歩夢『見ないでぇ!』
悲痛な声音で叫ぶ歩夢の声を、私は一生忘れないだろう。歩夢をここまで汚した男への赫怒はさらに膨れ上がり、私の愚かさがこの顛末を招いたのだと、深く自らに刻み込んだ。だから私は男たちに対して考え付く限りの報復をしたし、情報収集などで自分で賄いきれなくなったお金は家族に黙って無心した。
歩夢のため。全ては歩夢のため。それが私の行動原理であったのは間違いないが、根底にあったのは酷い自己満足であったのかもしれない。けれど、今更考えても詮無きことだ。全てを始めて、全てが終わったのだ。それだけが事実だった。
歩夢「侑ちゃん。こんなとこにいた。寒くないの?」
侑「歩夢……」
私が屋上の手すりに背を預けながら思索に励んでいると、歩夢が来た。以前の歩夢の表情は、道端で懸命に咲く花のようだった。けれど今は、どこか翳りのある表情をすることが多くなっていた。私が歩夢に対して色々な思いを抱えているように、歩夢もそうなのだろう。
私が抱える歩夢への思いは、主に罪悪感だ。男に体を許してしまったことが契機になり、歩夢にまで男の毒牙を許してしまったこと。私が肉体的な快楽を貪っている間に、歩夢は地獄の底のような体験をした。そんな地獄の底にいた歩夢を知ったにも関わらず、私は歩夢の隣で慰めることをしないで報復に身をやつした。
どこまでも自己満足・自分本位な私の行動は、強い罪悪感を生じさせた。
何が仲のいい幼馴染だろうか。一番隣にいて欲しい時に、私は隣にいなかった。
侑「うぅん。寒くないよ」
歩夢「……ねぇ侑ちゃん。どうして私と目を合わせてくれないの?」
侑「……っ」
心臓を鷲掴みにされた感覚があった。私は怖かった。温かな陽だまりのような気持ちにさせてくれる笑顔を失った歩夢の顔を見るのが。見るたびに、どうしても贖えない罪悪感が胸にまとわりついて吐きそうになるから。
でも……いずれは対峙しないといけないことなのだろう。
侑「ごめんね、歩夢……。私って、自分勝手だよね」
ぽつりと、聖職者に告解するように呟いた。
侑「歩夢が一番辛い時に、私は隣にいてあげられなかった。本当に、本当に……ごめんね」
私はさらに、俯いた。歩夢の顔はより見えなくなる。
歩夢の返答を待っている時間は、とても長く感じられた。どうやら歩夢も長考して言葉を選んでいるらしい。
歩夢「……正直に言うとね、侑ちゃんには、私の隣にいて欲しかった。隣で一緒に、傷を舐め合って欲しかった。侑ちゃんしか……同じ痛みを分かってくれないもん……」
侑「……そう、だよね」
死にたくなった。歩夢の口からハッキリと言葉にされると、より胸に突き刺さる。でも、これは受け入れなくてはいけない贖罪であり、罰だ。
歩夢「でも……侑ちゃんと一緒に痛みを悲しんでいたら……状況は変わらなかったと思う。あの後も何度も何度も男の人に抱かれて……。春を売ることになっていたかもしれないって思うと、侑ちゃんのした選択は間違ってなかったって……そう思うんだ」
それは……実際その通りであると思う。。私の八つ当たりは歩夢を守るためだった。けれど、その奥底にあったのはやはり自己満足であり、結果的に良い方向に向いたとはいえ、私は私を到底許せそうも無かった。
なぜなら、歩夢を独りにしてしまったから。
独りにしてしまった私に、歩夢の隣を歩く資格など、無いと分かってしまったから。
歩夢「ねえ侑ちゃん……。全部、全部……終わったん、だよね……?」
絞りだすように告げる歩夢の声音は、縋るようだった。
歩夢「終わったのなら、もう……一緒にいても、いいんだよね……?」
その縋るような声音は、なんだか前に聞いた悲痛な叫びにも似ていて、思わず私は歩夢の目を見てしまった。
瞼に涙を湛え、歯を食いしばっている表情だった。私の見たくない、悲痛さから来る歩夢の泣き顔だった。
侑「でも……歩夢を独りにした私に……歩夢と一緒にいる資格なんか無いよ……」
その顔を見て、私はやはり俯いてしまう。
歩夢「そんなこと無いよっ!そんなこと……無いよ……」
けれど、そんな私の思いを歩夢は否定した。
歩夢「私が悪いの……。侑ちゃんが何をされているのか気づけなかった私が……。それに、私はあの後部屋で一人閉じこもってるだけだった。何も、何も……行動できないで泣いてた私が、一番悪いよ……!私こそ……侑ちゃんの隣にいる資格なんかない」
歩夢が学園にこうして登校できるようになったのはここ最近だ。
私は歩夢のその言葉を聞いて、ハンマーで殴られたような感覚に陥った。
歩夢を傷つかせないために行動していたのに、私はまたこうして、歩夢を傷つけてしまっている。
何をやってるんだ私は……っ。あの時は隣にいてあげることはできなかったけれど、今は歩夢の隣にいることができる。資格があるとか無いとかじゃなかった。
私は今、歩夢の隣にいるべきなんだ。
私は歩夢へと駆け寄った。そして、歩夢を壊れてしまうほどに強く、抱きしめた。
侑「ごめん、ごめんね歩夢……っ。歩夢を独りにさせちゃうような私だけど……隣にいさせてっ……!」
いつの間にか、私の瞼からは熱い液体が頬を伝って流れていた。その涙は、喜怒哀楽では表せない、感情の奔流が流れ出たものだ。
侑「ずっとずっと……後悔してた……。でも、できるだけ小さい後悔になるよう、頑張ってきたんだ。歩夢ともう一度、一緒にいたいから……っ」
歩夢「侑、ちゃ……。うん……うんっ。ありがとね、侑ちゃん……本当にありがとね……っ」
歩夢からも、痛すぎるくらい抱きしめ返された。
それからしばらく、私たちは互いに泣き合っていた。あの時、あの日、あの夜。共に泣けなかった時間を取り戻すように。私たちは泣いて、抱き合っていた。
──
侑「ねぇ、歩夢……」
歩夢「なに……?侑ちゃん」
私と歩夢はたくさん泣いた後、屋上の手すりの前に座っていた。片方の手を互いに握りながら。
侑「私、さ……アイツに……中に出されちゃった。こんな汚れた私でも、歩夢の隣にいてもいいのかな……」
私の中で、未だに蟠っている思いだった。妊娠検査キットで陰性だったとしても、私の中の私の体の認識は汚れたままだ。その事実は……歩夢に言わなきゃいけない、いや、歩夢に聞いて欲しかった。
歩夢「侑ちゃん。私の目、見て」
侑「……うん」
歩夢の顔を直視する。
歩夢の目は……とても綺麗だった。地獄の底を経験して尚、濁っていない目だった。先ほどまでの翳りのある感じなど、微塵も無かった。
対して私はどうだろう。正直言って、酷い顔をしていると思う。弱々しい、捨てられた子犬ような……そんな目をしているんじゃないかって思う。
歩夢「侑ちゃんの体は綺麗だよ。大丈夫。他の人が何をどう言ったって、侑ちゃんの体は綺麗だよ」
何の衒いも無い、歩夢の心の底から来る素直な言葉だった。そこには一片の嘘も、建前も存在していないって分かった。
歩夢「それに、侑ちゃんの体が汚いなら、私の体はどうなるの?」
侑「え……」
歩夢「侑ちゃん、私の体って汚いのかな?」
その言葉に、私の頭が急激に熱くなった。
侑「うぅんっ!そんなことない!ある訳ないよ!歩夢の体が汚いなんて、あるわけない!歩夢の体は綺麗なままだよ!!」
歩夢「……ね。ほら、そういうことなんだよ」
そう言って歩夢は、優しく笑いかけてくれた。
侑「……そっか。そうなんだ」
歩夢に諭され、私は何となく憑き物が落ちたような気がした。それは一陣の風に乗って、どこか遠くへと霧散したような……。
歩夢「私ね、もう一度スクールアイドル頑張ってみようと思う」
不意に、歩夢はそう言った。
歩夢は現在、同好会の活動を休止している。理由としては、満足にアイドルとしてパフォーマンスができないから。それと、男のファンに対して忌避感を持ってしまっているからだ。
侑「でも、まだ平気じゃないんでしょ?もう少し休んでからでも、いいんじゃないの?」
歩夢「平気じゃないけど、私はスクールアイドルをやりたいんだ」
そういう歩夢の瞳は、強い意志を感じさせた。
歩夢「嫌なことがいっぱいあったけど、だから余計に、自分の中で譲れない思いに気づけたんだ。侑ちゃんが大好きって気持ち、スクールアイドルをもっともっとやりたいって思い。それだけは、我慢しちゃいけないって思うんだ」
譲れない思い。確かに今回のことで、より顕著に浮き彫りになった気がする。
歩夢への大好きな思い。スクールアイドルや作曲への強い思い。
どんなに辛くたって、苦しくたって、そこに嘘は吐けないし、ずっと変わらないままだった。
侑「じゃあ……歩夢。久々にさ、一緒に同好会に行こうよ」
ギュッ、と私は歩夢の手を改めて強く握る。歩夢からも同じ力で握り返され、温かさと思いの強さを感じた。
歩夢「うんっ。一緒にね!侑ちゃんっ」
そして私は、歩夢と手を握ったまま立ち上がった。これからの道も、二人で歩いていこう。決して一人で抱え込まず、二人で悩んで前へ進んでいこう。私はそう、強く思った。
ふと、私は何となく空を見上げた。屋上から見上げる空は何となくより高く思えて、でもなんだか届きそうな気がして。
