第拾八話 「命の選択を」
==== 昼 米国上空 ====
ヱヴァ3号機を吊り下げて雲上を飛ぶ大型輸送機
無線の声『エクタ64より、ネオパン400。前方航路上に積乱雲を確認』
無線の声『ネオパン400確認。積乱雲の気圧状態は問題なし。航路変更せず、到着時間を遵守せよ』
無線の声『エクタ64、了解』
積乱雲の中に消えていく輸送機
輸送機が消えた積乱雲で稲妻が数回、閃く
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==== 朝 ミサトのマンション 玄関 ====
(中略)
学生服姿のシンジと、ネルフの正装のミサト
シンジ「――でも、アメリカから参号機が来るって。松代でするんでしょ、起動実験」
ミサトの旅行鞄を見るシンジ
ミサト「うーん、ちょっち4日ほど留守にするけど、加持が面倒見てくれるから心配ないわよ」
シンジ「でも実験は……」
ミサト「リツコも立ち会うんだし、問題ないわよ」
シンジ「でもパイロットは?」
ミサト「その……パイロットなんだけど……」
呼び鈴の音
シンジ「はーい!」
開くドア
ケンスケ「おはようございます! 今日は、葛城三佐にお願いにあがりました!」
気をつけしてお辞儀しているケンスケ
シンジ、ミサト「……」
ケンスケ「自分を……自分をエヴァンゲリオン参号機のパイロットにしてください!」
ミサト「へ?」
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(中略)
==== 昼 第壱中学校 屋上 ====
ひとり佇むトウジ
レイ「鈴原くん」
トウジ「ん?」
わずかに振り返るトウジ
トウジ「なんや、綾波か……シンジやったら、ここにはおらんで」
レイ「……」
トウジ「知っとんのやろ? ワシのこと。惣流も知っとるようやし」
レイ「うん」
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