それはなんだか、私の追い続ける夢やときめきに似ていると、そう思った。
おわり
最近読んだゆうぽむで脳破壊されたので、救いのある話にして脳を回復させようと思って書きました
脳は回復しませんでしたが、少し気持ちがスッキリしました
ありがとうございました
元スレ
人ひとりがギリギリ収まる大きさのソファベッド、机の上にはやや埃が被ったモニター、すっかり部屋の中にも馴染んだキーボード。ここは高咲侑の自室だった。
侑の自室には侑以外にももう一人、男がいた。
男「何度見ても、色気の無い部屋だな」
浅黒い肌に逞しい肉体を持ち、短髪で体育会系の男がいた。侑は嫌そうに男の後ろからついて行き、できるだけ音が立たないよう、ドアを後ろ手に閉めた。
男「じゃあ、ヤるぞ」
部屋に入って開口一番、適当に男は言う。
侑「きょ、今日はヤらないって言ったじゃんっ。キーボードを触らせて欲しいって」
男「んなの建前に決まってんだろ。オラッ」
侑「ちょ、やめっ……んっ」
男は強引に侑の腕を引いた。同時にもう片方の手で遠慮なく臀部を揉みしだいていく。
侑は嫌がる素振りを見せるものの、体は否応なく反応してしまっていた。
男「あ~、相変わらず肉付きがいいよな、高咲」
侑「やめっって……っ!」
侑は密着する男の胸の部分を押して抵抗する。しかし抵抗の力は弱く、侑も全力では押していなかった。
男「ったくよぉ、もう何度も抱いてんのにずっとそれだよな」
侑「本当にやめっんぁっ!」
男「ははっ。もう感じてんじゃねぇか」
下着越しに荒々しく秘裂をなぞられ、侑は体をビクつかせた。両手両足では足りないほど男に抱かれた侑の体は、雑に触れるだけでも反応してしまっていた。その証明のように、侑の目元は自覚無きまま緩んでいき、熱い吐息を吐くようになっていく。
6: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 18:54:40.74 ID:5MStGpbX.net
侑「だ、だめぇ……っふぁ」
なぞられる指先は徐々に丁寧さを帯び始める。荒々しくはあるが雑ではない。的確に侑の弱い部分を刺激していく。男はすでに、侑の体を攻略する方法を習得していた。
侑「そこ……っ、よ、弱いからっあっんんんっ!んぅっあぁっ!」
男「声我慢すんなよ。ほらよ」
侑「な、なかぁ、だめ……っ」
男の太く長い指がゆっくりと蜜壺の中へと入っていく。侑の膣内は既に濡れており、男の指をぎゅうぎゅうと締め付けていた。
男の爪は綺麗に整えられていた。蜜壺の中を傷つけないように、ではない。痛みを一切与えず、快楽だけを一方的に送り込むためだ。
侑の蜜壺は、徐々にねっとりとした愛液を分泌し始める。ぐちゅぐちゅ、と遠慮の無い音が侑の部屋に響く。
侑「いっ、イクっ、イクイク……っ。やだっ、やめっいぃっ」
侑の足はいつの間にか間隔が開いており、ガニ股になって男に縋りつく体勢になっていた。男に抵抗するために弱々しく押していたはずの手は、抱擁の手へと変わっていた。
男「一丁上がり、と」
侑「んぅう、あ、んんんあああああっ!……は、はぁ、はぁ」
侑は容易く達してしまった。男には何度絶頂の快楽を教え込まれたか数知れない。教え込まれれば教え込まれるほど、絶頂へ至る道筋は容易になっていき、快楽の程度も深くなっていく感覚があった。
9: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 18:55:43.02 ID:5MStGpbX.net
侑「んぁっ」
突然、男は侑の顎へと手をやる。荒々しい所作は侑を一瞬だけえずかせる。自然と侑と男の視線は交錯する形になる。
男は野生味ある表情に笑みを浮かべる。
男「もう蕩けきってんじゃねぇか。よえぇなぁ」
侑「……っ」
侑の表情は快楽によって蕩けていた。羞恥と快楽によって朱に染まる頬。侑は何とか男を睨もうと眉を上げたが、淫靡に濡れた瞳では官能的に見えるだけだった。
男「じゃあ、脱げ。自分でな」
侑「や、やだよ……。私、今日はえっちしないもん。そういう約束じゃなかったもん」
男「あぁ……もう、面倒くせぇなぁ。いいのか?俺が上原のところに行ってもよ」
侑「それは……」
男は一度、侑の幼馴染である上原歩夢に振られている。自尊心を踏みにじられた男は歩夢への攻略法を考え、まずは侑へと近づいた。
男は侑へ振られたことを相談し、侑に慰められた。自分が被害者であることを強調した男は、侑に対し無理やり体の関係を迫った。ここで侑が断ったら、歩夢の身に危険が及ぶことを暗に仄めかしながら。
抵抗した侑だったが、その毒牙が歩夢へともう一度剥くことを恐れ、一度だけ、と体を許してしまった。当然ながら、一度で終わる訳もなく、いたずらに侑の体は何度も何度も蹂躙され、体は男好みに開発され尽くされた。
そして侑も、最初は歩夢を守るためという建前で抱かれていたのが、男に教え込まれた快楽をもう一度味わいたい、という性欲が強くなっていき今に至る。
10: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 18:56:43.95 ID:5MStGpbX.net
男「お前が素直になるまで、今日はずっとイかせ続けるか?」
侑の下着のクロッチ部分にもう一度手が触れられる。侑はその性的刺激で思わず目を瞑りながら体をビクつかせた。体は男の指を欲しているのか、侑の膣内は絡みつくように蠕動していた。
侑「わ、分かったよ……。んっ……」
侑は虹ヶ咲学園の制服を脱ぎ始める。体を重ねる瞬間が少しでも先送りになるよう、衣服を一枚一枚焦らすように脱いでいく。
上着が脱げると、白いキャミソールが見えた。キャミソールは豊かな双丘によって不自然な曲線を描いていた。
侑「んぅっ、って、ちょ……まだ脱いでる途中っ」
男「いいだろ、別に。俺の体なんだから好きにしてもよ」
男は適当に侑の胸を揉み始める。キャミソール越しでも侑の胸の柔らかさは十分に分かる。弾力と柔軟性、その二つが見事に調和した揉み心地だった。
そうして適当に揉んでも、侑は簡単に体を反応させる。肩をビクつかせ、毛深い男の腕を何となく掴んだ。
侑「ん……は、はっ……んぅう……」
切なげな熱い吐息を何度も漏らす。侑の性感はどんどん高まっていき、体は徐々に汗ばんでいく。しかし、性感が高まれば高まるほど、甘い刺激だけでは満足できなくなっていった。
男「高咲、乳首も触って欲しいんだろ」
侑「っあぁ……そんなこと、ない、し……」
男「何言ってんだよ。自分で乳首触ってんじゃねぇか」
侑「え……あ、こ、これは違くて!」
男を掴む方とは逆の手は、いつの間にか乳首へと伸びていた。無自覚に自分で快楽を得ようとしたことが露見し、羞恥によって侑の顔が真っ赤に染まった。羞恥だけでなく、男に教え込まれた快楽に敗北したことへの情けなさも感じていた。
11: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 18:57:45.59 ID:5MStGpbX.net
男「いいから早く脱げよ」
侑「……分かったって」
侑は時間を遅らせても逆効果にしかならないことを悟り、テキパキと脱いでいく。
侑「うわぁ……」
脱いだ下着からねっとりとした糸が引いているのを見て、自分の興奮度合いを知った。
侑の濡れ具合は既に知られてはいるものの、乳房と股を手で無理やり隠し、全てを脱ぎ終わった。キッ、と睨む視線は勇敢だが、その瞳にはこれから行われる性行為への期待の色も見て取れた。
男「まずはいつも通りでな」
侑「うん……」
いつも通り。
それは侑と男によるルーティンに他ならない。再び聞き返すことは無いほど、侑と男は体を重ねてしまっている。
侑は男の目の前に膝立ちとなった。男の履いているタイトなズボンのベルトの金具を外して脱がせていく。膝ほどまで脱がしたところで、閉じ込めていた男臭さが鼻の中に届き、侑の下腹部は熱を持ち始めた。
まず、侑は下着越しにも分かるほど屹立した陰茎を撫で始める。下からなぞる様に、上から降ろすように。下着は我慢汁によって薄っすら濡れていた。
男「あふっ……」
侑「君も大概弱いよね……」
男は侑の愛撫によって声を漏らした。それほど侑は男仕込みのテクニックを教え込まれていた。体の性感帯も、性技も、全ては男由来のものである。
次に、パンツ越しに侑は舌を這わせ始める。下から上になぞると、たまった涎が下着に付着した。そのまま亀頭の部分にまで舌を這わせ、亀頭を口に含んだ。
12: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 18:58:47.02 ID:5MStGpbX.net
侑「はむ……んっ、んっ、んっ」
そのまま両手で睾丸をいじりつつ、頭を上下に動かしていく。
男「おおっ……。たまんねぇな高咲。だめだ。我慢できねぇ。パンツ脱がして次だ」
侑「……ん」
下着越しの亀頭から口を離し、侑は下着を下ろした。すると、男の腹に跳ね返るようにして陰茎が姿を現す。赤黒い亀頭、大きく落差のあるカリ、長く反り返った竿。男の陰茎は暴力的な見た目をしていた。
侑「相変わらず……おっきいね」
男「これが高咲の中に何度も入ってたんだぞ?」
侑「未だにちょっと……信じられないかも」
男「事実だ事実。ほら、御託はいいから次だ」
侑「分かってるって……」
侑は覚悟を決める為に一度大きく息を吐く。
侑は男の隣へと場所を移した。顔の高さを男の乳首付近にまで落とし、舌を出した。
侑「れぇろ……ちゅっ、んっ」
侑は男の乳首を舐め始める。まず乳首を舌で潰すように圧迫していく。舌先からキラキラ光る涎が乳首に付着し、それが潤滑剤となる。
それと同時に、侑は左手で男の陰茎をしごき始める。男のそれは巨根と言って不足しない長さ・太さを持っているため、侑の手は完全に回り切らない。しかしそれでも、慣れた調子で陰茎を前後に擦っていく。すでに我慢汁は駄々洩れな為、ぬちゅぬちゅ、と淫猥な音が鳴っていた。
13: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 18:59:48.54 ID:5MStGpbX.net
侑「ちゅぅ……えっ、れろ……んぇろれろれろ……」
男「おぉ……やべぇわ高咲の乳首舐め……」
侑「……」
恍惚の声を漏らす男に対し、侑は悦びを感じていた。自分が男に対し性的快感を与えているという確かな自負。無意識の内に思っており、自覚すれば自己嫌悪に陥るだろう。
侑のしごく手は単純な順手だけでなく、逆手に変化したりカリの部分だけを攻める変則的な動きになっていく。そうした変則的な動きに細かく表情を変える男に対し、侑は征服感すら覚えていた。
侑「気持ちいい……?」
男「あぁ、めっちゃ気持ちいいわ」
侑「そっか……。んっちゅっ、れろ、ちゅぅう……はっ、は……」
侑はたまに乳首から口を離して亀頭部分に涎を落とし、性感を高める行為を欠かさない。これは男に教わったことではなく、自主的に考え出した行為だ。男は侑が涎を落とす度、暗い笑顔を浮かべる。
男「あぁ、クソ、イっちまう。最初は口の中だ高咲っ」
侑「ん……。あ~むっ」
侑は男の股間の前に移動し、陰茎を咥えた。侑の口内はあらかじめ唾液を溜めておいたため、男へ深い快感をもたらした。
侑「んっ、んっ、じゅるっ、んんぅ……んばっ」
規則的な前後運動。亀頭に差し掛かったところで口をすぼめて思いっきり吸いにかかる。陰茎を吸う音が下品であり、逆にそれが二人に興奮を生じさせた。
男「あぁ、イク、イク……!イクぞ高咲!」
侑「じゅるるるる、んっ、んっ……んぅぅぅうううう……っ」
男は侑の後頭部を乱暴に掴み、侑の喉の奥へと精を発射した。喉の奥の奥にまで亀頭が到達し、思わずえずく侑だったが、その動きさえも男の快楽へと変換される。男の尻は射精の快感によって不規則に痙攣し、精子を出し終わるまで侑の後頭部を小刻みに動かした。
14: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:00:50.56 ID:5MStGpbX.net
男「……あぁ、気持ちかった」
侑「んぐ、んぐ……。ん?なんか、今日のはちょっと飲みやすかった気が……」
男「あ……?あぁ、そうか。今日のは飲みやすいかもな」
侑「……?」
男のその言葉に侑は頭を傾げた。しかし、今は鼻の奥を突く精子の饐えた臭いと、舌に残る苦味を消すので精一杯だった。何度も口の中に出されたとはいえ、未だにこの味と臭いだけは苦手だった。
男「ほら、掃除しろ。余すことなくな」
侑「うん……。あ~むっ。んぅう……じゅるるる……」
男「あ~、これがたまんねぇんだよ、これがよぉ」
侑は男の表情を見ながら、口を前後に動かしていく。自然に動いた指先は、男の乳首へと向かっていく。未だに残っていた自分の唾液を器用に使い、乳首への刺激を強めていく。男は快楽によって口から涎がこぼれ始めていた。
男「あぁ、クソッ!このままだともう一回口ん中出しちまう。オラッ、本番行くぞ」
侑「んへっ……。うん。ゴムはあるんでしょ?」
男「あぁ、鞄ん中に入ってる。下手に妊娠でもされちゃ迷惑だからな」
男のその言葉に、侑は口を尖らせた。
侑「迷惑て……。そんなこと言ってると、サービスしてあげないけど」
男「あ~、わーったわーった。ゴムをするのはお前の体の為だよ。ったく……めんどくせぇ」
侑「あはっ。ほんと、そういう時だけは殊勝になるよね」
15: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:01:54.09 ID:5MStGpbX.net
侑はここまでの流れによって、性交への気持ちを昂らせていた。乗り気では無かった情事も、今では積極性を増している。
男が鞄の中から取り出したのは極薄のコンドームだった。それを破ろうと手に掛けたが、その手を止めた。
男「っと……。んの前に今日はやりたかったことがあんだよ。高咲、使ってもいいタオルはどこだ?」
侑「え?洗面台にあるけど……」
男「りょーかい。取ってくる」
侑「タオル……?何に使うんだろう」
侑はそう言いながら、傍らにあるソファベッドへと寝転ぶ。
突然本番が中断されたことで、侑は熱を持った下腹部が切なくなる感覚を覚えた。男は洗面台へと部屋を出ていってしまったため、この疼きを解消してくれる者はいない。侑の手が自らの秘部へと向かったのは自明だろう。
侑「しょうがない……これはしょうがないことだもん……んんっ」
侑の手は的確に陰核を刺激し始める。膣内では得られない、甘く痺れるような手軽に得られる快楽。
侑「ぁっ、んぅあぁっ!んんぅ……ふぁ、ああっ」
強い快楽に視界が明滅した。しかし、快楽を貪る手は止められなかった。押して、挟んで、つまんで、様々な方法で陰核を刺激していく。
男「あ、おい。先に始めんなよな。ったく……」
侑「あ……」
部屋に戻ってきた男によって自慰行為は中断させられた。またしても疼きは収まらないまま、下腹部にはより強まった熱だけが残る。
16: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:02:53.66 ID:5MStGpbX.net
男「おら、尻上げろ。下にタオル敷くんだよ」
侑「え、うん……。って、まさかこれ」
男「おう。ようやく気付いたか。頭の回転おせーな」
臀部の下に厚手のタオルが敷かれたことで、侑は今から起こることをイメージできた。潮吹き。未だに侑が経験していないことだ。
男「ちょっと漫画で読んでよ。やってみたくなっちまったんだよ。俺もまだ他の奴らにやらせたことはねぇが……高咲ならイケんだろ」
侑「ちょちょっ!潮吹きってさ、そう簡単にできるものじゃないんじゃないの?それに、中痛めたら……」
男「いいからヤらせろっつーの。上原んとこ行って、上原に同じこと強制させてもいいんだぞ?」
侑「ぐっ……。分かったよ……。でも痛かったらすぐ止めてよ?」
男「あぁ、分かってるよ。俺は女にゃ優しいんだ」
侑「どの口が言ってるんだよ……」
侑は観念し、上体をソファベッドの上に投げ出した。同時に、近くにあった枕を胸の前に抱いた。侑の胸中は、潮吹きという行為自体の怖さがあり、同時にこの下腹部の疼きを止めてくれるかもしれないという期待もあった。
思いっきり、乱暴でもいいからかき回して欲しい。そういった気持ちも、胸の奥底には潜んでいた。
男「それじゃあ……おう、まだまだ濡れてるな」
侑「んぁっ」
17: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:03:55.81 ID:5MStGpbX.net
男の太くゴツゴツした指先が秘裂をなぞる。すると、やはり簡単に侑は快楽を感じてしまう。男の太い指は、次第に濡れそぼる蜜壺の中へと侵入していく。
枕を抱く侑の体は面白いように跳ねた。その反応を見て、男は嗜虐心が高まっていくのを感じた。
侑「はぁ、んっ……んむぅっ」
枕に顔を埋めるような格好になり、喘ぎ声はくぐもり始める。どうしようもなく感じてしまう表情を見られたくない一心での行動だ。
男「ここを撫でられても、まだ顔を隠す余裕があるかな?」
侑「あ〝」
男の指が触れたのは、膣内のややザラザラした場所。そこを腹部の方向に押すと、侑は強烈な快楽を感じた。脳みそに無理やり送り込まれるような快楽。
一方的で暴力的な快楽に怖さを感じる一方で、さらなる快楽を侑は欲しがっていた。
侑「だ、だめだめっ。んぅっ!そ、こ……だめ、だめぇっ!感じ……んぁあっ!すぎちゃ……っ!!」
男「ほら、トントン、トントン」
侑「ふぁぁっ!んっ、んぁあっ!あぁあああっあんっ」
規則的なリズムで何度もGスポットを攻められる。膣内からはピチャピチャ、という音からビチャビチャと、水音が次第に大きくなっていく。愛液は増え続けるばかりだが、男が望んでいるのはその上だった。
侑「あ、ぐっ……あぁっ!?んんんぅーっ!!んぐぁぅうっ!」
すでに侑の手から枕は離れ、床に転がり落ちている。侑の手は愛撫する男の腕を掴んでいる。侑は口から喘ぎ声を汚く漏らしながら、愛撫を止めるように顔を横に振り続ける。それを見て、男はむしろこのまま続ければ、いずれは潮を吹くと判断した。
18: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:05:01.54 ID:5MStGpbX.net
侑「いっ…あ、んぐぁっ!あぅうああああ……っ!!」
侑は上体を完全に起こし、ソファベッドの縁の部分を掴んで必死に快楽に流されないよう抵抗した。しかし、膣内の刺激によって脳に送り込まれる快楽信号の前に、その抵抗は無意味であった。侑の腰は痙攣によって何度も跳ね、口からはいつの間にか糸を引く涎が流れ始めていた。
侑「はっ、はぁっ!だ、だめ……っ!わかんない!んぁっ!わ、わかんないなにか、きちゃう!きちゃうから!んんんんぅーっ!!」
頭がチカついて視界を明滅させながら、侑は下腹部にこれまでに無い感覚を覚え始めていた。
侑「いぐぁっ!?ち、乳首もなんて……んぁああっ!」
男は侑の反応を見て、綺麗な桜色の乳首を抓った。テクニックなんて関係のない乱暴な触り方であったものの、今の侑にとって敏感な部分は全て快楽に変換されていく。そうして性感が最大まで高まり切ろうとする瞬間、侑の中で堰が壊れるような感覚があった。
侑「で、でちゃう!おし…んんっ!おしっこでちゃっぁああっ!でちゃうからとめて!!」
今まで感じたことの無い、暴力的で快楽とも痛痒とも言える感覚。それが、最大まで高まり切ってしまう。
侑「い、ぃいいいい……くぅっ!い……あ〝ぁ〝っ〝」
侑が今日一番腰を思い切り跳ね上げた瞬間、陰部から勢いよく潮が吹きだした。ガクガクと腰を痙攣させながら、数秒間潮吹きは止まらなかった。男が事前に用意したタオルは、水を張った洗面器に浸けたように濡れていた。また、勢いが強すぎたのか、男の顔面、上半身にまで満遍なく潮はかかった。
侑「あぁ……っ。ぁぁはっ、はっ……はぁ、はぁ……」
侑の体感時間では、潮を吹いた数秒間が途轍もなく長かった。異性に自分の痴態を全て見られてしまった羞恥。そして、潮を簡単に吹いてしまえるほど自分は開発され切ってしまったという証明。全てが悪夢ならいいのに、と心の中で思う侑だったが、それ以上に。
侑(きもち、よかった……って考える私はもう……)
19: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:05:59.71 ID:5MStGpbX.net
すでに自分の脳は、強すぎる快楽によって壊れているのかもしれない。
男「うっほ~。すげぇなおい。潮吹きって現実でもできるんだなぁ……って、これって本当にお前の小便じゃねぇよな」
侑「し、知らないよそんなの……はぁ、もう……疲れた……」
男「おいおい、まだ本番がまだなんだぜ?倒れて貰っちゃ困る」
侑「んぃっ、だ、だから、突然乳首抓らないでよ」
男「ほら、コンドーム先輩もお前の膣内味わいたいってぬるぬるしてらぁよ」
未だ侑の体は、先ほどの強い快楽によって上手く動かせない。時折、遅れてきた電気信号によって腰がビクつくほどだった。そんな今、侑の中に男の巨根が挿入ってしまえば、その後は考えなくても分かるだろう。
なす術もない蹂躙。それが未来だ。
侑「……貸して」
男「おう。いつもみたいに口でな」
侑「分かってるよ」
そう言い、侑は自発的に男からXLサイズのコンドームを取った。
侑(早く終わらせれば、その分長く休憩できるし……)
それが侑の考えた自衛の方法だった。しかし、侑は自らの下腹部に、未だ燻ぶる熱があるのを感じていた。この熱を冷ますには、より多くの快楽を貪ることが必要だ。
より多くの快楽。それは潮吹きの時のように与えられるだけで無く、自らが積極的に動かなければ手に入らない快楽。侑の体は、これから来る蹂躙に完全に乗り気だった。
20: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:07:01.12 ID:5MStGpbX.net
侑「ん……」
男「おぉし、ぴったりだな」
侑は口に咥えたコンドームを慣れた調子で陰茎に装着した。
男は四つん這いにになって付ける侑の腰付きを見ていた。音楽科でインドアな生活をしていてもしっかりとくびれた腰付き、その向こうにはもっちりと肉付きのいい臀部があった。見ているだけで屹立した陰茎がさらに硬度を上げていくのが分かった。この後すぐに得られる快楽を考えると、男は生唾を飲み込んだ。
侑「……イったばっかりだから、始めはあんまり激しくしないでよね」
コンドームをつけ終わった後、侑はソファベッドにごろんと仰向けに転がった。挿入し易いようにやや足を広げ、片腕で胸の下を抱くような姿勢だった。
男「あぁ、激しくしねぇよ。始めはな」
侑「……うん」
男「うし、おっぱじめんぞ」
侑「あ……んっ、ちゅっ……」
男は侑に覆い被さるような形になり、その桜色の唇に優しくキスをした。男は本番を始める前、必ずキスを挟むのを好んでいた。
侑「んぅ、あん……っ」
キスをしつつ、陰茎で侑の股を上下に擦り始めた。甘い快感が侑の脳髄に伝わった。その甘い快楽をもっと求めるように、無意識の内に侑の腰はゆっくりと動いていた。
侑「はっ、はぁっ……ちゅ……れろ、んぅちゅる……んぅ」
男の舌は侑の唇を割り、口内へと侵入し始める。侑もそれを受け入れるように口の筋肉を緩めた。互いに互いの舌を求めるように絡め合い、男は侑の口の中へと自分の唾液を送っていく。
侑「んぅ、れぇろ……んんっ!……ちゅ、ん……んぐ、んぐっ」
時折陰核を擦られる強い刺激に声を漏らしながら、侑は男の唾液を飲み込んでいた。味がどうこうの話ではなく、男の唾液を飲み込むことで侑は興奮度合いを上げていく。
侑「……ねぇ」
男「あ?もう我慢できなくなっちまったのか?」
侑「……」
言葉少なく、侑は男の陰茎を掴んで膣内の入り口へとぴったりと付けた。だが、腰を動かして中には入れなかった。それが侑の最後の抵抗……もとい建前だった。
22: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:08:04.81 ID:5MStGpbX.net
男「分かった分かった。俺が入れるって……うおぉ……」
侑「……ん、んぅぅう……っ」
男はゆっくりと腰を沈め始めた。侑は徐々に膣内へと陰茎が入る感覚に、思わず目を瞑る。陰茎が侑の最奥へと届いた瞬間、侑は耐えきれず顎を天井へと反らす。
侑「はっはっ……やば……。今日めっちゃ感じちゃう……」
頬を朱に染めながら、切なげな吐息と共に言葉を漏らす。
男は何も言わず、緩慢な動きで腰を抜き始めた。その動きに、侑は喘ぎ声が出ないくらい快楽を感じ、熱い吐息のみを吐いた。
その反応に男は調子を良くし、段々と抽挿の動きを激しくしていく。
侑「んっんっんぅあぁっ!こ、れ……やば……っ!あぁっ!」
たんたん、と正常位の体勢で規則的な音が鳴り始めた。侑は耐えきれず大きな嬌声を出し、思わず男の背を両腕で抱き寄せた。抱き寄せて縋る場所が無ければ、処理できない快楽に溺れてしまう。
侑の豊かな双丘は、男と密着したことでぐにゃりと形を変えた。何度も抽挿される腰の動きにより、形を歪ませながらも胸は波を打っていた。
男「締め付けすぎだろッ!もっと緩めろっての!」
侑「あっ、ふぁぁあっ!そ、んなこと……あぁんっ!言ったって……んんぅ!」
キツく締め上げる侑の膣内は、男の陰茎に休む間を与えない。この互いが互いの快楽を貪るような動きは、先ほどの唾液の交換に似ていた。
侑「弱いとこばっか……っ!やめっんぁあんっ!だめっだめっ!い……いくいくっ!」
侑はそのまま弓なりに腰を浮かせ、絶頂へと至る。ビクビクと腰を痙攣させる侑だったが、男は打ち付ける腰の動きを止めずに続けた。
23: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:09:05.95 ID:5MStGpbX.net
侑「あがっ!?い、今!イったっ!あぁっ!んんんぅうああっ!!イったって!!やだやだっ!やめっ……んんんぅうううっ!?」
絶頂を迎えた後、さらなる抽挿によって侑はもう一度達した。男の背に回した手は爪が食い込むほど強くなったが、男はそのくらいの痛みを無視した。
侑「いぐぁ……っ!んんぅうああっ、はっ、はぁぅうぁっ!あっうぅぅううぁあっ!?」
もうこれ以上絶頂を迎えれば壊れてしまう、と感じながらも、侑は自ら腰を動かしていた。膣の奥のポルチオをより刺激するように、自分の気持ちのいい場所を的確に抉るように、陰茎の動きを誘導していた。
男「あぁ……くそっ。もう射精すぞ!!」
侑「んっ、んぁあっ!あぁんっ……!だ、射精して……っ!んんんぅう……っ!」
男「うっ、ぐぅ……」
男は尻を不規則にビクつかせ、子種を出し始める。
男「ふっ、ぐっ、うおぉ……」
侑「……んっんんぅうっ、ぁあっ」
侑は最後の一滴まで搾り取るように、腰を揺らす動きをやめなかった。その動きでもう一度、侑は軽い絶頂へと至った。
紅潮した頬、切なげに漏らされる熱い吐息、ビクつく動きだけで与えられてしまう強い快感。侑は完全に、出来上がっていた。
男「ふぅ……それじゃあ、抜くぞ」
侑「ん……。んはぁ……っ」
全てを引き抜かれた瞬間、侑はひときわ大きく体を弓なりに反らした。侑は片腕を両目を隠すように覆い、絶頂の余韻に浸っていた。
侑(や、やばい……。今日はほんとに感じやす過ぎてる……。ほんとに今日壊れちゃうかも……)
24: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:10:07.72 ID:5MStGpbX.net
男「ふぅ……んじゃ、続けて二回戦行くぞ」
侑「ちょ、ちょっとだめ……。休ませて……」
男「新しい奴装着するまでは休んでていいぞー、って……マジか」
侑「……?」
男はコンドームをくるくると結んでゴミ箱に放り込んだ後、鞄の中を見て困惑していた。
上手く働かない頭であっても、侑は男が何に困っているのか分かった。
侑「まさか……無い、とか言わないよね」
男「そのまさかだよ。あ~、くそ、さっき使いすぎちったかぁ……」
男は眉を顰め、これからのことで悩んでいた。
侑は勿論、継続しない一択しか考えていない。考えていないはずだったが、終わりを告げる言葉を吐けずにいた。まだ、もう少しだけ、もうちょっとだけ、快楽が欲しいと、心が叫んでいたからだ。
侑「どうするの?さすがに生は……赤ちゃんできちゃうかもしれないし」
男「……ははっ。ヤらないって選択肢は無いんだな高咲。変態じゃんか」
侑「な……!そんなことないもん!もう帰ってよバカ!」
男「いてっ。枕投げんなよな、ったく……」
25: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:11:09.70 ID:5MStGpbX.net
侑は羞恥によって顔を紅潮させた。そして顔を見られないよう、体操座りになって膝に顔を埋めた。
しかしその仕草が、男の劣情を煽った。
男「……はは。そそるなぁおい」
男は体操座りした侑の股の部分を見て呟いた。体操座りしている侑だったが、膝のところで八の字を描くように足は開いていたため、股の秘裂が丸見えだった。たまにヒクヒクと動く膣の入り口は、未だに陰茎を迎える準備は万端であり、テラテラと光っていた。
やや硬さを失っていた男の陰茎は次第に硬度を取り戻していき、簡単に天井を向いた。
男「なあ、高咲。絶対に外に出すからよ……。な?」
侑「外に出すって……」
男は体操座りする侑の傍へと腰掛け、左手を股へと伸ばした。残った右手は大きな乳房をぐにぐにと歪ませるのに使った。
侑「んぅ……ちょっと……。外に出すって言ったって、生で挿入しただけでも……ぁあっ」
男は秘裂を小さい円を描くように愛撫し、時折陰核を柔らかく刺激していく。抵抗の意志を見せる侑の言葉だったが、言葉尻はだんだんと弱くなっていく。
イケる、男はそう判断した。
侑「カウパーだけでも……って、ちょっ!足、開かないで!だ、だめだって!」
男「いいから」
侑「いいからじゃないって!妊娠してもいいの!?」
男「……」
男はもう一度侑の正面へと座り、閉じた足を開き始める。当然侑は抵抗したが、その力は弱く簡単に開き切ってしまう。
侑にはいくらでも抵抗の方法はあった。男の胸を思い切り押して抵抗することもできた。男の頬を張り上げる抵抗の仕方もあった。しかし、そのどれも選択しなかった。
26: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:12:11.15 ID:5MStGpbX.net
男「な、体験したくないか?生の快感って奴をよ」
侑「生の快感って……。でも赤ちゃんができ──」
男「子供どうとか関係ねぇよ。生の快楽を味わいたくないのかって俺は聞いてんだ。本当は体験したいんだろ?」
侑「うぅ……んんっ……」
侑はペチペチと膣の入り口を硬く屹立した肉棒で叩かれた。
生で感じられる快楽。それは男に何度も抱かれてから頭で考えたことはあった。しかしこれ以上思考を進めることは危険だと判断し、早々に思考を打ち切っていた考えだった。しかし、考えたことがあるということは、ヤりたいという結論まではいかなくとも、期待と好奇心があることの証左でもあった。
男「ほら、挿入れるぞ?嫌なら全力で抵抗しろ」
侑「だ、だめだって……や、やぁあ……」
腰を深く沈みこませる男に対し、侑は軽く胸を押すだけの弱々しい抵抗を見せた。
何も阻むことの無い生の陰茎は、徐々に侑の膣内へと侵入していく。
侑「ん……っ!?はっ、はぁぁああんっ」
最初は赤黒く太い亀頭が侵入を果たし、竿の部分がそれに追従していく。
侑の体はこれまでに無い反応をし、腰を浅く浮かせ、腹部の浅い部分を若干痙攣させた。
生の感触が余りにも気持ちよかった、というだけでは無かった。
本当は挿入してはいけなかった生の肉棒。本当は全力で抵抗して絶対に侵入を許してはいけなかったこと。その最後の防波堤を破ったのが、自らの下卑た性的欲求という証拠が、侑の脳内を今までにない興奮状態へと誘っていた。
侑「ひぅうっ、あっあぁあっ!!んぅぅううう……っ!!」
生の肉棒は侑の最奥にまで到達した。その瞬間、侑は思い切り顎を反らし、容易く絶頂を迎えてしまった。生の肉棒という身体的な上位の快楽、理性が性欲という本能に敗北したという証拠。精神と身体が限界まで高まり、侑は絶頂してしまった。
27: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:13:11.88 ID:5MStGpbX.net
男「おいおい、簡単にイキすぎだろ。まだまだこれからだ、ぞ……っ!」
侑「あっ、あっ、あぁっ!んっんぅう!?あ、だめこれっ!カリがぁっ!んはぁああっ!?」
挿入れられた陰茎が抜く動きをすると、暴力的なまでに落差のあるカリが侑の膣内を抉っていく。Gスポットを的確になぞる動きに、侑は何度も軽い絶頂を感じてしまう。
侑「あっ、んぐぅ……っ!はっ、はぅううああっ!あっあっあぁああ……っ!!」
男「オラッ、こっからだ!!」
侑「ひいぃああっ!?そ、それ!んんぅうううう!!だめなとこまで入っちゃっ!んぅううああっ!ふ、深すぎっ!だめだめだめだめ!届いちゃいけないとこ!!んぁあああっ!!」
男は侑に覆いかぶさりながら、足を爪先立ちにした。すると、男の腰の角度が大きくなり、肉棒は膣内のより深いところへと届き始める。一層侑の嬌声は激しくなり、男の腰の動きもまた激しくなる。
じゅぷんっ、じゅぱんっ、と腰を打ち付ける音と粘膜の水音が叩かれる官能的な音。その音が男の興奮を一層引き立て、腰の動きを加速させていく。
侑「あっ、うぅん、ぁっ!?んぐう……っ!あぁあ!?ちょ、ぁあっ!?お、おっぱい、今っ、び、敏感だからぁっ!ひぅぃいいっ」
男は上体を起こし、侑の波打つ双丘を荒々しく掴む。腰を打ち付ける度に前後に揺れる二つの乳は、見ているだけで興奮を覚えた。腰の動きを止めないまま、ぐにぐにと揉んだり、思い切り乳首を抓ったり、最後は乳首に吸い付いた。
侑「す、吸うのやぁっ!んんぅうっ。な、膣内も乳首も、気持ちよすぎちゃうっ!あぁあああっ!またい……くっ!!」
ビクビクっと侑はまたしても絶頂した。生で挿入されてからもう幾度目か分からない絶頂だった。膣内も乳首も感度は最大限まで上昇し、絶頂の深さも大きくなっていく。
男「くはっ、やっぱ高咲最高だぜっ!胸もでけぇし中の具合もたまんねぇしよぉ!感度もたけえセックス人間じゃねぇか!」
侑「あっ、あっ、んぅあっ!んっ、んぁう……っ!」
男「こんな姿、上原が見たらどう思うんだろうなぁ!?おい!」
侑「ひぁぅうっ!!」
男は思い切り乳首をつまんだ。それと同時に、歩夢の名前が出たことで侑の膣内はビクビクと蠕動した。
28: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:14:14.63 ID:5MStGpbX.net
男「おぁ?上原の名前出した途端、めっちゃ締め付けるじゃねぇか。なんだよ、おい。どういうことだぁ?」
侑「ふぁ、んぅうう……っ。んはっ、あぁぁああっ!?」
侑は上手くまとまらない意識の中、不思議に感じていた。歩夢の名前が出された瞬間、膣内がギュッと収縮したのだ。また、脳内はより強い興奮を体の各所に送り始めていたことにも気づく。
侑(な、なんで私こんな興奮してるの……!?)
侑「あっあぁぁあんっ!ふぁぁああっ!んんんんぅう……っ!?」
男「おいおい、まさかお前、上原のこと好きなのか!?おい!!」
侑「ひぃんっ、あ、歩夢のっこと……っ!?んむぅうぁあっ!」
男「おいおいっ。マジかよ高咲お前ェ!オラッ、もっと上原の名前呼びながらイケよ!おいっ!」
侑は快楽の渦に呑み込まれながらも、心中では愕然としていた。自分は幼馴染である歩夢のことを考えながら性交に及ぶと背徳的な快楽を得てしまうこと。それが証明されてしまったのだ。また、どうやらその背徳感に正体は、歩夢へ親友以上の気持ちを抱いているからに他ならないこと。
その大切な気持ちを、侑は男によって自覚させられた。
男「言えっ!ほら!歩夢って叫びながらイケよオラッ!!」
侑「んんぅううああっ!はっ、はぅぁあっ!あ……あゆ、むぅうっ!」
男「そうだよオイッ!」
侑「あゆ、あゆ……むぅっ!あゆむぅっ!きもち、きもちいぃいいよぉっ!あゆむぅっ!」
歩夢の名前を呼ぶたびに、侑の興奮と快楽は大きくなっていった。それと同時に、侑の中にあった犯してはいけない禁忌の何かが侵されていく感覚があった。しかしそれさえも背徳の快楽へのスパイスとなり、甘く刺激的な快楽の材料となった。
そして侑は男の首に手を回し、口づけをし始める。
侑「ん、んぅう、ちゅぅ…ちゅる、はゆ、はゆ、む……んんぅうううっ!?」
男は侑からの積極的なキスによって興奮を高め、腰の動きをさらに激しくしていく。パンパン、という腰を打ち付ける音から、バツン!バツン!という膣の最奥が壊れてしまいかねない暴力的な音となった。
29: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:15:16.88 ID:5MStGpbX.net
二人の上半身は一切の隙間が無いくらい密着していた。侑は頭が快楽によって壊れないよう、首に回した腕により力を籠める。
侑の口からはどちらのものか分からない涎が糸を引き、首元へと垂れた。
男「あぁああああっ!高咲!!イクぞ……!!」
侑「んんぅぁ……っ!?はっ、はぁんっ、んぅうあっ!だ、だめっ!な、膣内は、だ、だめだって……っ!あかちゃ、んぅぅっ!でき……っんんぅうっ」
男の肉棒は侑の膣内で不気味にビクついていく。侑はコンドーム越しにではあるが、この肉棒の動きを知っていた。もうすぐ射精するという合図であることを、何度も体を重ねたことで理解していた。
男「お、おぉおおおおっ!受け取れ高咲ィ!!」
侑「んっ、はっ、はぅああっ!!あぁん、んんんぅううぁあああああ……っ!?」
男は肉棒を侑の最奥に押し込みながら果てた。侑もまた、初めて感じる発射された精子が膣の奥を叩く感覚に深い絶頂を迎えた。
顎を反らし、絶頂に耐えるように思い切り噛みしめられた唇からは、男のものか侑のものか分からない涎が糸を引いて落ちた。
侑「はっ、はぁっ、はぁぁ……んっ、ちゅっ……」
二人は同様に荒い息を吐きながら、絶頂の余韻に浸っていた。その余韻に浸るよう、侑は自ら男の唇にキスをし、ゆっくりと、緩慢に、舌を侵入させていった。強い絶頂の後の、ピロートークのようなディープキスは、言い知れない甘い快感をもたらした。
侑「んぅ……。はぁ……きもち、よかったぁ……」
その長いディープキスが終わった後、侑は大きく嘆息を吐いた。
途端に力が上手く入らなくなった侑は、倒れ込むようにしてベッドソファに寝転がった。
侑「はぁ、はぁ……うぅ……さい、てーだよ、私……」
快楽が徐々に落ち着きを取り戻し始めた頃、侑は酷い自己嫌悪に陥っていた。生を許してしまったこと、生の膣内射精を許してしまったこと、そして何より、上原歩夢のことを性的欲求のための材料にしたことだった。
今の表情を男に見られないよう、侑は片腕で両目を隠した。その時、腕に水のような感触があった。これが快楽によって生じた潤みなのか、それとも罪悪感によって生じた涙だったのか、侑は考えたくも無かった。
30: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:16:20.27 ID:5MStGpbX.net
男「おほっ、おいおい……。エロすぎんだろ。垂れてやがる……」
侑「ぁあ……っ!?ちょっと……。まだ敏感なんだか、らぁ……っ!んん……っ」
男は無遠慮に侑の秘所を弄り始めた。すると、侑の膣内から白濁の液体が流れ始める。スライムのように粘着力のある精液は、侑の秘所へとこびりついた。
上体を起こしてその光景を見ると、侑は吐きそうなほどの嫌悪感を覚えると同時にどうしようもなく興奮も覚えていた。
侑(あぁ、もう……。もう、もう……っ!)
その時、男の鞄からスマホのバイブレーションの音が鳴った。
男「なんだよ、ったく……。お、いいじゃんいいじゃん」
男はスマホの画面に気を良くし、にたりと笑う。
男「高咲、これ見てみな」
侑「なに……ちょっと今疲れすぎて……え?なに、これ……」
男の差し出したスマホに映っていたのは、歩夢が知らない二人の男の肉棒を咥えている映像だった。
歩夢『んっ、んっんぅう……』
男の後輩A『ちょっと上原さん。俺の方も舐めてくださいよぉ~』
歩夢『んはっ……。分かってる……。あ~……んぅむ、んんぅ……』
男の後輩A『うはっ、めっちゃ気持ち~。やべぇなこれ。って、動画撮ってんのかよ。後で俺にも送ってくれよな』
歩夢『えっ!?ちょ、撮影はやめて!!今すぐ消して!!』
男の後輩B『うるせぇなぁ……黙れよっ!俺たちの言うこと聞かねぇと、あの人から何されっか分かんねぇだろ?』
歩夢『痛っ……』
男の後輩B『ほら、さっさと続きやれよ』
歩夢『……うっ、ぐす、うぅ……。んっ、んぅう……っ』
スマホに映る歩夢は、涙を流しながら二つの肉棒に対しフェラをしていた。嫌々ながらではあるものの、そのフェラの動きは手慣れたものであり、すぐに初めてでは無いことが分かった。
32: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:17:21.05 ID:5MStGpbX.net
侑「なに、これ……」
男「俺の後輩に童貞が一人いたからよ。折角だから貸してやったんだ。ついでに3Pの初体験もやってやろうって思ってな。ここに来る前、実は上原のマンコをほぐすために一回抱いてきたんだよ」
侑「……違うよっ!!何やってるんだよっ!!歩夢にこんな……っ!!」
一瞬で侑は怒髪天を衝いた。目が眩むほどの怒気が頭の中を支配し、男の両目を射殺さんばかりに睨んだ。
侑「私が君の相手をするから、歩夢には手出ししないって約束だったじゃん!それがなんでこんなことになってるんだよ!!」
男「あ~……うるせぇなぁ、ったく。んな約束律儀に守るわけねぇだろが。バカかお前?」
侑「……嘘。嘘だ……」
侑は頭を抱えた。男が律儀に約束を守る訳がない。そんなこと、少し頭を働かせれば分かることだった。しかし自分は、自分の肉体的快楽を優先し、歩夢のことを守った気でいながら何も守れていなかった。そんな自らの愚かさに、侑は打ちひしがれていた。
歩夢への想いを自覚した今日。最愛の幼馴染に対し、自分の愚かさが原因で体を汚させてしまった。侑の自己嫌悪はより強いものとなっていく。それと同時に、侑はとある最悪の考えが頭に浮かんだ。
侑「ねぇ……歩夢が君に抱かれたのって……」
この考えが真実ははずが無い。真実であって欲しくない。侑の脳内は拒絶の感情で席巻されていく。
それに対し、男は事も無げに口を開いた。
男「お前のハメ撮りをチラつかせたら、簡単に股を開いてくれたよ。ははっ、幼馴染なんだっけか?お前ら。とーとい友情だよなぁ……。くははははははっ」
全て、自分のせいだった。男が歩夢に対し強姦した訳ではなかった。強姦では無く、自分の何も考えていない、目先の欲求に目が眩んだ愚かさによって、歩夢は体を許してしまった。侑は顔を俯かせ、瞳に涙を浮かべ始めた。
33: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:18:22.16 ID:5MStGpbX.net
男「おいおい。泣くなよ……ったく。面倒くせぇなぁ。まぁいいや。泣いてる女を犯すってのも、また乙なもんだろ」
男は侑の股を開くために、両足に手を触れた。
侑「……っ」
侑はそれに対し、全力で抵抗を始めた。今までで一番の抵抗、拒絶の意志だった。
抵抗する動きをしていくと、侑の中にあった自己嫌悪・罪悪感はだんだん小さくなっていき、その代わり男に対する赫怒が蘇った。
──この男に、もう一度なんて抱かれてなるものか。気付くのが遅すぎたけれど、まだ取り返すがつく。取り返して見せる。
侑はそう決意を固めた。
そのための一歩として、侑は全力で考えを巡らせた。この男に対し友好な手立ては何か。自分たちに近づかせないようにするにはどうすればいいのか。
その時、侑の脳裏には先ほど見たばかりのスマホの映像が流れた。歩夢の頬を叩いてフェラを続行させた男の後輩。あの後輩は、男と気質が似ていた。それなら……と、侑は抵抗の仕方を変え始めた。
侑「離して、よっ!!やだやだっ!!」
男「ぐぅあっ、おまっ、クソッ!さっさと俺に抱かれろカスがッ!!」
侑は男の胸や両肩を押すような抵抗では無く、男の顔面を狙った。瞼付近、鼻の穴、歯茎など、手や指で触られると拒絶感をもよおす部位。そこを的確に狙っていくと、男は分かりやすく逆上し始めた。
男「いっつ……。クソォッ!!」
そんな時、偶然侑の爪が男の眼球を軽く突いた。粘膜を急に触られると、男は分かりやすく後ろへと仰け反った。
自分よりも遥かに力の無い女が、自分に対して仰け反るような攻撃を加えた、加えられた。その事実は男のプライドを強く刺激し、硬く固めた拳を引いた。
男「ふざけんじゃねぇぞカスがァ!!!!」
侑「あぐっ……」
男の太い腕から繰り出されたテレフォンパンチは、侑の頬を思い切り打ち抜いた。
首の上から頭が吹っ飛ぶような錯覚を覚えるほどの衝撃を受けたが、これは侑の期待通りの動きだった。侑は何とか意識を保ったまま、大袈裟にソファベッドの下の床へと転がった。
男「あ……。クソッ!お前が悪いんだからな!お前が抵抗してくるから悪いんだ!正当防衛だよバカがッ!!クソッ!!」
侑は弱々しく立ち上がる演技をしながら、出てくる涙を抑制しなかった。その光景を見た男は自分のやったことに怯み、いそいそと帰り支度を始めた。
34: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:19:24.70 ID:5MStGpbX.net
男「お前……その怪我が治るまで登校すんなよ?登校しやがったら、上原を地獄の底に落としてやるからな?覚えとけ」
それだけを言い残し、男は侑の部屋から出ていった。
すると、嬌声と怒号が飛び交っていたとは思えないほどの静寂が、部屋を包み始めた。
侑「はっ……地獄の底……?歩夢にとっちゃ、今が地獄だよ……」
卑下するような声音になりながら、侑はぽつりと独り言ちる。
そして、疲労困憊の体を無理やり動かして立ち上がった。すると、股の間から男の精液が垂れ始め、嫌悪感が首元からせり上がって、部屋の中で吐いた。
侑「はっ、はっ、はっ……。ははっ、私って本当にバカだよ……」
男に縋りつき、自分からキスをせがみ、腰を動かして快楽を貪る愚かな自分。それを思い出すと更なる嘔吐をもよおしそうだったが、何とか気力だけで押さえた。気を抜くと滂沱の涙が流れそうになったが、自分にそんな涙を流す資格は無い、とそれも封じ込めた。
侑「絶対に……もう二度と、歩夢を汚させない……っ!」
35: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:20:25.28 ID:5MStGpbX.net
──
それからの日々は、私にとって八つ当たり、若しくは憂さ晴らしの日々だった。歩夢が傷物になってしまったのは、男が悪と断じられるかもしれない。けれど、そもそも私が男に対して憐憫の情を抱き、体を許してしまったことから端を発しているとも言える。つまり、一概に誰が悪であるとか、善であるとか、そういうことは言えない。
だからこそ、私が男に対して行った報復とは、八つ当たりであった。男に思い切り殴られた頬は痛々しい傷痕を残し、包帯さえ巻かなかったため教室ではちょっとした騒ぎになった。そこから教師に呼び出され、事情を聞かれる流れは実に自然であっただろう。
私は一から百まで全て、被害者として体験を語った。男の教師もその場には居合わせたが、私は全て詳らかに、深刻な風に話した。教師の面々は事が事であったことや、余り事を荒立てたく無い様子だったが、私は警察に告発する予定だった。私の本気度を知った教師はやがて、重い腰を上げて協力的になってくれた。
その後も私は色々と手を尽くした。男のあらゆる個人情報を調べ上げ、拡散力だけはあるゴシップ系インフルエンサーに情報を流した。それは全て、社会的に殺す為だ。私と歩夢が被害者であることは秘匿するよう情報操作はしたが、完全に情報封鎖はできず多少は漏れた。男の個人情報を流すということは、多少は私の方も漏れるのは致し方の無い犠牲だった。
男とその取り巻き、歩夢に対し暴行を行っていた動画も証拠として挙げられ、私が後ででっち上げた被害者日記も証拠の一部となり、男たちは警察に捕まった。不幸中の幸いだったのは、男には余罪があった。私の告発によって芋づる式に情報提供が促進されたのは不幸中の幸いだった。私の胸中は、暗い喜びに満たされた。
その間、音楽科の勉強や同好会の活動に割く暇などある訳も無く、学園生活の数か月を八つ当たりだけに使った。
そして現在、ようやく私の考え付く限りの八つ当たりは終わり、男との日々から新たな一歩を踏み出せるようになった。
そう、踏み出せるようになったのだ。しかし、私は二の足を踏んでしまっている。理由は簡単だ。私が八つ当たりの活動に精を出している時、歩夢をほったらかしにしていたからだ。とはいえ、それは歩夢をこれ以上汚させない為に必要なことでもあった。
36: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:21:28.20 ID:5MStGpbX.net
今でも克明に思い出せる覚悟を決めた夜。私はすぐに歩夢の家へと走った。歩夢の家の鍵はすでに開いていて、中には裸で布団にくるまる歩夢だけがいた。恐らく、男の後輩たちは男に連れられて退散したのだろう。
歩夢は胡乱な目つきで私を見ると、矢庭に顔を歪ませた。
歩夢『見ないでぇ!』
悲痛な声音で叫ぶ歩夢の声を、私は一生忘れないだろう。歩夢をここまで汚した男への赫怒はさらに膨れ上がり、私の愚かさがこの顛末を招いたのだと、深く自らに刻み込んだ。だから私は男たちに対して考え付く限りの報復をしたし、情報収集などで自分で賄いきれなくなったお金は家族に黙って無心した。
歩夢のため。全ては歩夢のため。それが私の行動原理であったのは間違いないが、根底にあったのは酷い自己満足であったのかもしれない。けれど、今更考えても詮無きことだ。全てを始めて、全てが終わったのだ。それだけが事実だった。
歩夢「侑ちゃん。こんなとこにいた。寒くないの?」
侑「歩夢……」
私が屋上の手すりに背を預けながら思索に励んでいると、歩夢が来た。以前の歩夢の表情は、道端で懸命に咲く花のようだった。けれど今は、どこか翳りのある表情をすることが多くなっていた。私が歩夢に対して色々な思いを抱えているように、歩夢もそうなのだろう。
私が抱える歩夢への思いは、主に罪悪感だ。男に体を許してしまったことが契機になり、歩夢にまで男の毒牙を許してしまったこと。私が肉体的な快楽を貪っている間に、歩夢は地獄の底のような体験をした。そんな地獄の底にいた歩夢を知ったにも関わらず、私は歩夢の隣で慰めることをしないで報復に身をやつした。
どこまでも自己満足・自分本位な私の行動は、強い罪悪感を生じさせた。
何が仲のいい幼馴染だろうか。一番隣にいて欲しい時に、私は隣にいなかった。
侑「うぅん。寒くないよ」
歩夢「……ねぇ侑ちゃん。どうして私と目を合わせてくれないの?」
侑「……っ」
37: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:22:28.93 ID:5MStGpbX.net
心臓を鷲掴みにされた感覚があった。私は怖かった。温かな陽だまりのような気持ちにさせてくれる笑顔を失った歩夢の顔を見るのが。見るたびに、どうしても贖えない罪悪感が胸にまとわりついて吐きそうになるから。
でも……いずれは対峙しないといけないことなのだろう。
侑「ごめんね、歩夢……。私って、自分勝手だよね」
ぽつりと、聖職者に告解するように呟いた。
侑「歩夢が一番辛い時に、私は隣にいてあげられなかった。本当に、本当に……ごめんね」
私はさらに、俯いた。歩夢の顔はより見えなくなる。
歩夢の返答を待っている時間は、とても長く感じられた。どうやら歩夢も長考して言葉を選んでいるらしい。
歩夢「……正直に言うとね、侑ちゃんには、私の隣にいて欲しかった。隣で一緒に、傷を舐め合って欲しかった。侑ちゃんしか……同じ痛みを分かってくれないもん……」
侑「……そう、だよね」
死にたくなった。歩夢の口からハッキリと言葉にされると、より胸に突き刺さる。でも、これは受け入れなくてはいけない贖罪であり、罰だ。
歩夢「でも……侑ちゃんと一緒に痛みを悲しんでいたら……状況は変わらなかったと思う。あの後も何度も何度も男の人に抱かれて……。春を売ることになっていたかもしれないって思うと、侑ちゃんのした選択は間違ってなかったって……そう思うんだ」
それは……実際その通りであると思う。。私の八つ当たりは歩夢を守るためだった。けれど、その奥底にあったのはやはり自己満足であり、結果的に良い方向に向いたとはいえ、私は私を到底許せそうも無かった。
なぜなら、歩夢を独りにしてしまったから。
独りにしてしまった私に、歩夢の隣を歩く資格など、無いと分かってしまったから。
38: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:23:30.37 ID:5MStGpbX.net
歩夢「ねえ侑ちゃん……。全部、全部……終わったん、だよね……?」
絞りだすように告げる歩夢の声音は、縋るようだった。
歩夢「終わったのなら、もう……一緒にいても、いいんだよね……?」
その縋るような声音は、なんだか前に聞いた悲痛な叫びにも似ていて、思わず私は歩夢の目を見てしまった。
瞼に涙を湛え、歯を食いしばっている表情だった。私の見たくない、悲痛さから来る歩夢の泣き顔だった。
侑「でも……歩夢を独りにした私に……歩夢と一緒にいる資格なんか無いよ……」
その顔を見て、私はやはり俯いてしまう。
歩夢「そんなこと無いよっ!そんなこと……無いよ……」
けれど、そんな私の思いを歩夢は否定した。
歩夢「私が悪いの……。侑ちゃんが何をされているのか気づけなかった私が……。それに、私はあの後部屋で一人閉じこもってるだけだった。何も、何も……行動できないで泣いてた私が、一番悪いよ……!私こそ……侑ちゃんの隣にいる資格なんかない」
歩夢が学園にこうして登校できるようになったのはここ最近だ。
私は歩夢のその言葉を聞いて、ハンマーで殴られたような感覚に陥った。
歩夢を傷つかせないために行動していたのに、私はまたこうして、歩夢を傷つけてしまっている。
何をやってるんだ私は……っ。あの時は隣にいてあげることはできなかったけれど、今は歩夢の隣にいることができる。資格があるとか無いとかじゃなかった。
私は今、歩夢の隣にいるべきなんだ。
私は歩夢へと駆け寄った。そして、歩夢を壊れてしまうほどに強く、抱きしめた。
39: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:24:32.99 ID:5MStGpbX.net
侑「ごめん、ごめんね歩夢……っ。歩夢を独りにさせちゃうような私だけど……隣にいさせてっ……!」
いつの間にか、私の瞼からは熱い液体が頬を伝って流れていた。その涙は、喜怒哀楽では表せない、感情の奔流が流れ出たものだ。
侑「ずっとずっと……後悔してた……。でも、できるだけ小さい後悔になるよう、頑張ってきたんだ。歩夢ともう一度、一緒にいたいから……っ」
歩夢「侑、ちゃ……。うん……うんっ。ありがとね、侑ちゃん……本当にありがとね……っ」
歩夢からも、痛すぎるくらい抱きしめ返された。
それからしばらく、私たちは互いに泣き合っていた。あの時、あの日、あの夜。共に泣けなかった時間を取り戻すように。私たちは泣いて、抱き合っていた。
40: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:25:32.85 ID:5MStGpbX.net
──
侑「ねぇ、歩夢……」
歩夢「なに……?侑ちゃん」
私と歩夢はたくさん泣いた後、屋上の手すりの前に座っていた。片方の手を互いに握りながら。
侑「私、さ……アイツに……中に出されちゃった。こんな汚れた私でも、歩夢の隣にいてもいいのかな……」
私の中で、未だに蟠っている思いだった。妊娠検査キットで陰性だったとしても、私の中の私の体の認識は汚れたままだ。その事実は……歩夢に言わなきゃいけない、いや、歩夢に聞いて欲しかった。
歩夢「侑ちゃん。私の目、見て」
侑「……うん」
歩夢の顔を直視する。
歩夢の目は……とても綺麗だった。地獄の底を経験して尚、濁っていない目だった。先ほどまでの翳りのある感じなど、微塵も無かった。
対して私はどうだろう。正直言って、酷い顔をしていると思う。弱々しい、捨てられた子犬ような……そんな目をしているんじゃないかって思う。
歩夢「侑ちゃんの体は綺麗だよ。大丈夫。他の人が何をどう言ったって、侑ちゃんの体は綺麗だよ」
何の衒いも無い、歩夢の心の底から来る素直な言葉だった。そこには一片の嘘も、建前も存在していないって分かった。
歩夢「それに、侑ちゃんの体が汚いなら、私の体はどうなるの?」
41: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:26:33.84 ID:5MStGpbX.net
侑「え……」
歩夢「侑ちゃん、私の体って汚いのかな?」
その言葉に、私の頭が急激に熱くなった。
侑「うぅんっ!そんなことない!ある訳ないよ!歩夢の体が汚いなんて、あるわけない!歩夢の体は綺麗なままだよ!!」
歩夢「……ね。ほら、そういうことなんだよ」
そう言って歩夢は、優しく笑いかけてくれた。
侑「……そっか。そうなんだ」
歩夢に諭され、私は何となく憑き物が落ちたような気がした。それは一陣の風に乗って、どこか遠くへと霧散したような……。
歩夢「私ね、もう一度スクールアイドル頑張ってみようと思う」
不意に、歩夢はそう言った。
歩夢は現在、同好会の活動を休止している。理由としては、満足にアイドルとしてパフォーマンスができないから。それと、男のファンに対して忌避感を持ってしまっているからだ。
侑「でも、まだ平気じゃないんでしょ?もう少し休んでからでも、いいんじゃないの?」
歩夢「平気じゃないけど、私はスクールアイドルをやりたいんだ」
そういう歩夢の瞳は、強い意志を感じさせた。
42: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:27:36.33 ID:5MStGpbX.net
歩夢「嫌なことがいっぱいあったけど、だから余計に、自分の中で譲れない思いに気づけたんだ。侑ちゃんが大好きって気持ち、スクールアイドルをもっともっとやりたいって思い。それだけは、我慢しちゃいけないって思うんだ」
譲れない思い。確かに今回のことで、より顕著に浮き彫りになった気がする。
歩夢への大好きな思い。スクールアイドルや作曲への強い思い。
どんなに辛くたって、苦しくたって、そこに嘘は吐けないし、ずっと変わらないままだった。
侑「じゃあ……歩夢。久々にさ、一緒に同好会に行こうよ」
ギュッ、と私は歩夢の手を改めて強く握る。歩夢からも同じ力で握り返され、温かさと思いの強さを感じた。
歩夢「うんっ。一緒にね!侑ちゃんっ」
そして私は、歩夢と手を握ったまま立ち上がった。これからの道も、二人で歩いていこう。決して一人で抱え込まず、二人で悩んで前へ進んでいこう。私はそう、強く思った。
ふと、私は何となく空を見上げた。屋上から見上げる空は何となくより高く思えて、でもなんだか届きそうな気がして。
それはなんだか、私の追い続ける夢やときめきに似ていると、そう思った。
おわり
43: 名無しで叶える物語 2023/01/31(火) 19:29:02.49 ID:5MStGpbX.net
最近読んだゆうぽむで脳破壊されたので、救いのある話にして脳を回復させようと思って書きました
脳は回復しませんでしたが、少し気持ちがスッキリしました
ありがとうございました
侑「私と歩夢が男に弄ばれる話とその後」